JP2019119067A - インクジェット記録装置およびその制御方法 - Google Patents

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匡和 長島
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Abstract

【課題】 空吸引を適切な時間行うことができる。【解決手段】 インクを吐出する複数の吐出口が設けられた吐出口面を有する記録ヘッドと、吐出口面を被覆するためのキャップと、キャップ内に配された吸収体と、キャップと接続されインクを吸引するための吸引手段と、を備え、キャップが大気と連通した状態で、吸引手段によって吸収体に吸収されたインクを吸引する空吸引動作を行うインクジェット記録装置であって、キャップと吸引手段の間に圧力測定手段を備え、空吸引動作の際に圧力測定手段によって測定される圧力値に基づいて、空吸引動作の吸引時間を制御する。【選択図】 図6

Description

本発明は、インクタンクと記録ヘッドがインク供給路で接続されるインクジェット記録装置およびその判断方法に関する。
特許文献1には、記録ヘッドの吐出口面を被覆可能なキャップと、キャップ内を負圧にするポンプを備えるインクジェット記録装置が開示されている。またキャップ内には、多孔質材料やスポンジ材料などで形成された、インクを吸収するための吸収部材が設けられている。インクジェット記録装置は、記録ヘッドの吐出口の目詰まりなどを抑制するために、画像データの記録とは別にインクの吐出を行う予備吐出動作を行う。予備吐出動作によって吐出されるインクはキャップで受けられ、キャップ内の吸収部材に吸収される。吸収部材はインクを吸収した状態で長時間経過するとインクの色材が堆積してしまうことがあるため、キャップを大気と連通した状態でポンプによって吸引排出する、いわゆる空吸引を行う必要がある。特許文献1では、予備吐出回数が閾値を超えたら空吸引を行うことで、吸収部材におけるインクの堆積を抑制している。
特開2009−72970号公報
しかしながら特許文献1の構成では、インクジェット記録装置の設置環境に依らず一定時間の空吸引を行うため、設置環境によっては必要以上に長い時間空吸引を行うことでスループットが低下することがあった。
上記課題に鑑みて本発明は、空吸引を適切な時間行うことができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、インクを吐出する複数の吐出口が設けられた吐出口面を有する記録ヘッドと、前記吐出口面を被覆するためのキャップと、前記キャップ内に配された吸収体と、前記キャップと接続されインクを吸引するための吸引手段と、を備え、前記キャップが大気と連通した状態で、前記吸引手段によって前記吸収体に吸収されたインクを吸引する空吸引動作を行うインクジェット記録装置であって、前記キャップと前記吸引手段の間に圧力測定手段を備え、前記空吸引動作の際に前記圧力測定手段によって測定される圧力値に基づいて、前記空吸引動作の吸引時間を制御することを特徴とする。
本発明によれば、空吸引を適切な時間行うことができるインクジェット記録装置を提供される。
第1実施形態に係るインクジェット記録装置を示す斜視図である。 第1実施形態に係るインクジェット記録装置の一色分のインク流路を示す概念図である。 第1実施形態に係るインクジェット記録装置のブロック図である。 インクジェット記録装置の空吸引動作時の圧力変化を示すグラフである。 インクジェット記録装置の空吸引動作時の圧力変化を示すグラフである。 第1実施形態に係るインクジェット記録装置の空吸引動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るインクジェット記録装置の空吸引動作における圧力変化を示すグラフである。 インクジェット記録装置の空吸引動作時の圧力変化を示すグラフである。 インクジェット記録装置の排出動作による圧力変化を示すグラフである。 第2実施形態に係るインクジェット記録装置の排出動作を示すフローチャートである。 第2実施形態に係るインクジェット記録装置の排出動作による圧力変化を示すグラフである。 第3実施形態に係るインクジェット記録装置のリカバリー動作を示すフローチャートである。 第3実施形態に係るインクジェット記録装置の電源ON時の排出動作を示すフローチャートである。 第3実施形態に係るインクジェット記録装置の2つの閾値を設ける場合のフローチャートである。 第3実施形態に係るインクジェット記録装置の圧力値を補正する場合のフローチャートである。
