JP2019117235A - 光照射装置、および、光照射方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光を照射する光照射部を傾けることなく、フィルムに対して光配向を生じさせることが可能な光照射装置等を提供する。【解決手段】本発明の一実施形態における光照射装置は、フィルムに対して偏光光を照射する光照射手段と、フィルムに対する偏光光の照射位置の前後に設けられ、フィルムを搬送するための複数の搬送手段と、を含み、複数の搬送手段の各々は、偏光光の照射方向に対する位置を変更可能であることを特徴とする。【選択図】図3
Description
本発明は、光照射装置に関するものであり、特に、偏光光を照射するための光照射装置、および、光照射方法に関する。
近年、液晶パネルの配向膜などのフィルムに偏光光を照射することにより、光配向を行なう技術が開発されている。例えば、特許文献1には、偏光光を照射する照射部を備え、当該照射部から照射される偏光光をフィルムに対して照射する偏光光照射装置が開示されている。そして、特許文献1に記載の偏光光照射装置は、当該照射部を傾けることにより、フィルムに対する偏光光の照射角度(入射角度)を変更して、当該フィルムに所望の方向の配向を生じさせる。
しかしながら、特許文献1に記載の偏光光照射装置は、フィルムに対する偏光光の照射角度(入射角度)を変更するために照射部を傾けなければならないところ、当該照射部を傾けることを可能にするための構造が必要となり、当該偏光光照射装置の構造が複雑になるという問題が生じていた。
本発明の目的は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、光を照射する光照射部を傾けることなく、フィルムに対して光配向を生じさせることが可能な光照射装置、および、光照射方法を提供することである。
本発明の一実施形態における光照射装置は、フィルムに対して偏光光を照射する光照射手段と、前記フィルムに対する偏光光の照射位置の前後に設けられ、前記フィルムを搬送するための複数の搬送手段と、を含み、前記複数の搬送手段の各々は、前記偏光光の照射方向に対する位置を変更可能であることを特徴とする。
本発明の一実施形態における光照射装置において、前記複数の搬送手段の各々は、前記偏光光の照射方向の位置を変更することにより、前記フィルムに対して照射される前記偏光光の入射角度を調整可能であることを特徴としてもよい。
本発明の一実施形態における光照射装置において、前記複数の搬送手段のうち、前記フィルムに対する偏光光の照射位置の前に設けられた第1の搬送手段と、当該照射位置の後に設けられた第2の搬送手段とは、前記偏光光の照射方向の変位量が互いに同じであることを特徴としてもよい。
本発明の一実施形態における光照射装置において、前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段とは、前記偏光光の照射方向に対して、互いに異なる方向に変位することを特徴としてもよい。
本発明の一実施形態における光照射装置において、前記光照射手段は、前記フィルムに対して線状の偏光光を照射し、前記フィルムに直交する軸の周りに回転可能であることを特徴としてもよい。
本発明の一実施形態における光照射方法は、フィルムに対して偏光光を照射する光照射ステップと、前記フィルムに対する偏光光の照射位置の前後に設けられ、前記偏光光の照射方向に対する位置を変更可能な複数の搬送手段により、前記フィルムを搬送する搬送ステップと、を含む。
本発明によれば、光を照射する光照射部を傾けることなく、フィルムに対して光配向を生じさせることが可能な光照射装置、および、光照射方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。
(一実施形態)
図1は、本発明の一実施形態における光照射装置10の構成例を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態における光照射装置10の構成例を示す図である。
光照射装置10は、例えば、光源からの光から所定の方法により偏光を得て、当該偏光を基板等の被露光面に照射することで、液晶パネル用の配向膜などのフィルムを生成するものである。光照射装置10は、ダミー領域の活用度を高めるために、基板等に複数の大きさのセルを複数個配置するMMG(Multi−Model on Glass)方式の露光をするものであってもよい。なお、フィルムに照射される光は、必ずしも偏光光である必要はなく、どのような光であってもよい。
