JP2019119733A - スキンケア用ゲルシートの製造方法 - Google Patents

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Eiji Kusano
瑛司 草野
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Yoshiteru Shikamata
喜輝 鹿又
光信 山本
Mitsunobu Yamamoto
光信 山本
恵悟 渡辺
Keigo Watanabe
恵悟 渡辺
英美 嶋田
Hidemi Shimada
英美 嶋田
小林 伸次
Shinji Kobayashi
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Abstract

【課題】本発明は、スキンケア用ゲルシートを効率良く製造でき、製造コストを抑制することができる新規な方法を提案する。【解決手段】孔版印刷技術を用いて、スキンケア用途に使用されるゲルシートを製造する方法であって、ゲルシートの形状に対応した開孔41が形成されている孔版40を用い、前記開孔41にゲル原料GMを充填して、基材35上に前記ゲルシートを印刷する印刷工程を少なくとも含む、ことを特徴とするものである。【選択図】図2

Description

本発明は、肌(皮膚)を良好な状態に維持するため、或いは、肌トラブルの改善をするように設計されるスキンケア用途に使用されるゲルシートの製造方法に関する。
従来から、目元などの肌に潤いを与えて、肌の状態(例えば、しわ、たるみ、色など)を改善するように、美容成分等を含有させたスキンケア用途に使用されるゲル状のシート(以下、ゲルシートと称す)が提供されている。この種のシートは例えば肌に貼り易いパッチ状に形成されており、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂フィルムなどの基材上に保持した状態で密閉され、商品としてユーザに提供される。
例えば、特許文献1はゲル形成用の溶液をPET基板上に均一の厚みとなるように展開し、その後に加熱乾燥させること(キャスト法)によって、ヒアルロン酸を含むゲルシートを製造する方法を開示している。さらに、特許文献1は所定の厚みとなるようにトレーやバット等の容器にゲル形成用の溶液を充填し、その後に加熱乾燥させること(バッチ法)によってヒアルロン酸を含むゲルシートを製造する方法についても開示している。
また、特許文献2は化粧品用のパッチとしたゲルシートについて開示している。この特許文献2は、ロール、ブレード、カレンダーなどを用いて、ゲル形成用の組成物を基材(支持体)に所望の厚みでコーティングを行い、その後に、切断をして所定形状のパッチを得る方法(コーティング法)を開示している。さらに、樹脂等で形成してある枠部(トレイ)に上記の組成物を充填することにより所定形状のパッチを製造する方法も開示している。これは、上記特許文献1で開示されたバッチ法と同様の製造方法である。
国際公開WO2016/121611号 特開2000−86496号公報
しかしながら、上述したキャスト法やコーティング法では、基材上の全面にゲル形成用の原料を塗布し、その後に必要なパッチ形状に型抜き裁断することにより、所望のゲルシートを得るものである。このように製造されるゲルシートでは型抜き裁断工程を含むので、製造工数が増え、型抜きした残り部分は製造ロスとなる。よって、製造コストの増加や製造ロス発生の問題がある。
一方、上述したバッチ法の場合には、所定形状のトレーやバット内にゲル形成用の原料を充填するので製造ロスの発生は抑制することができる。しかし、トレー等に1つ、1つ原料を充填する作業が必要となるので、生産性が劣り、これにより、製造コストの増加を招来してしまう。また、所定のトレー等を予め製造、準備する必要があるので、この点でも製造コストが増加してしまう。
本発明の目的は、スキンケア用ゲルシートを効率良く製造でき、製造コストを抑制することができる新規な方法を提案することにある。
上記目的は、孔版印刷技術を用いて、スキンケア用途に使用されるゲルシートを製造する方法であって、ゲルシートの形状に対応した開孔が形成されている孔版を用い、前記開孔にゲル形成用の組成物(以下、ゲル原料と称す)を充填して、基材上に前記ゲルシートを印刷する印刷工程を少なくとも含む、ことを特徴とするスキンケア用ゲルシートの製造方法により、達成することができる。
