JP2019118932A - ブリスクの製作方法及び保持治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】線形摩擦接合によるブレードの変形を抑制して、高精度なブリスクを製作することのできるブリスクの製作方法を提供する。【解決手段】ブリスクのブレードを往復動させつつ、ブレードにブリスクのディスクを押圧させることで、ブレードとディスクとを線形摩擦接合する。ブレードには、線形摩擦接合時に保持され、かつ、線形摩擦接合後に切削除去される、被保持部が予め一体的に形成されている。線形摩擦接合時には、ディスクの押圧によってブレードに生じる変形を相殺する外力を被保持部に作用させつつ、ブレードとディスクとを接合する。【選択図】図5

Description

本発明は、ファンディスクに線形摩擦接合によってブレードを接合してブリスクを製作する方法及び保持治具に関する。
下記特許文献1は、ファンディスクに線形摩擦接合(LFW:Linear Friction Welding)によってブレードを接合してブリスクを製作する方法を開示している。接合時には、ファンディスクはブレードに押圧され、その状態でブレードが押圧方向に直角な方向に振動される。この際に接合面に生じる摩擦熱によって、ディスクとブレードとが溶接される。
なお、ファンディスクのブレードの接合位置には、ブレード断面形状を有する凸部であるディスクスタブ(disk stub)が予め形成されている。また、ブレードには、線形摩擦接合時に把持される直方体状のカラー(collar)が予め一体形成されており、このカラーは最終的には機械加工によって(接合部のバリと共に)切削されて除去される。さらに、カラーのファンディスク側には、上述したディスクスタブに対応する、ブレード断面形状を有する凸部であるブレードスタブ(blade stub)が予め形成されている。LFWではディスクスタブの端面とブレードスタブの端面とが摩擦接合される。
特開2012−35325号公報
上記特許文献1にも開示されているように、線形摩擦接合時にはファンディスクをブレードに押圧させた状態でブレードを振動させるので、その際のフォージ(forge)荷重によってブレード、特に、荷重が作用するカラーやブレードスタブにたわみが生じる。このため、上記特許文献1に記載の技術では、線形摩擦接合時のブレードの変形量を予測し、予測された変形を見込んで接合を行っていた。接合後にフォージ荷重がなくなるためカラー等のたわみは解消されるが、その結果、ブレード全体に変形が生じたり、製作されたブリスクに残留応力が生じたりしてしまう。
本発明の目的は、線形摩擦接合によるブレードの変形を抑制することのできると共に、接合後の残留応力を抑制することのできるブリスクの製作方法及び保持治具を提供することにある。なお、ここにいう「製作」には、製造だけでなく補修も含まれる。
本発明のブリスクの製作方法は、ブリスクのブレードを往復動させつつ、当該ブレードにブリスクのディスクを押圧させることで、前記ブレードと前記ディスクとを線形摩擦接合する方法であり、線形摩擦接合時に保持され、かつ、線形摩擦接合後に切削除去される、前記ブレードに予め一体的に形成された被保持部に、前記ディスクの押圧によって前記ブレードに生じる変形を相殺する外力を前記被保持部に作用させつつ、前記ブレードと前記ディスクとを線形摩擦接合する、ことを特徴としている。
本発明の保持治具は、ブリスクのブレードを往復動させつつ、当該ブレードにブリスクのディスクを押圧させることで、前記ブレードと前記ディスクとを線形摩擦接合するブリスクの製作において前記ブレードを保持するものであり、前記ブレードに予め一体的に形成された被保持部の両端を把持する一対の第1治具及び第2治具と、前記第1治具及び前記第2治具に対して、前記被保持部から押圧方向に離間した位置で往復動方向の外力を作用させる外力作用機構と、を備える、ことを特徴としている。
本発明の保持治具は、ブリスクのブレードを往復動させつつ、当該ブレードにブリスクのディスクを押圧させることで、前記ブレードと前記ディスクとを線形摩擦接合するブリスクの製作において前記ブレードを保持するものであり、前記ブレードに予め一体的に形成された被保持部の両端を把持する一対の第1治具及び第2治具と、前記第1治具及び前記第2治具の少なくとも一方に、往復動方向を回転軸とする回転力となる外力を付与する外力作用機構と、を備える、ことを特徴としている。
本発明によれば、線形摩擦接合によるブレードの変形を抑制して、高精度なブリスクを製作することができる。
