JP2005030124A - 開閉装置の施錠構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 開閉体10から出没する係合部材41,51を、開閉体10に対して開閉方向へ移動不能な固定部材30,20に係脱させるようにした開閉装置の施錠構造において、前記開閉体10に、前記係合部材41,51の出没方向が異なる複数種類の施錠機構40,50を設け、これら複数種類の施錠機構40,50にわたって、施錠動作と開錠動作との内の少なくとも一方の動作を連動させるように、連動部材60を設けた。
【選択図】 図1
Description
特に、特許文献1に記載された従来技術は、開閉体が閉鎖された際に自動的に施錠され、巻取り操作等による開閉体の開放動作に伴って自動的に開錠される機構を備え、防犯性に優れている上、施錠及び開錠の際の操作性にも優れた発明である。
また、単に同一種類の施錠機構を複数具備した場合には、それら複数の施錠機構の係合構造が略同一であるため、各施錠機構が第三者の悪意による同様の手口(例えばガイドレールを強引に変形させてしまう等)によって順次に開錠されたり壊されたりしてしまうおそれがある。
また、「開閉体の幅方向」または「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、開閉体の厚さ方向ではない方向を意味し、以下に記載される同様の表現の箇所も同じ意味とする。
この係合部材の具体例としては、上記開閉体の閉鎖方向の端部側に設けられて、上記開閉体に当接される枠部材や、地面、床面、壁面等に対して係脱するようにした態様や、上記開閉体の幅方向の端部側に設けられて、上記開閉体を開閉方向へ案内するガイドレールに対して係脱するようにした態様等が挙げられる。
上記「係合部材の出没方向が異なる」という構成の具体例としては、上記開閉体の閉鎖方向の端部から上記係合部材を開閉体開閉方向へ出没させる態様、上記開閉体の幅方向の端部から上記係合部材を開閉体幅方向へ出没させる態様、上記開閉体から開閉体厚さ方向へ上記係合部材を出没させる態様等が挙げられる。
そして、上記複数種類の施錠機構とは、前記具体例のように上記係合部材の出没方向が異なる施錠機構を、少なくとも二種類以上備えた構成である。
また、上記張力伝達部材の他の具体例としては、内外に重ね合わせられた複数の管状部材をスライドさせることで、その全体を伸縮させるようにした部材(入れ子状の部材)や、伸縮自在な蛇腹状の部材等が挙げられる。これらの態様の上記張力伝達部材は、全体が伸びきった状態で張力が作用し、圧縮方向の力が作用した際には縮むように用いられればよい。
また、上記被連動側の施錠機構とは、上記連動源側の施錠機構の動作に連動して動作する側の施錠機構を意味する。
この引き手部材には、上記開閉体と共に開閉体開閉方向へ移動するように、予め上記開閉体と一体的に設けられた態様や、上記開閉体と別体であって上記開閉体を閉鎖動作させる際に上記開閉体に係合される態様等を含む。
また、この引き手部材には、剛性材料から形成された態様や、可撓性材料から形成された態様等を含む。
また、上記あそび空間部とは、上記係合部材が上記連動補助部材に当接される前に、所定間隔移動するように確保された空間部である。
なお、上記所定間隔移動という構成には、略直線運動による移動である態様や、略回転運動による移動である態様等を含む。
この第五の発明の具体例としては、上記引き手部材の一端側を複数分岐状に形成し、その各分岐部を上記各施錠機構に係止することで、上記複数種類の施錠機構を略同時に操作するようにした態様が挙げられる。
また、他の具体例としては、上記引き手部材を可撓性部材により長尺状に形成し、この引き手部材の一端側を、上記複数種類の施錠機構を略同時に操作するように、上記複数種類の施錠機構の各々に係合させた態様が挙げられる。
また、「その各分岐部を、上記各施錠機構を操作するように上記各施錠機構に係止し」という構成は、より具体的には、上記各分岐部を、対応する各施錠機構における一部位であって、上記各施錠機構の開錠動作と施錠動作との内の一方または双方の動作を行わせるために動作する部位に、係止させればよい。
第一の発明によれば、複数種類の施錠機構の内、一つの施錠機構について、施錠動作と開錠動作との内の一方の動作を行えば、係合部材の出没方向が異なる他の施錠機構が連動する。
したがって、複数の施錠機構によって防犯性を向上することができる上、開錠や施錠の際の操作性が良好な開閉装置の施錠構造を提供することができる。
