JP2019110012A - 樹脂モールド真空バルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】構造の複雑化を招くことなく、絶縁信頼性の向上を図ることのできる樹脂モールド真空バルブを提供する。【解決手段】絶縁材料から構成され両端に開口部を有する筒状の真空絶縁容器と、前記真空絶縁容器内に収容され、離接可能な一対の電極と、前記真空絶縁容器の両端の前記開口部をそれぞれ閉塞する封着板と、前記真空絶縁容器の外側を覆う絶縁性樹脂からなる主絶縁層と、前記真空絶縁容器の外側と前記主絶縁層との間に介在し、前記主絶縁層より誘電率の高い絶縁材料からなる複数の層を有する高誘電率層とを具備した樹脂モールド真空バルブ。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、樹脂モールド真空バルブに関する。
従来から、筒状の真空絶縁容器内に接離自在の一対の接点を収納した真空バルブが用いられている。このような真空バルブでは、真空が持つ優れた絶縁耐力やアーク消弧性などにより外形形状の小型化が図られている。
真空絶縁容器には、絶縁特性や機械的特性の優れたアルミナ磁器などのセラミックスが用いられている。また、外部絶縁を図るためにこの真空バルブはエポキシ樹脂でモールドされている。また、真空絶縁容器と封着金具との接続箇所などの高電界部の電界緩和を目的とし、封着金具と封着板および真空絶縁容器の開口部の外周を覆うような腕状の電界緩和シールドを設けた構造のものも知られている。
上述した電界緩和シールドを有する樹脂モールド真空バルブでは、電界緩和シールドが真空絶縁容器の同軸上に設けられ、真空絶縁容器外周面と電界緩和シールドは所定の間隙を持ち、固定される。しかしながら、組立方法によっては真空絶縁容器外周面と電界緩和シールドとの間隙にばらつきが生じ、電界緩和シールドと真空絶縁容器の外周面が接触し、この接触部の電界強度が上昇し、絶縁信頼性が低下してしまうという課題があった。
本発明が解決しようとする課題は、構造の複雑化を招くことなく、絶縁信頼性の向上を図ることのできる樹脂モールド真空バルブを提供することにある。
実施形態の樹脂モールド真空バルブは、絶縁材料から構成され両端に開口部を有する筒状の真空絶縁容器と、前記真空絶縁容器内に収容され、離接可能な一対の電極と、前記真空絶縁容器の両端の前記開口部をそれぞれ閉塞する封着板と、前記真空絶縁容器の外側を覆う絶縁性樹脂からなる主絶縁層と、前記真空絶縁容器の外側と前記主絶縁層との間に介在し、前記主絶縁層より誘電率の高い絶縁材料からなる複数の層を有する高誘電率層とを具備している。
以下、実施形態の樹脂モールド真空バルブを、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る樹脂モールド真空バルブ100の縦断面構成を模式的に示す図である。図1に示すように、樹脂モールド真空バルブ100は、両端に開口部を有する筒状の真空絶縁容器101を具備している。この真空絶縁容器101は、例えばアルミナ磁器などのセラミックスから構成されている。
真空絶縁容器101の内部には、固定側電極102と、可動側電極103とからなる一対の電極が離接可能に配設されている。固定側電極102には、固定側通電軸104が接続されている。また、可動側電極103には、可動側通電軸105が接続されている。
真空絶縁容器101内の、固定側電極102と可動側電極103の周囲には、これらを囲むようにアークシールド106が配設されている。真空絶縁容器101内は、例えば、10−2Pa以下の真空雰囲気とされている。
真空絶縁容器101の固定側通電軸104側(図1中上側)には、固定封着金具110を介して固定封着板107が配設され、固定封着板107によって真空絶縁容器101の開口部が気密に閉塞されている。固定側通電軸104は、固定封着板107を貫通して真空絶縁容器101の外部まで延在している。
真空絶縁容器101の可動側通電軸105側(図1中下側)には、可動封着金具111を介して可動封着板108が配設され、可動封着板108によって真空絶縁容器101の開口部が気密に閉塞されている。可動側通電軸105は、可動封着板108を貫通して真空絶縁容器101の外部まで延在している。可動側通電軸105と可動封着板108との間には、これらの間を気密に封止するとともに、可動側通電軸105をその軸方向に沿って移動可能とするベローズ109が配設されている。
