JP2019123305A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキ装置を制御して車両にヨーモーメントを付与する車両の制御装置において、横加速度の大きさを考慮してヨーモーメントを付与する制御を行うことで、強い制御介入感や違和感をドライバに与えることを抑制する。【解決手段】車両の制御装置は、ステアリングホイール6などを含む操舵装置と、左右の車輪に異なる制動力を付与可能なブレーキ装置16と、プロセッサを含むPCM14と、を備える。このPCM14は、車両1の旋回状態に応じた値が閾値以上となったときに、車両1に発生しているヨーレートとは逆回りのヨーモーメントを設定し、当該設定したヨーモーメントを車両1に生じさせるようにブレーキ装置16を制御し、また、車両1に発生している横加速度が小さいときには、そうでないときよりも閾値を大きくするように構成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、車両の制御装置に係わり、特に、左右の車輪に異なる制動力を付与可能なブレーキ装置を備えた車両の制御装置に関する。
従来、スリップ等により車両の挙動が不安定になった場合に安全方向に車両の挙動を制御するもの(横滑り防止装置等)が知られている。具体的には、車両のコーナリング時等に、車両にアンダーステアやオーバーステアの挙動が生じたことを検出し、それらを抑制するように車輪に適切な減速度を付与するようにしたものが知られている。
また、上述したような車両の挙動が不安定になるような走行状態における安全性向上のための制御とは異なり、日常運転領域から稼動するハンドル操作に連係した加減速を自動的に行い、限界運転領域で横滑りを低減させるようにした車両の運動制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特に、この特許文献1には、車両の前後方向の加減速を制御する第1のモードと、車両のヨーモーメントを制御する第2のモードと、を備えた車両の運動制御装置が開示されている。
特許5143103号公報
上記したように、特許文献1に開示された技術では、第2のモードにおいて、ヨーモーメントを車両に付与する制御を行っている。このヨーモーメントを付与する制御は、車両の横加速度が大きいときに行う場合には特に問題無いが、車両の横加速度が小さいときに行うと、この制御が介入していることをドライバが感じ易くなり、違和感(比較的強い制御介入感)をドライバに与える傾向にある。特に、特許文献1に開示された技術では、車両の横ジャーク(操舵速度に相当する)の大きさに応じたヨーモーメントを車両に付与しているが、横加速度が小さいときでも横ジャークが大きくなる場合があり、その場合にはヨーモーメントが大きくなって、強い制御介入感をドライバに与えることとなる。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ブレーキ装置を制御して車両にヨーモーメントを付与する車両の制御装置において、横加速度の大きさを考慮してヨーモーメントを付与する制御を行うことで、強い制御介入感や違和感をドライバに与えることを抑制することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、操舵装置と、左右の車輪に異なる制動力を付与可能なブレーキ装置と、プロセッサと、を備えた車両の制御装置であって、プロセッサは、車両の旋回状態に応じた値が閾値以上となったときに、車両に発生しているヨーレートとは逆回りのヨーモーメントを設定し、当該設定したヨーモーメントを車両に生じさせるようにブレーキ装置を制御し、車両に発生している横加速度が小さいときには、そうでないときよりも閾値を大きくするように構成されている、ことを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、車両に発生している横加速度が小さいときに、上記閾値を大きくすることで、ヨーモーメントを車両に生じさせる制御を実行されにくくすることができる、つまり当該制御の実行を抑制することができる。これにより、横加速度が小さいときに、ヨーモーメントを車両に生じさせる制御による違和感、具体的には強い制御介入感をドライバに与えることを適切に抑制することができる。一方、横加速度が大きいときには、ヨーモーメントを車両に生じさせる制御を実行させて、この制御による効果を適切に確保することできる。
また、本発明において、好ましくは、プロセッサは、旋回状態に応じた値が閾値以上で、且つ操舵装置の操舵角が減少しているときに、設定したヨーモーメントを車両に生じさせるようにブレーキ装置を制御するように構成されている。
このように構成された本発明によれば、操舵装置の切り戻し操作時に、ヨーモーメントを車両に生じさせる制御を適切に実行することができる。よって、旋回状態にある車両を速やかに直進方向に向かせることができるようになる。
また、本発明において、好ましくは、プロセッサは、旋回状態に応じた値として、操舵装置の操舵角を検出する操舵角センサの検出値に基づき取得した操舵速度を用い、操舵速度が閾値以上となったときに、操舵速度及び車速に基づき目標横ジャークを設定し、当該目標横ジャークに基づきヨーモーメントを設定するように構成されている。
