JP2019119733A - スキンケア用ゲルシートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2は化粧品用のパッチとしたゲルシートについて開示している。この特許文献2は、ロール、ブレード、カレンダーなどを用いて、ゲル形成用の組成物を基材(支持体)に所望の厚みでコーティングを行い、その後に、切断をして所定形状のパッチを得る方法(コーティング法)を開示している。さらに、樹脂等で形成してある枠部(トレイ)に上記の組成物を充填することにより所定形状のパッチを製造する方法も開示している。これは、上記特許文献1で開示されたバッチ法と同様の製造方法である。
一方、上述したバッチ法の場合には、所定形状のトレーやバット内にゲル形成用の原料を充填するので製造ロスの発生は抑制することができる。しかし、トレー等に1つ、1つ原料を充填する作業が必要となるので、生産性が劣り、これにより、製造コストの増加を招来してしまう。また、所定のトレー等を予め製造、準備する必要があるので、この点でも製造コストが増加してしまう。
前記開孔は、前記メッシュ目の不要領域を乳剤(樹脂)によって目止めをして、前記ゲルシートの形状となるように残したメッシュ目が開いている開口部とすることができる。
そして、一端側から他端側へ移動するドクターブレードで上記スクリーン上に前記ゲル原料を前記開口部に均一に充填し、その後に前記他端側から前記一端側へスクリーン上を押圧しながら擦る様にスキージを移動させることにより、前記ゲル原料を前記基材上に印刷するのが望ましい。
また、前記ドクターブレードは金属製であり、前記スキージは弾性材料製とするのが好ましい。
前記開孔はゲルシートの形状に対応して、前記メタルマスクに設けた開口部とすることができる。
そして、往路用のスキージと復路用のスキージとを用いて、前記ゲル原料を前記開口部に充填して、前記ゲル原料を前記基材上に印刷するのが望ましい。
また、前記往路用および復路用のスキージは金属製とするのが好ましい。
ここで、スクリーン印刷は、メッシュが設けてあるスクリーンを孔版として用いる印刷手法である。メッシュが開いている開孔部(開口領域)を用いて印刷するものである。
また、メタルマスク印刷は孔版としてメタルマスクを用いる印刷法である。メタルマスクは平坦な金属板に開孔部(開口領域)を設けた孔版である。
以下では、スキンケア用のゲルシートを製造するのに好適な、スクリーン印刷技術を用いた製造方法(第1の実施形態)と、メタルマスク印刷技術を用いた製造方法(第2の実施形態)とについて、図を参照して順に説明する。
図1で、基材5は、印刷装置1のベース板2の所定位置にセットされる。基材5はシート状であって、後述する成分からなるゲル原料を印刷することができ、その後に安定にゲルシートを保持できる素材であれば特に限定はない。例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)などのポリエステルフィルムやPP(ポリプロピレン)などのオレフィン系フィルムを採用するのが好ましい。基材5の厚さは、例えば20μm〜1mmとするのが好ましい。また、少なくとも片面に離型処理を施された基材5を使用してもよく、離型処理面にゲル原料を印刷することで、形成されるゲルシートを基材5から分離することが容易となる。
図1では、メッシュ11の目止め部11aと開口部11bとを示している。開口部11bによりパッチ状のゲルシートの印刷がなされる。よって、開口部11bの形状は、ユーザの肌に当てることを想定して、例えば円形、楕円形、三日月形等などに設計されることになる。
上記ドクターブレード21は、ステンレス等による金属製とするのが好ましく、前記メッシュ11の表面との間隔を0〜3mmとして設定するのが好ましい。
また、上記スキージ22については、スクリーン10と接触する部分が少なくとも、天然ゴム、ウレタンゴムなどの弾性材料製のものを採用するのが好ましい。スキージ22はスクリーン10の表面に対して、例えば傾斜角45〜90度に設定するのが好ましい。
上記のようにスクリーン印刷では、スキージ22は左側から右側へ移動するときにだけ、印刷が実施される(スキージ22が右端側に至ると、リフトアップされて左端側に戻る)。すなわち、スクリーン印刷では、スキージ22は左右方向CDにおいて往復移動しているが、実際の印刷動作は左から右へのときだけとなっている。