本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態について説明する。ただし、実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。本明細書においては、間欠的に搬送される記録媒体に対しインクを吐出するヘッドを、記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動させて記録を行う、シリアル型のインクジェット記録装置を例に説明する。しかしながら、本発明はシリアル型のインクジェット記録装置に限らず、長尺プリントヘッドを用いて連続的にプリントを行うライン型のインクジェット記録装置にも適用することができる。本明細書において「インク」とは、記録液などの液体の総称として用いる。さらに本明細書において「記録」とは、平面的なものに対する記録に限らず、立体物に対する記録も含む。本明細書において「記録媒体」とは、液体を吐出されるものであって、紙、布、プラスチックフィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等の記録媒体の総称として用いる。さらに、記録媒体はロール状の連続紙に限らずカット紙も含む。なお、インクジェット記録装置はPCプリンタのみならず、コピー機能、ファクシミリ機能等を有するマルチファンクションプリンタにも適用することができる。
〔第1実施形態〕
図1は、インクジェット記録装置(以下、記録装置)50の内部構造を示す概略斜視図である。記録装置50は、対向して設けられた2つの脚部55の上部に対して支持固定されている。記録装置50内部には、ベルト伝達手段62によってX方向に往復移動するキャリッジ60が設けられている。キャリッジ60は、記録媒体に対してインクを吐出して画像を記録する記録動作を行う記録ヘッド1を搭載している。記録ヘッド1は、ホストコンピュータ等から送られてきた記録データに基づいて各吐出口からインク滴を吐出して、記録媒体に対して画像を記録する。
記録装置50の前面には、記録媒体を保持するロールホルダユニット52が設けられている。本実施形態の記録媒体はロール状の連続紙である。記録媒体は記録ヘッド1による記録動作が行われる記録位置まで、ロールホルダユニット52から記録装置50内部へ給送される。画像が記録された記録媒体は、X方向と交差するY方向に搬送される。本実施形態においては、X方向とY方向は直交する。記録ヘッド1の記録動作によって1バンド分の画像が記録されると、記録媒体は搬送ローラ51の回転によって所定の搬送量だけY方向に搬送される(間欠搬送動作)。この1バンド分の記録動作と間欠搬送動作を繰り返すことによって、記録媒体の全体に画像が記録される。記録媒体への記録が完了したら、不図示のカッタによって記録媒体が切断され、切断された記録媒体は記録装置50の前面に設けられたスタッカ53に積載される。
記録装置50の前面側にはさらに、インク供給ユニット63が備えられている。インク供給ユニット63は、ブラック、シアン(第1のインク)、マゼンタ(第2のインク)、イエローなどの色毎にインクを収容するインクタンク5を有し、各インクタンク5は記録装置50に対して着脱可能に設けられている。インクタンク5には可撓性部材等で構成された供給チューブ(インク供給路)2が接続され、供給チューブ2によってインクタンク5と記録ヘッド1とが接続されている。記録ヘッド1の記録媒体と対向する面は複数の吐出口が設けられた吐出口面20であり、吐出口面20はY方向に沿って複数の吐出口が設けられた吐出口列を色毎に備える。インクの色毎に備えられた複数の供給チューブ2は各吐出口列と接続され、チューブガイド61によって束ねられている。
本実施形態の記録ヘッド1は、熱エネルギを利用してインクを吐出するインクジェット方式の記録ヘッドであり、熱エネルギを発生するための電気熱変換体を複数備えている。すなわち記録ヘッド1は、電気熱変換体に印加されるパルス信号によって熱エネルギを発生させ、この熱エネルギによって不図示のインク発泡室においてインクの膜沸騰を起こし、膜沸騰の発泡圧力を利用して吐出口よりインクを吐出する。なお、インクの吐出方法はこれに限らず、圧電素子による方法であってもよい。
回復ユニット70は、X方向においてキャリッジ60の走査範囲内であって、記録媒体の搬送領域外に設けられている。回復ユニット70は、必要に応じて吐出口面20に設けられた複数の吐出口からインクや空気を吸引してクリーニング動作を行ったり、インクタンク5から記録ヘッド1へインクを供給するための吸引動作を行ったりする。
記録装置50の前面側でインク供給ユニット63の上方には操作パネル(報知手段)54が設けられている。ユーザが操作パネル54を操作することで、記録装置50に対する指令が入力される。操作パネル54は、例えばインクタンク5の交換が必要な際にユーザに対して警告を発する表示パネルの機能を備えた、タッチパネル形式等も含む。
図2は、インクタンク5から記録ヘッド1までの一色分のインク流路を示す概念図である。インクタンク5の鉛直下方には大気連通室6が設けられ、大気連通室6には鉛直上方へ延在する第1中空管9が備えられている。また、インクタンク5は底部に第1ジョイント部90と第2ジョイント部80を有する。第1ジョイント部90に対して第1中空管9が挿入されることで、インクタンク5と大気連通室6が接続される。大気連通室6は外部の大気と連通する大気連通路7を有するため、大気連通路7を介してインクタンク5と大気が連通している。