ここで、前記孔版はメッシュ目が設けてあるスクリーンであり、
前記開孔は、前記メッシュ目の不要領域を乳剤(樹脂)によって目止めをして、前記ゲルシートの形状となるように残したメッシュ目が開いている開口部とすることができる。
そして、一端側から他端側へ移動するドクターブレードで上記スクリーン上に前記ゲル原料を前記開口部に均一に充填し、その後に前記他端側から前記一端側へスクリーン上を押圧しながら擦る様にスキージを移動させることにより、前記ゲル原料を前記基材上に印刷するのが望ましい。
また、前記ドクターブレードは金属製であり、前記スキージは弾性材料製とするのが好ましい。
また、前記孔版はメタルマスクであり、
前記開孔はゲルシートの形状に対応して、前記メタルマスクに設けた開口部とすることができる。
そして、往路用のスキージと復路用のスキージとを用いて、前記ゲル原料を前記開口部に充填して、前記ゲル原料を前記基材上に印刷するのが望ましい。
また、前記往路用および復路用のスキージは金属製とするのが好ましい。
また、前記印刷工程後、さらに乾燥工程を含むことができる。
本発明に係る製造方法によると、孔版印刷技術を用いて、スキンケア用ゲルシートを効率良く製造することができる。
本発明の第1の実施形態に係り、スクリーン印刷技術を用いて、スキンケア用のゲルシートを製造する方法を説明するために示した図である。 本発明の第2の実施形態に係り、メタルマスク印刷技術を用いて、スキンケア用のゲルシートを製造する方法を説明するために示した図である。 スクリーン印刷とメタルマスク印刷とによりゲルシートを製造した場合の比較について示した図である。
本発明は、孔版印刷技術を応用して、スキンケア用のゲルシートを効率良く製造する方法を提案するものである。孔版印刷技術は、版自体に開孔を設け、この開孔を通過するように被印刷物質(一般的には、インク)を基材(一般的には、紙などのシート材)へ印刷して印刷物を得るものであり、スクリーン印刷とメタルマスク印刷とが含まれる。
ここで、スクリーン印刷は、メッシュが設けてあるスクリーンを孔版として用いる印刷手法である。メッシュが開いている開孔部(開口領域)を用いて印刷するものである。
また、メタルマスク印刷は孔版としてメタルマスクを用いる印刷法である。メタルマスクは平坦な金属板に開孔部(開口領域)を設けた孔版である。
以下では、スキンケア用のゲルシートを製造するのに好適な、スクリーン印刷技術を用いた製造方法(第1の実施形態)と、メタルマスク印刷技術を用いた製造方法(第2の実施形態)とについて、図を参照して順に説明する。
図1は、スキンケア用のゲルシートを製造するために用いる、スクリーン印刷装置1の主要部構成を簡略的に示した図である。
図1で、基材5は、印刷装置1のベース板2の所定位置にセットされる。基材5はシート状であって、後述する成分からなるゲル原料を印刷することができ、その後に安定にゲルシートを保持できる素材であれば特に限定はない。例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)などのポリエステルフィルムやPP(ポリプロピレン)などのオレフィン系フィルムを採用するのが好ましい。基材5の厚さは、例えば20μm〜1mmとするのが好ましい。また、少なくとも片面に離型処理を施された基材5を使用してもよく、離型処理面にゲル原料を印刷することで、形成されるゲルシートを基材5から分離することが容易となる。
ベース板2上の基材5の上方には、基材5から所定の隙間SP(ギャップ)をもって、メッシュ11を有するスクリーン10が配設されている。スクリーン印刷では、後述するスキージでスクリーン10を撓らせて(しならせて)印刷が実行されるので、そのための隙間SPが確保されている。版となるスクリーン10は、所定のメッシュ目を備えているシート状のメッシュ11を、枠部(フレーム)12に張設してある構造を有している。メッシュ目の不要領域を乳剤によって目止め(目塞ぎ)をして、メッシュ目が開いている開孔部を用いて印刷がなされる。
