JP2019115242A - 電気接続箱 - Google Patents

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【課題】低コストで簡易的防水性を有する電気接続箱を提供すること。【解決手段】電気接続箱1は、一又は複数の電子部品21,22を保持可能な保持部20と、保持部20を収容する筐体部10とを備える。筐体部10は、保持部20に保持された電子部品21,22と外部機器とを繋ぐための電線W1,W2が通り抜け可能な開口領域15と、開口領域15を塞ぐように構成された弾性変形可能な封止部17であって開口領域15を通り抜ける電線W1,W2と開口領域15の周縁との間の隙間を塞ぐように弾性的に変形する封止部17と、を有する。封止部17は、開口領域15の周縁から中心に向けて延びる複数の弁体17を有し、複数の弁体17が電線W1,W2によって押し広げられることにより、電線W1,W2と開口領域15の周縁との間の隙間を塞ぎながら弾性的に変形する。【選択図】図1

Description

本発明は、電気接続箱に関する。
従来から、リレー及びヒューズ等の複数の電子部品が内蔵された電気接続箱が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照。)。具体的には、従来の電気接続箱の一つでは、電子部品と外部機器とを繋ぐための電線束が、電気接続箱の筐体に設けられた開口領域を介して、筐体内部から筐体外部に向けて導出されている。この電気接続箱では、電線束の外周と開口領域の周縁との間の隙間を塞いで防水性を確保するため、電線束の外周に発泡ウレタン等で構成された防水シートが巻き付けられ、この防水シートによってその隙間が塞がれるようになっている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2010−136468号公報 特開2008−061410号公報
電子部品と外部機器とを繋ぐ電線束を構成する電線の本数、及び、各電線の外径(結果的に、電線束の外径)は、電気接続箱の仕様等によって変化する。電線束の外径が変化すれば、電線束の外周と開口領域の周縁との間の隙間の大きさも変化する。そのため、上述した従来の電気接続箱では、電気接続箱の仕様等に応じ、電線束の外周に巻かれる防水シートの厚さを異ならせる等の対策がなされる場合があった。
この場合、電気接続箱の筐体及び電線束とは別の部材として、複数種類の厚さを有する防水シートを準備することとなり、防水性の確保に要するコストの上昇を招く原因の一つとなっていた。なお、電気接続箱に水が侵入した場合の対策として何らかの排水手段を設けるとしても、電気接続箱に水が侵入すること自体を出来る限り抑制することが好ましいことに変わりはない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストで簡易的防水性を有する電気接続箱を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る電気接続箱は、下記(1)及び(2)を特徴としている。
(1)
一又は複数の電子部品を保持可能な保持部と、前記保持部を収容する筐体部と、を備えた電気接続箱であって、
前記筐体部は、
前記保持部に保持された前記電子部品と外部機器とを繋ぐための電線が通り抜け可能な開口領域と、前記開口領域を塞ぐように構成された弾性変形可能な封止部であって前記開口領域を通り抜ける前記電線と前記開口領域の周縁との間の隙間を塞ぐように弾性的に変形する封止部と、を有する、
電気接続箱であること。
(2)
上記(1)に記載の電気接続箱であって、
前記封止部は、
前記開口領域の周縁から中心に向けて延びる一又は複数の弁体を有し、前記一又は複数の弁体が前記電線によって押し広げられることにより、前記電線と前記開口領域の周縁との間の隙間を塞ぎながら弾性的に変形する、
電気接続箱であること。
