JP2019111521A - 吸収性複合体 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1及び特許文献2には、ポリアクリル酸(塩)を主成分とする架橋体と基材とを含む吸収性複合体、インク吸収体が開示されている。
また、特許文献3には、合成繊維及び/または天然繊維と吸水性繊維と極細繊維からなる吸収体であって、該合成繊維及び/または天然繊維と吸水性繊維と極細繊維を混綿、カーディング後、ニードルパンチにより得られることを特徴とする吸収体が開示されている。
上記吸収基材は、更に高吸水性繊維及び熱融着繊維以外のその他の繊維を含み、上記その他の繊維は、上記吸収コアに含まれることが好ましい。
上記親水性繊維は、セルロース系繊維、ポリアミド系繊維、動物繊維及び表層を親水化した疎水性の繊維からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記表層部材は、シート状又は袋状であることが好ましい。
本発明の吸収性複合体は、ノニオン系架橋重合体及び高吸水性繊維を含む吸収コアが、表層部材で覆われた構造である。
上記吸収性複合体がノニオン系架橋重合体を含むことにより、高濃度の有機溶剤等についても、吸液することができる。
上記吸収性複合体はまた、高吸水性繊維を含むことにより、吸液した液体の滲みだしも抑制することができる。
また、吸収性樹脂とバインダーとを含む吸収コアが表層シートで挟まれた構造の従来の吸収性複合体は、熱をかけることにより、バインダーが表層シート間で融着し、表層シート間の空間が制限されることにより、吸液による吸収性樹脂の膨潤が規制されたり、バインダーが吸収性樹脂を被覆することにより、溶液が吸収性樹脂と接触しにくくなり吸液が阻害されたり、吸収性樹脂の吸液による膨潤が規制されることにより吸液性に劣るものであった。これに対して、吸収性複合体が熱融着繊維を含む吸収コアを含有することにより、ノニオン系架橋重合体が吸液した際に充分に膨潤できる空間を維持しつつ、吸収コアと表層部材とが接着した状態をより充分に保持することができる。
上記吸収性複合体において、ノニオン系架橋重合体と吸収基材との質量比(ノニオン系架橋重合体/吸収基材)は特に制限されないが、0.1〜15であることが好ましい。上記ノニオン系架橋重合体と吸収基材との質量比が0.1以上であれば、吸収基材が吸液した液体をノニオン系架橋重合体がより充分に受け取ることができ、吸収基材からの液体の滲みだし等を充分に抑制することができる。上記質量比が15以下であれば、ノニオン系架橋重合体に対する吸収基材の量がより充分になり、吸収性複合体の吸液速度がより向上する。
より好ましくは上記質量比が0.2〜15である。
上記吸収性複合体がシート状等の平面的な形状である場合、上記吸収性複合体は、ノニオン系架橋重合体と吸収基材との質量比が0.2〜5であることがさらに好ましい。一層好ましくは0.5〜3であり、特に好ましくは0.7〜3である。
上記吸収性複合体が平面的な袋状である場合、上記吸収性複合体は、ノニオン系架橋重合体と吸収基材との質量比が1〜7であることがさらに好ましい。一層好ましくは2〜5である。
吸収性複合体が角錐状等の立体的な袋状である場合、上記吸収性複合体は、ノニオン系架橋重合体と吸収基材との質量比が3〜15であることがより好ましい。さらに好ましくは5〜10である。
また、上記吸収性複合体がシート状等の平面的な形状である場合、吸収性複合体の最も広い平面の面積当たりの高吸水性繊維の質量が、10〜300g/m2であることが好ましい。より好ましくは20〜200g/m2であり、更に好ましくは30〜150g/m2である。
上記その他の繊維の含有量は、ノニオン系架橋重合体100質量%に対して0〜200質量%であることが好ましい。より好ましくは3〜150質量%であり、更に好ましくは5〜100質量%であり、更により好ましくは10〜50質量%である。
本発明における「シート」は、一般にシートであると認識される平面的な広がりをもった形状を意味するが、該形状の最も広い面の面積をa、その面に対する垂直方向の長さ(該形状の厚み)をbとしたときの〔a(1/2)〕/bが3以上であるような形状であることが好ましい。なお、上記形状の厚みが一定でない場合には、厚みの最大値をbとする。
本発明の吸収性複合体としては、シート状や角錐状のものが好ましい。
また、吸収性複合体の形態がシート状の場合、液体を吸収した後にも、吸収性複合体の厚みの変化が小さく、厚みが規定されている用途に好適に用いることができる。
上記ノニオン系架橋重合体の膨潤後の体積は、膨潤率によるため、包装体におけるノニオン系架橋重合体の量は、架橋重合体や吸液する液体の種類に依存するが、吸液前のノニオン系架橋重合体の体積が、ノニオン系架橋重合体の体積が包装体の膨潤後に確保される容積100%に対して2〜35%であることが好ましい。より好ましくは3〜20%である。
上記吸収性複合体がシート状等の平面的な形状である場合、その平面の単位面積当たりの質量が0.1〜3000g/m2であることが好ましい。より好ましくは0.5〜2500g/m2であり、更に好ましくは1〜2000g/m2であり、特に好ましくは50〜1500g/m2であり、最も好ましくは100〜1500g/m2である。
上記吸収性複合体は、上記平面の単位面積当たりのノニオン系架橋重合体の質量が50〜1500g/m2であることが好ましい。これにより、吸収性複合体の吸液能力がより向上する。より好ましくは100〜1200g/m2であり、更に好ましくは150〜1000g/m2である。
上記吸収性複合体は、吸収性複合体1g当たりのリノール酸の吸液能力が3〜50gであることが好ましい。より好ましくは5g以上であり、更に好ましくは8g以上である。一層好ましくは10g以上であり、特に好ましくは15g以上である。
吸収性複合体の脱イオン水、エタノール、リノール酸の吸液能力は、「(吸収性複合体質量+吸収された溶液量)/吸収性複合体質量」で計算される値である。吸収性複合体の吸液能力は、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記吸収基材は、高吸水性繊維と表層部材とを含むものである。
上記高吸水性繊維は、脱イオン水の吸水量が自重の3倍以上の繊維である。好ましくは脱イオン水の吸水量が自重の5倍以上である。これにより、吸液した液体の滲みだしをより充分に抑制することができる。より好ましくは10倍以上であり、更に好ましくは15倍以上、特に好ましくは20倍以上である。
上記吸水量は、下記の方法により測定することができる。
温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で、正確に繊維の質量(W1(g))を測定し、不織布製のティーバッグの中に入れ、ヒートシールにより封入する。このティーバッグを、導電率10μS/cm以下の脱イオン水中に室温(温度23±2℃)、常圧で24時間浸漬する。次いで、ティーバッグの端をピンセットでつかんで引き上げ、キムタオル(日本製紙クレシア株式会社製)の上に乗せて水切りを行った後、上記ティーバッグの質量(W2(g))を測定する。別途、同様の操作を繊維を用いないで行い、そのときのティーバッグの質量(W0(g))をブランクとして求める。次式に従い、吸水量を算出する。
吸水量(g/g)=(W2(g)−W0(g))/W1(g)
上記塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属等の金属塩;アンモニウム塩やアミン塩等が挙げられる。上記高吸水性繊維は、これらの親水性基を1種又は2種以上有することが好ましい。
