JP2019121487A - 固体絶縁スイッチギヤ - Google Patents

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Takahiro Imai
隆浩 今井
玄 小宮
Gen Komiya
玄 小宮
治 多賀谷
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治 多賀谷
隆 水出
Takashi Mizuide
隆 水出
将邦 樽井
Masakuni Tarui
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Abstract

【課題】絶縁性能に優れた固体絶縁スイッチギヤを提供する。【解決手段】真空バルブ5a、6aと、真空バルブ5a、6aの外周に設けられた固体絶縁部5b、6bと、真空バルブ5a、6aに接続された操作ロッド8と、操作ロッド8を移動させる操作機構9と、固体絶縁部5b、6bと操作機構9に接続され、操作ロッド8が収納される空間を画成する絶縁部7bと、を有し、操作ロッド8の外周面と、絶縁部7bの内周面とに、防湿膜11が形成され、防湿膜11は、バインダーと、バインダーに分散された吸湿性を有する微粒子を含む。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、絶縁操作ロッドを介して真空バルブの開閉を行う固体絶縁スイッチギヤに関する。
電力の送配電系統における電路の保護、電力の制御、設備の監視などを目的に、工場、病院、ビルなどにはスイッチギヤが設置されている。スイッチギヤとしては、金属密閉型スイッチギヤが主流となっている。金属密閉型スイッチギヤは、金属製の容器に、電流を遮断する真空バルブや、真空バルブ内の電極を開閉する操作装置を備える。密閉型スイッチギヤにおいては、高い絶縁性能をもつ六フッ化硫黄ガスを金属容器内に封入することで、真空バルブや導体などを絶縁している。しかし、六フッ化硫黄ガスが温室効果を示すことから、固体材料を真空バルブや導体などの周りに設けることにより絶縁した固体絶縁スイッチギヤが、環境調和型スイッチギヤとして開発されている。
固体絶縁スイッチギヤにおいては、真空バルブと、真空バルブの接点の開閉を行う操作機構とが、操作ロッドを介して接続されている。真空バルブは、アルミナ磁器よりなる内部真空の筒状容器を有し、筒状容器の内部に、通電軸により接離自在に配置された電極が封入されている。真空バルブには、外周にエポキシ樹脂が被覆されることで絶縁層が形成されている。真空バルブの下方には、エポキシ樹脂よりなり、下方に開口を有する椀状の絶縁物が設けられている。操作ロッドは、この椀状の絶縁物に収納されている。
エポキシ樹脂は、高い絶縁性能を持つ。そのため、エポキシ樹脂で絶縁されている真空バルブなどは、高い絶縁信頼性を確保することができる。一方、椀状の絶縁物の内側は、大気圧の空気が封入されることにより絶縁されている。この空気による絶縁構成により、操作ロッドの表面、および椀状の絶縁物の内壁の絶縁を行い、それぞれの表面における沿面放電による絶縁破壊(フラッシュオーバー)を防止している。
特開2002−152930号公報
しかし、従来の固体絶縁スイッチギヤでは、大気圧の空気で絶縁をしている操作ロッドの表面および椀状の絶縁物の内壁において空気の湿度が上昇した場合、操作ロッドの表面および椀状の絶縁物の内壁の表面抵抗率が低下し、沿面放電による絶縁破壊(フラッシュオーバー)が発生しやすくなる。従来、椀状の絶縁物の内側に封入した空気の湿度を低下させるために、通気性のある袋などに詰めた乾燥剤を、椀状の絶縁物の内側に設置する場合がある。しかし、乾燥材を設置した場合であっても、固体絶縁スイッチギヤの気密性を高めるために配置したパッキン等にずれが生じると、湿度が上昇し沿面放電による絶縁破壊(フラッシュオーバー)が生じる可能性がある。
ほかにも、袋入りの乾燥材は、操作ロッドを介した樹脂絶縁真空バルブ内の電極の開閉動作を妨げるおそれがあった。また、真空バルブ、操作機構、操作ロッド、および椀状の絶縁物の組み立て工程において、袋入りの乾燥剤を設置するために組み立て作業が煩雑化する可能性がある。
