JP2019112330A - 乳化化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】アスコルビン酸−2−リン酸塩は、美白効果の高い成分として知られている。一方で、アスコルビン酸−2−リン酸塩を含有する乳化化粧料は、金属酸化物により経時的に不安化するという課題があった。美白効果と紫外線防御効果を併せ持ち、かつ経時的に安定性の高い乳化化粧料を提供する。【解決手段】次の成分(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸塩、(B)疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化鉄、(C)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体、(D)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリンエステルを含有し、且つ重量比(A)/(B)が0.5以上であり、更に(E)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムから選ばれるアルカリ金属水酸化物にて水相のpHを10.0〜11.0に調整したことにより、美白効果と紫外線防御効果及び/又はメイクアップ効果を両立したことを特徴とする乳化化粧料。【選択図】なし

Description

本願発明はアスコルビン酸−2−リン酸塩を安定に含有する乳化化粧料に関する。より詳細には、紫外線防御効果及び/又はメイクアップ効果を有する疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化鉄を含有しながらも、美白剤であるアスコルビン酸−2−リン酸塩の経時安定性が保たれている乳化化粧料に関する。
日光からの紫外線の刺激により、皮膚のメラニン色素の生成が促されると、しみやそばかすの原因である皮膚の色素沈着が生じる。こうした日焼けによるしみやそばかすを防止するために、美白剤を含有した化粧料が用いられてきた。美白剤としては、メラニン色素生成抑制効果やメラニン色素に対する還元性を示すアスコルビン酸及びその塩並びに誘導体が多く用いられている。アスコルビン酸誘導体の代表としてはアスコルビン酸−2−リン酸塩があり、多くの化粧料に含有されている(特許文献1〜3)。
近年、美白への意識の高さから、下地、ファンデーション、日焼け止め等の日中に使用する化粧料にも美白効果を付与した化粧料が強く求められていた。日中用化粧料において、金属酸化物粒子は様々な機能を担っている。例えば、酸化チタンは、散乱作用による紫外線からの防護効果や隠蔽力によるシミなどの肌トラブルのカバー効果を有するし、酸化鉄は肌の色味補正効果などを有する。近年では、化粧持ちを向上させる目的で、表面が疎水化処理された粉体が用いられている。
アスコルビン酸−2−リン酸塩を含有する化粧料を長期に保存した場合、分解に伴う黄色〜褐色への変色及び変臭が発生してしまい、化粧料としての保存安定性は十分とは言えなかった。更に金属酸化物を併用すると、表面活性や溶出イオン等の影響により、アスコルビン酸−2−リン酸塩の不安定化が促進され、美白効果が低減してしまう懸念があった。したがって、アスコルビン酸−2−リン酸塩と金属酸化物粒子を併用することは技術的に困難であった(特許文献4〜6)。
アスコルビン酸−2−リン酸塩は中性〜アルカリ性の領域で安定であると言われている(特許文献7〜10)。また、アスコルビン酸−2−リン酸塩の保存安定性を更に向上させる目的で、カルボキシル基及び水酸基を各1個以上有する炭素数2〜6の有機酸又はカルボキシル基を1個以上有する水溶性高分子化合物を配合する方法(特許文献11)、アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムと2価以上の塩を組み合わせる方法(特許文献12)等が検討されている。しかしながら、アスコルビン酸−2−リン酸塩と金属酸化物を化粧料に併用した場合、これらの方法もアスコルビン酸−2−リン酸塩の経時的な分解を抑制するには十分ではなかった。
特開昭63−243014号公報 特開平2−83309号公報 特表2001−511185号公報 特開2004−51542号公報 WO2004/045565号公報 WO2013/018828号公報 特開平4−173727号公報 特開2004−10612号公報 WO2005/067867号公報 特開平9−315933号公報 特開平5−339123号公報 特開平9−118613号公報
本願発明における課題は、紫外線防御効果及び/又はメイクアップ効果を有する金属酸化物を含有しながらも、美白剤であるアスコルビン酸−2−リン酸塩の安定性が保たれている乳化化粧料を提供することである。
かかる事情に鑑み、本願発明者は鋭意研究の結果、(A)アスコルビン酸−2−リン酸塩、(B)疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化鉄、(C)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体、(D)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリンエステルを含有し、且つ重量比(A)/(B)が0.5以上であり、更に(E)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムから選ばれるアルカリ金属水酸化物によって乳化化粧料の水相の水素イオン濃度指数(pH)を10.0〜11.0に調整した乳化化粧料が、紫外線防御効果及び/又はメイクアップ効果を有しながら、美白剤であるアスコルビン酸−2−リン酸塩の経時安定性を保ち得ることを見出し、本願発明を完成するに至った。
すなわち本願発明は、次の成分(A)〜(D);
(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸塩 1〜5%
