JP2019112639A - 軽量気泡コンクリート用塗料、並びに軽量気泡コンクリート構造体、軽量気泡コンクリート構造体の製造方法及び塗装方法 - Google Patents

軽量気泡コンクリート用塗料、並びに軽量気泡コンクリート構造体、軽量気泡コンクリート構造体の製造方法及び塗装方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2回の塗布工程で隠蔽率に優れた軽量気泡コンクリート用塗料を提供することを目的とする。2回の塗布工程で軽量気泡コンクリートへの意匠性の付与が十分にでき、隠蔽率にも優れた軽量気泡コンクリート用塗料を提供することを目的とする。また、多彩感などの意匠性に優れた軽量気泡コンクリート構造体、軽量気泡コンクリート構造体の製造方法及び塗装方法を提供することを目的とする。【解決手段】第1の塗料及び第2の塗料を備える軽量気泡コンクリート用塗料であって、第1の塗料が下地塗料を含み、第2の塗料が着色高分子粒体を含有し、第2の塗料の隠蔽率が80%以上である、軽量気泡コンクリート用塗料。【選択図】図1

Description

本発明は、軽量気泡コンクリート用塗料、並びに軽量気泡コンクリート構造体、軽量気泡コンクリート構造体の製造方法及び塗装方法に関する。
軽量気泡コンクリートは、一般に珪石や珪砂を主成分とする珪酸質原料及び石灰質原料に、水と発泡剤とを添加したスラリーを発泡及び半硬化させ、得られる半硬化体を例えばオートクレーブにて高温高圧水蒸気養生を行うことによって製造される。
このようにして製造される軽量気泡コンクリートは、内部に気泡と細孔を含むため、非常に軽量でありながら、高い耐火性及び断熱性を備え、強度も比較的高いなど優れた性能を有する。このため、軽量気泡コンクリートは、例えば建築物用外壁材などに用いられている。
ここで、軽量気泡コンクリートが建築物用外壁材として用いられる場合には、防水性や意匠性などを付与する観点から、塗料などで表面仕上げを行う必要がある。特許文献1には、軽量気泡コンクリートパネルの表面に下地塗料材を塗着し、その上表面に建築仕上げ塗料材として主材塗料材及び上塗り塗料材を順に積層して構成された表面加工パネルが記載されている。
特開2000−170315号公報
上記特許文献1においては、軽量気泡コンクリートパネルを塗装する際には、下地塗料材、主材塗料材及び上塗り塗料材を順に塗布しており、少なくとも3回の塗布工程が必要であるが、このような塗装では施工時間が長くなってしまうという問題があった。
また、近年は、下地塗料材と乾式の装飾チップを混入させた上塗り塗料材を用いて2工程で塗布された軽量気泡コンクリートパネルが開発されている。しかしながら、図4にも示すように、このような軽量気泡コンクリートパネルは、多彩感などの意匠性に改善の余地が見られた。さらに、当該軽量気泡コンクリートパネルにおいては、上塗り塗料材を塗布した後にローラー押え工程が必要であり、手間がかかるという問題があった。加えて、乾式の装飾チップは大きさに制限があるため、塗料の隠蔽率が低いという問題もあった。
本発明は、2回の塗布工程で隠蔽率に優れた軽量気泡コンクリート用塗料を提供することを目的とする。また、本発明は、2回の塗布工程で軽量気泡コンクリートへの意匠性の付与が十分にでき、隠蔽率にも優れた軽量気泡コンクリート用塗料を提供することを目的とする。また、本発明は、多彩感などの意匠性に優れた軽量気泡コンクリート構造体、軽量気泡コンクリート構造体の製造方法及び塗装方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[11]に関する。
[1]第1の塗料及び第2の塗料を備える軽量気泡コンクリート用塗料であって、第1の塗料が下地塗料を含み、第2の塗料が着色高分子粒体を含有し、第2の塗料の隠蔽率が80%以上である、軽量気泡コンクリート用塗料。
[2]第1の塗料及び第2の塗料を備える軽量気泡コンクリート用塗料であって、第1の塗料が下地塗料を含み、第2の塗料が少なくとも2種の着色高分子粒体を含有する多彩模様塗料を含み、第2の塗料の隠蔽率が80%以上である、軽量気泡コンクリート用塗料。
[3]少なくとも2種の着色高分子粒体は、粒径が4mm未満の第1の着色高分子粒体と、粒径が4mm以上の第2の着色高分子粒体と、を含む、[2]の軽量気泡コンクリート用塗料。
[4]第1の塗料における体質顔料の含有率が、30質量%を超えて70質量%未満である、[1]〜[3]のいずれかの軽量気泡コンクリート用塗料。
[5]第1の塗料における着色顔料の含有率が0.1質量%以上15質量%未満である、[1]〜[4]のいずれかの軽量気泡コンクリート用塗料。
[6]軽量気泡コンクリートと、第1の塗料によって軽量気泡コンクリートの表面上に形成された第1の層と、第2の塗料によって第1の層の表面上に形成された第2の層と、を備え、第1の塗料が下地塗料を含み、第2の塗料が少なくとも2種の着色高分子粒体を含有する多彩模様塗料を含む、軽量気泡コンクリート構造体。
