JP2019121729A - レーザ光源ユニットおよび光音響装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光源の劣化を低減し且つ同一の光路に沿って2つのレーザ光を進行させながら、2つのレーザ光源をそれぞれ対応する温度環境に容易に調節することができるレーザ光源ユニットおよびそのレーザ光源ユニットを備えた光音響装置を提供する。【解決手段】レーザ光源ユニット1は、搭載面12Aを有する光源搭載プレート12と、それぞれ光源搭載プレート12の搭載面12A上に固定され且つ互いに異なる温度環境で動作して互いに異なる互いに異なる波長のレーザ光を出射する2つのレーザ光源2,3と、光源搭載プレート12の搭載面12A上に固定され且つ2つのレーザ光源2,3から出射されるレーザ光を同一の光路に沿って進行させるための光学部材4とを備え、光源搭載プレート12に、搭載面12Aに開口し且つ光源搭載プレート12を貫通するスリットS1が形成され、2つのレーザ光源2,3は、スリットS1を間に介してスリットS1の両側に配置されていることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、レーザ光源ユニットおよび光音響装置に係り、特に、互いに異なる波長の2つのレーザ光を出射するレーザ光源ユニットおよびそのレーザ光源ユニットを備えた光音響装置に関する。
従来、光の波長に応じた光の吸収率の差を利用して対象物の分布を計測するために、同一の光路に沿って進行し、互いに異なる波長の複数のレーザ光を出射するレーザ光源ユニットが用いられている。例えば、特許文献1には、大気中の水蒸気に対して、大気中の水蒸気の吸収線の帯域に合わせた波長のパルスレーザ光と大気中の水蒸気の帯域外の波長のパルスレーザ光を出射するためのレーザ光源ユニットが開示されている。特許文献1におけるレーザ光源ユニットは、同一の光路に沿って進行し、それぞれ異なる波長のレーザ光を出射する複数のレーザ光源を有している。
特開2016−219712号公報
ところで、一般的にレーザ光源は、設定された波長のレーザ光を安定して出射するための適切な温度が定められているが、特許文献1におけるレーザ光源ユニットは、複数のレーザ光源間の熱の移動について考慮されていないため、複数のレーザ光源間において熱の移動が生じることにより、複数のレーザ光源をそれぞれ適切な温度環境に保って安定した波長のレーザ光を出射することが難しい場合があった。
本発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたものであり、同一の光路に沿って複数のレーザ光を進行させながらも、複数のレーザ光源をそれぞれ適切な温度環境に保って安定した波長のレーザ光を出射することができるレーザ光源ユニットを提供することを目的とする。
また、本発明は、このようなレーザ光源ユニットを備える光音響装置を提供することも目的としている。
上記目的を達成するために、本発明のレーザ光源ユニットは、搭載面を有する光源搭載プレートと、それぞれ光源搭載プレートの搭載面上に固定され且つ互いに異なる温度環境で動作して互いに異なる波長のレーザ光を出射する2つのレーザ光源と、光源搭載プレートの搭載面上に固定され且つ2つのレーザ光源から出射されるレーザ光を同一の光路に沿って進行させるための光学部材とを備え、光源搭載プレートに、搭載面に開口し且つ光源搭載プレートを貫通するスリットが形成され、2つのレーザ光源は、スリットを間に介してスリットの両側に配置されていることを特徴とする。
スリットは、2つのレーザ光源の間を通るように搭載面を横切る横断線に沿って延び、搭載面上における2つのレーザ光源の配置領域をそれぞれ横断線上に互いに投影した場合に、少なくとも、投影された2つのレーザ光源の配置領域が互いに重なり合う領域の全長にわたって形成されることができる。
さらに、スリットは、1つの貫通孔からなることができる。
もしくは、スリットは、複数の貫通孔からなることもできる。
この場合に、複数の貫通孔は、横断線上に1列に配列されることができる。
もしくは、複数の貫通孔は、横断線に沿った複数の列に配列されることができる。
この場合に、複数の貫通孔は、横断線上に投影した場合に互いに一部が重なるように横断線に沿って配列されることができる。
光源搭載プレートは、熱膨張係数が23.9×10−6/K以下の金属材料により構成されることができる。
2つのレーザ光源は、それぞれ、光源用ハウジングにより覆われことができる。
また、光源搭載プレート、2つのレーザ光源および光学部材を覆うユニット用ハウジングをさらに備えることができる。
このユニット用ハウジングは、2つのレーザ光源の間を仕切ることにより2つのレーザ光源の間の空気の流れを防止する隔壁を有することができる。
また、2つのレーザ光源は、それぞれ、ランプ励起アレキサンドライトレーザ、ダイオード励起Nd:YAGレーザ、ランプ励起Nd:YAGレーザのうちの1つからなることができる。
また、2つのレーザ光源は、波長750nmのレーザ光を出射するレーザ光源と、波長800nmのレーザ光源を出射するレーザ光源からなることができる。
もしくは、2つのレーザ光源は、波長750nmのレーザ光を出射するレーザ光源と、波長780nmのレーザ光を出射するレーザ光源からなることもできる。
また、2つのレーザ光源を、それぞれ、対応する温度環境に制御するための2つの温度調節機構をさらに備えることができる。
また、本発明の光音響装置は、上記のレーザ光源ユニットから出射されたレーザ光を被検体内に照射することを特徴とする。
本発明によれば、レーザ光源ユニットは、搭載面を有する光源搭載プレートとそれぞれ光源搭載プレートの搭載面上に固定され且つ互いに異なる温度環境で動作して互いに異なる波長のレーザ光を出射する2つのレーザ光源を有し、光源搭載プレートに、搭載面に開口し且つ光源搭載プレートを貫通するスリットが形成され、2つのレーザ光源は、スリットを間に介してスリットの両側に配置されているため、同一の光路に沿って複数のレーザ光を進行させながらも、複数のレーザ光源をそれぞれ適切な温度環境に保って安定した波長のレーザ光を出射することができる。