(B)疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化鉄 1〜10重量%
(C)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体 0.3〜1.5重量%
(D)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリンエステル 0.5〜2重量%
を含有し、且つ重量比(A)/(B)が0.5以上であり、更に(E)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムから選ばれるアルカリ金属水酸化物にて乳化化粧料の水相のpHを10.0〜11.0に調整したことを特徴とする乳化化粧料である。
本願発明の乳化化粧料は、紫外線防御効果及び/又はメイクアップ効果と美白効果を両立した乳化化粧料である。
本願発明に用いられる(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸塩は、上記化1で表される化合物であって、アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム、アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム、アスコルビン酸−2−リン酸カリウム、アスコルビン酸−2−リン酸カルシウム、アスコルビン酸−2−リン酸アンモニウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらアスコルビン酸−2−リン酸塩の1種、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この中でも、水溶性の点からアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム及び/又はアスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムが好ましい。
(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸塩の含有量は、化粧料中1〜5重量%含有することが好ましい。含有量が1重量%未満であると十分な美白効果が得られず、5重量%を越えて含有しても美白効果の向上が望めないだけではなく、べたつきなどの使用感が悪化する。
本願発明に用いられる(B)疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化鉄は、粒子形状(球状、針状、紡錘状、板状、不定形等)、粒子径(微粒子(150nm未満)、顔料級(150nm以上))、粒子構造(多孔質、無孔質等)等を問わず、いずれのものも使用することができる。酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンのいずれの結晶構造でも用いることができる。酸化鉄は、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、褐色酸化鉄等からいずれか1種類のみを含有してもよいし、2種類以上を混合して含有してもよい。また、化粧料中に一次粒子として挙動するもの、造粒させて凝集粒子として挙動するもののいずれものも用いることができる。
(B)疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化鉄の含有量は、化粧料中1〜10重量%含有することが好ましい。含有量が1重量%未満であると十分な紫外線防御効果及び/又はメイクアップ効果が得られず、10重量%を越えると(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸塩の変色や変臭などの問題が生じることがある。
(B)疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化鉄の疎水化処理の方法としては、特に限定されるものでなく、公知の方法にて処理することができる。例えばハイドロゲンジメチルポリシロキサン、(ハイドロゲンジメチルポリシロキサン/ジメチルポリシロキサン)コポリマー、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類を用いた処理;オクチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等のシラン化合物を用いた処理;パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸を用いた処理;パーフルオロアルキルトリメトキシシラン等を用いたフッ素処理等が挙げられる。また、これらの金属酸化物の表面にシリカやアルミナ等の無機化合物を被覆した後に疎水化処理を施してもよい。
(B)疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化鉄の具体的な市販品としては、SA−TTO−S−4(10%ジメチルポリシロキサン及び7.65%ステアリン酸処理酸化チタン、微粒子、三好化成社製)、MTY−700BS(2%ハイドロゲンジメチルポリシロキサン処理酸化チタン、微粒子、テイカ社製)、MT−100Z(13%ステアリン酸処理酸化チタン、微粒子、テイカ社製)、AS−63D(4%ハイドロゲンジメチルポリシロキサン処理酸化チタン、顔料級、東色ピグメント社製)、SA−チタンMP−1133(2%ハイドロゲンジメチルポリシロキサン処理酸化チタン、顔料級、テイカ社製)、SOLAVEIL XTP1−PW−(MV)(5%ステアリン酸処理酸化チタン、顔料級、クローダ社製)、ITT−2 TiO2 MP−1133(2%トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理酸化チタン、顔料級、テイカ社製)、ITT−5 RED