[7]第2の塗料の隠蔽率が80%以上である、[6]記載の軽量気泡コンクリート構造体。
[8]軽量気泡コンクリート、第1の層及び第2の層を備える軽量気泡コンクリート構造体の製造方法であって、軽量気泡コンクリートの表面上に、第1の塗料を塗布し、第1の層を形成する第1の工程と、第1の層の表面上に、第2の塗料を塗布し、第2の層を形成する第2の工程と、を備え、第1の塗料が下地塗料を含み、第2の塗料が少なくとも2種の着色高分子粒体を含有する多彩模様塗料を含む、軽量気泡コンクリート構造体の製造方法。
[9]第2の塗料の隠蔽率が80%以上である、[8]記載の軽量気泡コンクリート構造体の製造方法。
[10]軽量気泡コンクリートを塗装する塗装方法であって、軽量気泡コンクリートの表面上に、第1の塗料を塗布する工程と、第1の塗料により形成された第1の層の表面上に、第2の塗料を塗布する工程と、を備え、第1の塗料が下地塗料を含み、第2の塗料が少なくとも2種の着色高分子粒体を含有する多彩模様塗料を含む、軽量気泡コンクリートの塗装方法。
[11]第2の塗料の隠蔽率が80%以上である、[10]記載の軽量気泡コンクリートの塗装方法。
本発明によれば、2回の塗布工程で隠蔽率に優れた軽量気泡コンクリート用塗料を提供することが可能となる。また、本発明によれば、2回の塗布工程で軽量気泡コンクリートへの意匠性の付与が十分にでき、隠蔽率にも優れた軽量気泡コンクリート用塗料を提供することが可能となる。また、本発明によれば、多彩感などの意匠性に優れた軽量気泡コンクリート構造体、軽量気泡コンクリート構造体の製造方法及び塗装方法を提供することができる。
本実施形態の軽量気泡コンクリート構造体の層構成を示す説明図である。 本実施形態の軽量気泡コンクリート構造体の断面図である。 本実施形態の軽量気泡コンクリート構造体の外観を示す画像である。 従来の軽量気泡コンクリート構造体の外観を示す画像である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
(軽量気泡コンクリート構造体)
図1は、本実施形態の軽量気泡コンクリート構造体の層構成を示す説明図である。また、図2は本実施形態の軽量気泡コンクリート構造体10の断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の軽量気泡コンクリート構造体10は、軽量気泡コンクリート1の一方の表面上に第1の層2が形成されている。また、第1の層2の表面上に第2の層3が形成されている。このように、本実施形態の軽量気泡コンクリート構造体10は、軽量気泡コンクリート1、第1の層2、及び第2の層3の3層構造である。
軽量気泡コンクリート1は、内部に気泡と細孔を含む軽量気泡コンクリートであれば特に制限されるものではない。例えば、珪石や珪砂を主成分とする珪酸質原料及び石灰質原料に、水、発泡剤を添加したスラリーを発泡及び半硬化させ、得られる半硬化体をオートクレーブなどにて高温高圧水蒸気養生を行うことによって、軽量気泡コンクリート1を得ることができる。
本実施形態において、軽量気泡コンクリート1は、軽量気泡コンクリートパネルであることが好ましい。
第1の層2は、第1の塗料を軽量気泡コンクリート1の表面上に塗布することによって形成された層である。ここで、軽量気泡コンクリート1の表面上には気泡や細孔が含まれる場合がある。このため、第1の塗料が軽量気泡コンクリート1の気泡や細孔に浸入し、乾燥、硬化することによって、第1の層2の一部を形成していてもよい。これにより、第1の層2は、軽量気泡コンクリート1の表面上の気泡や細孔を隠蔽しやすくなる。また、軽量気泡コンクリート構造体10の防水性も向上しやすくなる。
第1の層2は、厚みが200〜1000μmであることが好ましく、200〜600μmであることがより好ましく、300〜400μmであることがさらに好ましい。
第2の層3は、第2の塗料を第1の層2の表面上に塗布することによって形成された層である。第2の層3の形成により、第1の層2を隠蔽しやすくなる。また、第2の塗料には多彩模様塗料が含まれることから、第2の層3の形成により多彩感等の意匠性に優れた軽量気泡コンクリート構造体10となる(図3参照)。さらに、第2の層3の形成により、軽量気泡コンクリート構造体10の防水性も向上しやすくなる。
第2の層3は、厚みが30〜400μmであることが好ましく、30〜200μmであることがより好ましく、40〜100μmであることがさらに好ましい。
(軽量気泡コンクリート用塗料)
本実施形態において、第1の塗料及び第2の塗料は、軽量気泡コンクリート用塗料を構成する塗料である。本実施形態の軽量気泡コンクリート用塗料は、まず第1の塗料が使用され、その後に第2の塗料が使用されることによって軽量気泡コンクリートを塗装することができる塗料であり、第1の塗料及び第2の塗料が一体的に用いられるものである。
第1の塗料は、下地塗料を含む塗料であれば特に制限なく用いることができる。ここで、下地塗料としては、例えば合成樹脂エマルジョン系下地調整材、セメント系下地調整材、カチオン系下地調整材などを用いることができる。
