JP2019110057A - 電極、非水系蓄電素子及び塗布液 - Google Patents

電極、非水系蓄電素子及び塗布液 Download PDF

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Abstract

【課題】非水系蓄電素子の容量又は起電力を向上させることが可能な電極を提供する。【解決手段】電極10Aは、電極基体11上に、電極合材12が形成されており、電極合材12の上部の全面に、ゲル化剤と樹脂材料を含む多孔質構造13Aが形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、電極、非水系蓄電素子及び塗布液に関する。
非水系蓄電素子(二次電池)としては、リチウムコバルト複合酸化物等の正極と、炭素の負極と、非水電解質として、非水溶媒にリチウム塩が溶解している非水電解液や固体電解質を有するリチウムイオン二次電池が多く開発されている。
また、近年では、両極を炭素質材料とするキャパシタ等の静電容量を電力源とする蓄電素子の開発も進められている。
蓄電素子に用いられる電極は、一般に、粉体状の電極活物質を適当な分散媒中に分散させ、スラリー状にした電極合材用塗布液を、電極基体上に塗布した後、乾燥させることにより作製する。
しかしながら、電極合材用塗布液の塗布速度の増加に伴い、電極合材の端部の位置ずれや、塗布欠陥が増える傾向がある。このような電極を使用すると、短絡等の故障を起こす可能性が高くなる。
短絡等の故障を抑制するために、電極合材上に、塗布により多孔質絶縁層を形成する試みがある(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、多孔質絶縁層を構成する材料が電極合材中に染み込み、蓄電素子の起電力が低下するという問題がある。これは、電極合材上に多孔質絶縁層を形成する際に、電極合材中に多孔質絶縁層用塗布液が染み込むためであると考えられる。
一方、電極の具体的な欠陥としては、電極合材の塗布端部に発生する欠陥や電極の打ち抜き端部に発生する欠陥がある。電極の端部に発生する欠陥は、様々であるが、主たる欠陥は、電極合材の端部の材料の脱落に起因する蓄電デバイスの故障である。
このような電極の端部に発生する欠陥に起因する故障を抑制するために、電極合材の端部に、塗布により絶縁層を形成する試みがある(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、絶縁層を構成する材料が拡がり、蓄電素子の容量が低下するという問題がある。
本発明は、非水系蓄電素子の容量又は起電力を向上させることが可能な電極を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、非水系蓄電素子において、電極基体上に、電極合材が形成されており、前記電極合材の上部の少なくとも一部に、ゲル化剤と樹脂材料を含む多孔質構造が形成されている。
本発明の他の態様は、非水系蓄電素子において、電極基体上に、電極合材が形成されており、前記電極合材の周辺部の少なくとも一部に、ゲル化剤と樹脂材料を含む非多孔質構造が形成されている。
本発明によると、非水系蓄電素子の容量又は起電力を向上させることが可能な電極を提供することができる。
本実施形態の電極の一例を示す図である。 本実施形態の電極の他の例を示す図である。 本実施形態で用いられるインクジェット装置の一例を示す。 本実施形態の非水系蓄電素子の一例を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
<電極>
図1に、本実施形態の電極の一例を示す。なお、図1(a)及び(b)は、それぞれ上面図及び断面図である。
電極10Aは、電極基体11上に、電極合材12が形成されており、電極合材12の上部の全面以上の領域に、ゲル化剤と樹脂材料を含む多孔質構造13Aが形成されている。多孔質構造13Aの電極合材12への染み込みが抑制されるため、短絡等の故障を抑制すると共に、蓄電素子の起電力を向上させることができる。
なお、多孔質構造13Aは、電極合材12の上部の全面以上の領域に形成されていなくてもよく、電極合材12の上部の少なくとも一部に形成されていればよく、例えば、任意のパターン状に形成されていてもよい。
また、多孔質構造13Aの表面に、任意のパターン状に凹凸が形成されていてもよい。
さらに、電極合材12及び多孔質構造13Aは、電極基体11の両面に形成されていてもよい。
ここで、電極10Aは、多孔質構造13Aがセパレータとして機能するため、公知のセパレータを使用せずに非水系蓄電素子を製造してもよいし、公知のセパレータと使用して非水系蓄電素子を製造してもよい。
図2に、本実施形態の電極の他の例を示す。なお、図2(a)及び(b)は、それぞれ上面図及び断面図である。
電極10Bは、電極基体11上に、電極合材12が形成されており、電極合材12の両端部に、ゲル化剤と樹脂材料を含む非多孔質構造13Bが形成されている。非多孔質構造13Bの電極合材12への染み込みが抑制されるため、電極の端部に発生する欠陥に起因する故障を抑制すると共に、蓄電素子の容量を向上させることができる。
なお、非多孔質構造13Bは、電極合材12の両端部に形成されていなくてもよく、電極合材12の周辺部の少なくとも一部に形成されていればよい。このとき、非多孔質構造13Bが形成されていない領域が電極合材12の周辺部の少なくとも一部に存在することが好ましい。これにより、非水系蓄電素子を製造する際に、非水電解液が染み込みやすくなる。
また、電極合材12及び非多孔質構造13Bは、電極基体11の両面に形成されていてもよい。
さらに、電極10Bは、電極合材12の上部の少なくとも一部に多孔質構造13A(図1参照)が形成されていてもよい。
ここで、電極合材12の上部に多孔質構造13Aが形成されていない電極10Bは、公知のセパレータを使用して非水系蓄電素子を製造する。一方、電極合材12の上部の少なくとも一部に多孔質構造13Aが形成されている電極10Bは、公知のセパレータを使用せずに非水系蓄電素子を製造してもよいし、公知のセパレータと使用して非水系蓄電素子を製造してもよい。
<多孔質構造又は非多孔質構造の形成方法>
多孔質構造13A及び非多孔質構造13Bは、ゲル化剤と、樹脂材料又は樹脂材料の前駆体とを含む塗布液を塗布することにより形成することができる。
塗布液の塗布方法としては、例えば、スプレー法、ディスペンサー法、ダイコーター法、フレキソ法、インクジェット法等を使用することができるが、マスクや版が不要な点、位置精度の点から、インクジェット法が好ましい。
本実施形態において、インクジェット法とは、液滴を吐出することが可能な方法を意味し、液滴のサイズに制限があるものではない。
