JP2019113612A - カラーフィルタ用着色組成物、及びカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用着色組成物、及びカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、耐光性が良好で、高明度を維持する緑色画素を形成することができる着色組成物、前記着色組成物から形成された緑色画素を備えてなるカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子を提供することにある。【解決手段】上記課題は、ハロゲン化銅フタロシアニン、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン、及びハロゲン化アルミフタロシアニンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)、特定の(a)及び(b)を含む金属アゾ顔料(B)、キノフタロン顔料が一般式(3A)、(3B)、及び(3C)から選ばれる少なくとも一つのキノフタロン顔料と、ピグメントイエロー138とを含有するキノフタロン顔料(C)、及びバインダー樹脂を含むカラーフィルタ用着色組成物によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、カラー撮像管素子等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用着色組成物、及びこれを用いて形成されてなるフィルタセグメントを備えるカラーフィルタに関するものである。
着色組成物を用いてカラーフィルタを形成する方法として、基板上あるいは予め所望のパターンの遮光層を形成した基板上に、感光性着色組成物の塗膜を形成して、所定のパターンを有するフォトマスクを介して放射線を照射(以下、「露光」という。)し、現像して未露光部を溶解除去し、その後ポストベークすることにより、各色の画素を得る方法(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)が知られている。
近年では、このようなカラーフィルタを具備する液晶表示素子には高明度化と色再現領域の拡大が求められており、そのためカラーフィルタについても近年ますます高い光透過率と高い色純度を有することが要求されている。
緑色画素については、明度が高くかつ色再現領域が広いカラーフィルタを提供することができる材料として、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料を含有する顔料組成物とキノフタロン系黄色顔料組成物の組み合わせが知られている。しかしながら、キノフタロン系黄色顔料組成物を組み合わせて形成された緑色画素は光耐性が弱く、緑色画素の信頼性の点で耐光性が必要となっている。
特開2017−171912号公報 特開2007−156395号公報 特開2008−81566号公報
本発明の目的は、上記課題に対して、耐光性が良好で、高明度を維持する緑色画素を形成することができる着色組成物を提供することにある。更には、前記着色組成物から形成された緑色画素を備えてなるカラーフィルタ、及び当該カラーフィルタを具備するカラー液晶表示素子を提供することにある。
<1>ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)、金属アゾ顔料(B)、キノフタロン顔料(C)、及びバインダー樹脂を含むカラーフィルタ用着色組成物であって、
ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)が、ハロゲン化銅フタロシアニン、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン、及びハロゲン化アルミフタロシアニンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、金属アゾ顔料(B)が、下記(a)及び(b)を含み、
(a)式(I)又はその互変異性
(b)式(II)で表される化合物
キノフタロン顔料(C)が、下記一般式(3A)、(3B)、及び(3C)から選ばれる少なくとも一つのキノフタロン顔料と、ピグメントイエロー138とを含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
式(I)
[式(I)中、
及びRは互いに独立して、OH、NH、又はNHRであり、
及びRは互いに独立して、=O又は=NRであり、
は、水素又はアルキル基であり、かつ
Meは、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Al3+ 2/3、Fe2+、Fe3+ 2/3、Co2+、及びCo3+ 2/3の系から選択される二価若しくは三価の金属イオンであるが、
ただし、それぞれの場合において、式(I)の化合物を合計したもの1モルを基準にして、Zn2+及びNi2+の系からの金属イオンの量が95〜100モル%であり、かつCu2+、Al3+ 2/3、Fe2+、Fe3+ 2/3、Co2+、及びCo3+ 2/3の系から選択される金属イオンの量が0〜5モル%であり、かつ式(I)の化合物を合計したものにおけるZn対Niの金属イオンのモル比が(9:1)から(1:9)までである。]
式(II)
[式(II)中、Rは、水素又はアルキル基である。]
一般式(3A)
一般式(3B)
一般式(3C)
[一般式(3A)〜(3C)中、R14〜R28、R29〜R43、R44〜R60は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、−SOH基、−COOH基、−SOH基若しくは−COOH基の金属塩、−SOH基若しくは−COOH基のアルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、又は置換基を有しても良いスルファモイル基を示す。]
<2>さらに光重合性単量体及び/又は光重合開始剤を含有することを特徴とする上記カラーフィルタ用着色組成物。
<3>基板上に、上記カラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備してなることを特徴とするカラーフィルタ。
本発明により、耐光性が良好で高明度な塗膜を形成可能なカラーフィルタ用着色組成物を提供することができる。また耐光性及び高明度なカラーフィルタを提供することができる。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)、金属アゾ顔料(B)、キノフタロン顔料(C)、及びバインダー樹脂を含むカラーフィルタ用着色組成物であって、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)が、ハロゲン化銅フタロシアニン、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン、及びハロゲン化アルミフタロシアニンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、金属アゾ顔料(B)が、下記(a)及び(b)を含み、
(a)式(I)又はその互変異性
(b)式(II)で表される化合物
キノフタロン顔料が下記一般式(3A)、(3B)、及び(3C)から選ばれる少なくとも一つのキノフタロン顔料と、ピグメントイエロー138とを含有することを特徴とする。
式(I)
[式(I)中、
及びRは互いに独立して、OH、NH、又はNHRであり、
及びRは互いに独立して、=O又は=NRであり、
は、水素又はアルキル基であり、かつ
Meは、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Al3+ 2/3、Fe2+、Fe3+ 2/3、Co2+、及びCo3+ 2/3の系から選択される二価若しくは三価の金属イオンであるが、
ただし、それぞれの場合において、式(I)の化合物を合計したもの1モルを基準にして、Zn2+及びNi2+の系からの金属イオンの量が95〜100モル%であり、かつCu2+、Al3+ 2/3、Fe2+、Fe3+ 2/3、Co2+、及びCo3+ 2/3の系から選択される金属イオンの量が0〜5モル%であり、かつ式(I)の化合物を合計したものにおけるZn対Niの金属イオンのモル比が(9:1)から(1:9)までである。]
式(II)
[式(II)中、Rは、水素又はアルキル基である。]
一般式(3A)
一般式(3B)
一般式(3C)
