JP2018147775A - 真空バルブ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱応力緩和層の効果と真空バルブの電気特性とを高いレベルで両立した真空バルブ及びその製造方法を提供する。【解決手段】真空バルブ(100a)は、真空容器(6)と、真空容器(6)の端部に固定された固定電極(2)と、可動電極(3)と、真空容器(6)の外側の表面を覆う絶縁樹脂層(1)とを有する。そして、固定電極(2)の端部に設けられた固定接点(20)と、可動電極(3)の端部に設けられた可動接点(30)とを囲むように設けられたシールド(8)と、一端がシールド(8)に固定され、他端が真空容器(6)に固定されたシールド固定板(9)とを有し、真空容器(6)の外側の表面において、シールド固定板(9)が固定されている箇所に対応する箇所と絶縁樹脂層(1)との間に、熱応力緩和層(10)が設けられる。【選択図】図1
Description
本発明は、真空バルブ及びその製造方法に関する。
遮断器、静止器及び回転機といった電力機器においては小型化及び軽量化が進んでいる。これに伴い、機器の配線や部品が高密度化し、絶縁層の厚さは薄くなっている。遮断器は、事故により電力系統に事故電流が流れた際、電流を遮断して設備を保護するものであり、電流遮断は遮断器の一部である樹脂モールド真空バルブ(以下、単に「真空バルブ」と称する。)が行う。真空バルブは、セラミックス製真空容器内に電極、ベローズ及びシールドが配置されており、真空容器は絶縁樹脂でモールドされている構成を有する。
上述したように、真空バルブを構成するセラミックス製真空容器は絶縁樹脂でモールドされているが、セラミックス製真空容器とモールド樹脂の線膨脹係数の差が大きく、これにより発生する熱応力も大きい。そのため、従来から真空バルブの熱応力を緩和するための構造が検討されている。熱応力緩和構造の一例として、真空バルブ全体に弾性体を配置するもの等が開発されている。
例えば、特許文献1には、内部が気密に封止される真空容器と、端部に固定電極が設けられる固定軸と、端部に可動電極が設けられる可動軸と、を有し、真空容器内部で固定電極及び可動電極が対向する状態で真空容器の一端に固定電極が固定されて取り付けられ、かつ真空容器の他端に可動電極が移動可能に取り付けられて接点が形成される真空バルブと、真空バルブの固定軸に接続され、引き出し口から外部へ引き出される導体と、真空バルブの固定軸側に配置される電界集中緩和シールドと、真空バルブの可動軸側に配置される電界集中緩和シールドと、導体の引き出し口付近に配置される電界集中緩和シールドと、真空バルブ、及び、導体の外周を覆う緩衝層と、真空バルブの可動軸を移動自在にするとともに、真空バルブの固定軸、真空バルブの真空容器、導体、緩衝層、及び、各電界集中緩和シールドを埋設して固定する樹脂絶縁体と、を備えることを特徴とする樹脂モールド真空バルブが開示されている。
上述した従来技術では、熱応力緩和層の効果と真空バルブの電気特性とを高いレベルで両立させる観点において、更なる改善の余地があった。
したがって、本発明は、熱応力緩和層の効果と真空バルブの電気特性とを高いレベルで両立した真空バルブ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る真空バルブは、真空容器と、真空容器の端部に固定された固定電極と、可動電極と、真空容器の外側の表面を覆う絶縁樹脂層とを有する。そして、真空容器の内部において、固定電極の端部に設けられた固定接点と、可動電極の端部に設けられた可動接点とを囲むように設けられたシールドと、一端がシールドに固定され、他端が真空容器に固定されたシールド固定板とを有し、真空容器の外側の表面において、シールド固定板が固定されている箇所に対応する箇所と絶縁樹脂層との間に、熱応力緩和層が設けられている。
また、本発明に係る真空バルブの製造方法は、端部にシールドが固定されたシールド固定板の上下を挟んで真空容器を組み立てる工程と、真空容器の外側の表面において、真空容器の内部のシールド固定板が固定されている箇所に対応する箇所に熱応力緩和層を設ける工程と、真空容器の外側の表面に絶縁樹脂層を設ける絶縁樹脂層形成工程と、を有する。
本発明のより具体的な構成は、特許請求の範囲に記載される。