図1では、メッシュ11の目止め部11aと開口部11bとを示している。開口部11bによりパッチ状のゲルシートの印刷がなされる。よって、開口部11bの形状は、ユーザの肌に当てることを想定して、例えば円形、楕円形、三日月形等などに設計されることになる。
スクリーン10の枠部12は、例えばアルミニウムやステンレス等の金属により作製するのが好ましく、またメッシュ11は例えばテトロン(登録商標)やステンレス等の糸により作製しておくのが好ましい。そして、版となる部分の厚さ(メッシュと乳剤を併せた厚さ)は、例えば100〜1000μmとするのが好ましい。また、上記隙間SPは例えば1〜20mmとするのが好ましい。
図1で示す、スクリーン印刷では、一端側(図1では、右端側)から他端側(図1では、左端側)へ移動するドクターブレード21でスクリーン10上にゲル原料GMを均一に充填する。ドクターブレード21が左端に至ると、ドクターブレード21がリフトアップされてスクリーン10から離れ、これと逆にスキージ22がリフトダウンされてスクリーン10に押圧される。なお、ドクターブレード21とスキージ22とはブレード・スキージ装置20として構成されており、図示しない昇降機構により上記した切換え動作が実施される。
上記ドクターブレード21は、ステンレス等による金属製とするのが好ましく、前記メッシュ11の表面との間隔を0〜3mmとして設定するのが好ましい。
また、上記スキージ22については、スクリーン10と接触する部分が少なくとも、天然ゴム、ウレタンゴムなどの弾性材料製のものを採用するのが好ましい。スキージ22はスクリーン10の表面に対して、例えば傾斜角45〜90度に設定するのが好ましい。
スキージ22がスクリーン10に接触した後に、メッシュ11を押圧しながら擦る様にして、左端側から右端側へと移動する。このとき、スキージ22はメッシュ11を適度に撓らせながら移動し、ゲル原料GMが開口部11bに充填され、これにより基材5上にゲルシートが印刷される。
上記のようにスクリーン印刷では、スキージ22は左側から右側へ移動するときにだけ、印刷が実施される(スキージ22が右端側に至ると、リフトアップされて左端側に戻る)。すなわち、スクリーン印刷では、スキージ22は左右方向CDにおいて往復移動しているが、実際の印刷動作は左から右へのときだけとなっている。
上記印刷工程の後、基板5上の予定位置に所定形状(例えば、楕円形状)のゲルシートが形成(印刷)されている。この後、必要に応じて、溶剤を除去したり、硬化状態を調整するため乾燥(熱処理)工程を実施するのが好ましい。そして、最後に必要に応じて上面を覆い保護する保護シートを設けて、製造を完了する。
図1で示したスクリーン印刷技術を用いる場合、厚さが相対的に薄めのゲルシートを製造するのに適している。例えば膜厚が400μm以下、より好ましくは膜厚が200μm以下のゲルシートを製造するのが好ましい。
例えば膜厚が100〜200μm程度のゲルシートを3回前後の印刷動作で製造することができる。また、例えば膜厚が400μm程度のゲルシートは、数回から10回程度の印刷動作で製造することができる。
以上で説明したように、スクリーン印刷技術を用いた場合、所定の形状にのみゲル原料を印刷するため、キャスト法やコート法などの従来技術に比べて製造ロスの発生が抑制できる。またスクリーン版に所定形状の開口を複数設ける事で、同時に複数個のゲルシートを製造する事が出来るため、バッチ法に比べて製造効率が優れる。
なお、上記ゲルシートを構成することになる前述したゲル原料については、肌の健康維持、増進また改善に寄与する健康、美容成分を含有した液状成分を保持することができるゲル状の組成物であり、例えば、加熱した状態で印刷し、印刷後に冷却することでゲル化する組成物や、印刷後に乾燥または加熱等の処理を加える事でゲル化する組成物であればよく、特に限定はない。液状成分を保持したゲルを形成できる主要な組成物としては、例えば寒天、ゼラチン、カラギーナン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸およびポリアクリル酸塩等を用いた水溶性高分子組成物、デキストリン脂肪酸エステルやポリエチレンワックス等を用いた油溶性高分子組成物、ベントナイトやモンモリロナイト等を用いた無機組成物、有機組成物と無機組成物とを併用したハイブリッド組成物を例示することができる。そして、この組成物には溶媒として、水系であれば、水と共に水と相分離を起こさず、従来から医薬、化粧品の分野で経皮用途として使用されているグリセリン、ブチレングリコール、ジプロピレングリコールに代表されるアルコール類等を、油系であれば炭化水素油、エステル油、シリコーン油等を単独あるいは複数を配合して含めることができる。更に、健康、美容成分等を適宜配合することができる。
