JP2019117624A - 車載装置、通信システム、および動機付けシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の乗員の状態の異状に応じて、当該車両の運転手に適切な運転を促す技術を提供する。【解決手段】車両の車載装置は、当該車両の乗員の状態の異状を検知する検知部(110)と、当該乗員の状態に異状があると前記検知部が検知したことに基づいて、当該車両の外部に報知を行う車外報知部(140)と、当該車両の乗員の状態に異状があると検知部が検知したことに基づいて、当該車両の乗員の状態に異状があることが当該車両以外の他車両に報知されたと、当該車両の運転手(AP)に通知する車内報知部(150)と、を備える。【選択図】図4
Description
本発明は、車載装置、通信システム、および動機付けシステムに関するものである。
特許文献1には、或る車両の運転手の覚醒度が低下したことを他車両に通知する通信システムが知られている。
しかし、発明者の検討によれば、特許文献1に記載された手法は、当該或る車両の運転手自体が適切な運転を行うための動機付けとはなり難い。また、発明者の検討によれば、このような観点は運転手の覚醒度の低下のみならず、乗員の状態の異状全般に当てはまることである。
本発明は上記点に鑑み、車両の乗員の状態の異状に応じて、当該車両の運転手に適切な運転を促す技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、
車両(A)の乗員の状態の異状を検知する検知部(110)と、
前記乗員の状態に異状があると前記検知部が検知したことに基づいて、前記車両の外部に報知を行う車外報知部(140、145、147)と、
前記車両の乗員の状態に異状があると前記検知部が検知したことに基づいて、前記車両の前記乗員の状態に異状があることが前記車両以外の他車両(B、C、D、E)に報知されたと、前記車両の運転手(AP)に通知する車内報知部(150、155)と、を備えた車載装置である。
車両(A)の乗員の状態の異状を検知する検知部(110)と、
前記乗員の状態に異状があると前記検知部が検知したことに基づいて、前記車両の外部に報知を行う車外報知部(140、145、147)と、
前記車両の乗員の状態に異状があると前記検知部が検知したことに基づいて、前記車両の前記乗員の状態に異状があることが前記車両以外の他車両(B、C、D、E)に報知されたと、前記車両の運転手(AP)に通知する車内報知部(150、155)と、を備えた車載装置である。
このように、車両の乗員の状態に異状があることが当該車両以外の他車両に報知されたと、当該車両の運転手に通知することで、当該運転手がその異状に応じた適切な運転を行う可能性が高くなる。これは、「自分が運転している車両の誰かの健康に異状があるのに運転していることを他車両に知られることで、その異状に応じた適切な運転を行わないのは恥ずかしい。」という意識が当該運転手に働くからである。つまり、運転手の羞恥心を利用して適切な運転を促すことができる。
また、請求項8に記載の発明は、或る車両(A)とは異なる他車両(B、C、D、E)に搭載される車載装置であって、
前記或る車両の乗員の状態に異状があることの報知を受信する受信部(210)と、
前記受信部が前記報知を受信したことに基づいて、可視光を発して視覚的に、または、可聴範囲の周波数の音を発して聴覚的に、前記或る車両に報知を行う車外報知部(250)と、を備えた車載装置である。
前記或る車両の乗員の状態に異状があることの報知を受信する受信部(210)と、
前記受信部が前記報知を受信したことに基づいて、可視光を発して視覚的に、または、可聴範囲の周波数の音を発して聴覚的に、前記或る車両に報知を行う車外報知部(250)と、を備えた車載装置である。
このように、或る車両の乗員の状態に異状があることの報知を他車両が受信した場合に、当該他車両が、可視光を発して視覚的に、または、可聴範囲の周波数の音を発して聴覚的に、当該或る車両に報知を行う。これにより、当該或る車両の運転手がその異状に応じた適切な運転を行う可能性が高くなる。これは、「自分が運転している車両の誰かの健康に異状があるのに運転していることを他車両に知られることで、その異状に応じた適切な運転を行わないのは恥ずかしい。」という意識が当該運転手に働くからである。つまり、当該或る車両の運転手の羞恥心を利用して適切な運転を促すことができる。
また、請求項9に記載の発明は、通知システムであって、
或る車両(A)に搭載され、前記或る車両の乗員の状態に異状があることに基づいて、前記或る車両の外部に報知を行う第1車載装置(A5)と、
前記車両(A)とは異なる他車両(B、C、D、E)に搭載され、前記或る車両の乗員の状態に異状があることの報知を受信する第2車載装置(X5)と、を備える。
或る車両(A)に搭載され、前記或る車両の乗員の状態に異状があることに基づいて、前記或る車両の外部に報知を行う第1車載装置(A5)と、
前記車両(A)とは異なる他車両(B、C、D、E)に搭載され、前記或る車両の乗員の状態に異状があることの報知を受信する第2車載装置(X5)と、を備える。
前記第1車載装置(A5)は、前記或る車両の乗員の状態に異状があることに基づいて、前記車両の前記乗員の状態に異状があることが前記他車両に報知されたと、前記或る車両の運転手(AP)に通知する。
このように、或る車両の乗員の状態に異状があることが当該或る車両以外の他車両に報知されたと、当該或る車両の運転手に通知することで、当該運転手がその異状に応じた適切な運転を行う可能性が高くなる。これは、「自分が運転している車両の誰かの健康に異状があるのに運転していることを他車両に知られることで、その異状に応じた適切な運転を行わないのは恥ずかしい。」という意識が当該運転手に働くからである。つまり、運転手の羞恥心を利用して適切な運転を促すことができる。
なお、本欄および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載されて当該用語の例となる具体物等との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る通信システムは、或る車両Aと、当該車両Aと同じ道路上の所定の領域内で同じ方向に(または逆方向に)走行する他車両B、C、D、Eを含む。これら車両A、B、C、D、Eの数は、図1のように5台に限らず、複数であれば5台より多くても少なくてもよい。
以下、第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る通信システムは、或る車両Aと、当該車両Aと同じ道路上の所定の領域内で同じ方向に(または逆方向に)走行する他車両B、C、D、Eを含む。これら車両A、B、C、D、Eの数は、図1のように5台に限らず、複数であれば5台より多くても少なくてもよい。
図1に示すように、車両Aは、無線通信によって情報を近傍の他車両B、C、D、Eに送信する。より具体的には、車両Aは、車両Aに搭乗する運転手の覚醒度が基準値を下回ったことに基づいて、無線通信によって、他車両B、C、D、Eに、当該運転手の覚醒度が基準値を下回ったことを示す情報を、送信する。そして、他車両B、C、D、Eは、受信した情報に基づいた作動を実現する。
図2に示すように、車両Aの車室内には、通信装置A1、眠気検知装置A2、覚醒装置A3、車内報知装置A4、制御装置A5等の第1車載装置が設置されている。
通信装置A1は、制御装置A5が他車両B、C、D、Eに情報を無線通信によって送信するための通信インターフェースである。通信装置A1が利用する無線通信の方式は、例えば、IEEE802.11シリーズのいずれかであってもよいし、その他どのような車車間通信方式であってもよい。通信装置A1は、例えば、車室内のダッシュボード内に設置される。
眠気検知装置A2は、車両Aの運転手APの覚醒度を特定し、特定結果を制御装置A5に出力する装置である。眠気検知装置A2は、例えば、車室内における天井に設置されてもよい。覚醒度は、眠気が強いほど低くなる正の値である。運転手等の乗員の覚醒度を検出する技術は周知であるので、眠気検知装置A2の構成の詳細については説明を省略する。
例えば、眠気検知装置A2は、運転手APの顔面をカメラで撮影し、顔面の撮影画像に対して周知の画像認識手法を適用することで、運転手APの表情に応じた運転手APの覚醒度を特定してもよい。また例えば、眠気検知装置A2は、運転手APの体温および心拍数の一方または両方を検出する生体機能センサを備え、当該生体機能センサの検出結果に基づいて、運転手APの覚醒度を特定してもよい。また、眠気検知装置A2は、車両の移動軌跡を検出するセンサを備え、当該センサが検出した移動軌跡に基づいて、車両Aの左右のふらつき(すなわち、車両Aの運転状態)に応じた運転手APの覚醒度を特定してもよい。
覚醒装置A3は、制御装置A5からの命令に従って車両Aの運転手APに感覚刺激を与えることで、運転手APの覚醒度を高める装置である。覚醒装置A3は、例えば、車室内における天井に設置されてもよい。運転手等の乗員に感覚刺激を与える技術は周知であるので、覚醒装置A3の構成の詳細については説明を省略する。
例えば、覚醒装置A3は、冷風や暖風を運転手APに吹き出して温感刺激または冷感刺激を運転手APに感じさせる装置であってもよい。また例えば、覚醒装置A3は、方向化合物を運転手APの近傍に吹き出すことで運転手APの嗅覚を刺激する装置であってもよい。また例えば、覚醒装置A3は、警告音を車室内に発することで運転手APの聴覚を刺激する装置であってもよい。また例えば、覚醒装置A3は、警告映像を車室内のディスプレイに表示することで運転手APの視覚を刺激する装置であってもよい。また例えば、覚醒装置A3は、運転手APの座席およびステアリングハンドルの一方または両方を振動させることで運転手APの皮膚の触覚を刺激する装置であってもよい。
車内報知装置A4は、制御装置A5からの命令に従って、運転手APを含む車両Aの乗員に、覚醒度の低下に関する報知を音声または映像で行う装置である。車内報知装置A4は、例えば、車室内のダッシュボード内に設置されてもよい。車内報知装置A4は、車両に固定されたナビゲーション装置であってもよいし、乗員が携帯して車両内に持ち込んだ携帯端末であってもよい。
制御装置A5は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を備えた周知のマイクロコンピュータである。当該CPUが、ROM、フラッシュメモリ等に記録されたプログラムを実行することで、制御装置A5が後述する種々の処理を実現する。RAMは、CPUが上記プログラムを実行するときに作業領域として使用される。RAMよびROMは、非遷移的実体的記憶媒体(すなわち、一時的でない有体の記憶媒体)である。制御装置A5は、例えば、車室内のダッシュボード内に設置されてもよい。
図3に示すように、他車両B、C、D、Eの各々には、その車室内に、通信装置X1、車内報知装置X4、制御装置X5等の第2車載装置が設置されている。
通信装置X1は、制御装置X5が車両Aから情報を無線通信によって受信するための通信インターフェースである。通信装置X1が利用する無線通信の方式は、例えば、IEEE802.11シリーズのいずれかであってもよいし、その他どのような車車間通信方式であってもよい。通信装置X1は、例えば、車室内のダッシュボード内に設置される。
車内報知装置X4は、制御装置X5からの命令に従って、自機の搭載先の車両の乗員(例えば運転手XP)に、車両Aの運転手APの覚醒度の低下に関する報知を音声または映像で行う装置である。車内報知装置X4は、車両に固定されたナビゲーション装置であってもよいし、乗員が携帯して車両内に持ち込んだ携帯端末であってもよい。
制御装置X5は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を備えた周知のマイクロコンピュータである。当該CPUが、ROM、フラッシュメモリ等に記録されたプログラムを実行することで、制御装置X5が後述する種々の処理を実現する。RAMは、CPUが上記プログラムを実行するときに作業領域として使用される。RAMよびROMは、非遷移的実体的記憶媒体(すなわち、一時的でない有体の記録媒体)である。制御装置X5は、例えば、車室内のダッシュボード内に設置されてもよい。制御装置X5は、車載装置に対応する。
以上のような構成の通信システムの作動について、以下詳細に説明する。車両Aの制御装置A5は、車両Aが走行を開始すると、図4に示す処理の実行を開始する。制御装置A5は、車両Aが走行を開始したか否かは、例えば、不図示の車輪速センサからの出力に基づいて判定してもよい。
図4の処理において、制御装置A5は、まずステップ110で、眠気検知装置A2から出力された覚醒度に基づいて、運転手APが眠気を感じているか否かを判定する。具体的には、制御装置A5は、当該覚醒度が基準値より低いときに運転手APが眠気を感じていると判定し、当該覚醒度が当該基準値より高いときに運転手APが眠気を感じていないと判定する。制御装置A5は、ステップ110を実行することで検知部として機能する。
制御装置A5は、運転手APが眠気を感じていないと判定した場合、再度ステップ110の判定を行う。したがって、制御装置A5は、車両Aの走行中、運転手APが眠気を感じていると判定するまで、ステップ110の判定を繰り返す。
運転手APが眠気を感じていると判定した場合、制御装置A5はステップ120に進み、覚醒装置A3に所定の作動命令を出力することで、覚醒装置A3を作動させる。この作動命令を受けた覚醒装置A3は、既に説明したような方法で、規定時間(例えば1分以上)継続して、運転手APに感覚刺激を与える。この感覚刺激によって運転手APの覚醒度が高まって運転手APの眠気が収まる場合もあれば、依然として眠気が収まらない場合もある。この感覚刺激によって運転手APの覚醒度が高まれば、車両Aおよびその周辺の他車両B、C、D、Eの走行の安全性が高まる。制御装置A5は、ステップ120を実行することで、覚醒制御部として機能する。
覚醒装置A3の作動停止の後、制御装置A5は、ステップ130で、直近の所定時間内の車内報知装置A4の作動回数が基準回数(例えば3回)以上であるか否かを判定し、基準回数以上であればステップ140に進み、基準回数未満であればステップ110に戻る。直近の所定時間とは、所定時間前から現在までの期間(例えば10分前から現在までの期間)をいう。なお、この基準回数は、2以上である。また、この所定時間は、上述の規定時間(すなわち、覚醒装置A3の作動継続時間)に上記基準回数を乗算した値よりも十分に大きい。
例えば、車両Aの走行開始後に初めてステップ120の制御で覚醒装置A3が作動することにより、運転手APの眠気が覚めたとする。その場合、制御装置A5は、続いてステップ130で、直近の所定時間内の車内報知装置A4の作動回数が基準回数以上でないと判定し、ステップ110に戻る。そして制御装置A5は、ステップ110で、運転手が眠気を感じていないと判定する。
例えば、車両Aの走行開始後に初めてステップ120の制御で覚醒装置A3が作動しても、運転手APの眠気が覚めなかったとする。その場合、制御装置A5は、続いてステップ130で、直近の所定時間内の車内報知装置A4の作動回数が基準回数以上でないと判定し、ステップ110に戻る。そして制御装置A5は、ステップ110で、運転手が眠気を感じていると判定してステップ120に進み、覚醒装置A3を再度起動する。このような形態のステップ110、120、130の繰り返しにより、直近の所定時間内の車内報知装置A4の作動回数が増大していく。
そして、ある時点で、制御装置A5は、ステップ130で、直近の所定時間内の車内報知装置A4の作動回数が基準回数以上であると判定し、ステップ140に進む。ステップ140では、制御装置A5は、運転手APの覚醒度が低いことを、すなわち、運転手APが強い眠気を感じながら運転していることを、他車両B、C、D、Eに報知する。具体的には、制御装置A5は、通信装置A1を用いて、車両Aの近傍の他車両B、C、D、Eに眠気車両情報を送信する。