真空絶縁容器101の周囲には、例えば、エポキシ樹脂等の絶縁性樹脂を注型して構成された主絶縁層112が形成されている。また、主絶縁層112の外側には、導電性材料からなり、接地電位とされる接地層113が設けられている。
また、本実施形態の樹脂モールド真空バルブ100では、主絶縁層112と真空絶縁容器101との間に介在するように、高誘電率層120が配設されている。高誘電率層120は、内側に位置する第1高誘電率層120aと、この第1高誘電率層120aの外側に位置する第2高誘電率層120bの2層構造とされている。
高誘電率層120を構成する、第1高誘電率層120a及び第2高誘電率層120bは、何れも主絶縁層112の誘電率(ε3)より誘電率の高い材料から構成されている。また、第1高誘電率層120a、第2高誘電率層120bの誘電率の関係は、第1高誘電率層120aの誘電率(ε1)が、第2高誘電率層120bの誘電率(ε2)より高くなるように設定されている。したがって、誘電率の関係は、
第1高誘電率層(ε1)>第2高誘電率層(ε2)>主絶縁層(ε3)
となっている。
第1高誘電率層(ε1)>第2高誘電率層(ε2)>主絶縁層(ε3)
となっている。
なお、高誘電率層120は、上記の2層構造のものに限定されるものではなく、3層以上の構造としてもよい。この場合も、内側から外側に向けて次第に誘電率が低くなるように設定し、かつ、高誘電率層120における最外層の誘電率が、主絶縁層112の誘電率より高くなるように設定することが好ましい。
図1に示すように、本実施形態の樹脂モールド真空バルブ100では、高誘電率層120は、固定封着金具110と固定封着板107との接続部周辺、及び、可動封着金具111と可動封着板108との接続部周辺に設けられている。これは、固定封着金具110と固定封着板107との接続部周辺、及び、可動封着金具111と可動封着板108との接続部周辺における電圧が特に高くなるためである。
上記のような高電圧部においては、絶縁層内における等電位線の間隔が狭くなるため、電解強度が高くなり、絶縁信頼性が低くなってしまう。そして、このような高電圧部に高誘電率層120を設けることによって、等電位線の間隔を広げることができ、この部分の電界強度を緩和して、絶縁信頼性を高めることができる。この場合、誘電率層120の内側から外側に向けて誘電率が低くなる構成とすることによって、等電位線の間隔を均等にすることができ、電解強度を均一にすることができる。このように、本実施形態の樹脂モールド真空バルブ100によれば、電界緩和シールド等を用いることなく、構造の複雑化を招くこともなく、絶縁信頼性の向上を図ることができる。
上述したとおり、高誘電率層120は、少なくとも、高電圧となる図1に示される上記の、固定封着金具110と固定封着板107との接続部周辺、及び、可動封着金具111と可動封着板108との接続部周辺に配設することが好ましい。しかし、高誘電率層120は、一部に限らず、真空絶縁容器101の周囲全体に配設してもよい。
主絶縁層112を構成する材料として、例えばエポキシ樹脂を使用した場合、その誘電率(ε3)は、3〜4程度となる。したがって、高誘電率層120を構成する材料の誘電率(ε1,ε2)は、3〜4より高いものを選択する。この場合、エポキシ樹脂などの樹脂に、誘電率の高い物質を混入してその誘電率を調整してもよい。高誘電率層120のうち、より誘電率の高い 第1高誘電率層120aの誘電率(ε1)は、10以上であることが好ましい。また、 第2高誘電率層120bの誘電率(ε2)は、3〜4より高く、第1高誘電率層120aの誘電率(ε1)より低くすることが好ましい。
また、等電位線の間隔を均等にして電解強度を均一にするためには、図2に示す、第1高誘電率層120aの厚さd1、第2高誘電率層120bの厚さd2、第2高誘電率層120bの外側に位置する主絶縁層112の厚さd3と、各層の誘電率ε1、ε2、ε3との関係も重要となる。
前述したとおり、誘電率については、ε1>ε2>ε3とされていることから、厚さについては、d1<d2<d3とすること、すなわち、真空絶縁容器101側の第1高誘電率層120aの厚さd1が薄く、外側の層ほど厚さが厚くなるように設定することが好ましい。
また、この場合、例えば、各層の誘電率と各層の厚さの積算値を等電位線の間隔を均等にするための1つの指標とすることができる。そして、例えば、
ε1×d1=ε2×d2=ε3×d3
