JP2019123286A - プリテンショナ機構付バックル装置用ブーツ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】バックルプリテンショナ機構の作動時に、乗員の指を保護する。【解決手段】バックルプリテンショナ用ブーツ構造が適用された車両用シート11には、車両衝突時にバックル装置26を支軸32回りにシート前後方向へ回動し、初期立設位置からシート下方側へ傾倒させるバックルプリテンショナ機構が設けられている。ここで、バックル装置26及びバックルステー28は、バックルブーツ50で覆われており、このバックルブーツ50に設けられる延出部60が、シート幅方向に沿った側面視で、バックル装置26とシートクッション12との間に形成される隙間42と重なる位置に配置されている。これにより、バックル装置26及びバックルステー28とシートクッションとの間に乗員Pの指が挟み込まれることを抑制することができる。【選択図】図2
Description
本発明は、プリテンショナ機構付バックル装置用ブーツ構造に関する。
車両走行時には、乗員は三点式のシートベルト装置によって拘束されている。この状態で、車両衝突時、例えば前面衝突時になると、着座乗員には車両前方側への慣性力が作用する。このため、乗員の着座位置が浅いと、乗員の腰部がシートクッションに沈み込み、乗員の身体がラップ側のウエビング(以下、「ラップウエビング」と称す。)の下側を通ってシート前方側へ潜り込む所謂サブマリン現象が生じることがある。
下記特許文献1には、前面衝突時に、バックル装置を車両前方側へ傾倒させることにより、ラップウエビングの端部(タングプレートへの係止部位)を定常位置から車両下方側へ引き下げる車両拘束装置が開示されている。上記構成によれば、前面衝突時に、乗員の腰部を拘束するラップ側のウエビングの角度を、サブマリン現象を防止するのにより有効な方向に積極的に変化させることができる。
しかしながら、上記先行技術による場合、バックル装置が車両前方側に傾倒する際に、車両用シートのシートクッションと当該バックル装置との間に乗員の指を挟み込む可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、乗員の慣性移動方向へバックル装置を回動させるバックルプリテンショナ機構が設けられた車両用シートにおいて、当該バックルプリテンショナ機構の作動時に、乗員の指の挟み込みを抑制することができるプリテンショナ機構付バックル装置用ブーツ構造を得ることを目的とする。
請求項1記載の本発明に係るプリテンショナ機構付バックル装置用ブーツ構造は、車両用シートのシートクッションにおけるシート幅方向内側に配置され、前記車両用シートに設けられたプリテンショナ機構が作動することにより、支軸回りにシート前後方向へ回動され、初期立設位置からシート下方側へ傾倒されるバックル装置と、前記バックル装置と前記支軸とを連結するバックルステーと、前記バックル装置及びバックルステーを覆うバックルブーツと、前記バックルブーツに設けられ、前記バックル装置及び前記バックルステーと前記シートクッションとの間に乗員の指が挟み込まれることを抑制する、挟み込み抑制手段と、を有している。
請求項1記載の本発明では、車両の衝突が検知されると、バックルプリテンショナ機構が作動し、バックルを車両前方側かつ車両下方側に傾倒させる。
ところで、車両走行時に車両用シートに着座した乗員の手が、シートクッションにおけるシート幅方向の周縁部に置かれている場合がある。この状況下で、車両衝突時になると、プリテンショナ機構により、バックル装置が、支軸回りにシート前後方向に回動されてシート下方側に傾倒される。その結果、バックル装置とシートクッションの周縁部との間に乗員の指が挟み込まれる可能性がある。
しかし、本発明によれば、バックル及びバックルステーを覆うバックルブーツに挟まれ抑制手段が設けられている。このため、シートクッションのシート幅方向の周縁部とバックル装置との間に乗員の指が挟み込まれることが抑制される。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係るプリテンショナ機構付バックル装置用ブーツ構造は、乗員の慣性移動方向へのバックル装置の回動による乗員の指の挟み込みを抑制することができるという優れた効果を有する。
<第1実施形態>
以下、図1及び図2を用いて、第1実施形態に係るプリテンショナ機構付バックル装置用ブーツ構造が適用された乗員拘束装置10について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示し、矢印UPは車両上方側を示し、矢印RHは車両右側を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の左右を示すものとする。また、車両用シート11のシート前後方向は車両前後方向に一致しており、車両用シート11のシート幅方向は車両幅方向に一致している。なお、特に断りのない限り、本実施形態では、車両の向きとシートの向きは一致しているものとする。