インクタンク5の第2ジョイント部80には、供給チューブ2と接続され鉛直上方へ延びる第2中空管8が挿入され、これにより供給チューブ2を介してインクタンク5と記録ヘッド1が接続される。供給チューブ2にはさらに、供給チューブ2を開放する開状態と閉塞する閉状態とに切替可能な開閉弁3が設けられ、開閉弁3は駆動源である開閉弁モータ35によって駆動される。
記録ヘッド1は、底部に複数の吐出口が設けられた吐出口面20を有し、内部にインクに混ざった不純物を捕捉するためのフィルタ21を有する。吐出口面20は、大気と連通している第1中空管9の下端部よりも鉛直方向において上方に配される。これにより、インクタンク5から記録ヘッド1までインクが満たされると、各吐出口において負圧が保たれてメニスカスが維持される。記録動作の際は、各吐出口からインクが吐出されることで記録ヘッド1内のインクが消費されると、随時インクタンク5から各吐出口へと供給チューブ2を介してインクが供給される。このようなインクの供給方法は水頭差方式とも呼ばれている。なお本実施形態では、吐出口面20と第1中空管9の下端部の高低差、いわゆる水頭差Hは約80mmである。
次に回復ユニット70の構成について説明する。回復ユニット70は、吐出口面20を密閉可能なキャップ22と、キャップ22と接続される吸引ポンプ(吸引手段)23を有する。キャップ22は、吐出口面20を密閉する被覆状態と露出させる露出状態とに切替可能である。吐出口面20には複数のインク色に対応する複数の吐出口列が配されており、それらを共通のキャップ22によって被覆する。キャップ22内には多孔質材料やスポンジ材料などで形成されたキャップ内吸収体(以下、吸収体)29が備えられ、吸引ポンプ23は吸収体29を介してキャップ22内を負圧にする。吸収体29を設けることで、吸引ポンプ23による吸引の際にキャップ22内を均一に減圧することが可能である。吸引ポンプ23はチューブポンプであり、平均流量はチューブポンプの回転速度に比例する。本実施形態では、吸引ポンプ23の流量がほぼ一定となるように、吸引ポンプモータ28により制御される。
キャップ22にはさらに大気開放弁30が設けられ、大気開放弁30はキャップ22と大気との連通・非連通状態を切り替える。大気開放弁30が開状態のときキャップ22と大気は連通し、大気開放弁30が閉状態のときキャップ22と大気は連通しない。大気開放弁30の開閉は大気弁モータ31により行われる。本実施形態ではさらに、キャップ22と吸引ポンプ23の間に圧力センサ(圧力測定手段)25が配される。圧力センサ25は気体や液体の圧力を電気信号に変換して出力するもので、例えば、ひずみを計測するひずみゲージ式や静電容量の変化を計測する静電容量式がある。
記録ヘッド1の回復動作の1つとして、吐出口の目詰まりによるインクの吐出不良を抑制するための予備吐出動作を行う場合は、記録ヘッド1から吸収体29に対してインクが吐出される。予備吐出動作によってキャップ22で受けたインクは、吸引ポンプ23によって吸引排出されてメンテナンスカートリッジ24に収容される。後述するCPU11(図3参照)がメンテナンスカートリッジ24で回収されたインク量を算出し、算出したインク量が閾値に到達すると、メンテナンスカートリッジ24を新品と交換するようにユーザに知らせる。なお、メンテナンスカートリッジ24で回収したインク量は、CPU11がメンテナンスカートリッジ24に流入したインク量を推定して、容量メモリ26に逐次加算していくことで算出される。
図3は、記録装置50の内部構成を示すブロック図である。CPU(制御手段、判定手段)11は記録装置50全体を制御するための演算処理装置である。本実施形態では、CPU11はタイマ回路とも接続され、経過時間の計測が可能であり、計測手段としての機能も有する。RAM14は制御ソフトウエアを動作させる際に一時的に使用する情報を保持可能な記憶装置である。ROM13は制御ソフトウエアを内蔵し、読み出しのみ可能な記憶装置である。ユーザインターフェース(I/F)12は、ユーザが操作するキーや情報を表示する操作パネル54を含み、記録装置50とホストコンピュータを接続するデータ送受信用通信ポートとして動作する。入出力I/O15は、記録ヘッド1にインクを吐出させるヘッド吐出駆動部27、吸引ポンプモータ28、大気弁モータ31、開閉弁モータ35、圧力センサ25、容量メモリ26の入出力を制御する。
本実施形態において予備吐出動作は、記録動作の開始前と記録動作中に行われる。記録動作の開始前は0.01g程度のインクが記録ヘッド1から吸収体29に吐出される。記録中は、キャリッジ60が5往復するごとに0.01g程度のインクが記録ヘッド1から吸収体29に吐出される。そのため、1ページの印刷において0.02g〜0.1g程度の微量なインクが吸収体29に吸収される。
予備吐出動作で受けたインクが吸収体29の表面や内部で堆積するのを抑制するため、キャップ22を露出状態にして吸引ポンプ23を駆動し、吸収体29のインクを吸引する空吸引動作が適宜行われる。一般的には、1つのジョブに含まれる画像データの記録動作終了後に、記録ヘッド1の回復動作の一環として空吸引動作も行われる。なお空吸引動作は、大気開放弁30を開放してキャップ22と大気が連通する状態において吸引ポンプ23を駆動する形態であってもよい。
