JP5494065B2 - スポット溶接方法及びスポット溶接継手 - Google Patents

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Description

本発明は、スポット溶接方法及びスポット溶接継手に関し、特に、金属板をスポット溶接するために用いて好適なものである。
代表的な抵抗溶接手法として抵抗スポット溶接(以下の説明では、抵抗スポット溶接を必要に応じてスポット溶接と略称する)がある。スポット溶接は、鋼板等の金属板の接合に広く用いられている。このようなスポット溶接で溶接された継手の強度を大きくすることは、スポット溶接されることにより製造される金属製品の品質に大きく影響を与えるので、極めて重要である。
そこで、特許文献1では、高強度鋼板をスポット溶接した後、ナゲットが形成されている領域と、その周囲の両方又は片方に超音波衝撃処理を施すことにより、ナゲットが形成されている領域に圧縮残留応力を発生させて、相対的に残留引張応力を低減させるようにしている。このようにすれば、スポット溶接により形成された溶接継手の疲労強度を向上させることができる。
特開2004−122152号公報
ところで、近年、鋼板のハイテン化(引張張力の向上)に伴い、炭素当量が高い鋼板が増えてきた。これにより、スポット溶接により形成された溶接継手の継手強度が、母材強度に比例しなくなるという知見が得られている。
しかしながら、前述した特許文献1に記載の技術では、溶接継手の疲労強度を向上させることはできるが、溶接継手の引張強度については考慮されていない。特許文献1に記載の技術では、溶接継手の引張強度は、鋼板の引張強度と共に増加することを前提とし、鋼板の引張強度に依存しない溶接継手の疲労強度の向上を図るようにしたものだからである。よって、前述した特許文献1に記載の技術では、スポット溶接により形成された溶接継手の強度を十分に向上させることが困難であった。また、特許文献1に記載の技術では、溶接後に溶接継手の強度を向上させるための後処理を行うことになる。このため、例えば、スポット溶接が数千点施される自動車の製造に、特許文献1に記載の技術を適用することは非現実的である。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、スポット溶接により形成された溶接継手の強度を、溶接後の後処理を行うことなく向上させることを目的とする。
本発明のスポット溶接方法は、板を重ねてスポット溶接するスポット溶接方法であって、前記板を介して上下で対向する一対の電極の通電を制御して、当該板の溶接予定箇所を溶融及び凝固させて溶接継手を形成する過程のうち、当該鋼板の溶接予定箇所が溶融してナゲットが形成されてからの期間であって、少なくとも当該溶接予定箇所が溶融状態から凝固組織に移行しているときを含む期間のみ、当該溶接予定箇所に対して、当該溶接予定箇所の周囲の前記板の一部の領域、又は、前記電極の一部の領域に振動体を接した状態で当該振動体を振動させることにより機械的振動を与えて、当該溶接予定箇所の組織を微細化することを特徴とする。
本発明のスポット溶接継手は、前記スポット溶接方法を用いて形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、スポット溶接により形成された溶接予定箇所が溶融状態から凝固組織に移行しているときに、当該溶接予定箇所に対して、当該溶接予定箇所の周囲の板の一部の領域、又は、前記スポット溶接を行うための電極の一部の領域に振動体を接した状態で当該振動体を振動させることにより機械的振動を与えて、溶接箇所の組織を微細化するようにした。したがって、従来の手法に比べ、溶接箇所のデンドライト状だった凝固組織(デンドライト)が細かい等軸状の組織となる。よって、溶接箇所の組織が均質になり、微細化されることで、溶接継手の強度を溶接後の後処理を行うことなく向上させることができる。