R−516P(5%トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理酸化鉄、顔料級、大東化成工業社製)、ITT−2 YELLOW LL−100P(2%トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理酸化鉄、顔料級、大東化成工業社製)、ITT−2 BLACK BL−100P(2%トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理酸化鉄、顔料級、大東化成工業社製)、SAS−ブラックBL−100P(3.5%ジメチルポリシロキサン/ハイドロゲンジメチルポリシロキサン処理酸化鉄、顔料級、三好化成社製)、SAS−イエローLL−100P(3.5%ジメチルポリシロキサン/ハイドロゲンジメチルポリシロキサン処理酸化鉄、顔料級、三好化成社製)、SAS−レッドR516−PS(3.5%ジメチルポリシロキサン/ハイドロゲンジメチルポリシロキサン処理酸化鉄、顔料級、三好化成社製)が例示できる。
更に、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸塩と(B)疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化鉄の重量比(A)/(B)は、0.5以上であるように調整する。重量比(A)/(B)が0.5を下回ると(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸塩に対して(B)疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化鉄が多くなりすぎるため変色及び変臭などの問題が生じる。
(C)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体は、分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するオルガノポリシロキサン化合物とアクリル酸及び/又はメタクリル酸を主体とするラジカル重合性モノマーとのラジカル重合体で、(アクリル酸/ジメチルポリシロキサン)コポリマー、(アクリル酸/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチルポリシロキサン)コポリマー、(アクリル酸/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチルポリシロキサン)コポリマー等が挙げられ、中でも、(アクリル酸/ジメチルポリシロキサン)コポリマーが好ましい。市販品は、(アクリル酸/ジメチルポリシロキサン)コポリマー(商品名:KP−545、固形分30%、信越化学工業社製)、(アクリル酸/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチルポリシロキサン)コポリマー(商品名:KP−575、固形分30%、信越化学工業社製)、(アクリル酸/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチルポリシロキサン)コポリマー(商品名:KP−561P、信越化学工業社製)、(アクリル酸/アクリル酸ベヘニル/メタクリル酸ジメチルポリシロキサン)コポリマー(商品名:KP−562P、信越化学工業社製)などが例示出来る。
(C)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体は、単独で含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有することもできる。含有量は、0.3〜1.5重量%であることが好ましい。下限未満では、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸塩の変色や変臭などの問題が生じてしまい、上限を超えると、被膜感が強くなり使用感が悪化する。
本願発明に用いる成分(D)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリルエステルは、ポリグリセリンの縮合度は平均10であり、また、ポリグリセリンに対するヒドロキシステアリン酸のエステル化度の平均が5のものである。具体的な市販品としてはNIKKOL Decaglyn 5−HS(日光ケミカルズ社製)が例示できる。
(D)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリルの含有量は、0.5〜2重量%含有することが好ましい。下限未満では、乳化出来ないあるいは乳化物の経時安定性が悪い上に、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸塩の変色や変臭などの問題が生じてしまう。上限を超えるとべたつきがひどくなり使用感が悪化する。
本願発明に用いられる(E)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムから選ばれるアルカリ金属水酸化物は、pH調整剤として用いられる。
(E)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムから選ばれるアルカリ金属水酸化物の含有量は、特に限定されないが、水相のpHが10.0〜11.0になるように調整すればよい。水相のpHを10.0〜11.0の範囲にすることにより、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸塩の保存安定性を著しく向上させることができる。水相のpHが10.0を下回ると(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸塩の保存安定性が不十分であり、また、pHが11.0を上回ってもそれ以上の保存安定性の向上が認められないばかりか、乳化安定性の悪化や皮膚刺激の懸念がある。