制御装置A5は、この眠気車両情報に、運転手APの覚醒度が低いことを示す情報、および、車両Aの現在位置情報等を、含める。この現在位置情報は、車両Aに搭載された不図示の複数の位置検出センサの出力に基づいて特定される。これら複数の位置検出センサは、例えば、GPS受信機、車輪速センサ、車体加速度センサ、ジャイロセンサ等を含む。このステップ140を実行することで、制御装置A5は、車外報知部として機能する。
続いて制御装置A5は、ステップ150で、運転手APの覚醒度が低い事実が他車両B、C、D、Eに報知されたと、車両Aの運転手に通知する。具体的には、車内報知装置A4に所定の命令を出力する。車内報知装置A4は、この命令に従い、運転手APの覚醒度が低い事実が他車両B、C、D、Eに報知されたと、音声または画像で、運転手APに報知する。制御装置A5は、ステップ150を実行することで、車内報知部として機能する。
少し眠気を感じた程度では、人間誰しも「この程度なら我慢できる」と過信して、無理して運転を続行してしまいがちである。しかし、自分が眠気を感じている事実を周囲の他車両B、C、D、Eの乗員に認識されて、自分の車両Aが避けられていると運転手APが認識した場合は、運転の続行を中止して早めの休憩を取る可能性が大きく向上する。これは、「眠気を知られるのは恥ずかしい。迷惑をかけてはいけない。」という意識が運転手APに働くからである。
また、覚醒度が低いと判定されただけでなく、覚醒装置A3が高い頻度で作動することも、他車両B、C、D、Eへ報知したことの通知の条件とすることで、当該通知が運転手APに与える影響力が高まる。
制御装置A5は、ステップ150の後は、図4の処理を終了してもよい。車両Aが停止する可能性が高いからである。あるいは、制御装置A5は、ステップ150の後に、ステップ110に戻ってもよい。
次に、他車両B、C、D、Eにおける車載装置の作動について説明する。他車両B、C、D、Eの各々に搭載された制御装置X5は、搭載先の車両が走行を開始すると、図5に示す処理の実行を開始する。制御装置X5は、搭載先の車両が走行を開始したか否かは、例えば、不図示の車輪速センサからの出力に基づいて判定してもよい。
図5の処理において、制御装置X5は、まずステップ210で、搭載先の車両の外部から通信装置X1を介して眠気車両情報を受信したか否かを判定する。制御装置X5は、受信していないと判定した場合、再度ステップ210の判定を行う。したがって、制御装置X5は、眠気車両情報を受信するまで、ステップ210の判定を繰り返す。
制御装置X5は、上述の通り車両Aから送信された眠気車両情報を、ステップ210の繰り返し中に、通信装置X1を介して受信すると、ステップ220に進む。制御装置X5は、ステップ210を実行することで、受信部として機能する。
ステップ220では、制御装置X5は、受信した眠気車両情報に含まれる車両Aの現在位置情報に基づいて、当該制御装置X5の搭載先の車両に対する車両Aの相対位置を特定する。より具体的には、制御装置X5は、車両Aの現在位置情報と、当該制御装置X5の搭載先の車両の現在位置および進行方向の情報に基づいて、当該制御装置X5の搭載先の車両に対する車両Aの相対位置を特定する。相対位置は、より具体的には、当該制御装置X5の搭載先の車両の進行方向に対する、当該制御装置X5の搭載先の車両から車両Aへの方向の、成す角度、および、当該制御装置X5の搭載先の車両から車両Aまでの距離である。
制御装置X5の搭載先の車両の現在位置および進行方向は、当該車両に搭載された不図示の複数の位置検出センサの出力に基づいて特定される。これら複数の位置検出センサは、例えば、GPS受信機、車輪速センサ、車体加速度センサ、ジャイロセンサ等を含む。
続いて制御装置X5は、ステップ230で、同じ車両に搭載される車内報知装置X4に所定の命令を出力することで、車内報知装置X4を作動させる。この命令には、ステップ220で特定した車両Aの相対位置の情報が含まれる。
車内報知装置X4は、この命令に従い、車両Aの相対位置と、当該車両Aの運転手が眠気を感じていることを、音声または映像で、当該車内報知装置X4の搭載先の車両の運転手XPに報知する。制御装置X5は、ステップ230の後、ステップ210に戻る。
この報知を受けた運転手XPは、車両Aの運転手APが強い眠気を感じながら運転している事実を認知する。そして当該運転手XPは、車両Aが不安定な挙動や事故を発生させる危険が高いと判断して、車両Aから距離を取るよう自車両を操作する。したがって、万が一車両Aが不安定な動きをしても、それによって当該運転手XPの運転する車両B、C、D、Eが巻き込まれる可能性が低減される。
眠気は、持病の有無や老若男女に関わらず誰でも頻繁に発生する現象である。その上、眠気は、車両の安定走行の大きな妨げになり易く、しかも「少しの眠気ぐらいなら我慢できるはず」と過信して無理をしてしまいがちな現象である。したがって、車両Aの運転手APの眠気を他車両B、C、D、Eに報知するのは特に効果的である。また、運転手APが眠気を感じ始めてから実際に運転に支障が生じ始めるまでには時間がかかるので、他車両B、C、D、Eの運転手XPは、報知を受けてから十分余裕を持って回避行動を取ることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、第1実施形態との違いを中心に説明する。第1実施形態では、覚醒装置A3は、運転手の覚醒度が基準値を下回る度に、規定時間継続して運転手APに感覚刺激を与える。しかし、本実施形態では、制御装置A5は、運転手の覚醒度が基準値を下回った場合、運転手の覚醒度が再び基準値を上回るまで、覚醒装置A3を継続して作動させ、基準値を上回ると、覚醒装置A3を停止させる。
次に、第2実施形態について、第1実施形態との違いを中心に説明する。第1実施形態では、覚醒装置A3は、運転手の覚醒度が基準値を下回る度に、規定時間継続して運転手APに感覚刺激を与える。しかし、本実施形態では、制御装置A5は、運転手の覚醒度が基準値を下回った場合、運転手の覚醒度が再び基準値を上回るまで、覚醒装置A3を継続して作動させ、基準値を上回ると、覚醒装置A3を停止させる。
この場合、制御装置A5は、覚醒装置A3が継続して作動している時間が閾値時間(例えば30秒)を超えたことに起因して、図4のステップ140、150を実行してもよい。このような例では、閾値時間を短くすることで、他車両B、C、D、Eへの報知を素速く行うことができる。その他の作動は、第1実施形態と同じである。
このように、覚醒度が低いと判定されただけでなく、覚醒装置がある程度の時間継続して作動することも、他車両B、C、D、Eへ報知したことの通知の条件とすることで、当該通知が運転手APに与える影響力が高まる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、第1、第2実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態では、制御装置A5は、ステップ110で、所定の覚醒装置起動スイッチが車両Aの乗員によってオン操作されたか否かを判定する。すなわち、制御装置A5は、運転手が眠気を感じているか否かを、不図示の覚醒装置起動スイッチが車両Aの乗員(例えば運転手AP)によってオン操作されたか否かで判定する。覚醒装置起動スイッチは、車室内の運転手APが操作可能な位置に取り付けられている。制御装置A5は、このステップ110を実行することで検知部として機能する。
次に、第3実施形態について、第1、第2実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態では、制御装置A5は、ステップ110で、所定の覚醒装置起動スイッチが車両Aの乗員によってオン操作されたか否かを判定する。すなわち、制御装置A5は、運転手が眠気を感じているか否かを、不図示の覚醒装置起動スイッチが車両Aの乗員(例えば運転手AP)によってオン操作されたか否かで判定する。覚醒装置起動スイッチは、車室内の運転手APが操作可能な位置に取り付けられている。制御装置A5は、このステップ110を実行することで検知部として機能する。
覚醒装置起動スイッチがオン操作されていない場合、制御装置A5は、運転手APが眠気を感じていないと判定し、再度ステップ110の判定を行う。したがって、制御装置A5は、車両Aの走行中、覚醒装置起動スイッチがオン操作されるまで、ステップ110の判定を繰り返す。覚醒装置起動スイッチがオン操作されると、制御装置A5は、運転手APが眠気を感じていると判定し、ステップ120に進む。その他の作動は、第1、第2実施形態と同じである。
このようにすることで、覚醒装置A3は、車両Aの乗員(例えば運転手AP)の明確な意図によって作動するので、覚醒装置A3が誤作動する可能性が低い。また、眠気検知装置A2を車両Aに搭載する必要がなくなる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、第1、第2、第3実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態では、制御装置A5は、ステップ140で通信装置A1を用いて送信する眠気車両情報に、眠気レベルを含める。
次に、第4実施形態について、第1、第2、第3実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態では、制御装置A5は、ステップ140で通信装置A1を用いて送信する眠気車両情報に、眠気レベルを含める。
具体的には、制御装置A5は、ステップ140で、まず眠気レベルを設定する。眠気レベルは、運転手APの眠気の度合が高いほど大きくなる正の値である。
例えば、制御装置A5は、直近の所定時間内の車内報知装置A4の作動回数が多いほど眠気レベルが高くなるよう、眠気レベルを設定してもよい。例えば、当該作動回数が3回または4回なら眠気レベルが1、5回または6回なら眠気レベルが2、7回以上なら眠気レベルが3であってもよい。また例えば、制御装置A5は、車内報知装置A4の作動継続時間が長いほど眠気レベルが高くなるよう、眠気レベルを設定してもよい。
そして、制御装置A5は、このように設定した眠気レベルを、眠気車両情報に含め、通信装置A1を用いて、当該眠気車両情報を、他車両B、C、D、Eに送信する。
この眠気車両情報を受信した他車両B、C、D、Eの制御装置X5の各々は、図5の処理のステップ230で、同じ車両に搭載される車内報知装置X4に所定の命令を出力することで、車内報知装置X4を作動させる。この命令には、ステップ220で特定した車両Aの相対位置の情報と、上記眠気レベルの情報が含まれる。
車内報知装置X4は、この命令に従い、車両Aの相対位置と、当該車両Aの運転手が眠気を感じていることに加え、当該眠気レベルも、音声または映像で、当該車内報知装置X4の搭載先の車両の運転手XPに報知する。
このような眠気レベルの報知を受けた運転手XPは、より的確な回避行動を取る事ができる。例えば、眠気レベルが1なら、運転手XPは、自分が運転している車両と車両Aの車間距離を少し広げるだけに留めることができる。そして、眠気レベルが3なら、運転手XPは、自分が運転している車両を路肩や周辺施設へ一時退避させることができる。つまり、眠気レベルが車両Aから他車両B、C、D、Eに送信されることにより、運転手XPがより適切な対応を取ることができる。その他の作動は、第1、第2実施形態と同じである。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、第1、第2、第3、第4実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態では、他車両B、C、D、Eは、レベル5の完全自動運転車両である。完全自動運転車両は、当該車両を運転する人が不必要な車両である。
次に、第5実施形態について、第1、第2、第3、第4実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態では、他車両B、C、D、Eは、レベル5の完全自動運転車両である。完全自動運転車両は、当該車両を運転する人が不必要な車両である。
図6に、本実施形態における他車両B、C、D、Eの構成を示す。図6に示すように、他車両B、C、D、Eの各々には、通信装置X1、制御装置X5に加え、センサ群X6、アクチュエータ群X7が搭載されている。また、第1〜第4実施形態における車内報知装置X4は搭載されていない。他車両B、C、D、Eに運転手XPが不要だからである。
制御装置X5は、第1〜第4実施形態の機能に加え、運転手の運転操作が無くても車両を目的地まで走行させる自動運転を実現するための制御を行う自動運転機能を備えている。
センサ群X6は、自動運転を実現するために必要なセンサを複数有する。センサ群X6が含むセンサとしては、例えば、車速センサ、加速度センサ、GPS受信機、車載カメラ、距離センサ等がある。車載カメラは、自車両(すなわち、当該センサ群X6を搭載する車両)の前方の道路等を撮影する。距離センサは、自車両と自車両前方の先行車両との車間距離を計測する。距離センサとしては、例えばレーダーセンサ、ソナーセンサ等がある。
アクチュエータ群X7は、車両の操舵、駆動、制動のそれぞれを実現するためのアクチュエータである。例えば、操舵を実現するためのアクチュエータは、ステアリングハンドルの操舵角を変化させるモータである。また例えば、駆動を実現するためのアクチュエータは、アクセル開度を変化させるモータである。また例えば、制動を実現するためのアクチュエータは、ブレーキ液圧を変化させるポンプを駆動するモータである。
以下、制御装置X5の自動運転機能について説明する。制御装置X5は、センサ群X6から入力された情報(例えば、画像、物体までの距離と方向)に基づいて、自車両(すなわち、当該制御装置X5を搭載する車両)の周囲状況(例えば、どの位置にどのような物体があるか)を特定する。そして制御装置X5は、特定した情報に基づいて、アクチュエータ群X7を制御することで、自車両の自動運転(すなわち、操舵、駆動、制動)を、運転手を必要とせず制御する。
より具体的には、当該制御装置X5は、以下(a)〜(e)のような作動を行う。
(a)センサ群X6のGPS受信機、加速度センサ、車速センサ等からの検出信号に基づいて、車両の現在位置および走行速度ベクトルを特定する。
(b)道路地図データに基づいて、目的地までの最適な予定ルートを算出する。
(c)センサ群X6の距離センサからの検出信号に基づいて、自車両を基準とする先行車両または障害物までの距離および先行車両または障害物の相対速度を検出する。
(d)センサ群X6の車載カメラの撮影画像に基づいて、自車両前方の道路上の白線の位置を検知する。
(e)上記(a)〜(d)で検出した結果に基づいて、自車両が上記予定ルート上の道路に沿って、前方車両および障害物にぶつからないよう、かつ、右左折時等の必要時以外は白線を横切らないよう、アクチュエータ群X7を制御する。これにより、自車両の駆動、制動、操舵を自動的に行う。
本実施形態では、制御装置X5は、図5の処理に代えて、図7の処理を実行する。図7の処理では、制御装置X5は、ステップ210、220では、第1〜第4実施形態と同じ処理を行う。制御装置X5は、ステップ220で車両Aの相対位置を特定した後は、ステップ240に進む。
ステップ240では、制御装置X5は、直前のステップ220で特定した車両Aの相対位置に基づいて、自動運転機能により、車両Aへの接近を回避するよう、自車両を運転する。
