JP2019108796A - 建具 - Google Patents
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Abstract
Description
ロック部材105は補強のために鋼板を断面略コの字状に折り曲げて形成し、しかも先端面はプレス加工で凸曲部105aを形成するため、折り曲げ部に板厚分の端部角部105bが形成され、角ばっている上にバリ等があった。
そして、閉鎖状態にある下障子101を開放作動する際に、ロック部材105を凹溝103aから引き抜いてロックを解除し、下障子101を屋内側に倒すと、ラッチ部材106がばねの付勢力に抗して凹溝103aから後退して係合を解除し、ガイド溝103bに移動して再び係合させる。次いで、下障子101を持ち上げることで、下障子101はガイド溝103bに沿って上障子側に上昇して開口状態になる。
また、ラッチ部材106は、ラッチ部の先端形状が中央平面の両側に比較的小径(例えば半径7mm未満)の凸曲部を形成したため、凹溝103aやガイド溝103b内に落ち込むために移動がスムーズでなく衝撃音が発生する欠点があった。
また、本発明の他の目的は、ロック部材が先端面の肉厚に関わらずスムーズにロック受け部とロックできるようにした建具を提供することである。
本発明によれば、可動障子を閉鎖位置と開放させるガイド溝との間で移動させる際、ラッチ部材はガイド溝に係脱する際にラッチ受け部に保持されて進退するが、ラッチ部材は突部によってラッチ受け部に当接していて遊びがないため、ラッチ部材はガイド溝に係脱する際に縦枠に衝突等してもがたつかず移動がスムーズで異音の発生を防止できる。
本発明では、可動障子のロック部材を凹溝内のロック受け部にロックする際、ロック部材の先端面に形成した肉厚部をなす中央の凸曲部の一部または別個の端部の凸曲部がロック受け部を乗り越えるため、引っかかりをなくしてスムーズにロックできる。
ラッチ部材のラッチ部を半径の大きな凸曲面状に形成したため、ガイド溝に係止及び離脱する際に大きな落ち込みがなくスムーズに係合及び離脱することができる。
ロック部材の先端面を1または複数段の凸曲面状に形成する際、その先端面に加工によるバリ等が生じていてもその後方の側面にロック受け部を係合するため、パッキンの反発があっても可動障子の閉鎖位置でロック部材をロックでき、しかもロック部材のロックとその解除がスムーズに行える。
図1乃至図11は本発明の実施形態による上げ下げ窓1を示すものである。
本実施形態による上げ下げ窓1は、図1に示すように建物の開口部に四角形枠状の枠体2と枠体2内に収められて密閉する上障子3及び下障子4とを備えている。枠体2は、上枠6、下枠7、左右の縦枠8,9からなっている。枠体2内の上障子3は固定障子として枠体2に固定保持され、下障子4は可動障子として上下方向に昇降可能で開閉可能である。
そして、上障子3と下障子4は閉鎖状態で枠体2内に略同一平面状に保持されて高い気密性と良好な意匠性を有しており、開口時には下障子4を傾斜させて左右の縦枠8,9のガイド溝15に沿って上昇させることで開口することができる。
なお、上障子3と下障子4はパネルとしてトリプルガラス21に代えてぺアガラスや他の複層ガラスや単層ガラス等を収納していてもよい。
また、下部補強金具36は上部補強金具33と略対称に形成されていてそれぞれグレージングチャンネル32を介してトリプルガラス27を上下に挟持する構成を有している。
しかも、上框23と下框24に引手部30と樹脂下框37をそれぞれ設置すると共に、金属上框34と金属下框38を屋外側に寄せて断熱性を高めたことによる下障子4の強度低下を両補強金具33、36で補強している。
また、開口42aを形成する下枠7には例えばアルミ製の金属下枠44が形成され、金属下枠44の屋外側端部に固定されたパッキン45に閉鎖状態の下障子4の金属下框38が当接して密閉している。
図4において、下障子4の縦框25,26にはそれぞれグレージングチャンネル32を覆う金属縦框49に樹脂縦框50が連結されている。各樹脂縦框50の縦枠8,9側には例えばモヘア等のシール材51が上下方向に取り付けられている。
縦框25,26に対向する縦枠8,9には金属縦枠52の内側に樹脂縦枠53が連結され、樹脂縦枠53は断面筒状のホロー部53aが縦方向と横方向にそれぞれ複数形成されている。各金属縦枠52の屋外側に固定されたパッキン46には閉鎖位置にある下障子4の金属縦框49が当接して気密に密閉している。
