JP2019116278A - 検出器付きのシート - Google Patents

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Abstract

【課題】貫通孔内に検出器から出力された信号の伝送路中、接続部分をパッド材に設けられた貫通孔内に配置した際に当該接続部分の折れ曲がりを適切に規制する。【解決手段】着座者が着座した際の座圧を検出する圧力センサ1と、圧力センサ1からの出力信号の伝送路のうち、圧力センサ1から延出した部分を形成する導線3と、ECU20から延出した部分を形成するケーブル4と、導線3がなす部分とケーブル4がなす部分との接続部分が折れ曲がるのを規制する曲げ規制部材12と、シート内に設けられたパッド材Pにおいて、パッド材Pの厚み方向の一端から他端に亘って形成された貫通孔20と、を備える。曲げ規制部材12が貫通孔20に挿入されることで伝送路が貫通孔20内を通過する。【選択図】図10

Description

本発明は、検出器付きのシートに係り、特に、着座者がシートに着座した際に変化する対象値を検出する検出器を備えたシートに関する。
センサ等の検出器を備えたシートは、既に知られており、例えば、着座者がシートに着座した際に着座面各部に掛かる圧力(着座圧)を検出する圧力センサを備えたシートが知られている。このようなシートでは、通常、着座面の直下位置に圧力センサが配置されている。一方、圧力センサが着座圧を検出したときに出力する信号を受信する機器(信号受信部)については圧力センサから離れた位置に配置され、例えば、着座面を構成するパッド材の裏面側(着座面とは反対側)に配置されるケースが考えられる。こうしたケースでは、圧力センサから出力された信号の伝送路を極力短くする等の事情から、パッド材に貫通孔を穿ち、この貫通孔に伝送路を通す構成が採用され得る(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−95373号公報
ところで、上記の伝送路については、圧力センサから延出している部分と、信号受信部から延出している部分と、に分かれている場合がある。かかる場合には、伝送路を構成する上記2つの部分を接続する接続部分が存在することになる。この接続部分については、周辺部材等と干渉して損傷するのを避ける目的から上記の貫通孔内に配置されることが考えられる。ただし、貫通孔内に接続部分を配置したとしても、貫通孔周辺に比較的大きな荷重が掛かったときには当該荷重が接続部分まで伝達され、これにより、接続部分が折れ曲がって損傷する虞がある。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、検出器から出力された信号の伝送路中、接続部分をパッド材に設けられた貫通孔内に配置した際に当該接続部分の折れ曲がりを適切に規制することが可能な検出器付きのシートを提供することである。
前記課題は、本発明の検出器付きのシートによれば、着座者がシートに着座した際に変化する対象値を検出する検出器と、該検出器が前記対象値を検出した際に出力する信号の伝送路のうち、前記検出器から延出した部分を形成する第1伝送路形成部と、前記伝送路のうち、前記信号を受信する信号受信部から延出した部分を形成する第2伝送路形成部と、前記伝送路のうち、前記第1伝送路形成部がなす部分と前記第2伝送路形成部がなす部分との接続部分が折れ曲がるのを規制する曲げ規制部材と、前記シート内に設けられたパッド材において、該パッド材の厚み方向の一端から他端に亘って形成された貫通孔と、を備え、該貫通孔に前記曲げ規制部材が挿入されることで前記伝送路が前記貫通孔内を通過することにより解決される。
上記のように構成された本発明の検出器付きのシートでは、伝送路のうち、検出器から延出した部分と信号受信部から延出した部分との接続部分が折れ曲がるのを、曲げ規制部材によって規制する。また、曲げ規制部材は、パッド材に設けられた貫通孔に挿入されることになっている。これにより、上記の接続部分は、折れ曲がらないように曲げ規制部材に規制された状態で貫通孔内に配置されるようになる。
また、上記の検出器付きのシートにおいて、前記接続部分は、前記第1伝送路形成部及び前記第2伝送路形成部の双方の端部が締結される締結部材からなり、前記曲げ規制部材は、該曲げ規制部材の外表面上に前記締結部材及び前記双方の端部が固定されることにより、前記接続部分の折れ曲がりを規制するとよい。
上記の構成では、曲げ規制部材の外表面上に締結部材及び各伝送路形成部の端部を固定することで、接続部分の折れ曲がりを規制する。このような構成であれば、より簡単な構成にて、接続部分の折れ曲がりを規制することが可能となる。
また、上記の検出器付きのシートにおいて、前記曲げ規制部材は、樹脂材料からなり、楕円状に湾曲した前記外表面を有するとよい。
上記の構成では、曲げ規制部材が、楕円状に湾曲した外表面を有する樹脂成形品からなる。このような構成であれば、締結部材及び各伝送路形成部の端部を固定する際、曲げ規制部材の外表面上には角張っている部分がないので、締結部材や各伝送路形成部の端部と当接したときに損傷が生じるのを抑制することが可能となる。
また、上記の検出器付きのシートにおいて、前記検出器が複数設けられており、前記第1伝送路形成部、前記第2伝送路形成部及び前記締結部材が前記検出器毎に備えられており、前記検出器毎の前記第1伝送路形成部、前記第2伝送路形成部及び前記締結部材の各々に取り付けられ、当該各々を保持する保持フィルムを更に備え、該保持フィルム中、前記締結部材及び前記双方の端部に取り付けられた部分が前記外表面に沿って前記曲げ規制部材に巻き付けられた状態で前記外表面上に固定されることにより、前記曲げ規制部材が前記接続部分の折れ曲がりを規制するとよい。