上記高吸水性繊維がポリアクリル酸(塩)系繊維、高吸水アクリロニトリル系繊維、ポリエステル等の繊維(ポリエステル系繊維)にアクリル酸やメタクリル酸をグラフト重合した繊維、イソブチレン/無水マレイン酸共重合系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維及びポリアルキレングリコール系繊維からなる群より選択される少なくとも1種を含む形態は本発明の好ましい形態の1つである。
上記高吸水性繊維を構成する樹脂として、更に好ましくはポリアクリル酸ナトリウム系樹脂、高吸水アクリロニトリル系樹脂である。
これらのポリアクリル酸(塩)系繊維や高吸水アクリロニトリル系繊維の市販品としては、例えば帝人ファイバー社製の「ベルオアシス(登録商標)」や、東洋紡績社製の「ランシール(登録商標)」等が挙げられる。
上記高吸水性繊維のアスペクト比は、下記の方法により測定することができる。
光学又は電子顕微鏡により、高吸水性繊維の長径及び短径を測定し、長径を短径で除した値をアスペクト比として求める。
上記高吸水性繊維の繊度は、特に制限されないが、0.5〜100デニールであることが好ましい。より好ましくは1〜30デニールである。
上記高吸水性繊維の長さは、特に制限されないが、1〜70mmであることが好ましい。より好ましくは30〜60mmである。また、用途によっては、1〜50mmであっても、2〜10mmであってもよい。
高吸水性繊維が吸液することができる液体に含まれる水の割合としては、液体100質量に対して70〜100質量%であることが好ましい。
上記熱融着繊維は、溶融温度が70〜200℃であり、脱イオン水の吸水量が自重の3倍未満の繊維である。溶融温度として好ましくは80〜180℃であり、より好ましくは90〜150℃である。
熱融着繊維は、単一成分の繊維であってもよいが、2以上の成分の複合繊維であることが好ましい。より好ましくは2成分の複合繊維であることが好ましい。
熱融着繊維が複合繊維である場合、一の繊維の溶融温度が70〜200℃であればよく、他の繊維の溶融温度は、一の繊維の溶融温度よりも高いことが好ましい。上記複合繊維の複合形式は、特に制限されず、2以上の成分の繊維が並列に組み合わさっていてもよいが、溶融温度が高い繊維に溶融温度が低い成分が被覆された構造であることが好ましい。
溶融温度が70〜200℃である繊維として好ましくは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖型低密度ポリエチレン、ポリエチレン共重合体、ポリプロピレン、低融点ポリエステル共重合体であり、より好ましくは高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖型低密度ポリエチレン、ポリエチレン共重合体である。
上記熱融着繊維の長さは、特に制限されないが、1〜50mmであることが好ましい。より好ましくは3〜10mmである。
すなわち、吸収基材が、更に高吸水性繊維及び熱融着繊維以外のその他の繊維を含み、上記吸収性複合体が、ノニオン系架橋重合体、熱融着繊維及び上記その他の繊維を含む吸収コアが、表層部材で覆われている形態もまた本発明の好ましい形態の1つである。
親水性の繊維とは、公定水分率が3%以上である繊維を示すが、本発明におけるその他の繊維としての親水性繊維は、脱イオン水の吸水量が自重の3倍未満の繊維とする。
繊維の公定水分率は、JIS L 0105に記載の方法により測定することができる。
親水性の繊維は、液体の拡散性が高いため、ノニオン系架橋重合体が、吸収基材が吸液した液体を、より速く受け取ることにより、吸収性複合体全体としての吸液速度が向上することになる。また、繊維自体が液体を保持することにより、吸収性複合体全体としての吸液能力が向上することになる。
上記セルロース系繊維としては、例えば綿、麻等の天然繊維;レーヨン、キュプラ、リヨセル、ポリノジック等の再生繊維;アセテート、トリアセテート等の半合成繊維;パルプ等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記ポリアミド系繊維としては、例えばナイロン等が挙げられる。
上記動物繊維としては、羊毛、絹等が挙げられる。
上記表層を親水化した疎水性の繊維とは、例えば、ポリエステル、高融点ポリアミド等の疎水性の繊維の表面をポリエチレングリコール等の親水性高分子でコーティングした繊維である。
上記親水性繊維は、これらの1種又は2種以上を用いることができ、これらの複合繊維であってもよい。
また上記親水性繊維は、脱イオン水の吸水量が自重の3倍未満の繊維であれば、高吸水性繊維を構成する樹脂と同様の樹脂等からなる繊維を含んでいてもよい。
上記親水性繊維としてより好ましくはセルロース系繊維であり、更に好ましくはパルプである。
上記疎水性繊維としては、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリウレタン等が挙げられる。疎水性繊維として好ましくはポリエステルである。
上記表層部材は、吸収コアに液体を浸透させることができる限り特に制限されないが、例えば、厚みは0.01〜3mmであることが好ましい。より好ましくは0.1〜1mmである。
上記紙は、JIS P 0001で定義される紙であり、布は、JIS L 0206で定義されるシート状繊維製品の総称である。
上記布としては、例えば、織物、編物、組み物、レース、網、不織布等が挙げられ、好ましくは、織物、編物、不織布であり、より好ましくは不織布である。
上記樹脂フォーム、多孔性基剤は、特に制限されないが、例えば発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン、無機多孔質体が挙げられる。
表層部材がシート状である場合、上記吸収性複合体は、吸収コアに1枚のシート状表層部材を積層させた構造であってもよいが、2枚のシート状表層部材により吸収コアが挟持された構造であることが好ましい。また、このような吸収性複合体が2層以上積層されていてもよい。
また、表層部材が袋状である場合、袋状表層部材に吸収コアが充填された構造となる。
本発明の吸収性複合体は、ノニオン系架橋重合体(以下、単に架橋重合体ともいう)を含むものである。従来のポリアクリル酸(塩)を主成分とする架橋体は、水、又は、水を多く含む溶液に限られ、例えば、水を過剰に含む水溶液として有機溶剤を吸液できるものの、水が蒸発し有機溶剤成分の濃度が上昇すると、吸液した液を保持しきれず、液の染み出し(はきだし)が生じる等の問題があった。
これに対して、本発明の吸収性複合体は、ノニオン系架橋重合体を含むことにより、高濃度の有機溶剤等についても、吸液することができる。ノニオン系架橋重合体は、従来のポリアクリル酸(塩)を主成分とする架橋体と比較して、吸液速度が遅いが、吸収基材との複合体とすることにより、吸収性複合体に液体を吸液させた際に、まず、吸収基材が吸液し、拡散した液体をノニオン系架橋重合体が吸液することになる。このため、複合体化することにより、ノニオン系架橋重合体単独の場合よりも、本発明の吸収性複合体は速く吸液することができる。また、架橋重合体がノニオン系であることにより、安全性にも優れ、化粧料用途にも好適に用いることができる。
上記ノニオン系単量体(A)としては、非イオン性の単量体であれば特に制限されないが、例えば、アミド系単量体;不飽和アルコール類;(ポリ)アルキレングリコール系単量体;(メタ)アクリル酸エステル類;芳香族ビニル系単量体;アルケン類;ビニルエーテル類;カルボン酸ビニル類;ビニルエチレンカーボネート及びその誘導体等が挙げられる。
上記ノニオン系架橋重合体は、アミド系単量体及び/又は(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の構造単位を有するものであることが好ましい。