液滴のサイズは、電極10A(10B)の面積、より具体的には、電極合材12の面積により、適宜設定されるべきものである。すなわち、電極合材12の面積が小さい場合は、精度よく小さい液滴で電極合材12に塗布液を塗布する必要がある。逆に、電極合材12の面積が大きい場合は、生産性の点からも、大きい液滴で電極合材12に塗布液を塗布することが好ましい。
図3に、インクジェット装置の一例を示す。
図3のインクジェット装置は、架台100上に、被塗布体Xを保持するステージ101を有し、ステージ101は、Y軸駆動手段102によって、Y方向に移動可能に配設されている。また、ステージ101は、被塗布体Xを吸引力、静電力等で吸着保持する吸着手段を備えている。さらに、ステージ101は、冷却手段を有している。
一方、ステージ101の上方には、ステージ101上に保持された被塗布体X上に塗布液を塗布する塗布手段110が配置されている。
塗布手段110は、ヘッドベース111上に、塗布液を吐出させる吐出ヘッド112と、塗布液が樹脂材料の前駆体として、活性光線により重合することが可能な化合物を含む場合に、活性光線を照射するためのランプ113が搭載されている。なお、吐出ヘッド112には、塗布液タンクから供給用パイプ114を介して、塗布液が供給される。また、塗布液供給系は、加熱機構を備えている。
そして、ヘッドベース111は、Z軸駆動手段121を介して、X軸支持部材123に支持されたX軸駆動手段122に保持されて、塗布手段110がX方向及びZ方向に移動可能とされている。
多孔質構造13Aは、樹脂材料として、樹脂フィラーが分散媒中に分散している塗布液を使用することにより形成することができる。このとき、塗布液は、分散媒に溶解することが可能な樹脂材料をさらに含んでいてもよい。
また、多孔質構造13Aは、無機フィラーが分散媒中に分散している塗布液を使用することにより形成することができる。
さらに、多孔質構造13Aは、樹脂材料の前駆体として、活性光線により重合することが可能な化合物(モノマー、オリゴマー)を使用し、重合誘起相分離技術を適用することにより形成することができる。
活性光線により重合することが可能な化合物が溶媒に溶解している状態で活性光線を照射して重合することにより、生成した樹脂が溶媒に溶解できなくなり、析出する。このとき、溶媒を乾燥させて除去することにより、多孔質構造13Aを形成することができる。
重合誘起相分離技術により多孔質構造13Aを形成するために、活性光線により重合することが可能な化合物にポロジェン(溶媒)を混合する。
ポロジェンとしては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエチレングリコール類、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン等のエステル類、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。また、テトラデカン酸メチル、デカン酸メチル、ミリスチン酸メチル、テトラデカン等の比較的分子量が大きい液状物質もポロジェンとして機能する傾向がある。これらの中でも、特に、エチレングリコール類は、高沸点のものも多く存在する。樹脂の相分離は、ポロジェンの濃度に大きく依存する。そのため、上記液状物質を使用すれば、安定して多孔質構造13Aを形成することが可能となる。
なお、ポロジェンは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
非多孔質構造13Bは、樹脂材料が溶媒に溶解している塗布液を塗布する、又は溶融している樹脂材料を塗布することにより形成することができる。
また、非多孔質構造13Bは、活性光線により重合することが可能な化合物を含む塗布液を塗布した後、活性光線を照射して重合することにより形成することができる。
電極10A及び10Bにおいては、多孔質構造13A及び非多孔質構造13Bの電極合材12への染み込みが抑制される。
一般に、多孔質構造13A又は非多孔質構造13Bの電極合材12への染み込みが多いと、前述したように、電極合材12としての機能を損なう部分が増大することになる。このため、多孔質構造13A及び非多孔質構造13Bの染み込みを抑制することが可能な材料を選択することが好ましい。しかしながら、粘度が高い塗布液を用いると、多孔質構造13A及び非多孔質構造13Bの厚みの制御が困難になると共に、塗布位置精度の高い塗布方法を選択することができなくなる傾向がある。また、単一の樹脂材料を用いて、電極合材12への染み込みを制御することは困難である。
電極10A及び10Bは、このような不具合を改善することができる。
以下、電極10A及び10Bの基本的概念について説明する。
多孔質構造13A又は非多孔質構造13Bを形成する際に用いられる塗布液としては、粘度の低い塗布液を選択する。ここで、塗布液の粘度を低減するために、溶媒に溶解している樹脂材料又は樹脂材料の前駆体を用いる。
このような樹脂材料の溶液又は樹脂材料の前駆体に、ゲル化剤を添加する。
ゲル化剤とは、会合性を有しており、ゲル化剤を含む組成物が、組成物のゲル化温度以下になると、固体様となり、ゲル化剤を含む組成物が、組成物のゲル化温度を超えると、液体様となる、即ち、ゾルゲル相転移する材料である。
このため、多孔質構造13A(又は非多孔質構造13B)を形成する際に、ゲル化剤と、樹脂材料又は樹脂材料の前駆体とを含む塗布液をゾル状態で電極合材12の上部(又は周辺部)に塗布する。このとき、電極合材12の温度が塗布液のゲル化温度以下であることが必須条件である。
このようにすることで、電極合材12の上部(又は周辺部)に塗布された塗布液は、ゲル化剤がゲル化して固体様になるため、多孔質構造13A(又は非多孔質構造13B)の電極合材12への染み込みを抑制することができる。このとき、ゲル化剤の添加量を制御することで、多孔質構造13A(又は非多孔質構造13B)の電極合材12への染み込みを制御することができる。
<ゲル化剤>
ゲル化剤は、熱可逆的にゾルゲル相転移することが好ましい。これにより、後述するインクジェット法により、塗布液を吐出する時に、塗布液が加熱されて、ゾル(液体)状態になることが可能であり、電極合材12に着弾する時に、塗布液が冷却されて、ゲル(固体)状態になることが可能である。ここで、樹脂材料の前駆体を含む塗布液を用いる場合、ゲル化剤の加熱温度は、樹脂材料の前駆体が反応しない温度であることが好ましい。また、インクジェット法を使用する場合、ゲル化剤の加熱温度は、吐出ヘッドやインク供給系に大きな負荷がかからない温度であることが好ましい。また、塗布液のゲル化温度は、室温以上であることが好ましい。これにより、電極合材12の上部(又は周辺部)を冷却しなくてもよくなる。
ゲル化剤は、光学活性部位と会合性部位を含む有機基を有することが好ましい(例えば、高分子論文集,Vol.55,No.10,p.585(1998)参照)。
有機基は、化学式(I)
Figure 2019110057