本願発明の乳化化粧料は、本願発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、前記成分以外の各種成分、例えば、紫外線吸収剤、保湿剤、水性成分、界面活性剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、水溶性高分子、皮膜形成剤、褪色防止剤、消泡剤、香料等を各種の効果を付与するために適宜含有することができる。
以下に実施例を挙げて、本願発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本願発明を何ら限定するものではない。含有量は重量%である。
実施例に先立ち、本願発明で用いた効果試験方法について述べる。
[加速試験による安定性]
(1)乳化粒子の経時安定性
化粧料を温度40℃、相対湿度75%の条件で3ヶ月間保存した。乳化粒子を顕微鏡にて観察し、下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:乳化粒子の粒径は初期状態と差異が認められない
○:乳化粒子の粒径が明らかに大きくなっているが乳化状態を保っている
×:結晶析出・乳化粒子が崩壊している
(2)アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム安定性の評価
化粧料を温度40℃、相対湿度75%の条件で3ヶ月間保存した。高速液体クロマトグラフィーを用いて保存品のアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムの定量分析を行い下記基準で評価した。なお、定量法は、医薬部外品原料規格2006に記載の「リン酸L−アスコルビルマグネシウム」の定量法に準じた。そして、定量したアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムの含量を、保存開始時における同化合物の含量を100%としたときの相対値(%:残存率)として評価した。
◎:アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム残存率が95%以上
○:アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム残存率が90%以上95%未満
×:アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム残存率が90%未満
[使用感]
(1)べたつきのなさ
専門パネル20名により、各化粧料について、肌に塗布した際のべたつきのなさについて使用テストを行い、アンケートの結果から下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:20名中、15名以上がべたつかないと回答した
○:20名中、10〜14名がべたつかないと回答した
△:20名中、5〜9名がべたつかないと回答した
×:20名中、4名以下がべたつかないと回答した
(2)被膜感のなさ
専門パネル20名により、各化粧料について、肌に塗布した際の被膜感のなさについて使用テストを行い、アンケートの結果から下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:20名中、15名以上が被膜感がないと回答した
○:20名中、10〜14名が被膜感がないと回答した
△:20名中、5〜9名が被膜感がないと回答した
×:20名中、4名以下が被膜感がないと回答した
[紫外線防御効果]
SPFアナライザー(Labsphere社製)を用いて、in vitro SPF値を測定した。測定条件は、20mg/inchの割合で試料をサージカルテープ(3M Blenderm TM Tape 152J−2)に均一に塗布後、280〜400nmの範囲におけるSPF値を測定し、5回の平均値を算出して、以下の判定基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:SPF値が30以上
○:SPF値が10以上から30未満
×:SPF値が10未満
[メイクアップ効果]
メイクアップ効果の評価として、専門パネル20名により、各化粧料について、肌に塗布した際の塗布後の色むらカバー力について使用テストを行い、アンケートの結果から下記の基準に従って判定した。
(評価基準)
◎:20名中、15名以上が肌の色むらをしっかりカバーしていると回答した
○:20名中、10〜14名以上が肌の色むらをしっかりカバーしていると回答した
×:20名中、9名以下が肌の色むらをしっかりカバーしていると回答した
表1〜表4に示す処方の乳化化粧料を調製し、乳化粒子の経時安定性、アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムの経時安定性、使用感、紫外線防御効果及びメイクアップ効果の評価を前記の基準に従って行った。
表1〜表4の処方により得られた乳化化粧料は、以下に示す製造方法により調製した。
(製造方法)
油相、水相をそれぞれ均一に分散した。油相へ水相を撹拌しながら徐々に添加して、常温にてホモミキサーを5000rpmで5分間運転することで乳化した。乳化後、脱泡して表1〜表4の乳化化粧料を得た。
表1に示す結果から、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムを1〜5重量%、(B)疎水化処理酸化チタンを1〜10重量%、(C)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体を固形分として0.6重量%、(D)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリンエステルを1重量%含有し、且つ重量比(A)/(B)が0.5以上であり、更に(E)水酸化カリウムにて乳化化粧料の水相のpHを10.3に調整した化粧料(実施例1〜8)は、優れた使用感を有し、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムの安定性及び乳化粒子の安定性も優れていることが分かった。一方、(B)疎水化処理酸化チタンの含有量が1重量%に満たない場合は十分な紫外線防御効果及びメイクアップ効果が得られなかった(比較例1)。また、重量比(A)/(B)が0.5に満たない化粧料(比較例2〜4)では、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムの安定性を保つことができなかった。(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムの含有量が6重量%になると使用感が悪化した(比較例5及び6)。