記録装置50が受けたジョブが記録媒体1ページ分の画像データを有する場合は、1ページの記録動作終了に応じて回復動作としての空吸引動作が行われるため、吸収体29によって保持されるインク量は比較的少ない。一方、記録装置50が受けたジョブが複数ページ分の画像データを有する場合は、CPU11が予備吐出動作の吐出回数をカウントし、吐出回数が閾値を超えたら記録動作の途中であっても空吸引動作が行われる。この場合、閾値に達するまで吸収体29でインクを受けているため、1ページの記録動作毎に空吸引動作を行う場合と比較して吸収体29によって保持されるインク量は多い。
本実施形態では、空吸引動作の際に圧力センサ25を用いて圧力値(負圧値)を測定する。図4は、空吸引動作の際に圧力センサ25によって測定される圧力値を示す。縦軸は負圧値(圧力の絶対値)を示し、横軸は吸引ポンプ23によって吸引する吸引時間(経過時間)を示す。データ1は吸収体29内のインク量が多い場合の圧力値を示し、例えば予備吐出回数が閾値になるまで吸収体29でインクを保持した場合が該当する。データ2は吸収体29内のインク量が少ない場合の圧力値を示し、例えば1ページの記録動作が終了するたびに空吸引動作を伴う回復動作を行う場合が該当する。
期間Aにおけるデータ1は、吸収体29に吸収されたインクが吸引ポンプ23によって排出されているときの圧力値を示す。吸収体29に吸収されているインク量が多いほど、吸引によって吸収体29内部を移動するインクの流れ抵抗が大きくなり、負圧値が大きくなる。その後、所定の最大負圧値を超えると、吸引によって吸収体29に含まれるインク量が減少するにしたがって負圧値は小さくなる。
期間Bにおけるデータ1は、吸収体29に吸収されたインクのうち吸引ポンプ23によって吸引可能な量のインクが排出されたことで、負圧値がほぼ一定となっている。吸収体29内の微細流路による抵抗が生じるため、インクの吸引は終えても圧力センサ25によって所定の負圧値が測定される。
期間Cにおけるデータ2は、吸収体29に吸収されたインクが吸引ポンプ23によって排出されているときの圧力値を示し、データ1よりも吸収体29に吸収されているインク量が少ないため、最大負圧値は小さくなっている。また、吸収体29に吸収されているインク量が少ないため、吸引ポンプ23によって吸引可能な量のインクを排出するためにかかる時間も期間Aより短い。
期間Dにおけるデータ2は、期間Bにおけるデータ1と同様、吸引可能なインクの吸引が終わり、圧力センサ25によって測定される負圧値が一定となっている。また、期間Dにおいて測定される負圧値は、期間Bにおいて測定される負圧値とほぼ等しく、吸収体29に吸収されたインク量に関わらず吸引が完了すると一定の負圧値となる。すなわち、吸収体29内の微細流路による流抵抗による負圧値になる。
従来、前述した空吸引動作の実行時間は、記録装置50の設置環境やインク特性によるバラつきを考慮した長めの時間が設定されていた。そのため、吸収体29に吸収されたインクの排出が終わった後も空吸引動作が続き、スループットが低下してしまうことがあった。これに対して本実施形態では、圧力センサ25で測定した圧力値に基づいて空吸引動作の実行時間を変更する。
空吸引動作を行うと、圧力センサ25によって図4に示すような圧力変化が測定される。すなわち、吸収体29内の吸引可能なインクの吸引が完了するとほぼ一定の圧力値が測定されるため、単位時間あたりの圧力変化量は所定範囲内の微小なものとなる。そこで図5に示すように、圧力値の所定値P1を実験データに基づいて定めて、圧力センサ25によって測定される圧力値が所定値P1を下回ったら圧力変化量の判定を開始する。
具体的には、圧力センサ25によって測定された単位時間あたりの圧力変化量と、予め定められた単位時間あたりの圧力変化量の閾値P2とを、CPU11が比較判定する。測定された単位時間あたりの圧力変化量が閾値P2以下であれば、吸収体29内のインクの吸引が完了したと判断でき、CPU11は空吸引動作を停止する。
図6に示すフローチャートに沿って、空吸引動作を実行して停止するまでの空吸引動作シーケンスについて説明する。まず、ステップS101にてCPU11が吸引ポンプモータ28を駆動して吸引ポンプ23による空吸引を開始する。ステップS102にて、CPU11は圧力センサ25によって測定された圧力値を取得する。ステップS103にて、CPU11は圧力センサ25で測定した圧力値が所定値P1を下回ったか判定する。
ステップS103にて圧力値が所定値P1を下回っていない場合は、ステップS104にてCPU11は空吸引を継続する。一方、圧力値が所定値P1を下回った場合は、ステップS105にてCPU11は圧力センサ25で測定された圧力値を取得する。ステップS106にてCPU11は、取得された単位時間あたりの圧力変化量を閾値P2と比較判定する。
ステップS106にて、単位時間あたりの圧力変化量が閾値P2より大きい場合は吸収体29内のインクの吸引が完了していないため、ステップS107に進み空吸引を継続する。一方、ステップS106にて、単位時間あたりの圧力変化量が閾値P2以下になった場合は、吸収体29内のインクの吸引が完了したと判断される。従って、ステップS108にてCPU11は、吸引ポンプモータ28を停止して吸引ポンプ23による空吸引を停止する。