ゲルシート製造用に調製した印刷前のゲル原料の粘度は、例えば1,000mPa・s(ミリパスカル秒)以上とするのが好ましい。1,000より小さい粘度であると基材に塗布した際にゲル原料が流れる状態となって、設計した形状を維持する事が困難となる。なお、本発明において、上記ゲル原料の粘度は、単一円筒型回転粘度計ビスメトロン(芝浦システム社製)等のブルックフィールド型粘度計を使用して測定された値である。具体的に粘度値は次のようにして測定される。まず、測定試料を外径45mm、内径38mm、高さ82mmのガラス製ビンにエアスペースが生じないように充填し、ふたをして恒温槽にて一昼夜放置する。翌日、単一円筒型回転粘度計ビスメトロン(登録商標)(芝浦システム社製)にて、付属の各種ローターを用い、0.3〜30rpmで1分後の測定値を読み取り、各々の乗数を乗したものが粘度値となる。
上記ゲル原料については、このゲル原料に添加する溶剤の量を増減して濃度を調整したり、ゲル原料を加温や冷却することによって、印刷に適した粘度に調整することが好ましい。
次に、以下では、メタルマスク印刷技術を用いて、スキンケア用のゲルシートを製造する方法について説明する。
図2は、スキンケア用のゲルシートを製造するために用いる、メタルマスク印刷装置31の主要部構成を簡略的に示した図である。
図2で、基材35は、印刷装置31のベース板32の所定位置にセットされる。基材35は、前述した図1の基材5と同様のシート状素材とすることができる。
メタルマスク40が、基材35上に密接してセットされている。ここで密接とはスキージを押圧しても実質的に版(メタルマスク40)が撓らない程度の距離に基材とメタルマスクとを配置することを意図し、具体的には基材35とメタルマスク40との距離を例えば0mm〜2mmとすることが好ましい。メタルマスク40は、前述したスクリーン印刷装置1におけるスクリーン10に替えて採用された孔版となる。メタルマスク40は例えばステンレスなどの金属により形成された薄い金属板である。その金属板の厚さは例えば0.05mm〜5mmとするのが好ましい。
メタルマスク40には、製品とするゲルシートに対応した形状の開孔部41が形成されている。よって、メタルマスク40に設けた開孔部41内に予め調製したゲル原料を充填する(供給する)ことにより設計した所定形状を有するゲルシートを基材35上に印刷できる。開孔部41の形状は、前述したと同様に、ユーザの肌に当てるゲルシートを想定して、例えば円形、楕円形、三日月形等などに設計されることになる。
メタルマスク印刷の場合は、スクリーン印刷と比較して、相対的に厚めのゲルシートであっても製造できるという、更なるメリットがある。メタルマスク40の場合、ゲル原料を開孔部41内に充填するというシンプルな印刷形態だからである。すなわち、メタルマスク40の厚さと上記開孔部41の形状とその面積(大きさ)を適宜に変更することで、任意のゲルシートを設計することができる。その際に、ゲル原料を充填する量を調整できる。メタルマスク40の板厚の厚さを増せば、塗布量を多くして、相対的に厚いゲルシートを容易に製造できることになる。
なお、上記ゲルシートを構成する素材については、前述したスクリーン印刷の場合と同様のものを使用すればよい。
また、メタルマスク印刷に用いるスキージはステンレスなどの金属により形成された金属板を用いる事が好ましい。スキージの厚さは例えば0.05mm〜3mmとするのが好ましい。
図2では、例示的に、左右一対を対称的に配置したスキージ51、52を示している。図2では、左から右方向が往路であり、右から左方向が復路となっている。スキージ51が往路用であり、スキージ52が復路用である。これらスキージ51、52はスキージ移動装置50によって保持されて、左右方向CDに移動可能であり、また、図示しない昇降機構によりいずれか一方のスキージがメタルマスク40に向けて降下されて、印刷操作に使用される。