本実施形態は、上記の課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、絶縁性能に優れた固体絶縁スイッチギヤを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の実施形態に係る固体絶縁スイッチギヤは、真空バルブと、前記真空バルブの外周に設けられた固体絶縁部と、前記真空バルブに接続された操作ロッドと、前記操作ロッドを移動させる操作機構と、前記固体絶縁部と前記操作機構に接続され、前記操作ロッドが収納される空間を画成する絶縁部と、を有し、前記操作ロッドの外周面と、前記絶縁部の内周面とに、防湿膜が形成され、前記防湿膜は、バインダーと、前記バインダーに分散された吸湿性を有する微粒子を含む。
第1の実施形態の固体絶縁スイッチギヤを示す構成図である。 第1の実施形態の防湿膜の断面図である。
[1.全体構成]
第1の実施形態の固体絶縁スイッチを、図1および2を参照して具体的に説明する。図1に示すように固体絶縁スイッチギヤは、ケーブルヘッド1、変流器2、電力ケーブル3、上部接続導体4、遮断部5、断路部6、可動側接続部7、操作ロッド8、操作機構9、母線10を有する。これらの部材は、不図示の金属製の筐体内部に収容されている。ケーブルヘッド1は、固体絶縁スイッチギヤの背面側に設けられている。ケーブルヘッド1の一端には、変流器2を介して電力ケーブル3が接続されている。
ケーブルヘッド1の他端には、上部接続導体4が接続されている。この上部接続導体4には、遮断部5が接続されている。遮断部5は、真空バルブ5aと、絶縁部5bを有する。筐体の正面側には、断路部6が配置される。断路部6は、真空バルブ6aと、絶縁部6bを有する。真空バルブ5a、6aは、アルミナ磁器よりなる内部真空の筒状容器を有し、筒状容器の内部に、通電軸により接離自在に配置された電極が封入されている。断路部6の固定側には、隣接する盤との接続を行う母線10が接続される。
絶縁部5b、6bは、真空バルブ5a、6aの外周にエポキシ樹脂等の絶縁材料をモールドすることに形成された、固体の絶縁部である。絶縁部5b、6bは、ガラス転移温度が130℃以上の、耐熱性のあるエポキシ樹脂を用い形成されている。なお、エポキシ樹脂のガラス転移温度は、エポキシ樹脂に添加される硬化剤の種類により決定される。
遮断部5と断路部6は並列配置され、可動側接続部7により接続される。可動側接続部7は、板状の下部接続導体7aと、絶縁部7bを有する。下部接続導体7aの両端部には、真空バルブ5a、6bの可動側が接続される。絶縁部7bは、下部接続導体7aの外周に、エポキシ樹脂等の絶縁材料をモールドすることにより形成される。具体的には、絶縁部7bは断面凹状に形成され、開口と対向する底面側に下部接続導体7aを含む。絶縁部7bの底面には、操作ロッド8が挿入される孔部が設けられている。
凹状の絶縁部7bは、開口が下方側を向くように配置され、壁面の端部が操作機構9に接続されている。従って、絶縁部7bの内周面と操作機構9により、空間が画成される。この空間には、大気圧の空気が封入されている。この空気による絶縁構成により、絶縁物7bの内周面と、操作ロッド8の外周面の絶縁が行われる。
真空バルブ5a、6aは、下部接続導体7aの両端部にそれぞれ接続される。また、遮断部5と可動側接続部7は、絶縁部5bと絶縁部7bが不図示の絶縁物により界面接続されることにより接続される。同様に、断路部6と可動側接続部7は、絶縁部6bと絶縁部7bが不図示の絶縁物により界面接続されることにより接続される。絶縁部5b、6b、および7bの外周面には、カーボン塗料や銀塗料などの導電性塗料を塗布した接地層が設けられる。
真空バルブ5a、6aの可動側の電極には、操作ロッド8がそれぞれ接続される。操作ロッド8は、絶縁部7bと操作機構9により画成される空間内に収納されている。操作ロッド8の他端は、操作機構9に接続される。操作機構9は、不図示の制御装置により制御されて操作ロッド8を上下動させることにより、真空バルブ5a、6aの可動側の電極を移動させる。
以上、固体絶縁スイッチギヤの全体構成を説明したが、本実施形態の固体絶縁スイッチギヤの構成として重要な点は、絶縁部5b、6b、および7bが、エポキシ樹脂を用いて形成されていることにある。また、絶縁部5b、6b、および7bのガラス転移温度が、130℃以上と高い点にも特徴がある。すなわち、固体絶縁スイッチギヤの各部の構造等、詳細な構成は適宜変更可能である。
