JP2019108223A - 搬送方法および搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】円筒ころのような円柱状物または円錐ころのような円錐台状物等を相互に接触させないで搬送することができる搬送装置を提供する。【解決手段】断面形状円形の物Wを搬送するための搬送装置1は、循環するコンベアベルト53を備えたコンベア4とコンベアを支持するコンベア支持部3とを有する。コンベアは、コンベア支持部に対して、コンベアベルトの幅方向に延びる揺動軸37回りに揺動可能である。コンベアベルトは、その外周面に、外方に起立する板状の桟65が周方向に間隔を設けて複数配されている。搬送装置は、搬送時には搬送元または搬送先のいずれか一方が高くなるように傾けられ、隣り合う桟の間に1つ断面形状円形の物が載せられる。【選択図】 図1

Description

本発明は、断面が円形であって転がりやすい搬送対象物を、互いに接触させることなく搬送する方法およびこれを実現する搬送装置に関する。
円柱状等の物を搬送する方法として、多数の医薬用アンプルを起立させた状態でベルトコンベア上に載せ、その下流で出口幅を制限し一列に並べて第2搬送路を移動させた後、回転するスターホイールの円周に設けられた半円凹状の多数のポケツトにより次工程に送る技術が提案されている(特許文献1)。この方法では、ベルトコンベアの下流で搬路幅が両側から狭められ、この狭めるための両側の傾斜壁のそれぞれの一部は、一方が出口通路に向かい移動する無端ベルト、他方が出口通路から遠ざかる方向に移動する無端ベルトで形成される。そして、これら逆方向に移動する2つの無端ベルトにより出口通路の入口における医薬用アンプルの滞留(詰まり)が防止される。
また、円筒ころ(ワーク)等をランダムな姿勢でベルトコンベア上に載せ、その下流側でコンベア幅方向の一方の壁のみ他方の壁に徐々に近づくように傾斜させて、ワークをランダムな姿勢のまま一列に通過させる下流排出路に導く技術が提案されている(特許文献2)。この方法では、傾斜する一方の壁(第2案内手段)が、搬送方向の上流側から下流側に向け走行する第2副ベルトを備え、コンベア下流近傍の傾斜しない他方の壁(第1案内手段)が、搬送方向の下流側から上流側に向け走行する第1副ベルトを備えることにより、下流排出路入り口におけるワークの滞留(詰まり)が防止される。
特開2006−1710号公報 特開2013−119463号公報
例えば、円筒ころは、製造の最終段階でその表面に超仕上等の処理が施されることにより、回転体の軸受けに用いられたときに振動を低減しかつ耐久性が増加する。そのため、超仕上等の鏡面処理を行った後には、表面に疵の生ずる虞がある円筒ころ同士の衝突(接触)等は避けなければならない。
しかし、特許文献1および特許文献2に提案されたいずれの方法も、円筒ころに適用したとき、ベルトコンベアの下流側でコンベア幅が狭められることにより円筒ころ同士が擦れ合い、一列に整列されて移動する第2搬送路(特許文献1)または下流側排出路(特許文献2)においても前後の円筒ころが接触して、その表面に疵等が発生する虞がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、円筒ころのような円柱状物または円錐ころのような円錐台状物等を相互に接触しないで搬送することができる断面円形物の搬送方法および断面円形物の搬送装置を提供することを目的とする。
本発明に係る搬送方法は、ベルトコンベアを用いて断面形状が円形の物を搬送するためのものである。搬送方法は、搬送時に循環するベルトコンベアのベルトの外周面に、外方に起立する板状の桟を周方向に間隔を設けて複数配する。そして、ベルトコンベアにおける搬送元側および搬送先側のいずれか一方が高くなるようにベルトの搬送面を傾斜させ、隣り合う桟の間に搬送対象物を1つ載せて搬送する。
本発明に係る搬送装置は、断面形状円形の物を搬送するための装置である。搬送装置は、循環するコンベアベルトを備えたコンベアおよびコンベアを支持するコンベア支持部を有する。コンベアは、コンベア支持部に対して、コンベアベルトの幅方向に延びる揺動軸回りに揺動可能である。コンベアベルトは、その外周面に、外方に起立する板状の桟が周方向に間隔を設けて複数配されている。