例えば膜厚が100〜200μm程度のゲルシートを3回前後の印刷動作で製造することができる。また、例えば膜厚が400μm程度のゲルシートは、数回から10回程度の印刷動作で製造することができる。
以上で説明したように、スクリーン印刷技術を用いた場合、所定の形状にのみゲル原料を印刷するため、キャスト法やコート法などの従来技術に比べて製造ロスの発生が抑制できる。またスクリーン版に所定形状の開口を複数設ける事で、同時に複数個のゲルシートを製造する事が出来るため、バッチ法に比べて製造効率が優れる。
ゲルシート製造用に調製した印刷前のゲル原料の粘度は、例えば1,000mPa・s(ミリパスカル秒)以上とするのが好ましい。1,000より小さい粘度であると基材に塗布した際にゲル原料が流れる状態となって、設計した形状を維持する事が困難となる。なお、本発明において、上記ゲル原料の粘度は、単一円筒型回転粘度計ビスメトロン(芝浦システム社製)等のブルックフィールド型粘度計を使用して測定された値である。具体的に粘度値は次のようにして測定される。まず、測定試料を外径45mm、内径38mm、高さ82mmのガラス製ビンにエアスペースが生じないように充填し、ふたをして恒温槽にて一昼夜放置する。翌日、単一円筒型回転粘度計ビスメトロン(登録商標)(芝浦システム社製)にて、付属の各種ローターを用い、0.3〜30rpmで1分後の測定値を読み取り、各々の乗数を乗したものが粘度値となる。
上記ゲル原料については、このゲル原料に添加する溶剤の量を増減して濃度を調整したり、ゲル原料を加温や冷却することによって、印刷に適した粘度に調整することが好ましい。
図2は、スキンケア用のゲルシートを製造するために用いる、メタルマスク印刷装置31の主要部構成を簡略的に示した図である。
図2で、基材35は、印刷装置31のベース板32の所定位置にセットされる。基材35は、前述した図1の基材5と同様のシート状素材とすることができる。
メタルマスク40には、製品とするゲルシートに対応した形状の開孔部41が形成されている。よって、メタルマスク40に設けた開孔部41内に予め調製したゲル原料を充填する(供給する)ことにより設計した所定形状を有するゲルシートを基材35上に印刷できる。開孔部41の形状は、前述したと同様に、ユーザの肌に当てるゲルシートを想定して、例えば円形、楕円形、三日月形等などに設計されることになる。
また、メタルマスク印刷に用いるスキージはステンレスなどの金属により形成された金属板を用いる事が好ましい。スキージの厚さは例えば0.05mm〜3mmとするのが好ましい。
スキージ51、52はステンレスなどからなる金属製の板状部材であり、メタルマスク40の表面に対して、例えば傾斜角45〜120度に設定するのが好ましい。
そして、印刷のため、降下したときのスキージ31、32の下端部と、メタルマスク20の表面との間隔(隙間)は0〜3mm程度とするのが好ましい。
図2で示している状態から往路用のスキージ51が右向き移動されると、スキージ51の移動に伴って、ゲル原料GMがメタルマスク40の開孔部41に充填される。メタルマスク40の下には、基材35が密着した状態でセットされているので、開孔部41の形状に対応して所定形状のゲルシートが基材35の予定位置に印刷される。
往路用のスキージ51が右側の停止位置に達したとき、復路用のスキージ52に切り替わる。復路用のスキージ52が左向き移動されると、スキージ52の移動に伴って、ゲル原料GMがメタルマスク40の開孔部41に更に充填される。この復路(2回目)の印刷工程により、開孔部41内がより確実にゲル原料GMで充填されるので、確実な印刷を実現できる。
ただし、印刷工程においてスキージを往復動作させることは必須ではない。製造するゲルシートによっては、前述した往路用のスキージ51を右側へ1回移動させるだけ、すなわち1回の印刷工程で製造が完了できる場合もある。
ところで、この種のメタルマスクは、従来にあっては電気産業界において、プリント基板に設けた開孔にハンダペーストを流し込むために使用するものが知られている。しかし、電気産業とは全く関連のない、化粧品業界のスキンケア製品の製造に用いることは、想定外のことであると考えるべきである。
