JP2019111462A - 凝集粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には、混合液中に含まれる粗大凝集粒子に起因する粗大トナーが少なく、粒度分布が狭いトナーを得ることができる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することを課題として、少なくとも樹脂微粒子と着色剤微粒子とを含む混合液中で、少なくとも前記樹脂微粒子と前記着色剤微粒子とを含む凝集粒子を形成した後、前記凝集粒子を加熱して融合する静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記混合液に、2価以上の電荷を有する金属を含む凝集剤を添加した後、回転体を最大周速が25m/s以上となるように回転させてせん断力を付与する、静電荷像現像用トナーの製造方法が開示されている。
〔1〕(1)樹脂粒子Xの水系分散液と凝集剤とを混合撹拌して、体積中位粒径が目標値に到達するまで凝集粒子を凝集成長させるステップ、及び(2)上記ステップ(1)で凝集成長させた凝集粒子の体積中位粒径が目標値に到達したときに単位質量あたりの撹拌動力を増加するステップ、を有する、凝集粒子の製造方法。
〔2〕(1)樹脂粒子Xの水系分散液と凝集剤とを混合撹拌して、体積中位粒径が目標値に到達するまで凝集粒子を凝集成長させるステップ、及び(2)上記ステップ(1)で凝集成長させた凝集粒子の体積中位粒径が目標値に到達したときに単位質量あたりの撹拌動力を増加するステップ、を有する、凝集粒子の製造における凝集粒子粒径の制御方法。
本発明の方法は、乳化凝集による凝集粒子の製造に適用することができ、好ましくはトナーの製造に適用することができる。
とりわけ、電子写真用トナー粒子は0.1μm単位の精密な粒径制御が求められており、本発明の方法によって目標値の粒径と得られる凝集粒子の粒径との乖離を特別な手段や剤を用いずに抑制することができ、時間も短縮できる。また、製造でのトラブル等により想定以上に凝集粒子の粒径が成長した場合でも、即座に凝集粒子の粒径の成長を制御することができる。更に、経験が乏しい樹脂組成での凝集工程においては予め成長速度を考慮して撹拌動力を決定することが困難なため、凝集粒子の粒径の成長を制御することができる本発明の方法は有用である。
ステップ(1)は、樹脂粒子Xの水系分散液と凝集剤とを混合撹拌して、体積中位粒径が目標値に到達するまで凝集粒子を凝集成長させるステップである。
本発明において、「水系分散液」の「水系」とは、有機溶剤等の溶剤を含有していてもよいことを意味するが、作業容易性向上の観点から、水を好ましくは50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは99質量%以上含有するものをいう。
樹脂粒子Xを構成する樹脂は、水系分散液を構成し得るものであれば特に限定されないが、トナーの低温定着性及び帯電性の観点から、好ましくはポリエステル樹脂である。ポリエステル樹脂は、非晶性樹脂であっても、結晶性樹脂であっても、非晶性樹脂と結晶性樹脂との混合樹脂であってもよい。
非晶性樹脂Aは、印刷物の画像濃度及び耐ホットオフセット性を示すトナーを得る観点から、水酸基又はカルボキシ基を有する炭化水素ワックスW1由来の構成成分及びポリエステル樹脂セグメントを有することが好ましい。非晶性樹脂Aは、例えば、水酸基又はカルボキシ基を有する炭化水素ワックスW1の存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合することで得られる樹脂が好ましい。
非晶性樹脂Aは、トナーの印刷物の画像濃度及び耐ホットオフセット性をより向上させる観点から、水酸基又はカルボキシ基を有する炭化水素ワックスW1由来の構成成分、ポリエステル樹脂セグメント、及び付加重合系樹脂セグメントを有することが好ましい。
「炭化水素ワックスW1由来の構成成分」とは、水酸基又はカルボキシ基が反応し、ポリエステル樹脂セグメントと共有結合した炭化水素ワックスW1を意味する。
炭化水素ワックスW1は、例えば、未変性の炭化水素ワックスを公知の方法で変性させて得られる。炭化水素ワックスW1の原料としては、例えば、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスが挙げられる。これらの中でも、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスが好ましい。
炭化水素ワックスW1の原料となるパラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの市販品としては、例えば、「HNP−11」、「HNP−9」、「HNP−10」、「FT−0070」、「HNP−51」、「FNP−0090」(以上、日本精蝋株式会社製)が挙げられる。
水酸基を有する炭化水素ワックスの市販品としては、例えば、「ユニリン700」、「ユニリン425」、「ユニリン550」(以上、ベーカー・ペトロライト社製)等が挙げられる。
酸変性炭化水素ワックスは、例えば、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素ワックスに、酸変性により、カルボキシ基を導入することで得られる。酸変性の方法としては、例えば、特開2006−328388号公報、特開2007−84787号公報に記載の方法が挙げられる。具体的には、原料の炭化水素ワックスの溶融物に、反応開始剤として、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物と、不飽和結合を有するカルボン酸化合物を添加して反応させることで、カルボキシ基を導入することができる。
カルボキシ基を有する炭化水素ワックスの市販品としては、例えば、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体「ハイワックス1105A」(三井化学株式会社製)が挙げられる。
水酸基及びカルボキシ基を有する炭化水素ワックスの市販品としては、例えば、「パラコール6420」、「パラコール6470」、「パラコール6490」(以上、日本精蝋株式会社製)が挙げられる。
炭化水素ワックスW1の水酸基価、酸価、数平均分子量の測定方法は、実施例に記載の方法による。
ポリエステル樹脂セグメントは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物であるポリエステル樹脂からなるセグメントである。