上記の構成では、保持フィルム中、締結部材及び各伝送路形成部の端部が取り付けられた部分を曲げ規制部材に巻き付けることで、締結部材及び各伝送路形成部の端部が曲げ規制部材の外表面に固定される。このような構成であれば、締結部材及び各伝送路形成部の端部を曲げ規制部材の外表面上に固定することが容易になる。
また、上記の検出器付きのシートにおいて、前記保持フィルムは、幅が異なり互いに隣接している第1部分及び第2部分を有し、より幅が広い前記第1部分が、前記締結部材及び前記双方の端部に取り付けられた部分であり、前記外表面に沿って前記曲げ規制部材に巻き付けられ、より幅が狭い前記第2部分は、前記検出器毎の前記第1伝送路形成部に取り付けられ、前記曲げ規制部材は、一部が切り欠かれた鍔状部を端部に備えており、前記第1部分が前記曲げ規制部材に巻き付けられた状態では、前記第2部分が、前記鍔状部の前記一部が切り欠かかれることで形成された凹部内に入り込んでいるとよい。
上記の構成では、保持フィルムのうち、より幅が広い第1部分を曲げ規制部材に巻き付ける際、より幅が狭い第2部分が鍔状部の凹部に入り込んでいる。このような構成であれば、第1部分を曲げ規制部材に巻き付ける際、第2部分が凹部内に入り込んで当該凹部の内壁に係止されるようになるため、第1部分の位置ずれを抑制することが可能となる。この結果、第1部分を曲げ規制部材に良好に巻き付けることが可能となる。
また、上記の検出器付きのシートにおいて、前記曲げ規制部材は、前記貫通孔の内壁面中、一部の領域に沿った状態で前記貫通孔内に挿入されており、前記貫通孔の前記内壁面中の前記一部の領域が傾斜面となっているとよい。
上記の構成では、貫通孔の内壁面中、曲げ規制部材が沿っている領域が傾斜面となっている。これにより、曲げ規制部材を貫通孔内に収め易くなり、曲げ規制部材が貫通孔から突出した場合に生じ得る不具合、例えば、シート着座時に異物感を与えてしまうのを抑制することが可能となる。
また、上記の検出器付きのシートにおいて、前記貫通孔の前記内壁面中の前記一部の領域は、当該一部の領域の前記厚み方向における両端のうち、前記検出器により近い方の端が前記検出器からより離れている方の端よりも前方に位置するように傾斜した傾斜面となっているとよい。
上記の構成では、貫通孔の内壁面中、傾斜面となっている一部の領域では、当該一部の領域のうち、検出器により近い方の端が検出器からより離れている方の端よりも前方に位置している。このような構成であれば、着座者がシートに着座した際、貫通孔内に挿入された曲げ規制部材、締結部材及び各伝送路形成部の端部が、着座者の臀部の後端部分からより離れるようになる。この結果、シート着座時に着座者に異物感を与えてしまうのを、より一層効果的に抑制することが可能となる。
また、上記の検出器付きのシートにおいて、前記接続部分は、前記第1伝送路形成部及び前記第2伝送路形成部の双方の端部が締結される締結部材からなり、前記検出器は、互いに異なる位置に複数設けられており、複数の前記検出器の中には、前記シートの幅方向において間隔を空けた状態で並んだ第1検出器及び第2検出器が含まれ、前記第1伝送路形成部、前記第2伝送路形成部及び前記締結部材が前記検出器毎に備えられており、前記検出器毎の前記第1伝送路形成部、前記第2伝送路形成部及び前記締結部材の各々に取り付けられ、当該各々を保持する保持フィルムを更に備え、該保持フィルム中、前記幅方向において前記第1検出器及び前記第2検出器の間に挟まれた部分は、前記幅方向においてより外側にあり、前記幅方向に沿って延出した第1延出部分と、前記幅方向においてより内側にあり、前記第1延出部分よりも後方位置で前記幅方向に沿って延出した第2延出部分と、を有し、前記貫通孔は、前記パッド材において前記第2延出部分よりも前方に位置するように形成されているとよい。
上記の構成では、保持フィルム中、幅方向において第1検出器及び第2検出器の間に挟まれた部分は、幅方向外側にある第1延出部分と、幅方向内側にあり第1延出部分よりも後方位置にある第2延出部分と、を有する。つまり、保持フィルムの、第1検出器及び第2検出器の間に挟まれた部分において、幅方向内側に位置する第2延出部分は、幅方向外側に位置する第1延出部分よりも後方にオフセットしている。そして、第2延出部分を後方にオフセットすることで確保されたスペースに貫通孔が形成されている。つまり、貫通孔を形成するためのスペースを、第2延出部分をオフセットすることで適切に確保することが可能となる。
また、上記の検出器付きのシートにおいて、前記貫通孔は、前記シートの前後方向において前記貫通孔の後端が前記第1延出部分の前端よりも後方に位置するように形成されているとよい。
上記の構成では、シートの前後方向において貫通孔の後端が第1延出部分の前端よりも後方に位置するように貫通孔が形成されている。このような構成であれば、第2延出部分を後方にオフセットすることで確保されたスペースをより有効に活用することが可能となる。
本発明によれば、検出器から出力される信号の伝送路のうち、検出器から延出した部分と信号受信部から延出した部分との接続部分を、パッド材に設けられた貫通孔内に配置し、また、当該接続部分の折れ曲がりを曲げ規制部材によって規制することが可能となる。
また、本発明によれば、より簡単な構成にて、接続部分の折れ曲がりを規制することが可能となる。
また、本発明によれば、締結部材及び各伝送路形成部の端部を曲げ規制部材の外表面上に固定する際、締結部材や各伝送路形成部の端部に損傷が生じるのを抑制することが可能となる。
