JP2019119126A - 積層体、積層体の製造方法、フレキシブル電子デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような事情に鑑み、機能素子を形成するための高分子フィルムと支持体との積層体として、耐熱性に優れ強靭で薄膜化が可能なポリイミドフィルムを、シランカップリング剤を介して無機物からなる支持体(無機層)に貼り合わせてなる積層体が提案されている(特許文献1〜3)。
[1]無機基板と高分子フィルムがシランカップリング剤層を介して接着されてなる積層体において、該シランカップリング剤層は少なくとも化学式1に示すシランカップリング剤を含むことを特徴とする積層体。
(化学式1)
(Aは置換基を有していても良い1価の有機基、R1、R2は炭素数1〜6のアルキル基もしくはフェニル基、または、それらの置換体を示す。nは1または2の整数を示す。)
[2]前記化学式1のAがアミノ基を有する有機基であることを特徴とする[1]に記載の積層体。
[3] 該積層体を200℃1時間熱処理した際の無機基板と高分子フィルムの90度剥離強度が0.05N/cm以上であり、該積層体を500℃1時間熱処理した際の無機基板と高分子フィルムの90度剥離強度が0.50N/cm以下であることを特徴とする[1]または[2]に記載の積層体。
[4]前記無機基板として、ガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属板から選ばれた一種が用いられていることを特徴とする請求項[1]〜[3]のいずれかに記載の積層体。
[5]前記高分子フィルムとしてポリイミドフィルムを用いることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の積層体。
[6][5]に記載のポリイミドフィルムの厚さが1μm〜100μmであることを特徴とする[1]〜 [5]のいずれかに記載の積層体。
[7][5]、[6]に記載のポリイミドフィルムの100℃〜500℃の温度範囲における線膨張係数(CTE)が−5ppm/℃〜30ppm/℃であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかにに記載の積層体。
[8] [5]〜[7]に記載のポリイミドフィルムが芳香族テトラカルボン酸類とベンゾオキサゾール構造(骨格)を有する芳香族ジアミン類との反応によって得られるポリイミドフィルムであることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の積層体。
[9] 無機基板上にシランカップリング剤層を形成する工程と シランカップリング剤層の上に高分子フィルムを積層・加圧する工程と、加熱することで隣接する互いの層を接着する工程とを備えることを特徴とする積層体の製造方法。
[10]
高分子フィルム上に電子デバイスを形成する工程と、高分子フィルム層に切り込みを入れ、高分子フィルム層の少なくとも一部を電子デバイスごと無機基板から剥離する工程とを備えることを特徴とするフレキシブル電子デバイスの製造方法。
かかる剥離強度の変化パターンを導く具体的な手段については、以下に詳しく説明を行うが、基本的には高分子フィルムと無機基板との間に形成するシランカップリング剤層に化学式1の構造をもつシランカップリング剤を用いることで、シランカップリング剤層以外の層を介することなく高温での熱処理後もデバイスの破損なく剥離することが可能となる。しかし、化学式1を満たすシランカップリング剤を用いると、構造中のアルコキシ少ないために、高温熱処理時に揮発するアルコール量が減少し、表面状態がより平滑な基板が形成できることが分かった。
例えば、ポリイミド系樹脂フィルムは、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液を無機基板に所定の厚さとなるように塗布し、乾燥した後に、高温熱処理して脱水閉環反応を行わせる熱イミド化法又は無水酢酸等を脱水剤とし、ピリジン等を触媒として用いる化学イミド化法を行うことによって得ることができる。
シランカップリング剤は、特に限定されるものではないが、化学式1のシランカップリング剤の好ましい具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、(3−アミノプロピル)ジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−アミノプロピル)ジメチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられ、アミノ基をもつシランカップリング剤がより好ましい。