このように構成された本発明によれば、ドライバのステアリング操作の速さに応じた大きさのヨーモーメントを車両の旋回を抑える方向に付与することができ、ドライバのステアリング操作に応じて素早く車両挙動を安定化させることができる。
また、本発明において、好ましくは、プロセッサは、旋回状態に応じた値として、車両に実際に生じている実ヨーレートと、操舵装置の操舵角を検出する操舵角センサの検出値に基づき設定された目標ヨーレートとの差の変化速度を用い、変化速度が閾値以上となったときに、当該変化速度に基づきヨーモーメントを設定するように構成されている。
このように構成された本発明によれば、例えば圧雪路のような低μ路でステアリングホイールの操作を行った場合に、実ヨーレートの応答遅れに起因するヨーレート差の急激な変化に応じて直ちに旋回を抑える方向のヨーモーメントを車両に付与することができ、車両の挙動が不安定になる前の状況において、ドライバのステアリング操作に応じて素早く車両挙動を安定化させることができる。
他の観点では、上記の目的を達成するために、本発明は、操舵装置と、左右の車輪に異なる制動力を付与可能なブレーキ装置と、プロセッサと、を備えた車両の制御装置であって、プロセッサは、車両の旋回状態に基づき、車両に発生しているヨーレートとは逆回りのヨーモーメントを設定し、当該設定したヨーモーメントを車両に生じさせるようにブレーキ装置を制御し、車両に発生している横加速度が第1値であるときは、設定したヨーモーメントを車両に生じさせる制御を実行する一方で、横加速度が第1値よりも小さい第2値であるときは、設定したヨーモーメントを車両に生じさせる制御の実行を禁止するように構成されている、ことを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、横加速度が比較的小さいときに、ヨーモーメントを車両に生じさせる制御を禁止することで、当該制御の実行による違和感をドライバに与えることを適切に抑制することができる。
本発明によれば、ブレーキ装置を制御して車両にヨーモーメントを付与する車両の制御装置において、横加速度の大きさを考慮してヨーモーメントを付与する制御を行うことで、強い制御介入感や違和感をドライバに与えることを適切に抑制することができる。
本発明の実施形態による車両の制御装置を搭載した車両の全体構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による車両の制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による姿勢制御処理のフローチャートである。 本発明の実施形態による付加減速度設定処理のフローチャートである。 本発明の実施形態による付加減速度と操舵速度との関係を示したマップである。 本発明の実施形態による目標ヨーモーメント設定処理のフローチャートである。 本発明の実施形態において目標ヨーモーメントを設定するために用いられる閾値を規定したマップである。 本発明の実施形態による車両の制御装置を搭載した車両が旋回を行う場合の、車両姿勢制御に関するパラメータの時間変化を示したタイムチャートである。 本発明の実施形態の変形例による目標ヨーモーメント設定処理のフローチャートである。 本発明の実施形態の変形例において目標ヨーモーメントを設定するために用いられる閾値を規定したマップである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両の制御装置を説明する。
<システム構成>
まず、図1により、本発明の実施形態による車両の制御装置を搭載した車両のシステム構成を説明する。図1は、本発明の実施形態による車両の制御装置を搭載した車両の全体構成を示すブロック図である。
図1において、符号1は、本実施形態による車両の制御装置を搭載した車両を示す。車両1の車体前部には、駆動輪(図1の例では左右の前輪2)を駆動する駆動源として、エンジン4が搭載されている。エンジン4は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃エンジンであり、本実施形態では点火プラグを有するガソリンエンジンである。
また、車両1は、当該車両1を操舵するための操舵装置(ステアリングホイール6など)と、この操舵装置においてステアリングホイール6に連結されたステアリングコラム(図示せず)の回転角度を検出する操舵角センサ8と、車速を検出する車速センサ10と、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ12と、横加速度を検出する横加速度センサ13と、を有する。これらの各センサは、それぞれの検出値をPCM(Power-train Control Module)14に出力する。