[一般式(3A)〜(3C)中、R14〜R28、R29〜R43、R44〜R60は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、−SOH基、−COOH基、−SOH基若しくは−COOH基の金属塩、−SOH基若しくは−COOH基のアルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、又は置換基を有しても良いスルファモイル基を示す。]
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書における「C.I.」とは、カラーインデックスを意味する。
<着色剤>
本発明の組成物は、着色剤として、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)、金属アゾ顔料(B)及びキノフタロン顔料(C)を含有する。これらは各々2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の顔料、染料等を含有してもよい。
<ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)>
本発明の着色剤に用いられるハロゲン化金属フタロシアニン顔料の具体例として、C.I.ピグメント グリーン7、10、36、37、58、59、62、63等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。高透過率の観点からC.I.ピグメント グリーン36、C.I.ピグメント グリーン58、ピグメント グリーン63が最も好ましい。
<金属アゾ顔料(B)>
本発明の金属アゾ顔料(B)は、下記(a)及び(b)を含む。
(a)式(I)又はその互変異性の形態の少なくとも2種の金属アゾ化合物
[式(I)中、
及びRは互いに独立して、OH、NH、又はNHRであり、
及びRは互いに独立して、=O又は=NRであり、
は、水素又はアルキルであり、かつ
Meは、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Al3+ 2/3、Fe2+、Fe3+ 2/3、Co2+、及びCo3+ 2/3の系から選択される二価若しくは三価の金属イオンであるが、
ただし、それぞれの場合において、式(I)の化合物を合計したもの1モルを基準にして、Zn2+及びNi2+の系からの金属イオンの量が95〜100モル%であり、かつCu2+、Al3+ 2/3、Fe2+、Fe3+ 2/3、Co2+、及びCo3+ 2/3の系から選択される金属イオンの量が0〜5モル%であり、かつ式(I)の化合物を合計したものにおけるZn対Niの金属イオンのモル比が(9:1)から(1:9)までである。]
(b)式(II)で表される化合物
[一般式(II)中、Rは、水素又はアルキルである。]
より好ましくは、式(I)において、R及びRはOHであり、R及びRは=Oである。
好ましくは、式(II)において、Rは、水素又は、OHによって任意選択によってモノ若しくは多置換されていてもよいC〜Cアルキルである。より好ましくは、式(II)において、Rは水素である。
金属アゾ顔料中に存在する全金属イオン1モルを基準として、Ni2+及びZn2+金属イオンを一緒にした量は、一般に95〜100モル%、かつCu2+、Al3+ 2/3、Fe2+、Fe3+ 2/3、Co2+、及びCo3+ 2/3の系から選択される金属イオンの量は、0〜5モル%であり;Ni2+及びZn2+を一緒にした量は、好ましくは98〜100モル%、Cu2+、Al3+ 2/3、Fe2+、Fe3+ 2/3、Co2+、及びCo3+ 2/3の系から選択される金属イオンの量は、0〜2モル%であり;Ni2+及びZn2+を一緒にした量は、より好ましくは99.9〜100モル%、Cu2+、Al3+ 2/3、Fe2+、Fe3+ 2/3、Co2+、及びCo3+ 2/3の系から選択される金属イオンの量は、0〜0.1モル%である。
一般に、金属アゾ顔料中のNi2+対Zn2+のモル比は、1:1〜19:1、好ましくは2:1〜4:1、より好ましくは2.3:1〜3:1である。
<キノフタロン顔料(C)>
本発明のキノフタロン顔料(C)は、下記一般式(3A)、(3B)、及び(3C)から選ばれる少なくとも一つの顔料と、C.I.ピグメントイエロー138とを含有する。
一般式(3A)
一般式(3B)
一般式(3C)
[一般式(3A)〜(3C)中、R14〜R28、R29〜R43、R44〜R60は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、−SOH基、−COOH基、−SOH基若しくは−COOH基の金属塩、−SOH基若しくは−COOH基のアルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、又は置換基を有しても良いスルファモイル基を示す。]
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プチル基、イソプチル基、tert−プチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、ステアリル基、2−エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基の他、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジブロモエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル基、2−ニトロプロピル基、ペンジル基、4−メチルペンジル基、4−tert−プチルベンジル基、4−メトキシペンジル基、4−ニトロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基等の置換基を有するアルキル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソプチルオキシ基、tert−プチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3−ジメチル−3−ペントキシ、n−へキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2−エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基の他、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルオキシ基、2,2−ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2−エトキシエトキシ基、2−ブトキシエトキシ基、2−ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等の置換基を有するアルコキシル基が挙げられる。
また、置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等のアリール基の他、p−メチルフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−アミノフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、4−ヒドロキシ−1−ナフチル基、6−メチル−2−ナフチル基、4,5,8−トリクロロ−2−ナフチル基、アントラキノニル基、2−アミノアントラキノニル基等の置換基を有するアリール基が挙げられる。
また、酸性基としては、−SOH、−COOHが挙げられ、これら酸性基の1価〜3価の金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、アルミニウム塩等が挙げられる。また、酸性基のアルキルアンモニウム塩としては、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン等の長鎖モノアルキルアミンのアンモニウム塩、パルミチルトリメチルアンモニウム、ジラウリルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム塩等の4級アルキルアンモニウム塩が挙げられる。
置換基を有してもよいフタルイミドメチル基(C(CO)N−CH−)、及び、置換基を有してもよいスルファモイル基(HNSO−)における「置換基」としては、上記のハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有してもよいアリール基等が挙げられる。
