JP2019120276A - Cvtリング素材の製造方法 - Google Patents

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毅志 宇田川
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Abstract

【課題】工程の省略によるコスト低減が可能な、CVTリング素材の製造方法を提供すること。【解決手段】幅Wmm、幅方向中央の厚みTmmのCVTリング素材1を製造する方法である。下記式1及び式2を満たす幅W0mm、幅方向中央の厚みT0mmの横断面形状を有する金属条10を冷間圧延によって作製する。式1:24.0<W0/T0≦36.0、式2:1.00<W0/W<1.10。金属条10を下記式3及び式4を満たす長さL0mmを有する短冊板11に切断する。式3:300mm≦L0≦460mm、式4:12≦L0/(W0/T0)≦14。短冊板11の長手方向の端面同士を突き合わせ溶接して無端ベルト状を呈する粗リング材12を作製する。粗リング材12を冷間圧延してCVTリング素材1を得る。【選択図】図1

Description

本発明は、CVTリング素材の製造方法に関する。
環境問題等の観点から自動車の低燃費化が強く望まれており、最近の自動車用変速装置には燃費向上に有利なベルト式の無段変速機(以下、適宜、CVTという。)が多用されている。CVTに使用される動力伝達用ベルトは、金属製の薄い板厚のCVTリング部材を複数層重ねて一組のCVTベルトを構成し、そのCVTベルト2組にエレメントと呼ばれる摩擦部材を複数組み付けて構成されている。
従来、CVTリング部材は、得ようとする幅寸法の複数倍の広い幅を有する幅広薄板をロール曲げし、両端を突き合わせ溶接して筒状体を作製し、この筒状体をCVTリング部材の最終幅に対応する所定の幅に切断して、粗リング材を作製する。そして、この粗リング材を圧延することにより、最終製品であるCVTリング部材に近い寸法のCVTリング素材を作製する(特許文献1)。
ここで、粗リング材を作製する際の幅切断を行った際には、切断部にいわゆるバリが生じる。バリは圧延時に不具合を発生させる可能性があるため、粗リング材の圧延前にバリを除去する工程が必要である。また、高強度特性の要求に対応するには、横断面の端面が円弧状の形状を有することが有利であるので、最終的にそのような形状が得られるように、粗リング材の状態において、端面の角部を丸めて円弧状形状とする工程も必要である。これらのバリ取り及び円弧状形状の形成のため、側端面部分を例えば研磨する工程が必要である(特許文献2)。
特開2014−184478号 特開2012−007693号
上述したように、CVTリング素材を製造する工程としては、比較的多くの工程が必要とされており、コスト低減のためには、工程の省略が求められる。このような背景に鑑みて、本発明は、工程の省略によるコスト低減が可能な、CVTリング素材の製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、幅Wmm、幅方向中央の厚みTmmのCVTリング素材を製造する方法であって、
下記式1及び式2を満たす幅W0mm、幅方向中央の厚みT0mmの横断面形状を有する金属条を冷間圧延によって作製し、
式1:24.0<W0/T0≦36.0、
式2:1.00<W0/W<1.10、
前記金属条を下記式3及び式4を満たす長さL0mmを有する短冊板に切断し、
式3:300mm≦L0≦460mm、
式4:12≦L0/(W0/T0)≦14
前記短冊板の長手方向の端面同士を突き合わせ溶接して無端ベルト状を呈する粗リング材を作製し、
該粗リング材を冷間圧延して前記CVTリング素材を得る、CVTリング素材の製造方法にある。
前記製造方法においては、特定の断面形状を有する前記金属条を冷間圧延によって作製する。冷間圧延で作製することによって、金属条の厚み及び幅の寸法精度は、比較的優れた状態にすることができる。そして、寸法精度に優れた金属条の長手方向のみを切断して、上記特定の長さの短冊板を作製し、これを用いて無端ベルト状を呈する粗リング材を作製する。これにより、その後の冷間圧延を適切に行うだけで、幅方向の端面の切断を行うことなく前記CVTリング素材を得ることが可能となる。