表2に示す結果から、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムを3重量%、(C)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体を固形分として0.6重量%、(D)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリンエステルを1重量%含有し、更に(E)水酸化カリウムにて乳化化粧料の水相のpHを10.3に調整した化粧料において、(B)疎水化処理酸化チタン/又は疎水化処理酸化鉄の含有量が1〜10重量%であり、重量比(A)/(B)が0.5以上であることを満たす化粧料(実施例9〜19)では、(B)疎水化処理酸化チタン/又は疎水化処理酸化鉄の種類によらず優れた使用感を有し、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムの安定性及び乳化粒子の安定性も優れていた。一方、重量比(A)/(B)が0.5に満たない化粧料(比較例9〜13)では、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムの安定性が悪化した。また、(B)疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化鉄ではない疎水化処理酸化亜鉛では、重量比にかかわらず(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムの安定性を保つことができなかった(比較例14及び15)。
表3に示す結果から、(C)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体を0.3〜1.5重量%、(D)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリンエステルを0.5〜2重量%を含有している化粧料では、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムの安定性及び乳化粒子の安定性も優れていた(実施例4及び20〜24)。一方、(C)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体の含有量が0.3重量%に満たない化粧料(比較例19)、又は(D)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリンエステルの含有量が0.5重量%に満たない化粧料(比較例27)では、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムの安定性又は乳化粒子の安定性が悪化した。また、(C)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体の含有量が1.5重量%を超える、又は(D)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリンエステルの含有量が2重量%を超える化粧料(比較例20、27、28)では、皮膜感を強く感じたり、べたつきを強く感じたりして使用感が悪化した。(C)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体以外の重合体では、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムを安定化することができなかった(比較例16〜18)。(D)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリンエステル以外の乳化剤を用いた場合も、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムを安定化することができなかった(比較例24〜26)。
表4に示す結果から、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムを3重量%、(B)疎水化処理酸化チタンを5重量%、(C)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体を0.6重量%、(D)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリンエステルを1重量%含有し、且つ重量比(A)/(B)が0.6であって、更に(E)水酸化カリウムにて乳化化粧料の水相のpHを10.0〜11.0に調整した化粧料(実施例4及び25〜28)では、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムの安定性及び乳化粒子の安定性が優れていた。一方、乳化化粧料の水相のpHが10.0に満たない化粧料(比較例30〜33)では、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸塩を安定化することができなかった。(E)水酸化カリウムを用いた場合でもpHが11.0を超えた場合は、乳化粒子の安定性が悪化した(比較例34)。(E)水酸化カリウムではない塩基である2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールを用いてpHを10.4に調整した場合では、乳化粒子の安定性が悪化するとともに(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムを安定化することができなかった。