より具体的には、制御装置X5は、センサ群X6のカメラを用いて、当該車両Aの相対位置に対応する位置にある車両Aのナンバープレートに記載された数字、車両Aの形状、車両Aの色等の、車両Aの特徴情報を取得する。そして制御装置X5は、センサ群X6からの出力に基づいて、当該特徴情報に対応する車両Aの位置を逐次特定し、特定した位置から自車両までの距離が限界距離(例えば50m)以下にならないように、アクチュエータ群X7を制御する。このとき、制御装置X5は、受信した眠気車両情報中に、第4実施形態で説明した眠気レベルが含まれている場合、当該眠気レベルが高いほど、限界距離を長くしてもよい。
また、制御装置X5は、受信した眠気車両情報中に、第4実施形態で説明した眠気レベルが含まれている場合、当該眠気レベルに応じて、自車両の運転形態を変化させてもよい。例えば、眠気レベルが1なら、制御装置X5は、自車両と車両Aの車間距離を少し広げるよう運転を行う。そして、眠気レベルが3なら、制御装置X5は、自車両を路肩や周辺施設へ一時停止させる。
このように制御装置X5が自動で他車両B、C、D、Eを車両Aから回避させることで、交通安全の確保をより確実にすることができる。
なお、本実施形態では、他車両B、C、D、Eに人が乗車していない場合がある。しかし、そのような場合であっても、車両Aの運転手APは、他車両B、C、D、Eに人が乗車しているか否かを明確に把握することができないので、「眠気を知られるのは恥ずかしい。迷惑をかけてはいけない。」という意識が運転手APに働く。これにより、第1〜第4実施形態と同様、運転手APが運転の続行を中止して早めの休憩を取る可能性が大きく向上する。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について、第1、第2、第3、第4、第5実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態の通信システムは、第1〜第5実施形態の構成に加え、図8に示すように、センタ10を備えている。
次に、第6実施形態について、第1、第2、第3、第4、第5実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態の通信システムは、第1〜第5実施形態の構成に加え、図8に示すように、センタ10を備えている。
センタ10は、車両A〜Eの外部かつ道路から離れた場所(例えば遠隔地の建物内)に固定された通信装置であり、不図示の広域通信ネットワーク(例えばインターネット)に接続されている。本実施形態では、車両Aは、眠気車両情報を他車両B、C、D、Eに車車間通信で送信するのではなく、当該広域通信ネットワークを介してセンタ10に送信する。
センタ10は、不図示のCPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ、通信モジュール等を備えた周知のコンピュータである。当該CPUが、ROM、フラッシュメモリ等に記録されたプログラムを実行することで、センタ10が後述する種々の処理を実現する。RAMは、CPUが上記プログラムを実行するときに作業領域として使用される。通信モジュールは、センタ10と上記広域ネットワークの接続を媒介する通信インターフェースである。当該CPUは、当該通信モジュールを用いて、広域ネットワークを介して車両A、B、C、D、Eと通信を行う。RAMよびROMは、非遷移的実体的記憶媒体である。
また、本実施形態における車両Aの通信装置A1は、所定の無線通信方式によって上記広域ネットワークと接続する通信インターフェースである。制御装置A5は、通信装置A1を用いることで、当該広域ネットワークを介してセンタ10と通信することができる。
また、本実施形態における他車両B、C、D、Eの通信装置X1は、所定の無線通信方式によって上記広域ネットワークと接続する通信インターフェースである。当該通信装置X1と同じ車両に搭載される制御装置X5は、当該通信装置X1を用いることで、当該広域ネットワークを介してセンタ10と通信することができる。
本実施形態においては、制御装置A5は、通信装置A1を用いて、繰り返し定期的に(例えば1秒周期で)、車両Aの識別コード、車両A現在位置、車両Aの進行方向等の情報をセンタ10に送信する。現在位置情報および進行方向は、車両Aに搭載された不図示の複数の位置検出センサの出力に基づいて特定される。
また、本実施形態においては、他車両B、C、D、Eの制御装置X5の各々は、自車両に搭載された通信装置X1を用いて、繰り返し定期的に(例えば1秒周期で)、自車両の識別コード、自車両の現在位置、自車両の進行方向等の情報をセンタ10に送信する。現在位置情報および進行方向は、自車両に搭載された不図示の複数の位置検出センサの出力に基づいて特定される。
センタ10は、上記のように車両A、B、C、D、Eから送信された情報を受信してRAMまたはフラッシュメモリに蓄積する。なお、センタ10は、同じ道路を走行している車両A、B、C、D、E以外にも、他の道路を走行している車両からも、車両A、B、C、D、Eと同様の情報を繰り返し受信する。これにより、センタ10は、車両A、B、C、D、Eおよびそれら以外の車両の位置および進行方向の情報を繰り返し取得する。
また、車両Aの制御装置A5は、図4の処理に代えて、図7の処理を実行する。図7の処理におけるステップ110、120、130の処理内容は、第1〜第6実施形態と同じである。制御装置A5は、ステップ130で直近の所定時間内の車内報知装置A4の作動回数が基準回数以上であると判定した場合、ステップ145に進む。
ステップ145では、制御装置A5は、運転手APの覚醒度が低いことを、センタ10に報知する。具体的には、制御装置A5は、通信装置A1を用いて、センタ10に眠気車両情報を送信する。制御装置A5は、この眠気車両情報に、運転手APの覚醒度が低いことを示す情報、車両Aの識別コード、車両Aの現在位置情報、車両Aの進行方向の情報等を、含める。このステップ145を実行することで、制御装置A5は、車外報知部として機能する。
続いて制御装置A5は、ステップ155で、運転手APの覚醒度が低い事実が他車両B、C、D、Eに報知されたと、車両Aの運転手に通知する。具体的には、車内報知装置A4に所定の命令を出力する。車内報知装置A4は、この命令に従い、運転手APの覚醒度が低い事実が他車両B、C、D、Eに報知されたと、音声または画像で、運転手APに報知する。制御装置A5は、ステップ155を実行することで、車内報知部として機能する。
本実施形態では、眠気車両情報は車両Aから他車両B、C、D、Eに直接送信されるのではなく、センタ10に送信される。しかし、後述するように、センタ10は、受信した眠気車両情報に基づいて、他車両B、C、D、Eに、運転手APの覚醒度が低いことを通知する。したがって、「眠気を知られるのは恥ずかしい。迷惑をかけてはいけない。」という意識が運転手APに働く。これにより、第1〜第5実施形態と同様、運転手APが運転の続行を中止して早めの休憩を取る可能性が大きく向上する。
なお、場合によっては、ステップ155が実行された時点では、運転手APの覚醒度が低い事実がセンタ10から他車両B、C、D、Eにまだ報知されていないこともあり得る。しかし、その場合であっても、すぐ後にセンタ10から他車両B、C、D、Eへの報知が行われるので、実質的に問題はない。なお、場合によっては、ステップ155が実行された時点で、運転手APの覚醒度が低い事実がセンタ10から他車両B、C、D、Eに既に報知されている場合もある。
図10に、眠気車両情報に対応するためにセンタ10が実行する処理のフローチャートを示す。図10の処理において、センタ10は、まずステップ310で、広域ネットワークを介して眠気車両情報を新たに受信したか否かを判定する。センタ10は、眠気車両情報を新たに受信していないと判定した場合、再度ステップ310の判定を行う。したがって、センタ10は、眠気車両情報を受信するまで、ステップ310の判定を繰り返す。
広域ネットワークを介して眠気車両情報を受信したと判定した場合、センタ10は、ステップ320に進む。ステップ320では、受信した眠気車両情報の送信元である車両Aの周辺にいる複数の車両を抽出する。
具体的には、センタ10は、自機のRAMまたはフラッシュメモリに記録されている複数の車両の最新の位置に基づいて、複数の車両の識別コードを、眠気車両情報の送信先として、抽出する。抽出対象の複数の車両は、受信した眠気車両情報に含まれる現在位置と同じ道路に属し、かつ、当該道路から所定距離(例えば100メートル)以内にいる複数の車両である。
各車両がどの道路に属しているかについては、センタ10は、フラッシュメモリに記憶されている道路地図データと、各道路の位置との比較に基づいて特定する。道路地図データは、複数の道路の各々について、その道路が存在する位置の情報を含んでいる。
なお、眠気車両情報の送信元の車両Aの識別コードは、ここで抽出される識別コードから除外される。本実施形態では、他車両B、C、D、Eの識別コードが眠気車両情報の送信先として抽出される。
続いてセンタ10は、ステップ330に進み、車両Aから受信した眠気車両情報に、回避方法の情報を追加する。回避方法の情報は、車両Aに対して安全な位置にいるよう指示する情報である。
センタ10は、ステップ320で眠気車両情報の送信先として抽出した複数の車両について、個別に、回避方法を設定し、設定した回避方法を示す情報を作成する。したがって、設定された複数の回避方法は、内容が互いに異なっていることがある。
具体的には、センタ10は、眠気車両情報の送信先として抽出した複数の他車両B、C、D、Eの各々について、当該他車両の位置と、眠気車両情報に含まれる車両Aの位置に基づいて、回避方法を設定する。
例えば、当該他車両が、車両Aの進行方向の前側を走行する先行車両であれば、センタ10は、加速して車両Aから離れるという回避方法を、当該他車両の回避方法として設定してもよい。図8の他車両B、Cがそのような先行車両に該当する。
また例えば、当該他車両が、車両Aの進行方向の後ろ側を走行する後続車両であれば、センタ10は、減速して車両Aから離れるという回避方法を、当該他車両の回避方法として設定してもよい。図8の他車両D、Eがそのような後続車両に該当する。
また例えば、当該他車両が、車両Aと同じ車線を走行する車両であれば、センタ10は、車線を変更して車両Aから離れるという回避方法を、当該他車両の回避方法として設定してもよい。図8の他車両B、Eがそのような車両に該当する。各車両がどの道路に属しているかについては、センタ10は、フラッシュメモリに記憶されている道路地図データと、各道路の位置との比較に基づいて特定する。道路地図データは、複数の道路の複数の車線の各々について、その車線の各々が存在する位置の情報を含んでいる。
センタ10は、このように作成した複数の他車両B、C、D、Eの回避方法を示す情報を、それぞれ、当該他車両B、C、D、E用の眠気車両情報に追加する。これにより、例えば、他車両Bの回避方法を示す情報は、他車両B用の眠気車両情報に追加される。なお、他車両B、C、D、E用の眠気車両情報は、車両Aから受信した眠気車両情報に加え、当該回避方法を示す情報を含んでいる。
センタ10は、続いてステップ340で、作成した他車両B、C、D、E用の眠気車両情報を、広域ネットワークを介して、それぞれ、他車両B、C、D、Eに送信する。これにより、例えば、他車両B用の眠気車両情報は、他車両B、C、D、E宛に送信される。センタ10は、ステップ340の後、ステップ310に戻る。
他車両B、C、D、Eの制御装置X5の各々は、このような眠気車両情報をセンタ10から受信すると、図5のステップ210で、搭載先の車両の外部から通信装置X1を介して眠気車両情報を受信したと判定し、ステップ220に進む。
ステップ220では、制御装置X5は、受信した眠気車両情報に含まれる車両Aの現在位置情報に基づいて、自車両に対する車両Aの相対位置を、第1〜第4実施形態と同様に特定する。
続いてステップ230で、制御装置X5は、同じ車両に搭載される車内報知装置X4に所定の命令を出力することで、車内報知装置X4を作動させる。この命令には、ステップ220で特定した車両Aの相対位置の情報と、センタ10から受信した眠気車両情報に含まれる回避方法の情報が含まれる。
車内報知装置X4は、この命令に従い、車両Aの相対位置と、当該車両Aの運転手が眠気を感じていることを、音声または映像で、当該車内報知装置X4の搭載先の車両の運転手XPに報知する。それと共に、車内報知装置X4は、回避方法の情報を、音声または映像で、自車両の運転手XPに報知する。制御装置X5は、ステップ230の後、ステップ210に戻る。
この報知を受けた運転手XPは、車両Aの運転手APが強い眠気を感じながら運転している事実を認知する。そして当該運転手XPは、車両Aが不安定な挙動や事故を発生させる危険が高いと判断して、車両Aから距離を取るよう自車両を操作する。その際も、回避方法が明示されているので、焦って回避方法を誤ってしまう可能性が低減される。したがって、万が一車両Aが不安定な動きをしても、それによって当該運転手XPの運転する車両B、C、D、Eが巻き込まれる可能性が更に低減される。
なお、他車両B、C、D、Eの制御装置X5は、図5ではなく図7の処理を行っている場合は、図7のステップ240では、センタ10から受信した眠気車両情報に含まれる回避方法の情報に従って、自動運転により、自車両の挙動を変化させる。
このように、本実施形態では、センタ10が車両Aと他車両B、C、D、Eの位置関係に基づいて他車両B、C、D、Eの回避方法を決定する。他車両B、C、D、Eに搭載される制御装置X5は、処理能力が低いことが多いのに対し、センタ10の処理能力を高くすることは比較的容易である。したがって、センタ10で集中的に回避方法を決定することで、より高速に、かつ、より適切な、回避方法を決定することができる。また、上記のように、センタ10で、車線等の周囲の環境に基づいて、回避方法を決定することができるので、そうでない場合に比べ、より適切な回避方法を決定することができる。
なお、センタ10は、他車両B、C、D、Eに送信した回避行動の内容に基づいて、他車両B、C、D、Eの周囲にありかつ車両Aではない別車両が他車両B、C、D、Eから所定距離以上離れられるよう、当該別車両が取るべき挙動を算出してもよい。その場合、センタ10は、算出した挙動を示す情報を当該別車両に送信してもよい。このようにすることで、当該別車両は、センタ10によって送信された挙動の情報に従って運転されるので、他車両B、C、D、Eがセンタ10から送信された回避方法に従って動くことが容易になる。
このように、車両Aと他車両B、C、D、Eの間にセンタ10が介在して眠気車両情報を送受信することで、センタ10において、眠気車両情報に種々の加工を施すことができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について、第1、第2、第3実施形態との違いを中心に説明する。図11に示すように、本実施形態の車両Aにおいては、第1〜第3実施形態に比べて、通信装置A1が廃されている。また、本実施形態における他車両B、C、D、Eにおいては、第1〜第3実施形態に比べて、通信装置X1、車内報知装置X4、制御装置X5が廃されている。
次に、第7実施形態について、第1、第2、第3実施形態との違いを中心に説明する。図11に示すように、本実施形態の車両Aにおいては、第1〜第3実施形態に比べて、通信装置A1が廃されている。また、本実施形態における他車両B、C、D、Eにおいては、第1〜第3実施形態に比べて、通信装置X1、車内報知装置X4、制御装置X5が廃されている。
本実施形態の制御装置A5は、図4の処理に代えて、図12の処理を実行している。図4と図12の処理において同じ符号が付されたステップの処理内容は同等である。制御装置A5は、ステップ130で直近の所定時間内の車内報知装置A4の作動回数が基準回数以上であると判定した場合、ステップ147に進む。