上記R1〜R4におけるアルキル基の炭素数としては、1〜6が好ましく、より好ましくは1〜4である。上記アルキル基として更に好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
上記R1〜R4における置換基としては、特に制限されないが、エチレン性不飽和炭化水素基;カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらのエステルや塩;アミノ基、水酸基等の架橋剤と縮合反応可能な反応性官能基等が挙げられる。
上記式(1)におけるR1〜R4の少なくとも1つが、置換基として上述の架橋剤と縮合反応可能な反応性官能基を有する炭素数1〜10のアルキル基であれば、後述する(2)、(3)により架橋構造を形成することができる。
R1〜R3としては水素原子であることが好ましい。R4としては水素原子又はメチル基であることが好ましく、より好ましくは水素原子である。
xとしては、0〜2の整数であることが好ましく、より好ましくは0〜1の整数であり、最も好ましくは0である。
yとしては、1又は2であることが好ましく、より好ましくは1である。
上記(ポリ)アルキレングリコール系単量体としては、下記式(2);
上記−(R8O)−で表されるオキシアルキレン基は、炭素数2〜8のオキシアルキレン基が好ましく、より好ましくは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。
これらのオキシアルキレン基は、アルキレンオキシド付加物であり、このようなアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。より好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドであり、更に好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドである。
炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、イソオクチル基、2,3,5−トリメチルヘキシル基、4−エチル−5−メチルオクチル基及び2−エチルヘキシル基、テトラデシル基、オクタデシル基、イコシル基等の直鎖または分岐鎖のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル等の環状のアルキル基;フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、o−,m−若しくはp−トリル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、ベンズヒドリル基、トリチル基及びピレニル基等のアリール基などが挙げられる。これらの中でも、直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が好ましい。
上記アルケン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、オクテン等が挙げられる。
上記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等が挙げられる。
上記カルボン酸ビニル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
すなわち、本発明のノニオン系架橋重合体は、アミド系単量体及び/又は(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の構造単位を有するものであることが好ましい。より好ましくは、アミド系単量体由来の構造単位を有するものである。
(1)架橋性単量体を含む単量体成分を重合して架橋構造を有する重合体を製造する
(2)反応性官能基を有する単量体を含む単量体成分を重合して得られた重合体に、該反応性官能基と反応する官能基を複数有する架橋剤を反応させて架橋構造を形成する
(3)反応性官能基を有する単量体1と、該単量体1が有する反応性官能基と反応する反応性官能基を有する単量体2とを共に含む単量体成分を重合した後、該単量体1の反応性官能基と単量体2の反応性官能基とを反応させて架橋構造を形成(自己架橋)する
(4)重合体にラジカルを発生させ、ラジカルが発生した重合体間で架橋構造を形成(自己架橋)する
(5)重合体にラジカルを発生させ、ラジカルが発生した重合体と架橋性単量体を反応させて架橋構造を形成する
本発明の架橋重合体の架橋構造は上記(1)〜(5)のいずれによって形成されたものであってもよいが、上記(1)によって形成されたものであることが好ましい。
本発明の架橋重合体が、上記(2)又は(3)によって形成された架橋構造を有する場合、本発明の架橋重合体は、上記ノニオン系単量体又は後述するその他の単量体(E)に由来する構造単位として、反応性官能基を有する単量体に由来する構造単位を有することになる。
上記(2)、(3)における反応性官能基としては、特に制限されないが、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらのエステルや塩;アミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアネート基、オキサゾリン基等が挙げられる。
架橋構造が、上記(3)によって形成されたものである場合、互いに反応性を有する反応性官能基の組み合わせとしては、カルボキシル基(及びそのエステルや塩)と水酸基、スルホン酸基(及びそのエステルや塩)と水酸基、カルボキシル基(及びそのエステルや塩)とアミノ基、カルボキシル基(及びそのエステルや塩)とオキサゾリン基、スルホン酸基(及びそのエステルや塩)とアミノ基、イソシアネート基と水酸基、イソシアネート基とアミノ基、オキサゾリン基と水酸基、オキサゾリン基とメルカプト基等が挙げられる。本発明の架橋重合体の架橋構造が上記(2)によって形成されたものである場合の、単量体が有する反応性官能基と、架橋剤が有する該反応性官能基と反応する官能基の組み合わせの例もこれと同様である。
上記(2)における架橋剤としては、上記反応性官能基と反応することができる官能基を複数有するものであれば特に制限されないが、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、オキサゾリン基含有ポリマー(株式会社日本触媒製 エポクロス)、ブタンジオール、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
なお、ラクタム構造及び少なくとも2個のエチレン性不飽和炭化水素基を有する化合物は、N−ビニルラクタム系単量体にも、架橋性単量体にも含まれるものとする。
上記架橋性単量体の中でも、残存する単量体及び可溶分(架橋されない重合体分であって水への溶解分)が低下する傾向にあることから、アリル基を2個以上有する化合物を使用することが好ましい。具体的には、シアヌル酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、炭酸ジアリル、1,3−ビス(アリルオキシ)−2−プロパノール、ペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アリルエーテル、(ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ)アリルスクロース等が好ましく、シアヌル酸トリアリル、ペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アリルエーテル、(ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ)アリルスクロースがより好ましい。