本発明の実施の形態1に係るレーザ光源ユニットの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における第1レーザ光源の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るレーザ光源ユニットの概略平面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 本発明の実施の形態1における第1温度調節機構の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1における第1温度調節機構の他の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1の変形例に係るレーザ光源ユニットの断面図である。 本発明の実施の形態1の他の変形例に係るレーザ光源ユニットの概略平面図である。 本発明の実施の形態2に係るレーザ光源ユニットの概略平面図である。 本発明の実施の形態3に係るレーザ光源ユニットの概略平面図である。 本発明の実施の形態4に係るレーザ光源ユニットの概略平面図である。 本発明の実施の形態4におけるスリットの拡大平面図である。 本発明の実施の形態5に係るレーザ光源ユニットの断面図である。 本発明の実施の形態5の変形例に係るレーザ光源ユニットの断面図である。 本発明の実施の形態6に係る光音響装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態6における受信部の内部構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態6における画像生成部の内部構成を示すブロック図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1は、実施の形態1に係るレーザ光源ユニット1の構成を示すブロック図である。本発明のレーザ光源ユニット1は、互いに異なる2つのレーザ光を同一の光路に沿って出射する。図1に示すように、レーザ光源ユニット1は、第1のレーザ光を出射する第1レーザ光源2と、第1レーザ光源2から出射される第1のレーザ光とは異なる波長の第2のレーザ光を出射する第2レーザ光源3と、第1レーザ光源2から出射される第1のレーザ光と第2レーザ光源3から出射される第2のレーザ光とを同一の光路に沿って進行させる光学部材4とを有している。
図1に示すように、光学部材4は、第1レーザ光源2から出射され光路P1に沿って進行する第1のレーザ光を光路P2に沿って進行させるように反射するミラー4Aと、光路P2に沿って進行する第1のレーザ光を光路P3に沿って進行させるように反射し且つ第2レーザ光源3から出射された第2のレーザ光を透過させて光路P3に沿って進行させるハーフミラー4Bとを有している。
ところで、一般的にレーザ光源は、設定された波長のレーザ光を安定して出射させるための適切な動作温度が定められている。すなわち、第1レーザ光源2は、第1レーザ光源2に対応する第1温度環境において作動することにより、設定された波長を有する第1のレーザ光を安定して出射し、第2レーザ光源3は、第2レーザ光源3に対応する第2温度環境において作動することにより、設定された波長を有する第2のレーザ光を安定して出射することができる。そこで、レーザ光源ユニット1は、第1レーザ光源2を対応する第1温度環境に制御するための第1温度調節機構5と、第2レーザ光源3を、第1温度環境とは異なる第2温度環境に制御するための第2温度調節機構6とを有している。
ここで、第1レーザ光源2は、例えば、図2に示すように、レーザロッド7、励起光源8、ミラー9、ミラー10、Qスイッチ11を有している。レーザロッド7は、レーザ媒質であり、レーザロッド7には、例えば、アレキサンドライト結晶およびNd:YAG結晶等を用いることができる。
第1レーザ光源2の励起光源8は、レーザロッド7に向けて励起光を照射する光源であり、これにより、レーザロッド7においてレーザ光が励起される。励起光源8としては、フラッシュランプおよびレーザダイオード等を用いることができる。
ミラー9および10は、レーザロッド7を挟んで互いに対向しており、ミラー9および10により光共振器が構成されている。この光共振器においては、ミラー10が出力側となる。光共振器内には、例えば、Qスイッチ11が挿入されており、Qスイッチ11により、光共振器内の挿入損失が大きい状態から挿入損失が小さい状態へと急速に変化させることで、パルスレーザ光を得ることができる。
第2レーザ光源3は、図示しないが、第1レーザ光源2と同様の内部構成を有している。そのため、第2レーザ光源3の内部構成については詳細な説明を省略する。
また、レーザ光源ユニット1の第1温度調節機構5および第2温度調節機構6は、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3をそれぞれ冷却または加熱することにより第1レーザ光源2および第2レーザ光源3をそれぞれ対応する温度環境に制御する。第1温度調節機構5および第2温度調節機構6としては、例えば、ペルチェ素子、冷媒を用いた冷却装置、ヒータ等を用いることができる。
また、本発明のレーザ光源ユニット1は、図3に示すように、平板状の光源搭載プレート12を有しており、光源搭載プレート12には、長方形の形状を有する平坦な搭載面12Aが形成されている。この搭載面12A上に、第1レーザ光源2、第2レーザ光源3および光学部材4が固定されている。第1レーザ光源2と第2レーザ光源3は、搭載面12Aの長辺に沿った方向に並んで配置されており、ここで、説明のために、搭載面12Aの長辺に沿った方向を第1方向D1と呼び、搭載面12Aの短辺に沿った方向を第2方向D2と呼ぶこととする。また、図3では、第1温度調節機構5および第2温度調節機構6を省略している。
ここで、光源搭載プレート12は、温度変動に起因する膨張および収縮を防止し、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3および光学部材4を堅固に支持するために、熱膨張係数が23.9×10-6/K以下の金属材料により構成されていることが好ましく、例えば、36%のニッケルを含む鉄の合金であるインバー(Invar)、ステンレス鋼およびアルミニウム等から構成されることができる。
また、光源搭載プレート12には、搭載面12Aに開口し且つ光源搭載プレート12を貫通するスリットS1が形成されており、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3は、スリットS1を間に介して第1方向D1におけるスリットS1の両側に配置されている。ここで、図3に示すように、スリットS1は、1つの細長い貫通孔H1により構成されており、貫通孔H1は、第1レーザ光源2と第2レーザ光源3との間を通り且つ第2方向D2に向かって搭載面12Aを横切る横断線Kに沿って延びている。この横断線Kにより、光源搭載プレート12は、第1レーザ光源2が配置されている第1部分A1と第2レーザ光源3が対置されている第2部分A2とに二分されており、横断線K上におけるスリットS1の両端部は、光源搭載プレート12の側面に開放されることなく、光源搭載プレート12の縁部B1およびB2により閉じられている。