また、車両1は、各車輪に設けられたブレーキ装置16のホイールシリンダやブレーキキャリパにブレーキ液圧を供給するブレーキ制御システム18を備えている。ブレーキ制御システム18は、各車輪に設けられたブレーキ装置16において制動力を発生させるために必要なブレーキ液圧を生成する液圧ポンプ20を備えている。液圧ポンプ20は、例えばバッテリから供給される電力で駆動され、ブレーキペダルが踏み込まれていないときであっても、各ブレーキ装置16において制動力を発生させるために必要なブレーキ液圧を生成することが可能となっている。また、ブレーキ制御システム18は、各車輪のブレーキ装置16への液圧供給ラインに設けられた、液圧ポンプ20から各車輪のブレーキ装置16へ供給される液圧を制御するためのバルブユニット22(具体的にはソレノイド弁)を備えている。例えば、バッテリからバルブユニット22への電力供給量を調整することによりバルブユニット22の開度が変更される。また、ブレーキ制御システム18は、液圧ポンプ20から各車輪のブレーキ装置16へ供給される液圧を検出する液圧センサ24を備えている。液圧センサ24は、例えば各バルブユニット22とその下流側の液圧供給ラインとの接続部に配置され、各バルブユニット22の下流側の液圧を検出し、検出値をPCM(Power-train Control Module)14に出力する。
ブレーキ制御システム18は、PCM14から入力された制動力指令値や液圧センサ24の検出値に基づき、各車輪のホイールシリンダやブレーキキャリパのそれぞれに独立して供給する液圧を算出し、それらの液圧に応じて液圧ポンプ20の回転数やバルブユニット22の開度を制御する。
次に、図2により、本発明の実施形態による車両の制御装置の電気的構成を説明する。図2は、本発明の実施形態による車両の制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
本実施形態によるPCM14(車両の制御装置)は、上述したセンサ8〜13、24の検出信号の他、エンジン4の運転状態を検出する各種センサが出力した検出信号に基づいて、エンジン4の生成トルク制御機構として機能するエンジン4の各部(例えば、スロットルバルブ、ターボ過給機、可変バルブ機構、点火装置、燃料噴射弁、EGR装置等)及びブレーキ制御システム18に対する制御を行うべく、制御信号を出力する。
PCM14及びブレーキ制御システム18は、それぞれ、1つ以上のプロセッサ、当該プロセッサ上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを記憶するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。詳細は後述するが、PCM14及びブレーキ制御システム18は本発明における車両の制御装置に相当する。
<車両の姿勢制御>
次に、車両の制御装置が実行する具体的な制御内容を説明する。まず、図3により、本発明の実施形態において車両の制御装置が行う姿勢制御処理の全体的な流れを説明する。図3は、本発明の実施形態による姿勢制御処理のフローチャートである。
図3の姿勢制御処理は、車両1のイグニッションがオンにされ、車両の制御装置に電源が投入された場合に起動され、所定周期(例えば50ms)で繰り返し実行される。
姿勢制御処理が開始されると、図3に示すように、ステップS1において、PCM14は車両1の運転状態に関する各種センサ情報を取得する。具体的には、PCM14は、操舵角センサ8が検出した操舵角、車速センサ10が検出した車速、ヨーレートセンサ12が検出したヨーレート、横加速度センサ13が検出した横加速度、液圧センサ24が検出した液圧、車両1の変速機に現在設定されているギヤ段等を含む、上述した各種センサが出力した検出信号を運転状態に関する情報として取得する。
次に、ステップS2において、PCM14は、ステップS1において取得されたアクセルペダルの操作を含む車両1の運転状態に基づき、目標加速度を設定する。具体的には、PCM14は、種々の車速及び種々のギヤ段について規定された加速度特性マップ(予め作成されてメモリなどに記憶されている)の中から、現在の車速及びギヤ段に対応する加速度特性マップを選択し、選択した加速度特性マップを参照して現在のアクセル開度に対応する目標加速度を決定する。
次に、ステップS3において、PCM14は、ステップS2において決定した目標加速度を実現するためのエンジン4の基本目標トルクを決定する。この場合、PCM14は、現在の車速、ギヤ段、路面勾配、路面μなどに基づき、エンジン4が出力可能なトルクの範囲内で、基本目標トルクを決定する。
また、ステップS2及びS3の処理と並行して、ステップS4において、PCM14は付加減速度設定処理を実行し、操舵角に関連する値(操舵角関連値)に基づき、車両1に減速度を発生させることで車両姿勢を制御するために必要なトルク低減量を決定する。本実施形態では、操舵角関連値として操舵角を用いる場合を説明する。付加減速度設定処理の詳細は後述する。
次に、ステップS5において、PCM14は、目標ヨーモーメント設定処理を実行し、車両1の旋回状態に基づき車両姿勢を制御するために車両1に付与すべき目標ヨーモーメントを設定する。本実施形態では、旋回状態として操舵速度を用いる場合を説明する。目標ヨーモーメント設定処理の詳細は後述する。
ステップS3及びS5の処理の後、ステップS9に進み、PCM14は、ステップS3において決定した基本目標トルクと、ステップS4において決定したトルク低減量に基づき、最終目標トルクを決定する。具体的には、PCM14は、基本目標トルクからトルク低減量を減算した値を最終目標トルクとする。なお、ステップS4においてトルク低減量が決定されなかった場合には(つまりトルク低減量が0である場合)、PCM14は、基本目標トルクをそのまま最終目標トルクとして適用する。