実施形態に係る製作方法に用いる製作装置(保持治具を備える)の全体構成図である。 上記製作装置で線形摩擦接合されるブレードとファンディスクとを示す概略斜視図である。 接合時のブレードの変形を強調して示す側面図である。 実施例1に係る保持治具に保持されたブレードの背面図である。 実施例1に係る保持治具に保持されたブレードの側面図である。 実施例2に係る保持治具に保持されたブレードの背面図である。
図1は、本実施形態のブリスクの製作方法を行う製作装置(線形摩擦接合装置)1を示している。製作装置1は、ブレード10を保持しつつ往復動(振動)させる加振装置2と、加振装置2に保持されたブレード10にファンディスク20を押圧する押圧装置3とを備えている。加振装置2及び押圧装置3は基台4上に設けられている。製作装置1は、線形摩擦接合時に接合されるブレード10に外力を作用させる外力作用機構19も備えている。
加振装置2は、ブレード10を保持する第1治具11及び第2治具12とからなる一対の保持治具13と、この一対の保持治具13(に保持されたブレード10)を往復動(振動)させる加振機構14とを備えている。保持治具13の振動方向(往復動方向)は図1中のY方向(垂直方向)である。押圧装置3は、ファンディスク20を保持するスライド台15と、スライド台15を加振装置2へと押す押圧機構16とを備えている。押圧機構16がスライド台15を加振装置2へと押すと、スライド台15に保持されたファンディスク20が加振装置2の保持治具13に保持されたブレード10に押し付けられる。スライド台15のスライド(押圧)方向は、図1中のX方向(水平方向)である。X方向とY方向とは互いに直角である。
押圧装置3は、ロータリアクチュエータ17も備えている。ロータリアクチュエータ17は、保持されたファンディスク20を回転させて、ブレード10を接合する位置(後述するディスクスタブ)を加振装置2の真正面に位置させる。製作装置1は、加振機構14、押圧機構16及びロータリアクチュエータ17を制御する制御部18を備えている。制御部18によって、加振機構14の振動数や、押圧機構16の押圧力が制御される。
制御部18には、追って詳述する外力作用機構19も接続されている。外力作用機構19は、加振装置2の一対の保持治具13(第1治具11及び第2治具12)を制御して、保持治具13に保持されたブレード10に外力を負荷し、カラー10aに曲げモーメントやねじりモーメントを生じさせる。制御部18は、作用させる外力を制御して曲げモーメントやねじりモーメントの大きさを制御する。
次に、上述した製作装置1を用いて接合されるブレード10とファンディスク20とについて、図2を参照しつつ説明する。
ファンディスク20の外周面上には、完成時のブレードの基端となるディスクスタブ20aが予め形成されている。ファンディスク20は、ブリスクの材料となる金属(例えばチタン)を切削加工することで製作され、切削加工時にディスクスタブ20aも形成される。
一方、ブレード10は、基本的には、完成時のブレードからディスクスタブ20aを除いた形状を備えているが、接合時に把持されるための直方体状(ブロック状)のカラー(被保持部)10aが予め一体的に形成されている。従って、カラー10aの一側面からは、ブレード10の本体部10bが延出され、当該一側面の反対面からはブレード10の基端部であるブレードスタブ10cが突出されている。カラー10aの本体部10bが延出されているカラー10aの一側面は、以下、背面10abと言う。また、カラー10aのブレードスタブ10cが突出されている反対面(接合時にファンディスク20に向けられる面)は、以下、正面10afと言う。
ブレードスタブ10cの端面が、上述したディスクスタブ20aの端面と線形摩擦接合される。ブレード10も、ブリスクの材料となる金属(例えばチタン)を切削加工することで製作され、切削加工時にカラー10aも形成される。カラー10aは、最終的には切削加工により除去され、完成時のブリスクには残されない。
カラー10aは、線形摩擦接合にブレード10をしっかりと保持するために形成される。カラー10aが設けられないと、完成時のブレードの表面に保持治具の跡が残ってしまう。また、カラー10aが設けられないと、ブレード10をしっかりと保持して振動させることができない。さらに、カラー10aが設けられないと、押圧されるファンディスク20の押圧荷重(フォージ荷重)をしっかりと受け止めることができない。カラー10aの大きさは、線形摩擦接合時の振動方向に作用する荷重や上述したフォージ荷重を考慮して決定される。