このように、冷間圧延によって得られた金属条の幅方向端部をそのまま残して粗リング材を作製することにより、幅方向端部に従来のような切断によるバリが生じない。そのため、前記製造方法においては、バリを除去するための研磨工程等は省略が可能となる。それ故、少なくともその分だけ従来よりも工程合理化を図ることができ、製造コストの低減を図ることができる。
実施例1における、(a)金属条、(b)短冊板、(c)短冊板を曲げた状態、(d)粗リング材、をそれぞれ示す説明図。 実施例1における、リング圧延機を示す説明図。 実施例2における、短冊板の横断面を示す説明図。 実施例4における、短冊板の横断面を示す説明図。
前記製造方法において、前記金属条としては、CVTリング部材に適した金属材料、例えば、マルエージング鋼、その他の強度特性に優れた鋼材を用いて作製することができる。そして、金属条の断面形状は、式1:24.0<W0/T0≦36.0、及び式2:1.00<W0/W<1.10、を具備することを必須とする。
式1は、断面形状におけるいわゆるアスペクト比W0/T0を示す値が24.0超え36.0以下の範囲とするものである。また、式2は、金属条の幅W0を、得ようとするCVTリング素材の幅Wとの関係で、その後の粗リング材の冷間圧延によって幅Wに調整可能な範囲に限定するものである。
これらの式1及び式2を具備することにより、その後の粗リング材での圧下率を所定の範囲(材質によって最適範囲が異なるが、例えば30%〜55%)確保しつつ、望まれるCVTリング素材の厚みと幅寸法の確保が、金属条の幅方向端部の切断を行うことなく実現可能となる。圧下率が低すぎる場合、例えば30%未満の場合の場合、最終厚みから換算される金属条及び短冊板の厚みが薄くなりすぎて、粗リング材を作製する際の溶接を良好に行うことが困難となるおそれがあり、一方、圧下率が高すぎる場合、例えば、55%を超える場合、幅方向端部にコバ割れという欠陥が生じるおそれがある。
前記金属条は、式3:300mm≦L0≦460mm、及び式4:12≦L0/(W0/T0)≦14、を満足するように、長手方向を切断して短冊板とする。式3を満足することによって、粗リング材の内部に圧延ロールを配置して行う必要がある冷間圧延を、既存の冷リング圧延機を用いて容易に行うことができる。また、式3を満足することにより、通常求められるCVTリング素材の周長を確保することができる。
また、式4は、長さL0とアスペクト比(W0/T0)との関係を規定したものであるが、この式を満足することによって、粗リング材の冷間圧延時の幅寸法の変化をより確実に所望範囲内に抑制することができ、CVTリング素材の幅Wの寸法精度を向上させることができる。
前記短冊板は、長手方向の端面同士を突き合わせ溶接して無端ベルト状を呈する粗リング材とする。溶接方法としては、レーザ溶接、プラズマ溶接、その他の公知の溶接方法を適用することができる。なお、この溶接部分については、必要に応じて研磨等の工程を追加して、形態を整えてもよい。
前記粗リング材の冷間圧延は、粗リング材の内側に配置した2本のロールに掛け渡し、そのうち1本のロールは内側圧延ロールとして使用し、外側に配置した外側圧延ロールと内側圧延ロールにより粗リング材を挟持して加圧しながら各ロールを回転させることにより行う(後述の図2参照。)。この粗リング材の冷間圧延は、材質によって適度な圧下率が得られるように行うと共に、内側の2本のロール間隔を調整して、適度な張力を付与して、幅寸法を制御する。また、通常は、最終的なCVTリング素材の断面形状として、外側に凸の円弧状形状(クラウニングR形状)が得られるように、内側圧延ロールとしては、軸方向中央部の外径寸法が最も大きいクラウン形状のものを採用し、外側圧延ロールとしては、軸方向中央部の外径寸法が最も小さいクラウン形状のものを採用する。これは、短冊板における横断面形状において、幅方向の厚みがほぼ一定であることを前提とするものであり、後述する太鼓型形状とする場合には、内側及び外側の圧延ロール共にストレート形状を採用しうる。
以上のようにして得られるCVTリング素材は、その後、焼入処理等の熱処理、周長調整、窒化処理等の工程を経て、CVTリング部材となる。