[2.防湿構成]
本実施形態では、上記構成を有する固体絶縁スイッチギヤにおいて、防湿膜11が形成されている。防湿膜11は、絶縁部7bの内周面と操作機構9により画成された空間内部における湿気等の水分を吸着する膜である。防湿膜11は、凹状の絶縁部7bの内周面と、操作ロッド8の外周面に形成されている。防湿膜11は、絶縁部7bの内周面と操作ロッド8の外周面をそれぞれ粗面化した後に、防湿塗料を塗布し硬化させることで形成することができる。粗面化を行う理由としては、防湿塗料と、絶縁部7bの内周面または操作ロッド8の外周面との接着性を向上させ、防湿膜11の剥離を防止することにある。
防湿膜11は、10μm以上100μm以下の厚みを有していることが好ましい。防湿膜11の厚みが10μm未満であると、十分な防湿効果をえることができない。また、防湿膜11の厚みが100μmを超えると、防湿塗料の液垂れが生じ均一な防湿膜11を形成することができない。また、形成された防湿膜11にひび割れが生じやすくなり、絶縁部7bの内周面と操作ロッド8の外周面から剥離しやすくなる。防湿膜11の厚みは、100μm以下で、できるだけ厚い方が好ましい。吸湿性を有する微粒子11bの含有量が増えるため、防湿効果が高まる。
防湿膜11は、絶縁部7bの内周面と、操作ロッド8の外周面に対して塗布した防湿塗料を、硬化させることにより形成する。防湿塗料は、例えばスプレーガンを用いて塗布することができる。スプレーガンで塗布を行う場合、形成される防湿膜11の厚みは50μm程度となり好ましい。防湿膜11をより厚くしたい場合には、1度スプレーガンで塗布した防湿塗料を硬化して50μmの防湿膜11を形成した後に、2度目の塗布と硬化を行い100μmの防湿膜11を形成することができる。すなわち、所望の膜厚を得られるように、塗布と硬化を複数回行うことができる。
絶縁部7bに対する防湿塗料の塗布および硬化は、絶縁部5b、6b、および7bの外周面に導電性塗料を塗布および乾燥する際に、並行して行うことができる。また、操作ロッド8については、組み立てる前に防湿塗料の塗布と乾燥を行い防湿膜11を形成しておくと良い。なお、既存の固体絶縁スイッチギヤに防湿塗料を塗布し、防湿膜11を形成しても良い。
図2に示すように、防湿膜11は、バインダー11aと吸湿性を有する微粒子11bを含む。吸湿性を有する微粒子11bは、バインダー11a内に分散して存在する。バインダー11aは、エポキシ樹脂であり、炭素原子2個と酸素原子1個からなる三員環を1分子中に2個以上持った硬化し得る化合物と、硬化剤を含む。バインダー11aは、防湿塗料として絶縁部7bの内周面と操作ロッド8の外周面に塗布された後に、硬化反応により膜を形成できるものであれば良い。ここで、バインダー11aは、絶縁部7bと同一の絶縁材料を用いることが好ましい。本実施形態の絶縁部7bは、エポキシ樹脂で形成されているため、バインダー11aもエポキシ樹脂とすると良い。バインダー11aと絶縁部7bを同一材料で形成することにより、双方の接着性が向上される。
炭素原子2個と酸素原子1個からなる三員環を1分子中に2個以上持った硬化し得る化合物としては、エピクロルヒドリン、ビスフェノール類などの多価フェノール類、多価アルコールとの縮合によって得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂を単独もしくは2種以上の混合物として使用することができる。
防湿膜11に含まれる硬化剤は、加熱処理を行わずにエポキシ樹脂を硬化可能とする硬化剤を用いることが好ましい。防湿膜11は、防湿塗料塗布後に室温にて放置乾燥されることが好ましい。加熱処理を行っても良いが、その場合には、絶縁部7bを構成するエポキシ樹脂の硬化温度よりも低い温度で硬化可能な硬化剤を用いることが好ましい。防湿膜11の硬化温度は、例えば80℃以下の低温とすることが好ましい。絶縁部7bのエポキシ樹脂の硬化温度より低い硬化温度とすることで、防湿膜11の硬化を行う際に絶縁部7bのエポキシ樹脂まで溶かしてしまうことがない。なお、防湿膜11は、紫外線硬化等他の硬化方法により硬化されても良い。