また、本発明によれば、締結部材及び各伝送路形成部の端部を曲げ規制部材の外表面上に固定することが容易になる。
また、本発明によれば、第1部分の位置ずれを抑えながら、第1部分を曲げ規制部材に良好に巻き付けることが可能となる。
また、本発明によれば、曲げ規制部材を貫通孔内に収め易くなり、曲げ規制部材が貫通孔から突出した場合に生じ得る不具合、例えば、シート着座時に異物感を与えてしまうのを抑制することが可能となる。
また、本発明によれば、シート着座時に着座者に異物感を与えてしまうのを、より一層効果的に抑制することが可能となる。
また、本発明によれば、保持フィルムの、第1検出器及び第2検出器の間に挟まれた部分において、幅方向内側に位置する第2延出部分を後方にオフセットして、貫通孔を形成するためのスペースを適切に確保することが可能となる。
また、本発明によれば、第2延出部分を後方にオフセットすることで確保されたスペースをより有効に活用することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る検出器付きのシートの全体像を示す図である。 検出器からの出力信号の伝送路を示す概念図である。 検出器をパッド材に取り付ける様子を示した図である。 検出器、伝送路形成部、締結部材及び保持フィルムを示した平面図である。 検出器の配置位置を示した平面図である。 曲げ規制部材を示した斜視図である。 曲げ規制部材に巻き付ける前のセンサユニットを示した図である。 曲げ規制部材に巻き付けた後のセンサユニットを示した図である。 図8に図示のセンサユニットを図中のA−A方向から見たときの図である。 図5に図示のパッド材及びセンサユニットを図中のB−B断面で切断したときの図である。 変形例に係る検出器付きのシートを示した図である。
<<本発明の一実施形態に係る検出器付きのシートについて>>
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)に係る検出器付きのシートについて説明する。なお、以下では、車両に搭載された車両用シートを具体例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前後方向」とは、シートの前後方向に相当し、車両用シートに着座した着座者から見たときの前後方向、具体的には車両の前後方向(換言すると、走行方向)のことである。また、「幅方向」とは、シートの幅方向に相当し、車両用シートに着座した着座者から見たときの左右方向のことである。
本実施形態に係る車両用シート(以下、本シートS)の基本構成は、通常の車両用シートの構成と同様である。すなわち、図1に示すように、本シートSは、着座者の臀部を下方から支えるシートクッションS1と、着座者の背を後方から支えるシートバックS2と、着座者の頭部を支えるヘッドレストS3と、を有する。図1は、本シートSの全体像を示す図である。
シートクッションS1及びシートバックS2は、不図示のシートフレームにウレタン等からなるパッド材をセットし、更にパッド材を表皮材で覆うことによって構成されている。なお、シートクッションS1及びシートバックS2の各々のパッド材には、表皮材を吊り込みための溝(吊り込み溝)が所定方向に沿って長く形成されている。
また、本シートSには、検出器としての圧力センサ1が備えられている。より詳しく説明すると、本シートSには複数の圧力センサ1が備えられており、当該複数の圧力センサ1は、ユニット化された状態でシートクッションS1における着座面の直下位置に設けられている。そして、それぞれの圧力センサ1は、その配置位置にて、着座者が本シートSに着座した際に着座面に掛かる圧力(着座圧)を検出する。ここで、着座圧は、着座者が本シートSに着座した状態において当該着座者の生理的活動、具体的には呼吸に応じて周期に変化する値であり、圧力センサ1によって検出される対象値である。
なお、圧力センサ1は、公知の圧力センサからなり、例えば、ピエゾセンサ式の圧力センサ、半導体ピエゾ抵抗式の圧力センサ、歪みゲージ式の圧力センサ、静電容量式の圧力センサ、あるいはシリコンレゾナント式の圧力センサ等からなる。
また、本実施形態において、複数の圧力センサ1からなるユニット(以下、センサユニット10)は、図1中、破線にて示すように、シートクッションS1の後側部分に設けられている。また、センサユニット10中の各圧力センサ1は、着座圧を精度よく検出し得るように、シートクッションS1を構成するパッド材と当該パッド材を覆う表皮材との間に挟まれた位置に配置されている。ただし、精度よく着座圧を検出し得る位置である限りセンサ配置位置に制限はなく、例えば、シートクッションS1の着座面上に圧力センサ1が配置されていてもよい。
また、圧力センサ1は、着座圧を検出すると、検出結果に応じた信号を出力する。かかる出力信号は、図2に示すように、ECU(Electronic
Control Unit)2によって受信される。すなわち、本実施形態において、ECU2は、各圧力センサ1からの出力信号を受信する信号受信部として機能する。図2は、圧力センサ1からの出力信号の伝送路を示す概念図である。
さらに、本実施形態に係るECU2は、受信した信号に対してノイズ除去処理やA/D変換処理等の信号処理を施し、信号処理部として機能する。さらにまた、本実施形態に係るECU2は、処理後の信号に基づいて、着座者の生理的状態を判定する演算処理を実施し、演算部として機能する。「着座者の生理的状態」とは、着座者の覚醒状態、精神安定状態や泥酔状態等、着座者の身体各部(臓器や神経を含む)の働きや機能の正常・異常に関する状態を意味する。なお、本実施形態に係るECU2は、着座者の覚醒状態を判定する機能を有するものである。