制御装置A5は、ステップ147で、不図示の車外報知装置を駆動し、その後、ステップ150に進む。車外報知装置は、車両Aに搭載され、車両Aの周囲の車両に報知を行うことができる装置である。例えば、ステップ147で駆動される車外報知装置は、車両Aのハザードランプ、クラクション、ヘッドライトのうち1つであってもよいし2つ以上の組み合わせであってもよい。ここで車外報知装置を用いるのは、車両Aの運転手APの覚醒度が低いことを他車両B、C、D、Eに伝えるためである。
ハザードランプ、クラクション、ヘッドライトには、運転手APの覚醒度が低いことを周囲に伝える目的とは異なる本来の用途がある。例えば、ハザードランプの主用途は、所定の点滅周期で点滅することで、車両Aが停止するまたは停止していることを周囲に伝えることである。
本実施形態では、制御装置A5は、ハザードランプ、クラクション、およびヘッドライトのうち1つまたは複数を用いて車両Aの運転手APの覚醒度が低いことを伝える。そのために、制御装置A5は、ハザードランプ、クラクション、ヘッドライトの作動形態を、通常の作動形態と異ならせてもよい。
例えば、制御装置A5は、ステップ147では、上記点滅周期よりも長い時間ハザードランプを点灯し続けることで、車両Aの運転手APの覚醒度が低いことを伝えてもよい。また例えば、制御装置A5は、ステップ147では、クラクションを5回以上断続的に鳴らすことで車両Aの運転手APの覚醒度が低いことを伝えてもよい。また例えば、制御装置A5は、ステップ147では、ヘッドライトに、ハイビーム点灯とロービーム点灯の間で繰り返す作動(すなわち、パッシング作動)をさせることで、車両Aの運転手APの覚醒度が低いことを伝えてもよい。このとき、制御装置A5は、第4実施形態で説明した眠気レベルが高いほど、ハザードランプの光量を大きくし、クラクションの音量を大きくし、ヘッドライトのハイビーム点灯とロービーム点灯の切り替え周期を短くしてもよい。
あるいは、制御装置A5は、ステップ147で、車両Aの運転手APの覚醒度が低いことを伝えるために、ハザードランプ、クラクション、ヘッドライトのうち1つを本来の用途に使用する場合と同じ方法で作動させてもよい。その場合であっても、それを知覚した他車両B、C、D、Eの運転手XPは、車両Aに何かしら異常があったことの報知を受けたことになる。したがって、運転手XPは、車両Aに注意して運転することができる。
あるいは、車両Aの運転手APの覚醒度が低いことを伝えるためだけの専用の車外報知装置が、車両Aに搭載されていてもよい。この場合、その専用の車外報知装置は、可視光を発して視覚的に、あるいは可聴範囲の周波数の音を発して聴覚的に、またはその両方で、車両Aの運転手APの覚醒度が低いことを他車両B、C、D、Eの運転手XPに報知する。
以上の通り、車外報知装置は、可視光を発して視覚的に、あるいは可聴範囲の周波数の音を発して聴覚的に、またはその両方で、車両Aの運転手APの覚醒度が低いことを、運転手XPに報知する。この際、車両Aと他車両B、C、D、Eの間で電気通信が行われることはない。
以上のような車両Aの作動により、第1〜第3実施形態と同様の効果を得ることができる。そして、第1〜第3実施形態に比べて、通信装置A1、通信装置X1、車内報知装置X4、制御装置X5が不要となる。したがって、より簡易に他車両B、C、D、Eへの報知を行うことができる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について、第1、第2、第3、第4、第5、第6実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態では、他車両B、C、D、Eの構成および作動のみが、第1〜第6実施形態と異なる。本実施形態の他車両B、C、D、Eは、不図示の車外報知装置を有している。車外報知装置としては、例えば、ハザードランプ、クラクション、ヘッドライトがある。
次に、第8実施形態について、第1、第2、第3、第4、第5、第6実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態では、他車両B、C、D、Eの構成および作動のみが、第1〜第6実施形態と異なる。本実施形態の他車両B、C、D、Eは、不図示の車外報知装置を有している。車外報知装置としては、例えば、ハザードランプ、クラクション、ヘッドライトがある。
以下、他車両B、C、D、Eの作動について説明する。車両Aの作動は第1〜第6実施形態と同じである。他車両B、C、D、Eの各々に搭載される制御装置X5は、図5または図7の処理において、図13に示すように、ステップ230または240に続いて、ステップ250に進む。
制御装置X5は、ステップ250では、自車両に搭載された車外報知装置を駆動する。例えば、ステップ250で駆動される車外報知装置は、ハザードランプ、クラクション、ヘッドライトのうち1つであってもよいし2つ以上の組み合わせであってもよい。ここで車外報知装置を用いるのは、車両Aの運転手APに対して、自分の覚醒度の低下が他車両の運転手XPに認識されていることを知らせるためである。
ハザードランプ、クラクション、ヘッドライトには、このような目的とは異なる本来の用途がある。ここでは、車両Aの運転手APに対して、自分の覚醒度の低下が他車両の運転手XPに認識されていることを知らせるため、制御装置X5は、ハザードランプ、クラクション、ヘッドライトの作動形態を、第7実施形態と同様に、通常の作動形態と異ならせてもよい。このとき、制御装置X5は、受信した眠気車両情報中に、第4実施形態で説明した眠気レベルが含まれている場合、当該眠気レベルが高いほどハザードランプの光量を大きくしてもよい。あるいは、当該眠気レベルが高いほどクラクションの音量を大きくしてもよい。あるいは、当該眠気レベルが高いほどヘッドライトのハイビーム点灯とロービーム点灯の切り替え周期を短くしてもよい。
あるいは、制御装置X5は、ステップ250で、車両Aの運転手APに対して、自分の覚醒度の低下が他車両の運転手XPに認識されていることを知らせるため、ハザードランプ、クラクション、ヘッドライトを、本来の用途と同じ方法で作動させてもよい。
その場合であっても、それを知覚した車両Aの運転手APは、自分の覚醒度の低下が他車両の運転手XPに認識されていることの通知を受けたことになる。したがって、第1〜第6実施形態と同様、「眠気を知られるのは恥ずかしい。迷惑をかけてはいけない。」という意識が運転手APに働く。これにより、第1〜第6実施形態と同様、運転手APが運転の続行を中止して早めの休憩を取る可能性が大きく向上する。つまり、運転手APの羞恥心を利用して適切な運転を促すことができる。
このように、本実施形態では、車両Aが眠気車両情報を他車両B、C、D、Eまたはセンタ10に送信することに起因して、他車両B、C、D、Eが車両Aに対して上記のような通知を行う。つまり、車両Aが、間接的に、他車両B、C、D、Eの車外報知装置を用いて、運転手APの覚醒度の低下が他車両B、C、D、Eに知られたことを、運転手APに通知する。
なお、本実施形態では、車両Aの制御装置A5は、図4の処理において、ステップ150を実行してもよいし、しなくてもよい。ステップ150を実行しなくても、自分の覚醒度が低い事実が他車両B、C、D、Eに知られたことの通知を、他車両B、C、D、Eの車外報知装置によって車両Aの運転手APが受けるからである。
以上の通り、他車両B、C、D、Eのハザードランプ、クラクション、およびヘッドライトのうち1つまたは複数が、可視光を発して視覚的に、あるいは可聴範囲の周波数の音を発して聴覚的に、またはその両方で、車両Aの運転手APに報知を行う。
このように、車両Aの運転手APの覚醒度が低いことの報知を他車両B、C、D、Eが受信した場合に、当該他車両B、C、D、Eが、可視光を発して視覚的に、または、可聴範囲の周波数の音を発して聴覚的に、車両Aに報知を行う。これにより、車両Aの運転手APが、運転の続行を中止して早めの休憩を取る可能性が大きく向上する。これは、「眠気を知られるのは恥ずかしい。迷惑をかけてはいけない。」という意識が運転手APに働くからである。
(第9実施形態)
次に、第9実施形態について、第1、第2、第3、第4、第5実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態は、制御装置A5は、図4の処理に代えて、図14の処理を実行する点が、第1〜第5実施形態と異なる。図14の処理は、図4の処理に対して、ステップ130とステップ140の間に、ステップ132、136が追加されたものである。
次に、第9実施形態について、第1、第2、第3、第4、第5実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態は、制御装置A5は、図4の処理に代えて、図14の処理を実行する点が、第1〜第5実施形態と異なる。図14の処理は、図4の処理に対して、ステップ130とステップ140の間に、ステップ132、136が追加されたものである。
制御装置A5は、ステップ130でYESの判定を行った場合、続いてステップ132に進む。そして制御装置A5は、ステップ132で、運転手に車両Aの運転における安全性を高めるための警告を行う。
具体的には、制御装置A5は、運転手APが視覚または聴覚を介して認識できる警告を、車内報知装置A4に出力させる。例えば、「このまま運転を続ければ他車両に報知します」という音声警告および文字警告のうち一方または両方を、車内報知装置A4に出力させてもよい。この音声警告または文字警告は、車両の停止を促す警告である。
このとき、制御装置A5は、音声警告および文字警告のうち一方または両方に加え、車内の不図示の警告灯を点灯または点滅させてもよい。なおこのとき、音声警告および文字警告を行うための装置は、車内報知装置A4でなく、車内報知装置A4とは別に車両Aの車室内に設けられた不図示の車内警告装置であってもよい。
続いて制御装置A5は、ステップ136に進み、運転者が警告を受け入れたか否かを、より具体的には、運転者が警告を受け入れる行動をとったか否かを、判定する。具体的には、制御装置A5は、警告を行ってから所定の待機時間(例えば3分)以内に車両Aが走行をやめて停止したか否かで、運転者が警告を受け入れたか否かを判定する。警告を行ってから待機時間が経過しても車両Aが走行をやめていない場合は、運転者が警告を受け入れていないと判定する。制御装置A5は、車両Aの走行、停止を、不図示の車速センサの検出信号に基づいて判定してもよいし、車両のイグニッションがオフになったか否かで判定してもよい。
制御装置A5は、運転者が警告を受け入れたと判定した場合、ステップ140、150に進むことなく、車両Aがその後走行を再開した時点で、ステップ110に戻る。制御装置A5は、運転者が警告を受け入れなかったと判定した場合、ただちにステップ140に進む。これにより、制御装置A5は、ステップ140で既述の通り眠気車両情報を送信し、続いてステップ150で、運転手APの覚醒度が低い事実が他車両B、C、D、Eに報知されたと、車両Aの運転手に通知する。
このように、本実施形態では、制御装置A5は、乗員の状態に異状があると検知した場合も、直ちに車両Aの外部に報知を行うのではなく、車外報知する前に車両Aの運転手APに警告する。そして制御装置A5は、運転手APがその警告を受け入れない場合に限り、車外報知およびその事実の通知を行う。
発明者の検討によれば、第1〜第5実施形態のように、乗員の状態に異状がある場合に直ちに車両Aの外部に報知を行う場合、以下のようなことが考えられる。
まず、車外報知の閾値が低く設定された場合、すなわち、ステップ130における基準回数または閾値時間が小さく設定されて車外報知がされ易くなった場合、以下のようなことが想定される。まず、他車両B、C、D、Eにおいては、頻繁に車外報知を受けて煩わしい上に、車外報知に慣れてしまって警報効果が薄れる。また、車両Aにおいては、運転手APが頻繁に恥ずかしい思いをさせられて不満が溜まるか、もしくは羞恥心が薄れる。
また、車外報知の閾値が高く設定された場合、すなわち、ステップ130における基準回数または閾値時間が大きく設定されて車外報知がされ難くなった場合、安全確保の可能性が低下する。
これに対し、本実施形態では、制御装置A5は、車外報知する前に車両Aの運転手APに警告し、運転手APがその警告を受け入れない場合に限り、車外報知およびその事実の通知を行う。
このようにすることで、他車両B、C、D、Eでは、車両Aの運転手APが警告を受け入れない場合を選んだ車外報知を受ける。したがって、他車両B、C、D、Eの運転手XPは、頻繁な車外報知で煩わしさを感じたり、報知に慣れてしまって報知効果が薄れてしまったりする可能性が低下する。
また、車両Aの運転手APは、ちゃんと警告を受け入れさえすれば車外報知という恥ずかしい事態を経験しなくて済む。したがって、頻繁に車外報知されて運転手APの不満が溜まる可能性が低下する。また、頻繁に車外報知されて運転手APの羞恥心が薄れてしまう可能性も低下する。
なお、本実施形態では、制御装置A5がステップ132を実行することで車内警告部として機能する。
(第10実施形態)
次に、第10実施形態について、第9実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態は、図14の処理に代えて図14の処理が実行される点が、第9実施形態と異なる。図14の処理は、図14の処理に対して、ステップ132とステップ136の間に、ステップ134が追加されたものである。制御装置A5は、ステップ132に続くステップ134では、車両Aの運転における安全性を高めるために望ましい具体的な運転行動の内容を、音声および画像のうち一方または両方により、車両Aの運転手APに指示する。この指示を行うために使用する装置は、車内報知装置A4でもよいし、第9実施形態で説明した車内報知装置A4とは別に車両Aの車室内に設けられた不図示の車内警告装置であってもよい。
次に、第10実施形態について、第9実施形態との違いを中心に説明する。本実施形態は、図14の処理に代えて図14の処理が実行される点が、第9実施形態と異なる。図14の処理は、図14の処理に対して、ステップ132とステップ136の間に、ステップ134が追加されたものである。制御装置A5は、ステップ132に続くステップ134では、車両Aの運転における安全性を高めるために望ましい具体的な運転行動の内容を、音声および画像のうち一方または両方により、車両Aの運転手APに指示する。この指示を行うために使用する装置は、車内報知装置A4でもよいし、第9実施形態で説明した車内報知装置A4とは別に車両Aの車室内に設けられた不図示の車内警告装置であってもよい。
具体的な運転行動としては、例えば、車両Aの現在位置の近くで安全に停車できる場所に車両Aを停止させることがある。この場合、制御装置A5は、安全に停車できる特定の場所(例えば、駐車場)のうち最も近い場所を地図データに基づいて特定する。そして制御装置A5は、当該特定の場所で車両Aが停車するよう、地図データに基づいて、車両Aの現在位置から当該特定の場所まで経路案内を行う。この例においては、車内報知装置A4は車両用ナビゲーション装置である。車両用ナビゲーション装置の記憶媒体に記録されている地図データについては周知なので、その説明は省略する。また、車両用ナビゲーション装置において地図データを用いて経路案内を行うことも周知なので、その説明は省略する。
車両Aの運転手APは、警告を受け入れる運転行動を行う場合、この経路案内に従って目的地である上記特定の場所まで車両Aを移動させ、その場所で車両Aを停車させる。このとき、具体的な運転行動が指示されているので、運転手APの判断力が鈍っていても車両Aを安全な状態にすることが比較的容易である。運転手APの体調が不良な場合は、自力で適切な判断ができない可能性があるので、このような警告時のアフターケアが有用である。逆に、運転手APが警告を受け入れない場合、運転手APは、この経路案内に従わず、目的地である上記特定の場所で停車せず、その場所の近くを通過してしまう。