図7を用いて本実施形態の効果を説明する。図7は、吸収体29内のインク含有量が少ないデータ3と、吸収体29内のインク含有量が多いデータ4についての、空吸引動作時の圧力変化を示すグラフである。縦軸は負圧値の絶対値を示し、横軸は吸引時間(経過時間)を示す。従来のように、空吸引動作の吸引時間を一律に定めた場合は、時間Tが経過するまで空吸引動作が行われていた。
本実施形態では、圧力値が所定値P1を下回ると、単位時間あたりの圧力変化量を閾値P2と適宜比較判定し、測定された圧力変化量が閾値P2以下になったら吸引を停止する。すなわち、図7のグラフに示す傾きが小さくなったら吸引を停止する。そのため、データ3の場合は時間Taの経過後に吸引が停止され、データ4の場合は時間Tbの経過後に吸引が停止される。これにより、従来の時間Tと比較して空吸引動作の吸引時間を低減することができる。
上述したように、圧力センサ25で測定された圧力値を用いて空吸引動作の吸引時間を変更することで、記録装置50の設置環境やインクの特性に応じて適切な吸引時間で実行可能であり、吸引時間を短縮することができる。
〔第2実施形態〕
記録動作や予備吐出動作によって吐出されたインクの種類によっては、水分の蒸発によって堆積することがある。特に吸収体29に吐出されたインクは、キャップ22が吐出口面20から離間した露出状態で長時間放置された場合、水分の蒸発が進んで吸収体29の内部や表面で堆積することがある。
図8は、図4と同様、空吸引動作の際に圧力センサ25によって測定される圧力値を示す。縦軸は負圧値を示し、横軸は吸引ポンプ23による吸引時間(経過時間)を示す。図4と同様、データ1は吸収体29内のインク量が多い場合の圧力値を示し、データ2は吸収体29内のインク量が少ない場合の圧力値を示す。データ1’は、データ1の状態から吸収体29に保持されているインクが堆積した場合の圧力値を示す。またデータ2’は、データ2の状態から吸収体29に保持されているインクが堆積した場合の圧力値を示す。
吸収体29の内部や表面でインクが堆積すると、吸収体29内部の微小空間の一部が塞がれることによってインクが通過可能な空間が狭くなり、吸引ポンプ23による吸引によって生じるインクの流れ抵抗は大きくなる。また、吸収体29内部の空間が狭くなることで、吸引によってインクのメニスカスを破壊するために必要な圧力も増える。これらのことから、吸収体29の内部や表面でインクが堆積すると、インクが堆積していない場合と比較して、圧力センサ25によって測定される負圧値が全体的に大きくなる。
なお、この現象は吸収体29に吸収されるインク量に関わらず発生する。そのため、データ1’における負圧値はデータ1における負圧値より大きくなる。すなわち、吸収体29内の吸引可能なインクの吸引が完了した期間Bにおいても、データ1よりデータ1’の方が大きい負圧値が測定される。同様に、データ2’における負圧値はデータ2における負圧値より大きくなる。また、吸収体29内の吸引可能なインクの吸引が完了して負圧値が安定する期間Dにおいても、データ2よりデータ2’の方が大きい負圧値が測定される。このことから、期間Bや期間Dにおいて測定される圧力値によって、吸収体29内のインクの堆積量を推定することができる。なお、図8においてはデータ1’の期間Bにおける負圧値とデータ2’の期間Dにおける負圧値はほぼ等しいことから、吸収体29におけるインクの堆積量もほぼ等しいことが分かる。
吸収体29等でインクが堆積すると、吸引ポンプ23によって吸収体29内のインクを吸引しきれなくなることがあるため、堆積したインクを溶解して排出するための排出動作を行うことがある。具体的には、キャップ22を被覆状態にして吐出口面20と当接した状態で、記録ヘッド1からインクを吐出させる。このとき、吸収体29をインクで十分に湿らせることができるように、吸収体29の体積に合わせて吐出量を調節する。本実施形態では1g程度のインクを吸収体29に対して吐出させる。このように記録ヘッド1からインクを吐出させることで、吸収体29内で堆積したインクを溶解することができる。その後、大気開放弁30を開放して、吸引ポンプ23によりインクを吸引する空吸引動作を行うことで、溶解されたインクが排出される。この一連の動作を排出動作と称する。
インクの乾燥速度や堆積速度は、記録装置50の設置環境やインクの特性に応じて変化することから、従来はそのバラつきを考慮して上述した排出動作を行う頻度を高めに設定していた。そのため、場合によっては、インクの堆積が進行していないにもかかわらず排出動作が行われることによって、余分にインクを排出してしまうことがあった。
図9は、従来のように一律の頻度で排出動作を行う場合の圧力値の推移を示す。縦軸は、図4や図8における期間B及び期間Dのように、吸収体29内のインクを吸引しきって安定した状態の負圧値の推移を示し、横軸は経過日数を示す。グラフ1は、低湿度環境などのインクの乾燥速度が速い場合の負圧値の推移である。グラフ2は、通常のオフィス環境などの、グラフ1よりインクの乾燥速度が遅い場合の負圧値の推移である。