シランカップリング剤層の形成方法としては、シランカップリング剤溶液を塗布する方法や蒸着法などを用いることが出来る。シランカップリング剤層は高分子フィルム、無機基板のいずれの表面に行っても良く、両方の表面に行っても良い。
シランカップリング剤溶液を塗布する方法としては、シランカップリング剤をアルコールなどの溶媒で希釈した溶液を用いて、スピンコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スリットダイコート法、グラビアコート法、バーコート法、コンマコート法、アプリケーター法、スクリーン印刷法、スプレーコート法等の従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。シランカップリング剤溶液を塗布する方法を用いた場合、塗布後に速やかに乾燥し、さらに100℃±30℃程度で数十秒〜10分程度の熱処理を行うことが好ましい。熱処理により、シランカップリング剤と被塗布面の表面とが化学反応により結合される。
シランカップリング剤を加温する環境は、加圧下、常圧下、減圧下のいずれでも構わないが、シランカップリング剤の気化を促進する場合には常圧下ないし減圧下が好ましい。多くのシランカップリング剤は可燃性液体であるため、密閉容器内にて、好ましくは容器内を不活性ガスで置換した後に気化作業を行うことが好ましい。
基材をシランカップリング剤に暴露する時間は特に制限されないが、20時間以内が好ましく、より好ましくは60分以内、さらに好ましくは15分以内、最も好ましくは5分以内である。
基材をシランカップリング剤に暴露する間の基材の温度は、シランカップリング剤の種類と、求めるシランカップリング剤層の厚さにより−50℃〜200℃の間の適正な温度に制御することが好ましい。
なおシランカップリング剤処理前の基材表面を短波長UV/オゾン照射などの手段により清浄化したり液体洗浄剤で清浄化するのが好ましい。
本発明においては高分子フィルムの支持体として無機基板を用いる。また、高分子フィルム上に電子デバイスを形成して、フレキシブル電子デバイスを製造する場合においても、無機基板は高分子フィルム材料を仮支持するために用いられる。
無機基板としては無機物からなる基板として用いることのできる板状のものであればよく、例えば、ガラス板、セラミック板、半導体ウエハ、金属等を主体としているもの、および、これらガラス板、セラミック板、半導体ウエハ、金属の複合体として、これらを積層したもの、これらが分散されているもの、これらの繊維が含有されているものなどが挙げられる。
前記無機基板の厚さは特に制限されないが、取り扱い性の観点より10mm以下の厚さが好ましく、3mm以下がより好ましく、1.3mm以下がさらに好ましい。厚さの下限については特に制限されないが、好ましくは0.07mm以上、より好ましくは0.15mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上である。
ただし、本発明は450℃以上の熱処理を伴うプロセスに用いられることが大前提であるため、例示された高分子フィルムの中から実際に適用できる物は限られる。本発明に好ましく用いられる高分子フィルムは、所謂スーパーエンジニアリングプラスチックを用いたフィルムであり、好ましくは芳香族ポリイミドフィルムであり、芳香族アミドフィルムであり、芳香族アミドイミドフィルムであり、芳香族ベンゾオキサゾールフィルムであり、芳香族ベンゾチアゾールフィルムであり、芳香族ベンゾイミダゾールフィルムである。
前記脂環式ジアミン類としては、例えば、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルシクロヘキシルアミン)等が挙げられる。
芳香族ジアミン類以外のジアミン(脂肪族ジアミン類および脂環式ジアミン類)の合計量は、全ジアミン類の20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。換言すれば、芳香族ジアミン類は全ジアミン類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
脂環式テトラカルボン酸類は、透明性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
芳香族テトラカルボン酸類は、耐熱性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
フィルムの厚さ斑(%)
=100×(最大フィルム厚−最小フィルム厚)÷平均フィルム厚
本発明において用いられる高分子フィルムには表面活性化処理を行っても良い。高分子フィルムに表面活性化処理を行うことによって、高分子フィルムの表面は官能基が存在する状態(いわゆる活性化した状態)に改質され、無機基板に対する接着性を制御することもできる。
