JP2019118155A - スピーカ及びヘッドホン - Google Patents

スピーカ及びヘッドホン Download PDF

Info

Publication number
JP2019118155A
JP2019118155A JP2019085861A JP2019085861A JP2019118155A JP 2019118155 A JP2019118155 A JP 2019118155A JP 2019085861 A JP2019085861 A JP 2019085861A JP 2019085861 A JP2019085861 A JP 2019085861A JP 2019118155 A JP2019118155 A JP 2019118155A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
fin
sound
speaker
speaker unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019085861A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6816786B2 (ja
Inventor
康弘 美和
Yasuhiro Miwa
康弘 美和
光 永田
Hikaru Nagata
光 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JVCKenwood Corp
Original Assignee
JVCKenwood Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JVCKenwood Corp filed Critical JVCKenwood Corp
Priority to JP2019085861A priority Critical patent/JP6816786B2/ja
Publication of JP2019118155A publication Critical patent/JP2019118155A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6816786B2 publication Critical patent/JP6816786B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Headphones And Earphones (AREA)

Abstract

【課題】低音域の再生音量が増加するスピーカを提供する。【解決手段】背面解放型のスピーカユニット(5)と、その背面側を覆うように配置されスピーカユニット(5)との間にバックキャビティ(Va)を形成するハウジング部(1)と、バックキャビティ(Va)内に配設され、スピーカユニット(5)から離れるに従って拡径する環状又は弧状のフィン(12c)を少なくとも一つ有するフィンユニット(12)と、バックキャビティの側壁(13b)と底壁(13a)とを構成するバックカバー(13)の底壁に、スピーカユニットの中心軸線上(CL1)に頂部(13c1)を有してフィンユニットの正面方向に突出するコーン形状の突出部(13c)と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明はスピーカ及びヘッドホンに係り、特に、背面解放型のスピーカユニットを用いたスピーカ及びヘッドホンに関する。
スピーカユニットとエンクロージャとを含んで構成されるスピーカでは、スピーカユニットに背面解放型が用いられる場合がある。
また、ヘッドバンドを備えた所謂オーバーヘッドタイプのヘッドホンに用いられるスピーカユニットは、一般に背面解放型が用いられる。背面解放型のスピーカユニットは、スピーカユニットのケースの背面に開口部を有し、背面からも音を放出する。
この背面解放型のスピーカユニットを備えたオーバーヘッドタイプのヘッドホンが、特許文献1に記載されている。
特開2012−080219号公報
一般に、背面解放型のスピーカユニットと、そのスピーカユニットを取り付けたエンクロージャと、を有するスピーカ(スピーカシステム)は、エンクロージャの奥行が深い(長い)ほど、低音域の再生音量が増加することが経験的に知られている。
オーバーヘッドタイプのヘッドホンでは、スピーカユニットを収容し耳に当てられるハウジング部のバックカバーが、このエンクロージャに該当し、ハウジング部がスピーカに相当する。
そこで、ハウジング部の奥行を長くして低音域の再生音量の増加を図ることが検討されるが、ヘッドホンにおけるハウジング部は、耳への装着性の向上や意匠性などの観点から奥行の長い形状にすることが難しい。
そのため、奥行の短いスピーカや、ヘッドホンに対しては、エンクロージャやバックカバーの奥行を長くすることなく低音域の再生音量が増加する工夫が望まれている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、奥行を長くすることなく低音域の再生音量が増加するスピーカ及びヘッドホンを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は次の構成を有する。