上記(1)の構成の電気接続箱によれば、筐体部の開口領域を塞ぐように構成された弾性変形可能な封止部が、開口領域を通り抜ける電線と開口領域の周縁との間の隙間を塞ぐように弾性的に変形する。そのため、電線の外径の大小に応じて封止部の弾性変形量が自然に変化し、電線の外径の大小にかかわらず、電線と開口領域の周縁との間の隙間を塞ぐことができる。よって、従来の電気接続箱のように電線の外径の大小に応じて電気接続箱の筐体及び電線束とは別の部材を複数種類準備する必要がないため、低コストで簡易的防水性を有する電気接続箱を提供することができる。
上記(2)の構成の電気接続箱によれば、開口領域の周縁から中心に向けて延びる一又は複数の弁体により、上述した機能を発揮する封止部を容易に構成できる。
本発明によれば、低コストで簡易的防水性を有する電気接続箱を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気接続箱の分解斜視図である。 図2は、図1に示した封止部の周囲を拡大して示した拡大図である。 図3は、電線束の外径の大小に応じて封止部の弾性変形量が変化する様子を示す図であり、図3(a)は外径が相対的に大きい電線束が開口領域を通り抜ける場合を示し、図3(b)は外径が相対的に小さい電線束が開口領域を通り抜ける場合を示す。 図4は、本発明の第2実施形態に係る電気接続箱における、図2に対応する拡大図である。 図5(a)は、外周にテープが巻かれた電線束の斜視図であり、図5(b)は、外周に発泡ウレタン製のシートが巻かれた電線束の斜視図である。
<第1実施形態>
以下、図1〜図3を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る電気接続箱1について説明する。本例において、電気接続箱1は、リレー及びヒューズ等が取り付けられるリレーボックスである。電気接続箱1は、典型的には、車両に搭載され、種々の車載電装品と電気的に接続されて使用される。
図1に示すように、電気接続箱1の筐体部10は、上下方向に開口する矩形筒状の樹脂製の本体11と、本体11の下端縁に取り付けられて本体11の下面を覆う樹脂製の下カバー12と、本体11の上端縁に取り付けられて本体11の上面を覆う樹脂製の上カバー13と、を備える。下カバー12は、上方が開口する矩形箱状の形状を有し、上カバー13は、下方が開口する矩形箱状の形状を有する。
本体11の内部には、基板を含む保持部20が固定配置されており、保持部20の上面側には、複数(本例では、2つ)のリレー21と、複数(本例では、3つ)のヒューズ22とが取り付けられ、保持されている。
保持部20の下面側には、複数のコネクタ接続部(図示省略)が設けられている。これらコネクタ接続部のうちの一のコネクタ接続部には、電線束W1の一端部に接続されたコネクタ(図示省略)が接続され、他のコネクタ接続部には、電線束W2の一端部に接続されたコネクタ(図示省略)が接続されている。本例では、電線束W1の外径が、電線束W2の外径と比べて相対的に大きい。
下カバー12の側壁14には、複数(本例では、2つ)の開口領域15が形成されている。開口領域15は、本例では、側壁14に、上方に開口し且つ下方に窪んだU字状の凹部が形成されることで設けられている。2つの開口領域15は同形である。
電線束W1は、2つの開口領域15のうち一方の開口領域15を介して筐体部10の内部から外部に導出され、電線束W2は、他方の開口領域15を介して筐体部10の内部から外部に導出されている。電線束W1,W2の他端部はそれぞれ、例えば、種々の車載電装品と電気的に接続される。これにより、電線束W1,W2を介してリレー21及びヒューズ22と、種々の車載電装品とが電気的に接続される。
図1及び図2に示すように、各開口領域15には、弾性変形可能なゴム製の封止部17が、開口領域15を塞ぐように設けられている。本例では、一対の封止部17(弁体)が、U字状の開口領域15の互いに対向する一対の周縁16に一体に接合されており、一対の周縁16から上下方向の所定範囲に亘って互いに近付く方向に向けて(即ち、開口領域15の中心に向けて)それぞれ延びている。封止部17は、延出端に近付くにつれて厚さが小さくなる先細り形状を有している。一対の封止部17の延出端同士の間には、上下方向に延びる微小幅の隙間18が形成されている。一方の開口領域15に設けられている一対の封止部17と、他方の開口領域15に設けられている一対の封止部17とは、同形である。