本発明の着色剤に用いられるキノフタロン化合物は、一般式(3A)〜(3C)のいずれかであることが好ましい。
さらに、本発明の着色剤に用いられるキノフタロン化合物は、一般式(3A)〜(3C)のR14〜R28、R29〜R43、R44〜R60が、水素原子又はハロゲン原子あることがより好ましい。
本発明の着色剤に用いられるキノフタロン化合物の具体例として、下記に示すキノフタロン化合物(a)〜(c)、(g)〜(j)等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<その他の顔料>
本発明の着色組成物は、キノフタロン顔料(C)として一般式(3A)、(3B)、及び(3C)から選ばれる少なくとも一つの顔料と、C.I.ピグメントイエロー138とを必須とするが、色相の調整の目的で、本発明の効果を損なわない範囲で他のキノフタロン顔料若しくはキノフタロン化合物以外の黄色着色剤を含有してもよい。
本発明の着色組成物に使用可能な黄色着色剤としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、192、193、194、196、198、199、213、214、231等の黄色顔料を用いることができる。
特にフィルタセグメントの耐熱性、耐光性、及び透過率の観点からC.I.ピグメントイエロー139、150、185、231が好ましく、中でもC.I.ピグメントイエロー231が特に好ましい。
<顔料の微細化>
本発明の着色組成物に使用する着色剤が顔料の場合、微細化して用いることが好ましい。微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理等を行い微細化することができる。顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる平均一次粒子径は5〜90nmの範囲であることが好ましい。5nmよりも小さくなると有機溶剤中への分散が困難になり、90nmよりも大きくなると十分なコントラスト比を得ることができない場合がある。このような理由から、より好ましい平均一次粒子径は10〜70nmの範囲である。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式又は連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50〜2000質量部用いることが好ましく、300〜1000質量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100質量部に対し、5〜1000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対し、5〜200質量部の範囲であることが好ましい。
<バインダー樹脂>
本発明の着色組成物はバインダー樹脂を含む。バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
バインダー樹脂をカラーフィルタ用着色組成物として使用する場合には、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、着色剤の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる。
バインダー樹脂は、成膜性及び諸耐性が良好なことから、着色剤の全重量100質量%に対し、20質量%以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、1000質量%以下の量で用いることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
バインダー樹脂に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。中でもアクリル樹脂を用いることが好ましい。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、及びスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(i)や(ii)の方法により不飽和エチレン性二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また、多塩基酸無水物として、不飽和エチレン性二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更に不飽和エチレン性二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
(熱硬化性化合物)
本発明においては、バインダー樹脂である熱可塑性樹脂と併用して、さらに熱硬化性化合物を含んでもよい。
熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ化合物及び/又は樹脂、ベンゾグアナミン化合物及び/又は樹脂、ロジン変性マレイン酸化合物及び/又は樹脂、ロジン変性フマル酸化合物及び/又は樹脂、メラミン化合物及び/又は樹脂、尿素化合物及び/又は樹脂、フェノール化合物及び/又は樹脂、が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
<有機溶剤>
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布して着色膜を形成することを容易にするために有機溶剤を含有させることが好ましい。有機溶剤は、着色組成物の塗布性が良好であることに加え、着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
有機溶剤としては、例えば乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
中でも、本発明の着色剤の分散が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
有機溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。また溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤の全重量を基準(100質量%)にして、500〜4000質量%の量で用いることが好ましい。
<分散助剤>
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
<色素誘導体>
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドン又はトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、又は置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報、特開2001−335717号公報、特開2003−128669号公報、特開2004−091497号公報、特開2007−156395号公報、特開2008−094873号公報、特開2008−094986号公報、特開2008−095007号公報、特開2008−195916号公報、特許第4585781号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独又は2種類以上を混合して用いることができる。色素誘導体を使用する場合、キノフタロン骨格を有するものが明度、分散性の観点から好ましい。
色素誘導体の配合量は、添加着色剤の分散性向上の観点から、添加着色剤の全量を基準(100質量%)として、好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、最も好ましくは3質量%以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、添加顔料の全量を基準(100質量%)として、好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは35質量%以下である。
<樹脂型分散剤>
樹脂型分散剤としては、添加着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