上記トリメチロールプロパン(ジ、トリ)(メタ)アクリレートが炭素数1〜4のアルキレン基を有するアルキレンオキサイドで変性されたものである場合の、トリメチロールプロパン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート1分子あたりのアルキレンオキサイドの平均付加数も同様であることが好ましい。
これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、上記(i)〜(iii)における塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が例示される。上記(iv)における塩としては、塩酸塩、硫酸塩等が例示される。
架橋性単量体及び/又は架橋剤の使用量を調整することで、本発明のノニオン系架橋重合体の、インク等の溶液を吸液、保持する能力を調整することができる。また、架橋性単量体及び/又は架橋剤に由来する構造単位が0.01モル%以上であれば、ノニオン系架橋重合体を製造する際の解砕がしやすくなる。
本発明のノニオン系架橋重合体の平均粒子径は、特に制限はないが、好ましくは0.1μm以上、2000μm以下である。より好ましくは、0.1μm以上、1000μm以下であり、更に好ましくは、1μm以上、1000μm以下であり、特に好ましくは、10μm以上、1000μm以下であり、一層好ましくは50μm以上、850μm以下である。平均粒子径が上記好ましい範囲であることにより、本発明ノニオン系架橋重合体の水等の吸液能力が向上する傾向にあり、また、吸液速度も好適な範囲となる。平均粒子径が0.1μm以上であれば、水等を吸液した場合にダマになることを充分に抑制することができる。さらに、シート状の吸収基材に加工する際に、シート状吸収基材からの粉体の抜け落ちを充分に抑制することができる。平均粒子径が2000μm以下であれば、吸収コア内で湿潤によるシートの厚みの増加を充分に抑制することができる。また、ノニオン系架橋重合体が吸液して、吸収性複合体全体としてしっかりと液を保持できる速度が速くなる。また、ノニオン系架橋重合体は、平均粒子径が500μm以下であることが更に一層好ましく、この場合吸収性複合体内でノニオン系架橋体が膨潤可能な空隙を充分に確保することができる。
また、袋状の吸収性複合体を製造する際には、平均粒子径が100〜500μmであることが更に一層好ましく、平均粒子径が100μm以上であれば、袋状の吸収基材の目から架橋重合体が漏洩することを抑制することができ、500μm以下であれば、吸液速度がより向上する傾向にある。
ノニオン系架橋重合体の平均粒子径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記粒子のアスペクト比として好ましくは1.15〜7であり、より好ましくは1.15〜5であり、更に好ましくは1.2〜5であり、一層好ましくは1.2〜3である。
上記粒子のアスペクト比は、顕微鏡(光学又は電子)により、ノニオン系架橋重合体の一次粒子の長径及び短径を測定し、長径を短径で除した値をアスペクト比として求めることができる。なお、N−ビニルラクタム系架橋重合体の粒子は、粒子が凝集している場合があるが、上記アスペクト比の測定は、凝集していない一次粒子について測定するものとする。また、一次粒子が重なっている場合は、重なっていない粒子のみを測定の対象とする。
上記アスペクト比は、サンプルの光学又は電子顕微鏡による画像データより、画像解析式粒度分析測定ソフトを用いて算出するものとする。「画像解析式粒度分析測定ソフト Mac−view ver.4(マウンテック社製)」や「粒子画像分析装置 モフォロギG3(スペクトリス株式会社マルバーン事業部製)」、又は、これと原理が同じである画像解析ソフトや画像分析装置により測定することができる。
上記アスペクト比1.15〜10である粒子の割合は、ランダムに選択した粒子100個以上について、アスペクト比を測定して求めることができる。
上記ノニオン系架橋重合体は、架橋重合体1g当たりのエタノールの吸液能力が3〜50gであることが好ましい。より好ましくは5g以上であり、更に好ましくは8g以上である。一層好ましくは10g以上であり、特に好ましくは15g以上である。
上記ノニオン系架橋重合体は、架橋重合体1g当たりのリノール酸の吸液能力が3〜50gであることが好ましい。より好ましくは5g以上であり、更に好ましくは8g以上である。一層好ましくは10g以上であり、特に好ましくは15g以上である。
架橋重合体の脱イオン水、エタノール、リノール酸の吸液能力は、「(架橋重合体質量+吸収された溶液量)/架橋重合体質量」で計算される値である。架橋重合体の吸液能力は、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記ノニオン系架橋重合体の製造は特に制限されないが、単量体成分を重合することにより製造することができ、単量体成分の具体例及び好ましい例は、上述のとおりである。また、全単量体(ノニオン系単量体及びその他の単量体(E))成分100モル%に対するノニオン系単量体、その他の単量体(E)及び架橋性単量体の含有割合は、上述の全構造単位100モル%に対するノニオン系単量体、その他の単量体(E)及び架橋性単量体由来の構造単位の割合と同様である。
開始剤の使用量をこのような割合とすることで、得られる架橋重合体に含まれる未反応の単量体の割合を充分に少なくすることができる。
また、ポリプロピレン等の鉄を溶出させない材質の反応容器を用いることも好ましく、これらの材質の反応容器を用いることで、得られる架橋重合体中に含まれる鉄分の含有量を少なくすることができる。
特に、上記ノニオン系架橋重合体が、溶剤を用いた重合で得られたものでゲル状である場合、すなわち溶剤を含むゲル状架橋重合体である場合、該ゲル状架橋重合体を、乾燥する工程を設けることが好ましい。なお、本発明において、乾燥とは固形分の上昇操作をいい、通常、ノニオン系架橋重合体全体の質量に対する固形分の割合が乾燥前と比較して上昇すればよいが、好ましくは架橋重合体全体の質量100質量%に対して固形分が95質量%以上、より好ましくは96質量%以上程度まで上昇させることである。なお、固形分の上限は99質量%程度であることが好ましい。乾燥は重合と同時に行ってもよく、重合時の乾燥と重合後の乾燥とを併用してもよいが、より好ましくは、重合後に乾燥装置を用いて乾燥する乾燥工程が設けられる。なお、ここで、架橋重合体の固形分は、下記の方法により測定される値をいう。
底面の直径が約5cmの秤量缶(質量W3(g))に、約1gの架橋重合体を量り取り(質量W4(g))、150℃の定温乾燥機中において1時間静置し、乾燥させる。乾燥後の秤量缶+架橋重合体の質量(W5(g))を測定し、以下の式より固形分を求める。
固形分(質量%)=((W5(g)−W3(g))/W4(g))×100
なお、乾燥温度は熱媒温度で規定するが、マイクロ波等熱媒温度で規定できない場合は材料温度で規定する。乾燥方法としては、乾燥温度が上記範囲内であれば特に限定されるものではなく、熱風乾燥、無風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥等を好適に用いることができる。中でも、熱風乾燥を用いることがより好ましい。熱風乾燥を用いる場合の乾燥風量は、好ましくは0.01〜10m/sec、より好ましくは0.1〜5m/secの範囲である。乾燥温度の範囲はより好ましくは110℃〜220℃、さらに好ましくは120℃〜200℃の温度範囲である。また、乾燥は、一定温度で乾燥してもよく、温度を変化させて乾燥してもよいが、実質、すべての乾燥工程は上記の温度範囲内でなされることが好ましい。