本発明の一実施形態において、光照射装置10は、液晶パネル用の配向膜などのフィルムを傾けることにより、当該フィルムに対して所望の光配向処理を行うことができる。具体的には、光照射装置10は、フィルムを傾けることにより、当該フィルムに対する偏光光の入射角度を変更することで、当該フィルムに所望の方向の配向を生じさせることが可能となる。
光照射装置10は、光照射部11と、当該光照射部11を支える支柱12と、フィルム20を搬送させる搬送ローラ13を含む。なお、光照射部11は、光照射手段11と呼称されてもよい。また、搬送ローラ13は、搬送手段13と呼称されてもよい。
光照射部11は、例えば、高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどの棒状ランプと、ワイヤーグリッド偏光素子などの偏光を含み、フィルム20に対して線状の偏光光を照射可能である。光照射部11の長手方向は、フィルム20の搬送方向に対して略直交方向になるように配置され、当該フィルム20の幅方向に対して線状の偏光光を照射可能である。
なお、光照射部11はフィルム20の搬送方向に対して回転可能であってもよく、フィルム20に照射される偏光光の偏光軸を変更することができてもよい。フィルム20の配向方向は、フィルム20に照射する偏光光の偏光軸の方向に依存する。そして、フィルム20に生じさせる配向方向は、当該フィルムの種類や性質、用途、当該フィルム20を用いた製品である液晶パネルの種類などにより、適宜設定される。例えば、フィルム20の配向方向は、フィルム20の搬送方向に対して直交方向であってもよいし、当該搬送方向に対して所定の角度(例えば、45度など)方向であってもよい。そこで、光照射部11は、フィルム20の配向方向に基づいて当該搬送方向に対して回転することにより、当該フィルム20に照射される偏光光の偏光軸を変更する。
なお、光照射部11は、必ずしも線状の光源として棒状ランプである必要はなく、紫外光を放射するLEDやLDを直線状に複数配列することで、線状光源としてもよい。また、光照射部11が照射する偏光光の波長は、フィルムの種類や性質、用途などによって任意に設定可能であってもよく、例えば、313[nm]である。なお、偏光光の波長は、この例に限られることはなく、例えば波長285〜320[nm]における任意の波長など、どのような波長であってもよい。なお、偏光光の波長は、波長285〜320[nm]に限られることなく、どのような波長であってもよい。
ワイヤーグリッド偏光素子は、複数の直線状の電気導体(例えばクロムやアルミニウム等の金属線など)を、石英ガラスなどの基板上に平行に配置したものである。また、ワイヤーグリッド偏光素子の代替品として、石英基板上に誘電体多層膜を形成した偏光素子を用いてもよい。ワイヤーグリッド偏光素子は、棒状ランプから照射された光のうち、当該電気導体の長手方向に平行な偏波(偏光)成分を反射し、直交する偏波(偏光)成分は通過する。よって、光照射部11は、偏光光を照射することが可能となる。
なお、光照射部11には、特定波長透過フィルタが含まれていても負い。特定波長透過フィルタは、特定の波長範囲の光だけを透過し、他の波長の光を吸収するようにつくられたフィルタである。特定波長透過フィルタは、板状のガラス(石英ガラス等)である透明基板上に、特定の波長範囲の光だけを透過させるバンドパスフィルタやローカットフィルタや反射フィルタなどのフィルタ層が形成されたものである。
支柱12は、光照射部11がフィルム20から所定の高さに位置するように、当該光照射部11を支えることが可能である。図1に例示するように、光照射部11は、2本の支柱12で支えられており、当該2本の支柱12の間をフィルム20が搬送される。支柱12の高さは、任意に設定可能であり、光配向処理するフィルム20の種類や性質に応じて、光照射部11とフィルム20とを所望の距離に設定することができる。なお、以下の例では、光照射部11とフィルム20との距離は、所定の距離で固定されている場合を例にして説明する。
フィルム20は、偏光光により配向を行う配向膜や配向層を設けたフィルム20であり、例えば光配向膜と呼称されてもよい。フィルム20は、例えば、視野角補償フィルムなどであってもよい。フィルム20は長尺状であり、例えば送り出しローラ(図示しない)から送り出されることにより搬送され、当該光照射部20の下を搬送されて、巻き取りローラ(図示しない)に巻き取られる。そして、フィルム20は、光照射部11の下を搬送される際に、当該光照射部11から偏光光が照射される。なお、フィルム20は、搬送されることにより撓むおそれがある。そこで、フィルム20の撓みを検出可能な検出センサを設けてもよく、当該検出センサの検出結果に基づいて、送り出しローラから送り出すスピードや、巻き取りローラに巻き取られるスピードが調整されてもよい。これによって、フィルム20が撓むことを棒被することができる。なお、フィルム20の幅方向の長さは、例えば1490[mm]であるが、この長さに限られず、どのような長さであってもよい。