ステップS9の後、ステップS10に進み、PCM14は、ステップS9において設定した最終目標トルクを出力させるようにエンジン4を制御する。具体的には、PCM14は、ステップS9において設定した最終目標トルクと、エンジン回転数とに基づき、最終目標トルクを実現するために必要となる各種状態量(例えば、空気充填量、燃料噴射量、吸気温度、酸素濃度等)を決定し、それらの状態量に基づき、エンジン4の各構成要素のそれぞれを駆動する各アクチュエータを制御する。この場合、PCM14は、状態量に応じた制限値や制限範囲を設定し、状態値が制限値や制限範囲による制限を遵守するような各アクチュエータの制御量を設定して制御を実行する。
より詳細には、エンジン4がガソリンエンジンであるときには、PCM14は、基本目標トルクからトルク低減量を減算することにより最終目標トルクが決定された場合、点火プラグ24の点火時期を、基本目標トルクをそのまま最終目標トルクとしたときの点火時期よりも遅角させる(リタードする)ことにより、エンジン4の生成トルクを低下させる。
また、エンジン4がディーゼルエンジンであるときには、PCM14は、基本目標トルクからトルク低減量を減算することにより最終目標トルクが決定された場合、燃料噴射量を、基本目標トルクをそのまま最終目標トルクとしたときの燃料噴射量よりも減少させることにより、エンジン4の生成トルクを低下させる。
次に、ステップS11において、ブレーキ制御システム18は、ステップS5において設定された目標ヨーモーメントを車両1に付与するようにブレーキ装置16を制御する。ブレーキ制御システム18は、ヨーモーメント指令値と液圧ポンプ20の回転数との関係を規定したマップを予め記憶しており、このマップを参照することにより、ステップS5の目標ヨーモーメント設定処理において設定されたヨーモーメント指令値に対応する回転数で液圧ポンプ20を作動させる(例えば、液圧ポンプ20への供給電力を上昇させることにより、制動力指令値に対応する回転数まで液圧ポンプ20の回転数を上昇させる)。
また、ブレーキ制御システム18は、例えば、ヨーモーメント指令値とバルブユニット22の開度との関係を規定したマップを予め記憶しており、このマップを参照することにより、ヨーモーメント指令値に対応する開度となるようにバルブユニット22を個々に制御し(例えば、ソレノイド弁への供給電力を上昇させることにより、制動力指令値に対応する開度までソレノイド弁の開度を増大させる)、各車輪の制動力を調整する。なお、ブレーキ制御システム18は、ステップS5において目標ヨーモーメントが設定されなかった場合には、上記のステップS11の制御を行わない。
ステップS11の後、PCM14は、姿勢制御処理を終了する。
次に、図4及び図5を参照して、本発明の実施形態における付加減速度設定処理について説明する。
図4は、本発明の実施形態による付加減速度設定処理のフローチャートであり、図5は、本発明の実施形態による付加減速度と操舵速度との関係を示したマップである。
付加減速度設定処理が開始されると、ステップS21において、PCM14は、ステアリングホイール6の切り込み操作中(即ち操舵角(絶対値)が増大中)か否かを判定する。
その結果、切り込み操作中である場合、ステップS22に進み、PCM14は、図3の姿勢制御処理のステップS1において操舵角センサ8から取得した操舵角に基づき操舵速度を算出する。
次に、ステップS23において、PCM14は、操舵速度が所定の閾値S1以上であるか否かを判定する。その結果、操舵速度が閾値S1以上である場合、ステップS24に進み、PCM14は、操舵速度に基づき付加減速度を設定する。この付加減速度は、ドライバの意図に沿って車両姿勢を制御するために、ステアリング操作に応じて車両に付加すべき減速度である。
具体的には、PCM14は、図5のマップに示す付加減速度と操舵速度との関係に基づき、ステップS22において算出した操舵速度に対応する付加減速度を設定する。図5における横軸は操舵速度を示し、縦軸は付加減速度を示す。図5に示すように、操舵速度が閾値S1未満である場合、対応する付加減速度は0である。即ち、操舵速度が閾値S1未満である場合、PCM14は、ステアリング操作に基づき車両1に減速度を付加するための制御(具体的にはエンジン4の生成トルクの低減)を行わない。
一方、操舵速度が閾値S1以上である場合には、操舵速度が増大するに従って、この操舵速度に対応する付加減速度は、所定の上限値Dmaxに漸近する。即ち、操舵速度が増大するほど付加減速度は増大し、且つ、その増大量の増加割合は小さくなる。この上限値Dmaxは、ステアリング操作に応じて車両1に減速度を付加しても、制御介入があったとドライバが感じない程度の減速度に設定される(例えば0.5m/s2≒0.05G)。さらに、操舵速度が閾値S1よりも大きい閾値S2以上の場合には、付加減速度は上限値Dmaxに維持される。
次に、ステップS25において、PCM14は、ステップS24で設定した付加減速度に基づき、トルク低減量を決定する。具体的には、PCM14は、エンジン4の生成トルクの低下により付加減速度を実現するために必要となるトルク低減量を、ステップS1において取得された現在の車速、ギヤ段、路面勾配等に基づき決定する。ステップS25の後、PCM14は付加減速度設定処理を終了し、メインルーチンに戻る。