第1の塗料において、体質顔料の含有率が30質量%を超えて70質量%未満であることが好ましい。体質顔料の含有率が30質量%を超えて70質量%未満であることによって、軽量気泡コンクリート表面の細孔などを隠蔽しやすくなる。
本実施形態において、体質顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク等が例示される。体質顔料の含有率は、35〜65質量%であることがより好ましく、35〜60質量%であることがさらに好ましく、40〜60質量%であることが特に好ましい。
第1の塗料において、着色顔料の含有率が0.1質量%以上15質量%未満であることが好ましい。着色顔料の含有率が0.1質量%以上15質量%未満であることによって、第2の塗料と一体感のある着色性を持たせやすくなり、第2の塗料の透けを防止しやすくなる。第1の塗料において、着色顔料の含有率が15質量%以上であることにより、第1の塗料における体質顔料の含有量が少なくなり、鮫肌隠蔽性が悪く、第2の塗料と一体感を持ちにくくなる。また、第1の塗料において、着色顔料の含有率が0.1質量%未満であることにより、第1の塗料の透けが高くなり、シーリング目地の隠蔽が悪くなり、第2の塗料と一体感を持ちにくくなる。
本実施形態において、着色顔料としては、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄のような無機着色顔料が挙げられる。また、キナクリドン等のキナクリドン系、ピグメントレッド等のアゾ系、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系等の有機染料も例示される。着色顔料の含有率は、1質量%以上15質量%未満であることがより好ましく、3質量%以上15質量%未満であることがさらに好ましく、3〜10質量%であることが特に好ましい。
本実施形態における第2の塗料は、少なくとも2種の着色高分子粒体を含有する塗料であって、隠蔽率が80%以上の塗料であれば特に制限なく用いることができる。第2の塗料は、多彩模様塗料であることが好ましい。ここで、多彩模様塗料とは、液状又はゲル状の2色以上の色の粒が懸濁した塗料であり、1回の塗装で色散らし模様ができる塗料をいう。第2の塗料の隠蔽率はより好ましくは85%以上である。なお、本発明では、第2の塗料に含まれる着色高分子粒体は、1種類であってもよい。
本実施形態においては、スプレー、ローラー、刷毛等の各種の塗装法に適する観点から、(I)水性合成樹脂エマルション、感熱ゲル化剤及び着色剤を含有する感熱ゲル化型エマルション組成物を、当該組成物がゲル化する温度以上の温度を有する水中に滴下してゲル化することにより得ることができる2種以上の着色高分子粒体(ゲル状粒子)、及び(II)水性合成樹脂エマルション系クリヤー塗料を含有し、該2種以上の着色粒体の色調が相互に異なっている水性多彩模様塗料組成物を、多彩模様塗料として用いることが好ましい。
本実施形態で使用する感熱ゲル化型エマルション組成物は、(i)水性合成樹脂エマルション、(ii)感熱ゲル化剤及び(iii)着色剤を含有することが好ましい。
水性合成樹脂エマルションとしては、多彩模様塗料の分野で通常用いられているものであれば特に限定されず用いることができるが、建築物内装に用いられているエマルションであって、耐水性、耐アルカリ性及び耐候性に優れ、また、被塗物に対する付着性が良好なものが好ましい。
かかる水性合成樹脂エマルションとしては、より具体的には、アクリル樹脂エマルション、シリコーン変性アクリル樹脂エマルション等が挙げられる。
アクリル樹脂エマルションとしては、例えば、アクリル系モノマー、及び必要に応じてその他のモノマーを、常法に従って乳化重合して得られたエマルションを用いることができる。
アクリル系モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有アクリル系モノマー;アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有アクリル系モノマー;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等のメタクリル酸アルキル又はシクロアルキルエステル類が挙げられる。
アクリル系モノマーと共重合させるその他のモノマーとしては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー類等が使用できる。
シリコーン変性アクリル樹脂エマルションは、例えば、上記したようなアクリル樹脂エマルションに有機シリコーン(例えば、官能基として−SiOCH、−SiOHを有する有機シリコーン)を添加し、アクリル樹脂と有機シリコーンを常法に従って反応させて得ることができる。
水性合成樹脂エマルションとしては、上記のようにして調製したエマルションを用いてもよく、市販の水性合成樹脂エマルションを用いてもよい。