本発明の第1の実施形態を示し、スポット溶接装置の構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、超音波衝撃装置を、その軸の方向に沿って切ったときの断面の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、溶接パターンの一例を説明する図である。 本発明の第1の実施形態を示し、スポット溶接された溶接箇所の顕微鏡写真の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態を示し、スポット溶接装置の構成の一例を示す図である。 本発明の実施例と比較例とを表形式で示した図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、スポット溶接装置の構成の一例を示す図である。尚、各図では、説明の都合上、必要な部分のみを簡略化して示している。また、本実施形態では、スポット溶接の対象となる金属板が鋼板である場合を例に挙げて説明する。
図1において、スポット溶接装置は、電極11a、11bと、超音波衝撃装置12と、制御装置13とを有している。
電極11a、11bは、板面が相互に重なるように重ねられた2枚の鋼板14a、14bを介して上下で対向する一対の電極である。尚、ここでは、複数の鋼板14a、14bが2枚の場合を例に挙げて説明するが、これらの枚数は2枚に限定されるものではなく、3枚以上であってもよい。
超音波衝撃装置12は、鋼板14a、14bをスポット溶接するための電極11a、11bの何れか一方に対して超音波衝撃を与えるものである。図1では、超音波衝撃装置12が電極11aに対して超音波衝撃を与える場合を例に挙げて示している。
図2は、超音波衝撃装置12を、その軸の方向に沿って切ったときの断面の一例を示す図である。
超音波衝撃装置12は、トランスデューサー21と、トランスデューサー21の前面に設けられたウエーブガイド22と、自由振動体(打撃ピン)23と、ウエーブガイド22の先端に設けられ、自由振動体(打撃ピン)23を支持するホルダー24と、ホルダー24を支持する支持体25と、後端にハンドル26を有するケース27と、ケーブル28とを有している。
ケーブル28を介して外部(図1では、制御装置13内の電源)から供給された電気エネルギーは、トランスデューサー21により超音波領域の機械的振動(超音波振動)に変換される。トランスデューサー21で発生した超音波振動は、トランスデューサー21に接続されているウエーブガイド22を伝播する。図2に示すように、ウエーブガイド22の径は、前方に向かって絞られている。よって、超音波振動の伝播速度がウエーブガイド22で変性され、超音波振動が増幅される。この超音波振動は、ウエーブガイド22の先端からホルダー24で支持されている自由振動体(打撃ピン)23に伝わる。これにより、自由振動体(打撃ピン)23が超音波振動する。この自由振動体(打撃ピン)23を電極11aに押し当てた状態にして、自由振動体(打撃ピン)23が電極11aを打撃することにより、電極11aが超音波振動し、鋼板14a、14bの溶接予定箇所を含む領域に機械的振動(超音波衝撃)が与えられる。ここでは、振幅が10[μm]〜60[μm]、周波数が15[kHz]〜60[kHz]、パワー(出力)が0.2[kW]〜2[kW]の超音波衝撃を複数の鋼板14a、14bの溶接予定箇所を含む領域に与えるようにしている。ここで、パワーの上限は、溶接機の耐久性と、電極で加圧された鋼板がずれないという条件で規定される。
尚、超音波衝撃装置は、例えば、特開2006−55899号公報に記載されており、公知の技術で実現できるので、ここでは概略のみを説明し、詳細な説明を省略する。
図1の説明に戻り、制御装置13は、電極11a、11bと超音波衝撃装置12とのそれぞれに交流電力を個別に供給する。制御装置13は、予めユーザ等によって設定された溶接パターンに従って、電極11a、11bと超音波衝撃装置12とのそれぞれに交流電力を供給する。制御装置13は、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、各種のインターフェース、及び交流電源を備えた機器を用いることにより実現できる。