吸収体29内のインクを吸引完了した際の負圧値が閾値P3に達すると、インクの堆積が所定量に到達して排出動作が必要であることを示す。なお、閾値P3は排出動作によって堆積したインクを排出可能な負圧値を実験データ等に基づいて定められる。図9において従来のように一律に定められた排出動作の頻度をX1とした場合、グラフ1の場合はX1の期間が経過すると負圧値が閾値P3に到達して排出動作が必要な状態となる。一方、グラフ2の場合はX1の期間が経過しても負圧値は閾値P3に満たないため、必ずしも排出動作を行う必要はない。そのため、グラフ2の場合においては排出動作が行われる頻度が過剰であり、インクが余分に排出されることとなる。
これに対して本実施形態では、吸収体29内のインクを吸引完了した際の負圧値を圧力センサ25で測定し、閾値P3と比較判定する。測定された負圧値が閾値P3に達したときに排出動作が実行されるように制御を行う。
図10は、圧力センサ25を用いた排出動作に関するフローチャートを示す。図10(a)は空吸引動作後のシーケンスを示し、図10(b)は排出動作の具体的なシーケンスを示す。まずステップS201にて、CPU11は図6に示す空吸引動作を実施する。その後ステップS202にて、CPU11は空吸引動作の際に測定した、インク吸引完了後の安定した負圧値を取得する。
ステップS203にてCPU11は、ステップS202で取得した測定圧力値が閾値P3より小さいか判定する。測定圧力値が閾値P3より小さい場合は、まだ排出動作を実行する必要がないため終了する。一方、測定圧力値が閾値P3より大きい場合は、ステップS204にてCPU11が排出動作を実行する。
図10(b)に示す排出動作に関するフローチャートでは、まずステップS205にてCPU11は、キャップ22が記録ヘッド1の吐出口面20に密着するようにキャップ22を被覆状態にする。その後、ステップS206にてCPU11は記録ヘッド1に予備吐出動作を実行させる。本実施形態では1.0g程度のインクを記録ヘッド1に吐出させることで、吸収体29で堆積したインクを溶解する。ステップS207にてCPU11は大気弁モータ31を駆動して、大気開放弁30を開放してキャップ22内を大気と連通させる。その後、ステップS208にてCPU11は再び図6に示す空吸引動作を実行する。
図11は、本実施形態を採用した頻度で排出動作を行った場合の圧力値の推移を示すグラフである。縦軸は、図9と同様、吸収体29内のインクを吸引しきって安定した状態の負圧値の推移を示し、横軸は経過日数を示す。グラフ3は、図9におけるグラフ1と同様、低湿度環境などのインクの乾燥速度が速い場合の負圧値の推移である。グラフ4は、図9におけるグラフ2と同様、通常のオフィス環境などの、グラフ3よりインクの乾燥速度が遅い場合の負圧値の推移である。
グラフ4は、グラフ3と比べてインクの乾燥速度が遅く、インクの堆積も進まない。そのため、負圧値が閾値P3に達するまでの時間も長くなり、グラフ3のX1の期間より長いX2の期間が経過すると初めて排出動作が実行される。これにより、図9に示すX1の期間経過毎に排出動作が実行される場合と比較して、排出動作が実行される頻度が低減されて、廃インク量も低減される。
以上説明したように、圧力センサ25で測定された圧力値に基づいて吸収体29で堆積したインクの排出動作を実行することによって、適切なタイミングで排出動作を実行することができ、インクが余分に排出されることを抑制することができる。
なお、複数のインク色に対応した吐出口列を単一のキャップ22でキャッピングする構成について説明したが、これに限らず、複数のキャップを用いて空吸引動作や排出動作を行う形態であってもよい。複数のキャップを用いる場合は、共通の吸引ポンプ23で吸引可能な構成にし、各キャップ22と吸引ポンプ23の間に圧力センサ25を各々配置する構成でも良い。その場合、負圧値が閾値P3を超えた吸収体29を有するキャップ22のみに排出動作を実行させることで、より廃インク量を低減することが可能である。
〔第3実施形態〕
本実施形態では、より適切な制御を行うことで吸収体29におけるインクの堆積を排出可能な動作に関して説明する。本実施形態では、排出動作を複数回行わせる方法と、電源ON時に圧力値に基づいて排出動作を行わせる方法と、2段階の閾値を設定して排出動作の頻度を低減する方法と、初期充填動作時に取得した圧力値に基づいて閾値を決定する方法と、を説明する。
(リカバリー動作)
通常は、第2実施形態で記載した排出動作によって吸収体29に堆積したインクはほぼ完全に排出されるため、排出動作後の空吸引動作時の負圧値は、インクが堆積していない吸収体29の流れ抵抗による負圧値と同等になる。しかしながら、キャップ22が長期間露出状態で放置された場合は、吸収体29内で想定以上にインクの堆積が進行し、一度の排出動作では堆積したインクを排出しきれない場合がある
そこで本実施形態では、1回目の排出動作後に行う空吸引動作時の負圧値を測定し、予め設定した閾値P4と比較することで、吸収体29で堆積したインクが十分に排出されたか判定する。排出が不十分であった場合は、2回目以降の排出動作を実行するリカバリー動作を行うことで、より確実に堆積したインクを除去できる。