上述した製造方法において、前記金属条は、前記横断面形状の両端形状が円弧状形状であることがさらに好ましい。金属条の冷間圧延においては、上記のごとく、式1及び式2を具備するように、幅寸法を調整する必要がある。幅寸法の調整は、圧延前の素材の断面形状及び断面積の選定や、圧延時の張力設定によって、上下一対の圧延ロールによる通常の圧延によって行うことができる。そして、この場合には、金属条の横断面形状の両端面形状は、単純に圧延するだけで円弧状形状とすることができる。また、上記金属条の冷間圧延は、端面を幅方向から加圧する一対のエッジャーロールをさらに用いる4方圧延を採用してもよい。この場合には、エッジャーロールとして円弧状に凹んだ鼓状のものを採用することにより、端面部を積極的に円弧状形状に成形することができる。
前記金属条における前記横断面形状の前記両端形状は、式5:0.7≦R0/T0≦1.1、を満たす端部円弧直径R0を有することが好ましい。なお、横断面形状における円弧状形状は、必ずしもその全体が同じ曲率ではないため、端部円弧直径R0の値は、横断面の画像を用いて算出する。具体的には、横断面画像における端部の略円弧状の輪郭線上に等間隔で定めた5点でそれぞれ曲率を求めてその平均曲率を算出する。この平均曲率を金属条の長手方向の5箇所において同様に求め、その5箇所の平均曲率の平均値からその曲率半径の2倍の値である上記端部円弧直径R0を求める。端部円弧直径R0を、厚みT0との関係において、上記式5の範囲内とすることにより、得られるCVTリング素材の側端面を適度な円弧状形状に仕上げることができ、強度特性の向上に有利である。R0/T0が0.7未満の場合及び1.1を超える場合には、円弧状端面形状によるCVTリング部材の耐久性向上効果が十分に得られないおそれがある。
前記金属条の前記横断面形状における厚みは、中央部から端部に近づくにつれて小さくなっており、幅方向中央の厚みT0mmと、幅方向端部の厚みT1とが、式6:1.0<T0/T1≦1.2、を満たすことが好ましい。この場合には、前記の粗リング材の冷間圧延を行うリング圧延機において、上述した内側圧延ロール及び外側圧延ロールの外形状を、軸方向に外形寸法の変化がないストレート形状としても、CVTリング素材の断面形状を所望のクラウニングR形状とすることができる。T0/T1が1.2を超える場合には、クラウニングR形状が大きく(曲率半径が小さく)なりすぎるおそれがある。
(実施例1)
本例のCVTリング素材の製造方法を図1及び図2を用いて説明する。
本例では、幅W=9〜10mm(9.5mm狙い)、厚み(幅方向中央値)T=0.18〜0.19mm、周長600〜700mmのCVTリング素材を、複数種類の短冊板の寸法を経由して製造する。まず、2tonVIM(Vacuum Induction Melting)装置を用いて鋼塊を作製する。本例では、材質として、マルエージング鋼を用いた。得られる鋼塊を分塊圧延して一辺160mmの角柱状に成形し、さらに、熱間圧延によってφ5mmの線材を製造する。この線材を焼鈍した後、冷間圧延を施して、表1に示す幅W0mm、厚みT0mmの横断面形状を有する複数の金属条10を作製する。
本例では、冷間圧延機として、バックアップロールを伴った一対の圧延ロールと、幅方向に加圧する一対のエッジャーロールとを備えた4方圧延機を用いる(図示略)。エッジャーロールとしては、金属条の側端面に当接する部位が円弧状に凹んだ鼓状のものを採用し、端面部を積極的に円弧状形状に成形する。
図1(a)〜(d)に示すごとく、金属条10は、長手方向において切断して、表1に示す長さL0mmを有する短冊板11を得る。短冊板11の長手方向の端面110同士を突き合わせ、プラズマ溶接して溶接部112によって接合して無端ベルト状を呈する粗リング材12を作製する。
その後、粗リング材12を冷間圧延して前記CVTリング素材1を得る。図2に示すごとく、粗リング材12の冷間圧延を行うリング圧延機5は、粗リング材12の内側に配置した2本のロール51、52に掛け渡し、そのうち1本のロール51は内側圧延ロールとして使用し、外側に配置した外側圧延ロール53と内側圧延ロール51により粗リング材12を挟持して加圧しながら各ロール51〜53を回転させることにより行う。圧延時には、内側の2本のロール51、52の間隔を調整して、適度な張力を付与して、幅寸法を制御する。なお、CVTリング素材1の断面形状として外側に凸の円弧状形状(クラウニングR形状)が得られるように、内側圧延ロール51は、その軸方向中央部の外径寸法が最も大きいクラウン形状(図示略)とし、外側圧延ロール53は、その軸方向中央部の外径寸法が最も小さいクラウン形状(図示略)とする。