ECU2のハードウェア構成について概説すると、入力ポート及びコントローラを備えている。コントローラは、入力ポートに入力された圧力センサ1からの出力信号に対して信号処理を施し、処理後の信号(厳密には、デジタルデータ)を用いて演算処理を実行する。かかる演算処理の結果として、現時点の着座者の覚醒状態が判定されることになる。なお、圧力センサ1の検出結果(すなわち、着座圧の検出値)に基づいて着座者の覚醒状態を判定する方法としては、公知の判定方法が利用可能である。例えば、圧力センサ1の検出結果から着座圧の周期的変化を示す波形を特定し、当該波形の周期(分かり易くは、ピーク間の間隔)の長さから着座者の覚醒状態を判定することとしてもよい。
また、本実施形態に係るECU2は、シートクッションS1の下方位置に配置されている。すなわち、本実施形態においてECU2は、シートクッションS1のパッド材Pを挟んで圧力センサ1とは反対側に配置されていることになる。さらに、本実施形態に係るECU2は、複数の圧力センサ1のいずれの配置位置よりも後方に配置されている。
以上のように本実施形態では、圧力センサ1からの出力信号を受信するECU2が、パッド材Pを挟んで圧力センサ1とは反対側に配置されている。かかる構成において圧力センサ1からの出力信号の伝送路をECU2まで敷設するため、本実施形態では、図3に示すようにパッド材Pに貫通孔20を形成している。そして、この貫通孔20内にセンサユニット10中、信号の伝送路を形成する部分(伝送路形成部)を通すことにより、当該伝送路が貫通孔20内を通過し、同伝送路の末端がECU2に接続されるようになる。図3は、センサユニット10をシートクッションS1のパッド材Pに取り付ける様子を示した図である。
以下、センサユニット10、及び、センサユニット10をパッド材Pに取り付けるための構成について詳しく説明する。先ず、センサユニット10の構成例について説明すると、図4に示すように、圧力センサ1と、第1伝送路形成部としての導線3と、第2伝送路形成部としてのケーブル4と、締結部材としての端子連結部材5と、保持フィルム6と、が主なセンサユニット10の構成要素である。図4は、展開した状態のセンサユニット10を示した平面図である。
圧力センサ1は、前述したようにセンサユニット10中に複数設けられ、本実施形態では、図4に示すように6個設けられている。ただし、圧力センサ1の個数については、6個に限定されるものではなく、2個以上であれば任意の個数に設定することが可能である。なお、以下の説明中、6個の圧力センサ1の各々を区別するときには、圧力センサA、圧力センサB、圧力センサC、圧力センサD、圧力センサE及び圧力センサFと呼ぶこととする。
センサユニット10がパッド材Pに取り付けられた状態において、6個の圧力センサ1は、図5に示すように、XY座標空間において各圧力センサ1の配置位置の座標が互いに異なるように配置されている。ここで、XY座標空間とは、幅方向及び前後方向の双方を座標軸の軸方向としたときに定められる二次元座標空間のことである。なお、XY座標空間における原点位置の座標について説明すると、X座標が幅方向における着座面の中央位置となっており、Y座標が前後方向における着座面の中央位置よりも幾分後ろ寄りの位置となっている。図5は、各圧力センサ1の配置位置を示した平面図である。なお、図5では、圧力センサ1の配置位置を分かり易くするため、圧力センサ1以外の部品のいくつか(例えば、導線3)を省略している。
圧力センサ1の配置位置についてより詳しく説明すると、6個の圧力センサ1は、図5に示すように前後に分かれて配置されており、具体的には、より後側に4個の圧力センサ1が、より前側に2個の圧力センサ1が、それぞれ幅方向に沿って列状に並ぶように配置されている。また、6個の圧力センサ1は、Y軸(すなわち、着座面の幅方向中央位置)を挟んで左右対称に配置されている。ちなみに、各圧力センサ1の配置位置の座標は、下記の通りである。
(圧力センサAの配置位置)=(Xa,0) Xaは0より大きい任意の実数
(圧力センサBの配置位置)=(Xb,0) Xbは0より大きくXaより小さい実数
(圧力センサCの配置位置)=(Xb,Yc) Ycは0より大きい任意の実数
(圧力センサDの配置位置)=(−Xb,Yc)
(圧力センサEの配置位置)=(−Xb,0)
(圧力センサFの配置位置)=(−Xa,0)
導線3は、圧力センサ1から出力された信号の伝送路のうち、圧力センサ1から延出した部分を形成するものであり、比較的線径の小さい金属線と絶縁被覆とによって構成されている。この導線3は、圧力センサ1毎に備えられている。すなわち、センサユニット10には計6本の導線3が設けられている。
ケーブル4は、圧力センサ1から出力された信号の伝送路のうち、ECU2から延出した部分を形成するものであり、導線3よりも線径が幾分大きい線材からなる。このケーブル4も、導線3と同様、圧力センサ1毎に備えられている。すなわち、センサユニット10には計6本のケーブル4が設けられている。なお、6本のケーブル4は、ECU2に接続される手前位置で束ねられて一本の撚線としてECU2に接続される。
端子連結部材5は、圧力センサ1から出力された信号の伝送路のうち、導線3がなす部分とケーブル4がなす部分との接続部分を構成するものである。より具体的に説明すると、端子連結部材5は、導電性を有する金属片からなり、一端部に導線3の端部が締結され、他端部にケーブル4の端部が締結されている。また、端子連結部材5は、圧力センサ1毎に備えられている。すなわち、センサユニット10には計6個の端子連結部材5が設けられている。