このように、スリットS1が形成されることにより、光源搭載プレート12を構成する金属材料と比較して熱伝導率の低い空気の層が横断線Kに沿って存在することになり、光源搭載プレート12にスリットS1が形成されていない場合と比較して、光源搭載プレート12の第1部分A1と第2部分A2との間の熱抵抗が増大している。そのため、第1部分A1と第2部分A2との間の熱の移動が抑制され、第1レーザ光源2と第2レーザ光源3との間の熱の移動も抑制される。
また、光源搭載プレート12の第1部分A1と第2部分A2とは、光源搭載プレート12の第2方向D2端部に位置する縁部B1および縁部B2により、互いに強固に連結されているため、第1レーザ光源2、第2レーザ光源3および光学部材4の相対的な位置関係が固定される。そのため、第1レーザ光源2から出射され光学部材4により反射された第1のレーザ光の光路と第2レーザ光源3から出射される第2のレーザ光の光路とが、互いにずれることが防止される。
図4は、図3に示すレーザ光源ユニット1のIV−IV線断面図である。図4に示すように、第1レーザ光源2は、図2に示すレーザロッド7、励起光源8、ミラー9、ミラー10およびQスイッチ11からなる構成部品2Aを覆う第1光源用ハウジング2Bを有している。この第1光源用ハウジング2Bにより、第1光源用ハウジング2Bの外部雰囲気の温度が第1レーザ光源2の構成部品2Aに及ぼす影響が低減される。
また、図示しないが、第2レーザ光源3は、第1レーザ光源2と同様に、レーザロッド、励起光源、一対のミラーおよびQスイッチからなる構成部品3Aを覆う第2光源用ハウジング3Bを有している。第1レーザ光源2と同様に、第2光源用ハウジング3Bにより、第2光源用ハウジング3Bの外部雰囲気の温度が第2レーザ光源3の構成部品3Aに及ぼす影響が低減される。
また、図4に示すように、光源搭載プレート12は、脚部13を有する基材14上に除振部材15を介して支持されている。脚部13および除振部材15は、弾性を有するゴム等により構成されることができる。このように、レーザ光源ユニット1が脚部13および除振部材15を有していることにより、外部からの振動の影響を低減して、第1レーザ光源2から出射される第1のレーザ光および第2レーザ光源3から出射される第2のレーザ光の光路を安定させることができる。
以上のように、本発明のレーザ光源ユニット1によれば、第1レーザ光源2、第2レーザ光源3および光学部材4が光源搭載プレート12の搭載面12A上に固定され、さらに、光源搭載プレート12にスリットS1が形成されて、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3がスリットS1の両側に配置されているため、同一の光路に沿って2つのレーザ光を進行させながら、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3間の熱の移動を抑制し、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3をそれぞれ対応する温度環境に容易に制御することができる。
なお、実施の形態1においてスリットS1は、横断線Kに沿った直線形状を有しているが、その形状は特に限定されない。例えば、図示しないが、スリットS1は、波線形状を有していてもよく、屈曲していてもよい。
また、実施の形態1では、光源搭載プレート12は、長方形の搭載面12Aを有する平板形状を有しているが、第1レーザ光源2、第2レーザ光源3および光学部材4を固定することにより第1レーザ光源2、第2レーザ光源3および光学部材4の相対的な位置関係を固定でき、第1レーザ光源2、第2レーザ光源3および光学部材4を堅固に支持することができれば、光源搭載プレート12の形状は特に限定されない。
さらに、図示しないが、光源搭載プレート12の縁部B1およびB2を光源搭載プレート12の他の部分よりも厚くすることができる。これにより、光源搭載プレート12の縁部B1およびB2の機械的な強度を向上させ、第1レーザ光源2、第2レーザ光源3および光学部材4をより堅固に支持することができる。
また、光源搭載プレート12のサイズは、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3および光学部材4を堅固に支持することができれば特に限定されないが、例えば、光源搭載プレート12の第1方向D1の寸法を500mm、第2方向D2の寸法を300mm、厚み寸法を10mmとすることができる。
また、第1レーザ光源2の励起光源8として、フラッシュランプおよびレーザダイオード等を用いることができるが、具体的には、第1レーザ光源2のレーザロッド7の種類等に応じて適宜使い分けることができる。例えば、レーザロッド7がNd:YAG結晶により構成されている場合には、励起光源8としてフラッシュランプまたはレーザダイオードを用いることができる。このように、レーザロッド7をNd:YAG結晶により構成し、励起光源8としてフラッシュランプを用いることにより、第1レーザ光源2を、いわゆるランプ励起Nd:YAGレーザとして構成することができる。また、レーザロッド7をNd:YAG結晶により構成し、励起光源8としてレーザダイオードを用いることにより、第1レーザ光源2を、いわゆるダイオード励起Nd:YAGレーザとして構成することができる。
また、例えば、レーザロッド7がアレキサンドライト結晶により構成されている場合には、所定の光度を有する励起光が必要なため、励起光源8としてフラッシュランプを用いることが好ましい。このように、レーザロッド7をアレキサンドライト結晶により構成し、励起光源8としてフラッシュランプを用いることにより、第1レーザ光源2を、いわゆるランプ励起アレキサンドライトレーザとして構成することができる。
また、第2レーザ光源3の励起光源も、第1レーザ光源2の励起光源8と同様に、第2レーザ光源3のレーザロッドの種類等に応じて使い分けることができる。
