JP2011079046A - 押出し加工装置、及び、押出し加工方法 - Google Patents

押出し加工装置、及び、押出し加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】押出し荷重を低減し、難加工性の押出し材や、難加工形状の押出し加工を可能とする押出し加工装置の提供。
【解決手段】押出し方向軸A上で移動可能に押出し材を保持するコンテナ106と、押出し材200を所定の形状に加工する加工孔171を有するダイ107と、押出し材200に対しダイ107に向かう力を付与する押出し体108と、ダイ107を通過する押出し材200が挿通される挿通孔111を押出し方向軸に沿って有し、加工孔171と挿通孔111とが連通するように配置され、押出し方向軸上で振動する超音波振動をダイ107に伝達するホーン101と、ホーン101に超音波振動を発生させる超音波振動発生手段102とを備える。
【選択図】図1

Description

本願発明は、押出し加工装置、押出し加工方法に関し、特に、アルミニウム材などの金属や難押出材の押出し、押出し加工が困難な形状の押出しを可能とする押出し加工装置、押出し加工方法に関する。
一般的にアルミニウム材などの金属を固体状態のまま押出し加工する場合において、押出し比(ダイ出口(加工孔)の面積に対する押出し材の断面積の比)が大きいと、押出しに要する荷重が大きくなる。このような状態では、押出し加工装置のステムへの負荷が大きくなるとともに、コンテナやダイにかかる負荷も大きくなる。一方、押出し加工装置への負荷を軽減するためには、押出し材の温度を高くして、変形抵抗を下げる方法が考えられる。しかし、あまり押出し材の温度を上げすぎると加工中の発熱で押出し材が溶融したり、加工後の製品に適切な結晶組織が得られないなど押出し材の温度を高めるにも限界がある。
また、押出し比が小さい場合でも押出し速度を上げすぎると変形抵抗が大きくなったり、加工時の発熱による押出し材の変質が問題になるために、押出し速度を低速にしなければならない場合もある。
一方、金属材料の加工時に超音波振動を加えると加工荷重が低減することが知られている。例えば、引き抜き加工や打ち抜き加工、切削加工などにおいては、工具に超音波振動を当てることで、加工荷重を低減できることが明らかとなっている。
また、樹脂の押出し加工の分野においては、ダイに超音波振動を当てることで高速に押出しが可能となる技術が開示されている(特許文献1参照)。さらに、超音波振動を金属の押出し加工に適用し、効果があることも開示されている(非特許文献1参照)。
特開2001−88194号公報
Mousavi,S.A.A.A., Feizi, H., Madoliat, R.,Material Processing Techonology, 187-188(2007)657-661.
ところが、樹脂の押出し加工装置と金属などの押出し加工装置とは、押出し荷重に大きな相違があるため装置構成が大幅に異なり、開示されている樹脂の押出し加工装置に適用される技術を金属の押出し加工装置に適用することは困難である。また、金属等の押出し加工に超音波振動を適用して効果が得られるという結果は、有限要素法による解析の結果であり、押出し加工装置として具体的にどのように超音波振動を適用するかは開示されていない。
本願発明は、以上のような状況下においてなされたものであり、超音波振動を用いて押出し荷重を低減し、加工速度を向上させることのできる押出し加工装置、押出し加工方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本願発明にかかる押出し加工装置は、固体の押出し材を押出し加工する押出し加工装置であって、押出し方向軸上で移動可能に押出し材を保持するコンテナと、押出し材を所定の形状に加工する加工孔を有するダイと、押出し材に対し押出し方向軸上の前記ダイに向かう力を付与する押出し体と、前記ダイを通過する押出し材が挿通される挿通孔を押出し方向軸に沿って有し、前記ダイの加工孔と前記挿通孔とが連通するように配置され、押出し方向軸上で振動する超音波振動を前記ダイに伝達するホーンと、前記ホーンに超音波振動を発生させる超音波振動発生手段とを備えることを特徴とする。
これにより、押出し材の加工中に発生する押出し荷重を低減することができ、また、加工速度の向上を図ることが可能となる。
また、前記ダイは、押出し方向軸に移動可能に前記コンテナに保持され、前記ホーンは前記ダイを介して押出し材に押出し方向軸上の前記押出し体向きの力を付与することが好ましい。
これにより、押出し方向軸上を移動可能なダイに押出し方向軸に振れる超音波振動が伝達されるため、超音波振動を押出し加工に効果的に影響させることが可能となる。