また、2回以上粉砕する場合には、それぞれの粉砕機は同じであっても異なっていてもよい。異なる種類の粉砕機を組み合わせて使うことも可能である。
また、ノニオン系架橋重合体を平均粒子径100μm以下に粉砕する場合は、ジェットミルを用いることが好ましい。
上記後架橋工程において後架橋させる(重合後に架橋させる)方法としては、例えば、(i)重合工程で得られた重合体にUV、γ線、電子線を照射する方法、(ii)重合工程で得られた重合体に縮合剤のような反応促進剤を加えて自己架橋させる方法、(iii)重合工程で得られた重合体に熱を加えて自己架橋させる方法、(iv)重合工程で得られた重合体にラジカル発生剤を含有させた後、熱を加えて自己架橋させる方法、(v)重合工程で得られた重合体にラジカル重合性架橋剤(架橋性単量体)およびラジカル重合開始剤を含有させた後、加熱および/または光照射する方法等が挙げられる。
なお、後架橋工程に供される重合体としては、単量体成分から製造したものを用いてもよく、市販の重合体を用いてもよい。
上記(iv)の方法において用いるラジカル発生剤としては、上述した重合工程において用いる重合開始剤と同様のものを用いることができる。重合開始剤のうち、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、オクタノイルパーオキサイド、サクシニックパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸等の過酸化物が好ましい。
上記有機酸としては、特に制限されないが、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、硫酸基、リン酸基等の酸基を有する有機化合物が挙げられる。このような有機酸としては、例えば、マロン酸、しゅう酸、コハク酸、アスパラギン酸、クエン酸、グルタミン酸、フマル酸、リンゴ酸、マレイン酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、プロピオン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、グリコール酸、サリチル酸、乳酸、L−アスコルビン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ラウリルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンホスホン酸、ラウリル硫酸等が挙げられる。
なお上記有機酸(塩)は、上記有機酸及び有機酸の塩を表し、有機酸の塩は、主に後述する中和工程において添加する塩基と有機酸との中和物である。
上記熟成工程における熟成時間は特に制限されないが、10分〜5時間であることが好ましい。より好ましくは30分〜3時間である。
上記ノニオン系架橋重合体の製造方法が有機酸を添加する工程を含む場合、上記熟成工程は、有機酸を添加する工程の前に行うことが好ましい。
本発明の吸収性複合体を製造する方法は特に制限されないが、例えば、上記製造方法は、ノニオン系架橋重合体と高吸水性繊維とを混合して吸収コアを形成する工程と吸収コアを表層部材で覆う工程とを含むことが好ましい。
上記吸収コアを形成する工程において、ノニオン系架橋重合体と高吸水性繊維とを混合する方法は特に制限されないが、ミキサーを用いて乾式混合することが好ましい。
また、吸収コアを形成する繊維として熱融着繊維やその他の繊維を含む場合、ノニオン系架橋重合体と高吸水性繊維との混合において、これらの繊維も同様に混合することが好ましい。
上記吸収コアを形成する工程において、混合により得られた混合物を用いて不織材を形成することが好ましい。これにより吸収コアにおいて、ノニオン系架橋重合体が分散した状態になる。吸収性複合体がシート状である場合、上記不織材は不織布であり、上記混合物を抄造することにより製造することが好ましい。より好ましくは空気抄造することである。
上記加熱融着の温度は、特に制限されないが、吸収コアに熱融着繊維が含まれる場合には、熱融着繊維の一部が溶融する温度であることが好ましい。
加熱融着の温度としては、90〜180℃であることが好ましく、より好ましくは100〜150℃である。
本発明の吸収性複合体は種々の液体の吸液能力に優れるため、インク吸収剤用途や保湿剤等の化粧料用途に好適に用いることができる。
また、本発明の吸収性複合体は芳香・消臭成分を含む液体や臭気成分を吸収することもでき、芳香・消臭剤用途にも好適に用いることができる。
上記吸収性複合体が効果を発揮することができる臭気成分としては、特に制限されないが、メチルメルカプタン等のチオール類、アンモニア等のアミン類、酢酸等のカルボン酸類、ノネナール等のアルデヒド類、ジアセチル等のジケトン類等が挙げられる。すなわち、本発明の吸収性複合体は、様々な臭気成分に対して消臭効果を発揮することができ、この理由としては以下のようなことが考えられる。本発明の吸収性複合体は吸湿性を有するため、吸湿した水を介して水溶性の臭気成分を吸着することや、ノニオン系架橋重合体が、アミド系単量体由来の構造単位を有する場合、アミド系単量体が有するN部位やカルボニル基で臭気成分を吸着することが考えられる。本発明の吸収性複合体は、上記臭気成分の中でも酢酸等のカルボン酸に対して、より優れた消臭効果を発揮する。
本発明の吸収性複合体が吸収することができる溶液としては、水、水溶性有機溶剤、インク、液体化粧料組成物等が挙げられる。
上記水溶性有機溶剤としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及び、tert−ペンタノール等のアルコール類又はグリコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤(アミド類);2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類;2−オキサゾリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;1,1,3,3−テトラメチル尿素;ジメチルスルホキシド;及び、スルホラン等が挙げられる。
水溶性有機溶剤として好ましくは、グリセリン、グリコール類、アルコール類、アミド類、ピロリドン類である。
上記染料としては、ブラックアゾ化合物、銅フタロシアニン化合物、マゼンタ染料等が挙げられる。
上記顔料としては、カーボンブラック、金属酸化物等の無機顔料や、アゾ顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料等が挙げられる。上記顔料の粒子径は特に制限されないが、0.01〜0.50μmであることが好ましい、より好ましくは、0.02〜0.20μmである。
上記液体化粧料組成物に含まれる成分としては特に制限されないが、例えば、油性基剤、保湿剤・感触向上剤、界面活性剤、高分子、増粘・ゲル化剤、溶剤・噴射剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、防腐剤・抗菌剤、キレート剤、pH調整剤・酸・アルカリ、粉体類、無機塩類、紫外線吸収剤、美白剤、ビタミン類及びその誘導体類、消炎剤・抗炎症剤、育毛用薬剤・血行促進剤・刺激剤、ホルモン類、抗しわ剤・抗老化剤・ひきしめ剤・冷感剤・温感剤、創傷治癒促進剤・刺激緩和剤・鎮痛剤・細胞賦活剤、植物・動物・微生物エキス類、鎮痒剤、角質剥離・溶解剤、制汗剤、清涼剤、収れん剤、酵素類、核酸類、香料、色素・着色剤・染料・顔料、水等が挙げられる。
これらの成分の具体例として、特開2007−45776号公報に記載のものと同様のものが挙げられる。