エマルションに含まれる合成樹脂の物性は、特に限定されるものではないが、Tgが−40〜+60℃のもの、特に−30〜+50℃のものを用いるのが好ましい。
水性合成樹脂エマルションの固形分濃度は、広い範囲から適宜選択できるが、10〜60重量%、特に20〜50重量%とするのが好ましい。
また、感熱ゲル化型エマルション組成物中の合成樹脂エマルションの固形分に換算した含有量は、全固形分に対して、5〜40重量%、特に10〜35重量%となるような量が好ましい。
感熱ゲル化型エマルション組成物は、上記したような水性合成樹脂エマルションに、感熱ゲル化剤及び着色剤を混合して調製される。
感熱ゲル化剤は、室温を超える温度、好ましくは40℃以上、より好ましくは60℃以上、さらに好ましくは70℃以上で上記感熱ゲル化型エマルション組成物をゲル化させ、得られたゲルが室温に下がってもゲル状態を保つようなものであれば特に限定されず、有機系のもの及び無機系のものがいずれも使用できる。
有機感熱ゲル化剤として、例えばでんぷん及びその誘導体、ノニオン界面活性剤系である、オルガノポリシロキサンのアルキレンオキシド付加物、オルガノポリシロキサンのアルキルフェノールホルマリン縮合物、アルキルフェノール−ホルマリン縮合物のアルキレンオキサイド付加物、ポリビニルメチルエーテル、オルガノポリシロキサンポリエーテル共重合体等を挙げることができ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ノニオン界面活性剤としては、曇点が30〜80℃のものが好ましく用いられる。
有機系の感熱ゲル化剤は、水との混合物として使用することもでき、その際の混合物中の感熱ゲル化剤の濃度は10〜100重量%が好ましく、40〜100重量%がより好ましい。
一方、無機感熱ゲル化剤としては、例えば亜鉛化合物をアンモニア水に溶解させた溶液(以下、「亜鉛化合物のアンモニア水溶液」という場合がある。)、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、亜鉛アンモニウム錯塩、硝酸ナトリウム、硝酸鉛、酢酸ソーダ等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
亜鉛化合物の具体例としては、水酸化亜鉛等が挙げられる。
亜鉛化合物をアンモニア水に溶解させた溶液における亜鉛化合物の濃度は、特に限定されるものではなく、5〜15重量%、特に2〜10重量%が好ましい。亜鉛化合物を溶解させるためのアンモニア水の濃度についても特に限定されるものではなく、5〜10重量%が好ましい。
これらの中でも、本実施形態で用いる感熱ゲル化剤として、オルガノポリシロキサンのアルキレンオキシド付加物,オルガノポリシロキサンのアルキルフェノールホルマリン縮合物,オルガノポリシロキサンポリエーテル共重合体等のオルガノポリシロキサン及び亜鉛化合物のアンモニア水溶液が好ましい。
得られる着色高分子粒体の硬さは感熱ゲル化型エマルション組成物中の感熱ゲル化剤の配合量に比例するので、該配合量は所望するゲル化の程度に応じて適宜設定することができる。感熱ゲル化剤の配合量(有機系感熱ゲル化剤は水との混合物の配合量、亜鉛化合物のアンモニア水溶液を用いる場合は該水溶液の配合量)は、通常、水性合成樹脂エマルション100重量部に対して、20〜40重量部である。
着色剤としては、多彩模様塗料の分野で一般に用いられているものを使用することができる。
例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄のような無機着色顔料が挙げられる。
また、キナクリドン等のキナクリドン系、ピグメントレッド等のアゾ系、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系等の有機染料も例示される。
本実施形態においては、着色剤としては、耐候性の点から無機顔料を用いるのが好ましい。着色剤の配合量は、特に限定されるものではないが、水性合成樹脂エマルション100重量部に対して、通常1〜5重量部、好ましくは2〜4重量部である。
感熱ゲル化型エマルション組成物には、上記した成分の他に、体質顔料、分散剤、増粘剤、消泡剤等のような添加剤を必要に応じて適宜配合することができる。
体質顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク等が例示される。分散剤としては、スルホン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が例示される。増粘剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等が例示される。消泡剤としては、シリコーン系、鉱物油系の消泡剤が例示される。
これら添加剤の配合量は、特に限定されるものではなく添加剤の種類に応じて適宜設定することができるが、例えば、水性合成樹脂エマルション100重量部に対して1〜10重量部、好ましくは2〜7重量部である。
感熱ゲル化型エマルション組成物には、さらに、粘度及び固形分濃度調整のために水を加えてもよい。