また、第1レーザ光源2から出射される第1のレーザ光の波長および第2レーザ光源3から出射される第2のレーザ光の波長は、特に限定されない。例えば具体的に、第1レーザ光源2のレーザロッド7と第2レーザ光源3のレーザロッドがいずれもアレキサンドライト結晶により構成されている場合には、第1レーザ光源2から出射される第1のレーザ光の波長と第2レーザ光源3から出射される第2のレーザ光の波長の組み合わせとして、750nmと800nm、750nmと780nmとなるような第1レーザ光源2および第2レーザ光源3を用いることができる。また、例えば、第1レーザ光源2のレーザロッド7および第2レーザ光源3のレーザロッドのいずれか一方がNd:YAG結晶により構成されている場合には、このレーザ光源から、1064nmの波長を有するレーザ光を出射させることができる。
ここで、例えば、レーザロッド7がアレキサンドライト結晶により構成された第1レーザ光源2から750nmの波長のレーザ光を安定して出射し且つレーザロッドがアレキサンドライト結晶により構成された第2レーザ光源3から800nmの波長のレーザ光を安定して出射するためには、第1レーザ光源2の温度を50℃程度に保ちながら、第2レーザ光源3の温度を80℃以上に保つ必要がある。また、例えば、レーザロッド7がNd:YAG結晶により構成された第1レーザ光源2から1064nmのレーザ光を安定して出射し且つレーザロッドがアレキサンドライト結晶により構成された第2レーザ光源3から750nmのレーザ光を安定して出射するためには、第1レーザ光源2の温度を25℃程度に保ちながら、第2レーザ光源3の温度を50℃程度に保つ必要がある。本発明のレーザ光源ユニット1を用いれば、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3の温度環境を容易に制御することができるため、このような互いに異なる波長のレーザ光を容易に安定して出射することができる。
また、第1温度調節機構5としてペルチェ素子および水冷を行う冷却装置等を用いることができるが、具体的には、第1レーザ光源2の励起光源8の種類等に応じて使い分けることができる。例えば、第1レーザ光源2の励起光源8がレーザダイオードである場合には、より精確な温度制御を行ってレーザダイオードを安定して動作させるために、ペルチェ素子を用いて第1レーザ光源2を冷却することが好ましい。
例えば、図5に示すように、第1温度調節機構5として、ペルチェ素子16A、ヒートシンク16Bおよびファン16Cを有する冷却装置16を用いることができる。この場合には、第1レーザ光源2の直下に位置する光源搭載プレート12の裏面12Bに、ペルチェ素子16Aを接触させることにより、第1レーザ光源2の熱を、光源搭載プレート12を介してペルチェ素子16Aに吸収させ、その熱を、ヒートシンク16Bを介して外部雰囲気に放散し、さらに、ファン16Cによりヒートシンク16Bの放熱を促進することができる。また、例えば、この場合に、第1レーザ光源2の直下に位置する光源搭載プレート12の厚みを薄くすることにより、第1レーザ光源2からペルチェ素子16Aの熱の吸収を促進してもよい。
また、例えば、第1レーザ光源2の励起光源8がフラッシュランプである場合には、フラッシュランプの発熱量が大きいため、図示しないが、第1レーザ光源2に冷媒を循環させるための流通路を設け、ポンプ等を用いて第1レーザ光源2の流通路に冷媒を供給することにより、第1レーザ光源2を冷却することが好ましい。
例えば、図6に示すように、第1温度調節機構5として、冷却水等の冷媒を第1レーザ光源2に供給するための冷媒供給管17A、第1レーザ光源2に供給された冷媒を回収するための冷媒回収管17Bおよび冷媒供給管17Aと冷媒回収管17Bを介して冷媒を循環させるための冷媒循環装置17Cを有する冷却装置17を用いることもできる。図示しないが、冷媒循環装置17Cは、冷媒供給管17Aに冷媒を送出するためのポンプ、コンプレッサ等を含んでいる。この際に、図示しないが、第1レーザ光源2は、一端が冷媒供給管17Aと接続し且つ他端が冷媒回収管17Bに接続して、冷媒を流通させることにより第1レーザ光源2を冷却する冷媒流通路を有している。また、第1レーザ光源2のレーザロッド7が最適な動作を行う温度が室温に近い場合等には、例えば、第1レーザ光源2に供給される冷媒として、空気等の気体を用いることもできる。
第2温度調節機構6も、第1温度調節機構5と同様に、第2レーザ光源3の励起光源の種類等に応じて、種々の冷却手段を使い分けることができる。例えば、第2温度調節機構6として、図5および図6に示す冷却手段を用いることができる。
また、実施の形態1では、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3は、それぞれ、構成部品2Aを覆う第1光源用ハウジング2Bおよび構成部品3Aを覆う第2光源用ハウジング3Bを有しているが、本発明における第1レーザ光源2および第2レーザ光源3は、第1光源用ハウジング2Bおよび第2光源用ハウジング3Bを有していなくてもよい。この場合であっても、第1レーザ光源2から出射され光学部材4を通った第1のレーザ光と第2レーザ光源3から出射された第2のレーザ光を同一光路に沿って進行させながら、第1レーザ光源2と第2レーザ光源3間の熱の移動を抑制することができる。
また、実施の形態1において、光学部材4は、ミラー4Aとハーフミラー4Bにより構成されているが、第1レーザ光源2から出射されたレーザ光と第2レーザ光源3から出射されたレーザ光とを同一の光路に沿って進行させることができれば、この構成に限定されない。
また、実施の形態1において、レーザ光源ユニット1は、基材14および脚部13を有しているが、第1レーザ光源2から出射される第1のレーザ光および第2レーザ光源3から出射される第2のレーザ光の光路を安定させることができれば、基材14および脚部13を有していなくてもよい。
また、図4に示す例では、実施の形態1における除振部材15は、光源搭載プレート12の縁部に位置するように基材14上に配置されているが、これに加えて、図7に示すように、スリットS1の両脇部に位置するように除振部材15をさらに配置することもできる。このように除振部材15を配置することにより、光源搭載プレート12の振動をさらに抑制することができ、第1レーザ光源2から出射される第1のレーザ光の光路および第2レーザ光源3から出射される第2のレーザ光の光路をさらに安定させることができる。