保持フィルム6は、表層と裏層を有し、これら2つの層の間に6個の圧力センサ1並びに圧力センサ1毎の導線3、ケーブル4及び端子連結部材5を挟み込んで、これらを保持するものである。すなわち、センサユニット10において、各圧力センサ1、圧力センサ1毎の導線3、ケーブル4及び端子連結部材5は、保持フィルム6に取り付けられることで保持フィルム6に保持されている。なお、保持フィルム6は、導電性を有する材質からなり、例えばポリエチレンナフタレートからなる。また、保持フィルム6は、容易に変形できる程度の厚み及び可撓性を備えている。
さらに、本実施形態に係る保持フィルム6は、図4に示すように、大きく3つの領域に分かれており、具体的には、センサ取り付け部6A、中間部6B及び拡張部6Cに分かれている。センサ取り付け部6Aは、保持フィルム6中、圧力センサ1が取り付けられる領域である。このセンサ取り付け部6Aは、センサユニット10がパッド材Pに取り付けられた状態では、パッド材Pの上面、すなわち、乗員からの荷重が掛かる側の面に載置されている。
なお、センサ取り付け部6Aには、圧力センサ1の他に、圧力センサ1から延出している導線3も取り付けられている。各圧力センサ1から延出した導線3は、図4に示すように、中間部6Bに向かうようにセンサ取り付け部6Aの外縁に沿って延びている。
センサ取り付け部6Aについて更に詳しく説明すると、センサ取り付け部6Aは、図4に示すように、圧力センサ1が取り付けられている略円形の部分と、2つの圧力センサ1間を連絡する略直線状に延出した部分と、を有する。このうち、圧力センサ1間を連絡する部分については、圧力センサA,Bの間、圧力センサB,Cの間、圧力センサC,Dの間、圧力センサD,Eの間、及び圧力センサE,Fの間にそれぞれ設けられている。また、圧力センサC,Dの間を連絡する部分については、図5に示すように、センサユニット10がパッド材Pに取り付けられた状態において幅方向に延出している。ここで、圧力センサC,Dは、6個の圧力センサ1の中でより前側に配置され、且つ、幅方向において間隔を空けた状態で並んだ2個の圧力センサ1(第1検出器及び第2検出器に相当する)である。かかる意味で、センサ取り付け部6A中、圧力センサC,Dの間を連絡する部分は、幅方向において第1検出器及び第2検出器の間に挟まれた部分に該当すると言える。
また、圧力センサC,Dの間を連絡する部分は、図5に示すように、幅方向においてより外側にある第1延出部分6mと、幅方向においてより内側にある第2延出部分6nと、を有する。第1延出部分6mは、第2延出部分6nを挟むように2つ設けられ、それぞれ幅方向に沿って直線状に延出している。第2延出部分6nは、第1延出部分6mよりも後方位置で幅方向に沿って直線状に延出している。すなわち、保持フィルム6のセンサ取り付け部6A中、圧力センサC,D間を連絡する部分については、幅方向中央部分(第2延出部分6nに当たる部分)が幾分後方にオフセットした形状となっている。
中間部6Bは、上記の第2延出部分6nから延出した略帯状の部分であり、圧力センサ1から延出した導線3の中間位置が取り付けられている。より具体的に説明すると、図4に示すように、中間部6Bには、計6本の導線3が等間隔且つ平行に並ぶように取り付けられている。そして、センサユニット10がパッド材Pに取り付けられた状態において、中間部6Bは、その中途位置からパッド材Pの貫通孔20に入り込んでいる。
拡張部6Cは、センサ取り付け部6Aとは反対側で中間部6Bと隣接し、中間部6Bよりも幅広な略矩形状の部分(第1部分に相当する部分)である。換言すると、中間部6Bは、拡張部6Cと隣接し、拡張部6Cよりも幅狭な部分(第2部分に相当する部分)である。この拡張部6Cには、圧力センサ1から延出した導線3、ECU2から延出したケーブル4、及び、導線3の端部とケーブル4の端部とを締結した端子連結部材5が取り付けられている。より具体的に説明すると、図4に示すように、拡張部6Cには、圧力センサ1毎に設けられた導線3、ケーブル4及び端子連結部材5(以下、導線3等)が等間隔且つ平行になるように並べられている。
なお、拡張部6Cにおいて導線3等が並ぶ間隔は、中間部6Bにおいて導線3が並ぶ間隔よりも広くなっている。これは、拡張部6Cにおいて隣り合う端子連結部材5同士が接触するのを回避するためである。また、図4に示すように、6個の端子連結部材5は、拡張部6Cの延出方向一端部(中間部6Bが位置する側とは反対側の端部)において位置が揃うように配置されている。ただし、これに限定されるものではなく、拡張部6Cの延出方向において各端子連結部材5の配置位置がずれていてもよい。
そして、センサユニット10がパッド材Pに取り付けられた状態において、拡張部6Cのうち、略全体がパッド材Pの貫通孔20内に収容されている。一方、ケーブル4のうち、拡張部6Cよりも手前側に位置する部分は、貫通孔20の下端から貫通孔20の外に出ており、ECU2まで延出している。
以上のように本実施形態では、センサユニット10がパッド材Pに取り付けられた状態において、拡張部6Cが貫通孔20内に収容されているため、端子連結部材5についても貫通孔20内に収容されていることになる。すなわち、圧力センサ1からの出力信号の伝送路のうち、導線3がなす部分とケーブル4がなす部分との接続部分は、貫通孔20内に位置することになる。そして、接続部分は、貫通孔20内に位置することでパッド材Pに対して適切な位置に配置されるようになる。
