JP2019113102A - エアシリンダ - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンの摺動抵抗を小さくするとともに、エアの消費を可及的に抑制するエアシリンダを提供する。【解決手段】エアシリンダ10は、シリンダチューブ12、ヘッドカバー14、ロッドカバー16、ピストン18およびピストンロッド20を含み、ピストンによって第1エア室42と第2エア室44とに画成されるシリンダ室40を有し、第1エア室のエアを給排するための第1ポート24がロッドカバーに設けられるとともに、第2エア室のエアを給排するための第2ポート34がヘッドカバーに設けられ、メータアウト制御が適用される。ピストンとシリンダチューブとの間はシールされておらず、ピストンには、ロッドカバーに当接して第1ポートと第2エア室との連通を遮断可能な第1シール部材50と、ヘッドカバーに当接して第2ポートと第1エア室との連通を遮断可能な第2シール部材54とが設けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、エアシリンダ、特にピストンの摺動抵抗が小さいエアシリンダに関する。
従来から、エアシリンダのピストンは、ピストンの両側に設けられる二つのエア室を相互に気密に保持するため、シリンダチューブの内面に摺接するピストンパッキンを備えることが技術常識となっている。このピストンパッキンの存在により、ピストンの駆動時に、シール作用に伴う摺動抵抗が発生することが避けられない。
ところで、ピストンの一方向および他方向、すなわち、ピストンロッドの押し出し方向および引き込み方向のうち、大きな出力を必要としない方向にピストンが移動する際に、二つのエア室をエアシリンダの外部で連通させてエア消費量の低減を図る技術が知られている。
例えば、特許文献1には、複動シリンダ装置の駆動側圧力室から排出される排気の一部をアキュムレータに回収・蓄積し、それを複動シリンダ装置の復帰動力に利用するアクチュエータ駆動装置が記載されている。
実公平2−2965号公報
このような排気圧力を再利用して流体圧シリンダを復帰させる駆動装置の技術に関し、本出願人は、復帰に必要な時間を短縮するとともに流体回路を簡素化することを目的とする駆動装置の発明について特許出願した(特願2016−184211号)。当該発明は、流体回路にチェック弁等の構成を設けることにより、復帰工程において、一方のシリンダ室に蓄積された流体の一部を他方のシリンダ室に向けて供給しつつ、一方のシリンダ室に蓄積された流体の他の一部を外部に排出するものである。
本発明は、上記技術を背景としてなされたもので、ピストン移動時の摺動抵抗を小さくするとともに、エアの消費を可及的に抑制するエアシリンダを提供することを目的とする。
本発明に係るエアシリンダは、シリンダチューブ、ヘッドカバー、ロッドカバー、ピストンおよびピストンロッドを含み、ピストンによって第1エア室と第2エア室とに画成されるシリンダ室を有し、第1エア室のエアを給排するための第1ポートがロッドカバーに設けられるとともに、第2エア室のエアを給排するための第2ポートがヘッドカバーに設けられ、メータアウト制御が適用されるエアシリンダであって、ピストンとシリンダチューブとの間はシールされておらず、ピストンには、ロッドカバーに当接して第1ポートと第2エア室との連通を遮断可能な第1シール部材と、ヘッドカバーに当接して第2ポートと第1エア室との連通を遮断可能な第2シール部材とが設けられることを特徴とする。
上記エアシリンダによれば、シリンダチューブに摺接するピストンパッキンは存在しないので、ピストン移動時の摺動抵抗を軽減することができる。また、ピストンのストロークエンドではエアの無駄な排出を防止することができ、かつ、十分な推力でピストンをストロークエンド位置に保持することができる。
上記エアシリンダにおいて、第1シール部材は、ロッドカバーと対向するピストンの軸方向端面に設けられた環状の第1凹部に装着され、第1凹部に収容される環状の基部と、弾性変形によってロッドカバーの端面に圧接可能な環状のリップ部を有し、第2シール部材は、ヘッドカバーと対向するピストンの軸方向端面に設けられた環状の第2凹部に装着され、第2凹部に収容される環状の基部と、弾性変形によってヘッドカバーの端面に圧接可能な環状のリップ部を有するのが好ましい。これによれば、ピストンに対する第1シール部材および第2シール部材の取付け構造が簡単なものになる。