本実施形態で用いる感熱ゲル化型エマルション組成物は、水性合成樹脂エマルションに、上記したような感熱ゲル化剤と着色剤、さらに必要に応じて上記したような添加剤を混合して調製される。かくして得られる感熱ゲル化型エマルション組成物は、固形分濃度が10〜40重量%であることがより好ましい。
本実施形態の着色高分子粒体は、上記のようにして調製した感熱ゲル化型エマルション組成物を、当該組成物がゲル化する温度以上の温度を有する水中に滴下してゲル化することにより得ることができる。滴下は撹拌下に行うのが好ましい。
水はそのまま用いてもよいし、上記に例示したような消泡剤、分散剤、増粘剤やその他の添加剤(例えば、増膜助剤等)が含まれていてもよい。以下の記載において、水そのもの又は添加剤を配合した水を“水性媒体”という。
水性媒体は、上記感熱ゲル化型エマルション組成物が感熱ゲル化剤によってゲル化するような温度、通常40℃以上、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上に加熱しておく。温度の上限は特に限定されるものではないが、水性媒体が沸騰しない程度の温度、例えば水そのものの場合は98℃以下が望ましい。
感熱ゲル化型エマルション組成物(C)と水性媒体(M)の割合は、特に限定されるものではなく適宜設定することができるが、重量比で(C):(M)=1:1〜1:10、特に1:1.5〜1:7が好ましい。
感熱ゲル化型エマルション組成物の滴下速度は、所望の着色高分子粒体の大きさ等に応じて適宜設定することができ、水性媒体の温度が著しく下がらない程度、即ち、設定したゲル化温度以下にならないような速度であればよい。
本方法によれば、着色高分子粒体の形状が自由に制御できる。例えば、感熱ゲル化型エマルション組成物の粘度を高くすると、球状の粒体が得られる。
感熱ゲル化型エマルション組成物を板の上をはわせるように流し、水面に広げるように滴下すると、円板状にゲル化する。本実施形態の着色高分子粒体には、かかる円板状のものも含まれる。
水性媒体の撹拌速度も、所望のゲル化粒体の大きさ等に応じて適宜設定することができるが、通常、撹拌器の回転速度として、100〜1000rpmである。撹拌を激しくすれば得られる着色高分子粒体は小さくなり、逆に撹拌を緩やかにすれば得られる着色高分子粒体は大きくなる。従って、所望の形状や大きさに応じて、滴下方法及び撹拌速度を調整すればよい。
滴下後、水性媒体中での滞留時間は、所望の粒体が得られる限り特に限定されるものではないが、通常、20〜90分間、好ましくは40〜70分間である。
また、感熱ゲル化型エマルション組成物の全量の滴下完了後、滴下時の温度を維持したまま、5〜30分間、好ましくは10〜20分間撹拌を持続してもよい。
かくして感熱ゲル化剤により前記水性合成樹脂エマルション中の樹脂がゲル化すると共に、着色剤がゲル中に均一分散された着色高分子粒体が得られる。
着色高分子粒体は、常法に従って濾過して回収することができる。また、回収する際に、所定の範囲外の粒径のものを除外してもよい。
例えば、最初に大きめの穴のあいた網で濾過して大きな粒体を取り除き、次に濾液の上澄み液を取り除き固形分15%の粒体溶液を得て、最後に小さめの穴のあいた網で濾過を行って網上に最終目的物の粒体を得ることができる。
着色高分子粒体の不揮発分は、15〜40重量%、特に20〜35重量%であることが好ましい。
本実施形態の少なくとも2種の着色高分子粒体は、粒径が4mm未満の第1の着色高分子粒体と、粒径が4mm以上の第2の着色高分子粒体とを含んでいる。第1の着色高分子粒体の粒径は、1mm以上4mm未満であることが好ましく、1.5mm以上4mm未満であることがより好ましく、2mm以上4mm未満であることがさらに好ましい。第2の着色高分子粒体の粒径は、4mm以上8mm以下であることが好ましく、4mm以上7mm以下であることがより好ましく、4mm以上6mm以下であることがさらに好ましい。第2の塗料において、少なくとも2種の着色高分子粒体の含有率は、60質量%を超え80質量%以内であることが好ましい。少なくとも2種の着色高分子粒体の含有率は、65質量%以上80質量%以内であることがより好ましく、70質量%以上80質量%以上であることがさらに好ましい。この場合、第2の塗料による隠蔽率が80%以上を維持できる。少なくとも2種の着色高分子粒体の含有率が80質量%を超える場合、当該着色高分子粒体が塗料に十分に分散せずに、第2の塗料による隠蔽率が80%以上を維持できなくなる。第2の塗料において、第1の着色高分子粒体の含有率は50質量%以上70質量%以内であり、第2の着色高分子粒体の含有率は10質量%以上30質量%以内であることが好ましい。第1の着色高分子粒体と、第2の着色高分子粒体とは、互いに異なった色が付されていてもよい。また、第1の着色高分子粒体と、第2の着色高分子粒体との少なくとも一方は、複数に着色されていてもよい。すなわち、第1の着色高分子粒体と、第2の着色高分子粒体との少なくとも一方には、2色以上の色の粒が含まれていてもよい。これらの場合、第2の塗料は多彩模様塗料となり、当該第2の塗料が塗布された軽量気泡コンクリート等の意匠性が向上する。なお、本発明においては、第2の塗料に第2の着色高分子粒体が含まれなくてもよい。この場合であっても、第2の塗料の隠蔽率が80%以上になり得る。この第1の着色高分子粒体は、単色の粒体から構成されてもよいし、複数色の粒体から構成されてもよい。
