JP2019106815A - モータ制御装置 - Google Patents

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Hirokazu Kegaya
浩和 天下谷
岩崎 保
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保 岩崎
卓 鈴木
Taku Suzuki
卓 鈴木
友多 宇梶
Yuta Ukaji
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Abstract

【課題】高調波誘起電圧によるトルクリップルの影響を除去できるとともに、位相ずれを抑制する制御装置を提供する。【解決手段】モータに流れる相電流を制御するモータ制御装置であって、前記モータの相電流値を検出する電流検出部と、前記電流検出部により検出された相電流値に、トルクリップルを除去する成分を重畳して補正計測電流値を算出するリップル電流重畳部と、前記相電流の目標値と、前記補正計測電流値との偏差に応じて前記モータに流れる相電流を制御するフィードバック制御部と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
3相ブラシレスモータは、永久磁石を有するロータと、互いに120度の角間隔で配置されたU相、V相、W相の各コイルが巻回されたステータとを有している。このような3相ブラシレスモータは、例えば電動式パワーステアリングの操舵アシストに用いられている。
図6は、このようなブラシレスモータを駆動するためのモータ制御装置501の一例のブロック図である。図6において、モータ510は3相ブラシレスモータである。モータ510を流れるU相、V相、W相の相電流Iu、Iv、Iwは、電流検出部513で計測される。そして、3相−dq変換部514で、U相、V相、W相の電流の計測値Iu_m、Iv_m、Iw_mが、d軸、q軸の電流の計測値Id_m、Iq_mに変換されて、PI(Proportional-Integral)制御部516に出力される。
PI制御部516には、d軸、q軸の電流の計測値Id_m、Iq_mとともに、その目標値Id_ref、Iq_refとが供給される。そして、PI制御部516は、d軸、q軸の電流の計測値Id_m、Iq_mとその目標値Id_ref、Iq_refとの偏差を求め、この偏差に基いて、制御電圧Vd、Vqを生成する。
PI制御部516からの制御電圧Vd、Vqは、dq−3相変換部517で、U相、V相、W相の制御電圧Vu、Vv、Vwに変換されて、駆動部512に出力される。駆動部512は、制御電圧Vu、Vv、Vwに基いてPWM(Pulse Width Modulation)制御により、モータ510に正弦波の相電流Iu、Iv、Iwを流して、モータ510を駆動する。
このようなモータ制御装置501では、モータの回転とともに、誘起電圧が発生する。3相ブラシレスモータでは、5次と7次の高調波誘起電圧が含まれており、これにより、6次高調波誘起電圧の成分のトルクリップルが発生する。
つまり、図7及び図8は、トルクリップルの発生を説明するための波形図である。モータ510が回転すると、誘起電圧が発生する。図7は5次と7次の高調波誘起電圧を含まない場合を示し、図8は5次と7次の高調波誘起電圧を含む場合を示している。
モータ510では、図7(A)に示すように、一次の正弦波の相電流Iu、Iv、Iwが流されて、モータが回転される。そして、モータの回転により、図7(B)に示すように、誘起電圧Eu、Ev、Ewが発生する。図7(B)に示すように、誘起電圧Eu、Ev、Ewが一次の正弦波電圧だけであれば、図7(C)に示すように、モータ出力軸トルクは一定となり、トルクリップルは発生しない。
これに対して、5次と7次の高調波誘起電圧を含む場合、図8(A)に示すように、一次の正弦波の相電流Iu、Iv、Iwが流されて、モータが回転されると、図8(B)に示すように、誘起電圧Eu、Ev、Ewが発生する。図8(B)に示すように、この誘起電圧は、完全な正弦波ではなくなり、5次と7次の高調波誘起電圧による乱れが生じてくる。これにより、図8(C)に示すように、モータ出力軸トルクに、6次の高調波誘起電圧の成分によるトルクリップルが現れる。このようなトルクリップル成分が含まれると、ノイズの発生や振動の発生の原因となる。
このようなトルクリップルを除去するために、特許文献1には、PI制御部から出力される制御電圧に、トルクリップルを打ち消す補正電圧を印加するようにしたものが提案されている。
特開2011−223724号公報
特許文献1では、PI制御部から出力される制御電圧に、トルクリップルを打ち消す補正電圧を印加することで、トルクリップルの補正を行っている。しかしながら、上述のモータ制御装置では、モータの相電流を計測し、計測した相電流値と目標電流値との偏差により電流フィードバックで制御を行っている。このような電流フィードバック制御では、制御電圧に対して相電流が遅れて変化するため、トルクリップル成分の補正を制御電圧で行うと、位相のずれが生じ易く、制御が複雑化する場合がある。