また、実施の形態1におけるスリットS1を構成する貫通孔H1の第2方向D2の長さは特に限定されないが、少なくとも図8に示す領域Cの全長にわたって貫通孔が形成されていれば、第1レーザ光源2と第2レーザ光源3との間の熱の移動を十分に抑制することができ、好ましい。ここで、領域Cとは、光源搭載プレート12の搭載面12A上における第1レーザ光源2の第1配置領域R1と第2レーザ光源3の第2配置領域R2を横断線K上に互いに投影した場合に、それぞれ投影された第1配置領域R1および第2配置領域R2が互いに重なり合う領域である。図8に示す実施の形態1の変形例に係るレーザ光源ユニット1Aは、光源搭載プレート12に、横断線K上において領域Cの全長にわたって形成された貫通孔H2からなるスリットS2を有しており、第1レーザ光源2と第2レーザ光源3との間の熱の移動を十分に抑制することができる。
実施の形態2
実施の形態1におけるスリットS1、S2は、それぞれ1つの貫通孔H1および貫通孔H2により構成されているが、光源搭載プレート12に形成されるスリットは、複数の貫通孔により構成されることもできる。
図9に、実施の形態2に係るレーザ光源ユニット1Bの概略平面図を示す。図9に示すように、実施の形態2のレーザ光源ユニット1Bは、実施の形態1のレーザ光源ユニット1と比較して、光源搭載プレート12にスリットS1が形成される代わりにスリットS3が形成されていることを除いて、同一の構成を有している。ここで、図9では、第1レーザ光源2の温度制御を行う第1温度調節機構5および第2レーザ光源3の温度制御を行う第2温度調節機構6を省略している。
実施の形態2における光源搭載プレート12には、図9に示すように、横断線Kに沿って延び且つ横断線K上の1列に並ぶ2つの貫通孔H3により構成されたスリットS3が形成されている。そのため2つの貫通孔H3は、光源搭載プレート12の縁部B1およびB2、中間部B3により閉じられている。このように、横断線K上に2つの貫通孔H3からなるスリットS3が形成されることにより、光源搭載プレート12を構成する金属材料よりも熱伝導率の低い空気層が横断線Kに沿って存在することになり、光源搭載プレート12にスリットS3が形成されていない場合と比較して、光源搭載プレート12の第1部分A1と第2部分A2との間の熱抵抗が増大している。これにより、第1レーザ光源2と第2レーザ光源3との間の熱の移動を十分に抑制し、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3を、それぞれ適切な第1温度環境および第2温度環境に、容易に制御することができる。
さらに、実施の形態2におけるスリットS3は、2つの貫通孔H3により構成されているため、光源搭載プレート12の第1部分A1と第2部分A2は、光源搭載プレート12の縁部B1およびB2に加えて、中間部B3によっても互いに強固に連結されており、光源搭載プレート12の機械的な強度を向上させることができる。
なお、実施の形態2では、スリットS3が2つの貫通孔H3により構成されているが、横断線Kに沿って形成された3つ以上の複数の貫通孔によりスリットS3が構成されることもできる。この場合も、光源搭載プレート12にスリットが形成されていない場合と比較して、第1レーザ光源2と第2レーザ光源3との間の熱の移動を十分に抑制することができると共に、光源搭載プレート12の機械的な強度を向上させることができる。
実施の形態3
実施の形態1におけるスリットS1、S2および実施の形態2におけるスリットS3は、それぞれ横断線K上に形成された貫通孔H1、H2、H3により構成されているが、光源搭載プレート12に形成されるスリットは、横断線Kに沿った複数の列に配列された複数の貫通孔により構成されることもできる。
図10に、実施の形態3に係るレーザ光源ユニット1Cの概略平面図を示す。図10に示すように、実施の形態3のレーザ光源ユニット1Cは、実施の形態1のレーザ光源ユニット1と比較して、光源搭載プレート12にスリットS1が形成される代わりにスリットS4が形成されていることを除いて、同一の構成を有している。ここで、図10では、第1レーザ光源2の温度制御を行う第1温度調節機構5および第2レーザ光源3の温度制御を行う第2温度調節機構6を省略している。
実施の形態3における光源搭載プレート12には、図10に示すように、横断線Kに沿って延びるスリットS4が形成されており、スリットS4は、横断線Kに沿って延び且つ互いに平行な2列に配列された2つの貫通孔H4により構成されている。2つの貫通孔H4の第2方向D2の両端部は、光源搭載プレート12の側部に開放されることなく、光源搭載プレート12の縁部B1およびB2により閉じられている。また、2つの貫通孔H4の間には、光源搭載プレート12の縁部B1およびB2間を連結し且つ第1方向D1に延びる連結部B4が形成されている。このような2つの貫通孔H4からなるスリットS4が形成されることにより、光源搭載プレート12の機械的な強度を維持しながら、光源搭載プレート12の第1部分A1と第2部分A2との間の熱抵抗をさらに増大させることが可能である。
これにより、実施の形態3におけるスリットS4によれば、光源搭載プレート12の機械的な強度を維持しながら、第1レーザ光源2と第2レーザ光源3との間の熱の移動をさらに抑制し、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3を、それぞれ適切な第1温度環境および第2温度環境に、容易に制御することができる。
なお、実施の形態3におけるスリットS4は、横断線Kに沿った2列の貫通孔H4により構成されているが、3列以上の複数の貫通孔H4により構成されることもできる。これにより、第1レーザ光源2と第2レーザ光源3との間の熱の移動をさらに抑制することができる。
また、図示しないが、実施の形態3におけるスリットS4は、互いに平行な2つの列にそれぞれ1つの貫通孔H4が配置されることにより構成されるが、これら2つの列にそれぞれ複数の貫通孔H4が配置されることにより構成されることもできる。この場合も、光源搭載プレート12の機械的な強度を維持したまま、光源搭載プレート12の第1部分A1と第2部分A2との熱の移動を十分に抑制し、第1レーザ光源2と第2レーザ光源3との間の熱の移動を抑制することができる。
実施の形態4
横断線Kに沿って互いに平行な複数の列にそれぞれ複数の貫通孔を配置することによりスリットを形成する場合に、貫通孔の配置を工夫することにより、光源搭載プレート12の第1部分A1と第2部分A2の間の熱の移動をさらに抑制することができる。
図11に、実施の形態4に係るレーザ光源ユニット1Dの概略平面図を示す。図11に示すように、実施の形態4のレーザ光源ユニット1Dは、実施の形態1のレーザ光源ユニット1と比較して、光源搭載プレート12にスリットS1が形成される代わりにスリットS5が形成されていることを除いて、同一の構成を有している。ここで、図11では、第1レーザ光源2の温度制御を行う第1温度調節機構5および第2レーザ光源3の温度制御を行う第2温度調節機構6を省略している。
