JP2019113628A - ワイヤグリッド偏光板 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性に優れ、且つ、耐摩耗性に優れるワイヤグリッド偏光板を提供すること。【解決手段】透明性基材と、前記透明性基材上のグリッドパターンと、前記グリッドパターンのスペース部を埋める透明性保護層と、からなり、250℃で3時間加熱処理した前後の平行偏光透過率の変化の、350nm以上1500nm以下の波長範囲における平均値が20%以下であり、好ましくは前記透明性保護層はシロキサン化合物を含む樹脂からなることを特徴とするワイヤグリッド偏光板とする。【選択図】図1
Description
本発明は、表示装置、プロジェクター、測定装置、カメラ等の各種光学機器の部材として用いられるワイヤグリッド偏光板に関する。
偏光板はさまざまな方向に振動している自然光を、TM波成分とTE波成分に分光し、一方を透過させもう一方を透過させない機能を有する。今日、偏光板は液晶表示装置やプロジェクター、光学測定装置、カメラの偏光フィルタ、偏光サングラスなど日常の多岐にわたる分野で使用されている。
近年、スマートフォンやタブレットなどの携帯型の表示装置は、薄型化、軽量化することが求められており、各部材の一体化が進められている。例えば、タッチセンシング機能を液晶セル内に備えるインセル方式は近年積極的に採用されている。さらなる薄型化、軽量化のために、カラーフィルタ基板及び/又はTFTアレイ基板と偏光板を一体化する表示装置の提案がなされている。
最も広範囲に使用されている偏光板としては、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素を含浸させた後、一方向に延伸したヨウ素型偏光板があるが、表示装置の製造には250℃前後の熱がかかる工程があるため、従来のヨウ素型偏光板では熱に耐えられず、一体形成への適用が困難であった。ヨウ素型偏光板は材料の特性上、耐熱性や耐光性が低く、屋外での長期使用や高温環境下での劣化が問題である。
一方、ヨウ素型偏光板に代わる偏光板として、アルミニウムなどの金属膜をエッチング等で格子状にパターニングして形成したワイヤグリッド(WG)偏光板を用いる表示装置が提案されている(例えば特許文献1、2、3)。
ワイヤグリッド偏光板は、ガラスやフィルムなどの透明性基板上にアルミニウムなどの金属膜のグリッド(格子)状パターンを形成した構造からなり、グリッド周期を波長よりも十分小さくすることで、電場の振動方向がグリッドの長手方向(延在方向)に垂直なTM波成分(TM偏光)を透過し、平行なTE波成分(TE偏光)を反射する偏光板となる(例えば非特許文献1参照)。
ワイヤグリッド偏光板は、耐熱性がヨウ素型偏光板に比べて高く、また透過しない光を吸収ではなく反射する特性を利用した応用も期待されるが、アクペクト比(=パターン高さ/線幅)が大きく、パターンが倒れやすいため製造工程への導入やハンドリングが難しい問題がある。このため、グリッドパターンを樹脂で被覆し、パターンの倒壊を防止する提案がなされている(例えば特許文献4)。
しかし、樹脂で被覆したグリッドパターンを使用したとしても、グリッドパターンを被覆する樹脂によっては耐熱性が不足し、熱により変色または収縮してしまい、偏光特性が低下する問題がある。
菊田久雄他、ナノオプティクス・ナノフォトニクスのすべて、フロンティア出版、2006
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、耐熱性に優れ、且つ、耐摩耗性に優れるワイヤグリッド偏光板を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、透明性基材と、前記透明性基材上のグリッドパターンと、前記グリッドパターンのスペース部を埋める透明性保護層と、からなり、
250℃で3時間加熱処理した前後の平行偏光透過率の変化の、350nm以上1500nm以下の波長範囲における平均値が20%以下であることを特徴とするワイヤグリッド偏光板としたものである。
ここで、平行偏光透過率とは測定する偏光板の透過軸と平行な偏光を、測定する偏光板に入射した時の透過率を意味する。
また、加熱処理した前後の平行偏光透過率の変化とは、加熱処理後の平行偏光透過率から加熱処理前の平行偏光透過率を減じた値を意味する。
250℃で3時間加熱処理した前後の平行偏光透過率の変化の、350nm以上1500nm以下の波長範囲における平均値が20%以下であることを特徴とするワイヤグリッド偏光板としたものである。
ここで、平行偏光透過率とは測定する偏光板の透過軸と平行な偏光を、測定する偏光板に入射した時の透過率を意味する。