また、前記ダイの押出し方向の厚さは、5mm以下であることが望ましい。
これによれば、ホーンから伝達される超音波振動の効果を有効に発揮させることが可能となる。また、ダイの加工を容易にすると共に、ダイの交換作業の作業性を向上させることも可能となる。
また、上記目的を達成するために、本願発明に係る押出し加工方法は、固体の押出し材を押出し加工する押出し加工方法であって、前記コンテナに押出し材を収容し、前記コンテナに収容される押出し材を前記押出し体と前記ダイとで挟んで加圧し、前記加圧と共に前記ダイに押出し方向軸上で振れる超音波振動を前記ダイに印加することを特徴とする。
これにより、押出し材の加工中に発生する押出し荷重を低減することができ、また、加工速度の向上を図ることが可能となる。
本願発明に係る押出し加工装置によれば、押出し方向軸上で振動する超音波振動をダイに付加しながら、押出し加工を行うことができる。従って、押出し荷重を大幅に低減することができる。これによって、通常は加熱しなければ押出しを行うことができない押出し材でも室温のまま押出し加工を行うこともできる。また押出し比が大きくて押出し荷重が押出し装置の最大加圧力を超えるために押出しを行えない断面形状であっても押出し加工が可能となる。同じ押出し比の押出し加工条件においては、押出し荷重が低減し、押出し速度を促進することができる。
本願発明に係る押出し加工装置を模式的に示す斜視図である。 ホーン周辺を一部切り欠いて示す側面図である。 押出し加工時のダイの周辺を断面で示す側面図である。 ダイの一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は中心軸を通る面で切断した状態を示す側面図である。 本実施の形態における押出し加工時のダイの周辺を断面で示す側面図である。 本実施の形態における押出し加工時のダイの周辺を断面で示す側面図である。 本実施の形態におけるダイの変形例を断面で示す側面図である。 ストロークと押出し荷重との関係を示すグラフである。
次に、本願発明に係る押出し加工装置の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(実施の形態1)
図1は、本願発明に係る押出し加工装置を模式的に示す斜視図である。
同図に示すように、押出し加工装置100は、金属や合金などの固体の押出し材を押出し加工する装置であって、ホーン101と、超音波振動発生手段102と、基台103と、コンテナ保持具104と、加圧手段105とを備えている。
基台103は、押出し加工時に発生する力を全て受け止めることができる十分な強度と剛性を有する構造体であり、床などに載置状態で設置される板体131と、板体131に2本固定される柱体132と、2本の柱の上部に張り渡される梁体133とを備えている。
加圧手段105は、基台103の梁体133に垂下状に取り付けられ、押出し加工に必要な力を発生させる装置である。加圧手段105は、例えば、油圧によりシリンダを梁体133に対して突出させて力を発生させる油圧装置を例示することができる。また、加圧手段105は、ホーン101を保持する為の円筒形状の接続具151を備えている。
なお、加圧手段105は、梁体133と接続具151との間に配置されることに限定されるものではない。例えば、梁体133に接続具151が直接固定され、コンテナ保持具104と板体131との間に加圧手段105が配置されてもかまわない。また、梁体133と接続具151との間、および、コンテナ保持具104と板体131との間の両方に加圧手段105を配置してもかまわない。
図2は、ホーン周辺を一部切り欠いて示す側面図である。
同図に示すように、超音波振動発生手段102は、ホーンに超音波振動を発生させる装置であって、超音波で振動する振動子122と、振動子122の振動を制御する制御装置121とを備えている。
超音波振動発生手段102が発生させる振動数は、10kHz以上、40kHz以下の範囲から選定されることが好ましい。選定される振動数がこの範囲から外れると押出し荷重の低減効果が著しく減少するからである。また、超音波振動発生手段102が発生させる振動の大きさは、ホーン101が共振した場合においてホーン101の先端面の振幅が1μm以上、30μm以下の範囲となる大きさが好ましい。ホーン101の先端面の振幅が1μm未満の場合、押出し荷重の低減効果があまり認められず、30μmを越えると、押出し加工された製品の表面にビビリなどの表面状態の異常が顕著に見られるようになるからである。