(式中、*は、光学活性部位である。)
で表される構造を含むことが好ましい。これにより、イミノ基(−NH−)とカルボニル基(−(O=C)−)の間で水素結合を形成することにより会合することができ、ゲル化剤として高い能力を示すことができる。
また、ゲル化剤は、化学式(I)で表される構造を複数個含むことが好ましい。これにより、ネットワーク構造を形成することができる。
ゲル化剤は、一般式(II)
Figure 2019110057
又は一般式(III)
Figure 2019110057
(式中、R〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基であり、X〜Xは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、一般式(IV)
Figure 2019110057
(式中、*は、光学活性部位であり、R11は、炭素数1〜24のアルキル基であり、jは1〜18の整数であり、R12は、炭素数1〜10のアルキル基、ベンジル基、−CHCHCOOCH、−CHCHCOOCHCH、−CHCHCOOCHPh又は−CHCHCONH(CHCH等であり、iは0〜9の整数である。)
で表される基又は一般式(V)
Figure 2019110057
(式中、*は、光学活性部位であり、hは1〜18の整数である。)
で表される基であり、mは0以上の整数であり、mが2以上の整数である場合、複数個のR及びRは、同一であってもよいし、異なっていてもよく、nは0以上の整数であり、nが2以上の整数である場合、複数個のR及びXは、同一であってもよいし、異なっていてもよく、X及びXが一般式(IV)又は(V)で表される基ではない場合、nは自然数であり、Xの少なくとも一つが一般式(IV)又は(V)で表される基であり、kは4以上の整数であり、複数個のR10及びXは、同一であってもよいし、異なっていてもよく、Xの少なくとも一つが一般式(IV)又は(V)で表される基である。)
で表される化合物であることが好ましい。これにより、ゲル化剤として、高い能力を示すことができる。
ここで、一般式(II)において、mとnは、分子中での存在比率であり、分子中での結合の順序は、規則的であってもよいし、不規則であってもよい。
また、ゲル化剤は、一般式(IV)又は(V)で表される基を複数個含むことが好ましい。これにより、ネットワーク構造を形成することができる。
ゲル化剤の具体例を以下に示すが、ゲル化剤は、これらの化合物のみに限定されるものではない。
Figure 2019110057
Figure 2019110057
Figure 2019110057
Figure 2019110057
<樹脂材料>
樹脂材料は、多孔質構造13A又は非多孔質構造13Bを形成する際に使用する塗布液に含まれる溶媒又は分散媒、非水電解液、印加される電位に対して安定な材料である。また、樹脂材料と、樹脂材料を溶解又は分散させることが可能な溶媒又は分散媒と、ゲル化剤を含む組成物が、ゲル化温度を超える温度で液体様となり、ゲル化温度以下の温度で固体様となる。
樹脂材料は、溶媒に溶解させて使用してもよいし、分散媒に分散させて使用してもよい。
分散媒に分散させることが可能な樹脂材料としては、例えば、樹脂フィラーを用いることができる。
樹脂フィラーの大きさは、適宜設定されるものであるが、後述のインクジェット法に適用することができる程度の大きさであることが好ましい。
樹脂材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電極合材12に含まれるバインダを使用することが好ましい。
バインダとしては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素系バインダ、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ポリアクリル酸エステル等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<樹脂材料の前駆体>
樹脂材料の代わりに、樹脂材料の前駆体を用いてもよい。このとき、樹脂材料の前駆体と、ゲル化剤を含み、必要に応じて、溶媒をさらに含む組成物がゲル化温度を超える温度で液体様となり、ゲル化温度以下の温度で固体様となる。
樹脂材料の前駆体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、活性光線により重合することが可能な化合物(光重合性化合物)を用いることができる。
樹脂材料の前駆体を使用すると、塗布液の粘度の調整が容易になり、様々な材料を選択することができる。また、溶媒を使用しなくてよい場合は、溶媒又は分散媒の乾燥が不要になる。
樹脂材料の前駆体と、ゲル化剤を含み、溶媒を含まない組成物は、ゲル化温度を超える温度で液体様となり、ゲル化温度以下の温度で固体様となることが好ましい。
光重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物(モノマー、オリゴマー)、カチオン重合性化合物(モノマー、オリゴマー)等を使用することができる。
具体的には、ラジカル重合性化合物としては、アクリレート系化合物を使用することができる。
アクリレート系化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(1000)ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(700)ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、エチレンオキサイド変性テトラメチロールメタンテトラアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルペンタ(メタ)アクリレート、ポリエステルヘキサ(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリウレタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリウレタンペンタ(メタ)アクリレート、ポリウレタンヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性化合物を用いる場合の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モリホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1,2−オクタンジオン−〔4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)〕、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ホスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、〔4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ラジカル重合性化合物を用いる場合、熱重合開始剤を使用することもできる。