図2で示している状態は、メタルマスク40の左側端部に載せられたゲル原料GMを左側往路用のスキージ51を移動させて1回目の印刷工程を行う直前の様子を示している。
スキージ51、52はステンレスなどからなる金属製の板状部材であり、メタルマスク40の表面に対して、例えば傾斜角45〜120度に設定するのが好ましい。
そして、印刷のため、降下したときのスキージ31、32の下端部と、メタルマスク20の表面との間隔(隙間)は0〜3mm程度とするのが好ましい。
図2を参照してスキンケア用のゲルシートを製造する印刷工程を説明すると、以下のとおりである。
図2で示している状態から往路用のスキージ51が右向き移動されると、スキージ51の移動に伴って、ゲル原料GMがメタルマスク40の開孔部41に充填される。メタルマスク40の下には、基材35が密着した状態でセットされているので、開孔部41の形状に対応して所定形状のゲルシートが基材35の予定位置に印刷される。
往路用のスキージ51が右側の停止位置に達したとき、復路用のスキージ52に切り替わる。復路用のスキージ52が左向き移動されると、スキージ52の移動に伴って、ゲル原料GMがメタルマスク40の開孔部41に更に充填される。この復路(2回目)の印刷工程により、開孔部41内がより確実にゲル原料GMで充填されるので、確実な印刷を実現できる。
上記印刷工程の後に、メタルマスク40を基板35から離すと、基板35上の予定位置に所定形状(例えば、楕円形状)のゲルシートが形成(印刷)されている。この後、必要に応じて、溶剤を除去したり、硬化状態を調整する乾燥(熱処理)工程を実施する。そして、最後に必要に応じて上面を覆い保護する保護シートを設けて、製造を完了する。
上記で説明したようにメタルマスク40を用いて印刷工程を実施すると、スキージを1往復(2回の印刷工程)するだけで、要求されたスキンケア用のゲルシートを製造することも可能である。
ただし、印刷工程においてスキージを往復動作させることは必須ではない。製造するゲルシートによっては、前述した往路用のスキージ51を右側へ1回移動させるだけ、すなわち1回の印刷工程で製造が完了できる場合もある。
ところで、この種のメタルマスクは、従来にあっては電気産業界において、プリント基板に設けた開孔にハンダペーストを流し込むために使用するものが知られている。しかし、電気産業とは全く関連のない、化粧品業界のスキンケア製品の製造に用いることは、想定外のことであると考えるべきである。
以上のようにメタルマスク印刷技術を用いてゲルシートを製造すると、スクリーン印刷による技術的効果に加えて、ゲルシートが相対的に厚めとなる場合でもあっても製造することができ、また印刷回数を低減して製造効率を上げることができる。
図3は、使用する印刷装置の基本構造を同じとし、採用する孔版を、メッシュを有するスクリーンとメタルマスクとした場合の比較結果について示している図である。
なお、ここでの結果はスクリーン印刷のメッシュスクリーンおよびメタルマスク印刷のメタルマスクの厚さ(版厚さ)を、共に400μm(0.4mm)として、相対的に厚め
のゲルシートを製造した場合の比較について示しているものである。
図3の左側(a)はスクリーン印刷、右側(b)はメタルマスク印刷について示している。
図3では最上段は、(a)がスクリーン、(b)がメタルマスクの上面をそれぞれ示している。(a)のスクリーンの場合、中央部のメッシュの部分を介して被印刷物(ゲル原料GM)が印刷される。メッシュより外側の枠部はメッシュを乳剤で硬化させた部分である。なお、ここでの例示では、ゲルシートを楕円形状の商品として製造する場合を示している。
上記に対して、右側(b)はメタルマスクであり、薄い金属板の中央部に楕円形状の開孔が形成されているだけである。
(a)、(b)の2段目は、それぞれ最上段図のY−Y矢視断面図である。
そして、(a)、(b)の3段目と4段目は印刷後のゲルシートの様子を示している図であ
る。3段目はゲルシートの上面(平面)の様子を示した図で、4段目はゲルシートの断面(側面)の様子を示した図である。