アルコール成分としては、例えば、芳香族ジオール、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール、脂環式ジオール、3価以上の多価アルコールが挙げられる。これらの中でも、芳香族ジオールが好ましい。
芳香族ジオールは、好ましくはビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物であり、より好ましくは式(I):
(式中、R1O及びOR2はオキシアルキレン基であり、R1及びR2はそれぞれ独立にエチレン又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の値は、1以上、好ましくは1.5以上であり、16以下、好ましくは8以下、より好ましくは4以下である)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物である。
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ビスフェノールA〔2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〕のポリオキシプロピレン付加物、ビスフェノールAのポリオキシエチレン付加物が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上であり、そして、100モル%以下であり、更に好ましくは100モル%である。
脂環式ジオールとしては、例えば、水素添加ビスフェノールA〔2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン〕、水素添加ビスフェノールAの炭素数2以上4以下のアルキレンオキサイド(平均付加モル数2以上12以下)付加物が挙げられる。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールが挙げられる。
これらのアルコール成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ジカルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸、直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸が挙げられる。これらの中でも、芳香族ジカルボン酸、及び、直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が挙げられる。これらの中でも、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。
芳香族ジカルボン酸の量は、カルボン酸成分中、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上、更に好ましくは40モル%以上であり、そして、好ましくは95モル%以下、より好ましくは90モル%以下、更に好ましくは80モル%以下である。
直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アゼライン酸、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸が挙げられる。炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸としては、例えば、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸が挙げられる。これらの中でも、フマル酸、炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸が好ましく、フマル酸がより好ましい。
直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸の量は、カルボン酸成分中、好ましくは1モル%以上、より好ましくは2モル%以上、更に好ましくは3モル%以上であり、そして、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、更に好ましくは10モル%以下である。
3価以上の多価カルボン酸を含む場合、3価以上の多価カルボン酸の量は、カルボン酸成分中、好ましくは3モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは10モル%以上であり、そして、好ましくは30モル%以下、より好ましくは25モル%以下、更に好ましくは20モル%以下である。
これらのカルボン酸成分は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
付加重合系樹脂セグメントは、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、スチレン系化合物を含む原料モノマーの付加重合物であることが好ましい。
スチレン系化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、スチレンスルホン酸又はその塩が挙げられる。これらの中でもスチレンが好ましい。
付加重合系樹脂セグメントの原料ビニルモノマー中、スチレン系化合物の含有量は、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは87質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
(メタ)アクリル酸アルキルにおけるアルキル基の炭素数は、印刷物の画像濃度をより向上させる観点、及び耐ホットオフセット性をより向上させる観点から、好ましくは1以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは10以上であり、そして、好ましくは24以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは20以下である。
(メタ)アクリル酸アルキルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸(イソ)プロピル、(メタ)アクリル酸(イソ又はターシャリー)ブチル、(メタ)アクリル酸(イソ)アミル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸(イソ)オクチル、(メタ)アクリル酸(イソ)デシル、(メタ)アクリル酸(イソ)ドデシル、(メタ)アクリル酸(イソ)パルミチル、(メタ)アクリル酸(イソ)ステアリル、(メタ)アクリル酸(イソ)ベヘニルが挙げられる。これらの中でも、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリルが好ましく、メタクリル酸ステアリルがより好ましい。