また、加熱処理した前後の平行偏光透過率の変化とは、加熱処理後の平行偏光透過率から加熱処理前の平行偏光透過率を減じた値を意味する。
請求項2に記載の発明は、前記透明性保護層はシロキサン化合物を含む樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載のワイヤグリッド偏光板としたものである。
請求項3に記載の発明は、前記グリッドパターンは、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、クロム、ニッケルからなる一群から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を主原料とすることを特徴とする請求項1、または2に記載のワイヤグリッド偏光板としたものである。
本発明によれば、耐熱性に優れ、且つ、耐摩耗性、耐光性に優れるワイヤグリッド偏光板が得られる。
以下、本発明の実施形態に係るワイヤグリッド偏光板について図面を用いて説明する。尚、同一の構成要素については便宜上の理由がない限り同一の符号を付ける。また、各図面において、見易さのため構成要素の厚さや比率は誇張されていることがあり、構成要素の数も減らして図示していることがある。
図2は、従来のワイヤグリッド偏光板の構造を例示する模式断面図である。従来のワイヤグリッド偏光板50は、透明性基材1と、前記の透明性基材1上のグリッドパターン2から構成されている。
図1は、本発明のワイヤグリッド偏光板の構造を示す模式断面図である。本発明のワイ
ヤグリッド偏光板10は、前記従来のワイヤグリッド偏光板50の構成に加えて、グリッドパターン2のスペース部を埋める透明性保護層3により構成されている。
ヤグリッド偏光板10は、前記従来のワイヤグリッド偏光板50の構成に加えて、グリッドパターン2のスペース部を埋める透明性保護層3により構成されている。
本発明のワイヤグリッド偏光板10は、前記の構成に加えて、250℃で3時間加熱処理した前後の平行偏光透過率の変化の、350nm以上1500nm以下の波長範囲における平均値が20%以下であることを特徴とする。尚、前記平行偏光透過率とは測定する偏光板の透過軸と平行な偏光を、測定する偏光板に入射した時の透過率を意味する。また、加熱処理した前後の平行偏光透過率の変化とは、加熱処理後の平行偏光透過率から加熱処理前の平行偏光透過率を減じた値を意味する。
20%以下であることにより、本発明のワイヤグリッド偏光板を組み込んだ液晶表示装置、LCOS(Liquid crystal on silicon)等は、表示特性を損なうことが防止される。また、高温での製造プロセスに耐えることから、インセル型のタッチパネルに採用することが可能となる。
本発明のワイヤグリッド偏光板10の透明性保護層3は、シロキサン化合物を含む樹脂からなることが好ましい。シロキサン化合物を含むことにより、耐熱性、耐摩耗性、耐光性などの諸特性を向上することができる。このような透明性保護層は、高分子結合体中に縮合可能な官能基を持ったシロキサン化合物であるシロキサンモノマーまたはシロキサンオリゴマーを添加することによって作製することができる。シロキサン化合物の具体例としては、次の一般式(1)で表される化合物、及びこれらの縮合化合物である。
化学構造式(1)中のR1、R2 はメトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基であり、R3 、R4は、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基もしくは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン化アルキル基、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、及びそれらを末端に持つアルキルである。
前記シロキサン化合物を含む上記高分子結合体としては、東レ(株)製LSシリーズ(商品名)のポリシロキサン樹脂が挙げられる。
一方、その構成成分としてアルキル鎖及びシロキサン結合を有する高分子結合体は、予めアルキル鎖を主鎖としシロキサン結合を有する基を側鎖に持つポリマーを使用しても可能である。このようなポリマーは、適当な反応性の官能基をもつポリマーに、反応性の官能基と反応可能な基を有するシロキサン化合物を反応させることによって得られる。