図3は、溶接パターンの一例を説明する図である。本実施形態では、制御装置13が動作する前に、図1に示すように、超音波衝撃装置12の自由振動体(打撃ピン)23が電極11aに押し付けられた状態にしておく。ここで、超音波衝撃装置12の軸16の方向と、水平方向(鋼板14a、14bの板面方向)とのなす角度θは、例えば、0[°]〜45[°]の間の角度となるようにするのが好ましい。この範囲であれば、超音波衝撃装置12により発生した超音波衝撃(機械的振動)を効率よく電極11aに伝えることができるからである。
図3において、まず、時間t0になると、制御装置13は、電極11a、11bを駆動して、鋼板14a、14bを加圧し、時間t1で電極11a、11bが所定の加圧力で加圧されるようにする。
次に、時間t1になると、制御装置13は、電極11a、11bに値(大きさ)IAの溶接電流を流す。溶接電流の値IAは、鋼板14a、14bをスポット溶接するのに必要な値であり、鋼板14a、14bの材質・表面処理・厚み・枚数等に応じて、予めユーザによって設定される値である。そして、時間t1〜t2の間で、鋼板14a、14bの溶接予定箇所(溶接継手となる箇所)が溶融し、ナゲット15が形成される。時間t1〜t2は、複数の鋼板14a、14bをスポット溶接するのに必要な期間であり、鋼板14a、14bの材質・表面処理・厚み・枚数等に応じて、予めユーザによって設定される期間である。
次に、時間t2になると、制御装置13は、超音波衝撃装置12に、超音波衝撃装置12の定格電力(交流電力)を供給する。すると、超音波衝撃装置12は、予めユーザ等によって設定された「振幅、周波数、パワー」に従った機械的振動(超音波衝撃)を電極11aに与える。これにより、機械的振動(超音波衝撃)が電極11aを介して鋼板14a、14bに伝わり、鋼板14a、14bの溶接予定箇所を含む領域に機械的振動(超音波衝撃)が与えられる。また、制御装置13は、時間t2になると、電極11a、11bに流す溶接電流の値を値IAから、値IAよりも小さい値IBに変更する。通常のスポット溶接では、時間t2で溶接電流の値を0(ゼロ)にする。これに対し、本実施形態では、溶接電流の値を段階的に小さくするようにしている。これは、溶融した溶接予定箇所が急速に冷却され、急速に凝固することを防止するためである。すなわち、溶融した溶接予定箇所の凝固が開始する時間t2から、小さな値IBの溶接電流を電極11a、11b(鋼板14a、14b)に流すことによって、溶融した溶接予定箇所をゆっくりと凝固させ、溶接予定箇所が凝固している間に、機械的振動(超音波衝撃)を溶接予定箇所に確実に与えるようにするためである。溶接電流の値IB及び時間t2〜t3は、このような目的を達成できるように、鋼板14a、14bの材質・表面処理・厚み・枚数等に応じて、予めユーザによって設定される。
次に、時間t4になると、制御装置13は、電極11a、11bを駆動して、鋼板14a、14bに対する加圧を止める。そして、制御装置13は、超音波衝撃装置12に供給している交流電力を遮断する。時間t3〜t4は、複数の鋼板14a、14bに対する加圧を保持する時間であり、鋼板14a、14bの材質・表面処理・厚み・枚数等に応じて、予めユーザによって設定される。
以上により、スポット溶接が完了し、複数の鋼板14a、14bに溶接継手15が形成される。
図4は、スポット溶接された溶接箇所の顕微鏡写真の一例を示す図である。
図4(a)は、本実施形態のように、2枚の鋼板14a、14bの溶接予定箇所が溶融状態から凝固組織に移行しているときに、溶接予定箇所に対して超音波衝撃による機械的振動を与えた場合の溶接箇所の顕微鏡写真を示す図である。一方、図4(b)は、このような機械的振動を与えない場合の溶接箇所の顕微鏡写真を示す図である。
具体的に、図4(a)は、引張強度が980[MPa]であり、厚みが1.2[mm]の2枚のDP鋼を重ね合わせたものに対し、溶接電流の値IAが5.0[kA]、時間t1〜t2が10[cycle]、溶接電流の値IBが4.0[kA]、時間t2〜t3が10[cycle]の条件でスポット溶接を行い、時間t3〜t4に相当する時間だけ加圧力を保持した結果を示すものである。ここでは、時間t0〜t4において、周波数=27[kHz]、振幅=25[μm]、出力=0.9[kW]、振動時間=65[cycle](=時間t0〜t4)、図1のθ=30[°]の条件で超音波衝撃による機械的振動を電極11aに与えた。