上述の課題を鑑み、本発明は、高調波誘起電圧によるトルクリップルの影響を除去できるとともに、制御電圧に対する相電流の位相ずれを抑制するモータ制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、モータに流れる相電流を制御するモータ制御装置であって、前記モータの相電流値を検出する電流検出部と、前記電流検出部により検出された相電流値に、トルクリップルを除去する成分を重畳して補正計測電流値を算出するリップル電流重畳部と、前記相電流の目標値と、前記補正計測電流値との偏差に応じて前記モータに流れる相電流を制御するフィードバック制御部と、を有することを特徴とするモータ制御装置である。
本発明の一態様は、上述のモータ制御装置であって、前記リップル電流重畳部は、前記電流検出部により検出された相電流値に基づいて、トルクリップルを除去する成分を算出する。
本発明の一態様は、上述のモータ制御装置であって、前記リップル電流重畳部は、前記目標値からトルクリップルを除去する成分を算出する。
本発明の一態様は、上述のモータ制御装置であって、前記モータ制御装置は、電動パワーステアリングの操舵アシストに使用される。
本発明によれば、高調波誘起電圧によるトルクリップルの影響を除去できるとともに、制御電圧に対する相電流の位相ずれを抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態におけるリップル電流重畳部の構成を示すブロック図である。 電流フィードバックPI制御の基本構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係るブラシレスモータの駆動部の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態におけるリップル電流重畳部の構成を示すブロック図である。 ブラシレスモータを駆動するためのモータ制御装置の一例のブロック図である。 トルクリップルの発生を説明するための波形図である。 トルクリップルの発生を説明するための波形図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。また、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
以下、本発明の一実施形態に係るモータ制御装置を、図面を用いて説明する。
<第1の実施形態>
本発明の一実施形態に係るモータ制御装置1は、例えば、車両に搭載され、電動パワーステアリング装置の駆動源であるモータ10の駆動を制御するものである。すなわち、このモータ制御装置1は、例えば電動パワーステアリングの操舵アシストに使用される。
モータ10は3相ブラシレスモータであり、永久磁石を有するロータと、互いに120度の角間隔で配置されたU相、V相、W相の各コイルを有するステータとが配設されている。
回転角センサ20は、モータ10に設けられており、モータ10のロータの回転位置を示す電気角θを検出する。そして、回転角センサ20は、検出した電気角θをモータ制御装置1に出力する。例えば、回転角センサ20は、レゾルバである。なお、回転角センサ20は、モータ制御装置1の構成として含めてもよい。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るモータ制御装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るモータ制御装置1は、制御部11及び駆動部12を備える。
制御部11は、電流フィードバックとしてPI(Proportional-Integral)制御によりモータ10に流れる相電流を目標値に制御しながら、モータ10を駆動するECU(Electronic Control Unit)である。
駆動部12は、プリドライバ及びインバータを備えている。駆動部12は、制御部11から、U相、V相、W相の各相の制御電圧Vu、Vv、Vwを取得し、その取得した制御電圧Vu、Vv、Vwに応じて、PWM(Pulse Width Modulation)制御により、モータ10の各コイルに相電流を流し、モータ10を駆動する。
電流検出部13は、モータ10に流れるU相、V相、W相の相電流Iu、Iv、Iwを検出し、この相電流の計測値であるU相電流値Iu_m、V相電流値Iv_m、W相電流値Iw_mを3相−dq変換部14に出力する。電流検出部13は、カレントトランス等の電流センサを用いてU相電流値Iu_m、V相電流値Iv_m、W相電流値Iw_mを検出してもよいし、シャント抵抗を用いてU相電流値Iu_m、V相電流値Iv_m、W相電流値Iw_mを検出してもよい。すなわち、本実施形態は、U相電流値Iu_m、V相電流値Iv_m、W相電流値Iw_mを検出する検出方法には特に限定されない。
制御部11は、電流検出部13、3相−dq変換部14、リップル電流重畳部15、PI制御部16、及びdq−3相変換部17を備える。
3相−dq変換部14は、U相、V相、W相の相電流値であるU相電流値Iu_m、V相電流値Iv_m、W相電流値Iw_mを、回転角センサ20から取得した電気角θを用いて、d軸、q軸の相電流値であるd軸電流値Id_m、q軸電流値Iq_mに変換し、リップル電流重畳部15に出力する。d軸及びq軸は、直行する回転座標である。U相電流値Iu_m、V相電流値Iv_m、W相電流値Iw_mから、d軸電流値Id_m、q軸電流値Iq_mへの変換は、下記に示す式(1),(2)の演算により行うことができる。