線形摩擦接合時のブレード10の保持態様にもよるが、概して、線形摩擦接合時のブレード10は、フォージ荷重Fによって図3に示されるように変形する。なお、図3では変形が強調されて示されている。線形摩擦接合時このような変形が生じると、線形摩擦接合後のブレード10(特に、本体部10b)に倒れるような変形が残る。本実施形態では、加振装置2の保持治具13(一対の第1治具11及び第2治具12)を介して、このようなフォージ荷重による変形を相殺(抑制)するように、カラー10aに外力を作用させる。そして、このように外力を作用させてフォージ荷重による変形を相殺(抑制)させた状態で、保持治具13を振動させて接合を行う(ブリスクを製作する)。
図4及び図5に、保持治具13を介してブレード10のカラー10aに曲げモーメントを生じさせる外力を作用させる場合(実施例1)における、保持治具13によって保持されたブレード10を示す。本実施例の保持治具13は、ブレード10の保持強度、ブレード10の保持治具13への取り付け作業性、上述した外力作用機構19の構成等を考慮して、第1治具11及び第2治具12によって構成されている。第1治具11及び第2治具12は、接合するブレード10の形状に応じて、交換可能である。ただし、通常、ブリスクのブレードはすべて同じ形状を有しているため、ある特定のブリスクを製作する際には、第1治具11及び第2治具12は交換する必要はない。
第1治具11は、ブレード10の振動方向(図4及び図5の上下方向)に沿って、カラー10aの一端(図中上端)、即ち、カラー10aの長さ方向の一端を保持する。第1治具11におけるカラー10aの一端を保持する面には、有底の第1保持孔11aが形成されている。第1保持孔11aの形状は、保持するカラー10aの断面形状にほぼ等しい。第1治具11によってカラー10aの一端を保持する際には、当該一端は第1保持孔11aの内部に挿入され、カラー10aの一端面10au(図中上面)は第1保持孔11aの底面と当接される。第1保持孔11aの形状がカラー10aの断面形状にほぼ等しいので、カラー10aの一端では、カラー10aの外側面もそれぞれ第1保持孔11aの内側面とほぼ面接した状態となる。
これに対して、第2治具12は、ブレード10の振動方向に沿って、カラー10aの他端(図中下端)、即ち、カラー10aの長さ方向の他端を保持する。第2治具12におけるカラー10aの他端を保持する面には、有底の第2保持孔12aが形成されている。第2保持孔12aの形状も、保持するカラー10aの断面形状にほぼ等しい。第2治具12によってカラー10aの他端を保持する際には、当該他端は第2保持孔12aの内部に挿入され、カラー10aの他端面10al(図中下面)は第2保持孔12aの底面と当接される。第2保持孔12aの形状がカラー10aの断面形状にほぼ等しいので、カラー10aの他端でも、カラー10aの外側面がそれぞれ第2保持孔12aの内側面とほぼ面接した状態となる。
ブレード10の振動時には、一端面10auは第1治具11(第1保持孔11a)により押さえられ、他端面10alは第2治具(第2保持孔12a)によって押さえられる。従って、ブレード10は、カラー10aを介して、保持治具13によって振動方向に沿ってしっかりと保持される。一方、ブレード10は、上述したようにフォージ荷重を受けるが、当該フォージ荷重を相殺するために上述した外力作用機構19が設けられている。
次に、外力作用機構19について説明する。本実施例の外力作用機構19は、カラー10aに図5中の矢印で示されるような曲げモーメントを生じさせる外力を付与する。即ち、直方体状のカラー10aの両端部をそれぞれ本体部10b側に倒すように直方体状のカラー10aの両端にそれぞれ外力を負荷する。なお、上述した第1治具11(第1保持孔11a)及び第2治具(第2保持孔12a)も外力作用機構19の一部として機能する。
外力作用機構19は、アクチュエータ19a、アクチュエータ19aの出力(トルク)を増幅する減速機構19b、減速機構19bから出力されるトルクによって回転される一対のシャフト19c、各シャフト19cと第1治具11との間に構築された上部ネジ機構19u、及び、各シャフト19cと第2治具12との間に構築された下部ネジ機構19lも備えている。アクチュエータ19aは、制御部18に接続されており、制御部18によって制御されるサーボモータなどである。