本発明における表面活性化処理とは、乾式又は湿式の表面処理である。乾式の表面処理としては、例えば、真空プラズマ処理、常圧プラズマ処理、紫外線・電子線・X線などの活性エネルギー線を表面に照射する処理、コロナ処理、火炎処理、イトロ処理等を挙げることができる。湿式の表面処理としては、例えば、高分子フィルム表面を酸ないしアルカリ溶液に接触させる処理を挙げることができる。
本発明の積層体は、シランカップリング剤層を設けた無機基板もしくは高分子フィルムをシランカップリング剤を介して重ね合わた後、加熱後、加圧処理することにより作製される。
加圧加熱処理に使用することができる装置としては、真空中でのプレスを行うには、例えば井元製作所製の「11FD」等を使用でき、真空中でのロール式のフィルムラミネーターあるいは真空にした後に薄いゴム膜によりガラス全面に一度に圧力を加えるフィルムラミネーター等の真空ラミネートを行うには、例えば名機製作所製の「MVLP」等を使用できる。
以上により、本発明における以下(1)または(2)の積層体を得ることが出来る。
本発明の積層体を用いると、既存の電子デバイス製造用の設備、プロセスを用いて積層体の高分子フィルム上に電子デバイスを形成し、積層体から高分子フィルムごと剥離することで、フレキシブルな電子デバイスを作製することができる。
本発明における電子デバイスとは、電気配線を担う片面、両面、あるいは多層構造を有する配線基板、トランジスタ、ダイオードなどの能動素子や、抵抗、キャパシタ、インダクタなどの受動デバイスを含む電子回路、他、圧力、温度、光、湿度などをセンシングするセンサー素子、バイオセンサー素子、発光素子、液晶表示、電気泳動表示、自発光表示などの画像表示素子、無線、有線による通信素子、演算素子、記憶素子、MEMS素子、太陽電池、薄膜トランジスタなどをいう。
前記積層体の易剥離部の高分子フィルムに切り込みを入れる方法としては、刃物などの切削具によって高分子フィルムを切断する方法や、レーザーと積層体を相対的にスキャンさせることにより高分子フィルムを切断する方法、ウォータージェットと積層体を相対的にスキャンさせることにより高分子フィルムを切断する方法、半導体チップのダイシング装置により若干ガラス層まで切り込みつつ高分子フィルムを切断する方法などがあるが、特に方法は限定されるものではない。例えば、上述した方法を採用するにあたり、切削具に超音波を重畳させたり、往復動作や上下動作などを付け加えて切削性能を向上させる等の手法を適宜採用することもできる。
また、剥離する部分に予め別の補強基材を貼りつけて、補強基材ごと剥離する方法も有用である。剥離するフレキシブル電子デバイスが、表示デバイスのバックプレーンである場合、あらかじめ表示デバイスのフロントプレーンを貼りつけて、無機基板上で一体化した後に両者を同時に剥がし、フレキシブルな表示デバイスを得ることも可能である。
積層体の剥離強度は、90度剥離法に従って測定した。
無機基板に対してポリイミドフィルムが90度折れ曲がる側として、N=5の測定を行い平均値を測定値とした。
装置名 ; 剥離試験機…日本計測システム社、JSV−H1000
測定温度 ; 室温
剥離速度 ; 100mm/min
雰囲気 ; 大気
測定サンプル幅 ; 1cm
<気泡数>
500℃熱処理をした積層体の中心部で3cm×3cmの領域を指定し、その領域内にある気泡数をフィルム貼付面と反対側から目視で確認した。
<ポリイミドフィルムの製造>
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(DAMBO)223質量部と、N,N−ジメチルアセトアミド4416質量部とを加えて完全に溶解させ、次いで、ピロメリット酸二無水物(PMDA)217質量部とともに、滑材として前記コロイダルシリカ分散体をシリカ(滑材)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量に対して0.12質量%になるように加え、25℃の反応温度で24時間攪拌して、粘調なポリアミド酸溶液V1を得た。
製造例1において、前記コロイダルシリカ分散体を添加しなかった以外は同様に操作し、ポリアミド酸溶液V2を得た。
前記で得られたポリアミド酸溶液V2をコンマコーターを用いて幅1050mmの長尺ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「A−4100」)の平滑面(無滑材面)上に、最終膜厚(イミド化後の膜厚)が約5μmとなるように塗布し、次いでポリアミド酸溶液V1をスリットダイを用いて、最終膜厚がV2を含めて38μmとなるように塗布し、105℃にて25分間乾燥した後、ポリエステルフィルムから剥離して、幅920mmの自己支持性のポリアミド酸フィルムを得た。