図12に上記のリカバリー動作のシーケンスを示す。まずステップS301にてCPU11は、第2実施形態と同様、図6に示す空吸引動作を実施する。その後ステップS302にて、CPU11は空吸引動作の際に測定したインク吸引完了後の安定した負圧値を取得する。ステップS303にてCPU11は、ステップS302で取得した測定圧力値が閾値P3より小さいか判定する。
判定の結果、測定圧力値が閾値P3より小さければ、まだ排出動作を実行する必要がないためCPU11はシーケンスを終了する。一方、測定圧力値が閾値P3をより大きい場合、ステップS304にてCPU11はカウントを1つ更新し、ステップS305にて図10(b)に示す排出動作を実行する。ステップS306にてCPU11は、排出動作で行う空吸引動作の際に測定された負圧値を取得する。
CPU11はステップS307にて、取得した測定圧力値が閾値P4より小さいか判断する。ここで閾値P4は、インクが堆積していない吸収体29をインクが通過する際にかかる流れ抵抗で生じる負圧値に基づいて予め設定しておく。測定圧力値が閾値P4より小さい場合は、排出動作によって吸収体29で堆積したインクは十分に排出されたと判断して、CPU11はシーケンスを終了する。一方、測定圧力値が閾値P4より大きい場合、ステップS308にてCPU11は、カウント回数Nが3回に達したか否かを判定する。CPU11はカウント回数Nを用いて、リカバリー動作によって排出動作を行った回数をカウントしている。
カウント回数Nが3回未満の場合は、ステップS304に戻って再び排出動作を実行する。一方、カウント回数Nが3回に達した場合は、吸収体29にインク以外の異物が混入した等の他の要因が考えられるため、ステップS309にてCPU11は排出動作を行わせずに、操作パネル54にエラーを表示して終了する。
上述したリカバリー動作を実行することで、1回の排出動作では排出が不十分であった場合も、堆積したインクをより確実に吸収体29から排出することができる。また、予備吐出動作を伴う排出動作に限らず、他の回復動作によって記録ヘッド1から吸収体29に吸収させたインクを用いて堆積したインクを溶解して排出してもよい。他の回復動作としては、例えば図2に示す開閉弁3を閉じた状態で吸引ポンプ23を駆動して吸引して負圧をチャージして、開閉弁3を開いて高い負圧で回復を行う弁閉じ吸引動作が挙げられる。この場合、吸引によって吸収体29を通過するインク量は予備吐出動作によって吐出されて吸収するインク量よりも多いため、堆積したインクがより溶解されやすく、一度の排出動作における排出効果は高い。
(電源ON時の排出動作)
記録装置50の本体電源が切られた状態で長期間使用されない場合、キャップ22が記録ヘッド1の吐出口面を被覆する被覆状態であっても、吸収体29に吸収されたインクは乾燥して堆積が進んでいる場合がある。そこで、所定期間記録装置50が放置された後にユーザが記録装置50の電源を入れた場合、圧力センサ25を用いて負圧値を測定することで、吸収体29におけるインクの堆積状態を判断する。
図13に、記録装置50が所定期間使用されなかった場合の、電源ON時の圧力値取得を行うシーケンスを示す。まずステップS401にて、ユーザによって記録装置50の電源が入れられる。続いてステップS402にてCPU11は、前回電源OFFとなってからの経過時間Tが所定期間T1未満か判定する。本実施形態ではT1を20日とする。
経過時間Tが所定期間T1未満であれば、CPU11はシーケンスを終了する。一方、
経過時間Tが所定期間T1以上経過していた場合、ステップS403にてCPU11はキャップ22を記録ヘッド1から離間して露出状態とする。続いてステップS404にてCPU11は、吸引ポンプモータ28を駆動して図6に示す空吸引動作を実施する。
ステップS405でCPU11は、ステップS404の空吸引中に圧力センサ25によって測定された圧力値を取得する。ステップS406にてCPU11は、取得した測定圧力値が閾値P4を超えているか否かを判定する。測定圧力値が閾値P3より小さい場合、CPU11はシーケンスを終了する。一方、測定圧力値が閾値P3を超えていた場合、ステップS407にてCPU11は図10(b)に示す排出動作を実行する。
以上述べたように、記録装置50が所定期間を超えて使用されなかった場合には、電源ON時に圧力センサ25によって圧力値を測定し、測定した圧力値(負圧値)が閾値P3より大きい場合にはインクの堆積が予測されるため排出動作を行う。これにより、記録動作前の記録ヘッド1の回復動作を確実に行うことができる。
(2段階閾値)
インク成分が吸収体29に堆積し始めると、次第に吸引ポンプ23によるインクの排出が不十分な状態となる。すると吸収体29上に残留インクが生じやすくなり、より一層インクの蒸発による堆積が加速される。そこで、まだ堆積が進んでいない状態においては、記録動作の開始前と記録動作中の予備吐出数を通常より多くして吸収体29が湿った状態を維持する。さらに、1ページの記録動作終了ごとに空吸引動作を実施してインクを排出することで、堆積の進行を遅らせることができる。
図14は、閾値P3よりも小さい第2閾値P5を設ける場合のフローチャートを示す。測定された負圧値が第2閾値P5に達したら、予備吐出数を通常より多くし、1ページの記録動作終了ごとに空吸引動作を行う制御に切り替えるシーケンスである。