1)背面解放型のスピーカユニットと、前記スピーカユニットの背面の側を覆うように配置され、前記スピーカユニットとの間にバックキャビティを形成するハウジング部と、前記バックキャビティ内に配設され、前記スピーカユニットから離れるに従って拡径する環状又は弧状のフィンを少なくとも一つ有するフィンユニットと、前記バックキャビティの側壁と底壁とを構成するバックカバーの底壁に、前記スピーカユニットの中心軸線上に頂部を有して前記フィンユニットの正面方向に突出するコーン形状の突出部と、を備えることを特徴とするスピーカである。2)1)に記載されたスピーカの一対と、前記一対のスピーカ同士を連結するヘッドバンドと、を備えたことを特徴とするヘッドホンである。
本発明によれば、奥行を長くすることなく低音域の再生音量が増加する、という効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態に係るヘッドホンの実施例であるヘッドホン51の全体構成を説明するための斜視図である。 図2は、ヘッドホン51におけるハウジング部1を説明するための斜視的断面図である。 図3は、ハウジング部1を説明するための斜視的組立て図である。 図4は、ハウジング部1に収容されるスピーカユニット5の背面図である。 図5は、ハウジング部1が備えるフィンユニット12を説明するための斜視図であり、図2に示されたフィンユニット12の拡大図である。 図6は、フィンユニット12を背面方向の側からみた斜視図である。 図7は、フィンユニット12の正面図である。 図8は、ハウジング部1の模式的断面図である。 図9は、比較例としてのフィンユニット12を備えていないハウジング部101を説明するための断面図である。 図10は、ハウジング部1及びハウジング部101の音圧周波数特性を示すグラフである。 図11は、スピーカユニット5の背面から放出された音のハウジング部1内の伝播経路での横断面積を説明するための模式図である。
本発明の実施の形態に係るヘッドホンを、好ましい実施例であるヘッドホン51により図1〜図11を用いて説明する。
図1は、ヘッドホン51を説明するための外観斜視図である。
ヘッドホン51は、オーバーヘッドタイプであって、使用時に左耳に対応して宛がわれるハウジング部1と右耳に対応して宛がわれるハウジング部2と、ハウジング部1とハウジング部2とを連結する湾曲したヘッドバンド3と、を有している。
ハウジング部1,2は、概ね扁平の円柱状に形成され、それぞれに、柔軟な耳当てパッド4が着脱自在に装着される。
ハウジング部1,2の内部には、それぞれスピーカユニット5が収容されている。
図2は、図1のハウジング部1におけるS2−S2位置での斜視的断面図である。図3は、ハウジング部1の斜視的組立て図である。図2及び図3では、耳当てパッド4を不図示としている。また、以下の説明において、正面方向と背面方向とを、図2に示されるように規定する。ヘッドホン51の使用状態で、正面方向の側に耳が位置し、背面方向は頭部から離れる方向となる。
図2及び図3に示されるように、ハウジング部1は、正面方向となる側にバッフル板11を有する。バッフル板11は、円盤状に形成され、小径部分が放射格子形状の空気流通可能な放音部11aとされている。
スピーカユニット5は、バッフル板11における放音部11aの裏面側(背面方向の側)に、バッフル板11側を正面とする姿勢で配置されている。図3においてスピーカユニット5は、模式的に円盤状に記載されている。
ハウジング部1は、スピーカユニット5の背面方向の側に配置されバッフル板11に対しスピーカユニット5を挟持してねじ固定されたフィンユニット12と、スピーカユニット5及びフィンユニット12を覆うようにバッフル板11にねじ固定された扁平鍋状のバックカバー13と、を有する。
バッフル板11とバックカバー13とに囲まれて、スピーカユニット5の背面方向の側には実質的に密閉されたバックキャビティVa(図2参照)となる空間が形成される。以下、空間Vaとも称する。
図2に示されるように、スピーカユニット5は、ケース5c及びケース5cに正面方向となる側で支持された振動板5sを有している。
スピーカユニット5,フィンユニット12,及びバックカバー13は、平面視で外形が概ね円形とされ、それぞれの中心軸を共通の中心軸線CL1として組み付けられている。
次に、図4も参照してスピーカユニット5について説明する。
図4は、スピーカユニット5の背面図である。スピーカユニット5は、扁平円盤状を呈する背面解放型である。
従って、音声出力時には、振動板5sの振動で生じた音は、正面のみならず、背面の背面放音部5aからも放出される。
すなわち、スピーカユニット5のケース5cは、正面方向となる側に図示しない放音孔を有し、背面方向となる側にも開口部として背面放音部5aを有している。
具体的には、スピーカユニット5は、背面放音部5aとして、中心軸線CL1位置を中心とする半径r1の円形範囲として設けられた中心放音部5a1と、半径r2と半径r3との間の環状範囲として設けられた環状放音部5a2とを有する。環状放音部5a2の内縁と外縁とは、この例において相似形状とする。
中心放音部5a1及び環状放音部5a2には、それぞれ発泡樹脂シート等で形成された音響フィルタ5b1及び音響フィルタ5b2が装着されている。
次に、図5〜図7を主に参照してフィンユニット12について説明する。