粒体の厚さ及び外径は、無作為に選んだ粒体を顕微鏡などで観察して求めることができる。例えば、得られた粒体を水性合成樹脂エマルション系クリヤー塗料と1:10(重量)の割合で混合し、約10cmのABS板に流し塗りをし、乾燥後、顕微鏡にて外径を観測し、求めることができる。粒体の厚さは、例えば、前記塗膜を切断し、切断面を顕微鏡にて観察して粒体の厚さを観測することにより求めることができる。ここで“外径”とは、真円形であれば直径を、楕円形であれば長径を、不定形であれば最も長い径を意味する。
ゲルの硬度は、広い範囲で自由に調整することができ、使用目的に応じて、ゲル化剤の種類や使用量を調整し、最適な硬さを得ることができる。
例えば、ゲルの硬さとしては、ミキサーなどの機械的撹拌では粉砕しないような柔らかさ;刷毛又はローラーでの塗装の際に粒子の変形が少ない、即ち刷毛又はローラー塗りにおける一方向的な粒子の変形がない柔らかさ;スプレーガンの口径に引っかからない程度の柔らかさ;得られる塗装面のざらつきがない程度の柔らかさ;というような条件を満たすような程度であることが好ましい。
かくして得られた着色高分子粒体であって、相互に色調の異なるものの2種以上を、水性合成樹脂エマルション系クリヤー塗料に配合し、本実施形態の水性多彩模様塗料組成物を得ることができる。
ゲル状の着色高分子流体の組成や製造方法については、上記に限定されず、種々の公知技術によって得られたものであってもよい。
この場合、透明のクリヤー塗料だけでなく色の付いたカラークリヤー塗料(例えば、着色顔料、アルミフレーク、パール顔料を含むクリヤー塗料)に着色高分子粒体を配合してもよい。
水性合成樹脂エマルション系クリヤー塗料としては、多彩模様塗料の分野で着色剤を配合するために通常用いられているようなクリヤー塗料を用いることができる。
例えば、上記した感熱ゲル化型エマルション組成物を調製するために用いられる水性合成樹脂エマルション、即ち、アクリル樹脂エマルション、シリコーン変性アクリル樹脂エマルション等を含むクリヤー塗料、その他にも、酢酸ビニル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、アルキド樹脂エマルションを含むクリヤー塗料を用いることができる。
該クリヤー塗料は常法に従って製造してもよいし、市販のものを使用してもよい。
着色高分子粒体の配合量は適宜設定することができるが、多彩模様塗料組成物の全量に基づいて、1〜50重量%、好ましくは5〜45重量%とするのが好ましい。配合量が上記上限値以下であると十分なクリヤー塗膜が形成されやすく、また、配合量が上記下限値以上であると特に優れた多彩感の意匠の塗膜が得られるので好ましい。
本実施形態の水性多彩模様塗料組成物は、通常の塗装法、例えば、刷毛、ローラー、スプレーガン塗装等により塗装することができる。
本実施形態の水性多彩模様塗料組成物は、有機溶媒を用いていないため、塗装時の臭気もなく、溶媒による大気汚染のおそれもない。また、本実施形態の組成物は水性であるが、塗装後、短時間で乾燥できる。さらに、本実施形態の多彩模様塗料組成物によれば、刷毛、ローラー、スプレーガン塗装のいずれの塗装法でも、1回の塗装により塗膜が平滑で良好な外観の色散らし模様が得られる。感熱ゲル化剤を用いて得られた高分子着色粒体を多彩模様塗料組成物に配合すると、ミキサーなどの機械的撹拌では着色高分子粒体が粉砕せず、機械的撹拌に対する安定性が優れている。また、該多彩模様塗料組成物は刷毛又はローラー塗りにおける一方向的な粒子の変形がなく、仕上がり外観に優れている。
(軽量気泡コンクリート構造体の製造方法)
本実施形態の軽量気泡コンクリート構造体の製造方法は、軽量気泡コンクリートの表面上に、第1の塗料を塗布し、第1の層を形成する第1の工程と、第1の層の表面上に、第2の塗料を塗布し、第2の層を形成する第2の工程と、を備える。
本実施形態の製造方法において、第1の塗料及び第2の塗料は、刷毛、ローラー、スプレーガン塗装等の通常の方法により、塗布することができる。
第1の工程においては、軽量気泡コンクリートの表面上の気泡やザラ目、細孔等を重点するために、例えば、下塗塗料を含む第1の塗料を所要量(例えば0.9〜1.1kg/m)、万能ガンで吹き付け、防水性と仕上げの良好な状態を確保することが好ましい。
さらに、第1の工程においては上記吹き付け後、例えば5分以内に、ローラーや補助的に刷毛を用いて塗装面全体のしごき塗装(吹付だけでは十分でないザラ目や気泡を埋めると同時に余分な塗料をかきとる作業)を行うことが好ましい。