なお、「(イソ又はターシャリー)」とは、ノルマル、イソ又はターシャリー、「(イソ)」とは、ノルマル又はイソを意味する。「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種を意味する。
付加重合系樹脂セグメントの原料モノマー中、スチレン系化合物及び(メタ)アクリル酸エステルの合計含有量は、印刷物の画像濃度をより向上させる観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、そして、100質量%以下であり、そして、更に好ましくは100質量%である。
両反応性モノマーとしては、例えば、分子内に、水酸基、カルボキシ基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する付加重合性モノマーが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、水酸基又はカルボキシ基を有する付加重合性モノマーが好ましく、カルボキシ基を有する付加重合性モノマーがより好ましい。
両反応性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。これらの中でも、重縮合反応と付加重合反応の双方の反応性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
両反応性モノマー由来の構成単位の量は、非晶性樹脂Aのポリエステル樹脂セグメントのアルコール成分100モル部に対して、好ましくは1モル部以上、より好ましくは5モル部以上、更に好ましくは8モル部以上であり、そして、好ましくは30モル部以下、より好ましくは25モル部以下、更に好ましくは20モル部以下である。
非晶性樹脂Aは、例えば、水酸基又はカルボキシ基を有する炭化水素ワックスW1の存在下、アルコール成分及びカルボン酸成分の重縮合により得られる。
必要に応じて、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫(II)、酸化ジブチル錫、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のエステル化触媒をアルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対し0.01質量部以上5質量部以下;没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸と同じ。)等のエステル化助触媒をアルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対し0.001質量部以上0.5質量部以下用いて重縮合してもよい。
重縮合反応の温度は、好ましくは120℃以上、より好ましくは160℃以上、更に好ましくは180℃以上であり、そして、好ましくは250℃以下、より好ましくは230℃以下である。なお、重縮合は、不活性ガス雰囲気中にて行ってもよい。
工程Aの後に工程Bを行ってもよいし、工程Bの後に工程Aを行ってもよく、工程Aと工程Bを同時に行ってもよい。
工程Aにおいて、カルボン酸成分の一部を重縮合反応に供し、次いで工程Bを実施した後に、再度反応温度を上昇させ、多価カルボン酸成分の残部を重合系に添加し、工程Aの重縮合反応及び必要に応じて両反応性モノマーとの反応を更に進める方法がより好ましい。
付加重合反応のラジカル重合開始剤としては、例えば、ジブチルパーオキサイド等の過酸化物、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、原料モノマー100質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下である。
付加重合反応の温度は、好ましくは110℃以上、より好ましくは130℃以上であり、そして、好ましくは220℃以下、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは180℃以下である。
付加重合反応には、必要に応じてアルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上0.5質量部以下のラジカル重合禁止剤を用いてもよい。ラジカル重合禁止剤としては、4−tert−ブチルカテコール等が挙げられる。
非晶性樹脂Aの軟化点は、印刷物の画像濃度をより向上させる観点、及び耐ホットオフセット性をより向上させる観点から、好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上、更に好ましくは100℃以上、更に好ましくは110℃以上であり、そして、好ましくは140℃以下、より好ましくは135℃以下、更に好ましくは130℃以下である。
なお、非晶性樹脂Aを2種以上混合して使用する場合は、それらの混合物として得られた軟化点、ガラス転移温度及び酸価の値がそれぞれ前述の範囲内であることが好ましい。
結晶性樹脂Bとしては、例えば、結晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。結晶性ポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物である。
結晶性樹脂Bの軟化点は、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、そして、印刷物の画像濃度及び耐ホットオフセット性を向上させる観点から、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは100℃以下である。
なお、結晶性樹脂Bを2種以上混合して使用する場合は、それらの混合物として得られた軟化点、融点、及び酸価の値がそれぞれ前記範囲内であることが好ましい。
樹脂粒子Xは、ワックスDを含有していてもよい。
ワックスDとしては、例えば、炭化水素ワックス、エステルワックス、シリコーンワックス、脂肪酸アミドが挙げられる。
炭化水素ワックスとしては、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックスが挙げられる。
エステルワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、モンタンワックス又はそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックスが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
ワックス粒子の製造方法は、例えば、ワックスと水性媒体とを、界面活性剤等の存在下、ワックスの融点以上の温度で、分散機を用いて分散する方法、ワックスと、樹脂粒子Zと、水性媒体とを、ワックスの融点以上の温度で、分散機を用いて分散する方法が挙げられる。これらの中でも後者の方法が好ましい。ワックスと樹脂粒子Zを用いてワックス粒子を調製することで、樹脂粒子Zによりワックス粒子が安定化され、界面活性剤を使用しなくてもワックスを水性媒体中に分散させることが可能となる。ワックス粒子の分散液中では、ワックス粒子の表面に樹脂粒子Zが多数付着した構造を有していると考えられる。
超音波分散機としては、例えば超音波ホモジナイザーが挙げられる。その市販品としては、例えば、「US−150T」、「US−300T」、「US−600T」(株式会社日本精機製作所製)、「SONIFIER(登録商標)4020−400」、「SONIFIER(登録商標)4020−800」(ブランソン社製)が挙げられる。
高圧分散機の市販品としては、例えば、高圧湿式微粒化装置「ナノマイザー(登録商標)NM2−L200−D08」(吉田機械興業株式会社製)が挙げられる。
複合樹脂のポリエステル樹脂セグメント、付加重合系樹脂セグメントとしては、前述の非晶性樹脂Aでの例示と同様である。
複合樹脂の軟化点は、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上であり、そして、好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは100℃以下である。
複合樹脂のその他の樹脂特性の好適範囲、樹脂を構成する原料モノマーの好適例等は、非晶性樹脂Aで示した例と同様である。樹脂粒子Zの分散液は、例えば、前述の転相乳化法により得ることができる。
ワックス粒子の体積中位粒径(D50)及びCV値は、具体的には、実施例に記載の方法で求められる。
樹脂粒子Xは、着色剤を含有していてもよい。なお、着色剤は、樹脂粒子Xとは別に着色剤粒子として混合することもできる。
着色剤としては、顔料及び染料が挙げられ、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、顔料が好ましい。顔料としては、シアン顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、黒色顔料が挙げられる。シアン顔料は、フタロシアニン顔料が好ましく、銅フタロシアニンがより好ましい。イエロー顔料は、モノアゾ顔料、イソインドリン顔料、ベンズイミダゾロン顔料が好ましい。マゼンタ顔料は、キナクリドン顔料、BONAレーキ顔料等の溶性アゾ顔料、ナフトールAS顔料等の不溶性アゾ顔料が好ましい。黒色顔料は、カーボンブラックが好ましい。染料としては、アクリジン染料、アゾ染料、ベンゾキノン染料、アジン染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、フタロシアニン染料、アニリンブラック染料等が挙げられる。着色剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤粒子の製造方法は、例えば、着色剤と水性媒体とを、界面活性剤等の存在下、分散機を用いて分散する方法が挙げられる。分散機としては、例えば、前述のホモジナイザー、超音波分散機が挙げられる。水性媒体の好ましい態様は、樹脂粒子Xの水系分散液に用いられる水性媒体と同様である。
分散機としては、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機が挙げられる。好適な分散機の市販品としては、例えば、ホモミキサー「T.K.AGI HOMOMIXER 2M−03」(特殊機化工業株式会社製)、高圧ホモジナイザー「Microfluidizer M−110EH」(Microfluidics社製)、超音波ホモジナイザー「US−600T」(株式会社日本精機製作所製)が挙げられる。
着色剤粒子の体積中位粒径(D50)及びCV値は、具体的には、実施例に記載の方法で求められる。
樹脂粒子Xの水系分散液は、公知の方法を用いて製造することができるが、転相乳化法により製造することが好ましい。転相乳化法としては、例えば、樹脂の有機溶媒溶液又は溶融した樹脂に水性媒体を添加して転相乳化する方法が挙げられる。樹脂粒子Xは、ワックス、着色剤等の任意成分を含有していてもよい。
有機溶媒溶液には、塩基性物質等の中和剤を添加することが好ましい。塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;アンモニア、トリメチルアミン、ジエタノールアミン等の含窒素塩基性物質が挙げられる。
樹脂の酸基に対する中和剤の使用当量(モル%)は、好ましくは10モル%以上、より好ましくは30モル%以上であり、そして、好ましくは150モル%以下、より好ましくは120モル%以下、更に好ましくは100モル%以下である。
なお、中和剤の使用当量(モル%)は、下記式によって求めることができる。なお、中和剤の使用当量は、100モル%以下の場合、中和度と同義である。
中和剤の使用当量(モル%)=〔{中和剤の添加質量(g)/中和剤の当量}/[{樹脂粒子Xを構成する樹脂の加重平均酸価(mgKOH/g)×樹脂粒子Xを構成する樹脂の質量(g)}/(56×1000)]〕×100
樹脂粒子Xの粒径分布の変動係数(以下、単に「CV値」ともいう)(%)は、樹脂粒子Xの分散液の生産性を向上させる観点から、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、更に好ましくは15%以上であり、そして、高画質の画像が得られるトナーを得る観点から、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは35%以下である。
体積中位粒径(D50)及びCV値は、後述の実施例に記載の方法で求められる。