また、ステップS21において、ステアリングホイール6の切り込み操作中ではない場合、又は、ステップS23において、操舵速度が閾値S1未満である場合、PCM14は、付加減速度の設定を行うことなく付加減速度設定処理を終了し、メインルーチンに戻る。この場合、トルク低減量は0となる。
次に、図6及び図7により、本発明の実施形態における目標ヨーモーメント設定処理について説明する。
図6は、本発明の実施形態による目標ヨーモーメント設定処理のフローチャートであり、図7は、本発明の実施形態による目標ヨーモーメント設定処理において用いる閾値を示したマップである。
図6に示すように、目標ヨーモーメント設定処理が開始されると、ステップS31において、PCM14は、図3の姿勢制御処理のステップS1において取得した操舵角及び車速に基づき目標ヨーレート及び目標横ジャークを算出する。具体的には、PCM14は、車速に応じた係数を操舵角に乗ずることにより目標ヨーレートを算出する。また、PCM14は、操舵速度及び車速に基づき目標横ジャークを算出する。
次に、ステップS32において、PCM14は、図3の姿勢制御処理のステップS1において取得したヨーレートセンサ12が検出したヨーレート(実ヨーレート)とステップS31で算出した目標ヨーレートとの差(ヨーレート差)Δγを算出する。
次に、ステップS33において、PCM14は、横加速度センサ13が検出した横加速度に応じて、以下の処理での判定において用いる閾値Y1及びS3を設定する。この閾値Y1及びS3は、原則的に、車両1の旋回状態に応じた所定のパラメータが当該閾値Y1及びS3以上である場合に、車両に付与すべき目標ヨーモーメントを設定するように用いられる(所定のパラメータが閾値Y1及びS3未満である場合には目標ヨーモーメントは設定されない)。図7を参照して、閾値Y1及びS3の設定について具体的に説明する。なお、図7の説明においては、説明の便宜上、「閾値Y1」及び「閾値S3」のことを単に「閾値」と表記することがある。
図7は、本発明の実施形態において目標ヨーモーメントを設定するために用いられる閾値を規定したマップである。このマップは予め作成されメモリ等に記憶されている。図7は、横軸に横加速度を示しており、縦軸に閾値を示している。図7に示すように、横加速度が小さくなるほど、閾値が大きくなっていく、具体的には閾値Y1及び閾値S3の両方とも値が大きくなっていく。
このような閾値を適用することで、横加速度が小さくなると、車両1の旋回状態に応じた所定のパラメータが閾値以上であるという条件が成立しにくくなる。その結果、以下の処理において目標ヨーモーメントが設定される可能性が低くなる。すなわち、横加速度が小さくなると、実ヨーレートとは逆回りの目標ヨーモーメントをブレーキ装置16により車両1に付与する制御が実行されにくくなる。こうすることで、車両1に発生する横加速度が小さい場合に、ヨーモーメントを車両1に付与する制御による違和感、具体的には強い制御介入感をドライバに与えることを適切に抑制できるようになる。
なお、図7は、横加速度に応じた閾値Y1及びS3の両方の傾向を概略的に示したものであり、実際には、このような傾向に従って、横加速度に応じて閾値Y1及びS3のそれぞれが別々に設定される(後で示す図10にも同様に適用されるものとする)。つまり、閾値Y1及びS3のそれぞれについて、横加速度に応じたマップが規定されており、原則、閾値Y1と閾値S3とは異なる値に設定される。
また、車両1に発生する横加速度は時々刻々変化するものであるが、そのように変化する横加速度に応じて適用する閾値を変化させてもよいし、横加速度に応じて適用する閾値を変化させないようにしてもよい。後者の場合には、所定のパラメータが閾値以上となって、目標ヨーモーメントを車両1に付与する制御が開始された後は、閾値を変化させないようにすればよい。つまり、目標ヨーモーメントを車両1に付与する制御の実行中は、横加速度の変化に応じて閾値を変更せずに、制御開始時の横加速度に応じた閾値を当該制御中に一貫して用いればよい。
図6に戻って、ステップS34以降の処理について説明を再開する。ステップS34において、PCM14は、ステアリングホイール6の切り戻し操作中(即ち操舵角が減少中)であり、且つ、ヨーレート差Δγを時間微分することで得られるヨーレート差の変化速度Δγ′が閾値Y1以上であるか否かを判定する。PCM14は、この閾値Y1として、ステップS33で設定された値を用いる。
その結果、切り戻し操作中且つヨーレート差の変化速度Δγ′が閾値Y1以上である場合、ステップS35に進み、PCM14は、ヨーレート差の変化速度Δγ′に基づき、車両1の実ヨーレートとは逆回りのヨーモーメントを目標ヨーモーメントとして設定する。具体的には、PCM14は、所定の係数をヨーレート差の変化速度Δγ′に乗ずることにより、目標ヨーモーメントの大きさを算出する。
