JP2019116990A - 熱交換器、電子機器、および熱交換器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
請求項2に記載の発明は、前記蒸発器は、気相の作動流体を流出させる流出口を有し、前記抑制部は、前記蒸発体の内部において前記流出口に向かう作動流体の移動方向に沿う当該蒸発体の側面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の熱交換器である。
請求項3に記載の発明は、前記抑制部は、前記側面を覆うことを特徴とする請求項2記載の熱交換器である。
請求項4に記載の発明は、前記蒸発体は、内部に多数の孔を有する多孔質体であり、前記抑制部は、前記蒸発体の内部と比較して空孔率が小さいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の熱交換器である。
請求項5に記載の発明は、前記抑制部は、前記蒸発器の内面に対する前記蒸発体の位置を固定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の熱交換器である。
請求項6に記載の発明は、前記蒸発器は、内面に気相の作動流体が流れる凹部が形成され、前記蒸発体は、前記内面における前記凹部を覆う位置に設けられ、前記抑制部は、前記凹部を覆う位置に設けられた前記蒸発体において当該凹部よりも外周側に設けられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の熱交換器である。
請求項7に記載の発明は、前記蒸発体は、平板状に形成され、前記蒸発器は、前記蒸発体を支持する支持面を有し、前記抑制部は、前記蒸発体における前記支持面によって支持される被支持面から立ち上がる当該蒸発体の立上面に形成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の熱交換器である。
請求項8に記載の発明は、前記蒸発体は、複数の多孔質層により形成され、前記抑制部は、前記複数の多孔質層の積載方向に沿う前記蒸発体の側面に形成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の熱交換器である。
請求項9に記載の発明は、筺体と、前記筺体の内部に収容される発熱部品と、前記発熱部品から熱を吸収し作動流体を液相から気相へと蒸発させ蒸気管を介して流出させる蒸発器を備え、当該蒸発器から導かれた気相の作動流体を凝縮させ液相の作動流体として液管を介して当該蒸発器に環流させる熱交換器とを備える電子機器において、前記蒸発器は、平板状に形成され、気相の作動流体を流出させる流出口を有する蒸発器筺体と、平板状に形成され、前記蒸発器筺体の内部に設けられるとともに、液相の作動流体を毛細管力により移動させながら気相へと蒸発させる蒸発体とを備え、前記蒸発体は、前記蒸発体の外周に形成され、当該蒸発体の内部に液相の作動流体を流入させる流入部と、前記蒸発体の内部において前記流出口に向かう作動流体の移動方向に沿う当該蒸発体の側面に形成され、当該蒸発体の内部から気相の作動流体が流出することを抑制し、かつ前記蒸発器筺体に対する当該蒸発体の位置を固定する固定部と、前記蒸発体の外周に形成され、当該蒸発体の内部から気相の作動流体を流出させる流出部とを有することを特徴とする電子機器である。
請求項10に記載の発明は、外部から熱を吸収して作動流体を液相から気相へと蒸発させる蒸発器を有し、当該蒸発器から導かれた気相の作動流体を凝縮させ液相の作動流体として当該蒸発器に環流させる熱交換器の製造方法において、液相の作動流体を毛細管力により移動させながら気相へと蒸発させる蒸発体を形成する工程と、前記蒸発体を内部に収容する蒸発器筺体を構成する底部および覆い部を形成する工程と、前記底部における予め定めた位置に前記蒸発体を配置する工程と、前記底部に配置された前記蒸発体の外周に、当該蒸発体の内部から気相の作動流体が流出することを抑制し、かつ当該底部に対する当該蒸発体の位置を固定する固定部を形成する工程と、前記蒸発体が固定された前記底部に対して前記蒸発器筺体の前記覆い部を固定する工程とを有することを特徴とする熱交換器の製造方法である。