この場合、第1シール部材の基部の底部には、第1凹部の底面と対向する環状凸部が突出して形成され、第2シール部材の基部の底部には、第2凹部の底面と対向する環状凸部が突出して形成されているのが好ましい。これによれば、第1シール部材による第1ポートと第2エア室との遮断効果を高めることができるとともに、第2シール部材による第2ポートと第1エア室との遮断効果を高めることができる。
さらに、第1凹部および第2凹部は、底面側よりも開口側の方が狭い形状となっており、第1シール部材の基部および第2シール部材の基部は、これらの形状に倣って底部側が膨らんだ形状であるのが好ましい。これによれば、第1シール部材が第1凹部から抜け出すのを防止でき、第2シール部材が第2凹部から抜け出すのを防止できる。
さらにまた、第1シール部材は、ロッドカバーに当接してクッション作用を奏する隆起部を備え、第2シール部材は、ヘッドカバーに当接してクッション作用を奏する隆起部を備えるのが好ましい。これによれば、ピストンのストロークエンドで衝撃を緩和することができる。
また、ピストンの外周にはウエアリングが装着されているのが好ましい。これによれば、第1エア室と第2エア室との相互連通を確保しつつ、シリンダチューブに対してピストンを確実に軸受支持できる。
本発明に係るエアシリンダによれば、従来不可欠の構成であったピストンパッキンを無くして、ピストン移動時の摺動抵抗を軽減することができる。また、ピストンパッキンを無くしたものでありながら、ピストンのストロークエンドではエアの無駄な排出を防止することができ、かつ、十分な推力でピストンをストロークエンド位置に保持することができる。なお、後述するように、本発明に係るエアシリンダによれば、ピストンが往復する際に消費されるエアの量は、ピストンパッキンを備えた従来のエアシリンダと同等である。
本発明の実施形態に係るエアシリンダの断面図である。 図1のエアシリンダのA部拡大断面図である。 ピストンが一方のストロークエンドに達しているときの図1のエアシリンダのA部拡大断面図である。 ピストンが他方のストロークエンドに達しているときの図1のエアシリンダのA部拡大断面図である。
以下、本発明に係るエアシリンダについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1において、参照符号10は、本発明の実施形態に係るエアシリンダを示す。
エアシリンダ10は、例えば、ワークの搬送位置等に用いられ、ピストンロッド20の押し出し時または引き込み時に仕事をする。図1に示すように、エアシリンダ10は、シリンダチューブ12、ヘッドカバー14、ロッドカバー16、ピストン18およびピストンロッド20を有する。
金属製のシリンダチューブ12は、円筒状に形成されている。シリンダチューブ12の軸方向一端部には、金属製のヘッドカバー14が圧入等の手段により固定され、シリンダチューブ12の軸方向他端部には、金属製のロッドカバー16が圧入等の手段により固定されている。
ロッドカバー16は、概略円筒形状に構成され、ロッドカバー16の軸線方向に貫通する貫通孔22と、ロッドカバー16の軸線に垂直な方向に延びる第1ポート24とを有する。第1ポート24の一端には配管接続部としての雌ネジ25が設けられ、第1ポート24の一端はロッドカバー16の外側面に開口する。第1ポート24の他端は貫通孔22に連通している。
ロッドカバー16の貫通孔22には、第1ポート24よりもピストン18から離れた箇所において、凹溝を介してロッドパッキン26が装着され、ロッドパッキン26はピストンロッド20に摺接する。ピストン18と対向するロッドカバー16の軸方向端部には、段差面を経て小径部28が形成されており、小径部28の外側にシリンダチューブ12の軸方向他端部が嵌合する。ロッドカバー16の小径部28には凹溝を介して第1シールリング30が装着され、第1シールリング30はシリンダチューブ12の内面に当接する。
ヘッドカバー14は、概略有底円筒形状に構成され、ヘッドカバー14の軸線方向に延びる有底孔32と、ヘッドカバー14の軸線に垂直な方向に延びる第2ポート34とを有する。第2ポート34の一端には配管接続部としての雌ネジ35が設けられ、第2ポート34の一端はヘッドカバー14の外側面に開口する。第2ポート34の他端は有底孔32に連通している。
ピストン18と対向するヘッドカバー14の軸方向端部には、段差面を経て小径部36が形成されており、小径部36の外側にシリンダチューブ12の軸方向一端部が嵌合する。ヘッドカバー14の小径部36には凹溝を介して第2シールリング38が装着され、第2シールリング38はシリンダチューブ12の内面に当接する。