実施の形態4における光源搭載プレート12には、図11に示すように、横断線Kに沿って延びるスリットS5が形成されており、スリットS5は、横断線Kに沿って1列に配列された3つの貫通孔H5と、この3つの貫通孔H5とは異なる列に配列され且つ横断線Kに沿って1列に配列された2つの貫通孔H5の、合わせて5つの貫通孔H5により構成されている。
スリットS5を構成する5つの貫通孔H5は、図12に示すように、横断線K上に投影した場合に、互いに一部の領域C1が重なるように横断線Kに沿って配列されている。複数の貫通孔H5をこのように配列することにより、光源搭載プレート12の中間部B3を通って第1部分A1と第2部分A2の間を移動する熱に対して、貫通孔H5の周囲を迂回させる分、熱の移動距離を長くすることができる。そのため、光源搭載プレート12の第1部分A1と第2部分A2との間の熱抵抗を増大させることができる。
さらに、光源搭載プレート12に実施の形態4におけるスリットS5が形成されることにより、図11に示すように、光源搭載プレート12の第1部分A1および第2部分A2は、光源搭載プレート12の縁部B1およびB2に加えて、複数の中間部B3により強固に連結されている。
以上により、実施の形態4におけるスリットS5によれば、光源搭載プレート12の機械的な強度を維持したまま、光源搭載プレート12の第1部分A1と第2部分A2の間の熱の移動を抑制し、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3を、それぞれ適切な第1温度環境および第2温度環境に、容易に制御することができる。
なお、実施の形態4におけるスリットS5は、横断線Kに沿った2列に配列された5つの貫通孔H5により構成されているが、貫通孔H5の個数は限定されない。例えば、3列以上に配列された6つ以上の複数の貫通孔によりスリットS5が構成されることもできる。これにより、第1レーザ光源2と第2レーザ光源3との間の熱の移動をさらに抑制することができる。
実施の形態5
実施の形態1における第1レーザ光源2および第2レーザ光源3は、それぞれ、構成部品2Aを覆う第1光源用ハウジング2Bおよび構成部品3Aを覆う第2光源用ハウジング3Bを有しているが、第1光源用ハウジング2Bおよび第2光源用ハウジング3Bが搭載されている光源搭載プレート12を覆うハウジングがさらに設けられていてもよい。
図13に、実施の形態5に係るレーザ光源ユニット1Eの断面図を示す。図13に示すように、レーザ光源ユニット1Eは、第1レーザ光源2、第2レーザ光源3および光学部材4が搭載されている光源搭載プレート12を覆うユニット用ハウジング18を有している。ここで、実施の形態5のレーザ光源ユニット1Eは、実施の形態1のレーザ光源ユニット1と比較して、ユニット用ハウジング18を有していることを除いて同一の構成を有している。
このように、実施の形態5のレーザ光源ユニット1Eでは、ユニット用ハウジング18が第2レーザ光源3、第2レーザ光源3および光学部材4を覆っていることにより、ユニット用ハウジング18の外部雰囲気の温度が第1レーザ光源2および第2レーザ光源3に及ぼす影響を低減し、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3の温度制御をより容易に行うことができる。さらに、ユニット用ハウジング18により、光学部材4が保護されるため、第1レーザ光源2から出射される第1のレーザ光の光路および第2レーザ光源3から出射される第2のレーザ光の光路をより安定させることができる。
なお、実施の形態5におけるユニット用ハウジング18は、第1レーザ光源2、第2レーザ光源3および光学部材4と共に、光源搭載プレート12も全体的に覆っているが、第1レーザ光源2、第2レーザ光源3および光学部材4を覆うことができれば、光源搭載プレート12の上にユニット用ハウジング18が配置されていてもよい。
また、ユニット用ハウジング18は、図14に示すように、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3を仕切る隔壁18Aを有することもできる。この隔壁18Aにより、第1レーザ光源2と第2レーザ光源3との間の空気の流れを防止することができる。そのため、第1レーザ光源2と第2レーザ光源3との間の熱の移動をさらに抑制し、第1レーザ光源2および第2レーザ光源3の温度制御をより容易に行うことができる。
実施の形態6
実施の形態1〜実施の形態5のレーザ光源ユニット1〜1Eは、例えば、光音響画像を生成するための光音響装置のレーザ光源等として使用されることができる。
図15に、パルスレーザ光源として本発明のレーザ光源ユニット1を有する本発明の実施の形態6に係る光音響装置21の構成を示す。図15に示すように、光音響装置21は、プローブ22を備えており、プローブ22に、受信部23、画像生成部24、表示制御部25および表示部26が順次接続されている。また、レーザ光源ユニット1、受信部23、画像生成部24および表示制御部25は、それぞれ装置制御部27に接続されている。また、装置制御部27は、操作部28および格納部29に接続されており、装置制御部27と格納部29とは、双方向の情報の受け渡しが可能に接続されている。さらに、受信部23、画像生成部24、表示制御部25、装置制御部27によりプロセッサ30が構成されている。
実施の形態6におけるレーザ光源ユニット1は、図1〜図4に示す実施の形態1のレーザ光源ユニット1であり、装置制御部27の制御の下、互いに異なる波長を有する2つのパルスレーザ光を被検体の組織に向けて出射する。この際に、レーザ光源ユニット1の第1レーザ光源2から出射される第1のパルスレーザ光と第2レーザ光源3から出射される第2のパルスレーザ光は、所定の周波数で且つ互いに交互に出射される。
レーザ光源ユニット1から被検体の組織にパルスレーザ光が照射されると、被検体の組織に含まれるグルコースおよびヘモグロビン等の生体内物質は、パルスレーザ光を吸収して膨張および収縮を行い、いわゆる光音響波と呼ばれる音響波を発する。本発明の光音響装置21は、この光音響波を用いて光音響画像を生成する。