以下、図1及び図2を用いて、第1実施形態に係るプリテンショナ機構付バックル装置用ブーツ構造が適用された乗員拘束装置10について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示し、矢印UPは車両上方側を示し、矢印RHは車両右側を示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の左右を示すものとする。また、車両用シート11のシート前後方向は車両前後方向に一致しており、車両用シート11のシート幅方向は車両幅方向に一致している。なお、特に断りのない限り、本実施形態では、車両の向きとシートの向きは一致しているものとする。
(全体構成)
図2(A)、(B)に示されるように、乗員拘束装置10は、車両用シート11のシートクッション12に着座した乗員Pを拘束するための三点式のシートベルト装置20と、当該シートベルト装置20を構成するバックル装置26及びバックルステー28を覆うように配置された後述するバックルブーツ50と、によって構成されている。まず最初に、車両用シート11及びシートベルト装置20の全体構成についてこの順に説明する。
図2(A)、(B)に示されるように、車両用シート11は、着座した乗員の腰部L及び大腿部Dを支持するシートクッション12と、シートクッション12の後端部に傾倒可能に支持されて乗員の背部Bを支持するシートバック14と、シートバック14の上端部に設けられて乗員の頭部Hを支持するヘッドレスト16と、を有している。なお、図2(A)、(B)には、右ハンドル車の運転席が描かれている。
また、車両用シート11の周囲には、三点式のシートベルト装置20が配設されている。シートベルト装置20は、シートクッション12に着座した乗員を拘束するウエビング22と、ウエビング22に挿通された状態で支持されたタングプレート24と、タングプレート24が係合されるバックル装置26と、によって構成されている。
ウエビング22は車両用シート11に着座した乗員を拘束するための非伸縮性の帯状部材である。このウエビング22の一端部は、車両用シート11のシート幅方向外側に配置されたセンタピラーの下部に配設された図示しないウエビング巻取装置に係止されている。また、ウエビング22の他端部は、車両用シート11のシート幅方向外側において図示しない車体フロアに取付けられたアンカ部材に固定されている。さらに、ウエビング22の中間部は、上記センタピラーの上部に配設された図示しないショルダアンカに挿通されて折り返されている。
ウエビング22におけるショルダアンカからアンカ部材までの間の部分には、タングプレート24が挿通されており、このタングプレート24よりシート上方側の部位は乗員Pの肩部S及び胸部Cを拘束するショルダウエビング部22Aとされている。一方で、タングプレート24よりシート下方側の部位は、乗員Pの腰部Lを拘束するラップウエビング部22Bとされている。なお、このラップウエビング部22Bが本発明における「ラップウエビング」に相当する。そして、車両用シート11におけるシート幅方向内側において、タングプレート24を次述するバックル装置26に係合させることにより、着座乗員Pは三点式のシートベルト装置20のウエビング装着状態となることができる。
図1及び図2(A)に示されるように、バックル装置26は、タングプレート24と係合する図示しない係合部とその係合を解除する図示しない解除部とを備えており、車両用シート11におけるシートクッション12のシート幅方向内側の側部に隣接して斜めに配置されている。なお、図2(A)の実線図示位置がバックル装置26の「初期立設位置」である。また、バックル装置26は、シートクッション12のシート幅方向内側で、かつ、バックル装置26よりもシート後方側に配置されたアンカ30に支軸32及びバックルステー28を介して支持されている。
アンカ30は、シートクッション12の骨格部材であるシートクッションフレーム18のシート幅方向内側の側部に固定されている。なお、アンカ30は、シートクッション12のシート幅方向内側に位置する図示しない車体フロアに固定される構成としてもよい。上記アンカ30には、シート幅方向を軸方向とする支軸32が設けられており、この支軸32に長尺状のバックルステー28の下端部がシート前後方向に回動可能に支持されている。バックルステー28は、バックル装置26に対するタングプレート24の差し込み方向(図2(A)に示す一点鎖線L1参照)に沿って直線状に形成された金属製の板状部材とされている。このバックルステー28の上端部には、バックル装置26が固定されている。なお、バックルステー28はワイヤーを使った構成にしてもよいし、金属製の板状部材とワイヤーとが連結される構成としてもよい。
また、図2(A)に示されるように、上記したバックル装置26及びバックルステー28は後述するバックルブーツ50に覆われており、バックルブーツ50の下端部は、バックルステー28と同様に、アンカ30の支軸32にシート前後方向に回動可能に支持されている。