乾式の粒子径分布測定装置(スペクトリス株式会社マルバーン事業部製 型式:マスターサイザー3000 乾式)により測定した累積50%値を、平均粒子径とした。測定条件は以下に示す。
<測定条件>
乾式レーザー回折散乱法
分散圧力:1bar
粒子屈折率:1.52
粒子吸収率:0.01
粒子形状:非球形
溶媒名:空気(AIR)
測定範囲:0.1〜3500μm
架橋重合体約0.1gを正確に秤量し(質量W7(g))、4cm×5cmの不織布製のティーバッグの中に入れ、ヒートシールにより封入した。上記操作は、温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で行った。このティーバッグを、ガラス製で規定容量が50mLのスクリュー管に入れ、溶媒又は溶液(脱イオン水の場合は導電率10μS/cm以下)中に室温(温度23±2℃)、常圧で24時間浸漬した。なお、吸液速度が遅い油等の場合は40℃で24時間浸漬した後、10分放冷した。次いで、ティーバッグの端をピンセットでつかんでティーバッグを引き上げ、ティーバッグの一面を下にしてキムタオル(日本製紙クレシア株式会社製)の上に乗せて5秒間静置した。次いで、反対の面を下にしてキムタオルの上に乗せて5秒間静置することにより液切りを行った後、上記ティーバッグの質量(W8(g))を測定した。別途、同様の操作を架橋重合体を用いないで行い、そのときのティーバッグの質量(W6(g))をブランクとして求めた。次式に従って算出した吸液倍率を吸液能力とした。
吸液倍率(g/g)=(W8(g)−W6(g))/W7(g)
N−ビニルピロリドン(株式会社日本触媒製、以下、VPとも称する)130.0部、架橋剤としてシアヌル酸トリアリル(以下、CTAとも称する)0.52部(VPに対し0.18モル%)、脱イオン水304.6部を卓上型ニーダー(株式会社中央理化製 PNV−1H型)に仕込んだ。次いで、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで、窒素導入を30ml/分にし、56℃まで昇温した。液温を56℃に安定させた後、開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド(以下、「VA−044」とも称する)の15質量%水溶液を1.96部(VPとCTAの合計の使用量1モルに対し0.25g)添加し重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、ニーダーのブレードを回転させてゲルを解砕しながら、90℃で60分間熟成を行い、重合を終了した。次いで、マロン酸の1質量%水溶液を65.0部、3分かけて添加し、90℃で60分間撹拌した。さらに、ジエタノールアミンの2質量%水溶液を32.5部、3分かけて添加し、30分間撹拌した。次いで、得られたゲルを120℃で2時間乾燥(ヤマト科学製 精密恒温器 型式DF42 開口度最大、外形サイズ232×297×50H(mm)ステンレスバット2枚使用)を行うことにより、VP架橋重合体乾燥物を得た。次いで、得られた架橋重合体を粉砕機で粉砕し、目開き500μmのJIS標準篩を使用して分級し、500μmの篩を通過した粉体を粒子状のVP架橋重合体(1)とした。得られたVP架橋重合体(1)の平均粒子径を上記の方法で測定すると、288μmであった。
VPを1000.0部、架橋性単量体としてペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー株式会社製、商品名:ネオアリルP−30M、ジエタノールアミンでpH6以上にして使用)を15.0部(VPに対し0.65モル%)、脱イオン水を2368.33部、卓上型ニーダー(株式会社中央理化製 PNV-5H型)に仕込んだ。次いで、400ml/分で40分間窒素置換を行った。次いで、窒素導入を30ml/分にし、56℃まで昇温した。液温を56℃に安定させた後、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(以下、「V−50」とも称する)の15質量%水溶液を47.37部(VPとペンタエリスリトールトリアリルエーテルの合計の使用量1モルに対し0.78g)添加し、重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、ニーダーのブレードを回転させてゲルを解砕しながら、90℃で60分間熟成を行い、重合を終了した。次いで、マロン酸の1.4質量%水溶液を500.0部、3分かけて添加し、90℃で60分間撹拌した。さらに、ジエタノールアミンの2.8質量%水溶液を250.0部、3分かけて添加し、30分間撹拌した。次いで、得られたゲルを120℃で3時間乾燥(ヤマト科学製 精密恒温器 型式DF42 開口度最大、外形サイズ232×297×50H(mm)ステンレスバット2枚、外形サイズ206×267×40H(mm)ステンレスバット8枚使用)を行うことにより、VP架橋重合体乾燥物を得た。次いで、得られた架橋重合体を粉砕機で粉砕し、目開き250μm及び500μmのJIS標準篩を使用して分級し、500μmの篩を通過し、250μmの篩上に残留した粉体をVP架橋重合体(2)とした。得られたVP架橋重合体(2)の平均粒子径を上記の方法で測定すると、393μmであった。
メトキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業製NKエステルAM−90G、EO付加モル数9モル、以下「AM−90G」ともいう)を27g、不純物としてエチレングリコールジアクリレートを0.2質量%含有するアクリル酸2−ヒドロキシエチル(日本触媒製)(以下、HEAとも称する)3g、純水70gを250mlPP製容器に仕込んだ。次いで、マグネチックスターラーで撹拌を開始し、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで、撹拌を継続しながら40℃まで昇温した。液温を40℃に安定させた後、開始剤としてV−50の20質量%水溶液を0.1g添加し重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、90℃で30分間熟成を行い、重合を終了した。得られたゲルを卓上ニーダー(中央理化社製PNV−1H型)で解砕し、120℃で2時間乾燥(ヤマト科学製 精密恒温器 型式DF42 開口度最大、外形サイズ206×267×40H(mm)ステンレスバット1枚使用)を行うことにより、PEGアクリレート/HEA架橋重合体(エチレンオキサイド系架橋重合体(3))を得た。
アクリル酸(日本触媒社製、80質量%水溶液)(以下、AAとも称する)30.0部、水酸化ナトリウム(48質量%水溶液)12.14部、架橋性単量体としてポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業社製NKエステルA−400、EO付加モル数9モル)(以下、A−400とも称する)0.021部(AAに対し0.01モル%)、脱イオン水42.2部を250mlポリプロピレン製容器に仕込んだ。(AAと水酸化ナトリウムを混合した後に、A−400と脱イオン水を添加した。)次いで、マグネチックスターラーで撹拌を開始し、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで窒素導入を30ml/分にし、撹拌を継続しながら、開始剤として過硫酸ナトリウムの15質量%水溶液を0.33部(AAとA−400の合計の使用量1モルに対し0.12g)およびL−アスコルビン酸の0.5質量%水溶液を0.04部添加し、重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、90℃で30分間熟成を行い、重合を終了した。得られたゲルを卓上ニーダー(中央理化社製PNV−1H型)で解砕した後に、120℃で2時間乾燥(ヤマト科学社製 精密恒温器 型式DF42 開口度最大、外形サイズ206×267×40H(mm)ステンレスバット1枚使用)を行うことにより、AA系架橋重合体(比較架橋重合体(1))乾燥物を得た。次いで、得られた架橋重合体を粉砕機で粉砕して、粒子状の比較架橋重合体(1)を得た。