まずステップS501にて、CPU11はS501にて記録ヘッド1に予備吐出動作を行わせる。通常の予備吐出量は0.01g程度である。次にステップS502にて、CPU11は図6に示す空吸引動作を実施し、ステップS503にて空吸引動作の際に測定された負圧値を取得する。
ステップS504にて、CPU11は測定圧力値を第2閾値P5と比較する。測定圧力値が第2閾値P5よりも小さい場合は終了する。測定圧力値が第2閾値P5より大きい場合は、ステップS505にてCPU11が予備吐出量を変更する。本実施形態では、通常の0.01gから0.03gに変更する。さらに、ステップS506にてCPU11は、記録装置50が複数ページ分のジョブを受信した場合であっても、1ページの記録動作毎に空吸引動作を行う制御に変更する。
以上述べたように、2段階の閾値を設定し、1つ目の閾値との比較判定によって吸収体29が乾燥しにくい制御に変更することで、堆積を抑制し、全体として廃インク量も低減することができる。
(圧力閾値の補正)
上述した実施形態では、比較判定に用いる閾値を実験値から求めた一定値としている。しかしインクが抜け切った状態の圧力値は、吸収体29の目のバラつきや吸引ポンプ23の性能のバラつき等、記録装置50によって差が生じる場合がある。そこで本例では、吸収体29に初めてインクを吸収させて空吸引動作を行った際に得られる初期圧力値Piを取得して、初期圧力値Piに基づいて排出動作によって堆積インクを排出可能な圧力値の閾値を設定する。
まず、ステップS601にて、CPU11は記録ヘッド1へインクを充填するための初期充填動作を行う。このときに吸収体29に初めてインクが吸収される。次に、ステップS602にて、CPU11は図6に示す空吸引動作を実施し、ステップS603にて初期圧力値Piを取得する。ステップS604にて、CPU11は初期圧力値Piに対して圧力上昇率ΔPを乗じて、排出動作によって堆積インクを排出できる閾値Peを算出して記憶する。
これにより、バラつきを考慮した閾値Peの設定が可能となり、より適切なタイミングで排出動作を行うことができる。
1 記録ヘッド
11 CPU(判定手段、制御手段)
20 吐出口面
22 キャップ
23 吸引ポンプ(吸引手段)
25 圧力センサ(圧力測定手段)
29 キャップ内吸収体
50 インクジェット記録装置

Claims (6)

  1. インクを吐出する複数の吐出口が設けられた吐出口面を有する記録ヘッドと、
    前記吐出口面を被覆するためのキャップと、
    前記キャップ内に配された吸収体と、
    前記キャップと接続されインクを吸引するための吸引手段と、を備え、
    前記キャップが大気と連通した状態で、前記吸引手段によって前記吸収体に吸収されたインクを吸引する空吸引動作を行うインクジェット記録装置であって、
    前記キャップと前記吸引手段の間に圧力測定手段を備え、
    前記空吸引動作の際に前記圧力測定手段によって測定される圧力値に基づいて、前記空吸引動作の吸引時間を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記空吸引動作の際に前記圧力測定手段によって測定された圧力値が閾値より大きい場合は、前記吸収体に対して前記記録ヘッドからインクを吐出させて再び前記空吸引動作を行わせる排出動作を行うことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記排出動作における前記空吸引動作の際に前記圧力測定手段によって測定された圧力値が閾値より大きい場合は、再度前記排出動作を行うことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記キャップは、前記吐出口面を被覆する被覆する被覆状態と前記吐出口面を露出する露出状態に切替可能であり、前記空吸引動作の際は前記露出状態であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記キャップは、該キャップが大気と連通する開状態と該キャップが大気と連通しない閉状態とに切替可能な大気開放弁を有し、前記空吸引動作の際は前記大気開放弁が前記開状態であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. インクを吐出する複数の吐出口が設けられた吐出口面を有する記録ヘッドと、前記吐出口面を被覆するためのキャップと、前記キャップ内に配された吸収体と、前記キャップと接続されインクを吸引するための吸引手段と、を備えるインクジェット記録装置の制御方法であって、
    前記キャップが大気と連通した状態で、前記吸引手段によって前記吸収体に吸収されたインクを吸引する空吸引工程と、
    前記空吸引工程において前記キャップと前記吸引手段の間における圧力値に基づいて、前記空吸引工程の吸引時間を制御する制御工程と、を有することを特徴とする制御方法。
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