具体的に説明すると、接続部分をなす端子連結部材5がパッド材Pの上面にあると、着座者が本シートSに着座した際に異物感を感じてしまう虞がある。一方で、端子連結部材5がパッド材Pの下方位置にあると、パッド材Pを下方から支えるシートフレームと端子連結部材5が干渉してしまう虞がある。また、端子連結部材5が取り付けられている保持フィルム6についても、パッド材Pの下方位置まで延ばすことになり、同じくシートフレームと干渉して損傷してしまう虞がある。これに対して、パッド材Pに形成された貫通孔20内に、端子連結部材5及びこれが取り付けられている保持フィルム6の拡張部6Cが収容されていれば、上記の不具合が抑制され、端子連結部材5及び保持フィルム6を適切に保護することが可能となる。
しかしながら、接続部分をなす端子連結部材5が貫通孔20内に配置されていたとしても、貫通孔20周辺に比較的大きな荷重が掛かったときには当該荷重が端子連結部材5まで伝達される可能性がある。かかる場合には、端子連結部材5(すなわち、信号の伝送路のうち、接続部分)が折れ曲がって損傷してしまう虞がある。特に、着座者がシートクッションS1上に膝を立てて載った際には、パッド材Pのうち、着座者の膝が載った部位に掛かる荷重が著しく大きくなる。このとき、着座者の膝が貫通孔20周辺に載っているとすると、貫通孔20内にある端子連結部材5に過大な荷重が掛かる虞があり、この場合には、端子連結部材5が保持フィルム6とともに折れ曲がって損傷してしまうこととなる。
そこで、本実施形態では、上記のような接続部分の折れ曲がりを規制するために曲げ規制部材12を用い、かかる曲げ規制部材12を端子連結部材5とともに貫通孔20内に配置することとしている。以下、曲げ規制部材12について具体的に説明する。
曲げ規制部材12は、プラスティックやシリコンゴムの樹脂材料からなる部品であり、接続部分の折れ曲がりを規制するのに十分な硬さを有する。また、曲げ規制部材12は、図6に図示の外形形状を有する。図6は、曲げ規制部材12を示した斜視図である。
本実施形態において、曲げ規制部材12は、断面が楕円形の筒状体によって構成されており、楕円状に湾曲した外表面12aを有する。なお、曲げ規制部材12は、筒状体のような中空体に限定されるものではなく、中実体であってもよい。また、曲げ規制部材12の断面形状についても楕円形に限定されるものではなく、円形や多角形であってもよい。
また、曲げ規制部材12は、外表面12aの一端部から放射状に張り出した鍔状部12bを備えている。この鍔状部12bは、曲げ規制部材12の全周に亘って形成されている。また、図6に示すように、鍔状部12bの一部が矩形状に切り欠かれており、これにより、凹部12cが形成されている。なお、凹部12cの幅(曲げ規制部材12の周方向における長さ)は、保持フィルム6の中間部6Bの幅よりも僅かに長くなっている。
そして、以上のように構成された曲げ規制部材12は、その外表面12a上に端子連結部材5及び端子連結部材5に締結された導線3及びケーブル4の各々の端部が固定されることにより、接続部分の折れ曲がりを規制する。具体的に説明すると、保持フィルム6中、端子連結部材5と導線3及びケーブル4の各々の端部とが取り付けられた部分、すなわち、拡張部6Cが外表面12aに沿って曲げ規制部材12に巻き付けられる。これにより、端子連結部材5と導線3及びケーブル4の各々の端部とが、曲げ規制部材12の外表面12a上に固定される。
より詳しく説明すると、拡張部6Cを曲げ規制部材12に巻き付けるにあたり、図7に示すように、拡張部6C中、端子連結部材5が並んだ領域が個々の端子連結部材5毎に絶縁テープ7によって被覆される。これにより、拡張部6Cを曲げ規制部材12に巻き付ける際、端子連結部材5同士が接触してしまうのを回避することが可能となる。図7は、拡張部6Cが曲げ規制部材12に巻き付けられる前段階でのセンサユニット10を示した図である。
そして、端子連結部材5が並んだ領域が絶縁テープ7によって被覆された状態の拡張部6Cを曲げ規制部材12に巻き付け、その後、曲げ規制部材12に巻き付けられた拡張部6Cを粘着テープTにて包囲して固定する。これにより、図8に示すように、センサユニット10中、保持フィルム6の拡張部6Cに取り付けられている部分(具体的には、導線3、ケーブル4及び端子連結部材5)は、曲げ規制部材12を芯材として取り囲むようになる。図8は、拡張部6Cが曲げ規制部材12に巻き付けられた状態にあるセンサユニット10を示した図である。
なお、拡張部6Cを曲げ規制部材12に巻き付ける際、図9に示すように、曲げ規制部材12の鍔状部12bに形成された凹部12c内に、保持フィルム6の中間部6Bが入り込んでいる。図9は、図8に図示のセンサユニット10を図中のA−A方向から見たときの図である。
そして、凹部12c内に中間部6Bが入り込むことにより、拡張部6Cを曲げ規制部材12に巻き付ける際に拡張部6Cの位置ずれが生じそうになっても、中間部6Bの側端が凹部12cの内壁に係止されるため、上記の位置ずれが抑制されることになる。この結果、拡張部6Cを曲げ規制部材12に良好に巻き付けることが可能となる。なお、拡張部6Cを曲げ規制部材12に巻き付ける際に拡張部6Cの位置ずれを抑える構成について付言しておくと、鍔状部12bに形成された凹部12cに限定されるものではなく、例えば、曲げ規制部材12の外表面12aに位置ずれ抑制用の突起を設けてもよい。
また、鍔状部12bに凹部12cが設けられていることで、中間部6B及び中間部6Bに取り付けられた導線3が鍔状部12bを乗り越える必要がなくなる。これにより、導線3が鍔状部12bの縁等に当接して傷んでしまうのを抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、曲げ規制部材12の外表面12aが楕円状に湾曲している。つまり、外表面12a上には角張っている部分がないので、拡張部6Cを曲げ規制部材12に巻き付ける際には、拡張部6Cが外表面12aに当接したときに損傷が生じるのを抑制することが可能となる。ただし、曲げ規制部材12の外表面12aの形状については特に制限されず、外表面12aが多角形状に屈曲しており角部を有していてもよい。