本発明によると、円筒ころのような円柱状物または円錐ころのような円錐台状物等を相互に接触させないで搬送することができる搬送方法および搬送装置を提供することができる。
図1は断面円形物の搬送装置の正面図である。 図2は搬送装置の平面図である。 図3は搬送装置の右側面図である。 図4は搬送装置の左側面図である。 図5は図1のA−A矢視断面図である。 図6は円筒ころW搬送時の搬送装置の姿勢を示す図である。 図7はコンベアベルトおよび通過センサーと円筒ころとの関係を示す図である。 図8は他の形態のコンベアベルトの概要を示す図である。 図9は他の形態のコンベアベルトの概要を示す図である。
図1は断面円形物の搬送装置1の正面図、図2は搬送装置1の平面図、図3は搬送装置1の右側面図、図4は搬送装置1の左側面図、図5は図1のA−A矢視断面図である。
本発明に係る、断面形状円形の転がりやすい物を搬送するための搬送装置1(以下「搬送装置1」という)は、基部2、コンベア支持部3およびコンベア4からなる。
基部2は、コンベア支持部3およびコンベア4を支えるためのものである。基部2は、その上部に板状の支持部11を備える。支持部11は、平面視の形状が、搬送装置1の搬送方向を長手方向とする矩形である。ここで「搬送装置1の搬送方向」とは、搬送装置1が搬送対象物例えば円筒ころを搬送する(移動させる)方向をいう。以下「搬送方向」と略す。
コンベア支持部3は、基部2とコンベア4との間で基部2に支持されてコンベア4を支持するものである。コンベア支持部3は、基板12、水平移動板13、支持板14、水平移動装置15、コンベア保持板16および垂直移動装置17からなる。
基板12は矩形の厚板で製作される。基板12は、コンベア支持部3の最下部に位置する。基板12は、その長手方向を基部2の支持部11の長手方向に揃えその下面を支持部11の上面に対向させて、2組のリニアガイド18,18によって支持部11に連結されている。
それぞれのリニアガイド18は、レール21および2つのスライダ22,22で構成され、一方のリニアガイド18にはリニアガイドクランパー23が付属する。
リニアガイド18,18のレール21,21は、支持部11の上面に、互いに離れて平行に搬送方向に延びた状態で固定されている。それぞれのリニアガイド18の2つのスライダ22,22は、基板12におけるその長手方向のそれぞれの端近傍の下面に固定されている。リニアガイドクランパー23は、一方のリニアガイドにおける2つのスライダ22,22の間かつ一方のスライダ22に近い位置において、基板12の下面に固定されている。
リニアガイド18,18により、コンベア支持部3は、基部2に対して搬送方向に往復移動が可能であり、かつリニアガイドクランパー23のレバー24を一方に倒すことによって移動範囲における任意の位置で移動不能に固定可能である。
基板12の上面には、断面が円形の4つの雌ネジ孔19,19が設けられている。4つの雌ネジ孔19,19は、搬送方向に2列に並び、平面視において矩形の頂角の位置に配されている。
水平移動板13は、略矩形の厚板で形成される。水平移動板13は基板12の上に重ねられ、4つの雌ネジ孔19,19に重なる部分に、断面形状が搬送方向に直交する方向(以下「幅方向」という)に長い長円形の水平ガイド孔25,25,25,25が貫通している。水平ガイド孔25の幅(長円の長手方向に直交する方向の寸法)は、雌ネジ孔19の径よりも僅かに大きい。
ここで、「長円形」とは、矩形における平行な2辺を外方に凸状の半円で置き換えた形状をいうものとする。
水平移動板13は、水平ガイド孔25を貫通して雌ネジ孔19に螺合するボルト26により基板12に一体化されている。水平移動板13は、4つのボルト26,26,26,26を締め付けることにより基板12に固定される。水平移動板13は、4つのボルト26,26,26,26を緩めることにより、基板12に対して、水平ガイド孔25の長手方向寸法から雌ネジ孔19の径を減じた距離だけ、幅方向に移動可能である。
支持板14は、矩形の厚板で形成されている。支持板14は、水平移動板13における搬送方向に延びる端縁近傍の上面に、上方に拡がるようにその端面が固着されている。支持板14には、上下に並んで貫通する2つの雌ネジ孔20,20が4組設けられている。4組の雌ネジ孔20,20の並びは、搬送方向に間隔を有して互いに平行である。