本発明で使用する分散剤としては、塩基性官能基を有する高分子分散剤が好ましく、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体及びウレタン系高分子分散剤などが好ましい。樹脂型分散剤は、着色剤全量に対して5〜200質量%程度使用することが好ましく、成膜性の観点から10〜100質量%程度使用することがより好ましい。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミ−・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2009、2010、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、2163、2164又はAnti−Terra−U、203、204、又はBYK−P104、P104S、220S、6919、又はLactimon、Lactimon−WS又はBykumen等、日本ル−ブリゾ−ル社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、56000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503等、味の素ファインテクノ社製のアジスパ−PA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が好ましい。
また、本発明で使用する樹脂型分散剤としては、カルボキシル基を有する樹脂型分散剤として、下記(S1)又は(S2)を含有することも好ましい。
(S1)水酸基を有する重合体の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物である樹脂型分散剤。
(S2)水酸基を有する化合物の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、エチレン性不飽和単量体を重合した重合体である樹脂型分散剤。
≪樹脂型分散剤(S1)≫
樹脂型分散剤(S1)は、WO2008/007776号公報、特開2008−029901号公報、特開2009−155406号公報等の公知の方法で製造することができる。水酸基を有する重合体(p)は、末端に水酸基を有する重合体であることが好ましく、例えば、水酸基を有する化合物(q)の存在下に、エチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体として得ることができる。水酸基を有する化合物(q)としては、分子内に水酸基とチオール基を有する化合物であることが好ましい。末端の水酸基は複数であることが好ましいため、中でも、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)が好適に用いられる。
すなわち、より好ましい一例である、片末端に2つの水酸基を有する重合体は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)の存在下に、単量体(r1)を含むエチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体(p1)として得ることができる。水酸基を有する重合体(p)の水酸基は、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基と反応してエステル結合を形成する一方、無水環は開環し、カルボン酸を生じる。
≪樹脂型分散剤(S2)≫
樹脂型分散剤(S2)は、特開2009−155406号公報、特開2010−185934号公報、特開2011−157416号公報等の公知の方法で製造することができ、例えば、水酸基を有する化合物(q)の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、エチレン性不飽和単量体(r)を重合することで得られる。中でも、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(q1)の水酸基と、トリカルボン酸無水物及び/又はテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、単量体(r1)を含むエチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体であることが好ましい。
(S1)と(S2)は、エチレン性不飽和単量体(r)を重合した重合体部位の導入を先に行うか後で行うかの違いである。諸条件により分子量等が若干異なることがあるが、原料と反応条件が同じであれば、理論上は同じものができる。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合の配合量は、添加着色剤の全量を基準(100質量%)として、好ましくは0.1〜55質量%、さらに好ましくは0.1〜45質量%である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1質量%未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55質量%より多いと、過剰な分散剤により分散に悪影響を及ぼすことがある。
<着色組成物の製造方法>
本発明の着色組成物は、着色剤、バインダー樹脂、及び有機溶剤を混合したものを、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明の着色組成物は、着色剤等を別々にバインダー樹脂及び有機溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
このようにして平均一次粒子径が100nm以下に微細化された着色剤をサンドミル等の分散機を用いて透明樹脂に分散すると、一次粒子が複数個集まった二次粒子からなる分散粒子の状態で分散され、分散状態の進行によりこの分散粒子は徐々に小さくなり、最終的には一次粒子の状態で分散されているようになるものであるが、分散状態を分散粒子の大きさで制御し、分散粒子の平均径が50nmから150nmの範囲内となるように分散させたものである。
分散が進むにつれ分散粒径は小さくなり、透明性が増すため、分散粒径は小さくなるほどよい。一方、分散が進行し、分散粒径が小さくなると分散体の粘度が上昇し、かつチキソトロピック性が大きくなる傾向がみられる。固体撮像素子用着色組成物として用いる場合には、薄膜塗布されかつ塗膜表面が平滑であることが要求されるため、低粘度でかつニュートニアンフローであることが要求される。このため、通常の使用に好ましい粘度やチキソトロピック性を考慮すると、分散粒径を100nm程度に抑えることが好ましい。このように、平均一次粒子径が100nm以下の着色剤を用い、分散粒子の平均粒径を50nmから150nmの範囲内となるように分散度合いを制御することにより、粘度上昇及びチキソトロピック性が最小限に抑えられ、透明性が高い顔料分散体を得ることができる。
<粗大粒子の除去>
本発明の着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
<光重合性単量体>
本発明の着色組成物は、さらに光重合性単量体を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することができる。光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー若しくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、又は2種以上混合して用いることができる。モノマーの配合量は、着色剤の全重量を基準(100質量%)として、5〜400質量%であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜300質量%であることがより好ましい。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
<光重合開始剤>
本発明の着色組成物は、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する場合、光重合開始剤等を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調製することができる。光重合開始剤を使用する際の配合量は、着色剤の全量を基準として、0.5〜200質量%であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から1〜150質量%であることがより好ましい。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。また、カラー撮像素子は薄膜化が求められるため、固形分組成中の顔料濃度が高くなる。そのため、これら光重合開始剤は、オキシムエステル系化合物などの高感度のものがより好ましい。