凝集剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン等の有機系凝集剤;硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等の無機金属塩;硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等の無機アンモニウム塩;2価以上の金属錯体等の無機系凝集剤が挙げられる。凝集性を向上させ均一な凝集粒子を得る観点から、1価以上5価以下の無機系凝集剤が好ましく、1価以上2価以下の無機金属塩、無機アンモニウム塩がより好ましく、無機アンモニウム塩が更に好ましく、硫酸アンモニウムがより更に好ましい。
樹脂粒子Xの水系分散液、その他必要に応じて、ワックスD粒子の分散液、及び着色剤粒子の分散液、界面活性剤等の任意成分を水性媒体中で混合撹拌して、混合分散液を得ることが好ましい。ここで混合撹拌とは、樹脂粒子Xの水系分散液と凝集剤とを混合、好ましくは樹脂粒子Xの水系分散液に凝集剤を添加した後、撹拌してもよく、樹脂粒子Xの水系分散液を撹拌しながら、凝集剤を添加した後、更に撹拌してもよい。
撹拌手段としては、特に限定されず、プロペラ型、パドル型、フラットパドル型、ディスク付きタービン型、コーン型、リボンスクリュー型、アンカー型等の撹拌翼を用いることができる。
撹拌動力の増加は、1回であってもよいが、複数回行ってもよい。その際、少なくとも1回が得られる凝集粒子の体積中位粒径の80%以上、好ましくは90%以上の体積中位粒径に達した時に、撹拌動力を増加させていればよい。
また、凝集工程の後に融着工程を行って電子写真用トナー粒子にすることがあるが、凝集粒子と電子写真用トナー粒子との粒径にほとんど差がないことから、得られる凝集粒子の体積中位粒径を電子写真用トナー粒子の体積中位粒径とみなしてもよい。
本発明の製造方法が、コアシェル粒子のコア部を作成する際に用いられる場合は、コア部の凝集粒子の体積中位粒径は、シェル部の樹脂を添加する前の粒子の体積中位粒径とみなす。
ステップ(2)は、上記ステップ(1)で凝集成長させた凝集粒子の体積中位粒径が目標値に到達したときに単位重量あたりの撹拌動力(以下、単に「撹拌動力」ともいう)を増加するステップである。
=〔撹拌所要動力P(W)〕/〔処理液質量W(kg)〕 (i)
前記式(i)中、撹拌所要動力P(W)は下記の実験式1で算出する。
撹拌所要動力P(W)=Np×n3×d5×ρ (実験式1)
Np:動力数(例えば、傾斜パドル翼の場合、実験式2で算出。)
n:撹拌回転数(−/秒)
d:撹拌翼の直径(m)
ρ:処理液の密度(kg/m3)として、1.00を用いる。
A:14+(b/D)×{670(d/D−0.6)2+185}
b:撹拌翼の幅(m)
D:撹拌槽の内径(m)
Re:ρ×n×d2/μ
μ:処理液の粘度(Pa・s)として、0.001を用いる。
B:10{1.3-4(b/D-0.5)×1.14(d/D)}
p:1.1+4(b/D)−2.5(d/D−0.5)2−7(b/D)4
Z:撹拌槽内の内容物の高さ(m)
θ:撹拌翼の傾斜角度(rad)
また、用いる撹拌装置により、撹拌動力(W)が表示される場合は、表示された撹拌動力(W)から単位質量あたりの撹拌動力Pv(W/kg)を求めてもよい。
〔樹脂、ワックスの酸価及び水酸基価〕
樹脂の酸価は、JIS K 0070:1992に記載の中和滴定法に従って測定した。ただし、測定溶媒をクロロホルムとした。
(1)軟化点
フローテスター「CFT−500D」(株式会社島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
示差走査熱量計「Q100」(ティー エイ インスツルメント ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.02gをアルミパンに計量し、室温(20℃)から降温速度10℃/minで0℃まで冷却した。次いで試料をそのまま1分間静止させ、その後、昇温速度10℃/minで180℃まで昇温し熱量を測定した。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を吸熱の最大ピーク温度(1)として、(軟化点(℃))/(吸熱の最大ピーク温度(1)(℃))により、結晶性指数を求めた。
示差走査熱量計「Q100」(ティー エイ インスツルメント ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却した。次いで、試料を昇温速度10℃/minで昇温し、熱量を測定した。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を吸熱の最大ピーク温度(2)とした。結晶性樹脂の場合には、該ピーク温度を融点とした。
また、非晶性樹脂の場合に、ピークが観測される時はそのピークの温度を、ピークが観測されずに段差が観測される時は該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の低温側のベースラインの延長線との交点の温度をガラス転移温度とした。
示差走査熱量計「Q100」(ティー エイ インスツルメント ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温した後、200℃から降温速度10℃/minで0℃まで冷却した。次いで、試料を昇温速度10℃/minで昇温し、熱量を測定し、吸熱の最大ピーク温度を融点とした。
以下に示すゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により数平均分子量(Mn)を測定した。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mLになるように、試料をクロロホルムに25℃で溶解させ、次いで、この溶液をポアサイズ0.2μmのフッ素樹脂フィルター「DISMIC,25JP」(ADVANTEC社製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とした。
(2)測定
以下の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてクロロホルムを、1mL/minの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させ、そこに前記試料溶液100μLを注入して分子量を測定した。試料の分子量(重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn)は、数種類の単分散ポリスチレン「TSKgel標準ポリスチレン」のタイプ名(Mw):「A−500(5.0×102)」、「A−1000(1.01×103)」、「A−2500(2.63×103)」、「A−5000(5.97×103)」、「F−1(1.02×104)」、「F−2(1.81×104)」、「F−4(3.97×104)」、「F−10(9.64×104)」、「F−20(1.90×105)」、「F−40(4.27×105)」、「F−80(7.06×105)」、「F−128(1.09×106)」(以上、東ソー株式会社製)を標準試料として、予め作成した検量線に基づき算出した。