得られた比較架橋重合体(1)の平均粒子径を上記の方法で測定すると、293μmであった。
実施例1として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記のシート状吸収性複合体を作成した。
VP架橋重合体(1)24.0g、ポリアクリル酸ナトリウム系高吸水繊維2.4g、ポリエステル系熱融着繊維(表層ポリエチレン)2.4g及びパルプ繊維7.2gをミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上にバッチ型空気抄造装置を用いて空気抄造することにより、120mm×400mmの大きさのウェブ(シート状の繊維、吸収コア)に成形した。さらにこのウェブの表層にポリエチレンパウダーをふりかけ、その上から2枚のレーヨン製不織布(2枚で2.7g)で挟み込み、140℃で5秒間プレスすることにより、坪量が約830g/m2、VP架橋重合体(1)の含有量が500g/m2、VP架橋重合体/吸収基材の質量比が1.5、厚みが5.2mmのシート(本発明の吸収性複合体(1))を得た。
得られた吸収性複合体(1)に対し、下記の評価を行った。結果は表2に示す。
吸収性複合体を温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で50mm×50mmに切断し、正確に質量(W9(g))を測定した。この吸収性複合体をポリプロピレン製の容器に入れ、溶液(脱イオン水の場合は導電率10μS/cm以下)中に室温(温度23±2℃)、常圧で24時間浸漬した。次いで、吸収性複合体の端をピンセットでつかんで引き上げ、吸収性複合体の一面を下にしてキムタオル(日本製紙クレシア株式会社製)の上に乗せて5秒間静置した。次いで、反対の面を下にしてキムタオルの上に乗せて5秒間静置することにより液切りを行った後、上記吸収性複合体の質量(W10(g))を測定した。次式に従って算出した吸液倍率を各種溶液の吸液能力とした。
吸液倍率(g/g)=W10(g)/W9(g)
なお、表層部材と吸収コアが完全に剥がれた場合及び/又はノニオン系架橋重合体が吸収性複合体から50%(質量)以上脱落した場合は、吸液能力測定不可であり、吸液倍率1とした。
吸収性複合体を温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で50mm×50mmに切断した。この吸収性複合体をポリプロピレン製の容器に入れ、脱イオン水(導電率10μS/cm以下)中に室温(温度23±2℃)、常圧で24時間浸漬した後の吸収性複合体の耐久性を評価した。表層部材と吸収コアが完全に剥がれた場合及び/又はノニオン系架橋重合体が吸収性複合体から50%(質量)以上脱落した場合は×、表層部材が吸収コアから完全に剥がれていないが剥がれが20%(面積)以上あった場合及び/又はノニオン系架橋重合が吸収性複合体から20%(質量)以上50%(質量)未満脱落した場合は△、上記以外を○とした。
吸収性複合体を温度23±2℃及び相対湿度50±5%、常圧の室内で150mm×50mmに切断した。この吸収性複合体をステンレスバットに入れ、吸収性複合体の上から脱イオン水(導電率10μS/cm以下)/プロピレングリコール/グリセリンの質量比72/20/8の混合溶液を吸液しきれなくなるまで滴下した。染み込まない場合は5分放置し、再度滴下を続けた。余剰溶液がある状態で、密閉状態で1時間静置した後、余剰溶液を拭き取り、吸収性複合体の質量(W11(g))を測定した。次いで、50mmの一辺が床と平行になるように吊るし、10分間放置した。その後、吸収性複合体の質量(W12(g))を測定した。次式に従って算出した値を溶液保持性とした。
溶液保持性(%)=W12(g)/W11(g)×100
実施例2として製造例3で得られたエチレンオキサイド系架橋重合体(3)を用いて、下記のシート状吸収性複合体を作成した。
エチレンオキサイド系架橋重合体(3)24.0g、ポリアクリル酸ナトリウム系高吸水繊維2.4g、ポリエステル系熱融着繊維(表層ポリエチレン)2.4g及びパルプ繊維7.2gをミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上にバッチ型空気抄造装置を用いて空気抄造することにより、120mm×400mmの大きさのウェブ(シート状の繊維、吸収コア)に成形した。さらにこのウェブの表層にポリエチレンパウダーをふりかけ、その上から2枚のレーヨン製不織布(2枚で2.7g)で挟み込み、140℃で5秒間プレスすることにより、坪量が約830g/m2、エチレンオキサイド系架橋重合体(3)の含有量が500g/m2、エチレンオキサイド系架橋重合体/吸収基材の質量比が1.5、厚みが5.2mmのシート(本発明の吸収性複合体(2))を得た。
実施例3として製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記のシート状吸収性複合体を作成した。
VP架橋重合体(2)26.4g、ポリアクリル酸ナトリウム系高吸水繊維4.8g、ポリエステル系熱融着繊維(表層ポリエチレン)1.7g及びパルプ繊維3.1gをミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上にバッチ型空気抄造装置を用いて空気抄造することにより、120mm×400mmの大きさのウェブ(シート状の繊維、吸収コア)に成形した。さらにこのウェブの表層にポリエチレンパウダーをふりかけ、その上から2枚のレーヨン製不織布(2枚で2.7g)で挟み込み、140℃で5秒間プレスすることにより、坪量が約830g/m2、VP架橋重合体(2)の含有量が550g/m2、VP架橋重合体/吸収基材の質量比が2.0、厚みが5.2mmのシート(本発明の吸収性複合体(3))を得た。
得られた吸収性複合体(3)に対し、実施例1の通り評価を行った。結果は表2に示す。
実施例4として製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記のシート状吸収性複合体を作成した。
VP架橋重合体(2)27.4g、ポリアクリル酸ナトリウム系高吸水繊維2.4g、ポリエステル系熱融着繊維(表層ポリエチレン)2.6g及びポリエステル繊維7.0gをミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上にバッチ型空気抄造装置を用いて空気抄造することにより、120mm×400mmの大きさのウェブ(シート状の繊維、吸収コア)に成形した。さらにこのウェブの表層にポリエチレンパウダーをふりかけ、その上から2枚のレーヨン製不織布(2枚で2.7g)で挟み込み、140℃で5秒間プレスすることにより、坪量が約900g/m2、VP架橋重合体(2)の含有量が570g/m2、VP架橋重合体/吸収基材の質量比が1.7、厚みが5.6mmのシート(本発明の吸収性複合体(4))を得た。
比較例1として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記のシート状吸収性複合体を作成した。