本発明によれば、真空バルブにおいて、熱応力緩和層の効果と真空バルブの電気特性とを高いレベルで両立した真空バルブを提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
[本発明の基本思想]
本発明者は、熱応力緩和層の効果と真空バルブの電気特性とを高いレベルで両立した真空バルブの構成について、鋭意検討を行った。上述した特許文献1では、熱応力緩和層たる緩衝層(シリコーンゴム粒子充填可塑性樹脂層)を、真空バルブ、導体及び金属インサートの外周の広い範囲に、真空注型によって熱応力緩和層を設けている。真空注型によって緩衝層を作製する場合、製造上、緩衝層内に気泡が生じるが、緩衝層中に気泡が存在すると、部分放電の起点となって電気特性が低下する可能性がある。真空バルブの熱応力緩和層を設ける範囲が広ければ、それだけ緩衝層に生じる気泡も多くなってしまう。
本発明者は、熱応力緩和層の効果と真空バルブの電気特性とを高いレベルで両立した真空バルブの構成について、鋭意検討を行った。上述した特許文献1では、熱応力緩和層たる緩衝層(シリコーンゴム粒子充填可塑性樹脂層)を、真空バルブ、導体及び金属インサートの外周の広い範囲に、真空注型によって熱応力緩和層を設けている。真空注型によって緩衝層を作製する場合、製造上、緩衝層内に気泡が生じるが、緩衝層中に気泡が存在すると、部分放電の起点となって電気特性が低下する可能性がある。真空バルブの熱応力緩和層を設ける範囲が広ければ、それだけ緩衝層に生じる気泡も多くなってしまう。
また、熱応力緩和層の作製方法として、真空注型ではなく、ゴムシート等を配置する方法であっても、真空バルブを樹脂でモールドする工程における真空脱気の際に、やはり真空バルブとゴムシートの間に気泡が残存する可能性がある。
さらに、熱応力緩和層を設ける範囲が広いと、熱応力緩和層を構成する材料の使用量が多くなり、真空バルブの作製工程が増え、コストが増加してしまうという課題が生じる。
そこで、本発明では、熱応力緩和層の効果と真空バルブの電気特性とを高いレベルで両立すべく、熱応力緩和層を、真空バルブにおいて特に電界が集中する箇所にのみ設ける構成とした。熱応力緩和層を設ける範囲を必要最小限に留めることで部分放電の起点となり得る気泡を最小限に抑制することができる。以下、本発明に係る真空バルブの構成について詳述する。なお、以下の実施形態は本発明の具体的な説明のためのものであって、本発明の範囲がこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の発明思想の範囲内において自由に変更可能である。
[真空バルブ]
図1は本発明の第1の実施形態に係る真空バルブの断面を示す模式図である。図1に示すように、真空バルブ100aは、内部が真空に保たれた真空容器6と、真空容器6の端部に固定された固定電極2と、真空容器6の固定電極2が固定された端部と反対側の端部に固定され、固定電極2と対向して設けられた可動電極3と、真空容器6の外側の表面を覆う絶縁樹脂層1とを有する。本発明に係る真空バルブ100aは、真空容器6が絶縁樹脂層1でモールドされた、いわゆる樹脂モールド真空バルブである。
図1は本発明の第1の実施形態に係る真空バルブの断面を示す模式図である。図1に示すように、真空バルブ100aは、内部が真空に保たれた真空容器6と、真空容器6の端部に固定された固定電極2と、真空容器6の固定電極2が固定された端部と反対側の端部に固定され、固定電極2と対向して設けられた可動電極3と、真空容器6の外側の表面を覆う絶縁樹脂層1とを有する。本発明に係る真空バルブ100aは、真空容器6が絶縁樹脂層1でモールドされた、いわゆる樹脂モールド真空バルブである。
真空容器6の内部において、固定電極2の可動電極3に対向する端部には固定接点20が設けられており、可動電極3の固定電極2に対向する端部には、可動接点30が設けられている。そして、固定接点20及び可動接点30を囲むようにして、シールド(電界緩和シールド)8が設けられている。シールド8は、シールド固定板9によって真空容器6に固定されている。すなわち、シールド固定板9は、一端がシールド8に固定され、他端が真空容器6に固定されている。
本発明では、真空容器6の外側の表面において、シールド固定板9が固定されている箇所に対応する箇所と絶縁樹脂層1との間に、熱応力緩和層10が設けられている。このように、本発明では、熱応力緩和の効果を最も高く得られる箇所にのみ設け、熱応力緩和層を設ける範囲を従来よりも抑制することとした。このような構成とすることで、部分放電の起点となる気泡を低減し、熱応力緩和層の効果と真空バルブの電気特性とを高いレベルで両立させることができる。