アクチュエータ(サーボモータ)19aの動作状態は制御部18によって検知されている。このため、この検知結果に基づいて、制御部18は、カラー10aに作用させる外力を制御する。減速機構19bには、アクチュエータ19aの出力が入力され、当該入力(トルク)を増幅した後に各シャフト19cの上端に固定されたギアに伝達して、各シャフト19cを回転させる。なお、一対のシャフト19cは、ブレード10の本体部10bと干渉しない位置に配置される。
各シャフト19cの上部に構築された上部ネジ機構19uは、シャフト19cの外周面上に形成された順雄ネジ19u1と、第1治具11に貫通形成された順雌ネジ孔19u2とからなる。シャフト19cが順方向に回転されると、順雄ネジ19u1及び順雌ネジ孔19u2によって、第1治具11は、下方に移動される。同様に、各シャフト19cの下部に構築された下部ネジ機構19lは、シャフト19cの外周面上に形成された逆雄ネジ19l1と、第2治具12に貫通形成された逆雌ネジ孔19l2とからなる。シャフト19cが順方向に回転されると、逆雄ネジ19l1及び逆雌ネジ孔19l2によって、第2治具12は、上方に移動される。
ここで、図5に示されるように、各シャフト19c(の中心)は、第1保持孔11a及び第2保持孔12a(の中心)から、ファンディスク20の押圧方向に距離Lだけ離間されている。言い換えれば、各シャフト19c(の中心)は、カラー10a(の中心)から、フォージ荷重の方向に距離Lだけ離間されている。従って、一対のシャフト19cを順回転させると、カラー(被保持部)10aから押圧方向に距離Lだけ離間した位置で振動(往復動)方向の圧縮力(外力)を作用させることができる。そして、この圧縮力により、一対の第1保持孔11a及び第2保持孔12aによって両端が保持されているカラー10aに図5中の矢印で示されるような曲げモーメントを生じさせることができる。
この曲げモーメントがフォージ荷重Fに起因する曲げ変形を相殺するように、アクチュエータ19aの動作量が予め決定されている。制御部18は、この予め決定された動作量に基づいて、カラー10aに曲げモーメントを生じさせる外力を作用させる。接合時にはフォージ荷重Fとこれを相殺する曲げモーメントとが作用するので、接合時のカラー10aの変形を抑制できる。接合時の変形が抑制されるため、接合時の変形が復元することで生じる接合後の残留応力も抑制できる。なお、本実施例では、外力作用機構19は、ブレード10(カラー10a)を単純に振動方向にクランプする機構としても機能している。
上述した実施例1は、図3に示されるような変形を抑制するものであった。しかし、(図2では簡略化して示されているが、)ブレード10はねじれた形状をしていることが多く、接合時のフォージ荷重によって、カラー10aをねじるように変形させる場合がある。このようなねじり変形は、図3のような曲げ変形との複合で生じる場合が多い。ねじり変形によっても、接合後のブレード10に望ましくない変形や残留応力を生じさせる場合がある。以下に説明する実施例2では、カラー10aのねじり変形を相殺(抑制)する外力を作用させる場合について説明する。上述した実施例1と同一又は同等の構成には同一の符号を付して、それらの重複する説明は省略する。
図6に、保持治具13を介してブレード10のカラー10aにねじりモーメントを生じさせる外力を作用させる場合(実施例2)における、保持治具13によって保持されたブレード10を示す。本実施例の第1治具11は、第1保持孔11aの中心を通り、かつ、振動方向に平行な回転軸を中心にしてある方向に回転可能に構成されている(図6中の矢印参照)。同様に、第2治具12も、第2保持孔12aの中心を通り、かつ、振動方向に平行な回転軸を中心にして反対方向に回転可能に構成されている(図6中の矢印参照)。これらの回転可能角度は大きく確保する必要はなく、必要なねじれモーメントを発生させることができればよい。
本実施例の外力作用機構19は、カラー10aに図6中の矢印で示されるようなねじれモーメントを生じさせる外力を付与する。即ち、直方体状のカラー10aをねじるように直方体状のカラー10aの両端にそれぞれ外力を負荷する。上述した第1治具11(第1保持孔11a)及び第2治具(第2保持孔12a)も外力作用機構19の一部として機能する。外力作用機構19は、制御部18に接続されて制御部18によって制御されるサーボモータなどのアクチュエータ19A、アクチュエータ19Aの出力(トルク)を増幅する減速機構19B、減速機構19Bから出力されるトルクによって回転されるシャフト19C、シャフト19Cと第1治具11との間に構築された上部ギア機構19U、及び、シャフト19Cと第2治具12との間に構築された下部ギア機構19Lも備えている。アクチュエータ19Aは、制御部18に接続されており、制御部18によって制御されるサーボモータなどである。