支持板14の搬送方向における寸法は、水平移動板13の搬送方向における寸法と略同じである。支持板14は、水平移動板13との一体化が複数の補強リブにより強化されている。
水平移動装置15は、アジャストボルト用ブロック31、ネジ用ブロック32およびアジャストボルト33からなる。アジャストボルト用ブロック31は、基板12に固定されている。ネジ用ブロック32は、そのネジ孔の軸心をアジャストボルト用ブロック31の凹部(窪み)に向け、アジャストボルト用ブロック31よりも幅方向内方で水平移動板13に固定されている。アジャストボルト33は、その頭部をアジャストボルト用ブロック31よりも幅方向外方に位置させ、そのネジ部がネジ用ブロック32の雌ネジに螺合されている。水平移動装置15は、ボルト26,26,26,26が緩められた状態でアジャストボルト33を右に回すと、ネジ用ブロック32つまり水平移動板13がアジャストボルト用ブロック31側に移動する。アジャストボルト33を左に回すと水平移動板13がアジャストボルト用ブロック31から遠ざかる。
コンベア保持板16は、厚板で形成され、その形状は全体として矩形である。コンベア保持板16は、支持板14における幅方向外方を向く表面に一部が重なっており、支持板14の上端よりも更に上方に拡がっている。
コンベア保持板16は、その下方に4つの垂直ガイド孔34,34,34,34が貫通する。垂直ガイド孔34は、その断面形状が上下に長い長円形であり、それぞれの垂直ガイド孔34は搬送方向に間隔を有して互いに平行である。4つの垂直ガイド孔34,34,34,34は、異なるいずれかの雌ネジ孔20,20の並びに重なる位置に設けられ、その長円は2つの雌ネジ孔20,20の間隔よりも大きい。
コンベア保持板16は、その上方に揺動軸受35および傾斜固定部36を備える。揺動軸受35は、起立状態で搬送方向に拡がるコンベア保持板16における搬送方向の一方の側に位置して、コンベア4から幅方向に延びた揺動軸37を揺動可能に支持する。
傾斜固定部36は、断面が長円形で有底の2つの固定孔38,38で形成される。固定孔38における長円の長手方向の両端近傍には、それぞれ雌ネジ孔39,39が貫通する。2つの固定孔38,38は、正面視(図1)において一方の固定孔38の雌ネジ孔39,39の中心を通る直線と他方の固定孔38の雌ネジ孔39,39の中心を通る直線とが鈍角を形成するように、上下に並ぶ。また、2つの固定孔38,38と揺動軸受35との位置関係については、いずれの固定孔38もその雌ネジ孔39,39の中心と揺動軸受35が支持する揺動軸37の軸心とで二等辺三角形となり、これら2つの固定孔38,38についての三角形は同一形状である。
固定孔38,38における一方の雌ネジ孔39には、揺動停止ボルト45が螺合される。
コンベア保持板16は、それぞれの垂直ガイド孔34を貫通して雌ネジ孔20,20に螺合されるボルト40,40により、支持板14に対して上下動可能に支持板14に一体化されている。
垂直移動装置17は、アジャストボルト用ブロック41、ネジ用ブロック42およびアジャストボルト43からなる。アジャストボルト用ブロック41は、コンベア保持板16
における外方を向く面に固定されている。ネジ用ブロック42は、アジャストボルト用ブロック41の下方で、そのネジ孔の軸心の延長がアジャストボルト用ブロック41の凹部を通るように配されて、支持板14の外方を向く面に固定されている。アジャストボルト43は、その頭部をアジャストボルト用ブロック41よりも上方に位置させ、そのネジ部がネジ用ブロック42の雌ネジに螺合されている。
垂直移動装置17は、ボルト40,40,40,40が緩められた後にアジャストボルト43を回転させることにより、コンベア保持板16を上下させる。
コンベア4は、動力部51、従動部52、コンベアベルト53、コンベア本体54および検出部55からなる。
動力部51は、ドライブプーリー61およびドライブモータ62等で構成される。動力部51は、コンベア4において搬送方向の一方の端に位置する。ドライブプーリー61は、無端帯状のコンベアベルト53の内側に位置してコンベアベルト53を循環移動させるためのものである。ドライブモータ62は2つのタイミングプーリー68,69およびタイミングベルト63を介してドライブプーリー61を回転させる。ドライブモータ62としてサーボモータが使用される。