ここで、上述した車両用シート11には、上記のシートベルト装置20に加えて、車両衝突時(前面衝突時又は前面衝突予測時)にバックル装置26を支軸32回りにシート前後方向へ回動させて当該バックル装置26を初期立設位置からシート下方側へ傾倒させるバックルプリテンショナ機構40(以下、単に「プリテンショナ機構40」ともいう。)が設けられている。
一例として、プリテンショナ機構40はバックルステー28の下端部に接続されており、車両衝突時(前面衝突時又は前面衝突予測時)に図示しないコントローラによって作動する。プリテンショナ機構40は、その内部に図示しないガス発生装置を備えており、作動すると、このガス発生装置からガスが発生し、バックルステー28をシート前方側かつシート下方側へ支軸32回りに回動させるようになっている。また、バックルステー28の回動に伴って、バックルブーツ50が支軸回りに回動される。バックルステー28の回動方向側(図2(A)において反時計方向)には図示しないストッパが設けられており、このためバックルステー28及びバックルブーツ50は図2(A)の実線図示位置(初期立設位置)から二点鎖線図示位置(バックル引込位置)まで回動される構成である。なお、バックルステー28は、一例として、支軸32に摩擦係合等の手段によって任意の回動角度で保持されている。
補足すると、図2(B)では、保護すべき乗員のモデルとして衝突試験用のダミー(人形)が車両用シート11のシートクッション12に着座した状態を示している。このダミー(AM50)は、衝突試験法で定められた標準的な着座姿勢で着座しており、車両用シート11は、当該着座姿勢に対応した基準設定位置に位置している。以下、ダミーを乗員とみなして「乗員P」と称することとする。
(本実施形態の要部)
次に、本実施形態の要部であるバックルブーツ50の構造について説明する。図2(A)、(B)に示されるように、バックルブーツ50はバックル装置26及びバックルステー28に装着された状態で、車両用シート11のシート幅方向内側の側部に組み付けられている。一例として、バックルブーツ50は樹脂製とされており、バックル装置26及びバックルステー28を覆うように配置される装着部52と、装着部52におけるシート前後方向の前端部からシート前方側に延出された板体状の延出部60と、が一体形成されている。また、バックルブーツ50は、シート幅方向に沿った側面視で、シート下方側に向かうにつれて先細りした略扇形に形成されている。
装着部52は、断面形状が略矩形状に形成された筒体とされている。具体的には、図1に示されるように、装着部52のシート幅方向外側面を構成し、車両用シート11のシートクッション12に対向するように配置された外側壁部52Aと、装着部52の前面を構成し、外側壁部52Aのシート前後方向前端部からシート幅方向内側に延出された前側壁部52Bと、前側壁部52Bのシート幅方向内側端部からシート後方に延出された内側壁部52Cと、外側壁部52Aと内側壁部52Cのシート前後方向の後端部を連結する後側壁部52Dと、を備えている。
図1に示されるように、装着部52は、シート下方側に向かうにつれて先細りしており、シート幅方向に沿った側面視で略扇状に形成されている。また、装着部52の下端部には、連結部54が形成されおり、図示しない取付部材によって、アンカ30に設けられた支軸32に、シート前後方向に回動可能に保持されている。
また、装着部52の延出方向に沿った長さL2は、バックル装置26及びバックルステー28の軸方向に沿った長さL3に対して若干短くなるように設定されている。このため、装着部52にバックル装置26及びバックルステー28を装着した状態では、バックル装置26の上端部が装着部52の上端部から突出されている。なお、バックル装置26の上端部が、装着部52の上端部から突出しない構成としてもよい。
一方、延出部60は、装着部52におけるシート前後方向の前端部から、シート前方側に延出された板状体とされており、シート幅方向に沿った側面視でシート下方側に向かうにつれて先細りした略扇形に形成されている。なお、延出部60は、装着部52を構成する外側壁部52Aと略面一とされている。このため、バックルブーツ50において、車両用シート11に着座した乗員Pと対向する側面は、フラットに形成されている。
また、図1に示されるように、延出部60におけるシート前後方向の前端部には、シート幅方向内側に湾曲された湾曲部62が形成されている。なお、延出部60が、本発明における「挟み込み抑制手段」に相当する。
図2(A)に示されるように、バックル装置26が初期立設位置にある状態では、車両幅方向に沿った側面視で、バックル装置26及びバックルステー28の上端部がシートクッション12の上面12Aより車両上方側に配置されている。このため、バックル装置26及びバックルステー28とシートクッション12の上面12Aとの間にシート幅方向に沿った側面視で隙間42が形成されている。そして、当該隙間42と重なる位置にバックルブーツ50の延出部60が配置されている。
(作用及び効果)
次に、第1実施形態の作用及び効果について説明する。
次に、第1実施形態の作用及び効果について説明する。