ホーン101は、振動子122により発生する押出し方向軸A上の超音波振動をダイ(後述)に伝達する部材であり、加工後の押出し材(製品)が挿通される挿通孔111を押出し方向軸Aに沿って有する部材である。本実施の形態の場合、ホーン101は、挿通孔111を同軸上に有する円筒形状であり、下方の端部(ホーン101の先端部)は、同一軸に沿った細い径の円筒形状となっている。また、ホーン101は、長さ方向の中間部近傍で接続具151に保持されている。ホーン101が接続具151に保持されている部分は、超音波振動発生手段102が発生させる超音波振動によりホーン101に定在波が発生した際の振動の節に該当する部分となっている。一方、ホーン101が保持されている部分から下方端部までの長さは、定在波が発生した際、ホーン101の先につけたダイ(後述)の表面(ダイと押出し材200とが接触する界面)で最大振幅となるように調整されている。
図3は、押出し加工時のダイの周辺を断面で示す側面図である。
同図に示すように、押出し加工装置100は、コンテナ106と、ダイ107と、押出し体108とを備えている。
コンテナ106は、押出し方向軸A上で移動可能に押出し材200(ビレット)を保持する部材である。本実施の形態の場合、コンテナ106は、肉厚の厚い円筒形状となっている。また、コンテナ106は、コンテナ保持具104によって、基台103の板体131に固定されている。なお、コンテナ106をコンテナ保持具104を介して板体131に締結しているものはボルトである。
ダイ107は、押出し材200を所定の形状に加工する加工孔を有する部材である。
図4は、ダイの一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は中心軸を通る面で切断した状態を示す側面図である。
本実施の形態の場合、ダイ107は、コンテナ106の中心軸と同軸に設けられている孔に嵌め合うことのできる外径を有する薄い円板であり、中央部には押出し方向に貫通した加工孔171が設けられている。
ダイ107の厚さは特に限定されるものではないが、超音波振動を押出し加工に有効に作用させるには、ダイ107の厚さは5mm以下(0mmを含まない)であることが好ましい。ダイ107の厚さが5mmよりも厚いと、ダイ107と押出し材200とが接触する界面で最大振幅とすることが困難(つまり、前記界面が最大振幅となるようなホーン101の形状を決定することが困難)となり、超音波振動の効果が抑制されるためである。なお、上記の作用から考えるとダイ107の厚さは薄いほどよいと考えられるが、ダイ107を構成する材質がSKD51などのダイス鋼の場合、ダイ107の強度を考慮し、ダイ107の厚さは0.5mm以上3mm以下が好ましいと考えられる。
なお、加工孔171の形状は、所望の製品の形状に依存するものであり、十字形状に限定されるものではない。
押出し体108は、図3に示すように、押出し材200に対し押出し方向軸A上であってダイ107に向かう力を付与する部材である。本実施の形態の場合、押出し体108は、基台103の板体131に嵌入状態となっており、コンテナ106と板体131に挟持されて固定されている。従って、本実施の形態の押出し体108は、コンテナ106の端部に固定されており、いわゆるステムのようにコンテナ106に対して移動し、積極的に押出し材200を押し出すものではない。
次に、上記押出し加工装置100を用いた押出し方法を説明する。
まず、コンテナ106と押出し体108とを基台103の板体131に配置し、コンテナ保持具104をコンテナ106に被せてボルトで固定する。
次に筒状のコンテナ106内に押出し材200を挿入する。さらに、押出し材200の上方であってコンテナ106の中にダイ107を挿入する。
次に、加圧手段105を用いて、ホーン101を押出し体108の方向(図3に矢印で示す)に移動させ、ホーン101の先端部をコンテナ106内に挿入し、ホーン101の先端面をダイ107に当接させる。そしてさらに、加圧手段105によってホーン101を進めることで、コンテナ106に収容される押出し材200を押出し体108とダイ107とで挟んで加圧する。
一方、前記加圧と共に超音波振動発生手段102は、振動子122を振動させ、ホーン101を共振させる。これによりダイ107に押出し方向軸A上で振れる超音波振動が印加される。
上記加圧状態を維持すると、ダイ107の加工孔171から押出し材200が加工孔171の形状に従って押し出されて行く。
加工後の押出し材200である製品は、ホーン101の挿通孔111に挿通される。
以上によって押出し加工を行うことができる。
以上の押出し加工装置100、押出し加工方法によれば、ダイ107に押出し方向軸A上の超音波振動を加えながら、コンテナ106内の押出し材200にダイ107を押し込んで押出し加工をすることができる。従って、超音波振動の付加とダイ107の押出し材200への押込みが同じ箇所で行われ、押出し材200の変形がダイ107直下で起こる。つまり、押出し材200が変形する部分に効率よく超音波振動が加わるので、超音波振動による荷重低減の効果が非常に高い。また、本実施の形態の場合、ダイ107の大部分は圧縮方向に荷重がかかっているため、ダイ107の厚みを薄くすることができる。従って、より効果的に超音波振動を作用させることが可能となる。また、超音波振動を加工部分に作用させることにより、従来押出し加工が困難であった形状、例えば、図4に示す加工孔171によって得られる十字形状の製品も押出し加工によって得ることが可能となる。