Id=√(2/3)×(−Iu×cosθ−Iv×cos(θ−2π/3)−Iw×cos(θ−4π/3)) …(1)
Iq=√(2/3)×(Iu×sinθ +Iv×sin(θ−2π/3)+Iw×sin(θ−4π/3)) …(2)
リップル電流重畳部15は、d軸電流値Id_m及びq軸電流値Iq_mから6次高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を算出し、この6次高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を、d軸電流値Id_m及びq軸電流値Iq_mに重畳することで、当該d軸電流値Id_m及びq軸電流値Iq_mを補正する。
すなわち、モータ10のモータ出力軸トルクは、モータ10の各コイルを流れる相電流とともに、その回転に伴って発生する誘起電圧の影響を受ける。ただし、電流検出部13で検出されるのは、U相電流値Iu_m、V相電流値Iv_m、及びW相電流値Iw_mであり、この計測値には、誘起電圧の成分は含まれていない。したがって、d軸電流値Id_m及びq軸電流値Iq_mにも同様に誘起電圧の成分は含まれていないことになる。
そこで、リップル電流重畳部15は、d軸電流値Id_m及びq軸電流値Iq_mから、6次高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を算出し、この高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を相電流の計測値に重畳して、相電流の計測値を補正している。
図2は、本発明の第1の実施形態におけるリップル電流重畳部15の構成を示すブロック図である。図2に示すように、リップル電流重畳部15は、高調波誘起電圧演算部31及び加算器32を備える。
高調波誘起電圧演算部31は、q軸電流値Iq_mから、下記に示す式(3)に示すような演算を行うことにより、6次高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を算出する。
(B−A)×N×cos{6×(θ+α)} …(3)
A:5次の高調波含有率
B:7次の高調波含有率
N:振幅補正係数
α:位相補正係数
ここで、5次の高調波含有率A及び7次の高調波含有率Bは、モータ10の仕様により決まる。振幅補正係数N及び位相補正係数αは、振幅及び位相を調整するために、適宜設定される。また、上式でθが誘起電圧の基本波の成分であり、(6×θ)が6次高調波誘起電圧に基く成分である。
加算器32は、q軸電流値Iq_mと、上式で算出された6次の高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を重畳し、q軸電流値の補正値(補正計測電流値)であるq軸電流補正値Iq_cとして出力する。なお、d軸の相電流については、d軸電流値Id_mがそのままd軸電流補正値Id_cとして出力される。リップル電流重畳部15は、トルクリップル成分が除去されるように補正されたq軸電流補正値Iq_c及びd軸電流補正値Id_cをPI制御部16に出力する。
図1において、PI制御部16は、相電流である目標値と補正計測電流値との偏差に応じてモータを制御するフィードバック制御部として動作する。すなわち、PI制御部16は、外部装置から取得したd軸電流、q軸電流の目標値である目標d軸電流値Id_ref及び目標q軸電流値Iq_refと、q軸電流補正値Iq_c及びd軸電流補正値Id_cとの偏差に応じて、PI制御によりd軸、q軸の制御電圧Vd、Vqを生成する。
すなわち、PI制御部16は、目標d軸電流値Id_refと、目標q軸電流補正値Iq_cとの偏差Δdに対してPI演算を実行することで、偏差Δdをゼロに近づけるためのd軸の制御電圧Vdを算出する。また、PI制御部16は、目標q軸電流補正値Iq_cと、q軸電流補正値Iq_cとの偏差Δqに対してPI演算を実行することで、偏差Δqをゼロに近づけるためのq軸の制御電圧Vqを算出する。
なお、目標d軸電流値Id_ref及び目標q軸電流値Iq_refは、ステアリングハンドルが操作された場合のステアリングハンドルのトルクである操作トルクと、回転角センサ20から電気角θとから算出されてもよい。
PI制御部16は、算出した制御電圧Vd及び制御電圧Vqをdq−3相変換部17に出力する。
dq−3相変換部17は、制御電圧Vd、Vqを、回転角センサ20から取得した電気角θを用いて、U相、V相、W相の制御電圧Vu、Vv、Vwに変換して、駆動部12に出力する。なお、d軸、q軸の制御電圧Vd、Vqから、U相、V相、W相の制御電圧Vu、Vv、Vwへの変換は、下記に示す式(4)〜(6)の演算により行うことができる。
Vu=−Vd×cosθ+Vq×sinθ …(4)
Vv=−Vd×cos(θ−2π/3)+Vq×sin(θ−2π/3) …(5)
Vw=−Vd×cos(θ−4π/3)+Vq×sin(θ−4π/3) …(6)
駆動部12は、制御電圧Vu、Vv、Vwに基いてPWM制御により、モータ10に正弦波の相電流を流して、モータ10を駆動する。