乗員Pは、車両用シート11のシートクッション12に着座した後、シートベルト装置20のウエビング22を引出してタングプレート24をバックル装置26に係合させる。これにより、ウエビング装着状態となる。
ここで、本実施形態では、車両衝突時(前面衝突時又は前面衝突予測時)にバックルプリテンショナ機構40が作動し、バックル装置26を支軸32回りにシート前後方向へ回動させて当該バックル装置26を初期立設位置からシート下方側へ傾倒させる。このとき、バックル装置26によってバックルブーツ50の前側壁部52Bが押圧されるため、アンカ30に設けられた支軸32を支点として、バックルブーツ50がシート前方側に回動する(図2(A)に示す矢印R参照)。この時、ラップウエビング部22Bによる乗員Pの腰部Lの拘束位置が引き下げられ、ラップウエビング部22Bによる乗員拘束性能が向上される。その結果、乗員Pの腰部Lの沈み込みが抑制され、車両衝突時に生じるサブマリン現象を抑制することができる。
ここで、バックルブーツ50の延出部60は、シート幅方向に沿った側面視で、バックル装置26及びバックルステー28とシートクッション12の上面12Aとの間の隙間42と重なる位置に配置されている。このため、車両用シート11に着座した乗員Pが、シートクッション12におけるシート幅方向の周縁部に手Tを置いた状態で着座している場合でも、上記隙間42に乗員Pの指が挿入されることが防止される。その結果、プリテンショナ機構40の作動時に、バックル装置26とシートクッション12との間に乗員Pの指が挟み込まれることを抑制することができる。
また、本実施形態は、バックル装置26及びバックルステー28を覆うようにバックルブーツ50を装着する構成とされている。このため、バックル装置26及びバックルステー28に与える設計上の制約が少なく、簡易な構成にして乗員Pの指を保護することができる。
さらに、図2(B)に示されるように、バックルブーツ50において、車両用シート11に着座した乗員Pと対向する側面は、フラットに形成されている。このため、プリテンショナ機構40の作動時に、乗員Pの手Tとバックルブーツ50とが干渉しても、手Tが損傷を受けることを抑制することができる。
また、図1及び図2(B)に示されるように、延出部60のシート前方端部には、シート幅方向内側に湾曲された湾曲部62が形成されている。このため、車両衝突時の衝撃でバックルブーツ50が揺動し、バックルブーツ50の湾曲部62とシートクッション12とが干渉しても、湾曲部62がシートクッション12にのめり込むことが抑制される。その結果、プリテンショナ機構40の作動時に、バックルブーツ50がシートクッション12の上面12Aや、側面に干渉したりして、バックル装置26の移動が妨げられることを抑制することができる。
さらに、バックルブーツ50の装着部52にバックル装置26及びバックルステー28を装着した状態では、バックル装置26の上端部が装着部52の上端部から突出されている。このため、タングプレート24をバックル装置26に係合させる際の装着性能を良好に保つことができる。
<第2実施形態>
以下、図3(A)、(B)を用いて、第2実施形態に係るバックルプリテンショナ用ブーツ構造が適用された乗員拘束装置70について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については同一番号を付してその説明を省略する。
以下、図3(A)、(B)を用いて、第2実施形態に係るバックルプリテンショナ用ブーツ構造が適用された乗員拘束装置70について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については同一番号を付してその説明を省略する。
図3(A)、(B)に示されるように、この第2実施形態では、バックルブーツ72を構成する延出部74が、中空構造の板体とされている点に特徴がある。なお、延出部74が、本発明に係る「挟み込み抑制手段」に相当する。
この図に示されるように、本実施形態では、バックルブーツ72が、中空構造の板体として構成されている。具体的には、バックルブーツ72のシート幅方向外側面を構成し、車両用シート11に着座した乗員Pと対向する外側壁部72Aと、バックルブーツ72のシート幅方向内側面を構成する内側壁部72Cとを備えている。また、外側壁部72A及び内側壁部72Cの前端部が前側壁部72Bによって連結され、外側壁部72A及び内側壁部72Cの後端部が後側壁部72Dによって連結されている。また、バックルブーツ72は、シート幅方向に沿った側面視でシート下方側に向かうにつれて先細りした略扇形に形成されている。
図3(B)に示されるように、内側壁部72Cは、シート前後方向に沿った断面形状が略クランク状とされており、シート前後方向の後端部72C−1が前端部72C−2よりもシート幅方向内側に突出している。そして、この後端部72C−1と、後側壁部72Dと、外側壁部72Aの後端部と、によって、バックル装置26及びバックルステー28を装着する装着部76が形成されている。また、内側壁部72Cの前端部72C−2と、前側壁部72Bと、外側壁部72Aの前端部によって、中空構造の板体をなす延出部74が形成されている。