従動部52は、コンベア4における搬送方向の他方の端(動力部51が位置する端とは反対側の端)に位置する。従動部52はテールプーリー64を有する。テールプーリー64は、コンベアベルト53の内側においてコンベアベルト53を折り返させ、ドライブプーリー61との間でコンベアベルト53を循環させる。
コンベアベルト53は、可とう性を有する材料例えばゴムにより、無端帯状に形成される。コンベアベルト53の外周面には、その長手方向の端縁(端面)をコンベアベルト53の幅方向両端に一致させ外方に拡がる(起立している)略矩形板状の桟65が複数設けられている。桟65は、周方向に略等間隔に配されている。桟65の高さは、搬送装置1の搬送対象物の最大外径に応じて決定される。なお、コンベアベルト53の「外周面」とは、搬送時に搬送物を載せる、外側を向く表面である。
コンベア本体54は、一対の側板66,66を有する。側板66は、搬送方向に長く帯状に延び、その長さおよび幅に比べて厚さが小さい。側板66,66は、互いの表面を対向させて平行に並び、これらの間にドライブプーリー61およびテールプーリー64を位置させて各プーリーの回転軸を支えている。側板66,66の上端はコンベアベルト53の外周面より高く桟65の上端より低い。コンベア本体54は、ドライブプーリー61側の端近傍でドライブモータ62を保持する。
一方の側板66の表面には、幅方向外方に突出する揺動軸37が設けられる。この揺動軸7がコンベア保持板16の揺動軸受35に支持されることによって、コンベア4が揺動可能にコンベア支持部3に支持されている。
コンベア支持部3に対するコンベア4の揺動は、揺動停止ボルト45を雌ネジ孔39に進入させてその先端に側板66の表面を押圧させることにより停止し、コンベア4の傾斜が固定化する。
検出部55は、移動するコンベアベルト53上の搬送対象物の有無を検出する通過センサーを有する。搬送装置1では、通過センサーとして透過型のファイバーセンサーが用いられる。ファイバーセンサーの投光器56および受光器57は、いずれも搬送装置1の上流側におけるそれぞれ異なる一方の側板の上端に取り付けられている。
次に、搬送装置1が円筒ころWを搬送する様子を説明する。
図6は円筒ころWを搬送するときの搬送装置1の姿勢を示す図、図7はコンベアベルト53および通過センサーと円筒ころWとの関係を示す図である。図7(a)は正面視において、図7(b)は右側面視において、それぞれ検出部55(受光器57)近傍を拡大した図である。
円筒ころWを搬送するとき、搬送装置1は、搬送元側および搬送先側のいずれか一方が高くなるようにコンベア4が傾けられる。図6に示される搬送装置1では、搬送元側よりも搬送先側が高くなっている。コンベア4の傾斜は、揺動停止ボルト45,45を緩めてコンベア4を揺動軸37回りに回動させて行う。コンベア4が適切に傾斜したら、揺動停
止ボルト45,45を締めてコンベア4をコンベア支持部3に固定する。傾斜固定部36の固定孔38は長円形であって、両端にそれぞれ雌ネジ孔39が設けられている。したがって、コンベア4は、揺動停止ボルト45を螺合させる雌ネジ孔39を変更することにより、2つの雌ネジ孔39,39間を底辺とし揺動軸37を頂点とする二等辺三角形の頂角θの略2倍の角度の範囲で傾斜可能である。また、揺動停止ボルト45を1つのみいずれかの雌ネジ孔39に螺合させて固定することにより、さらに広い角度範囲でコンベア4の傾斜が可能である。
搬送装置1の搬送元側でコンベアベルト53に載せられた円筒ころW1は、コンベア4(コンベアベルト53)の傾斜により搬送元側に転がり、直近の桟65に当たり停止する。この円筒ころW1続いてコンベアベルト53に載せられた次の円筒ころW2も、搬送元側に転がった後に直近の桟65に当たって停止する。円筒ころW1,W2に続いてコンベアベルト53に載せられた円筒ころも、円筒ころW1,W2と同様に搬送元側における直近の桟65に当接することにより、その回転が停止する。コンベアベルト53の円筒ころW1,W2は、いずれも搬送元側の桟65に係止され、円筒ころW1,W2は、互いに離れた状態で搬送される。
検出部55は、搬送元側に取り付けられた通過センサーからの情報により、コンベアベルト53上に円筒ころWが載せられたか否かを判別し、円筒ころWが載せられたと判断すると、例えばドライブモータ62を起動させて隣り合う桟65,65の間隔分だけコンベアベルト53を移動させる。