得られたCVTリング素材1について、以下の評価を行った。
<溶接性>
短冊板の両端の突き合わせ溶接が正常にできた場合を合格(○)、溶接不良部が少しでも生じた場合には不合格(×)とした。
<圧延性>
粗リング材12を冷間圧延して得られたCVTリング素材1の外観を観察し、側端面に少しでも割れが見られた場合には不合格(×)、割れが全くなかった場合には合格(○)とした。
<寸法関係>
CVTリング素材の寸法について、幅W=9〜10mm、厚み(幅方向中央値)T=0.18〜0.19mm、周長600〜700mmの範囲内を合格、一種類でも上記範囲から外れたものを不合格とした。幅寸法W及び厚みTはマイクロメータでそれぞれ5点測定し、その平均値を用いた。リング周長は、周長以外の項目を測定後、CVTリング素材を切断して帯状とし、その長さをノギスを用いて測定した。
なお、表1に示す短冊板11の寸法については、幅W0はノギスで5点測定し、その平均値を用い、厚みT0はマイクロメータで5点測定し、その平均値を用い、長さL0は、ノギスを用いて測定した。
Figure 2019120276
表1に示すごとく、実施例1〜4は、溶接性にも圧延性にも優れ、かつ、すべての寸法特性をクリアした。
比較例5は、短冊板11のアスペクト比が小さすぎ、かつ、短冊板11(金属条10)の幅W0寸法が大きすぎるものであるが、幅Wの実績値を10mm以内とするよう張力を強くかけて厚み及び幅寸法が目標範囲内となるよう冷間圧延したことにより、側端面にコバ割れが生じる結果となった。
比較例6は、短冊板11のアスペクト比が大きすぎ、厚みが薄くなりすぎたため、溶接がうまくできなかった。
比較例7は、短冊板11の長さL0/アスペクト比(W0/T0)の値が大きすぎることにより、リング周長が長くなりすぎただけでなく、リング周長の増加を抑えるよう低張力で冷間圧延をしたことにより、幅Wが大きくなりすぎた。
比較例8は、短冊板11の長さL0/アスペクト比(W0/T0)の値が小さくなりすぎたことにより、リング周長が短くなりすぎただけでなく、リング周長の増加を促進しようと高張力で冷間圧延をしたことにより、幅Wが小さくなりすぎた。
(実施例2)
本例では、金属条10の圧延を、4方圧延ではなく、通常の一対の圧延ロールによって圧延する方法を採用し、幅方向は拘束することなくフリーの状態で圧延した。圧延機としては、実施例1における圧延機におけるエッジャーロールをフリーとした状態のものを用いた。その他は、基本的に実施例1と同様にして金属条10、短冊板11及びCVTリング素材1を順次作製した。そして、本例では、評価項目として短冊板の端面形状(R0/T0)、及び最終的に得られたCVTリング素材1の端部円弧直径(R1)の評価を加えた。
<短冊板の端面形状(R0/T0)>
図3に示すごとく、短冊板11(金属条10)の横断面における側端部先端の端部円弧直径R0は、上述したごとく、5箇所の横断面の画像処理によって算出した値の平均値を用い、中央厚みT0は実施例1と同様にマイクロメータで5点測定し、その平均値を用いた。
<CVTリング素材の端部円弧直径(R1)>
CVTリング素材の端部円弧直径(R1)は、上述した金属条における端部円弧直径R0の場合と同様にして横断面の画像処理によって算出した5箇所の平均値を用いた。適正な端部円弧直径(R1)としては、厚みの範囲と同じ0.18mm〜0.19mmとした。
その他の評価項目は、実施例1と同様である。
Figure 2019120276
表2から知られるように、実施例9、10は、溶接性にも圧延性にも優れ、かつ、すべての寸法特性をクリアした。
比較例11は、得られたCVTリング素材の側端面にコバ割れが観察された。これは、端面形状の状態を示すR0/T0の値が小さすぎるため、CVTリング素材に圧延される際の端部形状に相当する端部円弧直径R1も小さくなり、応力集中しやすい形状となったことによると思われる。
比較例12は、端面形状の状態を示すR0/T0の値が大きすぎるため、圧延時の圧下で端部形状を制御しきれず、CVTリング素材の端部円弧直径(R1)を最適な範囲内に納めることができず、大きくなってしまった。
(実施例3)