(作用・効果)
上記構成によれば、バックルブーツ72の延出部74が中空構造の板体とされている。このため、延出部74を一枚の板体として構成する場合と比べて、車両衝突時の衝撃による延出部74の揺動を抑制することができる。これにより、バックルブーツ72が車両用シート11のシートクッション12の上面12Aに乗り上げたり、シートクッション12の側面に干渉したりすることが抑制される。その結果、バックル装置26を傾倒させる際の軌道を安定させることができる。
また、バックルブーツ72の延出部74が中空構造の板体とされることで、装着部76と延出部74との境界部分の強度が高められている。これにより、車両用シート11に着座した乗員Pからバックルブーツ72に対して荷重が入力されても、装着部76と延出部74との境界部分で延出部74が変形されることや、破損されることが抑制される。
<第3実施形態>
以下、図4及び図5を用いて、第3実施形態に係るバックルプリテンショナ用ブーツ構造が適用された乗員拘束装置80について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については同一番号を付してその説明を省略する。
以下、図4及び図5を用いて、第3実施形態に係るバックルプリテンショナ用ブーツ構造が適用された乗員拘束装置80について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については同一番号を付してその説明を省略する。
図4(A)、(B)に示されるように、この第3実施形態では、バックル装置26及びバックルステー28が装着される装着部84のシート前後方向の両端部に、上端部がテーパー状に形成された一対の延出部86が設けられている点に特徴がある。なお、当該延出部86が、本発明に係る「挟み込み抑制手段」に相当する。
この図に示されるように、バックルブーツ82は中空構造の板体として構成され、車両幅方向に沿った側面視で略菱形状に形成されている。具体的には、バックルブーツ72において、車両用シート11に着座した乗員Pと対向する外側壁部82Aと、バックルブーツ82のシート幅方向内側面を構成する内側壁部82Cとを備えている。また、外側壁部82A及び内側壁部82Cの前端部が前側壁部82Bによって連結され、外側壁部82A及び内側壁部82Cの後端部が後側壁部82Dによって連結されている。
また、図4(B)に示されるように、内側壁部82Cは、シート前後方向に沿った断面形状がシート幅方向内側に凸をなす略ハット形状とされており、このハット形状における凸部がバックル装置26及びバックルステー28の装着部84とされている。装着部84のシート前後方向の両側には、それぞれ延出部86が形成されている。一対の延出部86は、シート幅方向に沿った側面視で略三角形状に形成されており、装着部84に対して、シート前後方向の外側に凸をなしている。なお、延出部86は、バックル装置26及びバックルステー28の軸方向(図5に示される一点鎖線L4参照)に対して対称となるように形成されている。このため、各延出部86では、シート上下方向の中間部からシート上方側の部位が、シート上方側に向かうにつれて先細りとなるテーパー形状とされている。
ここで、図5には、バックルブーツ82が組み付けられた状態の車両用シート11の部分拡大側面図が示されている。また、この図では、上記したプリテンショナ機構40の作動前におけるバックルブーツ82の位置(初期立設位置)が実線で図示されており、プリテンショナ機構40の作動後におけるバックルブーツ82の位置が二点鎖線で図示されている。
(作用・効果)
上記構成によれば、プリテンショナ機構40が作動すると、バックル装置26がシート前方側かつシート下方側に傾倒されると同時に、バックルブーツ82が、アンカ30に設けられた支軸32を支点としてシート前方側に回動する。
ところで、車両走行時に車両用シート11に着座した乗員Pの手Tが、シートクッション12におけるシート幅方向の周縁部に置かれ、バックル装置26とシートクッション12との間に形成される隙間42に指T−1が挿入される場合がある。そこで、本実施形態では、バックル装置26及びバックルステー28にバックルブーツ82を装着することで、バックル装置26の下方側に延出部86を配置している。これにより、バックルブーツ82を装着しない場合と比べて、隙間42を縮小している。また、延出部86のシート上下方向の中間部から上端部に亘る部位をシート上方側に向かうにつれて先細りとなるテーパー形状とすることで、バックルブーツ82の前側壁部82Bから指T−1に入力される荷重のシート前方向の成分を増加させている。これにより、バックルブーツ82とシートクッション12との間に乗員Pの指T−1が入り込んだ状態でプリテンショナ機構40が作動しても、バックルブーツ82の前側壁部82Bによって指T−1がシート前方側へ押し出される(図5に示す矢印F参照)。その結果、バックル装置26とシートクッション12との間に乗員Pの指T−1が挟み込まれることを抑制することができる。