なお、ここでの結果はスクリーン印刷のメッシュスクリーンおよびメタルマスク印刷のメタルマスクの厚さ(版厚さ)を、共に400μm(0.4mm)として、相対的に厚め
のゲルシートを製造した場合の比較について示しているものである。
図3では最上段は、(a)がスクリーン、(b)がメタルマスクの上面をそれぞれ示している。(a)のスクリーンの場合、中央部のメッシュの部分を介して被印刷物(ゲル原料GM)が印刷される。メッシュより外側の枠部はメッシュを乳剤で硬化させた部分である。なお、ここでの例示では、ゲルシートを楕円形状の商品として製造する場合を示している。
上記に対して、右側(b)はメタルマスクであり、薄い金属板の中央部に楕円形状の開孔が形成されているだけである。
そして、(a)、(b)の3段目と4段目は印刷後のゲルシートの様子を示している図であ
る。3段目はゲルシートの上面(平面)の様子を示した図で、4段目はゲルシートの断面(側面)の様子を示した図である。
メタルマスクの場合、その厚さを増加させることで充填量を増して厚めのゲルシートを同様に製造することができた。よって、メタルマスク印刷の方が、スクリーン印刷よりも製造効率および製品設計の自由度という点で優れている。
また、孔版としてメタルマスクを用いる、メタルマスク印刷による場合には、スキンケア用ゲルシートが薄めであっても、厚めであっても、製造ロスも抑制し、より効率良く製造することができる。
図2では例示的に左右一対のスキージを備えるものを示したが、1つのスキージとし傾斜角を任意設定可能な機構を設けて往復両兼用できるスキージ装置としても勿論よい。
2 ベース板
5 基材
10 スクリーン
11 メッシュ
11a 目止め部
11b 開孔部
12 枠部
20 ブレード・スキージ装置
21 ドクターブレード
22 スキージ
31 メタルマスク印刷装置
32 ベース板
35 基材
40 メタルマスク
41 開孔部
50 スキージ装置
51 スキージ
52 スキージ
GM ゲル原料
Claims (8)
- 孔版印刷技術を用いて、スキンケア用途に使用されるゲルシートを製造する方法であって、
ゲルシートの形状に対応した開孔が形成されている孔版を用い、
前記開孔にゲル原料を充填して、基材上に前記ゲルシートを印刷する印刷工程を少なくとも含む、ことを特徴とするスキンケア用ゲルシートの製造方法。 - 前記孔版はメッシュ目が設けてあるスクリーンであり、
前記開孔は、前記メッシュ目の不要領域を乳剤によって目止めをして、前記ゲルシートの形状となるように残したメッシュ目が開いている開口部である、ことを特徴とする請求項1に記載のスキンケア用ゲルシートの製造方法。 - 一端側から他端側へ移動するドクターブレードで上記スクリーン上に前記ゲル原料を前記開口部に均一に充填し、その後に前記他端側から前記一端側へスクリーン上を押圧しながら擦る様にスキージを移動させることにより前記ゲル原料を前記基材上に印刷する、ことを特徴とする請求項2に記載のスキンケア用ゲルシートの製造方法。
- 前記ドクターブレードは金属製であり、前記スキージは弾性材料製である、ことを特徴とする請求項3に記載のスキンケア用ゲルシートの製造方法。
- 前記孔版はメタルマスクであり、
前記開孔はゲルシートの形状に対応して、前記メタルマスクに設けた開口部である、ことを特徴とする請求項1に記載のスキンケア用ゲルシートの製造方法。 - 往路用のスキージと復路用のスキージとを用いて、前記ゲル原料を前記開口部に充填して、前記ゲル原料を前記基材上に印刷する、ことを特徴とする請求項5に記載のスキンケア用ゲルシートの製造方法。
- 前記往路用および復路用のスキージは金属製である、ことを特徴とする請求項6に記載のスキンケア用ゲルシートの製造方法。
- 前記印刷工程後、さらに乾燥工程を含む、ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のスキンケア用ゲルシートの製造方法。
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2018
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