アクチュエータ(サーボモータ)19Aの動作状態は制御部18によって検知されている。このため、この検知結果に基づいて、制御部18は、カラー10aに作用させる外力を制御する。減速機構19Bには、アクチュエータ19Aの出力が入力され、当該入力(トルク)を増幅した後にシャフト19Cの中央に固定されたギアに伝達して、シャフト19Cを回転させる。
シャフト19Cの上部に構築された上部ギア機構19Uは、第1治具11の側面に形成されたギアとかみ合っており、シャフト19Cが順方向に回転されると、第1治具11を図中矢印方向に回転させる回転力(外力)を作用させることができる。同様に、シャフト19Cの下部に構築された下部ギア機構19Lは、第2治具12の側面に形成されたギアとかみ合っており、シャフト19Cが順方向に回転されると、第2治具12を図中矢印方向に回転させる回転力(外力)を作用させることができる。
従って、シャフト19Cを順回転させると、即ち、シャフト19Cの順方向の回転によって、第1治具11及び第2治具12は互いに逆方向に回転されるように、上部ギア機構19U及び下部ギア機構19Lが構築されている。接合時には、カラー10aの上端は第1保持孔11aにより保持され、カラー10aの下端は第2保持孔12aにより保持されている。従って、シャフト19Cの順回転による回転力(外力)によって、保持治具13(一対の第1治具11及び第2治具12)を介して、カラー10aにねじりモーメントを生じさせることができる。本実施例では、第1治具11によってカラー10aの一端(上端)に負荷される回転力の回転方向(ねじり方向)と第2治具12によってカラー10aの他端(下端)に負荷される回転力の回転方向(ねじり方向)とは互いに反対である。
このねじりモーメントがフォージ荷重Fに起因するねじれ変形を相殺するように、アクチュエータ19Aの動作量が予め決定されている。制御部18は、この予め決定された動作量に基づいて、カラー10aにねじれモーメントを生じさせる外力を作用させる。接合時にはフォージ荷重Fに起因するカラー10aをねじる力とこれを相殺するねじりモーメントとが作用するので、接合時のカラー10aの変形を抑制できる。接合時の変形が抑制されるため、接合時の変形が復元することで生じる接合後の残留応力も抑制できる。
なお、本実施例では、シャフト19Cの回転に対する上部ギア機構19Uの作動量と、シャフト19Cの回転に対する下部ギア機構19Lの作動量とは、向きは逆であるが同じである。このように、カラー10aの両端に互いに反対方向のねじりモーメントを作用させることで、上部ギア機構19U及び下部ギア機構19Lの作動可能量を少なくしつつ大きなねじりモーメントを生じさせることができる。
ただし、第1治具11及び第2治具12の一方を固定し、他方のみでねじりモーメントを生じさせる外力をカラー10aを作用させてもよい。また、シャフト19Cの回転に対する上部ギア機構19Uの作動量と、シャフト19Cの回転に対する下部ギア機構19Lの作動量とを異ならせて設定してもよい(ただし、ねじり方向は逆)。このようにすることで、接合時のブレード10のねじれ変形モードをより効果的に相殺(抑制)することができることもある。
なお、本発明は上記実施形態(実施例)に限定されず、発明の範囲内で適宜変形することができる。例えば、上述した実施例1及び2は、同時に製作装置1に搭載することも可能である。外力によるブレード10(カラー10a)の変形量は多くないため、実施例1の構成と実施例2の構成とを両立させることは、必ずしも不可能ではない。また、例えば、実施例1におけるシャフト19cは三本以上設けられてもよい。
また、例えば、実施例1において、一対のシャフト19cは互いに同じ動作を行うように構成された。しかし、ブレード10の位置を対称面として、一対のシャフト19c(上部ネジ機構19u及び下部ネジ機構19lを含む)が鏡像となるように対称に構成されてもよい。即ち、図4において、右側のシャフト19cの上部ネジ機構19uが逆ネジとされ、下部ネジ機構19lが順ネジとされ、常に右側のシャフト19cは左側のシャフトと反対に回転されてもよい。このようにすることで、一方(左側)のシャフト19cと第1治具11及び第2治具12との間に作用する力と、他方(右側)のシャフト19cと第1治具11及び第2治具12との間に作用する力とを相殺させることができる。
なお、図5には、カラー10aの内部に完成後のブレードの形状を示す点線も示されている。ファンディスク20への接合後にカラー10aが切削されて除去されると、完成後のブレードは、この点線で示される形状となる。