・測定装置:「HLC−8220GPC」(東ソー株式会社製)
・分析カラム:「GMHXL」及び「G3000HXL」(以上東ソー株式会社製)
(1)測定装置:レーザー回折型粒径測定機「LA−920」(株式会社堀場製作所製)
(2)測定条件:測定用セルに蒸留水を加え、吸光度が適正範囲になる濃度で体積中位粒径(D50)及び体積平均粒径を測定した。また、CV値は次の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積平均粒径)×100
赤外線水分計「FD−230」(株式会社ケツト科学研究所製)を用いて、測定試料5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5分、水分量の変動幅0.05%)にて、水分(質量%)を測定した。固形分濃度は次の式に従って算出した。
固形分濃度(質量%)=100−水分(質量%)
(1)測定装置:「コールターマルチサイザー(登録商標)III」(ベックマンコールター株式会社製)
(2)解析ソフト:「マルチサイザー(登録商標)IIIバージョン3.51」(ベックマンコールター株式会社製)
(3)測定条件:
・電解液:「アイソトン(登録商標)II」(ベックマンコールター株式会社製)
・アパチャー径:50μm
試料分散液を上記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、改めて3万個の粒子を測定し、その粒径分布から体積中位粒径(D50)を求めた。
製造例A1(非晶性樹脂A−1の製造)
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した内容積10Lの四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ビスフェノールAのポリオキシプロピレン(2.2)付加物3268g、テレフタル酸1085g、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫(II)30g、及び3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸3g、及び炭化水素ワックスW1「パラコール6490」(日本精蝋株式会社製)394gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、235℃に昇温し、235℃で8時間保持した後、フラスコ内の圧力を下げ、8kPaにて1時間保持した。その後、大気圧に戻した後、155℃まで冷却し、155℃に保持した状態で、スチレン2138g、メタクリル酸ステアリル534g、アクリル酸108g、及びジブチルパーオキサイド321gの混合物を3時間かけて滴下した。その後、30分間155℃に保持した後、200℃まで昇温し、更にフラスコ内の圧力を下げ、8kPaにて1時間保持した。その後、大気圧に戻した後、190℃まで冷却し、フマル酸70g、トリメリット酸無水物269g、及び4−tert−ブチルカテコール2.5gを加え、210℃まで10℃/hrで昇温し、その後、8kPaにて所望の軟化点まで反応を行って、非晶性樹脂A−1を得た。物性を表1に示す。
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した内容積10Lの四つ口フラスコの内部を窒素置換し、ビスフェノールAのポリオキシプロピレン(2.2)付加物4313g、テレフタル酸818g、コハク酸727g、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫(II)30g、及び3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸3.0gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、235℃に昇温し、235℃で5時間保持した後、フラスコ内の圧力を下げ、8kPaにて1時間保持した。その後、大気圧に戻した後、160℃まで冷却し、160℃に保持した状態で、スチレン2756g、メタクリル酸ステアリル689g、アクリル酸142g、及びジブチルパーオキサイド413gの混合物を1時間かけて滴下した。その後、30分間160℃に保持した後、200℃まで昇温し、更にフラスコ内の圧力を下げ、8kPaにて所望の軟化点まで反応を行って、非晶性樹脂A−2を得た。物性を表1に示す。
窒素導入管、脱水管、撹拌機、及び熱電対を装備した内容積10Lの四つ口フラスコの内部を窒素置換し、1,10−デカンジオール3416g及びセバシン酸4084gを入れ、撹拌しながら、135℃に昇温し、135℃で3時間保持した後、135℃から200℃まで10時間かけて昇温した。その後、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫(II)23gを加え、更に200℃にて1時間保持した後、フラスコ内の圧力を下げ、8kPaの減圧下にて1時間保持し、結晶性樹脂B−1を得た。物性を表2に示す。
製造例X1(樹脂粒子分散液X−1の製造)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた内容積3Lの容器に、非晶性樹脂A−1を210g、結晶性樹脂B−1を90g、及びメチルエチルケトン300gと脱イオン水49gを入れ、73℃にて2時間かけて樹脂を溶解させた。得られた溶液に、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を、樹脂の酸価に対して中和度50モル%になるように添加して、30分撹拌した。
次いで、73℃に保持したまま、200r/min(周速度63m/min)で撹拌しながら、脱イオン水600gを60分かけて添加し、転相乳化した。継続して73℃に保持したまま、メチルエチルケトンを減圧下で留去し水系分散液を得た。その後、280r/min(周速度88m/min)で撹拌を行いながら水系分散液を30℃に冷却した後、固形分濃度が20質量%になるように脱イオン水を加えることにより、樹脂粒子分散液X−1を得た。得られた樹脂粒子の体積中位粒径(D50)及びCV値を表3に示す。