ラッチ部材57は、下障子4における上框23の見付け方向(幅方向)の両側部に設けられ、後述するコイルばね66の弾性によって前方(外側)に付勢されて突出する。そして、下障子4を引手部30で屋内側に傾斜させて、ラッチ部材57をガイド溝15の直線溝15bに嵌合可能としている。
下障子4を開閉する場合にはラッチ部材57と支持部材13が嵌合するガイド溝15をガイドとして昇降可能とされている。また、上げ下げ窓1の清掃状態では、ラッチ部材57がガイド溝15を外れて更に屋内側に傾斜して保持されることになる。
特に本実施形態では、曲面部62cの曲率半径を従来技術より大きい例えば7mmまたはそれ以上に設定して丸みを大きく滑らかに形成した。これによって、ラッチ部62aが凹溝60やガイド溝15に係脱する際に移動が滑らかであり、縦枠8,9の枠部と衝突することによる衝突音を低減させることができる。
図8において、ラッチ部材57のラッチ板62の裏側に上長溝62eが形成され、ラッチ板62の内側に係止させたラッチ芯金61には上下に貫通する中長溝61aが形成されている。ラッチ部材57におけるラッチ芯金61の中長溝61aの先端面61bには突片61cが形成され、後端部にはラッチ板62とラッチ芯金61に開口が形成されている。
そのため、コイルばね66は上長溝62e、中長溝61a、下長溝56a間に配設されている。コイルばね66の一端部は本体部56に形成した下長溝56aの後端面56bに固定され、他端部はラッチ芯金61に形成した突片61cに係止されている。これによって、ラッチ部材57はコイルばね66の付勢力によって縦枠8,9の凹溝60やガイド溝15方向に進出してラッチ部62aが係脱可能とされている。
尚、図8に示すように、ラッチ板62に設けた突部67に代えて、本体部56における下長溝56aの両側に突部67を設けてもよい。これによってもラッチ部材57をラッチ受け部64の上側内面に当接することができる。
本実施形態によるロック部材58は略コの字状の断面形状が短片部58aと底部58bと本体部56の外側に突出する長片部58cとで概略構成されており、短片部58aの両側部と底部58bの一部両側面とで挿通溝69に当接している。そして、短片部58aの端面が挿通溝69の最奥部69aと非接触である上に長片部58cの端面部分が下障子4の框部に当接していない点で、上述した従来技術と相違している。これによって従来技術と比較してロック部材58の摺動をよりスムーズに行うことができる。
なお、ロック部材58を凹溝60から外すとロック受け部70から外れてアンロック(解錠)状態になり、下障子4を傾斜させることでラッチ部材57のラッチ部62aがガイド溝15に係合可能になる。
ロック部材58は上述のように板状の鋼材を断面略コの字状に折り曲げて形成して強度を高めており、平面視で先端部は中央凸曲部72aとその一方の端部である底部58bに形成した端部凸曲部72bとを有している。特に凹溝60のロック受け部70が摺動可能な端部凸曲部72bは底部58bの板厚部分で形成されており、金型によるプレス加工で形成することで、この端部凸曲部72bを断面円弧状に形成した。
これによって端部凸曲部72bに角部が形成されず円弧状の曲面を形成するため、ロック受け部70のフック状の先端部をこすりながらスムーズに摺動してロック部材58の(底部58bの)側面58dに係合することができる。
なお、図9(a)において、ロック部材58の先端部における短片部58aと底部58bと長片部58cとの各折り曲げ部に折り曲げを容易にするスリット溝59を形成してもよい。
図1及び図3に示すように下障子4が閉鎖状態にある場合には、枠体2内で上障子3と下障子4が同一面状に設置されて気密性を保持している。しかも下障子4の上框23の両側に設けた各ロック装置55のロック部材58は縦枠8,9の凹溝60内に進出して略フック状のロック受け部70と側面58dで係合してロック(施錠)している。また、ラッチ部材57はコイルばね66の付勢力によってラッチ部62aが凹溝60に係合している。
この状態から、下障子4を開口作動するには、上框23の両側に設けた各ロック装置55の操作部71をスライドさせてロック部材58を縦枠8,9の各凹溝60から外し、下障子4の引手部30を操作者が把持して屋内側に引く。
下障子4の傾斜時に、ラッチ部材57のラッチ部62aが回動して凹溝60やガイド溝15を仕切る縦枠8,9に係脱しても、ラッチ部材57は突部67によってラッチ受け部64に当接しているために遊びがなく、ガチャガチャと異音が発生することはない。しかも、ラッチ部62aが凹溝60やガイド溝15に係脱する際に、ラッチ部62aは中央の平面部62bの両側に丸みの大きい曲面部62cを有するため、凹溝60やガイド溝15に係合したり離脱したりするときに滑らかに移動して乗り越えることができて、衝突音を低減できる。