アルキル鎖を主鎖とするポリマーが有する該反応性の官能基としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基などが挙げられる。通常、このようなアルキル鎖を主鎖とするポリマーは数種類のモノマーをラジカル共重合して得られる。具体的には、反応性の官能基を与えるモノマーの例としてアクリル酸、メタクリル酸、p−ヒドロキシスチレン、アミノメチルアクリレート、アミノメチルメタクリレート、アミノエチルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレートまたはメタクリレート、ハロゲン化メチルアクリレート、ハロゲン化メチルメタクリレート、ハロゲン化エチルアクリレートなどのハロゲン化アルキルアクリレートまたはメタクリレート、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレートまたはメタクリレートなどが挙げられる。これらを含めたモノマーから適宜数種類を用いて分子量5000〜100000程度の共重合体として合成する。
シロキサン化合物は、縮合可能な官能基と該ポリマーと反応可能な官能基の両方を有していればシロキサンモノマーであっても、シロキサンオリゴマーであってもよい。具体的には、次の一般式(2)で表される化合物、及びこれらの縮合化合物である。
化学構造式(2)中のR5はメトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基であり、R6、R7は、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基もしくは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン化アルキル基、エポキシ基、アミノ基、及びそれらを末端に持つアルキルであり、R8はヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン化アルキル基、エポキシ基、アミノ基、及びそれらを末端に持つアルキルである。
本発明のワイヤグリッド偏光板では、目的とする波長域において透明性が高く耐熱性、耐光性が高い樹脂であれば、シロキサン化合物を含む樹脂以外でも良く、脂環式ポリイミドや芳香族ポリイミドなどが挙げられる。
透明性保護層3がグリッドパターン2のスペース部を埋める形態としては、図1のようにグリッドパターン2のスペース部をすべて埋めるとともにグリッドパターン2の上部まで被覆する形態でもよく、グリッドパターン2のスペース部をすべて埋めるがグリッドパターン2の上部までは被覆しない形態でもあってもよい。あるいはパターンの倒壊防止が可能であればグリッドパターン2のスペース部を途中の高さまで埋める形態であってもよい。これらは、本発明のワイヤグリッド偏光板を適用し装着する形態によって適宜選択することができる。
本発明のワイヤグリッド偏光板10のグリッドパターン2は、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、クロム、ニッケルからなる一群から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を主原料とすることが好ましい。特に、ワイヤグリッド偏光板として高いTM光透過率を得るためには、グリッドパターンの材料は屈折率が小さく、屈折率を消衰係数で除した値(屈折率/消衰係数)が小さい金属が有利であるため、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウムから選ばれる元素を主原料とすることが好ましい。
図1では、ワイヤグリッド偏光板10のグリッドパターン2として、単層のパターンの例を図示しているが、多層膜からなるグリッドパターンの場合もある。表示装置の視認側は、外光に対する反射率を抑えることが求められるため、グリッドパターンの視認側には低反射加工層が必要となる。代表的な低反射加工の例としては、めっき液への浸食による酸化黒化処理や、黒化層の積層が挙げられる。黒化層は、黒色の色材を分散させた着色樹脂で構成され、黒色の色材としては、カーボン、カーボンナノチューブ、あるいは複数の有機顔料の混合物が適用できる。あるいは無機系の薄膜を積層し、光干渉や光吸収を利用して低反射化する方法もある。
表示装置における偏光板は、カラーフィルタ基板及び/又はTFTアレイ基板の外側に設けるか、カラーフィルタ基板及び/又はTFTアレイ基板と一体化するかによって、グリッドパターン側が視認側になることも、透明性基材側が視認側になることもありうる。このため、グリッドパターン側が視認側になる場合は、低反射加工層はグリッドパターンの上部に形成し、透明性基材側が視認側になる場合はグリッドパターンと透明性基材との間に挿入する形で形成する。
表示装置のバックライト側に形成するワイヤグリッド偏光板は、再帰反射による光取出し効率の向上効果が求められるため、偏光板表面はTE偏光の反射率が高いことが望ましい。尚、再帰反射とは、入射光が再び光源へ向かって反射する現象である。従って、グリッドパターンに低反射加工層は不要である。