第2の工程においては、上記第1の工程後に第1の塗料が乾燥し形成された第1の層の乾燥状態を確認することが好ましい。具体的には、第1の層の塗膜に指で触れて、ずれないかを確認すればよい。
次に、第2の工程においては、第1の層の表面上に第2の塗料を塗布し、第2の層を形成する。例えば、多彩模様塗料を含む第2の塗料を所要量(例えば0.35〜0.45kg/m)、万能ガンで塗付量が均一になるように吹き付けることが好ましい。これにより、第2の層として、装飾性の高い壁面意匠を第1の層上に形成することができる。
第2の工程後、乾燥時間は、例えば23℃環境下で24時間以上が好ましい。
(軽量気泡コンクリートの塗装方法)
本実施形態においては、軽量気泡コンクリートの表面上に、第1の塗料を塗布する工程と、第1の塗料により形成された第1の層の表面上に、第2の塗料を塗布する工程と、を備える、軽量気泡コンクリートの塗装方法を提供することもできる。
以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた原料は下記のとおりである。
ゲル状粒子(小白):水500質量部、乳化安定剤25質量部、分散剤25質量部、増粘剤25質量部、増粘助剤50質量部、消泡剤3質量部を配合して水性媒体を調製した。また、アクリル樹脂エマルジョン100質量部、感熱ゲル化剤30質量部、水200質量部、白色顔料2.5質量部、増粘剤2質量部、消泡剤3質量部を配合して得られ感熱ゲル化エマルジョン組成物を調製した。次に、水性媒体を70℃で加熱し、撹拌速度500rpmで攪拌しながら、感熱ゲル化エマルジョン組成物を60分かけて滴下した。滴下終了後、10分間70℃に保つように加熱しながら攪拌を続け、加熱を終了してから30分後に攪拌を停止し、放冷した。その後、8メッシュの網でろ過し、着色高分子粒体であるゲル状粒子(小白)を得た。光学顕微鏡で無作為に選び観察したところ、粒径は2〜4mmであった。
ゲル状粒子(大白):撹拌速度500rpmの点以外はゲル状粒子(小白)と同様にし、ゲル状粒子(大白)を得た。粒径は4〜6mmであった。
ゲル状粒子(小黒):白色顔料の代わりに黒色顔料を2.5質量部用いる以外はゲル状粒子(小白)と同様にし、ゲル状粒子(小黒)を得た。粒径は2〜4mmであった。
ゲル状粒子(小グレー):白色顔料と黒色顔料を1:1の割合で計2.5質量部用いる以外はゲル状粒子(小白)と同様にし、ゲル状粒子(小グレー)を得た。粒径は2〜4mmであった。
ゲル状粒子(大グレー):撹拌速度500rpmで、白色顔料と黒色顔料を1:1の割合で計2.5質量部用いる以外はゲル状粒子(小白)と同様にし、ゲル状粒子(大グレー)を得た。粒径は4〜6mmであった。
ゲル状粒子(大黒):撹拌速度500rpmで、白色顔料の代わりに黒色顔料を2.5質量部用いる以外はゲル状粒子(小白)と同様にし、ゲル状粒子(大黒)を得た。粒径は4〜6mmであった。
乾式チップ(小白):白色の粉砕したリンペン状塗膜。
乾式チップ(小黒):黒色の粉砕したリンペン状塗膜。
乾式チップ(小グレー):グレー色の粉砕したリンペン状塗膜。
クリヤー:樹脂を20重量部、造膜助剤を2重量部配合しクリヤーを調整した。
グランロック下塗ホワイト:樹脂を20重量部、体質顔料を60重量部、着色顔料を3重量部配合しグランロック下塗ホワイトを調整した。
グランロック下塗クリヤー:樹脂を20重量部、体質顔料を60重量部配合し、グランロック下塗クリヤーを調整した。
プリティアン下塗:樹脂を40重量部、体質顔料を30重量部、着色顔料を10重量部配合しプリティアン下塗を調整した。
カラーバインダー(TL)ホワイト:樹脂を40重量部、体質顔料を7重量部、着色顔料を15重量部配合しカラーバインダー(TL)ホワイトを調整した。
イベリアン下塗:樹脂を20重量部、体質顔料を60重量部、着色顔料を1重量部配合しイベリアン下塗を調整した。
着色顔料:リオファーストホワイトSF610。
体質顔料:炭酸カルシウムK−1。
本実施例で用いた評価項目及びその評価方法は下記のとおりである。
(隠蔽率)
隠蔽率は、塗料が下地の色の差を覆い隠す度合を示し、以下の式で算出できる。なお、L値は明度を指す。
隠蔽率(%)=(ΔL1−ΔL2)/ΔL1×100
ΔL1:黒と白とに塗り分けて作った下地の黒白部分のΔL値
ΔL2:黒と白とに塗り分けて作った下地の上に塗装した場合の黒白部分のΔL値
(多彩感)
軽量気泡コンクリート構造体の多彩感について評価を行った。具体的には、評価対象から30cm、2m、5mの三段階で多彩模様が認識できるか否かの検査を行い、いずれの距離からも多彩模様が明確に認識できる軽量気泡コンクリート構造体は、多彩感があり意匠性、装飾性の高いものと判定した。
(シーリング目地隠蔽性)
マンセル値N−6相当シーリング目地と、軽量気泡コンクリートとのそれぞれに第1の塗料を吹き付け後ローラーにてしごき塗装し、乾燥させた。乾燥後の第1塗料上に第2の塗料を塗装乾燥させた。第2塗料を塗装した後の軽量気泡コンクリート上のL値と、シーリング目地上のL値との差が1以下であるか否かを確認した。
○:軽量気泡コンクリート上のL値と、シーリング目地上のL値との差が1以下