図5は、図3に斜視図で示されたフィンユニット12の拡大図である。図6は、フィンユニット12を背面方向の側から見た斜視図である。図7はフィンユニット12の正面図である。
フィンユニット12は、中心軸線CL1を中心として、同心で径の異なる三つの環状のフィン12a,12b,12cと、フィン12a〜12c同士を連結する三本の放射状の支持梁12dと、を有して樹脂によって形成されている。
各支持梁12dには、図2及び図5に示されるように、周方向に延在し正面方向に突出したリブ12d1が形成されている。
三つのフィン12a〜12cは、正面方向の側端部12a1〜12c1において最小径とされ、背面方向に進むに従って拡径する拡径部12a2〜12c2を有して環状又は弧状に形成されている。ここでは環状に形成され、背面方向に向かうラッパ型のものを説明する。フィン12a〜12cが弧状に形成されるのは、ハウジング部1の内部に端子などが設けられていて、環状に形成できない場合や、環状部分に配線部分が重なる場合である。
フィン12a〜12cの形状を図2及び図7を主に参照して具体的に説明する。
フィン12aは、正面側端部12a1の内半径がR4Sとされ、正面側端部12a1から背面方向に進むに従って徐々に拡径し半径R4Eの背面側端部12a3に至る環状の拡径部12a2を有している。
フィン12bは、正面側端部12b1の内半径が半径R4Eよりも大なる半径R5Sとされ、背面方向に進むに従って徐々に拡径し半径R5Eの背面側端部12b3に至る環状の拡径部12b2を有している。
フィン12cは、正面側端部12c1の内半径が半径R5Eよりも大なる半径R6Sとされ、背面方向に進むに従って徐々に拡径し半径R6Eの背面側端部12c3に至る環状の拡径部12c2を有している。
フィン12cは、さらに背面側端部12c3に接続し、正面方向にほぼ同一半径の半径R6Eで円環状に延出して背面放音部5aから放出された音の伝播距離を長くするための戻りフィン部12c4を有している。
フィン12cは、拡径部12c2の正面方向となる側における支持梁12dに対応する位置に、正面方向に延び周方向に離隔した三本のボス12c5を有する。ボス12c5には、下穴が形成されており、バッフル板11に対し、その正面方向の側からタッピングねじ(図示せず)で締め付け固定される。
この締め付け固定状態で、三本の支持梁12dそれぞれに設けられたリブ12d1が、スピーカユニット5のケース5cにおける半径r1〜半径r2(図4参照)の非開口部5c1に当接している。
これにより、スピーカユニット5は、バッフル板11とフィンユニット12との間において正背方向に隙間なく保持される。
次に、バックカバー13について説明する。
バックカバー13は、図3に示されるように、円板状の底壁13aと、底壁13aの周囲から環状に立設する側壁13bと、を有して樹脂により形成されている。
底壁13aにおける側壁13bの近傍には、周方向に離隔して四本のボス13a2が立設している。
ボス13a2には、下穴が形成されており、ボス13a2に対し、バッフル板11がその正面方向となる側からタッピングねじ(図示せず)で締め付け固定される。
この締め付け固定により、バッフル板11,スピーカユニット5,及びバックカバー13で囲まれた空間Vaは、バックキャビティとして実質的に密閉状態で形成される。
底壁13aには、中心軸線CL1上に頂部13c1を有するコーン形状の突出部13cが形成されている。突出部13cの傾斜周面13c2は、径方向断面において凹面となっている。
図8は、ハウジング部1における、スピーカユニット5の背面放音部5aと、フィンユニット12のフィン12a〜12cと、の径方向及び正背方向の位置関係を説明するための模式的断面図である。図8は、図2の斜視的断面形状を模式的平面状に記載したものである。
図8において、中心放音部5a1と環状放音部5a2とは、共に正背方向の同じ位置にあり、その位置と底壁13aの内面13a1との間の正背方向距離を距離L1とする。
図8に示されるように、環状のフィン12aの正面側端部12a1は、スピーカユニット5の中心放音部5a1の外周縁にほぼ対応した位置にある。
すなわち、半径r1と半径R4Sとが、比較的近い値で対応している。例えば、半径R4Sは、半径r1の±5%の範囲内であるとよい。
環状のフィン12bの正面側端部12b1は、スピーカユニット5の環状放音部5a2の小径周縁にほぼ対応した位置にある。
すなわち、半径r2と半径R5Sとが、比較的近い値となっている。例えば、半径R5Sは、半径r2の±10%の範囲内であるとよい。
環状のフィン12cの正面側端部12c1は、スピーカユニット5の環状放音部5a2の大径周縁にほぼ対応した位置にある。
すなわち、半径r3と半径R6Sとが、比較的近い値になっている。例えば、半径R6Sは、半径r3の±15%の範囲内であるとよい。
フィン12aは、フィン12b及びフィン12cよりも小径で内側にあるため、フィン12b及びフィン12cに対する内フィンとなる。同様に、フィン12bは、フィン12cに対する内フィンとなる。
フィン12a〜12cは、スピーカユニット5のケース5cに対し、接触せずに隙間が生じるよう背面方向に離隔して設けられている。
これにより、スピーカユニット5の出力時に、ケース5cとフィン12a〜12cとの接触ノイズが生じることがない。
バックカバー13の突出部13cの頂部13c1は、正背方向において、フィン12aの正面側端部12a1と背面側端部12a3との間に位置している。