カチオン重合性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、N−ビニル化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カチオン重合性化合物を用いる場合の光重合開始剤としては、例えば、ヨードニウム塩、スルホニウム塩等のオニウム塩系の光酸発生剤、スルホン酸エステル系、鉄アレン錯体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂材料の前駆体は、粘度が低く、常温または数十℃に加温することにより、後述する吐出ヘッドで吐出することが可能である材料であることが好ましい。
<無機フィラー>
樹脂材料を溶解若しくは分散させることが可能な溶媒若しくは分散媒又は樹脂材料の前駆体に、無機フィラーを分散させてもよい。
無機フィラーを構成する材料としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化鉄、酸化チタン等の酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等の窒化物等を使用することができる。
無機フィラーの大きさは、適宜設定されるものであるが、後述のインクジェット法に適用することができる程度の大きさであることが好ましい。
<非水系蓄電素子>
本実施形態の非水系蓄電素子は、正極、負極及び非水電解質と、必要に応じて用いられるセパレータとが、所定の形状に組み立てられている。このとき、本実施形態の電極は、正極及び負極の少なくとも一方として、用いられる。
本実施形態の非水系蓄電素子は、必要に応じて、外装缶、電極取り出し線等の構成部材をさらに有していてもよい。
正極、負極及び非水電解質と、必要に応じて用いられるセパレータとを組み立てる方法としては、特に制限はなく、通常採用されている方法の中から、適宜選択することができる。
本実施形態の非水系蓄電素子の形状としては、特に制限はなく、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて、適宜選択することができるが、例えば、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ、シート電極及びセパレータを積層したラミネートフィルム外装を用いたタイプ等が挙げられる。
図4に、本実施形態の非水系蓄電素子の一例を示す。
非水系蓄電素子20は、正極21と、負極22と、非水電解液を保持しているセパレータ23と、外装缶24と、正極21の引き出し線25と、負極22の引き出し線26とを有する。
非水系蓄電素子20の具体例としては、例えば、非水系二次電池、非水系キャパシタ等が挙げられる。
<正極>
正極は、正極活物質を含んでいれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、正極基体上に、正極活物質を含む正極合材を備えた正極等が挙げられる。
正極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、平板状等が挙げられる。
<<正極合材(電極合材)>>
正極合材は、正極活物質を含み、必要に応じて、導電剤、バインダ、増粘剤等を更に含む。
−正極活物質−
正極活物質は、カチオン蓄積型及びアニオン蓄積型のいずれであってもよい。
カチオン蓄積型としては、例えば、TiS、MoS、Co、V、MnO、CoO等の遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化合物及びこれらとLiとの複合体(Li複合酸化物)(例えば、LiMnO,LiMn,LiCoO)、LiFePO等のリン酸と遷移金属からなる物質、活性炭等を用いることができる。
アニオン蓄積型としては、例えば、グラファイト、活性炭、電気伝導度10−2S/cm以上の導電性高分子(例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアズレン、ポリフェニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリフタロシアニン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピリジン、ポリジフェニルベンジジン等)及びこれらの誘導体等が挙げられる。
−バインダ−
バインダとしては、正極を製造する際に使用する塗布液に含まれる溶媒又は分散媒、非水電解液、印加される電位に対して安定な材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ポリアクリル酸エステル等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−増粘剤−
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−導電剤−
導電剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<正極基体(集電体)>>
正極基体を構成する材料としては、導電性材料で形成されたもので、印加される電位に対して安定であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウム、チタン、タンタル等が挙げられる。これらの中でも、軽量であること安価であること、耐酸化性が高いことから、アルミニウムが特に好ましい。
正極基体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
正極基体の大きさとしては、非水系蓄電素子に使用することが可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−正極合材の形成方法−
正極合材は、正極活物質に、必要に応じて、バインダ、増粘剤、導電剤、分散媒等を加えてスラリー状とした塗布液を、正極基体上に塗布した後、乾燥させることで形成することができる。
分散媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水系溶媒、有機系溶媒等が挙げられる。
水系溶媒としては、例えば、水、アルコール等が挙げられる。
有機系溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、トルエン等が挙げられる。