一方、図4(b)は、引張強度が980[MPa]であり、厚みが1.2[mm]の2枚のDP鋼を重ね合わせたものに対し、溶接電流の値IAが5.0[kA]、時間t1〜t2が10[cycle]の条件でスポット溶接を行い、時間t2で溶接電流の値を0(ゼロ)にし、時間t3〜t4に相当する時間だけ加圧力を保持した結果を示すものである。ここでは、超音波衝撃による機械的振動を電極11aに与えていない。
図4に示すように、本実施形態のようにして溶接予定箇所に対して超音波衝撃による機械的振動を与えると、溶接箇所のデンドライト成長が妨げられる。よって、溶接箇所の凝固組織は微細化し、細かい等軸状の組織となる。したがって、溶接箇所の組織が均質になり、微細化されることで、溶接箇所の強度を向上させることができる。すなわち、溶接箇所の凝固組織が細かい等軸状の組織となり、最終的な材料組織も微細化され、溶接箇所に初期き裂が入りにくくなる。よって、溶接継手の引張強度を向上させることができる。特に、図4に示したように、引張強度が980[MPa]のような高張力鋼板において以上のような傾向が高くなる。一方、溶接予定箇所に対して超音波衝撃による機械的振動を与えないと、溶接箇所の凝固組織が成長することにより、溶接箇所の凝固組織は斑で方向性を有し、柱状組織になる。したがって、溶接箇所の強度を十分に向上させることができない。
以上のように本実施形態では、鋼板14a、14bをスポット溶接する際に、値IAの溶接電流を流して、鋼板14a、14bの溶接予定箇所を溶融させた後、少なくとも当該溶接予定箇所が溶融状態から凝固組織に移行するときに、当該溶接予定箇所に対して超音波衝撃による機械的振動を与えて当該溶接箇所の組織を微細化するようにした。よって、従来の手法に比べ、溶接箇所のデンドライト状だった凝固組織が細かい等軸状の組織となる。よって、溶接箇所の組織が均質になり、微細化されることで、溶接継手の強度を溶接後の後処理を行うことなく向上させることができる。
尚、本実施形態では、鋼板14a、14bの溶接予定箇所を含む領域に機械的振動(超音波衝撃)が与えられる期間を時間t2〜t4の間にした場合を例に挙げて説明した。しかしながら、鋼板14a、14bの溶接予定箇所を含む領域に機械的振動(超音波衝撃)を与える期間は、当該溶接予定箇所が溶融状態から凝固組織に移行する期間を含んでいれば、どのような期間であってもよい。特に、鋼板14a、14bの溶接予定箇所を含む領域に機械的振動(超音波衝撃)を与える期間は、当該溶接予定箇所が凝固を開始する時間t2を含んでいるのが好ましい。例えば、制御装置13は、時間t0又はt1になると、超音波衝撃装置12に、超音波衝撃装置12の定格電力(交流電力)を供給するようにしてもよい。また、制御装置13は、超音波衝撃装置12に供給している交流電力を遮断するタイミングを、例えば時間t3にしてもよい。
また、本実施形態では、電極11aに超音波衝撃装置12を押し付けて電極11aが機械的振動(超音波振動)を起こすようにしたが、機械的振動(超音波振動)を起こすための構成は、このようなものに限定されるものではない。例えば、電極11a、11bの少なくとも何れか一方に超音波振動子を取り付けて、電極11a、11bが機械的振動(超音波振動)を起こすようにしてもよい。
また、本実施形態では、複数の鋼板14a、14bの溶接予定箇所を含む領域に与える機械的振動が、超音波衝撃を与えることによる振動である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、この機械的振動は、溶接箇所の組織を微細化するのに必要な「振幅・周波数・パワー」を有していれば、必ずしも、超音波衝撃を与えることによる振動であるである必要はない。例えば、前述した周波数よりも低い周波数の機械的振動を与えるようにしてもよい。