硬化剤としては、エポキシ樹脂と化学反応して固化するものであれば、適宜使用可能であり、その種類は限定されるものではない。例えば、アミン系硬化剤あるいは、酸無水物系硬化剤を好適に用いることができる。アミン系硬化剤としては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、ジプロプレンジアミン、ポリエーテルジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチル)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、アミノエチルエタノールアミン、トリ(メチルアミノ)へキサン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロへキサン、N-アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、m−キシレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジドなどが挙げられる。酸無水物系硬化剤としては、無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。
また、エポキシ樹脂と無水物系硬化剤との硬化反応を促進する、あるいは制御する目的で、硬化促進剤を使用してもよい。硬化促進剤としては、エポキシ樹脂と硬化剤の化学反応を促進するアミン化合物であれば適宜使用可能である。例えば、硬化剤が酸無水物系硬化剤の場合、N,N’−ジメチルベンジルアミンを好適に用いることができる。
微粒子11bは、バインダー11aに浸透して拡散した水分を吸着する、吸湿性を有する微粒子である。微粒子11bとしては、無水硫酸マグネシウムまたはシリカゲルのように吸湿性を有する微粒子を用いる。微粒子11bとしては、その他の吸湿性を有する物質を用いても良いが、無水硫酸マグネシウムまたはシリカゲルは粒径を細かくすることが容易であるため好ましい。微粒子11bは、単独または、2種以上の吸湿性を有する物質を混合して使用しても良い。微粒子11bの平均直径は、1μm以上とする好ましい。1μm未満であると、防湿の効果を得ることができない。微粒子11bの平均直径は、1μm以上で、できるだけ細かい方が良い。微粒子11bの粒径が細かいと、微粒子11bの表面積が増え防湿効果が高まる。
また、微粒子11bの平均直径は、防湿膜11の膜厚以下とし、微粒子11bが防湿膜11に埋没するように分散させると良い。微粒子11bの平均直径が、防湿膜11の膜厚よりも大きくなると、微粒子11bが防湿膜11の表面に露出する。湿気を吸収した微粒子11bが露出すると、防湿膜11表面の表面抵抗率が低下し、表面でのフラッシュオーバーが発生しやすくなる。以上より、防湿膜11の厚みは最大100μmであることから、微粒子11bの平均直径は少なくとも100μm以下である必要がある。例えば、防湿膜11の厚みが50μm以下である場合には、微粒子11bの平均直径は1μm以上50μm以下とすることが好ましい。
微粒子11bは、エポキシ樹脂に対して10重量%から50重量%の割合で混合されていることが好ましい。10重量%未満であると、防湿の効果を得ることができない。また、50重量%を超えると、硬化前の防湿塗料の粘度が上昇する。そのため、絶縁部7bの内周面と操作ロッド8の外周面に、防湿塗料を塗布する作業が困難となる。
[3.作用効果]
(1)以上のような本実施形態では、真空バルブ5a、6aと、真空バルブ5a、6aの外周に設けられた固体絶縁部5b、6bと、真空バルブ5a、6aに接続された操作ロッド8と、操作ロッド8を移動させる操作機構9と、固体絶縁部5b、6bと操作機構9に接続され、操作ロッド8が収納される空間を画成する絶縁部7bと、を有し、操作ロッド8の外周面と、絶縁部7bの内周面とに、防湿膜11が形成され、防湿膜11は、バインダー11aと、バインダー11aに分散された吸湿性を有する微粒子11bを含む。
絶縁部7bと操作ロッド8については、空間に封入された大気圧の空気で絶縁を行っている。以上の構成を有する固体絶縁スイッチギヤでは、この空間内の空気の湿度が上昇した場合であっても、吸湿性を有する微粒子11bが空気に含まれる水分を吸収する。従って、空間内の湿度上昇を抑制することができる。そのため、絶縁部7bと操作ロッド8の表面抵抗率の低下を抑制することが可能となり、沿面放電による絶縁破壊(フラッシュオーバー)の発生を防止することができる。以上より、絶縁性能に優れた固体絶縁スイッチギヤを提供することができる。