なお、下障子4は、支持部材13を引き上げるワイヤー12の上端を連結したバランサー11内の巻き上げばねの付勢力によって任意の開口位置で停止する。
そして、下障子4は支持部材13が傾斜溝15aの下端に到達して傾斜状態となった半開状態に至る。次いで、支持部材13を支点として下障子4を見込み方向屋外側、即ち上障子3の方向に回動させることでラッチ部材57をコイルばね66の付勢力に抗してガイド溝15から後退させて外し、その屋外側に設けた縦枠8,9の凹溝60にコイルばね66の付勢力でラッチ部材57のラッチ部62aを係合させる。
こうして、下障子4は図3に示す上障子3と平面状に重なった閉鎖位置に至る。
また、ロック部材58は先端面が中央凸曲部72aと肉厚部の端部凸曲部72bを有するためフック状のロック受け部70を弾性変形させて乗り越える際に、下枠7、縦枠8,9に設けたパッキン45、46を圧縮した状態でスムーズにロック位置に移動させることができる。しかもロック部材58がロック受け部70を乗り越える際に、中央凸曲部72aと端部凸曲部72bの間でクリック感が生じないため、下障子4でパッキン45、46を押圧した気密状態の閉鎖位置でロックできる。
例えば上述した実施形態では、ロック部材58はロック受け部70を乗り越える際に図9(a)、(b)に示すように中央凸曲部72aと端部凸曲部72bからなる二段の曲面を設けたが、本発明はこのような構成に限定されない。
例えば、図9(c)に示すように1つの凸曲部74で形成してもよい。この場合には、1つの金型でプレス加工することで肉厚部の底部58bも短片部58a及び長片部58cと一体に略円弧状の凸曲部74を形成できる。この場合には、ロック工程の途中で一層確実に段差によるクリック感を操作者に感じさせることはないので、よりスムーズ且つ確実にロック操作を行える。
なお、突部67は金属または樹脂のいずれで形成してもよい。
また、本発明の建具は上げ下げ窓1に限定されることなく、ラッチ部材57、更にはロック部材58等を備えた各種の窓やドア等にも適用できる。
2 枠体
4 下障子
7 下枠
8,9 縦枠
15 ガイド溝
23 上框
30 引手部
55 ロック装置
56 本体部
57 ラッチ部材
58 ロック部材
58d 側面
60 凹溝
61 ラッチ芯金
64 ラッチ受け部
66 コイルばね
67 突部
70 ロック受け部
72a 中央凸曲部
72b 端部凸曲部
74 凸曲部
Claims (4)
- 建物開口部に設けた枠体内の一方に設けた固定障子と他方に設けていて移動可能な可動障子とを備えた建具であって、
前記枠体の縦枠に形成されていて前記可動障子を閉鎖位置に保持する凹溝と、
前記枠体の縦枠に形成されていて前記可動障子の移動をガイドするガイド溝と、
前記可動障子に設けていて該可動障子を前記ガイド溝に係脱可能に支持するラッチ部材と、
前記ラッチ部材を前記ガイド溝に係脱するよう進退可能に支持するラッチ受け部と、
前記ラッチ部材とラッチ受け部の一方に設けていて前記ラッチ部材をラッチ受け部に当接させる突部と、
を備えたことを特徴とする建具。 - 前記凹溝に形成したロック受け部と、
前記可動障子に設けていて前記凹溝に対して進退可能であって進出位置で前記ロック受け部を乗り越える先端面を備えたロック部材と、を備え、
前記ロック部材の先端面は略コの字状に折り曲げて肉厚部が先端面に形成した凸曲部の一部または別個の凸曲部とされ、前記凸曲部または別個の凸曲部は前記ロック受け部を乗り越えて係合するようにした請求項1に記載された建具。 - 前記ラッチ部材において、前記ガイド溝に係止するラッチ部が半径7mm以上の凸曲面状を有している請求項1または2に記載された建具。
- 前記ロック部材は先端面の後方に形成した側面に前記ロック受け部を係合することでロックするようにした請求項2に記載された建具。
Priority Applications (1)
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- 2019-03-08 JP JP2019043135A patent/JP2019108796A/ja active Pending
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