シリンダチューブ12は、ロッドカバー16とヘッドカバー14によって軸方向両端が閉塞され、内部にシリンダ室40が形成されている。シリンダ室40は、ピストン18によって、ロッドカバー16側の第1エア室42とヘッドカバー14側の第2エア室44とに区画される。第1エア室42は、ロッドパッキン26および第1シールリング30により外部から封止され、第2エア室44は、第2シールリング38により外部から封止される。
金属製のピストンロッド20の一端部は、カシメ等の手段により金属製のピストン18に連結され、ピストンロッド20の他端部は、ロッドカバー16の貫通孔22を通って外部に延びる。第1エア室42は、ピストンロッド20とロッドカバー16の貫通孔22の内壁との間に形成される隙間を介して第1ポート24に連通している。
第1ポート24の開口端部側には、第1エア室42から排出されるエアの流量を調整可能な図示しない可変絞り弁(スピードコントローラ)が付設されている。同様に、第2ポート34の開口端部側には、第2エア室44から排出されるエアの流量を調整可能な図示しない可変絞り弁が付設されている。これら可変絞り弁は固定絞り弁であってもよい。要するに、エアシリンダ10には、いわゆるメータアウト制御が適用される。
図2に示すように、断面円形のピストン18の外周には、凹溝を介して樹脂製のウエアリング46が装着されている。ウエアリング46は、ピストン18とシリンダチューブ12との間のメタルタッチを防止し、ピストン18の軸受として設けられる部材である。ウエアリング46とシリンダチューブ12との間には所定のクリアランスが確保されている。ピストン18の外周にピストンパッキンは装着されていない。これにより、第1エア室42と第2エア室44とは、ピストン18とシリンダチューブ12との間に形成される隙間を介して、相互に連通している。なお、この隙間は、第1エア室42と第2エア室44との間でエアが流通する際の流路抵抗となり得るものである。
ロッドカバー16と対向するピストン18の軸方向端面には、所定の深さを有する環状の第1凹部48が設けられ、第1凹部48に環状の第1シール部材50が装着されている。同様に、ヘッドカバー14と対向するピストン18の軸方向端面には、所定の深さを有する環状の第2凹部52が設けられ、第2凹部52に環状の第2シール部材54が装着されている。
第1シール部材50と第2シール部材54は、基本的に構成が同じであるので、以下、主に第1シール部材50の構成について説明し、第2シール部材54の構成については詳細な説明を省略する。なお、第1シール部材50の各構成部分の参照符号の末尾にはaを付し、これと対応する第2シール部材54の各構成部分の参照符号の末尾にはbを付してある。
第1シール部材50は、弾性を有する樹脂材料からなる。第1シール部材50は、ピストン18の第1凹部48に収容される環状の基部56aと、基部56aから延びる環状のリップ部58aと、基部56aから連なる環状の隆起部60aとを有する。リップ部58aは、ピストン18の軸方向および径方向外方に向けて基部56aから斜めに延びる。隆起部60aは、リップ部58aよりもピストン18の径方向内方において、第1凹部48から突出する。リップ部58aに外力が加わらないとき、リップ部58aの先端は、隆起部60aよりもロッドカバー16側に突出している。第1凹部48の底面と対向する基部56aの底部には、断面半円形の環状突部62aが突出して形成されている。
第1凹部48を構成する内周側の壁面64aは、ピストン18の軸線方向に平行であるのに対して、第1凹部48を構成する外周側の壁面66aは、第1凹部48の底面から離れるにしたがって、ピストン18の軸線に近づく向きに傾斜している。換言すれば、第1凹部48は、底面側よりも開口側の方が狭くなっている。第1シール部材50の基部56aは、この第1凹部48の形状に倣い、底部側に膨らんだ形状となっている。ただし、第1シール部材50が第1凹部48に収容された状態で、第1シール部材50の基部56aの外周と第1凹部48の外周側の壁面66aとの間には、所定の隙間が形成される。これにより、環状の第1シール部材50をその弾性を利用して第1凹部48に装着することが容易になるとともに、第1凹部48に収容された第1シール部材50が第1凹部48から抜け出すことが防止される。第1シール部材50は、第1凹部48から抜け出さない範囲で、ピストン18の軸線と平行な方向に若干移動し得る。