また、具体的な運転行動としては、例えば、直ちに車両Aのハザードランプを点灯させて車両Aを路肩に停車させることがある。この場合、制御装置A5は、「直ちにハザードランプを点灯させて路肩に停車してください。」という音声メッセージおよび文字メッセージのうち一方または両方を車内報知装置A4に出力させる。
車両Aの運転手APは、警告を受け入れる運転行動を行う場合、このメッセージに従って、直ちに車両Aを路肩に移動させて停車させる。このとき、具体的な運転行動が指示されているので、運転手APの判断力が鈍っていても車両Aを安全な状態にすることが比較的容易である。運転手APの体調が不良な場合は、自力で適切な判断ができない可能性があるので、このような警告時のアフターケアが有用である。逆に、運転手APが警告を受け入れない場合、運転手APは、この経路案内に従わず、走行を継続する。
制御装置A5は、ステップ134に続いては、ステップ136に進み、運転手APが警告を受け入れたか否かを判定する。運転手APが警告を受け入れたか否かの判定手法については、第9実施形態と同じでもよい。
あるいは、運転手APが警告を受け入れたか否かの判定手法については、ステップ134で指示した具体的な運転行動を運転手APが行ったか否かで、運転手APが警告を受け入れたか否かを判定してもよい。
例えば、上述のように、車両Aの現在位置の近くで安全に停車できる場所に車両Aを停止させることを具体的な運転行動として指示した場合の判定について説明する。その場合は、制御装置A5は、当該場所に車両Aが停止した時点で、運転手APが警告を受け入れたと判定する。そして、制御装置A5は、当該場所に隣接する道路を車両Aが通過した時点で、運転手APが警告を受け入れなかったと判定する。
道路条件によっては、車両Aをすぐに停車できない場合もある。したがって、単に待機時間と経過時間の関係に基づいて警告を受け入れたか否かを判定するのでは、警告に従う意志があるにも関わらず、経過時間が待機時間を超過してしまって車外報知が行われてしまう可能性がある。そのような場合、具体的な運転行動の指示を運転手APが行ったか否かで警告を受け入れたか否かを判定することで、より妥当な判定が実現する。
なお、制御装置A5は、ステップ130でYESの判定を行った後に、ステップ132をバイパスしてステップ134を実行してもよい。その場合でも、制御装置A5は、運転手APの状態に異状があると検知したことに基づいて、運転手APに安全性を高めるための警告を、ステップ134で行っていることになる。本実施形態では、制御装置A5がステップ132、134を実行することで車内警告部として機能する。
(第11実施形態)
次に、第11実施形態について説明する。本実施形態は、第4、第5、第6、第7、第8実施形態に第9実施形態の変更が加えられた実施形態(以下、対象実施形態という)に対して、更に変更が施されている。対象実施形態では、眠気レベルが含まれた眠気車両情報が車両Aから他車両B、C、D、Eに送信される。ここで、眠気レベルは、運転手APの状態の、車両Aの安全運転に及ぼす悪影響の深刻度に相当する。深刻度とは、悪影響の深刻さの度合いが高いほど高くなる指標である。また、深刻度は、乗員の状態の異状の深刻さの度合いである。
次に、第11実施形態について説明する。本実施形態は、第4、第5、第6、第7、第8実施形態に第9実施形態の変更が加えられた実施形態(以下、対象実施形態という)に対して、更に変更が施されている。対象実施形態では、眠気レベルが含まれた眠気車両情報が車両Aから他車両B、C、D、Eに送信される。ここで、眠気レベルは、運転手APの状態の、車両Aの安全運転に及ぼす悪影響の深刻度に相当する。深刻度とは、悪影響の深刻さの度合いが高いほど高くなる指標である。また、深刻度は、乗員の状態の異状の深刻さの度合いである。
この対象実施形態に対する本実施形態の違いは、以下の4つである。
(A)眠気レベルが設定されるタイミング
(B)制御装置A5がステップ132で行う車内警告の内容
(C)制御装置A5がステップ150で行う車内報知の内容
(D)他車両B、C、D、Eの制御装置X5が図5の処理のステップ230で行う車外報知の内容
上記(A)については、制御装置A5は、ステップ140ではなくステップ132で、眠気レベルを設定する。眠気レベルの設定方法は、第4−第8実施形態および対象実施形態と同じである。
上記(A)については、制御装置A5は、ステップ140ではなくステップ132で、眠気レベルを設定する。眠気レベルの設定方法は、第4−第8実施形態および対象実施形態と同じである。
上記(B)については、制御装置A5は、ステップ132で、運転手に車両Aの運転における安全性を高めるための警告を行うことは第4−第8実施形態および対象実施形態と同じであるが、その警告の内容は、眠気レベルに応じて変化する。
具体的には、眠気レベルが高いほど、すなわち、深刻度が高いほど、警告の強さを高める。警告の強さを変化させるために変化させる要素としては、例えば、警告の音量、警告の頻度、警告の口調の強さ、警告の光の強さ、警告の光の色等がある。
深刻度とこれら要素との関係は、図16に示す通りである。すなわち、警告の音量については、深刻度が高いほど大きい。また、警告の頻度については、深刻度が高いほど高い。ここで、警告の頻度とは、例えば、単位時間当たりの警告の回数をいう。例えば、音声警告の場合、同じ文言を繰り返す頻度が警告の頻度に相当する。また、警告灯の点滅の場合、点灯間隔が短いほど警告の頻度が高い。
また、警告の口調の強さを変更することは、言葉の言い回しの強さであってもよいし、言葉の調子の強さであってもよい。言葉の言い回しの強さを変更する場合には、例えば、以下のようにしてもよい。深刻度が最低のとき「このまま運転を続ければ他車両に報知するかもしれません。」という文言を出力してもよい。また、深刻度が最低と最高の間(すなわち中程度)のとき「このまま運転を続ければあなたの状態が他車両に知られますよ」という風に、深刻度が最低のときに比べて「あなたの状態」という具体的事項を明確にする文言を追加して出力してもよい。また、深刻度が最高のとき「このまま運転を続ければあなたの恥ずかしい状態が他車両に知られますがいいのですか」という風に、深刻度が中程度のときに比べて「恥ずかしい」という具体的な評価を明確にする文言を追加して出力してもよい。つまり、深刻度が上がるほど、警告の内容がより具体的になってもよい。
また、光の強さについては、深刻度が高いほど強い。また、光の色については、深刻度が最低(すなわち要注意状態)のときは緑色、深刻度が最低と最高の間の中間(すなわち危険)のときは黄色、最高(すなわち緊急)のときは赤色としてもよい。ここで、光の色とは、例えば警告灯の放つ光の色であってもよいし、文字警告の文字色であってもよいし、文字警告の背景色であってもよい。
このように、車両Aの安全運転に及ぼす悪影響の深刻度に応じてステップ132の車内警告の内容が異なることで、車両Aの運転手APが自分の健康状態を過信してしまっている場合に、警告によってその過信を本人に気付かせることができる。ひいては、運転手APが警告を受け入れる可能性が高くなる。
上記(C)については、制御装置A5は、ステップ150で、運転手APの覚醒度が低い事実が他車両B、C、D、Eに報知されたと、車両Aの運転手に通知することは第4−第8実施形態および対象実施形態と同じである。ただし、その通知の内容は、眠気レベルに応じて変化する。具体的には、眠気レベルが高いほど、すなわち、深刻度が高いほど、警告の強さを高める。警告の強さを変化させるために変化させる要素は、上述の(B)と同様である。そして、深刻度とこれら要素との関係は、図16に示す通りである。
特に、警告の口調の強さを変更することは、言葉の言い回しの強さであってもよいし、言葉の調子の強さであってもよい。言葉の言い回しの強さを変更する場合には、例えば、以下のようにしてもよい。深刻度が最低のとき「他車両に報知しました。」という文言を出力してもよい。また、深刻度が最低と最高の間(すなわち中程度)のとき「あなたの状態が他車両に知られました」という風に、深刻度が最低のときに比べて「あなたの状態」という具体的事項を明確にする文言を追加して出力してもよい。また、深刻度が最高のとき「あなたの恥ずかしい状態が他車両に知られました」という風に、深刻度が中程度のときに比べて「恥ずかしい」という具体的な評価を明確にする文言を追加して出力してもよい。つまり、深刻度が上がるほど、警告の内容がより具体的になってもよい。
このように、車両Aの安全運転に及ぼす悪影響の深刻度に応じてステップ150の車内報知の内容が異なることで、車両Aの運転手APが自分の健康状態を過信してしまっている場合に、警告によってその過信を本人に気付かせることができる。
上記(D)については、他車両B、C、D、Eの制御装置X5は、図5のステップ230で、車両Aの相対位置と、車両Aの運転手が眠気を感じていることと、眠気レベルを運転手XPに報知することは、第4−第8実施形態および対象実施形態と同じである。具体的には、眠気レベルが高いほど、すなわち、深刻度が高いほど、報知の強さを高める。報知の強さを変化させるために変化させる要素は、上述の(B)と同様である。そして、深刻度とこれら要素との関係は、図16に示す通りである。
特に、警告の口調の強さを変更することは、言葉の言い回しの強さであってもよいし、言葉の調子の強さであってもよい。言葉の言い回しの強さを変更する場合には、例えば、以下のようにしてもよい。深刻度が最低のとき「近くの車両の運転手が眠そうにしています」という文言を出力してもよい。また、深刻度が最低と最高の間(すなわち中程度)のとき「近くの車両の運転手が非常に眠そうにしています」という風に、深刻度が最低のときに比べて「非常に」という強調のフレーズを追加して出力してもよい。また、深刻度が最高のとき「近くの車両の運転手が非常に眠そうにしていてとても危険です」という風に、深刻度が中程度のときに比べて「とても危険です」という危険を直接表すフレーズを明確にする文言を追加して出力してもよい。つまり、深刻度が上がるほど、警告の内容が表す危険度合いがより高くなっていてもよい。
このように、車両Aの安全運転に及ぼす悪影響の深刻度に応じて他車両B、C、D、Eにおいてステップ230の報知の内容が異なることで、他車両B、C、D、Eの運転手XPは車両Aの危険度合いに応じた適切な回避行動をとることができる。
また、本実施形態では、ステップ136で警告を受け入れたか否かの判定に用いる待機時間を、深刻度が高いほど短くしてもよい。このようにすることで、危険度が高いほど早く他車両B、C、D、Eの運転手XPに報知を行うことができる。
なお、上記(A)、(C)、(D)については、対象実施形態のみならず、第4−第8実施形態に適用されてもよい。
(第12実施形態)
次に第12実施形態について、第9−第11実施形態に対する変更部分を中心に説明する。本実施形態では、第9−第11実施形態の構成に加え、図17に示すように、動機付けサーバ20を備えている。
次に第12実施形態について、第9−第11実施形態に対する変更部分を中心に説明する。本実施形態では、第9−第11実施形態の構成に加え、図17に示すように、動機付けサーバ20を備えている。
動機付けサーバ20は、車両A〜Eの外部かつ道路から離れた場所(例えば遠隔地の建物内)に固定された通信装置であり、不図示の広域通信ネットワーク(例えばインターネット)に接続されている。本実施形態では、車両Aは、後述する履歴情報を当該広域ネットワークを介して動機付けサーバ20に送信する。
動機付けサーバ20は、図17に示すように、のCPU21、RAM22、ROM23、フラッシュメモリ24、通信部25等を備えた周知のコンピュータである。当該CPU21が、ROM23、フラッシュメモリ24等に記録されたプログラムを実行することで、動機付けサーバ20が後述する種々の処理を実現する。RAM22は、CPU21が上記プログラムを実行するときに作業領域として使用される。通信部25は、動機付けサーバ20と上記広域ネットワークの接続を媒介する通信インターフェースである。当該CPU21は、当該通信部25を用いて、広域ネットワークを介して車両Aと通信を行う。RAM22よびROM23、フラッシュメモリ24は、非遷移的実体的記憶媒体である。フラッシュメモリ24は、不揮発性記憶媒体であり、他の不揮発性記憶媒体(例えば磁気記憶媒体)に置き換えられてもよい。
また、本実施形態における車両Aの通信装置A1は、他車両B、C、D、Eの通信装置X1と通信する機能と共に、所定の無線通信方式によって上記広域ネットワークと接続する機能も有している。制御装置A5は、通信装置A1を用いることで、当該広域ネットワークを介して動機付けサーバ20とも通信することができる。
また、本実施形態の制御装置A5は、図14または図15の処理に変えて、図18の処理を実行する。図18の処理は、図14の処理に対して、ステップ135、157が追加されている。
制御装置A5は、ステップ132に続くステップ135において、直前のステップ132で行った車内警告に基づいた車内警告レコードを車内警告履歴に追加記録する。車内警告履歴は、制御装置A5内の書き換え可能な不揮発性記憶媒体(例えばフラッシュメモリ)に記憶されるデータである。この不揮発性記憶媒体は、非遷移的実体的記憶媒体である。車内警告履歴は複数の車内警告レコードを含む。それら複数の車内警告レコードの1つ1つが、1回の車内警告の内容を表している。各車内警告レコードには、車内警告を行った日時、場所、車両Aの識別情報、運転手APの識別情報等が含まれている。運転手APの識別情報は、運転手APが車両Aに乗車するときにあらかじめ運転手APが入力操作することで車両Aに登録されてもよい。制御装置A5は、ステップ135に続いては、ステップ136を実行する。
また、制御装置A5は、ステップ150に続くステップ157において、直前のステップ150で行った車内報知に基づいた車内報知レコードを車内報知履歴に追加記録する。車内報知履歴は、制御装置A5内の書き換え可能な不揮発性記憶媒体(例えばフラッシュメモリ)に記憶されるデータである。この不揮発性記憶媒体は、非遷移的実体的記憶媒体である。車内報知履歴は複数の車内報知レコードを含む。それら複数の車内報知レコードの1つ1つが、1回の車内報知の内容を表している。各車内報知レコードには、車内報知を行った日、時刻、場所、車両Aの識別情報、運転手APの識別情報等が含まれている。制御装置A5は、ステップ157の後、図18の処理を終了する。
また、本実施形態の制御装置A5は、図18の処理に加え、送信処理を繰り返し実行する。1回の送信処理の実行タイミングは、例えば、車両Aの走行開始時であってもよし、他の所定のタイミングであってもよい。制御装置A5は、送信処理においては、図17に示すように、車内警告履歴、車内報知履歴を読み出して、通信装置A1を用いて動機付けサーバ20に送信する。
動機付けサーバ20のCPU21は、このようにして送信された車内警告履歴24a、車内報知履歴24bを、通信部25を介して受信し、更にフラッシュメモリ24に記録する。
更にCPU21は、このようにしてフラッシュメモリ24に記録された車内警告履歴24a、車内報知履歴24bを用いて、図19に示す動機付け処理を実行する。動機付け処理の実行タイミングは、定期的(例えば6ヶ月に1回)であってもよいし、車内警告履歴24a、車内報知履歴24bを受信したタイミングであってもよいし、他のタイミングであってもよい。
動機付け処理において、CPU21は、まずステップ410において、車内警告履歴24aおよび車内報知履歴24bをフラッシュメモリ24から読み出す。ただし、読み出すのは、運転手APの識別情報が含まれた車内警告レコードおよび車内報知レコードのみである。このようにすることで、運転手AP個人の運転行動に基づいた動機付けを行うことができる。