また、本実施形態では、複数の鋼板14a、14bをスポット溶接するのに必要な値IAの溶接電流を、時間t1〜t2だけ流した後、値IAよりも小さい値IBの溶接電流を時間t2〜t3だけ流すようにした。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はなく、溶接電流を多段階に分けて徐々に低減させるようにしてもよい。また、溶接電流の値を、図3のようにステップ状に低減させるのではなく、滑らかに低減させるようにしてもよい。さらに、溶接予定箇所が凝固するのに要する時間は短くなるが、必ずしも値IBの溶接電流を流す必要はない。このようにする場合には、少なくとも、値IAの溶接電流を0(ゼロ)にした後に、鋼板14a、14bの溶接予定箇所を含む領域に機械的振動(超音波衝撃)が与えられているようにする。
また、本実施形態では、1つの制御装置13によって、電極11a、11bに通電する溶接電流と、超音波衝撃装置12に与える電力とを個別に制御する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、これらを別々の装置で制御するようにしてもよい。また、電極11a、11bに通電する溶接電流と、超音波衝撃装置12に与える電力との少なくとも何れか一方を、ユーザによる指示に従って与えるようにしてもよい。さらに、電極11a、11bに通電する溶接電流の値を、ユーザによる指示に従って変更するようにしてもよい。
また、スポット溶接を行うことができるものであれば、スポット溶接を行う対象は鋼板以外の金属板であってもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、超音波衝撃による機械的振動を電極11aに対して与え、この電極11aに与えられた機械的振動を鋼板14a、14bに伝えるようにした場合を例に挙げて説明した。これに対し、本実施形態では、超音波衝撃による機械的振動を鋼板14a、14bに対して直接与える場合について説明する。このように、本実施形態と第1の実施形態とは、超音波衝撃装置12が超音波衝撃による機械的振動を与える場所が異なるだけであるので、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1〜4に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図5は、スポット溶接装置の構成の一例を示す図である。図5において、スポット溶接装置は、図1に示したものと同様に、電極11a、11bと、超音波衝撃装置12と、制御装置13とを有している。図1に示したものと異なる点は、超音波衝撃装置12を配置する位置である。
本実施形態では、図5に示すように、超音波衝撃装置12の軸16の方向と、板面が相互に重なるように重ねられた2枚の鋼板51a、51bの板面方向とが平行になるようにして、複数の鋼板51a、51bの境界に自由振動体(打撃ピン)23の先端を押し付けた状態で、超音波衝撃装置12から複数の鋼板51a、51bに超音波衝撃による機械的振動を与えるようにしている。
このようにした場合、鋼板51a、51bの境界のうち、少なくとも、鋼板51a、51bの「自由振動体(打撃ピン)23が当たる領域」については、図5に示すようにして窪み52が形成されるようにするのが好ましい。自由振動体(打撃ピン)23の位置が機械的振動によってずれてしまうことを防止できるからである。
以上のようにしても第1の実施形態と同一の効果を得ることができる。また、本実施形態においても、第1の実施形態で説明した種々の変形例を採用することができる。
(実施例)
次に、実施例について説明する。図6は、本発明の実施例と比較例とを表形式で示した図である。
ここでは、以下の被溶接材に対してTSS(Tensile Shear Strength)試験を行った。
(1) 被溶接材1(270MPa級軟鋼);引張強度が270[MPa]、厚みが1.0[mm]の軟鋼を2枚重ねたもの
(2) 被圧延材2(590MPa級DP鋼);引張強度が590[MPa]、厚みが1.0[mm]のDP鋼を2枚重ねたもの
(3) 被圧延材3(980MPa級DP鋼);引張強度が980[MPa]、厚みが1.0[mm]のDP鋼を2枚重ねたもの
被溶接材1〜3のそれぞれを、8つずつ用意した。
また、以下の条件でTSS(Tensile Shear Strength)試験を行った。
(1) 加圧力;250[kgf]
(2) 電極;DR型・先端φ6R40・Cr-Cu製