搬送装置1は、検出部55およびドライブモータ62が連携し、隣り合う桟65,65の間には円筒ころWが1つのみ載るように、コンベアベルト53を移動させる。
搬送装置1は、コンベアベルト53が傾斜しかつ間隔を有して設けられた複数の桟65を備え、かつ桟65,65の間では円筒ころWが必ず低くなった方の桟65に係止される。このことにより、搬送装置1は、円筒ころWを、その隣接する2つを当てる(接触させる)ことなく搬送することができる。搬送装置1は、例えばその表面が超仕上等によって極めてなめらかに研磨された円筒ころの搬送方向に並ぶ2つを、互いの接触等により疵を付けることなく搬送することができる。
搬送装置1は、コンベア4の傾斜により転がるとき桟65を乗り越えない限度で、種々の外径の(断面が円形の)搬送対象物を搬送することができる。
図7を参照して、コンベアベルト53の桟65の高さおよび検出部55の投光器56と受光器57との位置(高さ)は、搬送を意図する対象物のうちその外径が最も小さな物を基準に決定される。
例えば、外径が最も小さな搬送対象物が外径Diの円筒ころWsの場合、桟65の高さHは、円筒ころWsの外径Diよりも5〜10mm低く設計される。投光器56および受光器57の(それぞれ投光部分および受光部分58の)位置は、桟65よりも高くコンベアベルト53表面からの高さが円筒ころWsの外径Diよりも低い。投光器56の投光部分および受光器57の受光部分58の高さと桟65の高さとの差D2は3〜5mmである。コンベアベルト53の桟65の高さおよび投光器56と受光器57との高さをこのように設計することで、搬送を予定する種々の外径の断面円形物の全てについて、コンベアベルト53上におけるその存在の有無を検出することができる。
なお、図7におけるWlは、円筒ころWsよりも外径が大きな搬送対象物である円筒ころである。
図8および図9は他の形態のコンベアベルト53B,53Cの概要を示す図である。
図8に記載されたコンベアベルト53Bは、複数の桟65,65,65に加え、隣り合う桟65,65の間に複数の突出体71B,71B,71Bを備える。
突出体71Bは、コンベアベルト53Bの表面から外方に突出して幅方向の一方の端から他方の端に帯状に延びる。突出体71Bの高さは桟65よりも低い。隣り合う突出体71B,71Bの間隔は、搬送装置1が搬送を予定する搬送物のうち円形断面が最大である搬送物の径を考慮して決定される。すなわち、このような最大径を有する搬送物Wlを突出体71B,71Bのあいだに載せたとき、その周面の母線がコンベアベルト53Bの平
らな表面に接するように、突出体71Bの高さ、および隣り合う突出体71B,71Bの間隔が決定される。
コンベアベルト53Bでは、断面円形の搬送物Wl,Wsはその大きさに関わらず突出体71Bにより回転移動が妨げられる。つまり、コンベアベルト53Bを備えた搬送装置では、搬送物Wl,Wsは初めに載せられた位置近傍に止まり、搬送方向のいずれか一方に転がって移動しない。したがって、2つの桟65,65の間の決められた位置に搬送物Wl,Wsが載せられれば、コンベアベルト53B(コンベア)が傾斜していなくとも、隣り合う搬送物Wl,Ws同士は接触せず、搬送物Wl,Wsの周面の疵の発生を防止できる。なお、コンベアベルト53Bを傾斜させて搬送措置を稼働させる必要が有り、搬送物Wl,Wsが突出体71Bを乗り越えることがあっても、搬送装置1のコンベアベルト53と同様に、桟65により搬送物Wl,Ws同士の間隔が維持される。
突出体71Bを、断面が円形、楕円、正方形または矩形等の棒状突起が幅方向に間隔を有して並ぶ構造としても、上記と同様の結果を得ることができる。
図9に記載されたコンベアベルト53Cは、隣り合う桟65,65の間に高さが異なる複数の突出体71Cを備える。
突出体71Cは、いずれもコンベアベルト53Cの表面から外方に突出して幅方向の一方の端から他方の端に帯状に延び、その高さは桟65よりも低い。隣り合う桟65(65a),65(65b)の間において、一方の桟65aに直近の突出体71Cはその高さが最も高く、この桟65aから遠いほど突出体71Cの高さは低くなる。突出体71Cの高さは、隣り合う桟65a,65bの略中央付近で最も低くなる。略中央付近よりも他方の桟65bまでは、この最も低い突出体72Cがその高さを変えずに複数並ぶ。同じ高さの低い突出体72C,72Cの高さおよび隣り合う相互の間隔は、最大予定搬送物の最大径を考慮して、前述したコンベアベルト53Bの突出体71Bにおける高さおよび隣り合う相互の間隔と同じ基準で決められる。