搬送ローラ13は、フィルム20の搬送方向に回転可能であり、当該フィルム20を搬送させることが可能である。図1に図示するように、搬送ローラ13は、光照射部11によって偏光光が照射される前後(搬送ローラ13Aと搬送ローラ13B)に設けられている。
ここで、本発明の一実施形態において、フィルム20に対して、偏光光を所定の角度で入射させることにより、当該フィルムに所定の特性を付与する場合がある。そこで、本発明の一実施形態の光照射装置10は、偏光光が照射される前後に設けられている搬送ローラ13Aおよび搬送ローラ13Bの位置を互いに変更することにより、フィルム20を当該偏光光の照射方向に対して傾け、当該フィルムに対する偏光光の入射角度を変更することが可能である。なお、搬送ローラ13Aおよび搬送ローラ13Bの各々は、光照射部11から照射される偏光光の照射方向に対する位置を、互いに変更可能である。
図2は、光照射装置10の各構成の位置関係の概略を示す図である。図2は、偏光光の照射方向において搬送ローラ13Aと搬送ローラ13Bの位置が同一であり、フィルム20が、偏光光の照射方向の垂直方向に対して傾いておらず、水平である場合の例である。図2に示すように、偏光光の照射方向に対して搬送ローラ13Aと搬送ローラ13Bの位置が同一であるため、偏光光はフィルム20に対して垂直に入射することになる。
これに対して、図3は、光照射装置10の各構成の位置関係の他の概略を示す図である。図3は、偏光光の照射方向において搬送ローラ13Aと搬送ローラ13Bの位置が互いに異なり、フィルム20が、偏光光の照射方向の垂直方向に対して傾いている場合の例である。なお、図3に示すように、搬送ローラ13Aと搬送ローラ13Bとは、偏光光の照射方向に対して、互いに異なる方向に変位する。具体的には、搬送ローラ13Aは、偏光光の照射方向に変位し、搬送ローラ13Bは、偏光光の照射方向とは逆方向に変位する。
図3に示すように、偏光光の照射方向において、搬送ローラ13Aの位置が、搬送ローラ13Bの位置よりもHだけ高い。そのため、フィルム20は、偏光光の照射方向の垂直方向に対して所定の角度Aだけ傾く。その結果、光照射部11から照射される偏光光のフィルム20に対する入射角度も、所定の角度Aとなる。したがって、光照射装置10は、フィルム20に対して、偏光光を所定の角度Aで入射させることにより、当該フィルム20に所定の特性を付与することが可能である。
図3に示すように、搬送ローラ13Aと搬送ローラ13Bの各々は、偏光光の照射方向に対する変位量(H/2)が互いに同じである。そのため、光照射部11とフィルム20との間の距離が、図2の場合と同じ距離となる。このように、搬送ローラ13Aと搬送ローラ13Bの偏光光の照射方向に対する変位量を同じとすることで、フィルム20に対する偏光光の照射点(照射位置)を常に同じ位置にすることができる。
なお、搬送ローラ13Aと搬送ローラ13Bの偏光光の照射方向に対する変位量は、必ずしも同じである必要はなく、異なる変位量であってもよい。この場合においては、フィルム20に対する偏光光の照射点(照射位置)が、変位量に応じて異なることになる。
搬送ローラ13A及び搬送ローラ13Bの偏光光の照射方向に対する変位量は、図3に例示するHに限られず、フィルム20に付与する所定の特性や、当該フィルム20自体の性質や特性に基づいて、任意に設定可能である。搬送ローラ13A及び搬送ローラ13Bの偏光光の照射方向に対する変位量を変化させることにより、フィルム20に対する偏光光の入射角度を変化させることが可能である。なお、搬送ローラ13A及び搬送ローラ13Bの偏光光の照射方向に対する変位量は、フィルム20に付与する所定の特性に基づいて偏光光の入射角度である所定の角度Aを決定し、その後、所定の角度Aに基づいて当該変位量を決定してもよい。
また、図3の例とは異なり、偏光光の照射方向において、搬送ローラ13Bの位置が、搬送ローラ13Aの位置よりもHだけ高くてもよい。図4は、光照射装置10の各構成の位置関係の他の概略を示す図である。図4に示すように、偏光光の照射方向において、搬送ローラ13Bの位置が、搬送ローラ13Aの位置よりもHだけ高い場合も、フィルム20は、偏光光の照射方向の垂直方向に対して所定の角度Aだけ傾く。その結果、光照射部11から照射される偏光光のフィルム20に対する入射角度は、図3の場合と同様に所定の角度Aとなる。