以上のように端子連結部材5が導線3、ケーブル4及び拡張部6Cと共に曲げ規制部材12の外表面12aに固定されることで、曲げ規制部材12によって補強されるようになる。つまり、十分な硬さを有する曲げ規制部材12に端子連結部材5が支えられるようになり、仮に荷重が端子連結部材5に入力されたとしても、当該入力荷重に抗し、以て端子連結部材5の折れ曲がりを抑制することが可能となる。
そして、拡張部6Cが巻き付けられた曲げ規制部材12は、センサユニット10をパッド材Pに取り付ける際に貫通孔20に挿入される。これにより、各圧力センサ1からの出力信号の伝送路が貫通孔20を通過するようになる。そして、貫通孔20内において、端子連結部材5の折れ曲がり(すなわち、接続部分の折れ曲がり)が曲げ規制部材12によって規制されることになる。
また、本実施形態では、センサユニット10がパッド材Pに取り付けられた状態において、曲げ規制部材12が貫通孔20内に完全に収容されている(換言すると、貫通孔20からはみ出していない)。これにより、着座者が本シートSに着座したときに異物感を感じるのを抑制している。以下、曲げ規制部材12と貫通孔20との位置関係について説明する。
曲げ規制部材12と貫通孔20との位置関係について説明するにあたり、先ず、貫通孔20及びその周辺の構成について図5を参照しながら説明する。貫通孔20は、パッド材Pにおいて、当該パッド材Pの厚み方向の一端(上端)から他端(下端)に亘って形成されている。貫通孔20の上端側の開口は、曲げ規制部材12の外縁(厳密には、鍔状部12bの外縁)よりも一回り大きいサイズとなっている。
本実施形態において、貫通孔20は、図5に示すように、6個の圧力センサ1及び保持フィルム6のセンサ取り付け部6Aよりも前方位置に形成されている。これは、圧力センサ1がシートクッションS1において後寄りに配置され、それよりも後方に貫通孔20が形成されていると、着座者が本シートSに着座したときに違和感を与えてしまうためである。また、貫通孔20は、図5に示すように、幅方向においてパッド材Pの中央部分に形成されている。これは、6個の圧力センサ1及び保持フィルム6のセンサ取り付け部6AがシートクッションS1の幅方向中央位置を挟んで左右対称な構造となっていることを反映している。
さらに、本実施形態では、パッド材Pのうち、6個の圧力センサ1及び保持フィルム6のセンサ取り付け部6Aが配置されている部分の前方及び後方にそれぞれ、表皮材を吊り込みための吊り込み溝Paが幅方向に沿って形成されている。そして、貫通孔20は、図5に示すように、前側の吊り込み溝Paよりもやや後方位置に形成されている。これは、仮に前側の吊り込み溝Paよりも前方位置に貫通孔20を形成すると、導線3や保持フィルム6の一部が上記の吊り込み溝Paを跨ぐように配設されることになり、表皮材の吊り込み作業時に支障を来す虞があるからである。
一方、保持フィルム6のセンサ取り付け部6A中、圧力センサC,D間を連絡する部分については、前述したように、幅方向中央部分(第2延出部分6nに当たる部分)が後方にオフセットしている。つまり、圧力センサC,D間を連絡する部分の幅方向中央部分よりも前方にはスペースが確保されていることになる。そして、本実施形態では、図5に示すように、確保されたスペースを利用して貫通孔20が形成されている。つまり、本実施形態では、貫通孔20を形成するためのスペースを、センサ取り付け部6Aのうち、圧力センサC,D間を連絡する部分の一部を後方にオフセットすることで適切に確保している。
さらに、本実施形態では、図5に示すように、貫通孔20の後端が圧力センサC,D間を連絡する部分の幅方向端部(第1延出部分6mに当たる部分)の前端よりも後方に位置するように貫通孔20が形成されている。これにより、圧力センサC,D間を連絡する部分の幅方向中央部分を後方にオフセットすることで確保されたスペースを、貫通孔20の形成スペースとして、より有効に活用することが可能となる。
次に、曲げ規制部材12と貫通孔20との位置関係について説明すると、センサユニット10がパッド材Pに取り付けられた状態において、曲げ規制部材12は、貫通孔20の内壁面中、一部の領域に沿った状態で貫通孔20内に挿入されている。より具体的に説明すると、図10に示すように、貫通孔20の内壁面中、後側の領域が傾斜面20aとなっている。この傾斜面20aは、同図に示すように、パッド材Pの厚み方向における両端のうち、上端(圧力センサ1により近い方の端)が下端(圧力センサ1からより離れている方の端)よりも前方に位置するように傾斜している。図10は、図5に図示のパッド材P及びセンサユニット10を図中のB−B断面で切断したときの模式断面図である。
そして、曲げ規制部材12は、貫通孔20の内壁面中、上述した傾斜面20aとなった領域に沿った状態で貫通孔20内に挿入されている。つまり、曲げ規制部材12は、パッド材Pの厚み方向に対して傾いた(厳密には前傾した)状態で貫通孔20内に配置されることになる。これにより、曲げ規制部材12は、貫通孔20内に収まるようになる。より具体的に説明すると、パッド材Pの厚みが比較的薄い場合、曲げ規制部材12がパッド材Pの厚み方向に沿った状態で貫通孔20に挿入されると、曲げ規制部材12の一部(例えば下端部)が貫通孔20からはみ出てしまうことがある。これに対して、曲げ規制部材12がパッド材Pの厚み方向に対して傾斜した状態で貫通孔20に挿入されると、パッド材Pの厚みが薄かったとしても、貫通孔20内に曲げ規制部材12全体を収めることが可能である。