請求項2記載の発明によれば、熱交換効率の低下を抑制することができる。
請求項3記載の発明によれば、熱交換効率の低下を抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、蒸発体内部における作動流体の移動が妨げられることを抑制できる。
請求項5記載の発明によれば、蒸発器の製造工程における作業効率を向上させることができる。
請求項6記載の発明によれば、凹部内の気相の作動流体が蒸発体の外周から流出することを抑制することができる。
請求項7記載の発明によれば、熱交換効率の低下を抑制しつつ、蒸発器の厚さを低減することができる。
請求項8記載の発明によれば、多孔質層同士の間から気相の作動流体が流出することを抑制することができる。
請求項9記載の発明によれば、気相の作動流体が蒸発体から予め定めた方向以外に流出することを抑制した熱交換器を有する電子機器を提供することができる。
請求項10記載の発明によれば、気相の作動流体が蒸発体から予め定めた方向以外に流出することを抑制した熱交換器を提供することができる。
<ループ型ヒートパイプ100の構成>
図1は、本実施の形態に係るループ型ヒートパイプ100を示す概略構成図である。
まず、図1を参照して、本実施の形態が適用されるループ型ヒートパイプ100の構成を説明する。
次に、図1を参照して、熱交換器の一例であるループ型ヒートパイプ100内の動作を説明する。
まず、発熱体(図示せず)において発生する熱は、蒸発器101に伝達される(矢印H1参照)。蒸発器101において熱を吸収した作動流体は気化し、蒸気管105を通って(矢印A1参照)、凝縮器107へ送られる(矢印A2参照)。凝縮器107へ送られた作動流体は、熱を放出して(矢印H2参照)液化する。そして、液化した作動流体は、液管109を通って(矢印A3参照)、再び蒸発器101へと送られる(矢印A4参照)。
図2は、本実施の形態に係る蒸発器101を示す概略構成図である。
次に、図2を参照して、本実施の形態が適用される蒸発器101の構成を説明する。
図2に示すように、蒸発器101は、電子機器(図示せず)の内部に備えられ、発熱体(図示せず)からの熱を受ける筺体110と、筺体110の内部に設けられるウィック130とを有する。
次に、図1および図2を参照しながら蒸発器101内の動作について説明する。
液溜め部150に収容された液相の作動流体は、ウィック130に浸透する。そして、液相の作動流体は、ウィック130の毛細管力によりウィック130内を移動しながら、発熱体(図示せず)の熱により加熱され気化する。この気化した作動流体は、蒸気管105側へと移動した後(矢印C4およびC5参照)、蒸気管105から流出し(矢印A1参照)、凝縮器107(図1参照)へと送られる。
図3は、筺体110およびウィック130の構成を説明する図である。より具体的には、図3は図2のIII−IIIにおける断面図である。
図2に示すように、筺体(蒸発器筺体)110は、概形が略直方体状(板状)で中空の部材である。筺体110の内部には、略直方体状の空間が形成される。この筺体110は、例えばアルミなどの金属や樹脂などにより形成される。
また、上流側部115は、貫通孔である流入口123を有する。この流入口123は、液管109と内部が連続するように設けられる。なお、流入口123は、筺体110内の液溜め部150に向けて開口する。また、図示の例における流入口123は、上流側部115の幅方向中央および厚み方向中央に設けられている。
次に、図2および図3を参照しながら、底部111の構成について詳細に説明をする。
図2に示すように、底部111は、平板状(厚みが薄い略直方体)の部材である。図示の例の底部111は、平面視略長方形である。この底部111は、筺体110内側の面である上面(支持面)111Tに、蒸気溝118および集約領域119が形成されている。
図4は、図2の矢印IVからみたウィック130の平面図である。
次に、図2乃至図4を参照しながら、ウィック130の構成について説明をする。
図2に示すように、蒸発体の一例であるウィック130は平板状(厚みが薄い略直方体)の部材である。図示の例のウィック130は、平面視略長方形である。