ハウジング部1は、フィンユニット12及び突出部13cを有する上述の構成によって、背面放音部5aから空間Va内に放出された音が、フィンユニット12及び突出部13cが無い場合(従来のハウジング部)と比べて、長い距離を伝播するようになっている。
また、フィンユニット12は、背面放音部5aとバックカバー13の内面13a1との間に仕切り壁として配置される。従って、フィンユニット12を有することで、背面放音部5aから放出され、内面13a1に反射して背面放音部5aに戻る、いわゆる戻り音が減少する。
図9は、ハウジング部1からフィンユニット12及び突出部13cを削除した、比較例としてのハウジング部101を示す断面図である。詳しくは、スピーカユニット5にインパルス信号を入力させたときの音の伝播態様例を説明する図である。
ハウジング部101では、中心放音部5a1及び環状放音部5a2から背面方向に放出された中心放出音D101及び環状放出音D102は、背面方向に距離L1だけ伝播すると、障壁となる底壁13aの内面13a1に到達する。
そして、中心放出音D101及び環状放出音D102は、内面13a1で反射し、反射音DH101,DH102として中心放音部5a1と環状放音部5a2に戻る。
このように、ハウジング部101において、中心放出音D101及び環状放出音D102の伝播距離は、距離L1となる。
これに対し、図8に示されるハウジング部1では、中心放音部5a1から背面方向に放出された中心放出音D1は、フィン12aの拡径部12a2と突出部13cの傾斜周面13c2との間の経路を通り、それらに誘導されて背面方向に進むと共に径方向外方へ伝播する。突出部13cを配置することで、径方向外方への伝播が促進される。突出部13cが配置されてなくても中心放音部5a1から背面方向に放出された中心放出音D1は径方向外方へ伝播する。
そして、中心放出音D1は、底壁13aの内面13a1に沿って径方向外方に伝播する(矢印経路D1a)。
次いで中心放出音D1は、側壁13bと戻りフィン部12c4との間を正面側に伝播する(矢印経路D1b)。
次いで中心放出音D1は、戻りフィン部12c4の正面側端部12c6とバッフル板11の背面11bとの間を中心軸線CL1に向かい伝播した後(経路矢印D1c)、フィン12cの拡径部12c2における正面方向の側の面12c7に到達する(経路矢印D1d)。
すなわち、中心放出音D1の伝播経路は、経路矢印D1a〜経路矢印D1dで示される経路となり、伝播距離は、概ね、距離L1の2.5倍と距離L2とを加えた距離となる。
距離L2は、中心軸線CL1から、側壁13bと戻りフィン部12c4との間の中点まで、の距離である。
一方、環状放音部5a2から背面方向に放出された環状放出音D2は、フィン12bの拡径部12b2とフィン12cの拡径部12c2との間を通り、それらに誘導されて背面方向に進むと共に径方向外方に伝播する。
その後、中心放出音D1と同様の伝播経路、すなわち、経路矢印D1b〜D1dに示される経路でフィン12cの拡径部12c2の正面方向の側の面12c7に到達する。
すなわち、環状放出音D2の伝播経路は、経路矢印D2a及び経路矢印D1b〜経路矢印D1dで示される経路となり、伝播距離は、概ね、距離L1の2.5倍と距離L3とを加えた距離となる。
距離L3は、環状放音部5a2の径方向中心位置と、距離L2の最大径位置との間の距離である。
このように、ハウジング部1は、フィンユニット12を有することで、ハウジング部101と奥行が同じ長さであっても、中心放出音D1及び環状放出音D2の伝播経路長(伝播距離)が、著しく長くなっている。このように中心放出音D1の伝播経路と環状放出音D2の伝播経路とが合流する構成にすることによって、放音部5a1,5a2から放出された音が伝搬経路の放音部5a1、5a2からもっとも遠い経路端まで到達しやすくなる。
図10は、ハウジング部1による再生音と、ハウジング部101による再生音と、の違いを比較するための音圧周波数特性を示すグラフである。
実線がハウジング部1による再生音の特性を示し、一点鎖線がハウジング部101による再生音の特性を示している。
図10には、フィンユニット12及び突出部13cの有無を違いとする二つの特性が示
されるが、フィンユニット12及び突出部13cを有するハウジング部1の再生音の方が、低音域の音圧が高く、音量が増加していることがわかる。
以上詳述したように、ハウジング部1は、ハウジング部1に対しフィンユニット12及び突出部13cを備えていないハウジング部101と比較して、空間Vaの正背方向の距離L1が同じでありながら、背面放音部5aから放出された音の伝播距離が長くなっている。
そして、実測値で、低音域の音圧が高くなっていることが確認されている。
すなわち、ハウジング部1を備えたヘッドホン51は、ハウジング部1の奥行を長くすることなく低音域の再生音量が増加している。
また、ハウジング部101で生じる、中心放音部5a1に戻る反射音DH101は、ハウジング部1では、突出部13cが設けられているために生じることがない。
従って、中心放音部5a1に戻る反射音が振動板5sの振動に影響を与えることはなく、ハウジング部1による再生音は、歪が少ない。
また、ハウジング部1において、環状放音部5a2から背面方向に放出され底壁13aの内面13a1に達して反射した反射音は、フィン12bに大部分が遮断されるので、再び環状放音部5a2に戻る反射音は僅かとなる。