第1シール部材50の隆起部60aは、ロッドカバー16の端面に当接可能である。第1シール部材50の隆起部60aがロッドカバー16の端面に当接したとき、第1凹部48の内周側の壁面64aは、ロッドカバー16の貫通孔22の壁面と概ね整合する(図3参照)。第2シール部材54の隆起部60bは、ヘッドカバー14の端面に当接可能である。第2シール部材54の隆起部60bがヘッドカバー14の端面に当接したとき、第2凹部52の内周側の壁面64bは、ヘッドカバー14の有底孔32の壁面と概ね整合する(図4参照)。
本実施形態に係るエアシリンダ10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、図1、図3および図4を参照しながら、その作用について説明する。なお、便宜上、図1に示すように、ピストン18がヘッドカバー14およびロッドカバー16から概ね等しい距離のところで停止している状態を初期状態とする。
この初期状態から、図示しない切換弁が作動して、第2ポート34がエア供給源(図示せず)に接続されるとともに、第1ポート24が排気口(図示せず)に接続される。すると、エア供給源から高圧のエアが第2エア室44に供給されるので、ピストンロッド20を押し出す方向にピストン18が移動を始める。
ここで、第1エア室42は、排気方向の流量を制限する絞り弁を介して排気口に接続されているので、ピストンロッド20を押し出す方向にピストン18が移動すると、第1エア室42の容積が小さくなって、第1エア室42には背圧がかかる。しかも、第1エア室42の断面積は、ピストンロッド20が存在する分だけ、第2エア室44の断面積よりも小さいので、第2エア室44の圧力が第1エア室42の圧力より小さくても、ピストン18はピストンロッド20を押し出す方向に移動できる。このため、ピストン18の移動に伴い、第1エア室42の圧力は第2エア室44の圧力よりも高くなる。そして、第1エア室42と第2エア室44は、ピストン18とシリンダチューブ12との間の隙間を介して相互に連通しているので、ピストン18が移動するたびに、第1エア室42のエアの一部が第2エア室44に流入する。第1エア室42のエアの別の一部は、第1ポート24および絞り弁を介して外部に排出される。
図3に示すように、ピストン18がピストンロッド20を押し出す方向のストロークエンドに達すると、第1シール部材50がロッドカバー16の端面に当接する。具体的には、第1シール部材50のリップ部58aがロッドカバー16に押され、第1シール部材50の隆起部60aがロッドカバー16に所定の押圧力で当接するまで、リップ部58aが弾性変形する。そして、リップ部58aの先端がリップ部58aの全周にわたってロッドカバー16の端面に所定のシール圧で圧接するに至る。このとき、第1シール部材50の環状突部62aは、その全周にわたってピストン18の第1凹部48の底面に所定のシール圧で圧接する。
第1シール部材50の隆起部60aは、ピストン18のストロークエンドでロッドカバー16に当接するとき、クッションとなって衝撃を緩和する作用を奏する。なお、隆起部60aがロッドカバー16に当接しても、隆起部60aとロッドカバー16との間にはクリアランスが存在する。
第1シール部材50のリップ部58aがロッドカバー16の端面に圧接し、かつ、第1シール部材50の環状突部62aがピストン18の第1凹部48の底面に圧接すると、ストロークエンドで最も狭くなった第1エア室42は、第1領域68と第2領域70とに相互に気密に区画される(図3参照)。ピストンロッド20とロッドカバー16の貫通孔22の内壁との間に形成される隙間を介して第1ポート24に連通する第1領域68は、ピストン18とシリンダチューブ12との間に形成される隙間を介して第2エア室44に連通する第2領域70から遮断される。
そして、ピストン18がストロークエンドで停止するため、絞り弁による背圧は無くなり、第1ポート24、ピストンロッド20とロッドカバー16の貫通孔22との間の隙間および第1領域68の圧力は、第2エア室44および第2領域70の圧力よりも低くなる。したがって、ピストン18がピストンロッド20を押し出す方向のストロークエンドに到達した後は、ピストン18が安定してその位置に留まり、第2エア室44に高圧のエアが供給されても、第1ポート24からエアは排出されない。これにより、エアが無駄に消費されることを防止できる。また、ピストン18に十分な推力を作用せしめて、ピストンロッド20を最も押し出した位置に保持することができる。