また、以下の説明においては、第1側面132、第2側面133、下流面134、および上流面135を、単にウィック130の側面ということがある。なお、ウィック130の側面は蒸発体の立上面の一例であり、底面137は被支持面の一例である。
次に、図2乃至図4を参照しながら、ウィック130における作動流体の流れについて詳細に説明する。
図5は、ウィック130の封止領域130Aを説明する図である。より具体的には、図5は図3の領域V内の拡大図である。
次に、図3乃至図5を参照しながら、ウィック130の封止領域130Aについて説明をする。
また、封止領域130Aは、底面137の中央部には設けられていない。言い替えると、封止領域130Aは底面137全体を覆うようには設けられていない。このことにより、気相の作動流体がウィック130内から底面137を介して流出する流路が確保される。なお、天面136の中央部は流入部の一例であり、底面137の中央部は流出部の一例である。
図6は、ループ型ヒートパイプ100の製造方法を示すフローチャートである。
次に、図2および図6を参照して、本実施の形態におけるループ型ヒートパイプ100の動作を説明する。
そして、ウィック130の外周面に封止領域130Aを形成する(ステップ604)。このとき、ウィック130とともに底部111を加熱することにより、底部111に対するウィック130の位置が固定される。
そして、形成された筺体110に対して、蒸気管105、凝縮器107および液管109を固定する(ステップ606)。
図7(a)はウィック130におけるリーク試験を説明する図であり、図7(b)はリーク試験において観察された結果を説明する図である。
次に、図7(a)および(b)を参照しながら、ウィック130におけるリーク試験について説明をする。すなわち、ウィック130に形成された封止領域130Aにより、気相の作動流体がウィック130の側面から流出(漏れ、リーク)することが抑制されるかの試験について説明をする。
そして、図7(b)に示すように、ウィック130のキャピラリー圧に達したときにおける封止領域130A近傍のウィック130の表面から、多数の窒素ガス気泡Arが放出されている様子は確認できた。一方で、封止領域130A近傍のウィック130内部から湧き出た窒素ガス気泡Asが封止領域130A上に確認されたものの、封止領域130A外周から窒素ガスがリークしていないことが確かめられた。
図8(a)はウィック230を説明する図であり、図8(b)はウィック330を説明する図である。
次に、図8(a)および(b)を参照しながら、他の実施の形態1におけるウィック230、330の構成について説明をする。なお、図8(a)および(b)は、上記図5に対応する図であり、図5に示すウィック130および底部111と同一の部分には同一の符号をつけ、その詳細な説明は省略する。
図9(a)は蒸発器401を示す概略構成図であり、図9(b)はウィック430を示す概略構成図である。
例えば、図9(a)に示す蒸発器401が有する筺体410のように、筺体410の移送方向の下流側側面に流出口421を設けてもよい。
図10は、ループ型ヒートパイプ100を備える携帯電話1000を説明する図である。
次に、図10を参照しながら、ループ型ヒートパイプ100を備える電子機器の一例である携帯電話1000について説明をする。
図示の例のように、携帯電話1000内に設けられる蒸発器101を平板状に形成することにより、携帯電話1000の厚みが抑制され得る。
さて、上記の説明においては、筺体110およびウィック130は、概形が平板状であることを説明したが、これに限定されない。すなわち、蒸気溝118および集約領域119が形成される筺体110の内周面(底部111の上面111T)と、ウィック130がともに合致する形状であれば円筒状など他の形状であってもよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
Claims (10)
- 外部から熱を吸収して作動流体を液相から気相へと蒸発させる蒸発器を有し、当該蒸発器から導かれた気相の作動流体を凝縮させ液相の作動流体として当該蒸発器に環流させる熱交換器において、
前記蒸発器は、液相の作動流体を毛細管力により移動させながら気相へと蒸発させる蒸発体を有し、
前記蒸発体は、