また、ダイ107は消耗品であり、押出し加工の操業を長期間行うには定期的に取り替える必要があるが、ダイ107の重量を軽くすることができるため、ダイ107の交換作業が容易になり、さらに、ダイ107の価格を抑えることができる為、製造コストを低減することが可能となる。
(実施の形態2)
次に、本願発明に係る押出し加工装置100の他の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施の形態1と同様の作用や機能を実現する部材や手段や装置等は同じ符号を付し、説明を省略する場合がある。
図5は、本実施の形態における押出し加工時のダイの周辺を断面で示す側面図である。
同図に示すように、コンテナ106は、コンテナ保持具104によって基台103に固定されている。また、ホーン101は、加圧手段105を介すこと無く接続具151を介し基台103に対し固定されている(図示せず)。すなわち、本実施の形態の場合、ホーン101及びダイ107は、基台103に対し固定されている(超音波振動は発生する)。
押出し体108は、本実施の形態の場合いわゆるステムとして機能しており、コンテナ106に挿入可能な形状である。なお、押出し材200と押出し体108との間には押し板181(ダミーブロック)が配置されている。なお押し板181は必須の構成要素ではない。
押出し体108は、加圧手段105に接続されており(図示せず)、同図中の矢印に示す方向に押出し材200を加圧することができるようになっている。
本実施の形態の場合、押出し材200は、コンテナ106に対し摺動することになるため、押出し材200とコンテナ106内面との摩擦が低減するように潤滑剤を施すことが望ましい。
以上の構成によれば、ダイ107とホーン101の先端部とをコンテナ106内に押し込む必要がない。従って、ホーン101先端部の外径をコンテナ106の内径よりも小さくする必要が無い。また、ホーン101の先端部の長さと製品の長さとが無関係であるため、ホーン101の先端部を製品の長さに合わせて長くする必要がない。したがって、全体的に剛性の高いホーン101を押出し加工装置100に使用できるため、押出し加工装置100全体の剛性を高めることが可能となる。また、比較的大型の部材であり、振動子122等が取り付けられるホーン101を移動させる必要が無い。一方、押出し体108は比較的小型で、ホーン101のように超音波振動を発生させるために保持する場所が限定されることがないため、押出し方向軸Aからぶれることなくまっすぐに押し出すことが可能となる。従って、精密に押出し加工を行うことが可能となる。
(実施の形態3)
次に、本願発明に係る押出し加工装置100の他の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施の形態1や実施の形態2と同様の作用や機能を実現する部材や手段や装置等は同じ符号を付し、説明を省略する場合がある。
図6は、本実施の形態における押出し加工時のダイの周辺を断面で示す側面図である。
同図に示すように、コンテナ106は、コンテナ保持具104によって基台103に固定されている。さらに、ダイ107は、コンテナ106と基台103との間で周縁部が挟まれた状態で固定されている。また、ホーン101は、加圧手段105を介すこと無く接続具151により基台103に対し固定されている(図示せず)。
押出し体108は、いわゆるステムとして機能しており、コンテナ106に挿入可能な形状となっている。なお、押出し材200と押出し体108との間には押し板181(ダミーブロック)が配置されている。なお押し板181は必須の構成要素ではない。
押出し体108は、加圧手段105に接続されており(図示せず)、同図中の矢印に示す方向に押出し材200を加圧することができるようになっている。
以上の構成によれば、押出し加工時に発生する力がホーン101にかかりにくくなり、効果的に超音波振動をダイ107に伝達することができる。従って、ホーン101を保護しつつ押出し荷重を低減し、加工速度を向上させることが可能となる。
図7は、本実施の形態におけるダイの変形例を断面で示す側面図である。