上述したように、本実施形態に係るモータ制御装置1では、リップル電流重畳部15で、相電流の計測値から6次の高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を算出し、この6次の高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を相電流の計測値に重畳して、相電流の計測値を補正している。そして、PI制御部16では、補正した電流の計測値と、目標電流との偏差を求め、この偏差に基いて、電流フィードバックによるPI制御により、モータの制御電圧を生成している。これにより、6次の高調波誘起電圧によるトルクリップルの影響を除去できる。
また、本実施形態に係るモータ制御装置1では、相電流の計測値に補正値を重畳している。したがって、電流フィードバックによるPI制御に対して、位相ずれが生じ難く、制御が容易である。
また、本実施形態に係るモータ制御装置1では、PI制御の計測値に対して高調波誘起電圧による外乱の補正を行っている。このため、目標応答と外乱応答のゲインを独立して設定できるように、フィードフォワード項のゲインを設定できる。
すなわち、図3は、電流フィードバックPI制御の基本構成を示すブロック図である。図3(A)に示すように、電流フィードバックPI制御は、制御対象51と、制御対象51の計測電流と目標電流との偏差を検出する減算器52と、計測電流と目標電流との偏差に基いて、制御対象51に対する制御電圧を生成するPI制御器53とから構成される。本実施形態では、この構成における制御対象51と減算器52との間のループ中で、高調波誘起電圧による外乱の補正を行っている。このような構成で目標応答性を下げたい場合には、図3(B)に示すように、目標電流値に対してフィードフォワード項ゲイン55と減算器56とを設ける。この場合、フィードフォワード項ゲイン55のループと、高調波誘起電圧による外乱の補正のループとが独立しているので、外乱応答性は変えずに、目標応答性を下げることができる。
<第2の実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態に係るモータ制御装置101の構成を示すブロック図である。図4に示すように、本発明の第2の実施形態に係るモータ制御装置101は、モータ10、制御部111及び駆動部12を備える。
制御部111は、電流検出部13、3相−dq変換部14、リップル電流重畳部115、PI制御部16、及びdq−3相変換部17を備える。
前述の第1の実施形態では、リップル電流重畳部15は、相電流の計測値から、6次の高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を算出し、この6次の高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を相電流の計測値に重畳して、相電流の計測値を補正している。
これに対して、この第2の実施形態では、リップル電流重畳部115は、相電流の目標値から、6次の高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を算出し、この6次の高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を相電流の計測値に重畳して、相電流の計測値を補正している。
図5は、本発明の第2の実施形態におけるリップル電流重畳部115の構成を示すブロック図である。図5に示すように、リップル電流重畳部115は、高調波誘起電圧演算部131及び加算器132を備える。
高調波誘起電圧演算部131は、目標q軸電流値Iq_refから、下記に示す式(7)を演算を行うことにより、6次高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を算出する。
(B−A)×N×cos(6θ+α) …(7)
A:5次の高調波含有率
B:7次の高調波含有率
N:振幅補正係数
α:位相補正係数
加算器132は、q軸電流値Iq_mと、上式で算出された6次の高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分とを重畳し、q軸電流補正値Iq_cとして出力する。なお、d軸の相電流については、d軸電流値Id_mがそのままd軸電流補正値Id_cとして出力される。
したがって、PI制御部16は、目標d軸電流値Id_ref及び目標q軸電流値Iq_refと、q軸電流補正値Iq_c及びd軸電流補正値Id_cとのそれぞれの偏差に応じて、PI演算により、d軸、q軸の制御電圧Vd、Vqを生成し、dq−3相変換部117に出力する。
dq−3相変換部17は、d軸、q軸の制御電圧Vd、Vqを、U相、V相、W相の制御電圧Vu、Vv、Vwに変換して、駆動部12に出力する。そして、駆動部12は、制御電圧Vu、Vv、Vwに基いてPWM制御により、モータ10に正弦波の相電流Iu、Iv、Iwを流して、モータ10を駆動する。
本実施形態では、リップル電流重畳部115により、相電流の目標値から、高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を算出し、この高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を相電流の計測値に重畳し、電流計測値を補正している。これにより、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。