×:軽量気泡コンクリート上のL値と、シーリング目地上のL値との差が1より大きい
(鮫肌隠蔽性)
軽量気泡コンクリート表面の一部をサンドペーパー#100で削ることによって鮫肌を平坦化し、軽量気泡コンクリートの当該表面上に第1塗料を塗装乾燥させた後に、乾燥後の第1塗料上に第2の塗料を塗装乾燥させた。第2の塗料が塗装された軽量気泡コンクリートの表面において、サンドペーパー#100で削られた部分とそれ以外の部分との間に、外観に差があるか否かを確認した。
○:サンドペーパー#100で削られた部分とそれ以外の部分との間に、外観に差がない
×:サンドペーパー#100で削られた部分とそれ以外の部分との間に、外観に差がある
(0.5kg/m シーリング目地隠蔽性)
0.5kg/mの塗布量で塗装を行い、マンセル値N−6相当シーリング目地と、軽量気泡コンクリートとのそれぞれに第1の塗料を吹き付け後ローラーにてしごき塗装し、乾燥させた。乾燥後の第1塗料上に第2の塗料を塗装乾燥させた。第2塗料を塗装した後の軽量気泡コンクリート上のL値と、シーリング目地上のL値との差が1以下であるか否かを確認した。
○:軽量気泡コンクリート上のL値と、シーリング目地上のL値との差が1以下
×:軽量気泡コンクリート上のL値と、シーリング目地上のL値との差が1より大きい
表1〜3のとおり、実施例1〜6、比較例1〜10の塗料を配合し、隠蔽率を測定した。
表4のとおり、実施例11〜13、比較例11〜13の塗料を配合し、多彩感の評価を行った。
表5、6のとおり、参照例1〜10の塗料を配合し、シーリング目地隠蔽性、鮫肌隠蔽性の評価を行った。
表7、8のとおり、参照例11〜19の塗料を配合し、0.5kg/mシーリング目地隠蔽性、ALC鮫肌隠蔽性の評価を行った。
1…軽量気泡コンクリート、2…第1の層、3…第2の層、4…第1のゲル状粒子、5…第2のゲル状粒子、10…軽量気泡コンクリート構造体。
7のとおり、参照例11〜14の塗料を配合し、0.5kg/mシーリング目地隠蔽性、ALC鮫肌隠蔽性の評価を行った。

Claims (11)

  1. 第1の塗料及び第2の塗料を備える軽量気泡コンクリート用塗料であって、
    前記第1の塗料が下地塗料を含み、前記第2の塗料が着色高分子粒体を含有し、
    前記第2の塗料の隠蔽率が80%以上である、軽量気泡コンクリート用塗料。
  2. 第1の塗料及び第2の塗料を備える軽量気泡コンクリート用塗料であって、
    前記第1の塗料が下地塗料を含み、前記第2の塗料が少なくとも2種の着色高分子粒体を含有する多彩模様塗料を含み、
    前記第2の塗料の隠蔽率が80%以上である、軽量気泡コンクリート用塗料。
  3. 前記少なくとも2種の着色高分子粒体は、粒径が4mm未満の第1の着色高分子粒体と、粒径が4mm以上の第2の着色高分子粒体と、を含む、請求項2記載の軽量気泡コンクリート用塗料。
  4. 前記第1の塗料の体質顔料の含有率が、30質量%を超えて70質量%未満である、請求項1〜3のいずれか一項記載の軽量気泡コンクリート用塗料。
  5. 前記第1の塗料の着色顔料の含有率が、0.1質量%以上15質量%未満である、請求項1〜4のいずれか一項記載の軽量気泡コンクリート用塗料。
  6. 軽量気泡コンクリートと、第1の塗料によって前記軽量気泡コンクリートの表面上に形成された第1の層と、第2の塗料によって前記第1の層の表面上に形成された第2の層と、を備え、
    前記第1の塗料が下地塗料を含み、前記第2の塗料が少なくとも2種の着色高分子粒体を含有する多彩模様塗料を含む、軽量気泡コンクリート構造体。
  7. 前記第2の塗料の隠蔽率が80%以上である、請求項6記載の軽量気泡コンクリート構造体。
  8. 軽量気泡コンクリート、第1の層及び第2の層を備える軽量気泡コンクリート構造体の製造方法であって、
    前記軽量気泡コンクリートの表面上に、第1の塗料を塗布し、前記第1の層を形成する第1の工程と、
    前記第1の層の表面上に、第2の塗料を塗布し、前記第2の層を形成する第2の工程と、を備え、
    前記第1の塗料が下地塗料を含み、前記第2の塗料が少なくとも2種の着色高分子粒体を含有する多彩模様塗料を含む、軽量気泡コンクリート構造体の製造方法。
  9. 前記第2の塗料の隠蔽率が80%以上である、請求項8記載の軽量気泡コンクリート構造体の製造方法。
  10. 軽量気泡コンクリートを塗装する塗装方法であって、
    前記軽量気泡コンクリートの表面上に、第1の塗料を塗布する工程と、
    前記第1の塗料により形成された第1の層の表面上に、第2の塗料を塗布する工程と、を備え、
    前記第1の塗料が下地塗料を含み、前記第2の塗料が少なくとも2種の着色高分子粒体を含有する多彩模様塗料を含む、軽量気泡コンクリートの塗装方法。
  11. 前記第2の塗料の隠蔽率が80%以上である、請求項10記載の軽量気泡コンクリートの塗装方法。
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