スクリーン印刷の場合、4〜12回の印刷工程で、基材上にゲルシートを印刷することができた。形成されたゲルシートの外形は3段目の図で示すように周縁部に若干のギザギザ、4段目の図で示すように中央部が若干、窪んだ状態となった。そして、表面にはメッシュパターンが現れた。このような状態となるのは、スクリーンがメッシュを備えているからである。図3は製造直後の状態を模式的に示しており、メッシュの影響を誇張しているが、時間と共に表面の様子は落ちついて平坦化してくる。よって、スクリーン印刷でも、相対的の厚めのゲルシートを製造できることが確認されたが、スクリーン印刷は相対的に薄め、200μm以下のゲルシート製造に採用するのが好ましい。
一方、メタルマスク印刷の場合には、2回(1往復)の印刷工程で、(b)3段目、4段目で示すように鮮明な外形を有するゲルシートを得ることができた。すなわち、メタルマスク印刷によってゲルシートを製造すると、印刷工数を低減して、しかも外形が明確な商品に適したゲルシートを歩留まり良く得ることができた。
メタルマスクの場合、その厚さを増加させることで充填量を増して厚めのゲルシートを同様に製造することができた。よって、メタルマスク印刷の方が、スクリーン印刷よりも製造効率および製品設計の自由度という点で優れている。
以上で説明したように、孔版としてメッシュが設けてあるスクリーンを用いる、スクリーン印刷によると、相対的に薄めのスキンケア用ゲルシートを、製造ロスを抑制し、効率良く製造することができる。
また、孔版としてメタルマスクを用いる、メタルマスク印刷による場合には、スキンケア用ゲルシートが薄めであっても、厚めであっても、製造ロスも抑制し、より効率良く製造することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができることは言うまでもない。
図2では例示的に左右一対のスキージを備えるものを示したが、1つのスキージとし傾斜角を任意設定可能な機構を設けて往復両兼用できるスキージ装置としても勿論よい。
1 スクリーン印刷装置
2 ベース板
5 基材
10 スクリーン
11 メッシュ
11a 目止め部
11b 開孔部
12 枠部
20 ブレード・スキージ装置
21 ドクターブレード
22 スキージ
31 メタルマスク印刷装置
32 ベース板
35 基材
40 メタルマスク
41 開孔部
50 スキージ装置
51 スキージ
52 スキージ
GM ゲル原料

Claims (8)

  1. 孔版印刷技術を用いて、スキンケア用途に使用されるゲルシートを製造する方法であって、
    ゲルシートの形状に対応した開孔が形成されている孔版を用い、
    前記開孔にゲル原料を充填して、基材上に前記ゲルシートを印刷する印刷工程を少なくとも含む、ことを特徴とするスキンケア用ゲルシートの製造方法。
  2. 前記孔版はメッシュ目が設けてあるスクリーンであり、
    前記開孔は、前記メッシュ目の不要領域を乳剤によって目止めをして、前記ゲルシートの形状となるように残したメッシュ目が開いている開口部である、ことを特徴とする請求項1に記載のスキンケア用ゲルシートの製造方法。
  3. 一端側から他端側へ移動するドクターブレードで上記スクリーン上に前記ゲル原料を前記開口部に均一に充填し、その後に前記他端側から前記一端側へスクリーン上を押圧しながら擦る様にスキージを移動させることにより前記ゲル原料を前記基材上に印刷する、ことを特徴とする請求項2に記載のスキンケア用ゲルシートの製造方法。
  4. 前記ドクターブレードは金属製であり、前記スキージは弾性材料製である、ことを特徴とする請求項3に記載のスキンケア用ゲルシートの製造方法。
  5. 前記孔版はメタルマスクであり、
    前記開孔はゲルシートの形状に対応して、前記メタルマスクに設けた開口部である、ことを特徴とする請求項1に記載のスキンケア用ゲルシートの製造方法。
  6. 往路用のスキージと復路用のスキージとを用いて、前記ゲル原料を前記開口部に充填して、前記ゲル原料を前記基材上に印刷する、ことを特徴とする請求項5に記載のスキンケア用ゲルシートの製造方法。
  7. 前記往路用および復路用のスキージは金属製である、ことを特徴とする請求項6に記載のスキンケア用ゲルシートの製造方法。
  8. 前記印刷工程後、さらに乾燥工程を含む、ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のスキンケア用ゲルシートの製造方法。
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