仮に、施錠状態にある前記被連動側の施錠機構の係合部材に、開錠方向の外力が加わったとしても、連動部材が引張り方向の力のみを伝達する構造であるため、前記外力が連動源側の施錠機構に伝達することがない。
よって、被連動側の施錠機構に加わる外力により連動源側の施錠機構が開錠されてしまうことがなく、防犯性を一層向上することができる。
仮に、引き手部材を具備した施錠機構における係合部材が、外力により開錠方向へ押し動かされたとしても、その移動量が上記あそび空間部の間隔以内であれば、該係合部材の動きが連動補助部材に伝達されないので、引き手部材を具備しない施錠機構が連動させられてしまうことがない。
よって、引き手部材を具備した施錠機構に加わる外力により、引き手部材を具備しない施錠機構が開錠されてしまうことがなく、防犯性を一層向上することができる。
したがって、開閉体の閉鎖方向と幅方向の双方において該開閉体と固定部材とを係合させることで、防犯性を一層向上することができる。
本実施の形態による一例は、住宅やビル、倉庫、工場、車両の荷台等の構築・構造物における開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりする所謂シャッター装置における施錠構造、特に窓用シャッター装置の施錠構造として好適な開閉装置の施錠構造として説明する。
そして、この座板部材11には、その開閉体幅方向の略中央側に当該施錠構造A1を具備している。
尚、当業者間においては、この座板部材11を、座板、幅木、水切り等と呼称する場合もある。
前記ガイドレール20の底面部21には、後述する第二の施錠機構50の係合部材51によって係脱される被係合部材22が固定されている。
更に、同被係合部材22は、その開閉体閉鎖方向(図示例によれば下方向)側に、突出状態の前記係合部材51に当接することで、開閉体10が開放されてしまうのを阻む当接面22bを有する。
また、同下枠30の当接面部30aには、後述する第一の施錠機構40の係合部材41を係脱するための被係合部材31が固定されている。
この被係合部材31は、その先端側(図示例によれば上端側)を開閉体厚さ方向へ向けた略逆L字状の部材であり、その基端側(図示例によれば下端側)を、前記下枠30の当接面部30aに固定している。
施錠構造A1は、開閉体10の閉鎖方向の端部から係合部材41を出没させる第一の施錠機構40と、開閉体10における幅方向の両端部各々から係合部材51を出没させる第二の施錠機構50とを具備し、第一の施錠機構40の開錠動作を、連動部材60によって第二の施錠機構50に連動させるように構成されている。
この係合部材41は、前記軸支部41aを中心とした遠心方向の端部側であって、施錠状態において開閉体閉鎖方向側(図示例によれば下方側)となる端部側に、上記被係合部材31に係脱可能なフック部41cを形成している。
また、同係合部材41は、前記軸支部41aを中心とした遠心方向の端部側であって、施錠状態において開閉体開放方向側(図示例によれば上方側)となる端部側に、連動補助部材42に当接させるべく開閉体厚さ方向へ曲げ形成された当接片部41bを有する。
前記引き手部材70の止着位置は、引き手部材70が開閉体閉鎖方向へ引っ張られることで係合部材41が回動させられるようにした位置であればよいが、その回動が特にスムーズに行われるように、好ましくは、軸支部41aを中心とした仮想円(図示せず)の外周に、開閉体閉鎖方向へ向く引き手部材70が接する関係となるように設定される。
前記着脱部材72は、ガイドレール20や枠部材等の固定部材に着脱可能となるように、マグネットや、吸盤、ベルベットファスナー等の着脱手段を備えた部材である。
そして、この連動補助部材42は、前記一片部と前記他片部との交差部位に配設された軸支部42aを中心にして、前記軸支部41aおよび前記止着部42bを回動させるように、ブラケット等によって座板部材11に軸支されている。
なお、図中符号42cは、係合部材41の施錠方向の回動を規制する規制片部であり、この規制片部42cは、係合部材41が引き手部材70により引張られていないときに、係合部材41のフック部41cを開閉体閉鎖方向(図示例によれば下方向)へ向いた定位置に維持する。
本実施の形態の好ましい一例によれば、係合部材41がそのフック状の先端部(フック部41c)を被係合部材31の先端部と略一致させた際に、係合部材41が連動補助部材42に当接するように、上記角度θを設定している。
この連動部材60は、その一端側を前記第一の施錠機構40の止着部42bに止着し、その他端側を後述する第二の施錠機構50の操作部材52に係止している。