続いてCPU21は、ステップ420で、読み出した運転手APの車内警告レコードに基づいて車内警告の累積回数および頻度を算出し、更に、運転手APの車内報知レコードに基づいて車内報知の累積回数および頻度を算出する。
車内警告の累積回数は、車内警告履歴24aに含まれる車内警告レコードの数に相当する。車内警告の頻度は、車内警告履歴24aに含まれる車内警告レコードのうち、長さが決まった所定期間(例えば、6ヶ月前から現在までの期間)内の車内警告日を有する車内警告レコードの数に相当する。
車内報知の累積回数は、車内報知履歴24bに含まれる車内報知レコードの数に相当する。車内報知の頻度は、車内報知履歴24bに含まれる車内報知レコードのうち、長さが決まった所定期間(例えば、6ヶ月前から現在までの期間)内の車内報知日を有する車内報知レコードの数に相当する。
続いてCPU21は、ステップ430で、直前のステップ420で算出した車内警告の累積回数、車内警告の頻度、車内報知の累積回数、車内報知の頻度に基づいて、車両Aの運転手APに対する動機付け(すなわち、特典またはペナルティ)の設定を行う。
例えば、車内警告の累積回数をP1、車内警告の頻度をP2、車内報知の累積回数をQ1、車内報知の頻度をQ2とすると、P1、P2、Q1、Q2を入力とする評価値Zを、
Z=α×P1+β×P2+γ×Q1+δ×Q2
という式で算出する。ここで、α、β、γ、δはあらかじめ定められた正の定数である。つまり、車内警告の累積回数が大きいほど、評価値Zが大きくなる。また、車内警告の頻度が大きいほど、評価値Zが大きくなる。車内報知の累積回数が大きいほど、評価値Zが大きくなる。また、車内報知の頻度が大きいほど、評価値Zが大きくなる。
Z=α×P1+β×P2+γ×Q1+δ×Q2
という式で算出する。ここで、α、β、γ、δはあらかじめ定められた正の定数である。つまり、車内警告の累積回数が大きいほど、評価値Zが大きくなる。また、車内警告の頻度が大きいほど、評価値Zが大きくなる。車内報知の累積回数が大きいほど、評価値Zが大きくなる。また、車内報知の頻度が大きいほど、評価値Zが大きくなる。
また、定数αは定数γよりも小さくてもよい。同様に、定数βは定数δよりも小さくてもよい。これにより、車内報知が行われたこと、すなわち、車内警告を運転手APが受け入れなかったことを、単に車内警告が行われたことよりも重く評価することができる。そしてCPU21は、評価値Zに基づいて動機付け情報の作成を行う。動機付け情報は、運転手APに対して付与する特典およびペナルティのうち一方または両方を示す情報である。
例えば、CPU21は、運転手APの自動車保険の保険等級を変化させる。保険等級とは、個人の自動車保険の保険料を算定するための指標である。保険等級が高いほど、算定される保険料が高くなる。この例においては、動機付けサーバ20は、複数の個人の自動車保険の保険等級を管理する装置であり、フラッシュメモリ24には、これら複数の個人の保険等級の情報が記録されている。CPU21は、評価値Zが上限基準値よりも高い場合、保険等級を低下させてもよい。また、CPU21は、評価値Zが下限基準値よりも低い場合、保険等級を上昇させてもよい。ここで、上限基準値よりも下限基準値の方が大きい。
CPU21は、運転手APの保険等級を低下させる場合は、フラッシュメモリ24中の運転手APの保険等級の値を、現在値よりも低い値に書き換える。保険等級の現在値と書き換え後の値の差の絶対値は、評価値Zの値が高ければ高いほど大きくなってもよいし、評価値Zの値にかかわらず一定であってもよい。評価値Zの値が高ければ高いほどこの絶対値が大きい場合は、車内警告および警告無視に起因する車内報知が多いほど、すなわち、運転行動が悪質なほど、ペナルティの度合いが大きくなる。
また、CPU21は、運転手APの保険等級を上昇させる場合は、フラッシュメモリ24中の運転手APの保険等級の値を、現在値よりも高い値に書き換える。保険等級の現在値と書き換え後の値の差の絶対値は、評価値Zの値が低ければ低いほど大きくなってもよいし、評価値Zの値にかかわらず一定であってもよい。このようにして書き換えられた運転手APの保険等級の値は、運転手APの次回の自動車保険の契約時に、当該自動車保険を提供する保険会社が、保険料の算定のために使用する。この例では、フラッシュメモリ24に記録される保険等級が、特典およびペナルティを示す動機付け情報に相当する。
また例えば、CPU21は、運転手APの税金(例えば所得税)の金額を変化させる。この例においては、動機付けサーバ20は、複数の個人の税金の金額を管理する装置であり、フラッシュメモリ24には、これら複数の個人の税金の金額の情報が記録されている。CPU21は、評価値Zが上限基準値よりも高い場合、税金の金額を増加させてもよい。また、CPU21は、評価値Zが下限基準値よりも低い場合、税金の金額を低下させてもよい。ここで、上限基準値よりも下限基準値の方が大きい。
CPU21は、運転手APの税金の金額を低下させる場合は、フラッシュメモリ24中の運転手APの税金の金額を、現在値よりも低い値に書き換える。税金の金額の現在値と書き換え後の値の差の絶対値は、評価値Zの値が低ければ低いほど大きくなってもよいし、評価値Zの値にかかわらず一定であってもよい。また、CPU21は、運転手APの税金の金額を上昇させる場合は、フラッシュメモリ24中の運転手APの税金の金額を、現在値よりも高い値に書き換える。税金の金額の現在値と書き換え後の値の差の絶対値は、評価値Zの値が高ければ高いほど大きくなってもよいし、評価値Zの値にかかわらず一定であってもよい。評価値Zの値が高ければ高いほどこの絶対値が大きい場合は、車内警告および警告無視に起因する車内報知が多いほど、すなわち、運転行動が悪質なほど、ペナルティの度合いが大きくなる。
このようにして書き換えられた運転手APの税金の金額は、運転手APに送付される税額通知書に記載の税額として反映される。この例では、フラッシュメモリ24に記録される税金の金額が、特典およびペナルティを示す動機付け情報に相当する。
また例えば、CPU21は、運転手APの運転免許書更新時における特別講習または健康診断の有無を変化させる。この例においては、動機付けサーバ20は、複数の個人の運転免許書更新時における特別講習または健康診断の有無を管理する装置であり、フラッシュメモリ24には、これら複数の個人の特別講習または健康診断の有無の情報が記録されている。特別講習または健康診断が有ることを示す情報が、ペナルティを示す動機付け情報に相当する。
CPU21は、評価値Zが上限基準値よりも高い場合、運転免許書更新時における特別講習または健康診断を「有り」に設定してフラッシュメモリ24に記録し、そうでない場合、「無し」に設定してフラッシュメモリ24に記録する。このようにして記録された特別講習または健康診断の有無の情報は、運転手APの運転免許更新時におけるスケジュールに反映される。このスケジュールの情報は、運転手APに送付される。
以上の通り、制御装置A5は、車内警告履歴24aおよび車内報知履歴24bを、動機付けサーバ20において動機付け情報が車内警告履歴24aおよび車内報知履歴24bに基づいて作成されるために、不揮発性記憶媒体に記録する。
このように、運転手APの羞恥心に訴えるだけでなく、運転手APの運転行動を運転手APの実利に影響させることで、より効果的に運転手APの運転行動を是正することができる。この方法は、羞恥心が乏しい人間に対して特に効果的である。
また、動機付けサーバ20は、車内警告履歴24aに含まれる警告の回数および頻度が多いほど重いペナルティを示す動機付け情報を作成してフラッシュメモリ24に記録する。また、動機付けサーバ20は、車内報知履歴24bに含まれる車内報知の回数および頻度が多いほど重いペナルティを示す動機付け情報を作成してフラッシュメモリ24に記録する。このようにすることで、運転行動が悪質なほど、ペナルティの度合いを大きくすることができる。
なお、本実施形態では、ステップ132とステップ135の間に、図15で示したステップ134の処理を追加してもよい。本実施形態では、制御装置A5が、ステップ135を実行することで、警告記録部に対応し、ステップ157を実行することで、報知記録部に対応する。また、本実施形態においては、制御装置A5および動機付けサーバ20が、動機付けシステムを構成する。
(第13実施形態)
次に第13実施形態について説明する。本実施形態は、第9、第10、第11実施形態に対して、制御装置A5の作動が、図20、図21に示すように変更されている。
次に第13実施形態について説明する。本実施形態は、第9、第10、第11実施形態に対して、制御装置A5の作動が、図20、図21に示すように変更されている。
制御装置A5は、図20に示すように、ステップ136で運転手APが警告を受け入れなかったと判定した場合、ステップ138に進んで不快制御を行い、その後ステップ140に進む。ステップ138の不快制御においては、制御装置A5は、車両A内のアクチュエータを制御して、運転手APにとって不快感が増す状態を車室内に発生させる。
例えば、不図示の車室内空調装置が車室内に吹き出す送風空気の風量を大風量(例えば、設定可能な風量のうち最大風量)とするよう、当該車室内空調装置の送風装置を制御する。そしてそれと共に、送風空気の風向が運転手APの顔および上半身を向くよう、当該車室内空調装置の風向調整機構を制御して、風向を現在よりも上向きに変更する。あるいは、例えば、送風空気の風向が速く変化して高速スイング状態になるよう、当該車室内空調装置の風向調整機構を構成するルーバを往復運動させてもよい。
あるいは、例えば、車室内空調装置の送風装置を制御することで、送風空気の風速を不規則かつ短い脈動間隔(例えば、4秒以下の間隔)で不規則に脈動させてもよい。あるいは、例えば、車室内に音楽等の音を流す不図示のオーディオ装置を制御して、車室内に不快な音(例えば、高音、金切り声等)を流してもよい。
あるいは、例えば、車室内空調装置およびオーディオ装置のうち両方または一方のみを強制的に(すなわち、運転手APの操作とは無関係に)停止させてもよい。あるいは、例えば、雨が降っていない状況でも、不図示のワイパーを強制的に(すなわち、運転手APの操作とは無関係に)作動させてもよい。
また、制御装置A5は、図21に示すように、ステップ150で、運転手APの覚醒度が低い事実が他車両B、C、D、Eに報知されたと運転手APに通知した後に、ステップ158に進む。
制御装置A5は、ステップ158では、運転者がステップ150の車内報知に起因してステップ132の警告を受け入れたか否かを、より具体的には、運転者が警告を受け入れる行動をとったか否かを、判定する。具体的には、制御装置A5は、ステップ150で車内報知を行ってから所定の待機時間(例えば3分)以内に車両Aが走行をやめて停止したか否かで、運転者が警告を受け入れたか否かを判定してもよい。
警告を受け入れたとステップ158で判定した場合、ステップ159をバイパスして処理を終了する。警告を受け入れなかったと判定した場合、ステップ158からステップ159に進む。ステップ159では、ステップ138と同様の不快制御を行う。
以上説明した通り、制御装置A5は、警告を運転手APが受け入れないことに基づいて、ステップ138、159で、運転手APの不快感を増すよう車両Aに搭載されたアクチュエータを制御する。
このように、運転手APの羞恥心に訴えるだけでなく、運転手APの運転行動を運転手APの不快感に反映させることで、より効果的に運転手APの運転行動を是正することができる。この方法は、羞恥心が乏しい人間に対して特に効果的である。なお、本実施形態では、制御装置A5が、ステップ138、159を実行することで、不快制御部に対応する。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。特に、ある量について複数個の値が例示されている場合、特に別記した場合および原理的に明らかに不可能な場合を除き、それら複数個の値の間の値を採用することも可能である。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、本発明は、上記各実施形態に対する以下のような変形例および均等範囲の変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。特に、ある量について複数個の値が例示されている場合、特に別記した場合および原理的に明らかに不可能な場合を除き、それら複数個の値の間の値を採用することも可能である。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、本発明は、上記各実施形態に対する以下のような変形例および均等範囲の変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
(変形例1)
上記各実施形態では、車両Aの運転手APの覚醒度が低いことに起因して車両Aから他車両B、C、D、Eまたはセンタ10に報知がされている。しかし、必ずしもこのようになっておらずともよい。運転手APの覚醒度が低いことは、運転手APの健康状態に異状があることの一例であるに過ぎない。覚醒度以外の健康状態に異状がある場合も、それに起因して車両Aから他車両B、C、D、Eまたはセンタ10に報知がされてもよい。
上記各実施形態では、車両Aの運転手APの覚醒度が低いことに起因して車両Aから他車両B、C、D、Eまたはセンタ10に報知がされている。しかし、必ずしもこのようになっておらずともよい。運転手APの覚醒度が低いことは、運転手APの健康状態に異状があることの一例であるに過ぎない。覚醒度以外の健康状態に異状がある場合も、それに起因して車両Aから他車両B、C、D、Eまたはセンタ10に報知がされてもよい。
覚醒度以外の健康状態の異状としては、例えば、体温、心拍数、発汗量のいずれかが通常の範囲を越えている等の状態がある。体温、心拍数、発汗量とも、周知のセンサで検出可能である。
運転手APの健康状態に異状がある場合も、その事実を周囲の他車両B、C、D、Eの乗員に認識されて、自分の車両Aが避けられていると運転手APが認識した場合は、運転の続行を中止して早めの休憩を取る可能性が大きく向上する。これは、「自分の健康に異状があるのに運転していることを知られるのは恥ずかしい。迷惑をかけてはいけない。」という意識が運転手APに働くからである。
更に言えば、運転手APの覚醒度が低いこと及び覚醒度以外の健康状態に異状があることは、運転手APの状態に異状があることの一例であるに過ぎない。健康状態以外の状態に異状がある場合も、それに起因して車両Aから他車両B、C、D、Eまたはセンタ10に報知がされてもよい。
健康状態以外の運転手APの状態の異状としては、例えば、携帯端末を使用している状態、同乗者との会話が盛り上がって夢中になっている状態等、安全運転の妨げとなる状態がある。これらの状態は、例えば、車室内カメラによって撮影された運転手APおよび車室内の画像に対する画像認識技術を用いて、例えば運転手APの視線の移動状態に基づいて、検出することが可能である。そのような画像認識技術としては、例えば、機械学習によって学習されたニューラルネットワークを用いた技術が知られている。
運転手APの状態に、安全運転の妨げとなるような異状がある場合も、その事実を周囲の他車両B、C、D、Eの乗員に認識されて、自分の車両Aが避けられていると運転手APが認識した場合は、そのような状態を改善する可能性が大きく向上する。これは、「自分の行動に異状があるのに運転していることを知られるのは恥ずかしい。迷惑をかけてはいけない。」という意識が運転手APに働くからである。
(変形例2)
上記各実施形態および変形例1では、車両Aの運転手APの健康状態に異状があることに起因して車両Aから他車両B、C、D、Eまたはセンタ10に報知がされている。異状の検知対象が運転手であることは、交通安全のへの寄与という点で有利である。乗員のうち安全運転に対する影響度が最も高いのが運転手であるからである。