本実施形態に係る熱応力緩和層10は、室温で液状の樹脂(例えば、シリコーン樹脂)を、真空容器6の表面に塗布し、乾燥したものである(塗布膜状熱応力緩和層)。
図2は本発明の第2の実施形態に係る真空バルブの断面を示す模式図である。図2に示す真空バルブ100bは、熱応力緩和層11をシート状の部材とした点が真空バルブ100aと異なる。シート状の部材としては、特に限定は無いが、例えばシリコーンゴムシートが好ましい。
図3は本発明の第3の実施形態に係る真空バルブの断面を示す模式図である。図3に示す真空バルブ100cは、熱応力緩和層12をメッシュ状(網目状)の部材とした点が真空バルブ100aと異なる。メッシュ状の部材としては、メッシュシート及びメッシュチューブを用いることができる。
メッシュシートの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、テフロン(登録商標)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンサルファイド及びガラス等を用いることができる。また、メッシュチューブの材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、テフロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンサルファイド及びガラス等を用いることができる。このような材料で構成されたメッシュシート及びメッシュチューブは、市販されている製品を用いることができる。
熱応力緩和層12としてメッシュ状の部材を採用することで、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態よりも、さらに熱応力緩和層12の設置範囲が小さくなり、真空容器6との界面にある空気が真空脱気で抜けやすくなり、気泡の発生を低減し、電気特性の低下を抑制することができる。
図4は本発明の第4の実施形態に係る真空バルブの断面を示す模式図である。図4に示す真空バルブ100dは、熱応力緩和層13a,13bをリング状の部材とした点が真空バルブ100aと異なる。リング状の部材としては、例えばOリングが好適である。
リング状の部材の材料としては、シリコーンゴム、ブチルゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム及びエピクロルヒドリンゴム等が好適である。
熱応力緩和層13a,13bとしてリング状の部材を採用することで、上述した第1〜第3の実施形態よりも、さらに熱応力緩和層13a,13bの設置範囲が小さくなり、真空容器6との界面にある空気が真空脱気で抜けやすくなり、気泡の発生を低減し、電気特性の低下を抑制することができる。
図4では、リング状部材13a,13bをシールド固定板9の上部及び下部に設けているが、2か所に限られることなく、熱応力緩和の効果を考慮して、設ける個数を決めることができる。
本発明に係る真空容器6には、上述した構成の他、固定電極2側に設けられた固定側エンドプレート4と、可動電極3側に設けられた可動側エンドプレート5が設けられ、真空容器6の内部にはベローズ7が設けられている。本発明に係る真空バルブは、熱応力緩和層以外は従来と同様の構成を採用することができる。例えば、絶縁樹脂層1を構成するモールド樹脂は、モールド時の粘度を下げるためにベースとなるエポキシ樹脂、酸無水物は室温で液状であるものとする。また、モールド樹脂には線膨脹係数を下げるための充填材が必要であり、充填材としては溶融シリカ、結晶性シリカ及びアルミナ等が挙げられる。
[真空バルブの製造方法]
次に、本発明に係る真空バルブの製造方法について説明する。本発明に係る真空バルブの製造方法は、まず端部にシールド8が固定されたシールド固定板9の上部及び下部を挟んで真空容器6を組立てる工程を有する。図面には示されていないが、真空容器6は、シールド固定板9を挟むよう、上部と下部の2つの別の部材で構成されている。真空容器6を組立てた後、真空容器6の外側の表面において、シールド固定板9が固定されている箇所に対応する箇所に熱応力緩和層10を設ける工程と、真空容器6の外側の表面に絶縁樹脂層1を設ける絶縁樹脂層形成工程とを有する。熱応力緩和層は、上述した本発明に係る真空バルブを構成する熱応力緩和層を適用する。
