JP2019114388A - リチウムイオン二次電池用セパレータ - Google Patents
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Abstract
Description
図1は本実施形態のリチウムイオン二次電池用セパレータの構成の一例を示す断面概念図である。セパレータ100は、多孔質フィルム10および粒子層20を少なくとも含む。
多孔質フィルム10は例えば5μm以上50μm以下の厚さを有してもよい。多孔質フィルム10は例えば9μm以上25μm以下の厚さを有してもよい。多孔質フィルム10は例えばポリオレフィン材料により形成されていてもよい。多孔質フィルム10は例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等により形成されていてもよい。
粒子層20は多孔質フィルム10の表面の少なくとも一部に形成されている。粒子層20は、多孔質フィルム10の片面(片方の主面)に形成されていてもよい。粒子層20は、多孔質フィルム10の両面(両方の主面)に形成されていてもよい。粒子層20は例えば0.2μm以上5μm以下の厚さを有してもよい。
本実施形態では、多孔質フィルム10の表面のうち粒子層20が形成されている領域において、複数個の複合粒子1による被覆率が3%以上35%以下である。被覆率が35%以下であることにより、多孔質フィルム10の表面において細孔の開口部が適度に残存すると考えられる。細孔の開口部が適度に残存することにより、連続充放電時および過充電時のジュール熱が小さくなると考えられる。被覆率が3%以上であることにより、複数個の複合粒子1が連接しやすくなると考えられる。複数個の複合粒子1が連接することにより、多孔質フィルム10の表面に放熱経路が形成されると考えられる。連続充放電時および過充電時に、放熱経路を通じて熱が逃がされることにより、発熱が抑制されることが期待される。
本実施形態のセパレータ100は、例えばハイレート充放電が求められる車載用の高容量電池に好適であると考えられる。該高容量電池は充放電時の発熱が大きい傾向があるためである。ただし本実施形態のセパレータ100は車載用の高容量電池向けに限定されるべきではない。本実施形態のセパレータ100はあらゆる用途のリチウムイオン二次電池に適用可能であると考えられる。
《実施例1》
以下の材料が準備された。
多孔質フィルム10:ポリオレフィン多孔質膜(厚さ=15μm)
PPS
酸化チタン粒子(D50=0.1μm)
複数個の複合粒子1が0.1μmのD50を有するように各種条件が検討された。しかし複数個の複合粒子1の調製は困難であった。
スプレードライヤにおいて原料液の投入速度およびディスペンサの回転数が変更されることにより、複数個の複合粒子1が下記表1のD50を有するようにそれぞれ調製された。これを除いては実施例1と同様にセパレータ100がそれぞれ製造された。
多孔質フィルム10の搬送速度が変更されることにより、下記表1の被覆率を有するセパレータ100がそれぞれ製造された。
下記表1に示されるように、PPSおよび酸化チタン粒子の質量比が変更されることを除いては、実施例1と同様にセパレータ100がそれぞれ製造された。
下記表1に示されるように、多孔質フィルムの表面に、PVdFおよび酸化チタン粒子からなる層が形成されることを除いては、実施例1と同様にセパレータ100が製造された。
多孔質フィルム10の表面に粒子層20が形成されず、多孔質フィルム10がそのままセパレータ100として準備された。
《粒子層の分析》
1.飛行時間型二次イオン質量分析
日立ハイテクノロジーズ社製の飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)により、各実施例において粒子層20の質量スペクトルが取得された。各実施例の質量スペクトルでは、m/z 140にピークが検出された。すなわち各実施例の粒子層20は、TOF−SIMSによる質量スペクトルにおいてm/z 140にピークを有する。m/z 140のピークは分子イオン(C6H4S2 -)に由来すると考えられる。分子イオン(C6H4S2 -)はPPSに由来すると考えられる。
島津製作所社製のフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)により、各実施例において粒子層20の赤外吸収スペクトルが取得された。各実施例の赤外吸収スペクトルでは、700〜680cm-1近傍にピークが検出された。すなわち各実施例の粒子層20は、FT−IRによる赤外吸収スペクトルにおいて700〜680cm-1近傍にピークを有する。700〜680cm-1近傍のピークはTiO2に由来すると考えられる。
1.正極の準備
以下の材料が準備された。
正極活物質:ニッケルコバルトアルミン酸リチウム(D50=6〜9.4μm程度)
導電材:アセチレンブラック(AB)
バインダ:ポリフッ化ビニリデン(PVdF)
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
集電体:アルミニウム箔(厚さ=15μm)
以下の材料が準備された。
負極活物質:天然黒鉛(D50=14.6μm)
導電材:AB
バインダ:カルボキシメチルセルロース(CMC)
溶媒:水
集電体:銅箔(厚さ=12μm)
セパレータ100を正極および負極の間に挟みつつ、正極および負極が交互に積層されることにより、電極群が形成された。各セパレータ100は、その粒子層20が正極と対向するように配置された。電極群は正極および負極の対を10対含む。電極群がアルミラミネートフィルム製のパウチに収納された。パウチに電解液が注入された。パウチが密閉された。以上よりラミネート型リチウムイオン二次電池が製造された。
10%〜90%のSOC(state of charge)範囲において、5Cの電流レートにより充放電が30回連続して繰り返された。「C」は電流レートの大きさを表す。1Cの電流レートでは電池の定格容量が1時間で放電される。充放電中、電池温度(電池表面の温度)が測定された。結果は下記表1に示される。
4Cの電流レートにより、電池が連続的に充電された。充電時の電圧プロファイルから100%を超えるSOC範囲において電解液の酸化分解が顕著であると考えられるSOCが特定された。該SOCでの電池温度が測定された。結果は下記表1に示される。
1.被覆率の影響
図3は連続充放電時および過充電時の電池温度と被覆率との関係を示すグラフである。被覆率が3%以上35%以下である範囲において、連続充電時および過充電時の電池温度が低い傾向が認められる。即ち発熱が抑制されていると考えられる。被覆率が35%以下であることにより、多孔質フィルム10の表面において細孔の開口部が適度に残存し、ジュール熱が小さくなっていると考えられる。被覆率が3%以上であることにより、多孔質フィルム10の表面に放熱経路が形成され、発熱が抑制されていると考えられる。
D50の増大により発熱が大きくなる傾向が認められる。
PPSのみでは粒子の形成が困難であると考えられる(比較例4)。粒子形成のコアとして酸化チタン粒子が必要であると考えられる。
Claims (1)
- 多孔質フィルムおよび粒子層を少なくとも含み、
前記多孔質フィルムは5秒/100ml以上120秒/100ml以下の透気抵抗度を有し、
前記粒子層は前記多孔質フィルムの表面の少なくとも一部に形成されており、
前記粒子層は多孔質であり、
前記粒子層は複数個の複合粒子からなり、
前記複数個の複合粒子の各々はポリフェニレンサルファイドおよび酸化チタン粒子を含み、
前記多孔質フィルムの前記表面のうち前記粒子層が形成されている領域において、前記複数個の複合粒子による被覆率が3%以上35%以下である、
リチウムイオン二次電池用セパレータ。
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---|---|---|---|---|
WO2005029614A1 (ja) * | 2003-09-18 | 2005-03-31 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | リチウムイオン二次電池 |
JP2016107642A (ja) * | 2014-12-09 | 2016-06-20 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | 多層多孔膜及び蓄電デバイス用セパレータ |
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