上記各実施形態および変形例1では、車両Aの運転手APの健康状態に異状があることに起因して車両Aから他車両B、C、D、Eまたはセンタ10に報知がされている。異状の検知対象が運転手であることは、交通安全のへの寄与という点で有利である。乗員のうち安全運転に対する影響度が最も高いのが運転手であるからである。
しかし、運転手AP以外の車両Aの乗員の健康状態に異状があることに起因して車両Aから他車両B、C、D、Eまたはセンタ10に報知がされてもよい。例えば、図4、図9、図12のステップ110を、図22に示すように、ステップ115に置き換えてもよい。
ステップ115では、制御装置A5は、運転手AP以外の車両Aの乗員の健康状態に異状があるか否かを判定し、ある場合は、ステップ120に進み、ない場合はステップ115を再度実行する。
運転手AP以外の車両Aの乗員の健康状態に異状がある場合も、その事実を周囲の他車両B、C、D、Eの乗員に認識されて、車両Aが避けられていると運転手APが認識した場合は、運転手APがその異状に応じた適切な運転を行う可能性が高くなる。これは、「自分が運転している車両の誰かの健康に異状があるのに運転していることを他車両に知られることで、その異状に応じた適切な運転を行わないのは恥ずかしい。」という意識が運転手APに働くからである。
(変形例3)
また、制御装置A5は、図4のステップ130で直近の所定時間内の車内報知装置A4の作動回数が基準回数以上であると判定したことに基づいて、ステップ140、150の処理と共に、図12のステップ147の処理を実行してもよい。これにより、車両Aにおける不図示の車外報知装置が駆動される。
また、制御装置A5は、図4のステップ130で直近の所定時間内の車内報知装置A4の作動回数が基準回数以上であると判定したことに基づいて、ステップ140、150の処理と共に、図12のステップ147の処理を実行してもよい。これにより、車両Aにおける不図示の車外報知装置が駆動される。
このようにすることで、他車両B、C、D、Eの運転手XPは、車内報知装置X4の報知によって車両Aの運転手APの覚醒度が低いことを知る。それと共に、他車両B、C、D、Eの運転手XPは、車両Aの当該車外報知装置の報知によって、どの車両が車両Aであるかを視覚的または聴覚的により明確に把握することができる。
(変形例4)
第1、第2実施形態において、制御装置A5は、ステップ110で、眠気検知装置A2から出力された覚醒度が基準値より低いか、あるいは、第3実施形態で示した覚醒装置起動スイッチがオン操作された場合に、運転手APは眠気を感じていると判定してもよい。つまり、眠気検知装置A2と覚醒装置起動スイッチが共存してもよい。
第1、第2実施形態において、制御装置A5は、ステップ110で、眠気検知装置A2から出力された覚醒度が基準値より低いか、あるいは、第3実施形態で示した覚醒装置起動スイッチがオン操作された場合に、運転手APは眠気を感じていると判定してもよい。つまり、眠気検知装置A2と覚醒装置起動スイッチが共存してもよい。
(変形例5)
車内報知装置A4、車内報知装置X4による報知は、報知する事実を報知対象の者が認識できるような方法であれば、音声でも画像でもない方法で行われてもよい。
車内報知装置A4、車内報知装置X4による報知は、報知する事実を報知対象の者が認識できるような方法であれば、音声でも画像でもない方法で行われてもよい。
(変形例5)
他車両B、C、D、Eの制御装置X5の各々は、図5のステップ230で車内報知装置X4を作動させた後に、図7のステップ240と同じ回避制御を行ってもよい。すなわち、図5のステップ230と図7のステップ240とが共存してもよい。
他車両B、C、D、Eの制御装置X5の各々は、図5のステップ230で車内報知装置X4を作動させた後に、図7のステップ240と同じ回避制御を行ってもよい。すなわち、図5のステップ230と図7のステップ240とが共存してもよい。
(変形例6)
上記第1実施形態のステップ130の判定に用いられる基準回数は2以上であったが、1であってもよい。
上記第1実施形態のステップ130の判定に用いられる基準回数は2以上であったが、1であってもよい。
(変形例7)
上記各実施形態において、覚醒装置A3が覚醒度を高める相手は運転手APである。しかし、覚醒装置A3が覚醒度を高める相手は車両Aの助手席の乗員であっても、車両Aの後部座席の乗員であってもよい。運転手AP以外の乗員の覚醒度を高めておく必要がある場合もある。例えば、運転手AP以外の乗員が運転手APの補助をしなければならない場合がそれに該当する。
上記各実施形態において、覚醒装置A3が覚醒度を高める相手は運転手APである。しかし、覚醒装置A3が覚醒度を高める相手は車両Aの助手席の乗員であっても、車両Aの後部座席の乗員であってもよい。運転手AP以外の乗員の覚醒度を高めておく必要がある場合もある。例えば、運転手AP以外の乗員が運転手APの補助をしなければならない場合がそれに該当する。
(変形例8)
上記第9実施形態のような変更は、第1〜第5実施形態のみならず、第6、第7、第8実施形態に対しても同様に適用可能である。例えば、第6実施形態に対して適用される場合は、制御装置A5が図14のステップ132、136と同等の処理を図9のステップ130の後かつステップ145の前に実行するよう、第6実施形態が変更される。また例えば、第7実施形態に対して適用される場合は、制御装置A5が図14のステップ132、136と同等の処理を図12のステップ130の後かつステップ147の前に実行するよう、第7実施形態が変更される。
上記第9実施形態のような変更は、第1〜第5実施形態のみならず、第6、第7、第8実施形態に対しても同様に適用可能である。例えば、第6実施形態に対して適用される場合は、制御装置A5が図14のステップ132、136と同等の処理を図9のステップ130の後かつステップ145の前に実行するよう、第6実施形態が変更される。また例えば、第7実施形態に対して適用される場合は、制御装置A5が図14のステップ132、136と同等の処理を図12のステップ130の後かつステップ147の前に実行するよう、第7実施形態が変更される。
また、上記第10実施形態のような変更は、第9実施形態のみならず、第6、第7、第8実施形態に対して第9実施形態と同様の変更を施した形態にも適用可能である。
(変形例9)
上記実施形態において、車両Aの安全運転に及ぼす悪影響の深刻度の一例として眠気レベルが開示されている。深刻度の他の例としては、例えば、体温のいずれかの異状に起因して車内警告、車外報知、車内報知が行われる場合、深刻度は、体温そのものであってもよい。
上記実施形態において、車両Aの安全運転に及ぼす悪影響の深刻度の一例として眠気レベルが開示されている。深刻度の他の例としては、例えば、体温のいずれかの異状に起因して車内警告、車外報知、車内報知が行われる場合、深刻度は、体温そのものであってもよい。
(変形例10)
上記第9実施形態〜第13実施形態および各変形例において、制御装置A5は、ステップ136の判定において、脳波等の運転手APの生体信号を検出する不図示の生体信号センサからの検出信号に基づいて、運転手APが警告を受け入れたか否かを判定してもよい。その場合、制御装置A5は、ニューラルネットワークを用いて、運転手APが警告を受け入れたか否かを判定してもよい。この場合、使用されるニューラルネットワークは、入力としての生体信号と出力としての警告受け入れの有無とが対になった教示データを複数個用いて学習された学習済みモデルである。
上記第9実施形態〜第13実施形態および各変形例において、制御装置A5は、ステップ136の判定において、脳波等の運転手APの生体信号を検出する不図示の生体信号センサからの検出信号に基づいて、運転手APが警告を受け入れたか否かを判定してもよい。その場合、制御装置A5は、ニューラルネットワークを用いて、運転手APが警告を受け入れたか否かを判定してもよい。この場合、使用されるニューラルネットワークは、入力としての生体信号と出力としての警告受け入れの有無とが対になった教示データを複数個用いて学習された学習済みモデルである。
(変形例11)
上記第12実施形態において、制御装置A5は、図18の処理のステップ157の後、図21のステップ158の判定を実行してもよい。その場合、制御装置A5は、ステップ158で運転手APが警告を受け入れていないと判定すると、警告無視レコードを警告無視履歴に追加記録する。警告無視履歴は、制御装置A5内の書き換え可能な不揮発性記憶媒体(例えばフラッシュメモリ)に記憶されるデータである。この不揮発性記憶媒体は、非遷移的実体的記憶媒体である。警告無視履歴は複数の警告無視レコードを含む。それら複数の警告無視レコードの1つ1つが、1回の警告無視の内容を表している。各警告無視レコードには、運転手APが警告を無視したと判定された日、時刻、場所、車両Aの識別情報、運転手APの識別情報等が含まれている。制御装置A5は、警告無視レコードを警告無視履歴に追加記録した後、図18の処理を終了する。また、制御装置A5は、ステップ158で運転手APが警告を受け入れたと判定すると、警告無視レコードを警告無視履歴に追加記録することなく、図18の処理を終了する。
上記第12実施形態において、制御装置A5は、図18の処理のステップ157の後、図21のステップ158の判定を実行してもよい。その場合、制御装置A5は、ステップ158で運転手APが警告を受け入れていないと判定すると、警告無視レコードを警告無視履歴に追加記録する。警告無視履歴は、制御装置A5内の書き換え可能な不揮発性記憶媒体(例えばフラッシュメモリ)に記憶されるデータである。この不揮発性記憶媒体は、非遷移的実体的記憶媒体である。警告無視履歴は複数の警告無視レコードを含む。それら複数の警告無視レコードの1つ1つが、1回の警告無視の内容を表している。各警告無視レコードには、運転手APが警告を無視したと判定された日、時刻、場所、車両Aの識別情報、運転手APの識別情報等が含まれている。制御装置A5は、警告無視レコードを警告無視履歴に追加記録した後、図18の処理を終了する。また、制御装置A5は、ステップ158で運転手APが警告を受け入れたと判定すると、警告無視レコードを警告無視履歴に追加記録することなく、図18の処理を終了する。
この場合、制御装置A5は送信処理において、車内警告履歴、車内報知履歴に加え、警告無視履歴も読み出して、通信装置A1を用いて動機付けサーバ20に送信する。動機付けサーバ20のCPU21は、このようにして送信された車内警告履歴24a、車内報知履歴24b、警告無視履歴を、通信部25を介して受信し、更にフラッシュメモリ24に記録する。
更にCPU21は、このようにしてフラッシュメモリ24に記録された車内警告履歴24a、車内報知履歴24b、警告無視履歴を用いて、図19に示す動機付け処理を実行する。
動機付け処理において、CPU21は、まずステップ410において、車内警告履歴24a、車内報知履歴24bおよび警告無視履歴をフラッシュメモリ24から読み出す。ただし、読み出すのは、運転手APの識別情報が含まれた車内警告レコード、車内報知レコード、警告無視レコードのみである。
続いてCPU21は、ステップ420で、読み出した運転手APの車内警告レコードに基づいて車内警告の累積回数および頻度を算出し、更に、運転手APの車内報知レコードに基づいて車内報知の累積回数および頻度を算出する。更にCPU21は、運転手APの警告無視レコードに基づいて警告無視の累積回数および頻度を同様に算出する。
続いてCPU21は、ステップ430で、直前のステップ420で算出した車内警告の累積回数、車内警告の頻度、車内報知の累積回数、車内報知の頻度、警告無視の累積回数、警告無視の頻度に基づいて、車両Aの運転手APに対する動機付けの設定を行う。動機付けとは、特典またはペナルティを付与することである。
例えば、車内警告の累積回数をP1、車内警告の頻度をP2、車内報知の累積回数をQ1、車内報知の頻度をQ2、警告無視の累積回数をR1、および警告無視の頻度をR2、
とすると、P1、P2、Q1、Q2、R1,R2を入力とする評価値Zを、
Z=α×P1+β×P2+γ×Q1+δ×Q2+ε×R1+ζ×R2
という式で算出する。ここで、α、β、γ、δ、ε、ζはあらかじめ定められた正の定数である。つまり、警告無視の累積回数が大きいほど、評価値Zが大きくなる。また、警告無視の頻度が大きいほど、評価値Zが大きくなる。そしてCPU21は、第12実施形態と同様に、評価値Zに基づいて動機付け情報の作成を行う。このようにすることで、警告無視の累積回数および頻度に応じた動機付け情報を作成することができる。
とすると、P1、P2、Q1、Q2、R1,R2を入力とする評価値Zを、
Z=α×P1+β×P2+γ×Q1+δ×Q2+ε×R1+ζ×R2
という式で算出する。ここで、α、β、γ、δ、ε、ζはあらかじめ定められた正の定数である。つまり、警告無視の累積回数が大きいほど、評価値Zが大きくなる。また、警告無視の頻度が大きいほど、評価値Zが大きくなる。そしてCPU21は、第12実施形態と同様に、評価値Zに基づいて動機付け情報の作成を行う。このようにすることで、警告無視の累積回数および頻度に応じた動機付け情報を作成することができる。
(変形例11)
第12実施形態では、車両Aから通信で動機付けサーバ20に車内警告履歴24a、車内報知履歴24bが送信される。しかし、車内警告履歴24a、車内報知履歴24bが記録された状態の不揮発性記憶媒体を車両Aから取り外して動機付けサーバ20に装着してもよい。これにより、動機付けサーバ20のCPU21が車内警告履歴24a、車内報知履歴24bの情報を読み取り可能となる。このようにすることで、車両Aと動機付けサーバ20との間の通信機能が不要になる。
第12実施形態では、車両Aから通信で動機付けサーバ20に車内警告履歴24a、車内報知履歴24bが送信される。しかし、車内警告履歴24a、車内報知履歴24bが記録された状態の不揮発性記憶媒体を車両Aから取り外して動機付けサーバ20に装着してもよい。これにより、動機付けサーバ20のCPU21が車内警告履歴24a、車内報知履歴24bの情報を読み取り可能となる。このようにすることで、車両Aと動機付けサーバ20との間の通信機能が不要になる。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、車載装置は、車両の乗員の状態に異状があることに基づいて、当該車両の乗員の状態に異状があることが当該車両以外の他車両に報知されたと、当該車両の運転手に通知する車内報知部を備える。
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、車載装置は、車両の乗員の状態に異状があることに基づいて、当該車両の乗員の状態に異状があることが当該車両以外の他車両に報知されたと、当該車両の運転手に通知する車内報知部を備える。
また、第2の観点によれば、当該異状は、覚醒度が低いことである。少し眠気を感じた程度では、人間誰しも「この程度なら我慢できる」と過信して、無理して運転を続行してしまいがちである。しかし、自分が眠気を感じている事実を他車両の乗員に認識されて、自車両が避けられていると運転手が認識した場合は、運転の続行を中止して早めの休憩を取る可能性が大きく向上する。これは、「眠気を知られるのは恥ずかしい。迷惑をかけてはいけない。」という意識が運転手に働くからである。
また、第3の観点によれば、車載装置は、当該乗員の覚醒度を高める覚醒装置と、当該乗員の覚醒度が低いことに基づいて、覚醒装置を作動させる覚醒制御部と、を備える。この覚醒装置によって乗員の覚醒度が高まれば、当該車両および他車両の走行の安全性が高まる。