一方、ステップS34において、ステアリングホイール6の切り戻し操作中ではない(即ち操舵角が一定又は増大中である)場合、ステップS36に進み、PCM14は、ヨーレート差の変化速度Δγ′が実ヨーレートが目標ヨーレートより大きくなる方向(即ち車両1の挙動がオーバーステアとなる方向)であり且つヨーレート差の変化速度Δγ′が閾値Y1以上であるか否かを判定する。具体的には、PCM14は、目標ヨーレートが実ヨーレート以上の状況の下でヨーレート差が減少している場合や、目標ヨーレートが実ヨーレート未満の状況の下でヨーレート差が増大している場合に、ヨーレート差の変化速度Δγ′は実ヨーレートが目標ヨーレートより大きくなる方向であると判定する。
その結果、ヨーレート差の変化速度Δγ′が実ヨーレートが目標ヨーレートより大きくなる方向であり且つヨーレート差の変化速度Δγ′が閾値Y1以上である場合、ステップS35に進み、PCM14は、ヨーレート差の変化速度Δγ′に基づき、車両1の実ヨーレートとは逆回りのヨーモーメントを目標ヨーモーメントとして設定する。
ステップS35の後、又は、ステップS36においてヨーレート差の変化速度Δγ′が実ヨーレートが目標ヨーレートより大きくなる方向ではないかヨーレート差の変化速度Δγ′が閾値Y1未満である場合、ステップS37に進み、PCM14は、ステアリングホイール6の切り戻し操作中(即ち操舵角が減少中)であり、且つ、操舵速度が所定の閾値S3以上であるか否かを判定する。PCM14は、この閾値S3として、ステップS33で設定された値を用いる。
その結果、切り戻し中且つ操舵速度が閾値S3以上である場合、ステップS38に進み、PCM14は、ステップS31で算出した目標横ジャークに基づき、車両1の実ヨーレートとは逆回りのヨーモーメントを第2の目標ヨーモーメントとして設定する。具体的には、PCM14は、所定の係数を目標横ジャークに乗ずることにより、第2の目標ヨーモーメントの大きさを算出する。
ステップS38の後、又は、ステップS37においてステアリングホイール6の切り戻し操作中ではない(即ち操舵角が一定又は増大中である)か操舵速度が閾値S3未満である場合、ステップS39に進み、PCM14は、ステップS35で設定した目標ヨーモーメントとステップS38で設定した第2の目標ヨーモーメントとの内、大きい方をヨーモーメント指令値に設定する。なお、ステップS35及びステップS38の両方において目標ヨーモーメントが設定されなかった場合(つまりステップS35、S38の処理が両方とも実行されなかった場合)、PCM14は、ステップS39においてヨーモーメント指令値を設定しない。ステップS39の後、PCM14は目標ヨーモーメント設定処理を終了し、メインルーチンに戻る。
次に、図8を参照して、本発明の実施形態による車両の制御装置の作用について説明する。図8は、本発明の実施形態による車両の制御装置を搭載した車両1に旋回走行させたときの、姿勢制御に関わる各種パラメータの時間変化を示すタイムチャートである。
図8において、チャート(a)は操舵角を示し、チャート(b)は操舵速度を示し、チャート(c)は目標ヨーモーメントを設定するために用いられる目標横ジャークを示し、チャート(d)は目標ヨーモーメント(PCM14からブレーキ制御システム18に入力されるヨーモーメント指令値に対応する)を示している。チャート(b)において、符号S31は、横加速度が比較的大きいときに操舵速度の判定に適用される閾値S3(以下では適宜「閾値S31」と表記する。)を示し、符号S32は、横加速度が比較的小さいときに操舵速度の判定に適用される閾値S3(以下では適宜「閾値S32」と表記する。)を示している。図7のマップによれば、横加速度が小さいほど閾値S3が大きくなるので、横加速度が比較的小さいときの閾値S32は、横加速度が比較的大きいときの閾値S31よりも大きくなる(絶対値にて比較)。
図8に示すように、ステアリング操作が切り込み操作から切り戻し操作へと切り替わり(チャート(a)参照)、この切り替わりタイミングにおいて操舵速度の絶対値が大きくなっていく(チャート(b)参照)。横加速度が比較的大きいときには、時刻t1において、操舵速度(絶対値)が閾値S31以上になる。特に、この時刻t1において、ステアリング操作が切り戻し操作であり、且つ、操舵速度(絶対値)が閾値S31(S3)以上であるという条件(図6のステップS37参照)が成立する。その結果、横加速度が比較的大きいときには、時刻t1より、車両1に付与すべき目標ヨーモーメントが設定されて(チャート(d)の実線参照)、ヨーモーメントを車両1に付与する制御が実行される。そして、時刻t2において、ステアリングホイール6の切り戻し操作が終了すると(チャート(a)参照)、目標ヨーモーメントが0に設定されて、ヨーモーメントを車両1に付与する制御が終了される。
一方で、横加速度が比較的小さいときには、ステアリングホイール6の切り戻し操作が開始してから終了するまでの間(時刻t1から時刻t2までの間)、操舵速度(絶対値)が閾値S32を超えることはない(チャート(b)参照)。よって、ステアリング操作が切り戻し操作であり、且つ、操舵速度(絶対値)が閾値S32(S3)以上であるという条件(図6のステップS37参照)が成立しない。そのため、横加速度が比較的小さいときには、車両1に付与すべき目標ヨーモーメントが0に維持され(チャート(d)の破線参照)、ヨーモーメントを車両1に付与する制御が実行されない。このようなことから、本実施形態によれば、横加速度が小さい場合に、ヨーモーメントを車両1に付与する制御の実行を適切に抑制できるようになる。
<作用効果>