VP架橋重合体(1)7.2g、ポリエステル系熱融着繊維(表層ポリエチレン)1.0g及びポリエステル繊維3.8gをミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上にバッチ型空気抄造装置を用いて空気抄造することにより、120mm×400mmの大きさのウェブ(シート状の繊維、吸収コア)に成形した。さらにこのウェブの表層にポリエチレンパウダーをふりかけ、その上から2枚のレーヨン製不織布(2枚で2.7g)で挟み込み、130℃で5秒間プレスすることにより、坪量が約330g/m2、VP架橋重合体(1)の含有量が150g/m2、VP架橋重合体/吸収基材の質量比が1.0、厚みが1.8mmのシート状の吸収性複合体(5)を得た。
得られた吸収性複合体(5)に対し、実施例1の通り評価を行った。結果は表2に示す。
比較例2として製造例2で得られたVP架橋重合体(2)を用いて、下記のシート状吸収性複合体を作成した。
VP架橋重合体(2)14.4g、ポリエステル系熱融着繊維(表層ポリエチレン)2.4g及びポリエステル繊維4.8g及びパルプ繊維4.8gをミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上にバッチ型空気抄造装置を用いて空気抄造することにより、120mm×400mmの大きさのウェブ(シート状の繊維、吸収コア)に成形した。さらにこのウェブの表層にポリエチレンパウダーをふりかけ、その上から2枚のレーヨン製不織布(2枚で2.7g)で挟み込み、130℃で5秒間プレスすることにより、坪量が約630g/m2、VP架橋重合体(2)の含有量が300g/m2、VP架橋重合体/吸収基材の質量比が1.0、厚みが5.2mmのシート状の吸収性複合体(6)を得た。
得られた吸収性複合体(6)に対し、実施例1と同様の評価を行った。結果は表2に示す。
比較例3として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記のシート状吸収性複合体を作成した。
パルプ・ポリプロピレン系不織布(TRUSCO不織布ロールウエス、材質パルプ・ポリプロピレン)を100mm×50mmの大きさに2枚切り取った。VP架橋重合体(1)0.6gと熱溶融粒子0.6gを1枚の不織布(不織布A)の上に均一に散布した。もう一方の不織布(不織布B)を、VP架橋重合体(1)と熱溶融粒子が散布された不織布Aの上に重ね合わせ、150℃で5秒間圧着することにより、VP架橋重合体(1)の含有量が約120g/m2、VP架橋重合体/吸収基材の質量比が1.0、厚みが1.0mmのシート状の吸収性複合体(7)を得た。
得られた吸収性複合体(7)に対し、実施例1と同様の評価を行った。結果は表2に示す。
得られた吸収性複合体(1)に対し、エチレングリコールの吸液能力評価を行った。評価法は実施例1に記載の通り実施した。評価した結果、エチレングリコールの吸液能力は17(g/g)であった。
実施例6として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記のシート状吸収性複合体を作成した。
VP架橋重合体(1)24.0g、高吸水アクリロニトリル系高吸水繊維(東洋紡績社製ランシール)2.4g、ポリエステル系熱融着繊維(表層ポリエチレン)2.4g及びパルプ繊維7.2gをミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上にバッチ型空気抄造装置を用いて空気抄造することにより、120mm×400mmの大きさのウェブ(シート状の繊維、吸収コア)に成形した。さらにこのウェブの表層にポリエチレンパウダーをふりかけ、その上から2枚のレーヨン製不織布(2枚で2.7g)で挟み込み、140℃で5秒間プレスすることにより、坪量が約830g/m2、VP架橋重合体(1)の含有量が500g/m2、VP架橋重合体/吸収基材の質量比が1.5、厚みが5.2mmのシート(本発明の吸収性複合体(8))を得た。
得られた吸収性複合体(8)に対し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示した。吸収性複合体(8)も実施例1の吸収性複合体(1)と同様の吸液能力、湿潤時耐久性及び溶液保持性を発揮することが明らかとなった。
実施例7として製造例1で得られたVP架橋重合体(1)を用いて、下記のシート状吸収性複合体を作成した。
VP架橋重合体(1)24.0g、ポリアクリル酸ナトリウム系高吸水繊維(帝人ファイバー社製ベルオアシス)2.4g、ポリエステル系熱融着繊維(表層ポリエチレン)2.4g及びパルプ繊維7.2gをミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上にバッチ型空気抄造装置を用いて空気抄造することにより、120mm×400mmの大きさのウェブ(シート状の繊維、吸収コア)に成形した。さらにこのウェブの表層にポリエチレンパウダーをふりかけ、その上から2枚のレーヨン製不織布(2枚で2.7g)で挟み込み、140℃で5秒間プレスすることにより、坪量が約830g/m2、VP架橋重合体(1)の含有量が500g/m2、VP架橋重合体/吸収基材の質量比が1.5、厚みが5.2mmのシート(本発明の吸収性複合体(9))を得た。
得られた吸収性複合体(9)に対し、実施例1と同様の評価を行った。結果を表3に示した。吸収性複合体(9)も実施例1の吸収性複合体(1)と同様の吸液能力、湿潤時耐久性及び溶液保持性を発揮することが明らかとなった。
Claims (8)
- ノニオン系架橋重合体と吸収基材とを含む吸収性複合体であって、
該吸収基材は、表層部材と高吸水性繊維とを含み、
該吸収性複合体は、該ノニオン系架橋重合体及び高吸水性繊維を含む吸収コアが、表層部材で覆われていることを特徴とする吸収性複合体。 - 前記高吸水性繊維は、ポリアクリル酸(塩)系繊維、高吸水アクリロニトリル系繊維、ポリエステル系繊維にアクリル酸やメタクリル酸をグラフト重合した繊維、イソブチレン/無水マレイン酸共重合系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維及びポリアルキレングリコール系繊維からなる群より選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の吸収性複合体。
- 前記吸収基材は、更に溶融温度が70〜200℃である熱融着繊維を含み、
該熱融着繊維は、前記吸収コアに含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸収性複合体。 - 前記吸収基材は、更に高吸水性繊維及び熱融着繊維以外のその他の繊維を含み、
該その他の繊維は、前記吸収コアに含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸収性複合体。 - 前記ノニオン系架橋重合体は、アミド系単量体及び/又は(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の構造単位を有するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の吸収性複合体。
- 前記その他の繊維は、親水性繊維を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の吸収性複合体。
- 前記親水性繊維は、セルロース系繊維、ポリアミド系繊維、動物繊維及び表層を親水化した疎水性の繊維からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の吸収性複合体。
- 前記表層部材は、シート状又は袋状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の吸収性複合体。
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