また、本発明の製作方法及び装置は、ブリスクの新規製造だけでなく、ブリスクの補修にも用いることができる。ブリスクのいくつかのブレードが破損した(変形や亀裂など)場合、ディスクスタブ20aを残して当該ブレードを除去する。ディスクスタブ20aの部分は、ブレードの基端であり、かつ、ファンディスク20との接合部であり、破損しにくく再利用できることも多い。残されたディスクスタブ20aに、カラー10aを有する新品のブレード10を接合することで、ブリスクを補修できる。
1 製作装置(線形摩擦接合装置)
2 加振装置
3 押圧装置
10 ブレード
10a カラー(被保持部)
10b 本体部
10c ブレードスタブ(基端部)
11 第1治具
11a 第1保持孔
12 第2治具
12a 第2保持孔
14 加振機構
16 押圧機構
19 外力作用機構
19a,19A アクチュエータ
19c,19C シャフト
19u 上部ネジ機構
19l 下部ネジ機構
19U 上部ギア機構
19L 下部ギア機構

Claims (8)

  1. ブリスクのブレードを往復動させつつ、当該ブレードにブリスクのディスクを押圧させることで、前記ブレードと前記ディスクとを線形摩擦接合するブリスクの製作方法であって、
    線形摩擦接合時に保持され、かつ、線形摩擦接合後に切削除去される、前記ブレードに予め一体的に形成された被保持部に、前記ディスクの押圧によって前記ブレードに生じる変形を相殺する外力を前記被保持部に作用させつつ、前記ブレードと前記ディスクとを線形摩擦接合する、ことを特徴とする線形摩擦接合によるブリスクの製作方法。
  2. 前記被保持部が直方体状に形成され、当該直方体の一側面から前記ブレードの本体部が延出され、前記一側面の反対面から前記ブレードの基端部が延出されており、
    前記外力が、前記被保持部の両端をそれぞれ負荷され、前記本体部側に倒すように前記被保持部に曲げモーメントを生じさせる、ことを特徴とする請求項1に記載のブリスクの製作方法。
  3. 前記被保持部が直方体状に形成され、当該直方体の一側面から前記ブレードの本体部が延出され、前記一側面の反対面から前記ブレードの基端部が延出されており、
    前記外力が、前記被保持部の両端の少なくとも一方に負荷され、前記被保持部をねじるように前記被保持部にねじりモーメントを生じさせる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のブリスクの製作方法。
  4. 前記外力が、前記被保持部の両端に負荷され、前記両端の一端に負荷された前記外力による前記被保持部のねじり方向と、前記両端の他端に負荷された前記外力による前記被保持部のねじり方向とは互いに反対である、ことを特徴とする請求項3に記載のブリスクの製作方法。
  5. ブリスクのブレードを往復動させつつ、当該ブレードにブリスクのディスクを押圧させることで、前記ブレードと前記ディスクとを線形摩擦接合するブリスクの製作において前記ブレードを保持する保持治具であって、
    前記ブレードに予め一体的に形成された被保持部の両端を把持する一対の第1治具及び第2治具と、
    前記第1治具及び前記第2治具に対して、前記被保持部から押圧方向に離間した位置で往復動方向の外力を作用させる外力作用機構と、を備える、ことを特徴とする保持治具。
  6. 前記外力作用機構が、前記第1治具及び前記第2治具を貫通する複数のシャフトと、前記複数のシャフトの各両端に形成されたネジ機構と、を備えている、ことを特徴とする請求項5に記載の保持治具。
  7. ブリスクのブレードを往復動させつつ、当該ブレードにブリスクのディスクを押圧させることで、前記ブレードと前記ディスクとを線形摩擦接合するブリスクの製作において前記ブレードを保持する保持治具であって、
    前記ブレードに予め一体的に形成された被保持部の両端を把持する一対の第1治具及び第2治具と、
    前記第1治具及び前記第2治具の少なくとも一方に、往復動方向を回転軸とする回転力となる外力を作用させる外力作用機構と、を備える、ことを特徴とする保持治具。
  8. 前記外力作用機構が、前記第1治具の回転方向と前記第2治具との回転方向とが互いに反対となるように、前記第1治具及び前記第2治具の両方に前記外力を負荷する、ことを特徴とする請求項7に記載の保持治具。
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