また、第1の実施形態の場合には、相電流の計測値から高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を算出しているため、制御速度の点では有利であるが、相電流の計測値に含まれるノイズの影響を受けやすい場合がある。これに対して、第2の実施形態では、相電流の目標値から高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するような成分を算出するので、ノイズ成分の影響を受け難い。
<変形例>
上述の第1及び第2の実施形態では、U相、V相、W相の電流計測値を、d軸、q軸の電流の計測値に変換した後に、高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去する成分を重畳しているが、U相、V相、W相の電流計測値に対して高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去する成分を重畳する構成としてもよい。
また、上述の第1及び第2の実施形態では、6次の高調波誘起電圧によるトルクリップル成分を除去するように構成されているが、ブラシレスモータの出力軸にトルクリップルを生じさせる成分は、6次の高調波誘起電圧による成分以外に、幾つかの高調波誘起電圧成分がある。除去するトルクリップルの成分は、6次の高調波誘起電圧によるトルクリップル成分に限定されず、他の次数の高調波誘起電圧であっても良い。
また、複数の次数の高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去するために、除去する高調波誘起電圧の次数が異なる複数のリップル電流重畳部を設け、各リップル電流重畳部で補正した計測値を加算して、PI制御部に出力するようにしても良い。例えば、3次の高調波誘起電圧によるトルクリップル成分を除去するためのリップル電流重畳部と、6次の高調波誘起電圧によるトルクリップル成分を除去するためのリップル電流重畳部とを設け、3次の高調波誘起電圧によるトルクリップル成分を除去するための補正値と、6次の高調波誘起電圧によるトルクリップル成分を除去するための補正値とを加算して、PI制御部に出力すること考えられる。
また、上述の実施形態では、相電流の計測値又は相電流の目標値から高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去する成分を計算により求めているが、モータの軸トルクを検出するトルクセンサを設け、このトルクセンサ検出出力から高調波誘起電圧によるトルクリップルを除去する成分を取得するように構成してもよい。本発明の実施形態に係るモータ制御装置を電動式パワーステアリングの操舵アシストとして用いる場合には、ステアリングホイールのトルクセンサを、モータの軸トルクの検出に流用することができる。
また、高調波の各次数の成分を除去するための複数のリップル電流重畳部を設けるようにした構成では、トルクセンサの検出出力の周波数成分をFFT(Fast Fourier Transform)で解析し、このFFTの解析結果に基いて、各リップル電流重畳部を制御するようにすることも考えられる。
上述した実施形態におけるモータ制御装置1、101の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
10:モータ
11:制御部
12:駆動部
13:電流検出部
15,115:リップル電流重畳部
16:PI制御部
31,131: 高調波誘起電圧演算部

Claims (4)

  1. モータに流れる相電流を制御するモータ制御装置であって、
    前記モータの相電流値を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部により検出された相電流値に、トルクリップルを除去する成分を重畳して補正計測電流値を算出するリップル電流重畳部と、
    前記相電流の目標値と、前記補正計測電流値との偏差に応じて前記モータに流れる相電流を制御するフィードバック制御部と、
    を有することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記リップル電流重畳部は、前記電流検出部により検出された相電流値に基づいて、トルクリップルを除去する成分を算出することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記リップル電流重畳部は、前記目標値からトルクリップルを除去する成分を算出することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 前記モータ制御装置は、電動パワーステアリングの操舵アシストに使用される請求項1から3のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113507250A (zh) * 2021-07-14 2021-10-15 浙江大学先进电气装备创新中心 一种内置式永磁同步电机电流谐波抑制方法

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