(2)絶縁部7bと、バインダー11aが、同一の絶縁材料を用いて形成されている。
絶縁部7bと、バインダー11aを同一の材料で形成することにより、絶縁部7bと防湿膜11の密着性が向上される。従って、防湿膜11が絶縁部7bから剥離することが防止できる。
(3)バインダー11aが、絶縁部7bに用いる絶縁材料の硬化温度よりも低い温度で硬化する。
バインダー11aの硬化温度を低くすることで、防湿膜11の硬化を行う際に絶縁部7bの絶縁材料が溶解する等の影響を与えることがない。そのため、確実に防湿膜11を形成することが可能となる。
(4)防湿膜11の厚みが10μm以上100μm以下である。
防湿膜11の厚みを10μm以上とすることで、十分な防湿効果を得ることが可能となる。また、防湿膜11の厚みを100μm以下とすることで、均一な防湿膜11を形成でき、また防湿膜11の剥離を防止することができる。
(5)微粒子11bは、バインダー11aに対して10重量%以上50重量%以下の割合で混合されている。
微粒子11bの混合割合を10重量%以上とすることで、十分な防湿効果を得ることができる。また、微粒子11bの混合割合を50重量%以下とすることで、防湿塗料を塗布する工程を容易とすることができ、均一な防湿膜11を形成することが可能となる。
(6)操作ロッド8の外周面および絶縁部7bの内周面が粗面化されている。
粗面化を行うことで、防湿塗料と、絶縁部7bの内周面または操作ロッド8の外周面との接着性を向上させ、防湿膜11の剥離を防止することができる。
(7)バインダー11bがエポキシ樹脂である。
固体絶縁スイッチギヤの絶縁部7bはエポキシ樹脂を用いて形成されていることが多い。そのため、防湿膜11のバインダー11bをエポキシ樹脂とすることで、従来および将来利用可能な固体絶縁スイッチギヤに汎用的に利用可能な防湿膜11とすることができる。
(8)微粒子11bが、無水硫酸マグネシウムまたはシリカゲルの微粒子である。
無水硫酸マグネシウムまたはシリカゲルは、微粒子となりやすく表面積を増加させることができるため、防湿効果を高めることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<実施例の防湿膜>
まず、固体絶縁スイッチギヤの絶縁層7bに相当する板材を、エポキシ樹脂、無水物系硬化剤、およびシリカ粒子により構成される注型樹脂により作成した。板材は、厚さ5mmとし、この板材の表面を、サンドブラストにより粗面化した。
次に、防湿塗料の作製を行った。バインダー11aとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828、三菱ケミカル社製)を用いた。また、微粒子11bとしては、無水硫酸マグネシウム(東京化成工業社製)を用いた。無水硫酸マグネシウムは、乳鉢にて平均粒子径が20μmになるまで粉砕した。ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して、平均粒子径が約20μmの無水硫酸マグネシウム50重量部を混合し、攪拌により分散した。その後、アミン系硬化剤の一種であるポリエーテルアミン(ジェファーミン D−230,三井化学ファイン社製)30重量部を加え、攪拌した。
作成した防湿塗料を、表面を粗面化した板材に、厚さが約50μmとなるように塗布した。防湿塗料の硬化は、80℃で5時間加熱することにより行った。以上の工程により、絶縁層である板材の表面に、無水硫酸マグネシウムが28重量%が分散された防湿膜を形成した。
<比較例1の防湿膜>
固体絶縁スイッチギヤの絶縁層7bに相当する板材において、サンドブラストを行わず、表面を粗面化しなかった。また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に対し、微粒子11bである無水硫酸マグネシウムを添加しなかった。それ以外は、実施例と同様に作成した。
<比較例2の防湿膜>
固体絶縁スイッチギヤの絶縁層7bに相当する板材において、サンドブラストを行わず、表面を粗面化しなかった。また、板材に防湿塗料を塗布せず、防湿膜を形成しなかった。
以上のような実施例、比較例1、および比較例2について、性能を検証するために以下の測定および試験を行った。