次に、本発明に係る真空バルブの製造方法について説明する。本発明に係る真空バルブの製造方法は、まず端部にシールド8が固定されたシールド固定板9の上部及び下部を挟んで真空容器6を組立てる工程を有する。図面には示されていないが、真空容器6は、シールド固定板9を挟むよう、上部と下部の2つの別の部材で構成されている。真空容器6を組立てた後、真空容器6の外側の表面において、シールド固定板9が固定されている箇所に対応する箇所に熱応力緩和層10を設ける工程と、真空容器6の外側の表面に絶縁樹脂層1を設ける絶縁樹脂層形成工程とを有する。熱応力緩和層は、上述した本発明に係る真空バルブを構成する熱応力緩和層を適用する。
[実施例1〜16及び比較例1の真空バルブの作製]
熱応力緩和層として、シリコーンゴムを塗布したもの(実施例1)、ポリエステル製のメッシュシート(実施例2)、ポリアミド製のメッシュシート(実施例3)、テフロン製のメッシュシート(実施例4)、ポリエチレンテレフタレート製のメッシュシート(実施例5)、ガラス製のメッシュシート(実施例6)、ポリエステル製のメッシュチューブ(実施例7)、ポリアミド製のメッシュチューブ(実施例8)、テフロン製のメッシュチューブ(実施例9)、ポロエチレンテレフタレート製のメッシュチューブ(実施例10)、ガラス製のメッシュチューブ(実施例11)、シリコーンゴム製のOリング(実施例12)、エチレンプロピレンゴム製のOリング(実施例13)、フッ素ゴム製のOリング(実施例14)、アクリルゴム製のOリング(実施例15)及びブタジエンゴム製のOリング(実施例16)を用いた真空バルブを作製した。
熱応力緩和層として、シリコーンゴムを塗布したもの(実施例1)、ポリエステル製のメッシュシート(実施例2)、ポリアミド製のメッシュシート(実施例3)、テフロン製のメッシュシート(実施例4)、ポリエチレンテレフタレート製のメッシュシート(実施例5)、ガラス製のメッシュシート(実施例6)、ポリエステル製のメッシュチューブ(実施例7)、ポリアミド製のメッシュチューブ(実施例8)、テフロン製のメッシュチューブ(実施例9)、ポロエチレンテレフタレート製のメッシュチューブ(実施例10)、ガラス製のメッシュチューブ(実施例11)、シリコーンゴム製のOリング(実施例12)、エチレンプロピレンゴム製のOリング(実施例13)、フッ素ゴム製のOリング(実施例14)、アクリルゴム製のOリング(実施例15)及びブタジエンゴム製のOリング(実施例16)を用いた真空バルブを作製した。
また、比較例1として、真空容器全体にシリコーン樹脂を塗布したものを熱応力緩和層とした真空バルブを作製した。
[実施例1〜16及び比較例1の真空バルブの評価]
(1)耐クラック性の評価
熱応力緩和層の効果を確認するために、上述した実施例1〜16及び比較例1の真空バルブの冷熱試験を行い、真空バルブの耐クラック性を評価した。−30℃〜90℃×10サイクルの熱ストレス加えクラックの有無は目視で確認した。実施例1〜6おび比較例1の結果を後述する表1に、実施例7〜16の結果を後述する表2に示す。
(1)耐クラック性の評価
熱応力緩和層の効果を確認するために、上述した実施例1〜16及び比較例1の真空バルブの冷熱試験を行い、真空バルブの耐クラック性を評価した。−30℃〜90℃×10サイクルの熱ストレス加えクラックの有無は目視で確認した。実施例1〜6おび比較例1の結果を後述する表1に、実施例7〜16の結果を後述する表2に示す。
(2)電気特性の評価
真空バルブの電気特性を確認するために、上述した実施例1〜16及び比較例1の真空バルブの部分放電特性を測定した。実施例1〜6おび比較例1の結果を後述する表1に、実施例7〜16の結果を後述する表2に示す。
真空バルブの電気特性を確認するために、上述した実施例1〜16及び比較例1の真空バルブの部分放電特性を測定した。実施例1〜6おび比較例1の結果を後述する表1に、実施例7〜16の結果を後述する表2に示す。
表1及び表2に示すように、従来の構成を有する比較例1の真空バルブは、クラックの発生は無かったが、部分放電の発生が見られた。これは、熱応力緩和層の設置範囲が広いため、気泡の残存量が多いためであると考えられる。一方、発明に係る真空バルブ(実施例1〜16)では、クラックの発生及び部分放電の発生がともに見られなかった。これは、熱応力緩和層を設ける範囲を極小にしても、熱応力緩和層の効果を得ることができ、また、熱応力緩和層を設ける範囲を極小にしたことで、部分放電の起点となり得る気泡を低減し、部分放電の発生を抑制することができたためである。