前記蒸発体の外周に形成され、当該蒸発体の内部に液相の作動流体を流入させる流入部と、
前記蒸発体の外周に形成され、当該蒸発体の内部から気相の作動流体が流出することを抑制する抑制部と、
前記蒸発体の外周に形成され、当該蒸発体の内部から気相の作動流体を流出させる流出部と
を有する
ことを特徴とする熱交換器。 - 前記蒸発器は、気相の作動流体を流出させる流出口を有し、
前記抑制部は、前記蒸発体の内部において前記流出口に向かう作動流体の移動方向に沿う当該蒸発体の側面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。 - 前記抑制部は、前記側面を覆うことを特徴とする請求項2記載の熱交換器。
- 前記蒸発体は、内部に多数の孔を有する多孔質体であり、
前記抑制部は、前記蒸発体の内部と比較して空孔率が小さい
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の熱交換器。 - 前記抑制部は、前記蒸発器の内面に対する前記蒸発体の位置を固定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の熱交換器。
- 前記蒸発器は、内面に気相の作動流体が流れる凹部が形成され、
前記蒸発体は、前記内面における前記凹部を覆う位置に設けられ、
前記抑制部は、前記凹部を覆う位置に設けられた前記蒸発体において当該凹部よりも外周側に設けられる
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の熱交換器。 - 前記蒸発体は、平板状に形成され、
前記蒸発器は、前記蒸発体を支持する支持面を有し、
前記抑制部は、前記蒸発体における前記支持面によって支持される被支持面から立ち上がる当該蒸発体の立上面に形成される
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の熱交換器。 - 前記蒸発体は、複数の多孔質層により形成され、
前記抑制部は、前記複数の多孔質層の積載方向に沿う前記蒸発体の側面に形成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の熱交換器。 - 筺体と、
前記筺体の内部に収容される発熱部品と、
前記発熱部品から熱を吸収し作動流体を液相から気相へと蒸発させ蒸気管を介して流出させる蒸発器を備え、当該蒸発器から導かれた気相の作動流体を凝縮させ液相の作動流体として液管を介して当該蒸発器に環流させる熱交換器と
を備える電子機器において、
前記蒸発器は、
平板状に形成され、気相の作動流体を流出させる流出口を有する蒸発器筺体と、
平板状に形成され、前記蒸発器筺体の内部に設けられるとともに、液相の作動流体を毛細管力により移動させながら気相へと蒸発させる蒸発体と
を備え、
前記蒸発体は、
前記蒸発体の外周に形成され、当該蒸発体の内部に液相の作動流体を流入させる流入部と、
前記蒸発体の内部において前記流出口に向かう作動流体の移動方向に沿う当該蒸発体の側面に形成され、当該蒸発体の内部から気相の作動流体が流出することを抑制し、かつ前記蒸発器筺体に対する当該蒸発体の位置を固定する固定部と、
前記蒸発体の外周に形成され、当該蒸発体の内部から気相の作動流体を流出させる流出部と
を有する
ことを特徴とする電子機器。 - 外部から熱を吸収して作動流体を液相から気相へと蒸発させる蒸発器を有し、当該蒸発器から導かれた気相の作動流体を凝縮させ液相の作動流体として当該蒸発器に環流させる熱交換器の製造方法において、
液相の作動流体を毛細管力により移動させながら気相へと蒸発させる蒸発体を形成する工程と、
前記蒸発体を内部に収容する蒸発器筺体を構成する底部および覆い部を形成する工程と、
前記底部における予め定めた位置に前記蒸発体を配置する工程と、
前記底部に配置された前記蒸発体の外周に、当該蒸発体の内部から気相の作動流体が流出することを抑制し、かつ当該底部に対する当該蒸発体の位置を固定する固定部を形成する工程と、
前記蒸発体が固定された前記底部に対して前記蒸発器筺体の前記覆い部を固定する工程と
を有することを特徴とする熱交換器の製造方法。
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