また、本実施形態では、バックルブーツ82における装着部84のシート前後方向の両側に延出部86が形成されており、一対の延出部86は、バックル装置26及びバックルステー28の軸方向(図5に示される直線L4参照)に対して対称となるように形成されている。これにより、バックル装置26がシートクッション12のシート幅方向両側部のいずれに配置されるかに拘わらず、バックルブーツ82の形状を共通化することができる。このため、バックルブーツ82の汎用性が高められている。
なお、上述した各実施形態では、車両用シート11が右ハンドル車の運転席として構成されているが、本発明はこれに限らず、左ハンドルの車の運転席としてもよく、また、助手席や、後部座席として構成してもよい。
また、上述した第1実施形態〜第3実施形態では、バックルブーツ50、72、82の下端部に連結部54が形成され、当該連結部54は、図示しない取付部材によってアンカ30に設けられた支軸32にシート前後方向に回動可能に保持されている構成としたが、本発明はこれに限らない。バックルブーツ50、72、82が連結部54を介してバックルステー28に固定される構成とし、バックルブーツ50、72、82が支軸32に対して直接保持されない構成としてもよい。
また、上述した第1実施形態〜第3実施形態では、シートベルト装置20を構成するウエビング22の一端部は、車両のセンタピラーの下部に配設された図示しないウエビング巻取装置に係止され、ウエビング22の他端部は、図示しない車体フロアに取付けられたアンカ部材に固定されている構成としたが、本発明はこれに限らない。例えば、ウエビング22の一端部が、車両用シートのシートバックの内部に配置された巻き取り装置に係止され、ウエビング22の他端部は、車両用シートのシートクッションに取り付けられたアンカ部材に固定される構成としてもよい。当該構成によれば、車両用シートは、シートベルト装置が搭載された所謂ベルトインシートとなる。このため、近年開発の進む自動運転車両などにおいて適用され、車室内の移動やシート向きの変更が可能とされる車両用シートにおいても、本発明に係るプリテンショナ機構付バックル装置用ブーツ構造を適用することができる。
11 車両用シート
12 シートクッション
26 バックル装置
28 バックルステー
32 支軸
40 バックルプリテンショナ機構
50 バックルブーツ
60 延出部(挟み込み抑制手段)
72 バックルブーツ
74 延出部(挟み込み抑制手段)
82 バックルブーツ
86 延出部(挟み込み抑制手段)
P 乗員
T−1 指
12 シートクッション
26 バックル装置
28 バックルステー
32 支軸
40 バックルプリテンショナ機構
50 バックルブーツ
60 延出部(挟み込み抑制手段)
72 バックルブーツ
74 延出部(挟み込み抑制手段)
82 バックルブーツ
86 延出部(挟み込み抑制手段)
P 乗員
T−1 指
Claims (1)
- 車両用シートのシートクッションにおけるシート幅方向内側に配置され、前記車両用シートに設けられたプリテンショナ機構が作動することにより、支軸回りにシート前後方向へ回動され、初期立設位置からシート下方側へ傾倒されるバックル装置と、
前記バックル装置と前記支軸とを連結するバックルステーと、
前記バックル装置及びバックルステーを覆うバックルブーツと、
前記バックルブーツに設けられ、前記バックル装置及び前記バックルステーと前記シートクッションとの間に乗員の指が挟み込まれることを抑制する、挟み込み抑制手段と、
を有するプリテンショナ機構付バックル装置用ブーツ構造。
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JP2018003798A JP2019123286A (ja) | 2018-01-12 | 2018-01-12 | プリテンショナ機構付バックル装置用ブーツ構造 |
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JP2018003798A JP2019123286A (ja) | 2018-01-12 | 2018-01-12 | プリテンショナ機構付バックル装置用ブーツ構造 |
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JP2019123286A true JP2019123286A (ja) | 2019-07-25 |
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ID=67397506
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2018
- 2018-01-12 JP JP2018003798A patent/JP2019123286A/ja active Pending
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