次に、本発明の実施形態による車両の制御装置の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、PCM14は、車両の旋回状態に応じた値が閾値以上となったときに、車両1に発生しているヨーレートとは逆回りのヨーモーメントを車両1に生じさせる制御を実行し、この閾値を横加速度が小さいときにはそうでないときよりも大きくする。これにより、横加速度が小さいときに、上記閾値を大きくすることで、ヨーモーメントを車両1に生じさせる制御を実行されにくくすることができる、つまり当該制御の実行を抑制することができる。その結果、横加速度が小さいときに、ヨーモーメントを車両1に生じさせる制御による違和感、具体的には強い制御介入感をドライバに与えることを適切に抑制することができる。一方、横加速度が大きいときには、ヨーモーメントを車両1に生じさせる制御を実行させて、この制御による効果を適切に確保することできる。
また、本実施形態によれば、PCM14は、操舵角が減少しているときに、ヨーモーメントを車両1に生じさせる制御を実行するので、ステアリングホイール6の切り戻し操作時に当該制御を適切に実行することができる。よって、旋回状態にある車両1を速やかに直進方向に向かせることができるようになる。
また、本実施形態によれば、PCM14は、操舵角センサ8の検出値に基づき取得した操舵速度が閾値S3以上となったときに、操舵速度及び車速に基づき目標横ジャークを設定し、当該目標横ジャークに基づきヨーモーメントを設定する。これにより、ドライバのステアリング操作の速さに応じた大きさのヨーモーメントを車両1の旋回を抑える方向に付与することができ、ドライバのステアリング操作に応じて素早く車両挙動を安定化させることができる。
また、本実施形態によれば、PCM14は、車両1に実際に生じている実ヨーレートと操舵角センサ8の検出値に基づき設定された目標ヨーレートとの差の変化速度が閾値Y1以上となったときに、当該変化速度に基づきヨーモーメントを設定する。これにより、例えば圧雪路のような低μ路でステアリングホイールの操作を行った場合に、実ヨーレートの応答遅れに起因するヨーレート差の急激な変化に応じて直ちに旋回を抑える方向のヨーモーメントを車両1に付与することができ、車両1の挙動が不安定になる前の状況において、ドライバのステアリング操作に応じて素早く車両挙動を安定化させることができる。
<変形例>
次に、本実施形態の変形例について説明する。
(変形例1)
上記した実施形態では、ヨーモーメントを車両1に付与する制御の実行要否を判定するための閾値を横加速度に応じて設定することで、具体的には当該閾値を横加速度が小さいときにはそうでないときよりも大きくすることで、横加速度が小さいときにヨーモーメントを車両1に付与する制御の実行を抑制するようにしていた。変形例では、このように横加速度に応じた閾値を用いた判定を行うことで、ヨーモーメントを車両1に付与する制御の実行を抑制する代わりに、横加速度の大きさ自体に基づく判定を行うことで、ヨーモーメントを車両1に付与する制御の実行を抑制してもよい。具体的には、変形例では、横加速度が所定値未満であるときに、一律に、ヨーモーメントを車両1に付与する制御を禁止してもよい。
図9は、本発明の実施形態の変形例による目標ヨーモーメント設定処理のフローチャートである。図9の目標ヨーモーメント設定処理は、図6に示した目標ヨーモーメント設定処理の代わりに実行されるものである。以下では、図6の目標ヨーモーメント設定処理と異なる構成のみ説明し、図6の目標ヨーモーメント設定処理と同様の構成については説明を省略する。
図9の目標ヨーモーメント設定処理は、ステップS33を具備せず、ステップS30を具備する点で、図6の目標ヨーモーメント設定処理と異なり、それ以外のステップS31〜S32、S34〜S39は、図6の目標ヨーモーメント設定処理と同一である。すなわち、変形例では、PCM14は、図7のマップを用いて横加速度に応じた閾値を設定せず、その代わりにステップS30の判定を行う。変形例では、PCM14は、横加速度に依らない一定の閾値Y1及びS3を用いる。
ステップS30において、PCM14は、横加速度センサ13が検出した横加速度が所定値以上であるか否かを判定する。その結果、横加速度が所定値以上である場合には(ステップS30:Yes)、ステップS31に進む一方で、横加速度が所定値未満である場合には(ステップS30:No)、目標ヨーモーメント設定処理が終了する。つまり、PCM14は、横加速度が所定値未満である場合には、目標ヨーモーメントを設定しない。こうすることで、PCM14は、横加速度が所定値未満である場合には、ヨーモーメントを車両1に付与する制御の実行を禁止するようにする。なお、ステップS30において横加速度を判定するための所定値としては、横加速度がこの値未満である場合にはヨーモーメントを車両1に付与する制御による違和感が顕著になるような横加速度を適用すればよい。
以上述べた変形例によれば、横加速度が小さいときに、ヨーモーメントを車両1に付与する制御の実行を禁止することで、当該制御の実行による違和感をドライバに与えることを適切に抑制することができる。
(変形例2)