[グリッドパターンとなる金属膜の形成]
透明性基材としては耐熱性、耐光性に優れるガラス基材を使用した。グリッドパターンとなる金属膜として、ガラス基材上にアルミニウム膜をスパッタリング法により200nmの膜厚で形成した。
透明性基材としては耐熱性、耐光性に優れるガラス基材を使用した。グリッドパターンとなる金属膜として、ガラス基材上にアルミニウム膜をスパッタリング法により200nmの膜厚で形成した。
[レジスト塗布]
パターンの形成にインプリント法を適用するためにレジストをコーティングした(インプリント法によるパターニングについては、例えば特開2006−3447号公報参照)。レジストには東洋合成株式会社製の汎用的なインプリント樹脂PAC−01(商品名)を用い、スピンコーディングによる塗布を採用した。レジストの厚みは溶剤乾燥後の状態で約120nmとした。
パターンの形成にインプリント法を適用するためにレジストをコーティングした(インプリント法によるパターニングについては、例えば特開2006−3447号公報参照)。レジストには東洋合成株式会社製の汎用的なインプリント樹脂PAC−01(商品名)を用い、スピンコーディングによる塗布を採用した。レジストの厚みは溶剤乾燥後の状態で約120nmとした。
[インプリントによるパターニング]
インプリントにより、線幅30nm、ピッチ60nmのラインアンドスペース状のパターンを形成した。一般にインプリント後の樹脂の架橋は、熱もしくはUV光(紫外光)による方法があるが、今回は透明なインプリントモールドを用いることによりUVインプリント法を採用した。
インプリントにより、線幅30nm、ピッチ60nmのラインアンドスペース状のパターンを形成した。一般にインプリント後の樹脂の架橋は、熱もしくはUV光(紫外光)による方法があるが、今回は透明なインプリントモールドを用いることによりUVインプリント法を採用した。
[ドライエッチングとレジスト剥離]
パターニングしたレジストをエッチングマスクとして、ドライエッチングによりアルミニウム膜のパターニングを実施し、グリッドパターンを形成した。一般にドライエッチングはエッチングの指向性に優れ、垂直で直進性の高い金属膜パターンを形成することができる。エッチングガスは、金属膜の種類によって最適なガスは異なるが、塩素系、フッ素系、酸素系ガスなどから適宜選択することができる。今回のアルミニウム膜のドライエッチングにおいては、塩素系のエッチングガスを使用した。エッチングマスクであるレジストパターンは、ドライエッチング後に有機溶剤等で剥離することもできるが、今回はエッチング選択比(=アルミニウム膜のエッチングレート/レジストのエッチングレート)の調整によりエッチング終了に合わせて消失するようにした。
パターニングしたレジストをエッチングマスクとして、ドライエッチングによりアルミニウム膜のパターニングを実施し、グリッドパターンを形成した。一般にドライエッチングはエッチングの指向性に優れ、垂直で直進性の高い金属膜パターンを形成することができる。エッチングガスは、金属膜の種類によって最適なガスは異なるが、塩素系、フッ素系、酸素系ガスなどから適宜選択することができる。今回のアルミニウム膜のドライエッチングにおいては、塩素系のエッチングガスを使用した。エッチングマスクであるレジストパターンは、ドライエッチング後に有機溶剤等で剥離することもできるが、今回はエッチング選択比(=アルミニウム膜のエッチングレート/レジストのエッチングレート)の調整によりエッチング終了に合わせて消失するようにした。
[透明性保護層による被覆]
透明性保護層として塗布する樹脂として、東レ(株)製LSシリーズ(商品名)のポリシロキサン樹脂を使用し、スピンコートにより塗布を行った。グリッドパターンの高さ(=アルミニウム膜の厚さ)は200nmであるので、グリッドパターンの上部まで十分に被覆するように、透明性保護層の厚さは1μmとし、図1に示す構造の本発明のワイヤグリッド偏光板10を作製した。
透明性保護層として塗布する樹脂として、東レ(株)製LSシリーズ(商品名)のポリシロキサン樹脂を使用し、スピンコートにより塗布を行った。グリッドパターンの高さ(=アルミニウム膜の厚さ)は200nmであるので、グリッドパターンの上部まで十分に被覆するように、透明性保護層の厚さは1μmとし、図1に示す構造の本発明のワイヤグリッド偏光板10を作製した。
<比較例1>
透明性保護層を形成しないこと以外は実施例と同様の工程にて、図2に示す従来構造のワイヤグリッド偏光板50を作製した。
透明性保護層を形成しないこと以外は実施例と同様の工程にて、図2に示す従来構造のワイヤグリッド偏光板50を作製した。
<比較例2>
透明性保護層としてアクリル樹脂を使用する以外は実施例と同様の工程にて、ワイヤグリッド偏光板を作製した。