(樹脂粒子分散液Z−1の製造)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた内容積3Lの容器に、非晶性樹脂A−2を200g及びメチルエチルケトン200gを入れ、73℃にて2時間かけて樹脂を溶解させた。得られた溶液に、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を、非晶性樹脂A−2の酸価に対して中和度60モル%になるように添加して、30分撹拌した。
次いで、73℃に保持したまま、280r/min(周速度88m/min)で撹拌しながら、脱イオン水700gを50分かけて添加し、転相乳化した。継続して73℃に保持したまま、メチルエチルケトンを減圧下で留去し水系分散液を得た。その後、280r/min(周速度88m/min)で撹拌を行いながら水系分散液を30℃に冷却した後、固形分濃度が20質量%になるように脱イオン水を加えることにより、樹脂粒子分散液Z−1を得た。得られた樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は0.09μm、CV値は23%であった。
製造例D11(ワックス粒子分散液D1−1の製造)
内容積1Lのビーカーに、脱イオン水120g、樹脂粒子分散液Z−1 86g、及びパラフィンワックス「HNP−9」(日本精鑞株式会社製、融点75℃)40gを添加し、90〜95℃に温度を保持して溶融させ、撹拌し、溶融混合物を得た。
得られた溶融混合物を更に90〜95℃に温度を保持しながら、超音波ホモジナイザー「US−600T」(株式会社日本精機製作所製)を用いて、40分間分散処理した後に室温(20℃)まで冷却した。脱イオン水を加え、固形分濃度を20質量%に調整し、ワックス粒子分散液D1−1を得た。分散液中のワックス粒子の体積中位粒径D50及びCV値を表4に示す。
製造例C1(着色剤粒子分散液C−1の製造)
内容積1Lのビーカーに、シアン顔料「ECB−301」(大日精化工業株式会社製、銅フタロシアニン顔料)100g、ポリオキシエチレン(13)ジスチレン化フェニルエーテル「エマルゲンA−60」(花王株式会社製、ノニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンの平均付加モル数は13)35g、及び脱イオン水300gを混合し、ホモミキサー「T.K.AGI HOMOMIXER 2M−03」(特殊機化工業株式会社製)を用いて室温下で撹拌翼の回転速度8000rpmで1時間分散させた後、「Microfluidizer M−110EH」(Microfluidics社製)を用いて150MPaの圧力で15PASS処理した後、200メッシュのフィルターを通し、固形分濃度が24質量%になるように脱イオン水を加えることにより着色剤粒子分散液C−1を得た。得られた着色剤粒子の体積中位粒径(D50)は0.18μm、CV値は25%であった。
Np:35.83(−)(傾斜パドル翼の動力数。上述した実験式2で算出)
n:2.67(−/秒)(撹拌回転数。160r/minの場合)
d:0.077(m)(撹拌翼の最大直径)
ρ:1.00(kg/m3)(処理液の密度。水と同じと仮定)
μ:0.001(Pa・s)(処理液の粘度。水と同じと仮定)
A:41.50(−)
b:0.022(m)(撹拌翼の最大幅)
D:0.153(m)(撹拌槽の最大内径)
Re:15810.67(−)
B:131.06(−)
p:1.67(−)
Z:0.083(m)(撹拌槽内の内容物の高さ)
θ:π/4(rad)(撹拌翼の傾斜角度)
(コアシェル粒子のコア粒子製造)
撹拌装置及び熱電対を装備した内容積3リットルの球底円筒槽(内径0.153m)、45°傾斜パドル翼(翼径0.077m)に、樹脂粒子分散液X−1 260g、ワックス粒子分散液D1−1 103g、着色剤粒子分散液C−1 52g、エマルゲン150(花王株式会社製)の10質量%水溶液9g、ネオペレックスG−15(花王株式会社製)12g、及び脱イオン水200gを温度25℃下、撹拌回転数83r/minで5分間混合した。次に、該混合物を撹拌しながら、硫酸アンモニウム32gを脱イオン水458gに溶解した水溶液を25℃で5分かけて滴下した後、撹拌回転数160r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.13W/kg)に増加し、62℃まで2時間かけて昇温し、凝集粒子(1)の分散液を調製した。凝集粒子(1)の体積中位粒径が4.3μmになるまで、62℃で保持した。次に、撹拌回転数183r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.64W/kg)に増加し、20分間後のコア粒子の体積中位粒径を測定した。
実施例1と同様にして、凝集粒子(1)の分散液を調製した。凝集粒子(1)の体積中位粒径が4.0μmになるまで、62℃で保持した。次に、撹拌回転数160r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.13W/kg)に保持したまま、20分間後のコア粒子の体積中位粒径を測定した。
硫酸アンモニウム35gを脱イオン水504gに溶解した水溶液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、凝集粒子(1)の分散液を調製した(撹拌回転数160r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.10W/kg))。凝集粒子(1)の体積中位粒径が5.1μmになるまで、62℃で保持した。次に、撹拌回転数183r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.59W/kg)に増加し、20分間後のコア粒子の体積中位粒径を測定した。
実施例2−1と同様にして、凝集粒子(1)の分散液を調製した。凝集粒子(1)の体積中位粒径が5.2μmになるまで、62℃で保持した。次に、撹拌回転数195r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.90W/kg)に増加し、20分間後のコア粒子の体積中位粒径を測定した。