同図に示すダイ107は、ダイ107を固定する部分は厚みを持たせてダイ107全体の剛性の向上と固定の強度向上を図りつつ、加工孔171周縁のホーン101と当接する部分のみ押出し方向の厚さを薄くしたものである。なお、当該薄くした部分の厚さが特許請求の範囲における「ダイの厚さ」に該当する。このようなダイ107を採用した場合、大荷重を要する押出し加工においても、比較的小荷重に耐えるホーン101でダイ107を振動させ、押出し荷重を低減させることが可能となる。
なお、本願発明に係る押出し加工装置100は、上述した実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態1〜3で示す構成要素を任意に組み合わせて実現される別の実施の形態も本願発明の実施の形態である。また、上記構成要素に対して本願発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる押出し加工装置100や押出し加工方法も本願発明に含まれる。
例えば、ホーン101の挿通孔111の形状は、ダイ107の加工孔171が内接する円よりも大きい断面形状の孔であればよい。また、挿通孔111の断面形状は円ではなく、加工孔171の形状と相似形状でもかまわない。
また、押出し体108にホーン101を接続し、押出し体108に超音波振動を印加してもかまわない。
次に、具体的な実施例を示す。
上記実施の形態1で示した押出し加工装置100を用い、純アルミニウム(A1050)からなる押出し材200に対し押出し加工を行った。
押出し比:4(押出し材200:直径8mmの丸棒、ダイ107の加工孔171:直径4mmの円形)、ホーン101の移動速度:0.1mm/s、超音波振動発生手段102の振動子122振動:20kHz。以上の条件で押出し加工を行った。
なお、上記条件においてホーン101は共振し、ホーン101のダイ107と接触する面(ホーン101の先端面)の振幅は15μmであった。
図8は、ストロークと押出し荷重との関係を示すグラフである。
同グラフが示すように、ダイ107に超音波振動を印加していない場合(超音波なし)に比べ、ダイ107に超音波振動を印加している場合(超音波付加)、押出し荷重が少なくとも40%低減していることがわかる。
本願発明によって、複雑な断面形状の製品を押出し加工により製造することができ、従来よりも複雑な断面形状の製品を得ることが可能となる。また、低荷重で押出し加工することが可能となるため従来不可能とされていた硬い押出し材などに対して押出し加工を行うことが可能となる。また、高い加工速度で製品を加工できるため、生産効率を高めることが可能となる。
100 押出し加工装置
101 ホーン
102 超音波振動発生手段
103 基台
104 コンテナ保持具
105 加圧手段
106 コンテナ
107 ダイ
108 押出し体
111 挿通孔
121 制御装置
122 振動子
131 板体
132 柱体
133 梁体
151 接続具
171 加工孔
181 押し板
200 押出し材

Claims (5)

  1. 固体の押出し材を押出し加工する押出し加工装置であって、
    押出し方向軸上で移動可能に押出し材を保持するコンテナと、
    押出し材を所定の形状に加工する加工孔を有するダイと、
    押出し材に対し押出し方向軸上の前記ダイに向かう力を付与する押出し体と、
    前記ダイを通過する押出し材が挿通される挿通孔を押出し方向軸に沿って有し、前記ダイの加工孔と前記挿通孔とが連通するように配置され、押出し方向軸上で振動する超音波振動を前記ダイに伝達するホーンと、
    前記ホーンに超音波振動を発生させる超音波振動発生手段と
    を備える押出し加工装置。
  2. 前記ホーンは、前記超音波振動発生手段が発生させる超音波振動と共振すると共に、前記ダイと接触する端部が最大振幅となる長さを備え、最小振幅部分で保持され、
    前記超音波振動発生手段は、前記ホーンが保持される部分に対し、前記ダイと接触する部分と反対側の前記ホーンの部分に接続される超音波で振動する振動子
    を備える請求項1に記載の押出し加工装置。
  3. 前記ダイは、押出し方向軸に移動可能に前記コンテナに保持され、
    前記ホーンは前記ダイを介して押出し材に押出し方向軸上の前記押出し体向きの力を付与する
    請求項1または請求項2に記載の押出し加工装置。
  4. 前記ダイの押出し方向の厚さは、5mm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の押出し加工装置。
  5. 固体の押出し材を押出し加工する押出し加工方法であって、
    コンテナに押出し材を収容し、
    前記コンテナに収容される押出し材を押出し体とダイとで挟んで加圧し、
    前記加圧と共に前記ダイに押出し方向軸上で振れる超音波振動を前記ダイに印加する
    押出し加工方法。
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