従って、環状放音部5a2から放出された環状放出音D2の反射音が振動板5sの振動に影響を与える程度は僅かであり、ハウジング部1による再生音は、この点においても歪が少ない。
ハウジング部1では、環状放音部5a2から放出された音の伝播経路の横断面積(伝播方向に対する直交方向の断面積)が一定となるように、フィン12a〜12c及び底壁13aの突出部13cの形状が決められている。
例えば、図8において、中心放音部5a1から放出した中心放出音D1は、フィン12aの拡径部12a2と突出部13cの傾斜周面13c2とに誘導され、背面方向に伝播するに従って径方向の外方へ伝播する。
フィン12aは、図6などに示されるように環状に形成されているので、中心放出音D1は、360°の全周に亘り拡径するように伝播する。
従って、伝播経路の単位角度範囲の横断面積が一定だとすると、伝播経路の総横断面は伝播と共に拡大する。
バックキャビティである空間Va内を伝播させる際に、伝播経路の横断面積である伝播方向に直交する方向の断面積が大きく変化すると、音質の低下を招く傾向にあることが経験的に知られている。
そこで、ハウジング部1では、環状に伝播する中心放出音D1及び環状放出音D2の伝播経路の横断面積が、径によらず概ね一定となるように各形状が設定されている。
図11は、この横断面積を一定にする方法を模式的に示した斜視図である。
図11において、音源DSから放出され全周方向に伝播する音の経路Tの、半径がRaの位置での経路幅をhaとし、半径がRaより大なるRbの位置での経路幅をhbとする。
Ra位置での経路Tの横断面積Saは、Sa=2πRa×haであり、Rb位置での経
路Tの横断面積Sbは、Sb=2πRb×hbである。
好ましい態様であるSa=Sbとするためには、
hb=(Ra/Rb)×ha (式1)
とすればよい。
この考え方を、ハウジング部1に適用すると、図8に示されるようになる。
すなわち、底壁13aとフィン12a〜12cの背面側端部12a3〜12c3との間の正背方向の幅を、幅h12a〜h12cとする。また、背面側端部12a3〜12c3のそれぞれの半径をR4E,R5E,R6Eとする(図7も参照)。
このとき、背面側端部12a3〜12c3位置での経路横断面積S12a,S12b,
S12cは、次のように示される。
S12a=2πR4E×h12a (式2)
S12b=2πR5E×h12b (式3)
S12c=2πR6E×h12c (式4)
従って、好ましい態様のS12a=S12b=S12cとするために、
h12b=(R4E/R5E)×h12a (式5)
h12c=(R4E/R6E)×h12a (式6)
とすればよい。
本発明の実施例は、上述した構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよい。
ヘッドホン51は、ヘッドバンドを有するいわゆるオーバーヘッドタイプに限定されない。耳掛けハンガを備えて耳介に装着される耳掛けタイプのヘッドホンなど、他の態様のヘッドホンであってもよい。
環状放音部5a2は、連続した完全な環状領域でなくてもよい。不連続とする部分を有するC字状、すなわち、弧状領域とされていてもよい。
また、中心放音部5a1および環状放音部5a2は、複数の孔で構成されてもよい。この場合、環状放音部5a2は、環状又は弧状を形成するように配置される。
また、フィンも連続した完全な環状でなくてよい。すなわち、弧状に形成されていてもよい。
上記のフィン12a〜12cのいずれかと環状放音部5a2とを組み合わせた場合において、そのフィンが弧状で環状放音部5a2が環状の場合は、フィンの弧状の周方向の範囲で本発明の効果を奏する。反対に、フィンが環状で環状放音部5a2が弧状の場合は、環状放音部5a2の弧状に対応するフィンの周方向の範囲で本発明の効果を奏する。
ハウジング部1のバックカバー13をエンクロージャとしてみれば、スピーカユニット5とバックカバー13とを含んで、いわゆるスピーカシステムと称されるスピーカSPが構成される。このスピーカSPも本発明に含まれる。
スピーカSPは、例えばデザインの制約上で奥行を長くできない場合、上述のフィンユニット12を有する実施例の構成にすることでヘッドホン51と同様の効果が得られる。
1,2 ハウジング部
3 ヘッドバンド
4 耳当てパッド
5 スピーカユニット
5a 背面放音部、 5a1 中心放音部、 5a2 環状放音部
5b1,5b2 音響フィルタ、 5c ケース、 5c1 非開口部
5s 振動板
11 バッフル板、 11a 放音部、 11b 背面
12 フィンユニット
12a〜12c フィン、 12a1〜12c1 正面側端部
12a2〜12c2 拡径部、 12a3〜12c3 背面側端部
12c4 戻りフィン部、 12c5 ボス、 12c6 正面側端部
12c7 (正面方向の側の)面、 12d 支持梁、 12d1 リブ
13 バックカバー
13a 底壁、 13a1 内面、 13a2 ボス、 13b 側壁
13c 突出部、 13c1 頂部、 13c2 傾斜周面
51 ヘッドホン
CL1 中心軸線
D1 中心放出音、 D2 環状放出音
DH1,DH2,DH101,DH102 反射音
ha,hb 経路幅、 L1〜L3 距離
r1〜r3,R4S,R4E,R5S,R5E,R6S,R6E,Ra,Rb 半径、
Sa,Sb (伝播経路の)横断面積、 T 経路
Va 空間(バックキャビティ)
SP スピーカ