(3) 初期加圧時間(時間t0〜t1);25[cycle]
(4) 保持加圧時間(時間t3〜t4);10[cycle]
(5) 通電条件;
<実施例>
・270MPa級軟鋼
7.6[kA](=IA)・10[cycle](=時間t1〜t2)→6.1[kA](=IB)・10[cycle](=時間t2〜t3
・590MPa級DP鋼
5.7[kA](=IA)・10[cycle](=時間t1〜t2)→4.6[kA](=IB)・10[cycle](=時間t2〜t3
・980MPa級DP鋼
5.0[kA](=IA)・10[cycle](=時間t1〜t2)→4.0[kA](=IB)・10[cycle](=時間t2〜t3
<比較例>
・270MPa級軟鋼
7.6[kA](=IA)・10[cycle](=時間t1〜t2
・590MPa級DP鋼
5.7[kA](=IA)・10[cycle](=時間t1〜t2
・980MPa級DP鋼
5.0[kA](=IA)・10[cycle](=時間t1〜t2
(6) 超音波衝撃
<実施例>
超音波衝撃装置(Applied Ultrasonics社製 UIT装置);自由振動体(打撃ピン)の径=3[mm]、周波数=27[kHz]、振幅=25[μm]、出力=0.9[kW]、振動時間=65[cycle](=時間t0〜t4)、図1のθ=30[°]
<比較例>
なし
図6において、TSSの値は、各被溶接材についての4回のTSS試験の結果(溶接継手のせん断引張強度)の平均値である。
図6に示すように、引張強度が270[MPa]の被溶接材(鋼板)については、溶接継手の「せん断引張強度・破断形態」の観点からでは、実施例と比較例との間で明りょうな差異は見られなかった。これに対し、引張強度が上がるにつれて(590[MPa]、980[MPa])、実施例の方が比較例よりも、溶接継手のせん断引張強度が大きくなる傾向が得られた。また、引張強度が980[MPa]のDP鋼では、4つのうち1つで溶接継手の破断形態がプラグ破断となった。したがって、溶接継手のせん断引張強度や破断形態の観点からでは、引張強度が590[MPa]以上の鋼板に、各実施形態で説明した手法を適用するのが望ましく、980[MPa]以上の鋼板に、各実施形態で説明した手法を適用するのがより望ましいことが分かる。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
11 電極
12 超音波衝撃装置
13 制御装置
14 鋼板
15 ナゲット

Claims (4)

  1. 板を重ねてスポット溶接するスポット溶接方法であって、
    前記板を介して上下で対向する一対の電極の通電を制御して、当該板の溶接予定箇所を溶融及び凝固させて溶接継手を形成する過程のうち、当該鋼板の溶接予定箇所が溶融してナゲットが形成されてからの期間であって、少なくとも当該溶接予定箇所が溶融状態から凝固組織に移行しているときを含む期間のみ、当該溶接予定箇所に対して、当該溶接予定箇所の周囲の前記板の一部の領域、又は、前記電極の一部の領域に振動体を接した状態で当該振動体を振動させることにより機械的振動を与えて、当該溶接予定箇所の組織を微細化することを特徴とするスポット溶接方法。
  2. 第1の値を有する電流を前記電極に流して、前記板の溶接予定箇所を溶融させた後、前記第1の値よりも値が小さい第2の値を有する電流を前記電極に流して、当該溶接予定箇所を凝固させる過程のうち、少なくとも前記第2の値を有する電流を前記電極に流しているときに、当該溶接予定箇所に対して機械的振動を与えて、当該溶接予定箇所の組織を微細化することを特徴とする請求項1に記載のスポット溶接方法。
  3. 少なくとも前記溶接予定箇所に対して超音波衝撃を与えることにより、当該溶接予定箇所に対して機械的振動を与えることを特徴とする請求項1又は2に記載のスポット溶接方法。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のスポット溶接方法を用いて形成されたことを特徴とするスポット溶接継手。
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