以上説明したように、本発明に係る真空バルブ及びその製造方法によれば、熱応力緩和層の効果と真空バルブの電気特性とを高いレベルで両立した真空バルブを提供することができることが実証された。本発明では、熱応力緩和層を応力集中部に配置することで熱応力緩和層の使用量を減らすことができる。熱応力緩和層の設置範囲が減ることで、部分放電の起点となり得る気泡の残存が抑制される。熱応力緩和層の形状をメッシュ状またはリング状にすることで、さらに熱応力緩和層と真空バルブとの界面にある空気が真空脱気で抜けやすくなり、気泡残存による電気特性低下が抑制される。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…絶縁樹脂層(モールド樹脂層)、2…固定電極、3…可動電極、4…固定側エンドプレート、5…可動側エンドプレート、6…真空容器、7…ベローズ、8…シールド、9…シールド固定板、10…塗布膜状熱応力緩和層、11…シート状熱応力緩和層、12…メッシュ状熱応力緩和層、13a,13b…リング状熱応力緩和層、20…固定接点、30…可動接点、100a,100b,100c,100d…真空バルブ(樹脂モールド真空バルブ)。
Claims (11)
- 内部が真空に保たれた真空容器と、
前記真空容器の端部に固定された固定電極と、
前記真空容器の前記固定電極が固定された端部と反対側の端部に固定され、前記固定電極と対向して設けられた可動電極と、
前記真空容器の外側の表面を覆う絶縁樹脂層と、を有し、
前記真空容器の内部において、前記固定電極の前記可動電極に対向する端部に設けられた固定接点と、前記可動電極の前記固定電極に対向する端部に設けられた可動接点と、を囲むように設けられたシールドと、
一端が前記シールドに固定され、他端が前記真空容器に固定されたシールド固定板と、を有し、
前記真空容器の外側の表面において、前記シールド固定板が固定されている箇所に対応する箇所と前記絶縁樹脂層との間に、熱応力緩和層が設けられていることを特徴とする真空バルブ。 - 前記熱応力緩和層が、シート状の部材であることを特徴とする請求項1記載の真空バルブ。
- 前記シート状の部材が、シリコーンゴムシートであることを請求項2記載の真空バルブ。
- 前記熱応力緩和層が、メッシュ状の部材であることを特徴とする請求項1記載の真空バルブ。
- 前記メッシュ状の部材が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、テフロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンサルファイド又はガラスからなるメッシュシートであることを特徴とする請求項4記載の真空バルブ。
- 前記メッシュ状の部材が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、テフロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンサルファイド又はガラスからなるメッシュチューブであることを特徴とする請求項4記載の真空バルブ。
- 前記熱応力緩和層が、リング状の部材であることを特徴とする請求項1記載の真空バルブ。
- 前記リング状の部材が、シリコーンゴム、ブチルゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム又はエピクロルヒドリンゴムからなることを特徴とする請求項7記載の真空バルブ。
- 前記リング状の部材を、前記シールド固定板の上部及び下部の2か所に配置したことを特徴とする請求項7記載の真空バルブ。
- 端部にシールドが固定されたシールド固定板の上下を挟んで真空容器を組み立てる工程と、
前記真空容器の外側の表面において、前記真空容器の内部の前記シールド固定板が固定されている箇所に対応する箇所に熱応力緩和層を設ける工程と、
前記真空容器の外側の表面に絶縁樹脂層を設ける絶縁樹脂層形成工程と、を有することを特徴とする真空バルブの製造方法。 - 前記熱応力緩和層が、シート状の部材、メッシュ状の部材又はリング状の部材であることを特徴とする請求項10記載の真空バルブの製造方法。
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