実施例2−1と同様にして、凝集粒子(1)の分散液を調製した。凝集粒子(1)の体積中位粒径が5.0μmになるまで、62℃で保持した。次に、撹拌回転数160r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.10W/kg)に保持したまま、20分間後のコア粒子の体積中位粒径を測定した。
硫酸アンモニウム37gを脱イオン水527gに溶解した水溶液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、凝集粒子(1)の分散液を調製した(撹拌回転数160r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.09W/kg))。凝集粒子(1)の体積中位粒径が5.0μmになるまで、62℃で保持した。次に、撹拌回転数183r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.58W/kg)に増加し、20分間後のコア粒子の体積中位粒径を測定した。
実施例3−1と同様にして、凝集粒子(1)の分散液を調製した。凝集粒子(1)の体積中位粒径が5.0μmになるまで、62℃で保持した。次に、撹拌回転数160r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.09W/kg)に保持したまま、20分間後のコア粒子の体積中位粒径を測定した。
硫酸アンモニウム38gを脱イオン水550gに溶解した水溶液に変更したこと以外は実施例1と同様にして、凝集粒子(1)の分散液を調製した(撹拌回転数160r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.08W/kg))。凝集粒子(1)の体積中位粒径が5.4μmになるまで、62℃で保持した。次に、撹拌回転数183r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.56W/kg)に増加し、20分間後のコア粒子の体積中位粒径を測定した。
実施例4−1と同様にして、凝集粒子(1)の分散液を調製した。凝集粒子(1)の体積中位粒径が5.5μmになるまで、62℃で保持した。次に、撹拌回転数195r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.85W/kg)に増加し、20分間後のコア粒子の体積中位粒径を測定した。
実施例4−1と同様にして、凝集粒子(1)の分散液を調製した。凝集粒子(1)の体積中位粒径が5.3μmになるまで、62℃で保持した。次に、撹拌回転数160r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.08W/kg)に保持したまま、20分間後のコア粒子の体積中位粒径を測定した。
実施例4−1と同様にして、凝集粒子(1)の分散液を調製した(撹拌回転数160r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.08W/kg))。凝集粒子(1)の体積中位粒径が5.9μmになるまで、62℃で保持した。次に、撹拌回転数183r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.56W/kg)に増加し、20分間後のコア粒子の体積中位粒径を測定した。
実施例4−1と同様にして、凝集粒子(1)の分散液を調製した。凝集粒子(1)の体積中位粒径が6.1μmになるまで、62℃で保持した。次に、撹拌回転数160r/min(単位質量あたりの撹拌動力は1.08W/kg)に保持したまま、20分間後のコア粒子の体積中位粒径を測定した。
反応系内に粒径を測定する手段を設置することにより、凝集粒子の体積中位粒径が目標値に到達しているかをオンラインで測定する場合には、実施例と比較例との間で厳密に目標値を合わせることができるため、目標値からの変動をより明確に示すことができると考える。
Claims (10)
- (1)樹脂粒子Xの水系分散液と凝集剤とを混合撹拌して、体積中位粒径が目標値に到達するまで凝集粒子を凝集成長させるステップ、及び
(2)上記ステップ(1)で凝集成長させた凝集粒子の体積中位粒径が目標値に到達したときに単位質量あたりの撹拌動力を増加するステップ、
を有する、凝集粒子の製造方法。 - ステップ(2)において、単位質量あたりの撹拌動力の増加前後における単位質量あたりの撹拌動力の比(増加後/増加前)が1.1倍以上である、請求項1に記載の凝集粒子の製造方法。
- 体積中位粒径の目標値が2〜10μmである、請求項1又は2に記載の凝集粒子の製造方法。
- 単位質量あたりの撹拌動力を増加した後20分間における体積中位粒径の増加速度が0.035μm/分以下である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の凝集粒子の製造方法。
- (体積中位粒径の目標値に到達後、単位質量あたりの撹拌動力を増加した場合の20分間における体積中位粒径の増加速度)/(体積中位粒径の目標値に到達後、単位質量あたりの撹拌動力を増加させない場合の20分間における体積中位粒径の増加速度)の値が0.8以下である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の凝集粒子の製造方法。
- ステップ(1)において、樹脂粒子Xの水系分散液と凝集剤とを混合撹拌するときの温度が0〜100℃である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の凝集粒子の製造方法。
- ステップ(2)において、体積中位粒径の目標値に到達したときの凝集粒子を含む分散液の温度が40℃以上である、請求項1〜6のいずれか1つに記載の凝集粒子の製造方法。
- 樹脂粒子Xを構成する樹脂がポリエステル樹脂である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の凝集粒子の製造方法。
- 凝集粒子が電子写真トナー用である、請求項1〜8のいずれか1つに記載の凝集粒子の製造方法。
- (1)樹脂粒子Xの水系分散液と凝集剤とを混合撹拌して、体積中位粒径が目標値に到達するまで凝集粒子を凝集成長させるステップ、及び
(2)上記ステップ(1)で凝集成長させた凝集粒子の体積中位粒径が目標値に到達したときに単位質量あたりの撹拌動力を増加するステップ、
を有する、凝集粒子の製造における凝集粒子粒径の制御方法。
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