その後、切換弁が作動して、第1ポート24がエア供給源(図示せず)に接続されるとともに、第2ポート34が排気口(図示せず)に接続される。すると、エア供給源から高圧のエアが第1エア室42に供給されるので、ピストンロッド20を引き込む方向にピストン18が移動を始めるとともに、第1シール部材50はロッドカバー16から離れる。
ここで、第2エア室44は、排気方向の流量を制限する絞り弁を介して排気口に接続されているので、ピストンロッド20を引き込む方向にピストン18が移動すると、第2エア室44の容積が小さくなって、第2エア室44には背圧がかかる。しかしながら、ピストンロッド20を引き込む方向にピストン18が移動するとき、絞り弁による流量制限効果がそれほど大きくなければ、第2エア室44の圧力が第1エア室42の圧力よりも高くなることはない。すなわち、第1エア室42の圧力が第2エア室44の圧力よりも高い状態が継続する。したがって、ピストンロッド20を引き込む方向にピストン18が移動するとき、絞り弁による流量制限効果がそれほど大きくない状態では、第1エア室42のエアの一部は、ピストン18とシリンダチューブ12との間の隙間を介して第2エア室44に流入する。
図4に示すように、ピストン18がピストンロッド20を引き込む方向のストロークエンドに達すると、第2シール部材54がヘッドカバー14の端面に当接する。具体的には、第2シール部材54のリップ部58bがヘッドカバー14に押され、第2シール部材54の隆起部60bがヘッドカバー14に所定の押圧力で当接するまで、リップ部58bが弾性変形する。そして、リップ部58bの先端がリップ部58bの全周にわたってヘッドカバー14の端面に所定のシール圧で圧接するに至る。このとき、第2シール部材54の環状突部62bは、その全周にわたってピストン18の第2凹部52の底面に所定のシール圧で圧接する。
第2シール部材54の隆起部60bは、ピストン18のストロークエンドでヘッドカバー14に当接するとき、クッションとなって衝撃を緩和する作用を奏する。なお、隆起部60bがヘッドカバー14に当接しても、隆起部60bとヘッドカバー14との間にはクリアランスが存在する。
第2シール部材54のリップ部58bがヘッドカバー14の端面に圧接し、かつ、第2シール部材54の環状突部62bがピストン18の第2凹部52の底面に圧接すると、ストロークエンドで最も狭くなった第2エア室44は、第1領域72と第2領域74とに相互に気密に区画される(図4参照)。ヘッドカバー14の有底孔32を介して第2ポート34に連通する第1領域72は、ピストン18とシリンダチューブ12との間に形成される隙間を介して第1エア室42に連通する第2領域74から遮断される。
したがって、ピストン18がピストンロッド20を引き込む方向のストロークエンドに到達した後は、第1エア室42に高圧のエアが供給されても、第2ポート34からエアは排出されない。これにより、エアが無駄に消費されることを防止できる。また、ピストン18に十分な推力を作用せしめて、ピストンロッド20を最も引き込んだ位置に保持することができる。
その後、切換弁が作動して、第2ポート34がエア供給源(図示せず)に接続されるとともに、第1ポート24が排気口(図示せず)に接続されると、第2シール部材54がヘッドカバー14から離れた後、前述した最初の切換弁の作動時と同じ状態に移行する。以後、同じ動作が繰り返される。
本実施形態によれば、ピストン18には、シリンダチューブ12に摺接するピストンパッキンが設けられていないので、ピストン18の移動時の摺動抵抗を軽減することができる。また、ピストン18がピストンロッド20押し出し方向およびピストンロッド20引き込み方向の各ストロークエンドに達した後は、エアの無駄な排出を防止し、ピストン18に十分な推力を作用せしめて、ピストンロッド20をストロークエンド位置に保持することができる。
本出願人は、第1ポート側および第2ポート側にそれぞれメータアウト制御を行う絞り弁を付設したエアシリンダにおいて、ピストンの外周とシリンダチューブの内周との間にクリアランスを設けることでエア漏れを起こさせ、シリンダ室内でエアを循環させたときのエア消費量に関する試験を行った。
その結果、ピストンロッドを押し出す方向にピストンが移動する工程で供給されるエアの流量と排出されるエアの流量はいずれも、ピストンにエア漏れがない場合と比べて減少することが分かった。それらの減少割合は、ピストンとシリンダチューブとの間のクリアランスが大きいほど大きく、また、ピストンの移動速度が小さいほど大きい傾向にある。