前述した一方の桟65a側の直近の突出体71Cの高さおよび桟65aとの距離、並びに徐々に低くなる突出体71C,…,71Cの隣り合う間隔およびそれぞれの高さは、搬送を予定する搬送物の径を考慮して決定される。例えば、桟65aと直近の突出体71Cとの間隔およびこの突出体71Cの高さは、搬送物Wl,Wmが桟65aおよび突出体71Cに支えられたとき、搬送物Wl,Wmの重心Gが、高さが低い方の突出体71Cよりも他方の(遠い位置にある)桟65b側となるよう設計される(図9(a),(b))。ここで、搬送物Wmとは、予定搬送物のうち最大径を有する搬送物Wlおよびその最大径が予定搬送物の中で最小の搬送物Wsを除くものの総称である。なお、「搬送物Wl,Wmの重心G」は、円すいころにおいては重心そのままであるが円筒ころにおいては軸心と読み替えても良い。
この設計原則は、径の小さな搬送物Wsでは全ての突出体71C,…,71Cに適用できない場合が生ずる。その場合には、少なくとも(桟65aに最も近く)最も高さが高い突出体71Cまたはこれに近い突出体71C(複数の場合有り)が、前記設計原則通り設計される。この設計原則は、搬送物Wsの一部が、突出体71Cに近い側の桟65aよりも外方(図9(c)における右側)にはみ出すのを防ぐことを目的とする。
上に説明したように突出体71C,71Cの高さ、相互の間隔を適切に決定することによって、搬送装置においてコンベアベルト53Cを傾斜させなくても(=水平状態であっても)、搬送物Wl,Wm,Wsは、突出体71C,…,71Cが設けられた側の桟65aから他方の桟65b側に円滑に移動する。その結果、コンベアベルト53C上の搬送物Wl,Wm,Wsは隣り合う2つが常に離れて搬送され、隣り合う搬送物Wl,Wm,Ws同士が接触せず、搬送時におけるその周面の疵の発生を防止することができる。
突出体71C,72Cは、断面が円形、楕円、正方形または矩形等の棒状突起が幅方向に間隔を有して並ぶ構造とすることができる。
なお、コンベアベルト53Cは、基本的に搬送方向における一方の側に搬送物Wl,Wm,Wsが移動するので、略中央よりも他方の桟65b側に設けられる同じ高さの突出体72Cを設けないものとしても良い。
また、図9において「コンベア移動方向」を記したが、これとは逆方向にコンベアベルト53Cを移動させても同様の搬送物Wl,Wm,Ws同士の接触防止効果を得ることができる。
搬送装置1は、円筒ころの他、円すいころ、および断面が楕円の柱状体等の、回転容易な搬送対象物を、隣り合う2つが接触等しないように搬送する用途に適する。
上述の実施形態において、搬送装置1、および搬送装置1の各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明は、周面が鏡面加工等され互いの接触等による疵の発生を避ける必要がある断面円形物の搬送に利用することができる。
1 搬送装置
3 コンベア支持部
4 コンベア
37 揺動軸
53,53B,53C コンベアベルト(ベルト)
65 桟
W,W1,W2,Ws 円筒ころ(断面形状円形の物)

Claims (2)

  1. ベルトコンベアを用いて断面形状円形の物を搬送するための搬送方法であって、
    搬送時に循環する前記ベルトコンベアのベルトの外周面に、外方に起立する板状の桟を周方向に間隔を設けて複数配し、
    前記ベルトコンベアにおける、前記断面形状円形の物の搬送元側および搬送先側のいずれか一方が高くなるようにし、隣り合う前記桟の間に前記断面形状円形の物を1つ載せて搬送する
    ことを特徴とする搬送方法。
  2. 断面形状円形の物を搬送するための搬送装置であって、
    循環するコンベアベルトを備えたコンベアと、
    前記コンベアを支持するコンベア支持部と、を有し、
    前記コンベアは、前記コンベア支持部に対して、前記コンベアベルトの幅方向に延びる揺動軸回りに揺動可能であり、
    前記コンベアベルトは、その外周面に、外方に起立する板状の桟が周方向に間隔を設けて複数配されている
    ことを特徴とする搬送装置。
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