なお、正極活物質に、必要に応じて、バインダ、増粘剤、導電剤を加えた組成物をロール成形してシート電極にしたり、正極活物質を打ち抜いてシート電極にしたり、正極活物質を圧縮成形してペレット電極としたりすることもできる。
本実施形態の電極を正極として用いる場合は、前述したように、電極合材の上部の少なくとも一部に、ゲル化剤と樹脂材料を含む多孔質構造を形成する、又は、電極合材の周辺部の少なくとも一部に、ゲル化剤と樹脂材料を含む非多孔質構造を形成する。
<負極>
負極は、負極活物質を含んでいれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、負極基体上に、負極活物質を含む負極合材を備えた負極等が挙げられる。
負極の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、平板状等が挙げられる。
<<負極合材(電極合材)>>
負極合材は、負極活物質を含み、必要に応じて、バインダ、導電剤、等を更に含む。
−負極活物質−
負極活物質としては、例えば、リチウム、リチウム合金、黒鉛(人造黒鉛、天然黒鉛)、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化炭素、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物、チタン酸リチウム等が挙げられる。
−バインダ−
バインダとしては、負極を製造する際に使用する溶媒又は分散媒、非水電解液、印加される電位に対して安定な材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、エチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系バインダ、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましい。
−導電剤−
導電剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質材料等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<負極基体(集電体)>>
負極基体を構成する材料としては、導電性材料で形成されたもので、印加される電位に対して安定であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ステンレススチール、ニッケル、アルミニウム、銅等が挙げられる。これらの中でも、ステンレススチール、銅、アルミニウムが特に好ましい。
負極基体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
負極基体の大きさとしては、非水系蓄電素子に使用することが可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−負極合材の形成方法−
負極合材は、負極活物質に、必要に応じて、バインダ、導電剤、分散媒等を加えてスラリー状とした塗布液を、負極基体上に塗布した後、乾燥させることで形成することができる。
分散媒としては、正極合材を形成する場合と同様の分散媒を用いることができる。
なお、負極活物質に、必要に応じて、バインダ、導電剤等を加えた組成物をロール成形してシート電極としたり、打ち抜いてシート電極にしたり、圧縮成形してペレット電極としたりすることもできる。
また、蒸着、スパッタ、メッキ等の方法により、負極基体上に負極活物質の薄膜を形成することもできる。
本実施形態の電極を負極として用いる場合は、前述したように、電極合材の上部の少なくとも一部に、ゲル化剤と樹脂材料を含む多孔質構造を形成する、又は、電極合材の周辺部の少なくとも一部に、ゲル化剤と樹脂材料を含む非多孔質構造を形成する。
<非水電解質>
非水電解質としては、固体電解質又は非水電解液を使用することができる。
ここで、非水電解液とは、電解質塩(特に、ハロゲン原子を含む電解質塩)が非水溶媒に溶解している電解液である。
<<非水溶媒>>
非水溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非プロトン性有機溶媒が好適である。
非プロトン性有機溶媒としては、鎖状カーボネート、環状カーボネート等のカーボネート系有機溶媒を用いることができる。これらの中でも、電解質塩の溶解力が高い点から、鎖状カーボネートが好ましい。
また、非プロトン性有機溶媒は、粘度が低いことが好ましい。
鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(EMC)等が挙げられる。
非水溶媒中の鎖状カーボネートの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量%以上であることが好ましい、非水溶媒中の鎖状カーボネートの含有量が50質量%以上であると、鎖状カーボネート以外の溶媒が誘電率が高い環状物質(例えば、環状カーボネート、環状エステル)であっても、環状物質の含有量が少なくなる。このため、2M以上の高濃度の非水電解液を作製しても、非水電解液の粘度が低くなり、非水電解液の電極へのしみ込みやイオン拡散が良好となる。
環状カーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等が挙げられる。
なお、カーボネート系有機溶媒以外の非水溶媒としては、必要に応じて、環状エステル、鎖状エステル等のエステル系有機溶媒、環状エーテル、鎖状エーテル等のエーテル系有機溶媒等を用いることができる。
環状エステルとしては、例えば、γ−ブチロラクトン(γBL)、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。
鎖状エステルとしては、例えば、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル(酢酸メチル(MA)、酢酸エチル等)、ギ酸アルキルエステル(ギ酸メチル(MF)、ギ酸エチル等)等が挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、例えば、1,2−ジメトシキエタン(DME)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。
<<電解質塩>>
電解質塩としては、非水溶媒に溶解し、イオン伝導度が高いものであれば、特に制限はないが、ハロゲン原子を含むことが好ましい。
電解質塩を構成するカチオンとしては、例えば、リチウムイオン等が挙げられる。
電解質塩を構成するアニオンとしては、例えば、BF 、PF 、AsF 、CFSO 、(CFSO、(CSO等が挙げられる。