また、第4の観点によれば、車内報知部は、覚醒装置の作動回数が2以上の基準回数以上であることに基づいて、または、覚醒装置が継続して作動している時間が閾値時間を超えたことに基づいて、当該車両の乗員の覚醒度が低いことが他車両に報知されたと、当該車両の運転手に通知する。
このように、覚醒度が低いと判定されただけでなく、覚醒装置が高い頻度で作動するかまたはある程度の時間継続して作動することも、他車両へ報知されたことの通知の条件とすることで、当該通知が運転手に与える影響力が高まる。
また、第5の観点によれば、検知部が異状を検知する対象である乗員は、当該車両の運転手である。異状の検知対象が運転手であることは、交通安全のへの寄与という点で有利である。乗員のうち安全運転に対する影響度が最も高いのが運転手であるからである。
また、第6の観点によれば、検知部が異状を検知する対象である乗員は、当該車両の運転手以外の当該車両の乗員である。
異状の検知対象が運転手でなくとも、状態の異状を周囲の他車両B、C、D、Eの乗員に認識されて、自車両が避けられていると運転手が認識した場合は、運転手APがその異状に応じた適切な運転を行う可能性が高くなる。これは、「自分が運転している車両の誰かの健康に異状があるのに運転していることを他車両に知られることで、その異状に応じた適切な運転を行わないのは恥ずかしい。」という意識が運転手に働くからである。
また、第7の観点によれば、当該車両の乗員の状態に異状があると検知部が検知したことに基づいて、車外報知部は、可視光を発して視覚的に、または、可聴範囲の周波数の音を発して聴覚的に、当該車両の外部に報知を行う。このようにすることで、より簡易に他車両への報知を行うことができる。
また、第8の観点によれば、車載装置は、前記乗員の状態に異状があると前記検知部が検知したことに基づいて、前記車両の運転手に安全性を高めるための警告を行う車内警告部を備え、前記車外報知部は、前記車内警告部による前記警告を前記乗員が受け入れないことに基づいて、前記車両の外部に報知を行う。
このようにすることで、他車両では、車両の運転手が警告を乗員が受け入れない場合を選んだ車外報知を受ける。したがって、他車両の運転手は、頻繁な車外報知で煩わしさを感じたり、報知に慣れてしまって報知効果が薄れてしまったりする可能性が低下する。自車両の運転手は、ちゃんと警告を受け入れさえすれば車外報知という恥ずかしい事態を経験しなくて済む。したがって、頻繁に車外報知されて運転手の不満が溜まる可能性が低下する。また、頻繁に車外報知されて運転手の羞恥心が薄れてしまう可能性も低下する。
また、第9の観点によれば、前記車内警告部は、前記乗員の状態に異状があると前記検知部が検知したことに基づいて、前記車両の運転行動を前記乗員に指示する。このように、運転行動が指示されるので、乗員の判断力が鈍っていても車両を安全な状態にすることが比較的容易である。
また、第10の観点によれば、前記車内警告部は、前記乗員の前記状態の前記異状の深刻度に応じて、前記車両の運転手に安全性を高めるための警告の内容を変化させる。このように、乗員の状態の異状の深刻度に応じて警告の内容が異なることで、車両の運転手が自分の状態を過信してしまっている場合に、警告によってその過信を本人に気付かせることができる。ひいては、運転手が警告を受け入れる可能性が高くなる。
また、第11の観点によれば、車載装置は、前記車内警告部による前記警告を前記乗員が受け入れないことに基づいて、前記乗員の不快感を増すよう前記車両に搭載されたアクチュエータを制御する不快制御部を備える。
このように、運転手APの羞恥心に訴えるだけでなく、運転手APの運転行動を運転手APの不快感に反映させることで、より効果的に運転手APの運転行動を是正することができる。この方法は、羞恥心が乏しい人間に対して特に効果的である。
また、第12の観点によれば、車載装置は、前記車内警告部による前記警告の履歴である車内警告履歴を、動機付けサーバにおいて特典またはペナルティを示す動機付け情報が前記車内警告履歴に基づいて作成されるために、記憶媒体に記録する警告記録部を備える。このように、車両の運転手の羞恥心に訴えるだけでなく、運転手の運転行動を運転手の実利に影響させることで、より効果的に運転手の運転行動を是正することができる。
また、第13の観点によれば、車載装置は、前記車内報知部による通知の履歴である車内報知履歴を、動機付けサーバにおいて特典またはペナルティを示す動機付け情報が前記車内報知履歴に基づいて作成されるために、記憶媒体に記録する報知記録部を備える。このように、車両の運転手の羞恥心に訴えるだけでなく、運転手の運転行動を運転手の実利に影響させることで、より効果的に運転手の運転行動を是正することができる。
また、第14の観点によれば、前記車内報知部は、前記車両の前記乗員の状態に異状があることが前記他車両に報知されたという通知の内容を、前記乗員の前記状態の前記異状の深刻度に応じて変化させる。
このように、乗員の状態の異状の深刻度に応じて車内報知の内容が異なることで、車両の運転手が自分の状態を過信してしまっている場合に、警告によってその過信を本人に気付かせることができる。
また、第15の観点によれば、或る車両とは異なる他車両に搭載される車載装置は、当該或る車両の乗員の状態に異状があることの報知を受信すると、可視光を発して視覚的に、または、可聴範囲の周波数の音を発して聴覚的に、当該或る車両に報知を行う。
また、第16の観点によれば、通信システムは、或る車両に搭載され、当該或る車両の乗員の状態に異状があることに基づいて当該或る車両の外部に報知を行う第1車載装置と、当該車両とは異なる他車両に搭載され、当該或る車両の乗員の状態に異状があることの報知を受信する第2車載装置と、を備える。第1車載装置は、当該或る車両の乗員の状態に異状があることに基づいて、当該車両の乗員の状態に異状があることが他車両に報知されたと、当該或る車両の運転手に通知する。
また、第17の観点によれば、通信システムは、当該或る車両にも他車両にも搭載されないセンタを備える。第1車載装置は、当該或る車両の乗員の状態に異状があることを示す情報をセンタに送信する。センタは、当該情報を受信したことに基づいて、当該或る車両の乗員の状態に異状があることを示す情報を第2車載装置に送信する。
このように、或る車両と他車両の間にセンタが介在して眠気車両情報を送受信することで、センタにおいて、眠気車両情報に種々の加工を施すことができる。
また、第18の観点によれば、第2車載装置は、当該或る車両の運転手の状態に異状があることの報知を受信したことに基づいて、当該或る車両への接近を回避するよう、他車両を運転する。このように第2車載装置が当該他車両を当該或る車両から回避させることで、交通安全の確保をより確実にすることができる。
また、第19の観点によれば、前記第2車載装置は、前記或る車両の運転手の状態に異状があることの報知を受信したことに基づいて、前記異状の深刻度に応じた内容の報知を前記他車両の乗員に報知する。このように、深刻度に応じて他車両における報知の内容が異なることで、他車両の運転手は車両の危険度合いに応じた適切な回避行動をとることができる。
また、第20の観点によれば、動機付けシステムは、車載装置と、動機付けサーバとを備え、前記車載装置は、前記車載装置の搭載先の車両の乗員の状態に異状があることに基づいて、前記車両の運転手に安全性を高めるための警告を行い、前記警告を前記乗員が受け入れないことに基づいて、前記車両の前記乗員の状態に異状があることが前記車両以外の他車両に報知されたと、前記車両の運転手に通知し、前記警告の履歴である車内警告履歴を記憶媒体に記録し、前記動機付けサーバは、前記車内警告履歴に含まれる警告の回数または頻度が多いほど重いペナルティを示す動機付け情報を作成する。このようにすることで、運転行動が悪質なほど、ペナルティの度合いを大きくすることができる。
また、第21の観点によれば、動機付けシステムは、車載装置と、動機付けサーバとを備え、前記車載装置は、前記車載装置の搭載先の車両の乗員の状態に異状があることに基づいて、前記車両の前記乗員の状態に異状があることが前記車両以外の他車両に報知されたと、前記車両の運転手に車内報知し、前記車内報知の履歴である車内報知履歴を記憶媒体に記録し、前記動機付けサーバは、前記車内報知履歴に含まれる車内報知の回数または頻度が多いほど重いペナルティを示す動機付け情報を作成する。このようにすることで、運転行動が悪質なほど、ペナルティの度合いを大きくすることができる。
A 車両
B、C、D、E 他車両
AP、XP 運転手
A1、X1 通信装置
A3 覚醒装置
A4、X4 車内報知装置
A5、X5 制御装置
B、C、D、E 他車両
AP、XP 運転手
A1、X1 通信装置
A3 覚醒装置
A4、X4 車内報知装置
A5、X5 制御装置
Claims (21)
- 車両(A)の乗員の状態の異状を検知する検知部(110)と、
前記乗員の状態に異状があると前記検知部が検知したことに基づいて、前記車両の外部に報知を行う車外報知部(140、145、147)と、
前記車両の乗員の状態に異状があると前記検知部が検知したことに基づいて、前記車両の前記乗員の状態に異状があることが前記車両以外の他車両(B、C、D、E)に報知されたと、前記車両の運転手(AP)に通知する車内報知部(150、155)と、を備えた車載装置。 - 前記異状は、覚醒度が低いことである請求項1に記載の車載装置。
- 前記乗員の覚醒度を高める覚醒装置(A3)と、
前記乗員の覚醒度が低いことに基づいて、前記覚醒装置を作動させる覚醒制御部(120)と、を備えた請求項2に記載の車載装置。 - 前記車内報知部は、前記覚醒装置の作動回数が2以上の基準回数以上であることに基づいて、または、前記覚醒装置が継続して作動している時間が閾値時間を超えたことに基づいて、前記車両の前記乗員の覚醒度が低いことが前記他車両に報知されたと、前記車両の運転手に通知する請求項3に記載の車載装置。
- 前記検知部が異状を検知する対象である前記乗員は、前記車両の運転手(AP)である請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車載装置。
- 前記検知部が異状を検知する対象である前記乗員は、前記車両の運転手(AP)以外の前記車両の乗員である請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車載装置。
- 前記車両の乗員の状態に異状があると前記検知部が検知したことに基づいて、前記車外報知部は、可視光を発して視覚的に、または、可聴範囲の周波数の音を発して聴覚的に、前記車両の外部に報知を行う請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車載装置。
- 前記乗員の状態に異状があると前記検知部が検知したことに基づいて、前記車両の運転手に安全性を高めるための警告を行う車内警告部(132、134)を備え、
前記車外報知部は、前記車内警告部による前記警告を前記乗員が受け入れないことに基づいて、前記車両の外部に報知を行う請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車載装置。 - 前記車内警告部は、前記乗員の状態に異状があると前記検知部が検知したことに基づいて、前記車両の運転行動を前記乗員に指示する請求項8に記載の車載装置。
- 前記車内警告部は、前記乗員の前記状態の前記異状の深刻度に応じて、前記車両の運転手に安全性を高めるための警告の内容を変化させる請求項8または9に記載の車載装置。
- 前記車内警告部による前記警告を前記乗員が受け入れないことに基づいて、前記乗員の不快感を増すよう前記車両に搭載されたアクチュエータを制御する不快制御部(138、159)を備えた請求項8ないし10のいずれか1つに記載の車載装置。
- 前記車内警告部による前記警告の履歴である車内警告履歴(24a)を、動機付けサーバ(20)において特典またはペナルティを示す動機付け情報が前記車内警告履歴に基づいて作成されるために、記憶媒体に記録する警告記録部(135)を備えた請求項8ないし11のいずれか1つに記載の車載装置。
- 前記車内報知部による通知の履歴である車内報知履歴(24b)を、動機付けサーバ(20)において特典またはペナルティを示す動機付け情報が前記車内報知履歴に基づいて作成されるために、記憶媒体に記録する報知記録部(157)を備えた請求項1ないし12のいずれか1つに記載の車載装置。
- 前記車内報知部は、前記車両の前記乗員の状態に異状があることが前記他車両に報知されたという通知の内容を、前記乗員の前記状態の前記異状の深刻度に応じて変化させる請求項1ないし13のいずれか1つに記載の車載装置。
- 或る車両(A)とは異なる他車両(B、C、D、E)に搭載される車載装置であって、
前記或る車両の乗員の状態に異状があることの報知を受信する受信部(210)と、
前記受信部が前記報知を受信したことに基づいて、可視光を発して視覚的に、または、可聴範囲の周波数の音を発して聴覚的に、前記或る車両に報知を行う車外報知部(250)と、を備えた車載装置。 - 通信システムであって、
或る車両(A)に搭載され、前記或る車両の乗員の状態に異状があることに基づいて、前記或る車両の外部に報知を行う第1車載装置(A5)と、
前記或る車両(A)とは異なる他車両(B、C、D、E)に搭載され、前記或る車両の乗員の状態に異状があることの報知を受信する第2車載装置(X5)と、を備え、
前記第1車載装置(A5)は、前記或る車両の乗員の状態に異状があることに基づいて、前記或る車両の前記乗員の状態に異状があることが前記他車両に報知されたと、前記或る車両の運転手(AP)に通知する通信システム。 - 前記或る車両にも前記他車両にも搭載されないセンタ(10)を備え、
前記第1車載装置は、前記或る車両の乗員の状態に異状があることを示す情報を前記センタに送信し、
前記センタは、前記情報を受信したことに基づいて、前記或る車両の乗員の状態に異状があることを示す情報を前記第2車載装置に送信する請求項16に記載の通信システム。 - 前記第2車載装置は、前記或る車両の運転手(AP)の状態に異状があることの報知を受信したことに基づいて、前記或る車両への接近を回避するよう、前記他車両を運転する請求項16または17に記載の通信システム。
- 前記第2車載装置は、前記或る車両の運転手(AP)の状態に異状があることの報知を受信したことに基づいて、前記異状の深刻度に応じた内容の報知を前記他車両の乗員(XP)に報知する請求項16または17に記載の通信システム。
- 車載装置(A5)と、
動機付けサーバ(20)とを備えた動機付けシステムであって、
前記車載装置は、前記車載装置の搭載先の車両(A)の乗員の状態に異状があることに基づいて、前記車両の運転手に安全性を高めるための警告を行い、前記警告を前記乗員が受け入れないことに基づいて、前記車両の前記乗員の状態に異状があることが前記車両以外の他車両(B、C、D、E)に報知されたと、前記車両の運転手(AP)に通知し、前記警告の履歴である車内警告履歴(24a)を記憶媒体に記録し、
前記動機付けサーバは、前記車内警告履歴に含まれる警告の回数または頻度が多いほど重いペナルティを示す動機付け情報を作成する、動機付けシステム。 - 車載装置(A5)と、
動機付けサーバ(20)とを備えた動機付けシステムであって、
前記車載装置は、前記車載装置の搭載先の車両(A)の乗員の状態に異状があることに基づいて、前記車両の前記乗員の状態に異状があることが前記車両以外の他車両(B、C、D、E)に報知されたと、前記車両の運転手(AP)に車内報知し、前記車内報知の履歴である車内報知履歴(24b)を記憶媒体に記録し、
前記動機付けサーバは、前記車内報知履歴に含まれる車内報知の回数または頻度が多いほど重いペナルティを示す動機付け情報を作成する、動機付けシステム。
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