そして、この連動部材60によれば、第一の施錠機構40の止着部42bが軸支部42aを中心にして第二の施錠機構50から離れる方向(図示例によれば時計方向)へ回動する動きにより、操作部材52を引張って前記回動の方向と同方向へ回動させる(図2(a)及び(b)参照)。
この操作部材52は、軸支部52aよりも開閉体開放方向側(図示例によれば上方向側)に、一方の連動補助部材53を軸支した軸支部52bを有し、該軸支部52bよりも更に開閉体開放方向側には、上記連動部材60を係止する長孔状の係止部52cを有する。
更に、この操作部材52は、軸支部52aよりも開閉体閉鎖方向側(図示例によれば下方向側)に、他方の連動補助部材53を軸支した軸支部52dを有する。
この連動補助部材53は、引張りバネ等の付勢部材54により、係合部材51を開閉体10から突出させる方向へ付勢されている。
そして、この連動補助部材53は、座板部材11に一体的なブラケット等に形成された凸部55により、係合部材51を開閉体10から突出させる方向への移動が規制されている。
開閉体10が施錠状態にある際、第一の施錠機構40の係合部材41は被係合部材31に係合し、第二の施錠機構50の各係合部材51は被係合部材22の下側に係合している。
前記施錠状態にある際に、引き手部材70が開閉体開放方向(図示例によれば上方向)へ引張られると、図2(a)に示すように、係合部材41が軸支部41aを中心にして被係合部材31との係合を解除する方向(図示例によれば時計方向)へ回動する。
この回動の際、係合部材41は、あそび空間部sを徐々に狭めるようにして角度θ回動した後に、当接片部41bを、連動補助部材42の止着部42b側の上記一片部に当接させる。そして、この当接後、係合部材41は、連動補助部材42の軸支部42aを中心にして、連動補助部材42と共に前記回動を継続する。
すると、第二の施錠機構50の操作部材52が、連動部材60に引張られて、係止部52cを連動部材60の引張り方向に沿わせる方向(図示例によれば時計方向)へ回動する。
そして、この操作部材52の回動により、連動補助部材53が付勢部材54の付勢に抗して移動すし、該連動補助部材53の移動に伴って、係合部材51が、座板部材11内へ没入する方向へスライドする。
したがって、係合部材51とガイドレール20内の被係合部材22との係合状態が解除される。
第二の施錠機構50の係合部材51がガイドレール20の被係合部材22よりも開閉体開放方向(図示例によれば上方向)側に位置する際(図3(a)の状態)、第一の施錠機構40の係合部材41はフック部41cを開閉体閉鎖方向(図示例によれば下方向)へ向けた状態にあり、両係合部材51,51は開閉体10の幅方向の両端部から突出した状態にある。
開閉体10が閉鎖方向(図示例によれば下方向)へ移動すると、係合部材41は、フック部41cの傾斜した縁部を被係合部材31に摺接させることで、被係合部材31により押し動かされる方向(図示例によれば時計方向)へ若干回動する。
その他方で、各係合部材51は、その先端部を被係合部材22の傾斜面22aに摺接させることで、座板部材11内へ没入する方向へスライドする。
よって、開閉体10は、第一の施錠機構40の係合部材41を被係合部材31に係合させ、且つ第二の施錠機構50の各係合部材51を対応する被係合部材22の下側に係合させた二重ロック状態となる(図1に示す状態)。
この施錠構造A2は、上記施錠構造A1が連動補助部材42に係合部材41を軸支させた構造であったのに対して、係合部材41と連動補助部材42’とを、ブラケット11a上の共通の軸支部40aに軸支している。
なお、係合部材41が引き手部材70により引張られていないときに、係合部材41のフック部41cを開閉体閉鎖方向(図示例によれば下方向)へ向いた定位置に維持するように、上記規制片部42cに代替する規制部をブラケット11aに突設してもよい。
また、この施錠構造A2における連動部材60’は、上記連動部材60と同様に配置される部材であり、可撓性材料からなる部材でもよいし、例えば金属棒状の部材等、剛性を有する部材であってもよい。
その上、仮に、ガイドレール20内に強引に治具等が差し入れられ、この治具等により故意に係合部材51が座板部材11内へ没入する方向へ移動された場合、この係合部材51の移動が、連動補助部材53、操作部材52、連動部材60’(この連動部材60’は仮に剛性材料からなるものとする)、及び連動補助部材42’に伝達されたとしても、連動補助部材42’と係合部材41との間には、上記施錠構造A1同様にあそび空間部sがあるため、連動補助部材42’の回動は、角度θ以内であれば係合部材41に伝達されない。