これらの光重合開始剤は1種又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
<増感剤>
さらに、本発明の着色組成物には、増感剤を含有させることができる。増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上用いても構わない。増感剤を使用する際の配合量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤の全重量を基準(100質量%)として、3〜60質量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50質量%であることがより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明の着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きのあるアミン系化合物を含有させることができる。このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明の着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良くするため、レベリング剤を添加することが好ましい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−310、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもできる。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全重量を基準(100質量%)として、0.003〜0.5質量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有する、いわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、又は両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明の着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂全量に対し、0.01〜15質量%が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明の着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸及びそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤の全量を基準(100質量%)として、0.1〜10質量%の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤の全量を基準(100質量%)として、0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%の量で用いることができる。
<カラーフィルタ>
次に、本発明の液晶表示装置用カラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、本発明の液晶表示装置用緑色着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するものである。カラーフィルタとしては、赤色フィルタセグメント及び青色フィルタセグメントを具備するものが挙げられる。
本発明の液晶表示装置用緑色着色組成物は、主に緑色フィルタセグメントの形成に用いられ、それ以外の各色のフィルタセグメントは、従来用いられる赤色着色組成物、青色着色組成物を用いて形成することができる。本発明の着色組成物以外の各色の着色組成物は、各色顔料、前記バインダー樹脂、前記光重合性組成物等を含有する各着色組成物を用いて形成することができる。
<赤色フィルタセグメントを形成する顔料>
赤色フィルタセグメントを形成する赤色着色組成物用の赤色顔料としては、
C.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、149、166、168、169、176、177、178、179、184、185、187、200、202、208、210、221、224、242、246、254、255、264、268、269、270、272、273、274、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、特表2011−523433号公報に記載のジケトピロロピロール顔料、又は特開2013−161025号公報に記載のナフトールアゾ顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
また赤色着色組成物には、C.I.ピグメント オレンジ 43、71、又は73等の橙色顔料及び/又はC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、231、又は214等の黄色顔料を併用することができる。
<青色フィルタセグメントを形成する顔料>
青色フィルタセグメントを形成する青色着色組成物用の青色顔料としては、
C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、特開2004−333817号公報、又は特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、又は50等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法又はフォトリソグラフィー法により、製造することができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度及び平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するか若しくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物はいずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基板に転写させる方法である。
透明基板又は反射基板上にフィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブラックマトリクスを形成しておくと、液晶表示パネルのコントラストを一層高めることができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウム等の無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。又、前記の透明基板又は反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後にフィルタセグメントを形成することもできる。TFT基板上にフィルタセグメントを形成することにより、液晶表示パネルの開口率を高め、輝度を向上させることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」をそれぞれ表す。
また、顔料の平均一次粒子径、及び樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定方法は以下の通りである。
(顔料の平均一次粒子径)
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
(樹脂の重量平均分子量(Mw))
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
以下、実施例及び比較例に用いた色素誘導体と、樹脂溶液の製造方法と、顔料のソルトミリング処理方法と、顔料分散体の製造方法と、緑色着色組成物の製造方法と、カラーフィルタの作製方法とについて説明する。
<樹脂溶液の製造方法>
(アクリル樹脂溶液1)
反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート800部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら100℃に加熱して、同温度で下記モノマー及び熱重合開始剤の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
スチレン 60.0部
メタクリル酸 60.0部
メチルメタクリレート 65.0部
ブチルメタクリレート 65.0部