図15に示すプローブ22は、被検体の体表に押し付けられて接触し、被検体内にパルスレーザ光を照射して、被検体内の生体内物質から発生した光音響波を受信するためのものである。図15に示すように、プローブ22は、1次元または2次元に配列された複数の振動子を備えたアレイトランスデューサ22Aと、アレイトランスデューサ22Aの両端にそれぞれ隣接して配置された2つのレーザ光照射部22Bを有している。ここで、図示しないが、2つのレーザ光照射部22Bには、レーザ光源ユニット1から出射された同一のパルスレーザ光が、光ファイバー等によりそれぞれ導入され、2つのレーザ光照射部22Bから、被検体内にパルスレーザ光が照射される。
プローブ22のアレイトランスデューサ22Aを構成する複数の振動子は、被検体内の生体内物質から発生する光音響波を受信する。この際に、それぞれの振動子は、伝搬する光音響波を受信することにより伸縮して電気信号を発生させ、発生した電気信号を受信信号として受信部23に出力する。
各振動子は、例えば、PZT(Lead Zirconate Titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック、PVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride:ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子およびPMN−PT(Lead Magnesium Niobate-Lead Titanate:マグネシウムニオブ酸鉛−チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成した振動子を用いて構成される。
プロセッサ30の受信部23は、装置制御部27からの制御信号に応じて、プローブ22のアレイトランスデューサ22Aから出力される受信信号の処理を行う。図16に示すように、受信部23は、増幅部31およびAD(Analog Digital)変換部32が直列に接続された構成を有している。増幅部31は、アレイトランスデューサ22Aを構成するそれぞれの振動子から入力された受信信号を増幅し、増幅した受信信号をAD変換部32に送信する。AD変換部32は、増幅部31から送信された受信信号を、それぞれ、デジタル化されたデータに変換し、これらのデータをプロセッサ30の画像生成部24に送出する。
プロセッサ30の画像生成部24は、図17に示すように、信号処理部33、DSC(Digital Scan Converter:デジタルスキャンコンバータ)34および画像処理部35が直列に接続された構成を有している。信号処理部33は、装置制御部27からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づき、受信信号の各データに対して、それぞれの遅延を与えて加算する、いわゆる整相加算を施す受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、光音響波の焦点が1つの走査ラインに絞り込まれた音線信号が生成される。また、信号処理部33は、生成された音線信号に対して、光音響波が発生した位置の深度に応じて伝搬距離に起因する減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施して、被検体内の組織に関する断層画像情報である光音響画像信号を生成する。このように生成された光音響画像信号は、DSC34に出力される。
画像生成部24のDSC34は、生成された光音響画像信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号にラスター変換する。画像生成部24の画像処理部35は、DSC34において得られた画像データに対して、明るさ補正、諧調補正、シャープネス補正および色補正等の各種の必要な画像処理を施した後、光音響画像信号を表示制御部25に出力する。
プロセッサ30の表示制御部25は、装置制御部27の制御の下、画像生成部24により生成された光音響画像に所定の処理を施して、表示部26に表示可能な画像を生成する。
光音響装置21の表示部26は、表示制御部25により生成された画像を表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)等のディスプレイ装置を含む。
プロセッサ30の装置制御部27は、格納部29等に予め記憶されているプログラムおよび操作部28を介したユーザの操作に基づいて、光音響装置21の各部の制御を行う。
光音響装置21の操作部28は、ユーザが入力操作を行うためのものであり、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッドおよびタッチパネル等を備えて構成することができる。
光音響装置21の格納部29は、光音響装置21の動作プログラム等を格納するもので、HDD(Hard Disc Drive:ハードディスクドライブ)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)、FD(Flexible Disc:フレキシブルディスク)、MOディスク(Magneto-Optical disc:光磁気ディスク)、MT(Magnetic Tape:磁気テープ)、RAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)、CD(Compact Disc:コンパクトディスク)、DVD(Digital Versatile Disc:デジタルバーサタイルディスク)、SDカード(Secure Digital card:セキュアデジタルカード)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory:ユニバーサルシリアルバスメモリ)等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。
なお、受信部23、画像生成部24、表示制御部25および装置制御部27を有するプロセッサ30は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、および、CPUに各種の処理を行わせるための制御プログラムから構成されるが、デジタル回路を用いて構成されてもよい。また、これらの受信部23、画像生成部24、表示制御部25および装置制御部27を部分的あるいは全体的に1つのCPUに統合させて構成することもできる。
以上のように、実施の形態6に係る光音響装置21によれば、実施の形態1のレーザ光源ユニット1をパルスレーザ光源として備えており、互いに異なる2つの安定した波長を有する2つのパルスレーザを出射することができるため、より精確な光音響画像を得ることができる。また、実施の形態6の光音響装置21によれば、レーザ光源ユニット1から互いに波長の異なる2つのパルスレーザ光が交互に出射されるため、互いに異なる波長を有する2つのパルスレーザ光に起因する2枚の光音響画像を概ね同時に生成することができ、フレームレートを向上させることができる。