本例では、金属条10の圧延を、通常の一対の圧延ロールによって圧延する方法を採用しただけでなく、幅方向中央部が最も厚く、側端面に近いほど薄くなるように太鼓型形状の断面プロファイルとなるよう圧延した。また、実施例2と同様に、幅方向は拘束することなくフリーの状態で圧延した。圧延機としては、実施例1における圧延機におけるエッジャーロールをフリーとした状態のものを用いた。その他は、基本的に実施例1、2と同様にして短冊板11まで作製したが、本例では、さらに製造合理化を目指して、粗リング材12からCVTリング素材1への圧延を行うリング圧延機として、図2におけるリング圧延機5における、内側圧延ロール51と外側圧延ロール53とを、軸方向における外径寸法が一定であるストレート形状としたものを用いた。
また、本例では、評価項目として短冊板の端面形状としてさらに太鼓型形状と、得られたCVTリング素材の横断面のクラウニングRを加えた。
<太鼓型形状(T0/T1)>
図4に示すごとく、太鼓型形状は、短冊板11(金属条)の中央の厚みT0と、側端面近傍の厚みT1をそれぞれマイクロメータで5点測定し、その平均値を用いた。
<クラウニングR>
クラウニングRは、CVTリング素材の横断面形状をコントレーサで形状を転写して得られた曲率半径Rmmを用いて評価した。適正なクラウニングRとしては、750mm〜850mmとした。クラウニングRが750mmよりも小さい場合はCVTリング部材として積層してリングベルトの状態で回転させると、断面形状において曲げ応力が繰り返しかかり、疲労寿命の向上に不利となるおそれがある。一方、クラウニングRが800mmよりも大きい場合には、CVTリング部材として積層してリングベルトの状態で回転させたときの積層されたCVTリング部材同士のズレが生じやすくなるおそれがある。
その他の評価項目は、実施例1、2と同様である。
Figure 2019120276
表3から知られるように、実施例13、14は、溶接性にも圧延性にも優れ、かつ、太鼓型形状も適切であったため、上述したストレート形状の圧延ロールを用いても、適正なクラウニングRを備えたCVTリング素材が得られた。
比較例15は、太鼓型形状ではなく、幅方向の厚みが一定の短冊板を用いたため、ストレート形状の圧延ロールを用いた場合には、得られたCVTリング素材において適正なクラウニングRが得られなかった。
比較例16は、太鼓型形状が大きすぎ、ストレート形状の圧延ロールを用いて得られたCVTリング素材において適正なクラウニングRが得られなかった。
1 CVTリング素材
10 金属条
11 短冊板
12 粗リング材
5 リング圧延機
51 内側圧延ロール
53 外側圧延ロール

Claims (4)

  1. 幅Wmm、幅方向中央の厚みTmmのCVTリング素材を製造する方法であって、
    下記式1及び式2を満たす幅W0mm、幅方向中央の厚みT0mmの横断面形状を有する金属条を冷間圧延によって作製し、
    式1:24.0<W0/T0≦36.0、
    式2:1.00<W0/W<1.10、
    前記金属条を下記式3及び式4を満たす長さL0mmを有する短冊板に切断し、
    式3:300mm≦L0≦460mm、
    式4:12≦L0/(W0/T0)≦14、
    前記短冊板の長手方向の端面同士を突き合わせ溶接して無端ベルト状を呈する粗リング材を作製し、
    該粗リング材を冷間圧延して前記CVTリング素材を得る、CVTリング素材の製造方法。
  2. 前記金属条は、前記横断面形状の両端形状が円弧状形状である、請求項1に記載のCVTリング素材の製造方法。
  3. 前記金属条における前記横断面形状の前記両端形状は、下記式5を満たす端部円弧直径R0を有する、請求項2に記載のCVTリング素材の製造方法。
    式5:0.7≦R0/T0≦1.1
  4. 前記金属条の前記横断面形状における厚みは、中央部から端部に近づくにつれて小さくなっており、幅方向中央の厚みT0mmと、幅方向端部の厚みT1とが、下記式6を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載のCVTリング素材の製造方法。
    式6:1.0<T0/T1≦1.2
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