アゾビスイソブチロニトリル 10.0部
滴下後さらに100℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル2.0部をシクロヘキサノン50部で溶解させたものを添加し、さらに100℃で1時間反応を続けて、重量平均分子量が約4,000のアクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液1を調製した。
(アクリル樹脂溶液2)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりスチレン5.2部、グリシジルメタクリレート35.5部、ジシクロペンタニルメタクリレート41.0部、アゾビスイソブチロニトリル1.0部の混合物を2.5時間かけて滴下し重合反応を行った。次にフラスコ内を空気置換し、アクリル酸17.0部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.3部、及びハイドロキノン0.3部を投入し、120℃で5時間反応を続け固形分酸価=0.8となったところで反応を終了し、重量平均分子量が約12,000(GPCによる測定)の樹脂溶液を得た。さらにテトラヒドロ無水フタル酸30.4部、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で4時間反応させ、不揮発分が20%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液2を調製した。
<樹脂型分散剤の製造方法>
(樹脂型分散剤溶液1)
ガス導入管、温度、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メタクリル酸10部、メチルメタクリレート100部、i−ブチルメタクリレート70部、ベンジルメタクリレート20部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を50℃に加熱撹拌し、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール12部を添加した。90℃に昇温し、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90部に加えた溶液を添加しながら7時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50部、シクロヘキサノン50部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.4部を追加し、100℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、固形分測定で固形分40%となるようプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて希釈し、酸価43mgKOH/g、重量平均分子量8,500の樹脂型分散剤溶液1を得た。
<金属アゾ顔料(B)の製造方法>
特開2017−171915号公報に記載の合成方法に従い、アゾバルビツール酸前駆体を調製した。(インストラクション1)
85℃で1100gの蒸留水の中に、46.2gのジアゾバルビツール酸及び38.4gのバルビツール酸を導入した。次いで、水酸化カリウム水溶液を用いてそのpHを約pH5に調節し、90分間撹拌を続けた。
(黄色着色剤(Y−1))
インストラクション1において調製したアゾバルビツール酸(0.3モル)を、82℃で、1500gの蒸留水と混合した。次いで、75.7gのメラミン(0 .6モル)を導入した。次いで、0.3モルの約30%強度の塩化亜鉛溶液を滴下により添加した。82℃で3時間経過してから、KOHを用いて、pHを約5 .5に調節した。これに続けて、90℃で約300gの蒸留水を用いて希釈した。次いで、34gの30%強度の塩酸を滴下により添加し、12時間、90℃の温度を保った。その後で、水酸化カリウム水溶液を用いて、pHを約5に調節した。次いで、サクションフィルター上で顔料を単離し、洗浄し、真空乾燥キャビネット内で、80℃で乾燥させ、かつ標準的な実験室用ミルの中で2分間かけて磨砕した。(黄色着色剤(Y−1)=亜鉛アゾバルビツール酸とメラミンとのアダクト)。
(黄色着色剤(Y−2))
インストラクション1において調製したアゾバルビツール酸(0.3モル)を、82℃で、1500gの蒸留水と混合した。次いで、10gの30%強度の塩酸を滴下により添加して、pHを2〜2.5に調節した。その後で、79.4gのメラミン(0. 63モル)を導入した。次いで、0.3モルの約25%強度の塩化ニッケル溶液を滴下により添加した。82℃で3時間経過してから、KOHを用いて、pHを約5.5に調節した。これに続けて、90℃で約100gの蒸留水を用いて希釈した。次いで、21gの30%強度の塩酸を滴下により添加し、12時間、90℃の温度を保った。その後で、水酸化カリウム水溶液を用いて、pHを約5に調節した。次いで、サクションフィルター上で顔料を単離し、洗浄し、真空乾燥キャビネット内で、80℃で乾燥させ、かつ標準的な実験室用ミルの中で2分間かけて磨砕した。(黄色着色剤(Y−2)=ニッケルアゾバルビツール酸とメラミンとのアダクト)。
(黄色着色剤(Y−3))
黄色着色剤(Y−2)の製造例の「0.3モルの25%強度の塩化ニッケル溶液」を、「0.225モルの25%強度の塩化ニッケル+0.075モルの25%強度の塩化亜鉛の混合溶液」に置き換えた以外は、黄色着色剤(Y−2)と同様にして、黄色着色剤(Y−3)を得た。(黄色着色剤(Y−3)=亜鉛/ニッケルアゾバルビツール酸のメラミンアダクト、25モル%Zn及び75モル%ニッケルの成分を有するハイブリッド化合物)
(黄色着色剤(Y−4))
黄色着色剤(Y−2)の製造例の「0.3モルの25%強度の塩化ニッケル溶液」を、「0.150モルの25%強度の塩化ニッケル+0.150モルの25%強度の塩化亜鉛の混合溶液」に置き換える以外は、黄色着色剤(Y−2)と同様にして、黄色着色剤(Y−4)を得た。(黄色着色剤(Y−4)=亜鉛/ニッケルアゾバルビツール酸のメラミンアダクト、50モル%Zn及び50モル%ニッケルの成分を有するハイブリッド化合物)
(黄色着色剤(Y−5))
黄色着色剤(Y−2)の製造例の「0.3モルの25%強度の塩化ニッケル溶液」を、「0.075モルの25%強度の塩化ニッケル+0.225モルの25%強度の塩化亜鉛の混合溶液」に置き換える以外は、黄色着色剤(Y−2)と同様にして、黄色着色剤(Y−5)を得た。(黄色着色剤(Y−5)=亜鉛/ニッケルアゾバルビツール酸のメラミンアダクト、75モル%Zn及び25モル%ニッケルの成分を有するハイブリッド化合物)
<キノフタロン顔料(C)(一般式(3A)〜(3C)該当)の製造方法>
(黄色着色剤(Y−6))
特開2008−81566号公報に記載の合成方法に従い、下記化合物(1)を得た。
化合物(1)
安息香酸メチル300部に、化合物(1)100部、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物70部、及び安息香酸143部を加え、180℃に加熱し、4時間反応させた。TOF−MSにより、前述のキノフタロン化合物(a)の生成、及び原料の化合物(1)の消失を確認した。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン3130部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノールにて洗浄、乾燥を行い、120部のキノフタロン化合物(a)を得た。
次に、上記キノフタロン化合物(a)100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、98部の黄色着色剤(Y−6)を得た。平均一次粒子径は31.3nmであった。
(黄色着色剤(Y−7))
安息香酸メチル200部に、8−アミノキナルジン40部、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物150部、安息香酸154部を加え、180℃に加熱し、4時間攪拌を行った。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン5440部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、及び乾燥を行い、116部のキノフタロン化合物(c)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、前述のキノフタロン化合物(c)であることを同定した。