図5は、光照射装置10の動作例を示す、フローチャートである。
図5に例示するように、光照射装置10の光照射部11は、フィルム20に対して偏光光を照射する(S101)。光照射部11は、所定の周期で偏光光を照射する。なお、光照射部11は、継続的に偏光光を照射してもよい。
偏光光が照射された後、フィルム20に対する偏光光の照射位置の前後に設けられた搬送ローラ13A及び13Bにより、フィルム20が搬送される(S102)。なお、搬送ローラ13A及び13Bの各々は、なお、搬送ローラ13A及び13Bは、偏光光の照射方向に対する位置を変更可能である。また、搬送ローラ13A及び13Bは、絶えず回転することにより、フィルム20を絶えず搬送させてもよい。
上記の通り、本発明の一実施形態において、光照射装置10は、液晶パネルの配向膜などのフィルム20に照射させる偏光光の照射角度を傾けることにより、当該フィルム20に対する偏光光の入射角度を変更することで、当該フィルム20に所望の方向の配向を生じさせることが可能である。その結果、フィルムに所定の特性を付与することができる。
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」「直交」等の記載がある場合に、これらの各記載は厳密な意味ではない。すなわち、「垂直」「平行」「平面」「直交」とは、設計上や製造上等における公差や誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」「実質的に直交」という意味である。なお、ここでの公差や誤差とは、本発明の構成・作用・効果を逸脱しない範囲における単位のことを意味するものである。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合に、これらの各記載は厳密な意味ではない。すなわち、「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上や製造上等における公差や誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。なお、ここでの公差や誤差とは、本発明の構成・作用・効果を逸脱しない範囲における単位のことを意味するものである。
本発明を諸図面や実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。
10 光照射装置
11 光照射部
12 支柱
13 搬送ローラ
20 フィルム(光配向膜)
11 光照射部
12 支柱
13 搬送ローラ
20 フィルム(光配向膜)
Claims (6)
- フィルムに対して偏光光を照射する光照射手段と、
前記フィルムに対する偏光光の照射位置の前後に設けられ、前記フィルムを搬送するための複数の搬送手段と、を含み、
前記複数の搬送手段の各々は、前記偏光光の照射方向に対する位置を変更可能であることを特徴とする光照射装置。 - 前記複数の搬送手段の各々は、前記偏光光の照射方向の位置を変更することにより、前記フィルムに対して照射される前記偏光光の入射角度を調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の光照射装置。
- 前記複数の搬送手段のうち、前記フィルムに対する偏光光の照射位置の前に設けられた第1の搬送手段と、当該照射位置の後に設けられた第2の搬送手段とは、前記偏光光の照射方向の変位量が互いに同じであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光照射装置。
- 前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段とは、前記偏光光の照射方向に対して、互いに異なる方向に変位することを特徴とする請求項3に記載の光照射装置。
- 前記光照射手段は、前記フィルムに対して線状の偏光光を照射し、前記フィルムに直交する軸の周りに回転可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光照射装置。
- フィルムに対して偏光光を照射する光照射ステップと、
前記フィルムに対する偏光光の照射位置の前後に設けられ、前記偏光光の照射方向に対する位置を変更可能な複数の搬送手段により、前記フィルムを搬送する搬送ステップと、を含む光照射方法。
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