したがって、この施錠構造A2の構成によっても、外力による第二の施錠機構50の開錠に連動して、第一の施錠機構40が開錠されてしまうのを防止することができる。
この施錠構造A3は、上記施錠構造A1における連動部材60及び連動補助部材42を省くとともに、施錠構造A1における引き手部材70を引き手部材70’に置換した構成としている。
この引き手部材70’の他端側は、上記二つの第一の施錠機構40と第二の施錠機構50とを略同時に操作するように、これら第一の施錠機構40と第二の施錠機構50との双方にわたるように設けられている。
更に詳細には、引き手部材70’の他端側は、二股分岐状に形成され、その一方の分岐部71a’が第一の施錠機構40の係合部材41に止着され、他方の分岐部71b’が、第二の施錠機構50の操作部材52における係止部52cに係止されている。
すなわち、双方の施錠機構40,50が施錠されている二重ロック状態において、引き手部材70’が引かれると、第一の施錠機構40の係合部材41が被係合部材31から離れる方向(図示例における時計方向)へ回動し、第二の施錠機構50の操作部材52が各係合部材51を座板部材11内へ没入させる方向へ回動する。
したがって、双方の施錠機構40,50が略同時に開錠されることになる。
そして、この引き手部材70”は、本体部71”の他端側を、係合部材41の挿通リング41dに挿通させて、第二の施錠機構50における操作部材52の係止部52cに係止している。
そして、前記操作部材52の回動と略同時に、第一の施錠機構40の係合部材41は、その挿通リング41dが開閉体開放方向へ引かれるため、被係合部材31から離れる方向(図示例における時計方向)へ回動する。
したがって、双方の施錠機構40,50が略同時に開錠されることになる。
20:ガイドレール(固定部材)
30:下枠(固定部材)
40:第一の施錠機構
42,42’:連動補助部材
50:第二の施錠機構
51:係合部材
60,60’:連動部材
70,70’,70”:引き手部材
71a’,71b’:分岐部
s:あそび空間部
A1,A2,A3,A4:施錠構造
Claims (7)
- 開閉体から出没する係合部材を、開閉体に対して開閉方向へ移動不能な固定部材に係脱させるようにした開閉装置の施錠構造において、
前記開閉体に、前記係合部材の出没方向が異なる複数種類の施錠機構を設け、
これら複数種類の施錠機構にわたって、施錠動作と開錠動作との内の少なくとも一方の動作を連動させるように、連動部材を設けたことを特徴とする開閉装置の施錠構造。 - 上記連動部材は、圧縮方向の力を伝達せずに引張り方向の力のみを伝達する張力伝達部材からなり、
この連動部材は、上記複数種類の施錠機構の内の連動源側の施錠機構の開錠動作を、前記引張り方向の力によって、被連動側の施錠機構に伝達するように設けられていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置の施錠構造。 - 上記複数種類の施錠機構の内、少なくとも一つの施錠機構には、上記開閉体を閉鎖方向へ引っ張るための引き手部材が、該施錠機構を操作するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置の施錠構造。
- 上記連動部材は、上記引き手部材が設けられた施錠機構と、上記引き手部材が設けられていない施錠機構とにわたって設けられ、
上記引き手部材が設けられた施錠機構には、上記係合部材により押し動かされた際の動作を上記連動部材に伝達する連動補助部材が具備され、
上記係合部材と前記連動補助部材との間には、上記係合部材が所定間隔移動した後に前記連動補助部材に当接して前記連動補助部材を押し動かすように、あそび空間部が設けられていることを特徴とする請求項3記載の開閉装置の施錠構造。 - 上記引き手部材は、上記連動部材であって、上記複数種類の施錠機構を操作するように、上記複数種類の施錠機構にわたって設けられていることを特徴とする請求項3記載の開閉装置の施錠構造。
- 上記引き手部材は、一端側が複数分岐状に形成され、その各分岐部を、上記各施錠機構を操作するように上記各施錠機構に係止していることを特徴とする請求項5記載の開閉装置の施錠構造。
- 上記複数種類の施錠機構は、上記開閉体の閉鎖方向の端部側から上記係合部材を出没させる第一の施錠機構と、上記開閉体の幅方向の端部側から上記係合部材を出没させる第二の施錠機構とを具備していることを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載の開閉装置の施錠構造。
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