なお、表1〜表4中、以下に示す成分は下記製品を用いた。
※1:MTY−700BS(テイカ社製)
※2:KP−545(信越化学社製)
※3:NIKKOL Decaglyn 5−HS(日光ケミカルズ社製)
※4:アスコルビン酸PM(昭和電工社製)
※5:SA−チタンMP−1133(テイカ社製)
※6:SOLAVEIL XTP1−PW−(MV)(クローダ社製)
※7:ITT−2 TiO2 MP−1133(テイカ社製)
※8:ITT−5 RED R−516P(大東化成工業社製)
※9:ITT−2 YELLOW LL−100P(大東化成工業社製)
※10:ITT−2 BLACK BL−100P(大東化成工業社製)
※11:SAS−レッドR516−PS(三好化成社製)
※12:SAS−イエローLL−100P(三好化成社製)
※13:SAS−ブラックBL−100P(三好化成社製)
※14:SI−UFZO−310(三好化成社製)
※15:FINEX−50W−LP2(堺化学工業社製)
※16:KF−7312J(信越化学社製)
※17:TSPL−30−D5(信越化学社製)
※18:Antaron V−220F polymer(アシュランド社製)
※19:NIKKOL Hexaglyn PR−15(日光ケミカルズ社製)
※20:リソレックス PGIS 32(高級アルコール工業社製)
※21:EMALEX GWIS−310(日本エマルジョン社製)
以下に本願発明を、詳細に説明するため実施例を挙げて説明する。
実施例29クリーム状美白日焼け止め化粧料
含有成分 含有量(重量%)
油相
(1)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.00
(2)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 10.00
(3)ラウロイルサルコシンイソプロピル 12.00
(4)デカメチルテトラシロキサン 17.00
(5)ネオペンタン酸オクチルドデシル 10.00
(6)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリルエステル 1.20
(7)ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30 0.50
(8)13%ステアリン酸処理微粒子酸化チタン※22 5.00
(9)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体30%シクロ 2.50
ペンタシロキサン溶液
(10)ジステアルジモニウムヘクトライト 1.50
水相
(11)精製水 残量
(12)1,3−ブチレングリコール 10.00
(13)アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム 3.00
(14)クエン酸ナトリウム 3.00
(15)EDTA−4Na 0.10
(16)エタノール 4.00
(17)パラオキシ安息香酸メチル 0.20
(18)水酸化ナトリウム 0.20
※22:MT−100Z(テイカ社製)
(調製方法)
成分(1)を成分(2)に加熱溶解後、成分(3)〜(10)を加えて均一に分散した。これに成分(11)〜(18)の混合水溶液を加え、常温にてホモミキサーを5000rpmで5分間運転することで乳化した。乳化後、脱泡して乳化化粧料を得た。水相のpHは、10.5であった。
(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムを3重量%、(B)疎水化処理酸化チタンを5重量%、(C)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体を固形分として0.75重量%、(D)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリンエステルを1.2重量%含有し、且つ重量比(A)/(B)が0.6であり、更に(E)水酸化ナトリウムにて乳化化粧料の水相のpHを10.5に調整した実施例29は、優れた使用感を有し、(A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム及び乳化粒子の安定性も優れていた。美白効果と紫外線防御効果を併せ持ち、経時的に安定性の高い乳化化粧料が得られた。
本願発明によれば、美白効果と紫外線防御効果を両立し、かつ経時的に安定性の高い乳化化粧料を提供できる。

Claims (4)

  1. (A)化1で表わされるアスコルビン酸−2−リン酸塩 1〜5重量%
    (B)疎水化処理酸化チタン及び/又は疎水化処理酸化鉄 1〜10重量%
    (C)アクリル酸/シリコーン系グラフト共重合体 0.3〜1.5重量%
    (D)ペンタヒドロキシステアリン酸デカグリセリンエステル 0.5〜2重量%
    を含有し、且つ重量比(A)/(B)が0.5以上であり、更に(E)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムから選ばれるアルカリ金属水酸化物にて乳化化粧料の水相のpHを10.0〜11.0に調整したことを特徴とする乳化化粧料。
  2. 疎水化処理酸化亜鉛を含まないことを特徴とする請求項1記載の乳化化粧料。
  3. 油中水型乳化化粧料であることを特徴とする請求項1又は2記載の乳化化粧料。
  4. クリーム状であることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載の乳化化粧料。


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