続いて、得られたキノフタロン化合物(c)100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(Y−7)97部を得た。平均一次粒子径は34.1nmであった。
(黄色着色剤(Y−8))
特開2008−81566号公報に記載の合成方法に従い、化合物(1)の合成と同様の方法で、化合物(2)を得た。
化合物(2)
安息香酸メチル300部に、化合物(2)100部、テトラクロロ無水フタル酸108部、及び安息香酸143部を加え、180℃に加熱し、4時間反応させた。TOF−MSにより、前述のキノフタロン化合物(b)の生成、及び原料の化合物(2)の消失を確認した。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン3510部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、及び乾燥を行い、120部のキノフタロン化合物(b)を得た。
続いて、得られたキノフタロン化合物(b)100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(Y−8)98部を得た。平均一次粒子径は31.1nmであった。
(黄色着色剤(Y−9))
安息香酸メチル300部に、化合物(2)100部、テトラブロモ無水フタル酸176部、及び安息香酸143部を加え、180℃に加熱し、6時間反応させた。TOF−MSにより、前述のキノフタロン化合物(h)の生成、及び原料の化合物(2)の消失を確認した。さらに、室温まで冷却後、反応混合物をアセトン7190部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。生成物を濾別し、メタノール洗浄、及び乾燥を行い、138部のキノフタロン化合物(h)を得た。
続いて、得られたキノフタロン化合物(h)100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で8時間混練した。次に、この混練物を温水に投入し、約70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状として、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、黄色着色剤(Y−9)97部を得た。平均一次粒子径は28.3nmであった。
<色素誘導体の製造方法>
(色素誘導体(1))
特開2007−156395号公報に記載の合成方法に従い、色素誘導体(1)を得た。
色素誘導体(1)
(色素誘導体(2))
安息香酸メチル200部に、8−アミノキナルジン47.5部、テトラクロロ無水フタル酸90.1部、安息香酸183.2部を加え、120℃に加熱し、水を留去しながら4時間攪拌を行った。次いで、反応混合物にさらに2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物62.4部を加え、180℃に加熱し、水を留去しながら4時間撹拌を行った。室温まで冷却後、反応混合物をエタノール1200部に投入し、室温下にて1時間攪拌した。析出した結晶を濾別した後、さらにエタノールで洗浄を行い、減圧下で乾燥させ、キノフタロン化合物(2a)174.6部(収率:96%)を得た。TOF−MSによる質量分析の結果、下記構造(2a)であることを同定した。
キノフタロン化合物(2a)
上記で得られたキノフタロン化合物(2a)50部を98%硫酸500部中に溶解し、70℃にて8時間攪拌し、スルホン化反応を行った。反応の終点は、硫酸溶液の分光スペクトルを測定し、スペクトルの変化が見られなくなる点とした。次いで、この反応溶液を撹拌した氷水5000部中に注入し、析出物を濾別、水洗してキノフタロン化合物(2b)の水ペースト376部(水分:85.1%、収率:99%)を得た。得られた水ペーストをごく少量乾燥し、TOF−MSによる質量分析を行った結果、下記構造(2b)であることを同定した。
キノフタロン化合物(2b)
キノフタロン化合物(2b)の水ペースト67.1部(水分:85.1%)を、水500部に加えて撹拌し再分散した後、26%アンモニア水を用いてpH10に調整して溶解させた。この溶液中に、8%塩化ニッケル(II)水溶液14.2部を徐々に添加した。滴下した箇所から析出物が次々に現れ、添加と共に徐々にpHが低下した。添加終了後にはブリードは見られなかった。スラリーから析出物を濾別した後、水洗して、80℃で乾燥し、色素誘導体(2)9.9部(収率:95%)を得た。
<金属アゾ顔料(B)分散体の製造方法>
(黄色顔料分散体(YP−1))
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで10時間分散した後、1.0μmのフィルタで濾過し、黄色顔料分散体(YP−1)を作製した。
黄色着色剤(Y−1) 10.0部
色素誘導体(1) 2.1部
樹脂型分散剤溶液1 5.0部
アクリル樹脂溶液1 20.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 62.5部
(黄色顔料分散体(YP−2))
黄色顔料分散体1(YP−1)の製造例の黄色着色剤1(Y−1)を黄色着色剤2(Y−2)に変更した以外は、黄色顔料分散体1と同様にして、黄色顔料分散体2(YP−2)を作製した。
(黄色顔料分散体(YP−3))
黄色顔料分散体(YP−1)の製造例の黄色着色剤(Y−1)を黄色着色剤(Y−3)に変更した以外は、黄色顔料分散体(YP−1)と同様にして、黄色顔料分散体(YP−3)を作製した。
(黄色顔料分散体(YP−4))
黄色顔料分散体(YP−1)の製造例の黄色着色剤(Y−1)を黄色着色剤(Y−4)に変更した以外は、黄色顔料分散体(YP−1)と同様にして、黄色顔料分散体(YP−4)を作製した。
(黄色顔料分散体(YP−5))
黄色顔料分散体(YP−1)の製造例の黄色着色剤(Y−1)を黄色着色剤(Y−5)に変更した以外は、黄色顔料分散体(YP−1)と同様にして、黄色顔料分散体(YP−5)を作製した。
<キノフタロン顔料(C)分散体の製造方法>
(黄色顔料分散体(YP−6))
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで10時間分散した後、1.0μmのフィルタで濾過し、黄色顔料分散体6(YP−6)を作製した。
黄色着色剤(Y−6) 9.0部
色素誘導体(2) 1.0部
樹脂型分散剤溶液1 1.0部
アクリル樹脂溶液1 45.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 44.0部
(黄色顔料分散体(YP−7))
黄色顔料分散体(YP−6)の製造例の黄色着色剤(Y−6)を黄色着色剤(Y−7)に変更した以外は、黄色顔料分散体と同様にして、黄色顔料分散体(YP−7)を作製した。
(黄色顔料分散体(YP−8)の製造例)
黄色顔料分散体(YP−6)の製造例の黄色着色剤(Y−6)を黄色着色剤(Y−8)に変更した以外は、黄色顔料分散体(Y−6)と同様にして、黄色顔料分散体(YP−8)を作製した。
(黄色顔料分散体(YP−9))
黄色顔料分散体(YP−6)の製造例の黄色着色剤(Y−6)を黄色着色剤(Y−9)に変更した以外は、黄色顔料分散体(Y−6)と同様にして、黄色顔料分散体(YP−9)を作製した。
<C.I.ピグメントイエロー138分散体の製造方法>
(黄色顔料分散体(YP−10))
黄色顔料分散体(YP−6)の製造例の黄色着色剤(Y−6)をC.I.ピグメントエロー138(トーヨーカラー(株)製「CF−Y−1010」)に変更した以外は、黄色顔料分散体(YP−6)と同様にして、黄色顔料分散体(YP−10)を作製した。
<ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)分散体の製造方法>
(緑色顔料分散体(GP−1))
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで10時間分散した後、1.0μmのフィルタで濾過し、緑色顔料分散体(GP−1)を作製した。
C.I.ピグメントグリーン58 12.0部
(DIC社製「FASTOGEN GREEN A110」)
樹脂型分散剤溶液1 1.0部
アクリル樹脂溶液1 35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 52.0部
(緑色顔料分散体(GP−2))