リチウム塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)、ホウ弗化リチウム(LiBF)、六弗化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビストリフルオロメチルスルホニルイミド(LiN(CSO)、リチウムビスファーフルオロエチルスルホニルイミド(LiN(CFSO)等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、イオン伝導度の点から、LiPFが好ましく、安定性の点から、LiBFが好ましい。
非水溶媒中の電解質塩の濃度は、目的に応じて適宜選択することができるが、スイング型の蓄電素子の場合、1mol/L〜2mol/Lであることが好ましく、リザーブ型の蓄電素子の場合、2mol/L〜4mol/Lであることが好ましい。
<セパレータ>
セパレータは、正極と負極の短絡を防ぐために、必要に応じて、正極と負極の間に設けられる。
セパレータとしては、例えば、クラフト紙、ビニロン混抄紙、合成パルプ混抄紙等の紙、セロハン、ポリエチレングラフト膜、ポリプロピレンメルトブロー不織布等のポリオレフィン不織布、ポリアミド不織布、ガラス繊維不織布、マイクロポア膜等が挙げられる。
セパレータの大きさは、非水系蓄電素子に使用することが可能な大きさであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
セパレータの構造は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
なお、非水電解質として、固体電解質を使用する場合、セパレータは不要である。
<非水系蓄電素子の用途>
本実施形態の非水系蓄電素子の用途としては、特に制限はなく、各種用途に用いることができるが、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドホンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ等が挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
各成分を混合して、以下の組成の溶剤を調製した。
[溶剤1(光重合性化合物と光重合開始剤の混合物)]
2−フェノキシエチルアクリレート(共栄社化学製:ライトアクリレートPO−A)40.4質量%
トリプロピレングリコールジアクリレート(東亞合成製:アロニックスM−220)50.5質量%
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製:イルガキュア907)9.1質量%
[溶剤2(光重合性化合物と光重合開始剤の混合物)]
3',4'−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学製:セロキサイド2021P)31.7質量%
エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(東亞合成製:OXT−221)63.5質量%
ヘキサフルオロホスフェートスルホニウム塩混合物(アルドリッチ製)4.8質量%
[溶剤3(光重合性化合物と光重合開始剤と溶媒(ポロジェン)の混合物)]
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(ダイセル製)49質量%
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(関東化学製)50質量%
イルガキュア184(BASF製)1質量%
[溶剤4(樹脂フィラーと樹脂溶液の混合物)]
シクロヘキサノン89.6質量%
中心粒径0.8μmのポリメチルメタクリレート架橋粒子(積水化成品工業製)9.45質量%
ポリビニリデンフルオライド(クレハ製)0.95質量%
[溶剤5(無機フィラーと樹脂溶液の混合物)]
シクロヘキサノン79質量%
中心粒径0.58μmのアルミナ粒子(住友化学製)20質量%
ポリビニリデンフルオライド(ソルベイ製)1質量%
次に、溶剤とゲル化剤を混合して、塗布液1〜14を調製した。ここで、塗布液1〜14を調製する際に用いるゲル化剤を以下に示す。
Figure 2019110057
Figure 2019110057
Figure 2019110057
Figure 2019110057
Figure 2019110057
[塗布液1の調製]
溶剤1に、ゲル化剤1の含有量が0.47質量%になるように、ゲル化剤1を添加し、塗布液1を調製した。
[塗布液2〜14の調製]
溶剤1とゲル化剤1を、表1の組み合わせに変更した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液2〜14を調製した。
次に、塗布液1〜14の会合性試験を実施した。
[会合性試験]
褐色のサンプル瓶に、室温で、溶剤と、ゲル化剤と、直径5mmのセラミックボールを添加し、110℃まで加熱して、ゲル化剤を溶剤に溶解させた後、室温まで冷却した。このとき、サンプル瓶を大きく振っても、セラミックボールが動かない場合、会合状態(固体様、ゲル状態)になったと判断した。次に、5℃おきに温度を上昇させながら、サンプル瓶をふり、セラミックボールが動き始める温度(液体様になる温度、ゾル化温度)を記録した。
表1に、塗布液1〜14の会合性試験の結果を示す。
Figure 2019110057
次に、溶剤とゲル化剤を混合して、塗布液15〜44を調製した。
[塗布液15の調製]
ゲル化剤1の含有量を2.91質量%に変更した以外は、塗布液1と同様にして、塗布液15を調製した。
[塗布液16〜44の調製]
溶剤1とゲル化剤1を、表2の組み合わせに変更した以外は、塗布液15と同様にして、塗布液2〜14を調製した。
次に、塗布液15〜44の会合性試験を実施した。
表2に、塗布液15〜44の会合性試験の結果を示す。
Figure 2019110057
表1と表2を比較すると、ゲル化剤の添加量を多くすると、ゾル化温度が高くなることがわかる。このため、ゲル化剤の添加量を制御することで、ゾル化温度を変化させることが可能であることがわかる。
次に、塗布液を用いて、正極及び負極を作製した。
[正極aの作製]
正極活物質としての、ニッケル、コバルト、マンガンのモル比が5:2:3のリチウム複合酸化物94質量部と、炭素導電剤3質量部と、ポリフッ化ビニリデン3質量部を、N−メチルピロリドン中で混合し、スラリーを調製した。このとき、スラリーの固形分濃度を60質量%とした。
コンマコーターを用いて、アルミニウム基板(厚み15μm)にスラリーを幅60mmで塗布した後、乾燥させた。金型を用いて、スラリーが塗布された領域が50mm×30mmになるように、スラリーが塗布されていない領域(端子部)を含めて、打ち抜いて、正極aを作製した。ここで、正極aの短辺側に、端子部を形成した。
[負極aの作製]