次いで、得られた自己支持性ポリアミド酸フィルムをピンテンターによって、180℃〜495℃の温度領域で段階的に昇温させて(1段目180℃×5分、2段目220℃×5分、3段目495℃×10分間)熱処理を施してイミド化させ、両端のピン把持部分をスリットにて落とし、幅850mmの長尺ポリイミドフィルム(1000m巻き)を得た。実際に得られたポリイミドフィルムの厚みは36μmだった。
基材として無機基板ないし薄膜形成後の無機基板を用い以下の手法にてシランカップリング剤層を形成した。
<塗布例1(スピンコート法)>
シランカップリング剤として3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン(東京化成工業社製、以下SM2)を1質量%含むようにイソプロパノールで希釈したシランカップリング剤希釈液を調製した。無機基板をピンコーター(ジャパンクリエイト社製、MSC−500S)に設置して、回転数を2000rpmまで上げて10秒間回転させ、シランカップリング剤希釈液を塗布した。次に、110℃に加熱したホットプレートに、シランカップリング剤が塗布された無機基板G1をシランカップリング剤塗布面が上になるように載せ、約1分間加熱して、シランカップリング剤塗布基板を得た。
<塗布例2(気相塗布法)>
シランカップリング剤SM2、100質量部を、チャンバーに接続した吸引瓶に満たし40℃の水浴上に静置した。吸引瓶の上方からは計装エアーを導入できる状態にして密閉することで、チャンバー内にシランカップリング剤の蒸気を導入できる状態にした。次いで、チャンバー内に無機基板をUV照射面を上にして水平に保持し、チャンバーを閉じた。次いで計装エアーを25L/minで導入し、チャンバー内をシランカップリング剤蒸気で満たした状態で3分間保持して無機基板をシランカップリング剤蒸気へ暴露し、シランカップリング剤塗布基板を得た。
塗布例1に従ってシランカップリング剤塗布基板を作製し、シランカップリング剤塗布基板を得た。次いで、カップリング剤処理面と、製造例にて得られたポリイミドフィルムを貼り合わせ、MCK社製ラミネーターを用いてラミネートを行い、積層体を得た。次いで、200℃1時間空気雰囲気化での熱処理を行い、本発明の積層体A1を得た。次いで、A1に対しさらに500℃1時間窒素雰囲気化での熱処理を行った積層体B1を得た。B1の気泡数を確認し、A1とB1について剥離強度を測定した。評価結果を表1に示す。
シランカップリング剤をSM2と(3−アミノプロピル)ジメチルメトキシシラン(Oakwood社製、以下SM1)をそれぞれ0.5質量%含むようにイソプロパノールで希釈したシランカップリング剤希釈液に変更した以外は全く実施例1と同様にして積層体A2、B2を得た。評価結果を表1に示す。
実施例2の混合溶液の比率を3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製、以下SE3、0.5質量%)、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン(東京化成工業社製、以下SE2、0.5質量%)とした以外は全く実施例1と同様にして積層体A3、B3を得た。評価結果を表1に示す。
実施例2の混合溶液の比率をSE3(0.5質量%)と(3−アミノプロピル)ジメチルエトキシシラン(和光純薬工業社製、以下SE1、0.5質量%)の混合溶液とした以外は全く実施例1と同様にして積層体A4、B4を得た。評価結果を表1に示す。
実施例2の混合溶液の比率をSE2(0.5質量%)、SE1(0.5質量%)とした以外は全く実施例1と同様にして積層体A5、B5を得た。評価結果を表1に示す。
実施例2の混合溶液の比率をSM2(0.2質量%)、SM1(0.8質量%)とした以外は全く実施例1と同様にして積層体A6、B6を得た。評価結果を表1に示す。
実施例2の混合溶液の比率を3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、以下SM3、0.2質量%)、SM1(0.8質量%)とした以外は全く実施例1と同様にして積層体A7、B7を得た。評価結果を表1に示す。
実施例2の混合溶液の比率をSM3(0.2質量%)、SE2(0.8質量%)とした以外は全く実施例1と同様にして積層体A8、B8を得た。評価結果を表1に示す。
実施例2の混合溶液の比率をSM3(0.2質量%)、SE1(0.8質量%)とした以外は全く実施例1と同様にして積層体A9、B9を得た。評価結果を表1に示す。