緑色顔料分散体(GP−1)の製造例のC.I.ピグメントグリーン58(DIC社製「FASTOGEN GREEN A110」)をC.I.ピグメントグリーン36(トーヨーカラー株式会社製「CF−G−6YK」)に変更した以外は、緑色顔料分散体(GP−1)と同様にして、緑色顔料分散体(GP−2)を作製した。
(緑色顔料分散体(GP−3))
緑色顔料分散体(GP−1)の製造例のC.I.ピグメントグリーン58(DIC社製「FASTOGEN GREEN A110」)をC.I.ピグメントグリーン63に変更した以外は、緑色顔料分散体(GP−1)と同様にして、緑色顔料分散体(GP−3)を作製した。
<カラーフィルタ用着色組成物の製造方法>
[実施例1]
(緑色感光性着色組成物(R−1))
下記組成の混合物を均一になるように攪拌混合した後、0.6μmのフィルタで濾過して、緑色感光性着色組成物(R−1)を得た。
黄色顔料分散体(YP−1) 10.0部
黄色顔料分散体(YP−6) 6.6部
黄色顔料分散体(YP−10) 1.6部
緑色顔料分散体(GP−1) 50.1部
アクリル樹脂溶液2 2.9部
光重合性モノマー1 0.8部
(東亞合成社製 アロニックスM402)
光重合性モノマー2 0.8部
(東亞合成社製 アロニックスM350)
光重合開始剤 0.5部
(BASF社製「OXEー01」)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 15.7部
3−エトキシプロピオン酸エチル 20.0部
[実施例2〜60及び比較例1〜10]
(緑色感光性着色組成物(R−2〜70))
以下、顔料分散体を表1に示す種類及び配合量に変えた以外は緑色感光性着色組成物(R−1)と同様にして緑色感光性着色組成物(R−2〜70)を得た。緑色感光性着色組成物では顔料分散体を併用しているが顔料分散体の全量は全ての緑色感光性着色組成物において68.3部である。
<カラーフィルタ用着色組成物の評価>
得られた感光性着色組成物について下記方法で評価を行った。結果を表1に示す。
[明度評価]
得られた感光性着色組成物をスピンコート法により10cm×10cmのガラス基板に塗工した後、クリーンオーブン中70℃で15分間加温して溶剤を除去し、約2μmの塗膜を得た。次いで、この基板を室温に冷却後、超高圧水銀ランプを用い、100μm幅(ピッチ200μm)及び25μm幅(ピッチ50μm)ストライプパターンのフォトマスクを介して紫外線を露光した。その後、この基板を23℃の炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー現像した後、イオン交換水で洗浄、風乾し、クリーンオーブン中230℃で30分間加熱した。スプレー現像は、それぞれの感光性着色組成物での塗膜について、現像残りなくパターン形成可能な最短時間で行い、これを適正現像時間とした。塗膜の膜厚は、Dektak 3030(日本真空技術社製)を用いて行った。得られたパターンについて、透過率を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて、XYZ表色系における明度を測定した(C光源/Gy=0.625)。評価基準を下記に示す。×は実用不可レベルである。
◎:明度(Y)が50.0pt以上
○:明度(Y)が45.0pt以上、50.0pt未満
△:明度(Y)が40.0pt以上、45.0pt未満
×:明度(Y)が40.0pt以下
[耐光性評価]
上記方法で形成されたフィルタセグメントについて、
C光源での色度([L*(1)、a*(1)、b*(1)])を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。さらにその後、卓上型キセノンアークランプ式促進耐光性試験機(東洋精機製、SUNTEST CPS+)にて光照射実験を行った。(光強度:750W/m、時間:200h)その後、C光源での色度([L*(2)、a*(2)、b*(2)])を測定し、下記計算式により、色差ΔE*abを求めた。
ΔE*ab=[[L*(2)−L*(1)]2+[a*(2)−a*(1)]2+[b*(2)−b*(1)]2]1/2
評価基準を下記に示す。×は実用不可レベルである。
◎:色差(ΔE*ab)が1.0未満
○:色差(ΔE*ab)が1.0以上、3.0未満
△:色差(ΔE*ab)が3.0以上、5.0未満
×:色差(ΔE*ab)が5.0以上
表1に示すように、実施例1〜60の感光性着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントは、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)、金属アゾ顔料(B)、及びキノフタロン顔料(C)を併用することで、明度、耐光性が良好であった。また、比較例1〜5のように、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)と金属アゾ顔料(B)のみの組合せだと、耐光性が良好だが明度が低いため、液晶表示装置用パネル用カラーフィルタに不向きである。一方、比較例6〜9のように、ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)とキノフタロン顔料(C)とのみの組合せだと、明度が良好だが耐光性は悪化する。

Claims (3)

  1. ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)、金属アゾ顔料(B)、キノフタロン顔料(C)、及びバインダー樹脂を含むカラーフィルタ用着色組成物であって、
    ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(A)が、ハロゲン化銅フタロシアニン、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン、及びハロゲン化アルミフタロシアニンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、金属アゾ顔料(B)が、下記(a)及び(b)を含み、
    (a)式(I)又はその互変異性
    (b)式(II)で表される化合物
    キノフタロン顔料(C)が、下記一般式(3A)、(3B)、及び(3C)から選ばれる少なくとも一つのキノフタロン顔料と、ピグメントイエロー138とを含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。
    式(I)
    [式(I)中、
    及びRは互いに独立して、OH、NH、又はNHRであり、
    及びRは互いに独立して、=O又は=NRであり、
    は、水素又はアルキル基であり、かつ
    Meは、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Al3+ 2/3、Fe2+、Fe3+ 2/3、Co2+、及びCo3+ 2/3の系から選択される二価若しくは三価の金属イオンであるが、
    ただし、それぞれの場合において、式(I)の化合物を合計したもの1モルを基準にして、Zn2+及びNi2+の系からの金属イオンの量が95〜100モル%であり、かつCu2+、Al3+ 2/3、Fe2+、Fe3+ 2/3、Co2+、及びCo3+ 2/3の系から選択される金属イオンの量が0〜5モル%であり、かつ式(I)の化合物を合計したものにおけるZn対Niの金属イオンのモル比が(9:1)から(1:9)までである。]

    式(II)
    [式(II)中、Rは、水素又はアルキル基である。]

    一般式(3A)


    一般式(3B)


    一般式(3C)

    [一般式(3A)〜(3C)中、R14〜R28、R29〜R43、R44〜R60は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシル基、置換基を有しても良いアリール基、−SOH基、−COOH基、−SOH基若しくは−COOH基の金属塩、−SOH基若しくは−COOH基のアルキルアンモニウム塩、置換基を有しても良いフタルイミドメチル基、又は置換基を有しても良いスルファモイル基を示す。]
  2. さらに光重合性単量体及び/又は光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。
  3. 基板上に、請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用着色組成物から形成されてなるフィルタセグメントを具備してなることを特徴とするカラーフィルタ。
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