<表面抵抗率測定>
実施例、比較例1、および比較例2による試験片を、25℃、80%RHの恒温恒湿槽内に24時間入れた。その後、恒温恒湿槽から試験片を取り出し、JIS−K6691「熱硬化性プラスッチック一般試験方法(表面抵抗)」に準拠し、試験片の表面抵抗率を求めた。
<碁盤目試験>
実施例および比較例1による試験片において、JIS−K5600「塗料一般試験方法」に準拠し、板材と防湿膜と接着性を評価した。基盤目試験では、カッターの刃で防湿膜に碁盤目状に傷をつけたものに、セロハンテープを張って剥がすことで板材と防湿膜の接着性を評価した。
表1に表面抵抗率の測定結果と、基盤目試験の結果を示す。
まず、表面抵抗率の測定結果について検証する。実施例の試験片では高い表面率抵抗を示した。実施例の防湿膜に含まれる無水硫酸マグネシムが、表面に付着する湿気を吸着し、表面抵抗率の低下を防止したと考えられる。一方、比較例1による試験片では、表面抵抗率が低くなった。比較例2では、防湿膜は形成されているが、無水硫酸マグネシムが含まれていないため湿気の吸着が行われないことが原因であると考えられる。また、比較例2による試験片では、比較例1と同様に抵抗率が低くなった。比較例2は防湿膜自体を有していないため、板材表面に湿気により、表面抵抗率が低くなると考えられる。
次に、基盤目試験結果について検討する。実施例の試験片では、防湿膜に剥がれがなく、「0点」となった。実施例では、板材の表面をサンドブラスト処理により粗面化しているため、板材と防湿膜の接着性が高いことが分かった。一方、比較例1の試験片では、防湿膜に施した格子に沿って全面的に大きな剥離が生じ、「4点」となった。比較例1では、サンドブラスト処理により粗面化をしていないため、板材と防湿膜の接着性が低下したと考えられる。
上記の各実施形態、各態様は、本明細書において一例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図するものではない。すなわち、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことが可能である。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…ケーブルヘッド
2…変流器
3…電力ケーブル
4…上部接続導体
5…遮断部
6…断路部
5a、6a…真空バルブ
5b、6b…絶縁部
7…可動側接続部
7a…下部接続導体
7b…絶縁部
8…操作ロッド
9…操作機構
10…母線
11…防湿膜
11a…バインダー
11b…微粒子

Claims (8)

  1. 真空バルブと、
    前記真空バルブの外周に設けられた固体絶縁部と、
    前記真空バルブに接続された操作ロッドと、
    前記操作ロッドを移動させる操作機構と、
    前記固体絶縁部と前記操作機構に接続され、前記操作ロッドが収納される空間を画成する絶縁部と、を有し、
    前記操作ロッドの外周面と、前記絶縁部の内周面とに、防湿膜が形成され、
    前記防湿膜は、バインダーと、前記バインダーに分散された吸湿性を有する微粒子を含む固体絶縁スイッチギヤ。
  2. 前記絶縁部と、前記バインダーが、同一の絶縁材料を用いて形成されている請求項1記載の固体絶縁スイッチギヤ。
  3. 前記バインダーが、前記絶縁部に用いる絶縁材料の硬化温度よりも低い温度で硬化する請求項1又は2記載の固体絶縁スイッチギヤ。
  4. 前記防湿膜の厚みが10μm以上100μm以下である請求項1〜3何れか1項記載の固体絶縁スイッチギヤ。
  5. 前記微粒子は、前記バインダーに対して10重量%以上50重量%以下の割合で混合されている請求項1〜4何れか1項記載の固体絶縁スイッチギヤ。
  6. 前記操作ロッドの外周面および前記絶縁部の内周面が粗面化されている請求項1〜5何れか1記載の固体絶縁スイッチギヤ。
  7. 前記バインダーがエポキシ樹脂である請求項1〜6何れか1項記載の固体絶縁スイッチギヤ。
  8. 前記微粒子が、無水硫酸マグネシウムまたはシリカゲルの微粒子である請求項1〜7何れか1項記載の固体絶縁スイッチギヤ。
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