透明性保護層としてアクリル樹脂を使用する以外は実施例と同様の工程にて、ワイヤグリッド偏光板を作製した。
[耐熱性試験]
実施例、及び比較例1、比較例2のワイヤグリッド偏光板について、250℃の環境下で3時間加熱し耐熱性試験を行った。評価は以下のように、加熱前後の350nmから1500nmの波長範囲における平行偏光透過率を測定し、その平均値の変化により行った。
実施例、及び比較例1、比較例2のワイヤグリッド偏光板について、250℃の環境下で3時間加熱し耐熱性試験を行った。評価は以下のように、加熱前後の350nmから1500nmの波長範囲における平行偏光透過率を測定し、その平均値の変化により行った。
(平行偏光透過率測定)
測定には市販の分光光度計を使用し、光源入射軸に対して垂直な向きに2枚の偏光板を、2枚の偏光板の透過軸が平行になるように配置して、偏光光の平行偏光透過率を測定した。加熱前の測定は同じワイヤグリッド偏光板を各々2枚ずつ配置し、加熱後の測定は2枚のうちの1枚を加熱したワイヤグリッド偏光板とした。このようにして、250℃で3時間加熱処理した前後の平行偏光透過率の変化(=加熱処理後の平均偏光透過率−加熱処理前の平均偏光透過率)の、350nmから1500nmの波長範囲における平均値を求めた。
測定には市販の分光光度計を使用し、光源入射軸に対して垂直な向きに2枚の偏光板を、2枚の偏光板の透過軸が平行になるように配置して、偏光光の平行偏光透過率を測定した。加熱前の測定は同じワイヤグリッド偏光板を各々2枚ずつ配置し、加熱後の測定は2枚のうちの1枚を加熱したワイヤグリッド偏光板とした。このようにして、250℃で3時間加熱処理した前後の平行偏光透過率の変化(=加熱処理後の平均偏光透過率−加熱処理前の平均偏光透過率)の、350nmから1500nmの波長範囲における平均値を求めた。
[耐摩耗性試験]
実施例、及び比較例1、比較例2のワイヤグリッド偏光板について、グリッドパターン面側をポリエステル製の布で10回程度こすり物理的衝撃を加えた前後のパターン形状を電子顕微鏡にて観察し、グリッドパターン倒壊の有無を確認した。
実施例、及び比較例1、比較例2のワイヤグリッド偏光板について、グリッドパターン面側をポリエステル製の布で10回程度こすり物理的衝撃を加えた前後のパターン形状を電子顕微鏡にて観察し、グリッドパターン倒壊の有無を確認した。
[評価結果]
以上の評価結果を表1に示す。
以上の評価結果を表1に示す。
表1に示すように、透明性保護層のない比較例1ではグリッドパターンの倒壊が確認された。また、比較例2では倒壊は起こらなかったものの、アクリル樹脂を透明性保護層としたために、耐熱性試験後に平行偏光透過率の変化が−25%と大きく低下した。他方、シロキサン化合物を含む樹脂を透明性保護層とした実施例では平行偏光透過率の低下は−5%に留まり、パターンの倒壊も起こらず、総合的に○判定となった。
本発明のワイヤグリッド偏光板は、製造時や使用時に耐熱性、耐摩耗性、耐光性が求められる表示装置、プロジェクター、測定装置、カメラ等の各種光学機器の部材として、好適に使用される。
1・・・・透明性基材
2・・・・グリッドパターン
3・・・・透明性保護層
10・・・ワイヤグリッド偏光板(本発明)
50・・・ワイヤグリッド偏光板(従来)
2・・・・グリッドパターン
3・・・・透明性保護層
10・・・ワイヤグリッド偏光板(本発明)
50・・・ワイヤグリッド偏光板(従来)
Claims (3)
- 透明性基材と、前記透明性基材上のグリッドパターンと、前記グリッドパターンのスペース部を埋める透明性保護層と、からなり、
250℃で3時間加熱処理した前後の平行偏光透過率の変化の、350nm以上1500nm以下の波長範囲における平均値が20%以下であることを特徴とするワイヤグリッド偏光板。
ここで、平行偏光透過率とは測定する偏光板の透過軸と平行な偏光を、測定する偏光板に入射した時の透過率を意味する。
また、加熱処理した前後の平行偏光透過率の変化とは、加熱処理後の平行偏光透過率から加熱処理前の平行偏光透過率を減じた値を意味する。 - 前記透明性保護層はシロキサン化合物を含む樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載のワイヤグリッド偏光板。
- 前記グリッドパターンは、アルミニウム、金、銀、銅、パラジウム、クロム、ニッケルからなる一群から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を主原料とすることを特徴とする請求項1、または2に記載のワイヤグリッド偏光板。
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