また、上述した傾斜面20aは、上端から下端に向かうにつれて後方に位置するように傾斜している。したがって、傾斜面20aに沿った状態にある曲げ規制部材12の上端部(圧力センサ1により近い方の端部)は、より前側に位置し、下端部(圧力センサ1からより離れた方の端部)は、より後側に位置するようになる。これにより、着座者が本シートSに着座したときに曲げ規制部材12によって異物感を感じてしまうのを効果的に抑えることが可能となる。
分かり易く説明すると、貫通孔20内にある曲げ規制部材12のうち、着座者の臀部により近い上端部は、シートクッションS1においてより前側に位置する。つまり、着座者が本シートSに着座した際に、曲げ規制部材12の上端部は、着座者の臀部よりも前方位置、具体的には股付近に位置するようになる。したがって、曲げ規制部材12の上端部によって着座者が異物感を感じることは、未然に回避される。一方、曲げ規制部材12の下端部は、シートクッションS1においてより後側に位置する。ただし、曲げ規制部材12の下端部(厳密には、下端部及び中央部分)は、着座者の臀部から十分に離れているので、曲げ規制部材12の下端部によって着座者が異物感を感じることは、考え難い。
以上の理由から明らかなように、上端から下端に向かうにつれて後方に位置するように傾斜面20aが傾斜している構成によれば、シート着座時に着座者に異物感を与えてしまうのを効果的に抑制することが可能となる。
なお、傾斜面20aの傾斜パターンについては、上述の内容に限定されるものではなく、例えば、上端から下端に向かうにつれて前方に位置するように傾斜していてもよい。あるいは、上端から下端に向かうにつれて左寄り(又は右寄り)になるように傾斜していてもよい。ただし、着座時の異物感を抑制する観点では、上述した傾斜パターン、すなわち、上端から下端に向かうにつれて前方に位置するように傾斜している方が望ましい。
<<その他の実施形態>>
上記の実施形態では、本発明の検出器付きのシートについて、一例を挙げて説明した。しかし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、上記の実施形態では、検出器としての圧力センサ1がシートクッションS1の着座面の直下位置に配置されていることとした。ただし、検出器の種類及びその配置位置については、他の例も考えられる。検出器について言えば、着座者がシートに着座した際に変化する対象値を検出するものであればよく、例えば、着座者の骨格形状(着座者の身体中、シートに接している部位の骨格形状)に応じた値を検出する形状センサ、着座者の身体電位を検出する電位センサ等を利用してもよい。また、検出器の配置位置について言えば、シートクッションS1のパッド材Pの上面に限られず、当該パッド材Pの上面以外の表面(例えば下面)であってもよい。あるいは、シートバックS2のパッド材Pの前面又は後面であってもよい。
また、上記の実施形態では、端子連結部材5の折れ曲がりを規制するために、端子連結部材5が取り付けられた保持フィルム6の拡張部6Cを曲げ規制部材12に巻き付けて、端子連結部材5を曲げ規制部材12の外表面12a上に固定することとした。ただし、端子連結部材5の折れ曲がりを曲げ規制部材12によって規制するための構成については、上記の内容に限定されるものではない。例えば、筒状体である曲げ規制部材12の穴内に端子連結部材5及び拡張部6Cを挿入することで端子連結部材5の折れ曲がりを規制してもよい。
また、上記の実施形態では、本発明の適用例として、車両用シートを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。図11に図示した一般的な事務椅子Cに対しても本発明は適用可能である。図11は、変形例に係る検出器付きのシートとして、センサユニット10を備えた事務椅子Cを示した図である。また、車両以外の乗物に搭載される乗物用シートに対しても本発明は適用可能である。
1 圧力センサ(検出器)
2 ECU(信号受信部)
3 導線(第1伝送路形成部)
4 ケーブル(第2伝送路形成部)
5 端子連結部材(締結部材)
6 保護フィルム
6A センサ取り付け部
6B 中間部(第2部分)
6C 拡張部(第1部分)
6m 第1延出部分
6n 第2延出部分
7 絶縁テープ
12 曲げ規制部材
12a 外表面
12b 鍔状部
12c 凹部
20 貫通孔
20a 傾斜面
P パッド材
Pa 吊り込み溝
C 事務椅子(検出器付きのシート)
S 本シート(検出器付きのシート)
S1 シートクッション
S2 シートバック
S3 ヘッドレスト
T 粘着テープ

Claims (1)

  1. 着座者がシートに着座した際に変化する対象値を検出する検出器と、
    該検出器が前記対象値を検出した際に出力する信号の伝送路のうち、前記検出器から延出した部分を形成する第1伝送路形成部と、
    前記伝送路のうち、前記信号を受信する信号受信部から延出した部分を形成する第2伝送路形成部と、
    前記伝送路のうち、前記第1伝送路形成部がなす部分と前記第2伝送路形成部がなす部分との接続部分が折れ曲がるのを規制する曲げ規制部材と、
    前記シート内に設けられたパッド材において、該パッド材の厚み方向の一端から他端に亘って形成された貫通孔と、を備え、
    該貫通孔に前記曲げ規制部材が挿入されることで前記伝送路が前記貫通孔内を通過することを特徴とする検出器付きのシート。
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