図2に白矢印で示すように、電線束W1は、一方の開口領域15の上方から、封止部17を弾性変形させて隙間18を押し広げながら隙間18に進入させることで、開口領域15を通り抜けるように配置される。この結果、電線束W1の外周に一対の封止部17の延出端が密着した状態に維持されることで、電線束W1と一方の開口領域15の周縁との間の隙間が簡易的に塞がれる。電線束W2も、電線束W1と同様にして、他方の開口領域15を通り抜けるように配置される。この結果、電線束W2と他方の開口領域15の周縁との間の隙間が簡易的に塞がれる。
図3(a)及び図3(b)の比較から理解できるように、電線束W1の外径が電線束W2の外径と比べて相対的に大きいことに起因して、電線束W1,W2それぞれが対応する開口領域15を通り抜けるように配置された状態では、電線束W1側の封止部17の弾性変形量が、電線束W2側の封止部17の弾性変形量と比べて大きい。換言すると、電線束W1,W2の外径の大小に応じて封止部17の弾性変形量が自然に変化することにより、電線束W1,W2の外径の大小にかかわらず、電線束W1,W2の各々と開口領域15の周縁との間の隙間が簡易的な止水性が保たれるように塞がれる。
<第2実施形態>
以下、図4を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る電気接続箱2について説明する。この電気接続箱2は、下カバー12の側壁14に設けられる封止部が側壁14から延設された薄肉部19である点において、図1〜図3に示した電気接続箱1と相違している。そこで、説明の便宜上、図4において図1〜図3に示した各部品と実質的に同一の構造・機能を有する部品には、図1〜図3のそのような部品に付された符号と同一の符号が付されている。また、これら部品についての詳細な説明は、適宜省略される。なお、図4では、電気接続箱2の下カバー12以外の部品の図示は省略されている。
図4に示すように、電気接続箱2の下カバー12の側壁14に設けられた開口領域15には、弾性変形可能な一対の薄肉部19が、開口領域15を塞ぐように設けられている。一対の薄肉部19(封止部)は、U字状の開口領域15の互いに対向する一対の周縁16から延設され、一対の周縁16から上下方向の所定範囲に亘って互いに近付く方向に向けて(即ち、開口領域15の中心に向けて)それぞれ延びている。薄肉部19は、延出端に近付くにつれて厚さが小さくなる先細り形状を有している。このように、薄肉部19は、第1実施形態におけるゴム製の弁体17とは異なり、側壁14と同一の材料によって側壁14の一部として一体的に形成されている。
このような構造を有する一対の薄肉部19の延出端同士の隙間18に電線束(図示省略)が押し込まれると、図1及び図2と同様、電線束の外周に一対の薄肉部19の延出端が密着した状態に維持されることで、電線束と開口領域15の周縁との間の隙間が簡易的に塞がれることになる。また、図3と同様、電線束の外径の大小に応じて薄肉部19の弾性変形量が自然に変化することにより、電線束の外径の大小にかかわらず、電線束の各々と開口領域15の周縁との間の隙間が簡易的な止水性が保たれるように塞がれることになる。
以上に説明したように、上述した第1実施形態および第2実施形態に係る電気接続箱1によれば、開口領域15を塞ぐように開口領域15の周縁16に一体に設けられた弾性変形可能な封止部17(一対の弁体,一対の薄肉部)が、開口領域15を通り抜ける電線束W1,W2と開口領域15の周縁との間の隙間を塞ぐように弾性的に変形する。このため、電線束W1,W2の外径の大小に応じて封止部17の弾性変形量が自然に変化することで、電線束W1,W2の外径の大小にかかわらず、電線束W1,W2と開口領域15の周縁との間の隙間が簡易的に塞がれる。よって、電線の外径の大小にかかわらずに防水性能を発揮するために、従来の電気接続箱のように電気接続箱の筐体及び電線束とは別の部材を複数種類準備する必要がないので、低コストで簡易的防水性を有する電気接続箱を提供することができる。