実施例2の混合溶液の比率をSM2(0.2質量%)、SE3(0.8質量%)とした以外は全く実施例1と同様にして積層体A10、B10を得た。評価結果を表1に示す。
塗布例2に従ってシランカップリング剤塗布基板を作製した以外は全く実施例1と同様にして積層体A11、B11を得た。評価結果を表2に示す。
シランカップリング剤SM2、100質量部とSM1、100質量部を、それぞれ2方向からチャンバーに接続した別の吸引瓶に満たし40℃の水浴上に静置した以外は全く塗布例2と同様にしてシランカップリング剤塗布基板を作製し、全く実施例2と同様にして積層体A11、B11を得た。評価結果を表2に示す。
用いるシランカップリング剤をSE3とSE2に変更した以外は全く実施例12と同様にしてシランカップリング剤塗布基板を作製し、全く実施例3と同様にして積層体A13、B13を得た。評価結果を表2に示す。
実施例1において使用したシランカップリング剤をSM3(1.0質量%)のみに変更した以外は、全く実施例1と同様にして高分子フィルム積層体C1を得た。評価結果を表3に示す。
実施例1において使用したシランカップリング剤をSE3(1.0質量%)のみに変更した以外は、全く実施例1と同様にして高分子フィルム積層体C2を得た。評価結果を表3に示す。
シランカップリング剤塗布基板の作製方法を気層塗布法に変更した以外は、全く比較例1と同様にして、高分子フィルム積層体C3を得た。評価結果を表3に示す。
特に、無機基板の一面と、高分子フィルムとが、特定の構造を有するシランカップリング剤を含むシランカップリング剤層で接着されていることにより、LTPS(低温ポリシリコン)のような500℃近い高温での熱処理が必要な電子デバイスを作製する場合でも、電子デバイス付き高分子フィルムを無機基板から容易に剥離できる特徴を有するため、高性能なフレキシブルディスプレイや各種センサーの作製に有効である。
Claims (9)
- 無機基板と高分子フィルムがシランカップリング剤層を介して接着されてなる積層体において、該シランカップリング剤層は少なくとも化学式1に示すシランカップリング剤を含むことを特徴とする積層体。
(式中、Aは置換基を有していても良い1価の有機基を示す。R1、R2は炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、それらの置換体から選択される少なくとも1種の置換基を示す。nは1または2の整数を示す。) - 前記化学式1のAがアミノ基を有する有機基であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 該積層体を200℃にて1時間熱処理した際の無機基板と高分子フィルムの90度剥離強度が0.05N/cm以上、20.0N/cmであり、該積層体を500℃1時間熱処理した際の無機基板と高分子フィルムの90度剥離強度が0.01N/cm以上、0.50N/cm以下であることを特徴とする請求項1〜2に記載の積層体。
- 前記無機基板が、ガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属板から選ばれた一種であることを特徴とする請求項1〜3に記載の積層体。
- 前記高分子フィルムとして厚さが1〜100μmのポリイミドフィルムを用いることを特徴とする請求項1〜4に記載の積層体。
- 前記高分子フィルムが、芳香族テトラカルボン酸類とベンゾオキサゾール構造(骨格)を有する芳香族ジアミン類との反応によって得られるポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1〜5に記載の積層体。
- 無機基板の少なくとも片方の面に請求項1に示すシランカップリング剤層を含む層を形成する工程、
前記シランカップリング剤を含む層に高分子フィルムを積層し、加圧することにより仮積層体を形成する工程、
前記仮積層体を加熱する工程、
を含む事を特徴とする積層体の製造方法。 - 前記項分子フィルムの少なくとも片方の面に請求項1に示すシランカップリング剤層を含む層を形成する工程、
前記シランカップリング剤を含む層に無機基板を積層し、加圧することにより仮積層体を形成する工程、
前記仮積層体を加熱する工程、
を含む事を特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項7または8に示す積層体の高分子フィルム面上に電子デバイスを形成する工程、
前記高分子フィルム層に切り込みを入れ、高分子フィルム層の少なくとも一部を電子デバイスごと無機基板から剥離する工程
とを備えることを特徴とするフレキシブル電子デバイスの製造方法。
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