なお、実施の形態6におけるプローブ22は、アレイトランスデューサ22Aの両端にそれぞれ隣接して配置された2つのレーザ光照射部22Bを有しているが、被検体内にレーザ光源ユニット1からのパルスレーザ光を照射できれば、レーザ光照射部22Bの数は、特に限定されない。例えば、プローブ22は、アレイトランスデューサ22Aの片側のみに隣接して配置された1つのレーザ光照射部22Bを有していてもよく、3つ以上のレーザ光照射部22Bを有していてもよい。
また、実施の形態6の光音響装置21において、レーザ光源ユニット1の代わりに、実施の形態2〜実施の形態5のレーザ光源ユニット1A〜1Eを使用することもできる。この場合にも、より精確な光音響画像を得ることができる。
また、実施の形態6では、本発明のレーザ光源ユニット1〜1Eを、光音響装置21のパルスレーザ光源として使用しているが、適宜、種々の用途に使用することもできる。例えば、本発明のレーザ光源ユニット1〜1Eを、互いに波長の異なる2つのパルスレーザ光を大気中に出射することにより、出射された2つのパルスレーザ光に起因するそれぞれの散乱光の強さの差を測定することにより大気中の水蒸気の分布を得る、いわゆる差分吸収型レーザレーダのパルスレーザ光源として使用することもできる。
1,1A,1B,1C,1D,1E レーザ光源ユニット、2 第1レーザ光源、2A,3A 構成部品、2B 第1光源用ハウジング、3 第2レーザ光源、3B 第2光源用ハウジング、4 光学部材、4A,9,10 ミラー、4B ハーフミラー、5 第1温度調節機構、6 第2温度調節機構、7 レーザロッド、8 励起光源、11 Qスイッチ、12 光源搭載プレート、12A 搭載面、12B 裏面、13 脚部、14 基材、15 除振部材、16,17 冷却装置、16A ペルチェ素子、16B ヒートシンク、16C ファン、17A 冷媒供給管、17B 冷媒回収管、17C 冷媒循環装置、18 ユニット用ハウジング、18A 隔壁、21 光音響装置、22 プローブ、22A アレイトランスデューサ、22B レーザ光照射部、23 受信部、24 画像生成部、25 表示制御部、26 表示部、27 装置制御部、28 操作部、29 格納部、30 プロセッサ、31 増幅部、32 AD変換部、33 信号処理部、34 DSC、35 画像処理部、A1 第1部分、A2 第2部分、B1,B2 縁部、B3 中間部、B4 連結部、C,C1 領域、D1 第1方向、D2 第2方向、H1,H2,H3,H4,H5 貫通孔、K 横断線、L 全長、P1,P2,P3 光路、R1 第1配置領域、R2 第2配置領域、S1,S2,S3,S4,S5 スリット。

Claims (16)

  1. 搭載面を有する光源搭載プレートと、
    それぞれ前記光源搭載プレートの前記搭載面上に固定され且つ互いに異なる温度環境で動作して互いに異なる波長のレーザ光を出射する2つのレーザ光源と、
    前記光源搭載プレートの前記搭載面上に固定され且つ前記2つのレーザ光源から出射されるレーザ光を同一の光路に沿って進行させるための光学部材と
    を備え、
    前記光源搭載プレートに、前記搭載面に開口し且つ前記光源搭載プレートを貫通するスリットが形成され、
    前記2つのレーザ光源は、前記スリットを間に介して前記スリットの両側に配置されていることを特徴とするレーザ光源ユニット。
  2. 前記スリットは、前記2つのレーザ光源の間を通るように前記搭載面を横切る横断線に沿って延び、搭載面上における前記2つのレーザ光源の配置領域をそれぞれ前記横断線上に互いに投影した場合に、少なくとも、投影された前記2つのレーザ光源の配置領域が互いに重なり合う領域の全長にわたって形成されている請求項1に記載のレーザ光源ユニット。
  3. 前記スリットは、1つの貫通孔からなる請求項2に記載のレーザ光源ユニット。
  4. 前記スリットは、複数の貫通孔からなる請求項2に記載のレーザ光源ユニット。
  5. 前記複数の貫通孔は、前記横断線上に1列に配列されている請求項4に記載のレーザ光源ユニット。
  6. 前記複数の貫通孔は、前記横断線に沿った複数の列に配列されている請求項4に記載のレーザ光源ユニット。
  7. 前記複数の貫通孔は、前記横断線上に投影した場合に互いに一部が重なるように前記横断線に沿って配列されている請求項6に記載のレーザ光源ユニット。
  8. 前記光源搭載プレートは、熱膨張係数が23.9×10-6/K以下の金属材料により構成される請求項1〜7のいずれか一項に記載のレーザ光源ユニット。
  9. 前記2つのレーザ光源は、それぞれ、光源用ハウジングにより覆われている請求項1〜8のいずれか一項に記載のレーザ光源ユニット。
  10. 前記光源搭載プレート、前記2つのレーザ光源および前記光学部材を覆うユニット用ハウジングをさらに備える請求項1〜9のいずれか一項に記載のレーザ光源ユニット。
  11. 前記ユニット用ハウジングは、前記2つのレーザ光源の間を仕切ることにより前記2つのレーザ光源の間の空気の流れを防止する隔壁を有する請求項10に記載のレーザ光源ユニット。
  12. 前記2つのレーザ光源は、それぞれ、ランプ励起アレキサンドライトレーザ、ダイオード励起Nd:YAGレーザ、ランプ励起Nd:YAGレーザのうちの1つからなる請求項1〜8のいずれか一項に記載のレーザ光源ユニット。
  13. 前記2つのレーザ光源は、波長750nmのレーザ光を出射するレーザ光源と、波長800nmのレーザ光源を出射するレーザ光源からなる請求項1〜12のいずれか一項に記載のレーザ光源ユニット。
  14. 前記2つのレーザ光源は、波長750nmのレーザ光を出射するレーザ光源と、波長780nmのレーザ光を出射するレーザ光源からなる請求項1〜12のいずれか一項に記載のレーザ光源ユニット。
  15. 前記2つのレーザ光源を、それぞれ、対応する温度環境に制御するための2つの温度調節機構をさらに備えた請求項1〜14のいずれか一項に記載のレーザ光源ユニット。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載のレーザ光源ユニットから出射されたレーザ光を被検体内に照射することを特徴とする光音響装置。
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