Claims (3)

  1. 背面解放型のスピーカユニットと、
    前記スピーカユニットの背面側を覆うように配置され、前記スピーカユニットとの間にバックキャビティを形成するハウジング部と、
    前記バックキャビティ内に配設され、前記スピーカユニットから離れるに従って拡径する環状又は弧状のフィンを少なくとも一つ有するフィンユニットと、
    前記バックキャビティの側壁と底壁とを構成するバックカバーの底壁に、前記スピーカユニットの中心軸線上に頂部を有して前記フィンユニットの正面方向に突出するコーン形状の突出部と、
    を備えることを特徴とするスピーカ。
  2. 前記フィンユニットは、前記フィンの最大径部位に接続し前記バックカバーの側壁と間隔を有して前記フィンユニットの正面方向に延出して形成される戻りフィン部を備えた請求項1に記載のスピーカ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のスピーカの一対と、前記一対のスピーカ同士を連結するヘッドバンドと、を備えたことを特徴とするヘッドホン。
JP2019085861A 2019-04-26 2019-04-26 スピーカ及びヘッドホン Active JP6816786B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019085861A JP6816786B2 (ja) 2019-04-26 2019-04-26 スピーカ及びヘッドホン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019085861A JP6816786B2 (ja) 2019-04-26 2019-04-26 スピーカ及びヘッドホン