また、ピストンロッドを引き込む方向にピストンが移動する工程で供給されるエアの流量と排出されるエアの流量はいずれも、ピストンにエア漏れがない場合と比べて増加することが分かった。それらの増加割合は、ピストンとシリンダチューブとの間のクリアランスが大きいほど大きく、また、ピストンの移動速度が小さいほど大きい傾向にある。
さらに、ピストンロッドを押し出す方向にピストンが移動する工程で供給されるエアの流量とピストンロッドを引き込む方向にピストンが移動する工程で供給されるエアの流量とを合わせた流量は、ピストンにエア漏れがない場合と同等であることが分かった。同様に、ピストンロッドを押し出す方向にピストンが移動する工程で排出されるエアの流量とピストンロッドを引き込む方向にピストンが移動する工程で排出されるエアの流量とを合わせた流量は、ピストンにエア漏れがない場合と同等であることが分かった。
上記試験結果から分かるように、本発明に係るエアシリンダで消費されるエアの量は、ピストンパッキンを備えた従来のエアシリンダと同等である。
本発明に係るエアシリンダは、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することのない範囲で、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…エアシリンダ 12…シリンダチューブ
14…ヘッドカバー 16…ロッドカバー
18…ピストン 20…ピストンロッド
24…第1ポート 34…第2ポート
40…シリンダ室 42…第1エア室
44…第2エア室 46…ウエアリング
48…第1凹部 50…第1シール部材
52…第2凹部 54…第2シール部材
56a、56b…基部 58a、58b…リップ部
60a、60b…隆起部 62a、62b…環状突部

Claims (6)

  1. シリンダチューブ、ヘッドカバー、ロッドカバー、ピストンおよびピストンロッドを含み、前記ピストンによって第1エア室と第2エア室とに画成されるシリンダ室を有し、前記第1エア室のエアを給排するための第1ポートが前記ロッドカバーに設けられるとともに、前記第2エア室のエアを給排するための第2ポートが前記ヘッドカバーに設けられ、メータアウト制御が適用されるエアシリンダであって、
    前記ピストンと前記シリンダチューブとの間はシールされておらず、前記ピストンには、前記ロッドカバーに当接して前記第1ポートと前記第2エア室との連通を遮断可能な第1シール部材と、前記ヘッドカバーに当接して前記第2ポートと前記第1エア室との連通を遮断可能な第2シール部材とが設けられることを特徴とするエアシリンダ。
  2. 請求項1記載のエアシリンダにおいて、
    前記第1シール部材は、前記ロッドカバーと対向する前記ピストンの軸方向端面に設けられた環状の第1凹部に装着され、前記第1凹部に収容される環状の基部と、弾性変形によって前記ロッドカバーの端面に圧接可能な環状のリップ部を有し、前記第2シール部材は、前記ヘッドカバーと対向する前記ピストンの軸方向端面に設けられた環状の第2凹部に装着され、前記第2凹部に収容される環状の基部と、弾性変形によって前記ヘッドカバーの端面に圧接可能な環状のリップ部を有する
    ことを特徴とするエアシリンダ。
  3. 請求項2記載のエアシリンダにおいて、
    前記第1シール部材の基部の底部には、前記第1凹部の底面と対向する環状凸部が突出して形成され、前記第2シール部材の基部の底部には、前記第2凹部の底面と対向する環状凸部が突出して形成されている
    ことを特徴とするエアシリンダ。
  4. 請求項2記載のエアシリンダにおいて、
    前記第1凹部および前記第2凹部は、底面側よりも開口側の方が狭い形状となっており、前記第1シール部材の基部および前記第2シール部材の基部は、これらの形状に倣って底部側が膨らんだ形状である
    ことを特徴とするエアシリンダ。
  5. 請求項2記載のエアシリンダにおいて、
    前記第1シール部材は、前記ロッドカバーに当接してクッション作用を奏する隆起部を備え、前記第2シール部材は、前記ヘッドカバーに当接してクッション作用を奏する隆起部を備える
    ことを特徴とするエアシリンダ。
  6. 請求項1記載のエアシリンダにおいて、
    前記ピストンの外周にはウエアリングが装着されている
    ことを特徴とするエアシリンダ。
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