上記した実施形態では、ヨーレートの全領域において、ヨーレートが大きくなるにつれて閾値を小さくしていたが(図7参照)、このように閾値を規定することに限定はされない。図10は、本発明の実施形態の変形例において目標ヨーモーメントを設定するために用いられる閾値を規定したマップである。1つの変形例では、図10(a)に示すように、横加速度が所定値未満である場合には、横加速度が小さくなるにつれて閾値を大きくし、横加速度が当該所定値以上である場合には、横加速度によらずに閾値を一定値にしてもよい。この所定値としては、横加速度がこの値未満の領域ではヨーモーメントを車両1に付与する制御による違和感が顕著になり得るような横加速度を適用すればよい。
別の変形例では、図10(b)に示すように、横加速度が所定値未満である場合には、横加速度が当該所定値以上である場合よりも閾値を大きくしてもよい。この例では、横加速度が所定値未満である場合と所定値以上である場合の両方とも、閾値が横加速度によらずに一定値となっているが、ヨーレートが所定値未満である場合には所定値以上である場合よりも閾値が大きくなっている。なお、図10(b)の所定値も、図10(a)と同様な値を適用すればよい。
以上のような図10(a)及び(b)に示す閾値を適用しても、横加速度が小さいときに、ヨーモーメントを車両1に付与する制御の実行を抑制して、当該制御の実行による違和感をドライバに与えることを適切に抑制することができる。
(変形例3)
上述した実施形態では、横加速度センサ13が検出した横加速度を用いていたが、この代わりに、車速センサ10が検出した車速及びヨーレートセンサ12が検出したヨーレート等に基づき算出した横加速度を用いてもよい。
(変形例4)
上述した実施形態では、車両1の旋回状態として、操舵速度や、実ヨーレートと目標ヨーレートとの差(ヨーレート差)の変化速度を用いていたが、これら以外にも、ヨー加速度や横ジャークなどを用いてもよい。
(変形例5)
上記した実施形態では、ステアリングホイール6に連結されたステアリングコラムの回転角度を操舵角として使用すると説明したが、ステアリングコラムの回転角度に代えて、あるいはステアリングコラムの回転角度と共に、操舵系における各種状態量(アシストトルクを付与するモータの回転角や、ラックアンドピニオンにおけるラックの変位等)を操舵角として用いてもよい。
1 車両
2 前輪
4 エンジン
6 ステアリングホイール
8 操舵角センサ
10 車速センサ
12 ヨーレートセンサ
13 横加速度センサ
14 PCM
16 ブレーキ装置
18 ブレーキ制御システム

Claims (5)

  1. 操舵装置と、左右の車輪に異なる制動力を付与可能なブレーキ装置と、プロセッサと、を備えた車両の制御装置であって、
    前記プロセッサは、
    車両の旋回状態に応じた値が閾値以上となったときに、前記車両に発生しているヨーレートとは逆回りのヨーモーメントを設定し、当該設定したヨーモーメントを前記車両に生じさせるように前記ブレーキ装置を制御し、
    前記車両に発生している横加速度が小さいときには、そうでないときよりも前記閾値を大きくするように構成されている、ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記プロセッサは、前記旋回状態に応じた値が前記閾値以上で、且つ前記操舵装置の操舵角が減少しているときに、前記設定したヨーモーメントを前記車両に生じさせるように前記ブレーキ装置を制御するように構成されている、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記プロセッサは、
    前記旋回状態に応じた値として、前記操舵装置の操舵角を検出する操舵角センサの検出値に基づき取得した操舵速度を用い、
    前記操舵速度が前記閾値以上となったときに、前記操舵速度及び車速に基づき目標横ジャークを設定し、当該目標横ジャークに基づき前記ヨーモーメントを設定するように構成されている、請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記プロセッサは、
    前記旋回状態に応じた値として、前記車両に実際に生じている実ヨーレートと、前記操舵装置の操舵角を検出する操舵角センサの検出値に基づき設定された目標ヨーレートとの差の変化速度を用い、
    前記変化速度が前記閾値以上となったときに、当該変化速度に基づき前記ヨーモーメントを設定するように構成されている、請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  5. 操舵装置と、左右の車輪に異なる制動力を付与可能なブレーキ装置と、プロセッサと、を備えた車両の制御装置であって、
    前記プロセッサは、
    車両の旋回状態に基づき、前記車両に発生しているヨーレートとは逆回りのヨーモーメントを設定し、当該設定したヨーモーメントを前記車両に生じさせるように前記ブレーキ装置を制御し、
    前記車両に発生している横加速度が第1値であるときは、前記設定したヨーモーメントを前記車両に生じさせる制御を実行する一方で、前記横加速度が前記第1値よりも小さい第2値であるときは、前記設定したヨーモーメントを前記車両に生じさせる制御の実行を禁止するように構成されている、ことを特徴とする車両の制御装置。
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