<他の形態>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記各実施形態では、封止部17として、下カバー12の側壁14に形成された上方に開口するU字状の開口領域15の一対の周縁16から、互いに近付く方向に向けて(即ち、開口領域15の中心に向けて)それぞれ延びる一対の弁体17又は薄肉部19が設けられている。これに対し、封止部17として、下カバー12の側壁14に形成された周方向に閉じた開口領域(例えば、円形の貫通孔)の周縁の全周から開口領域の中心に向けて延びる環状の弁体又は薄肉部が設けられてもよい。また、上記各実施形態では、封止部17は複数の(2つの)弁体17又は薄肉部19によって構成されている。しかし、封止部17は、単一の(1つの)弁体または薄肉部によって構成されてもよい。
更に、上記各実施形態では、開口領域15及び封止部17が、下カバー12の側壁14に形成されている。これに対し、開口領域15及び封止部17が、下カバー12の底壁に形成されていてもよい。
更に、上記各実施形態では、開口領域15を通り抜ける電線束W1,W2の外周には何らの部材も巻かれていない。これに対し、図5に示すように、開口領域15を通り抜ける電線束Wの外周に、テープT(図5(a)参照)、或いは、発泡ウレタン製のシートUが巻かれていてもよい。これにより、電線束Wと開口領域15の周縁との間の隙間がより一層確実に塞がれ得る。
ここで、上述した本発明に係る電気接続箱1の特徴をそれぞれ以下(1)及び(2)に簡潔に纏めて列記する。
(1)
一又は複数の電子部品(21,22)を保持可能な保持部(20)と、前記保持部(20)を収容する筐体部(10)と、を備えた電気接続箱(1)であって、
前記筐体部(10)は、
前記保持部(20)に保持された前記電子部品(21,22)と外部機器とを繋ぐための電線(W1,W2)が通り抜け可能な開口領域(15)と、前記開口領域(15)を塞ぐように構成された弾性変形可能な封止部(17)であって前記開口領域(15)を通り抜ける前記電線(W1,W2)と前記開口領域(15)の周縁との間の隙間を塞ぐように弾性的に変形する封止部(17)と、を有する、
電気接続箱。
(2)
上記(1)に記載の電気接続箱(1)であって、
前記封止部(17)は、
前記開口領域(15)の周縁(16)から中心に向けて延びる複数の弁体(17)を有し、前記複数の弁体(17)が前記電線(W1,W2)によって押し広げられることにより、前記電線(W1,W2)と前記開口領域(15)の周縁との間の隙間を塞ぎながら弾性的に変形する、
電気接続箱。
1 電気接続箱
10 筐体部
15 開口領域
17 弁体(封止部)
19 薄肉部(封止部)
20 保持部
21 リレー21(電子部品)
22 ヒューズ22(電子部品)
W1 電線束(電線)
W2 電線束(電線)

Claims (2)

  1. 一又は複数の電子部品を保持可能な保持部と、前記保持部を収容する筐体部と、を備えた電気接続箱であって、
    前記筐体部は、
    前記保持部に保持された前記電子部品と外部機器とを繋ぐための電線が通り抜け可能な開口領域と、前記開口領域を塞ぐように構成された弾性変形可能な封止部であって前記開口領域を通り抜ける前記電線と前記開口領域の周縁との間の隙間を塞ぐように弾性的に変形する封止部と、を有する、
    電気接続箱。
  2. 請求項1に記載の電気接続箱であって、
    前記封止部は、
    前記開口領域の周縁から中心に向けて延びる一又は複数の弁体を有し、前記一又は複数の弁体が前記電線によって押し広げられることにより、前記電線と前記開口領域の周縁との間の隙間を塞ぎながら弾性的に変形する、
    電気接続箱。
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