の関係を満たすように各層の誘電率と各層の厚さを設定することがさらに好ましい。このように、各層の誘電率と各層の厚さの積算値が略等しくなるように設定することによって、等電位線の間隔を均等にして電解強度を均一にすることができ、絶縁信頼性をさらに向上させることができる。
ε1×d1=ε2×d2=ε3×d3
の関係を満たすように各層の誘電率と各層の厚さを設定することがさらに好ましい。このように、各層の誘電率と各層の厚さの積算値が略等しくなるように設定することによって、等電位線の間隔を均等にして電解強度を均一にすることができ、絶縁信頼性をさらに向上させることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100……樹脂モールド真空バルブ、101……真空絶縁容器、102……固定側電極、103……可動側電極、104……固定側通電軸、105……可動側通電軸、106……アークシールド、107……固定封着板、108……可動封着板、109……ベローズ、110……固定封着金具、111……可動封着金具、112……主絶縁層、113……接地層、120……高誘電率層、120a……第1高誘電率層、120b……第2高誘電率層。
Claims (6)
- 絶縁材料から構成され両端に開口部を有する筒状の真空絶縁容器と、
前記真空絶縁容器内に収容され、離接可能な一対の電極と、
前記真空絶縁容器の両端の前記開口部をそれぞれ閉塞する封着板と、
前記真空絶縁容器の外側を覆う絶縁性樹脂からなる主絶縁層と、
前記真空絶縁容器の外側と前記主絶縁層との間に介在し、前記主絶縁層より誘電率の高い絶縁材料からなる複数の層を有する高誘電率層と
を具備したことを特徴とする樹脂モールド真空バルブ。 - 前記高誘電率層を構成する複数の層の誘電率が、前記真空絶縁容器側の層が高く、外側の層が低い
ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂モールド真空バルブ。 - 前記高誘電率層が、少なくとも、前記真空絶縁容器と前記封着板との接続部の周辺に配設されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂モールド真空バルブ。 - 前記高誘電率層を構成する複数の層の厚さが、前記真空絶縁容器側の層が薄く、外側の層が厚い
ことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の樹脂モールド真空バルブ。 - 前記高誘電率層を構成する複数の層の誘電率と厚さとの積算値が、各層間で等しい
ことを特徴とする請求項1乃至4何れか1項に記載の樹脂モールド真空バルブ。 - 前記主絶縁層の外周面に設けられ、接地電位とされる接地層を具備した
ことを特徴とする請求項1乃至5何れか1項に記載の樹脂モールド真空バルブ。
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JP2017241704A JP2019110012A (ja) | 2017-12-18 | 2017-12-18 | 樹脂モールド真空バルブ |
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JP (1) | JP2019110012A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022179834A1 (de) * | 2021-02-25 | 2022-09-01 | Siemens Aktiengesellschaft | Elektrische schaltvorrichtung für mittel- und/oder hochspannungsanwendungen |
-
2017
- 2017-12-18 JP JP2017241704A patent/JP2019110012A/ja active Pending
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WO2022179834A1 (de) * | 2021-02-25 | 2022-09-01 | Siemens Aktiengesellschaft | Elektrische schaltvorrichtung für mittel- und/oder hochspannungsanwendungen |
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