負極活物質としての、黒鉛94質量部と、炭素導電剤3質量部と、ポリフッ化ビニリデン3質量部を、N−メチルピロリドン中で混合し、スラリーを調製した。このとき、スラリーの固形分濃度を40質量%とした。
コンマコーターを用いて、銅基板(厚み8μm)にスラリーを幅60mmで塗布した後、乾燥させた。金型を用いて、スラリーが塗布された領域が51×31mmになるように、スラリーが塗布されていない領域(端子部)を含めて打ち抜いて、負極aを作製した。ここで、負極aの短辺側に端子部を形成した。
[実施例1]
<正極a−1−1の作製>
図3のインクジェット装置を使用して、正極a−1−1を作製した。このとき、塗布液1を吐出ヘッド112に供給し、塗布液供給系の温度を、塗布液1のゾル化温度以上の温度(80℃〜90℃)とした。次に、正極aの長軸をX方向に平行にセットし、正極aのY方向の端部2辺に塗布液1を吐出ヘッド112より塗布した。次に、ランプ113から活性光線を照射し、光重合性化合物を硬化させ、非多孔質構造を形成した後、120℃の環境下で1時間保持し、正極a−1−1を作製した。
[実施例2]
<正極a−2−1の作製>
塗布液1の代わりに、塗布液8を使用した以外は、実施例1と同様にして、正極a−2−1を作製した。
[実施例3]
<負極a−1−1の作製>
正極aの代わりに、負極aを使用した以外は、実施例1と同様にして、負極a−1−1を作製した。
[実施例4]
<負極a−2−1の作製>
正極aの代わりに、負極aを使用した以外は、実施例3と同様にして、負極a−2−1を作製した。
[比較例1]
<比較正極a−1−1の作製>
ゲル化剤1を添加しない以外は、実施例1と同様にして、比較正極a−1−1を作製した。
[比較例2]
<比較正極a−2−1の作製>
ゲル化剤1を添加しない以外は、実施例2と同様にして、比較正極a−2−1を作製した。
[比較例3]
<比較負極a−1−1の作製>
ゲル化剤1を添加しない以外は、実施例3と同様にして、比較負極a−1−1を作製した。
[比較例4]
<比較負極a−2−1の作製>
ゲル化剤1を添加しない以外は、実施例4と同様にして、比較負極a−2−1を作製した。
次に、正極を用いて、蓄電素子を作製し、蓄電素子の充放電試験を実施した。
[実施例5]
正極a−1−1と、銅基板(厚み8μm)にLi金属(本城金属製:厚み200μm、52×32mm)を貼り合わせたものを準備した。厚さ15μmのセパレータを挟んで、正極とLi金属を対向させた蓄電要素の表裏をラミネートシートで覆い、3辺を熱封止した。エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートを質量比1:1で混合した後、1.5mol/LのLiPFを溶解させた電解液を蓄電要素に注入した。次に、ラミネートシートを減圧下で封止して密閉し、蓄電素子を作製した。
なお、以上の操作は、不活性雰囲気下で実施した。
[実施例6]
正極a−1−1の代わりに、正極a−2−1を使用した以外は、実施例5と同様にして、蓄電素子を作製した。
[比較例5]
正極a−1−1の代わりに、比較正極a−1−1を使用した以外は、実施例5と同様にして、蓄電素子を作製した。
[比較例6]
正極a−1−1の代わりに、比較正極a−2−1を使用した以外は、実施例5と同様にして、蓄電素子を作製した。
[充放電試験]
充放電測定装置(東洋システム製:TOSCAT3001)を用いて、蓄電素子の充放電試験を実施した。具体的には、室温(25℃)において、6.3mAの定電流で充電電圧4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧で5時間充電した。次に、開回路で10分間放置した。次に、6.3mAの定電流で放電終止電圧2.5Vまで放電した。次に、開回路で10分間放置した。以上の操作を5回繰り返した。5回目の正極の容量を測定した。
表3に、蓄電素子の充放電試験の結果を示す。
Figure 2019110057
表3から、実施例5、6の蓄電素子は、実施例1、2の正極a−1−1、a−2−1を有するため、容量が大きいことがわかる。
これに対して、比較例5、6の蓄電素子は、比較例1、2の比較正極a−1−1、a−2−1を有するため、容量が小さい。これは、比較正極a−1−1、a−2−1は、非多孔質構造が形成された面積が大きかったためであると推測される。
次に、負極を用いて、蓄電素子を作製し、蓄電素子の充放電試験を実施した。
[実施例7]
負極a−1−1と、銅基板(厚み8μm)にLi金属(本城金属製:厚み200μm、52×32mm)を貼り合わせたものを準備した。厚さ15μmのセパレータを挟んで負極とLi金属を対向させた蓄電要素の表裏をラミネートシートで覆い、3辺を熱封止した。エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートを質量比1:1で混合した後、1.5mol/LのLiPFを溶解させた電解液を蓄電要素に注入した。次に、ラミネートシートを減圧下で封止して密閉し、蓄電素子を作製した。
なお、以上の操作は、不活性雰囲気下で実施した。
[実施例8]
負極a−1−1の代わりに、負極a−2−1を使用した以外は、実施例7と同様にして、蓄電素子を作製した。
[比較例7]
負極a−1−1の代わりに、比較負極a−1−1を使用した以外は、実施例7と同様にして、蓄電素子を作製した。
[比較例8]
負極a−1−1の代わりに、比較負極a−2−1を使用した以外は、実施例7と同様にして、蓄電素子を作製した。
[充放電試験]
充放電測定装置(東洋システム製:TOSCAT3001)を用いて、蓄電素子の充放電試験を実施した。具体的には、室温(25℃)において、6.0mAの定電流で充電電圧0.01Vまで充電した後、0.01Vの定電圧で5時間充電した。次に、開回路で10分間放置した。次に、6.0mAの定電流で放電終止電圧1.0Vまで放電した。次に開回路で10分間放置した。以上の操作を5回繰り返し、5回目の負極の容量を測定した。
表4に、蓄電素子の充放電試験の結果を示す。
Figure 2019110057
表4から、実施例7、8の蓄電素子は、実施例3、4の負極a−1−1、a−2−1を有するため、容量が大きいことがわかる。
これに対して、比較例7、8の蓄電素子は、比較例3、4の比較負極a−1−1、a−2−1を有するため、容量が小さい。これは、比較負極a−1−1、a−2−1は、非多孔質構造が形成された面積が大きかったためであると推測される。
次に、塗布液を用いて、正極及び負極を作製した。
[実施例9]
<負極a−3−1の作製>
図3のインクジェット装置を使用して、負極a−3−1を作製した。このとき、塗布液40を吐出ヘッド112に供給し、塗布液供給系の温度を、塗布液40のゾル化温度以上の温度(80℃〜90℃)とした。次に、負極aの長軸をX方向に平行にセットし、負極aの電極合材の上部の全面以上の領域に塗布液40を吐出ヘッド112より塗布した。次に、ランプ113から活性光線を照射し、光重合性化合物を硬化させ、多孔質構造を形成した後、120℃の環境下で2時間保持し、負極a−3−1を作製した。