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015146805A Division JP6520520B2 (ja) 2015-07-24 2015-07-24 スピーカ及びヘッドホン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019118155A true JP2019118155A (ja) 2019-07-18
JP6816786B2 JP6816786B2 (ja) 2021-01-20

Family

ID=67305420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019085861A Active JP6816786B2 (ja) 2019-04-26 2019-04-26 スピーカ及びヘッドホン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6816786B2 (ja)

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021003405A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003402A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003404A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003407A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003403A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003410A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003408A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003409A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003406A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029561A (ja) * 2019-08-23 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029497A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029494A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029491A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029560A (ja) * 2019-08-23 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029498A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029496A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029492A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029495A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029493A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021058265A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021058269A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021058264A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021058266A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021058268A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021058267A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 株式会社三洋物産 遊技機

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021003405A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003402A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003404A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003407A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003403A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003410A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003408A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003409A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021003406A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029491A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029495A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029494A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029493A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029497A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029498A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029496A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029492A (ja) * 2019-08-22 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029560A (ja) * 2019-08-23 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021029561A (ja) * 2019-08-23 2021-03-01 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021058265A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021058269A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021058264A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021058266A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021058268A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 株式会社三洋物産 遊技機
JP2021058267A (ja) * 2019-10-03 2021-04-15 株式会社三洋物産 遊技機

Also Published As

Publication number Publication date
JP6816786B2 (ja) 2021-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019118155A (ja) スピーカ及びヘッドホン
JP6520520B2 (ja) スピーカ及びヘッドホン
JP3188023U (ja) デュアルダイナミック型コアキシャルイヤフォン
JP6668138B2 (ja) イヤホン
CN108632700B (zh) 头戴式耳机
JP6727852B2 (ja) ヘッドホン
JP6924962B2 (ja) スピーカ装置
JP4962221B2 (ja) ヘッドホン
JPWO2019035304A1 (ja) 音響出力装置
WO2022143209A1 (zh) 发声单体和耳机
JP2019041271A (ja) フレーム及びこれを用いるスピーカーユニット並びにヘッドホン、イヤホン
JP6176096B2 (ja) ヘッドホン装置
EP3200476B1 (en) Headphone
JP2019118154A (ja) スピーカ及びヘッドホン
JP5201889B2 (ja) 同軸スピーカ装置
US11647325B2 (en) Headphones
JP6024340B2 (ja) ヘッドホン
JP2016100701A (ja) スピーカ
JP7415129B2 (ja) スピーカー取付部材、および、これを備えるスピーカー、電子楽器
JP2020043547A (ja) イヤホン用スピーカ
WO2022185866A1 (ja) スピーカー装置
CN215818591U (zh) 扬声器
JP2018085670A (ja) ヘッドホン
JP2008205880A (ja) リング型スピーカーおよびこれを用いたスピーカーシステム
JP5178043B2 (ja) スピーカ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190426

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200317

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200514

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6816786

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150