[比較例9]
<比較負極a−3−1の作製>
ゲル化剤3を添加しない以外は、実施例9と同様にして、比較負極a−3−1を作製した。
[実施例10]
<負極a−4−1の作製>
図3のインクジェット装置を使用して、負極a−4−1を作製した。このとき、塗布液42を吐出ヘッド112に供給し、塗布液供給系の温度を、塗布液42のゾル化温度以上の温度(80℃〜90℃)とした。次に、負極aの長軸をX方向に平行にセットし、負極aの電極合材の上部の全面に塗布液42を吐出ヘッド112より塗布した後、120℃の環境下で2時間保持し、負極a−4−1を作製した。
[比較例10]
<比較負極a−4−1の作製>
ゲル化剤3を添加しない以外は、実施例10と同様にして、比較負極a−4−1を作製した。
[実施例11]
<負極a−5−1の作製>
図3のインクジェット装置を使用して、負極a−5−1を作製した。このとき、塗布液43を吐出ヘッド112に供給し、塗布液供給系の温度を、塗布液43のゾル化温度以上の温度(80℃〜90℃)とした。次に、負極aの長軸をX方向に平行にセットし、負極aの電極合材の上部の全面に塗布液43を吐出ヘッド112より塗布した後、120℃の環境下で2時間保持し、負極a−5−1を作製した。
[比較例11]
<比較負極a−5−1の作製>
ゲル化剤1を添加しない以外は、実施例11と同様にして、比較負極a−5−1を作製した。
次に、負極を用いて、蓄電素子を作製し、蓄電素子の起電力を計測した。
[実施例12]
負極a−3−1と銅基板(厚み8μm)にLi金属(本城金属製:厚み200μm、47×27mm)を貼り合わせたものを準備した。負極a−3−1とLi電極を対向させた蓄電要素の表裏をラミネートシートで覆い、3辺を熱封止した。エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートを質量比1:1で混合した後、1.5mol/LのLiPFを溶解させた電解液を蓄電要素に注入した。次に、ラミネートシートを封止して密閉し、蓄電素子を作製した。
なお、以上の操作は、不活性雰囲気下で実施した。
[比較例12]
負極a−3−1の代わりに、比較負極a−3−1を使用した以外は、実施例12と同様にして、蓄電素子を作製した。
[実施例13]
負極a−3−1の代わりに、負極a−4−1を使用した以外は、実施例12と同様にして、蓄電素子を作製した。
[比較例13]
負極a−3−1の代わりに、比較負極a−4−1を使用した以外は、実施例12と同様にして、蓄電素子を作製した。
[実施例14]
負極a−3−1の代わりに、負極a−5−1を使用した以外は、実施例12と同様にして、蓄電素子を作製した。
[比較例14]
負極a−3−1の代わりに、比較負極a−5−1を使用した以外は、実施例12と同様にして、蓄電素子を作製した。
[起電力]
10個の蓄電素子を室温で24時間保存した後、ソーラトロン1286を用いて、10個の蓄電素子の起電力を測定した。
表5に、蓄電素子の起電力の計測結果を示す。
Figure 2019110057
表5から、実施例12〜14の蓄電素子は、実施例9〜11の負極a−3−1、a−4−1、a−5−1を有するため、起電力が大きいことがわかる。
これに対して、比較例12〜14の蓄電素子は、比較例9〜11の比較負極a−3−1、a−4−1、a−5−1を有するため、起電力が小さい。これは、比較負極a−3−1、a−4−1、a−5−1は、電極合材の上部に多孔質構造が形成されず、短絡したためであると推測される。
次に、正極及び負極を用いて、蓄電素子を作製し、蓄電素子の充放電試験を実施した。
[実施例15]
厚さ15μmのセパレータを挟んで、正極a−1−1と負極a−1−1を対向させた蓄電要素の表裏をラミネートシートで覆い、3辺を熱封止した。エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートを質量比1:1で混合した後、1.5mol/LのLiPFを溶解させた電解液を蓄電要素に注入した。次に、ラミネートシートを減圧下で封止して密閉し、蓄電素子を作製した。
なお、以上の操作は、不活性雰囲気下で実施した。
[実施例16]
正極a−1−1及び負極a−1−1の代わりに、それぞれ正極a−2−1及び負極a−2−1を使用した以外は、実施例15と同様にして、蓄電素子を作製した。
[充放電試験]
充放電測定装置(東洋システム製:TOSCAT3001)を用いて、蓄電素子の充放電試験を実施した。具体的には、室温(25℃)において、6.3mAの定電流で充電電圧4.2Vまで充電した後、4.2Vの定電圧で5時間充電した。次に、開回路で10分間放置した。次に、6.3mAの定電流で放電終止電圧2.5Vまで放電した。次に、開回路で10分間放置した。以上の操作を5回繰り返した。5回目の正極の容量を測定した。
表6に、蓄電素子の充放電試験の結果を示す。
Figure 2019110057
表6から、実施例15、16の蓄電素子は、実施例1、2の正極a−1−1、a−2−1と、実施例3、4の負極a−1−1、a−2−1を有するため、容量が大きく、リチウムイオン二次電池として、正常に機能することがわかる。
10A、10B 電極
11 電極基体
12 電極合材
13A 多孔質構造
13B 非多孔質構造
特開2000−149906号公報 特開2007−5158号公報 特開2004−253348号公報

Claims (7)

  1. 電極基体上に、電極合材が形成されており、
    前記電極合材の上部の少なくとも一部に、ゲル化剤と樹脂材料を含む多孔質構造が形成されていることを特徴とする電極。
  2. 電極基体上に、電極合材が形成されており、
    前記電極合材の周辺部の少なくとも一部に、ゲル化剤と樹脂材料を含む非多孔質構造が形成されていることを特徴とする電極。
  3. 前記ゲル化剤は、光学活性部位と会合性部位を含む有機基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電極。
  4. 前記有機基は、化学式
    Figure 2019110057
    で表される構造を含むことを特徴とする請求項3に記載の電極。
  5. 前記樹脂材料は、活性光線により重合した樹脂であること特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電極。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電極を有することを特徴とする非水系蓄電素子。
  7. 電極の作製に用いられる塗布液であって、
    ゲル化剤と、樹脂材料又は樹脂材料の前駆体とを含むことを特徴とする塗布液。
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