JP2019106316A - 端子付電線 - Google Patents

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拓也 川口
Takuya Kawaguchi
拓也 川口
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Abstract

【課題】素線間の良好な導通と十分な機械的強度とを両立した端子付電線を提供する。【解決手段】端子付電線1は、端子10と、複数の素線53からなる導体51が露出された導体露出部52とを含む電線50とを備えている。端子10は、導体露出部52を載置する導体載置部11と、導体載置部11から延出して導体露出部52に対して加締められる1対の導体加締め片20,30とを含む。導体露出部52は、素線53が一体化した溶接領域54と、素線53が独立して存在する非溶接領域55とを含む。導体加締め片20,30は、溶接領域54の外周面に圧着される溶接領域圧着部21,31と、非溶接領域55に圧着されるとともに先端部22A,32Aが非溶接領域55に食い込む非溶接領域圧着部22,32とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、端子付電線に係り、特に端子を電線に圧着してなる端子付電線に関するものである。
従来から、このような端子付電線においては、軽量化等のために導体がアルミニウムで形成された電線が用いられることがある。しかしながら、アルミニウムは銅などと比較して酸化被膜が強固であるため、アルミニウム導体の素線間の導通を確保することが難しい。そこで、素線間の導通を確保するために、端子の導体加締め片を電線の導体に加締める前に、超音波溶接によって素線の酸化被膜を破壊する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この方法では、超音波溶接により導体が押しつぶされて薄くなってしまうため、図13に示すように、端子510の導体加締め片520,530を加締めた際に、導体加締め片520,530が電線550の導体551に食い込まない場合がある。そして、この場合には、端子付電線の機械的強度が低下してしまう。
特開2011−082127号公報
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、素線間の良好な導通と十分な機械的強度とを両立した端子付電線を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、素線間の良好な導通と十分な機械的強度とを両立した端子付電線が提供される。この端子付電線は、端子と、複数の素線からなる導体が露出された導体露出部を含む電線とを備えている。上記端子は、上記導体露出部を載置する導体載置部と、該導体載置部から延出して上記導体露出部に対して加締められる1対の導体加締め片とを含んでいる。ここで、上記導体露出部は、上記複数の素線が一体化した第1の領域と、上記複数の素線が独立して存在する第2の領域とを含んでいる。また、上記1対の導体加締め片のそれぞれは、上記第1の領域の外周面に圧着される第1の圧着部と、上記第2の領域に圧着されるとともに一部が上記第2の領域に食い込む食い込み部とを含んでいる。
このような端子付電線によれば、酸化被膜が破壊されて複数の素線が一体化した第1の領域が導体露出部に形成されているため、素線間の良好な導通が実現される。また、複数の素線が独立して存在する第2の領域を導体露出部に形成して、該第2の領域に導体加締め片を食い込ませるようにしたため、十分な機械的強度が確保される。
ここで、上記第2の領域の最大厚さが上記第1の領域の最大厚さよりも厚くなっていることが好ましい。このような構成によれば、導体圧着部の食い込み部を第2の領域に容易に食い込ませることができる。
また、上記1対の導体加締め片のそれぞれは、上記第1の圧着部の延出長さが上記食い込み部の延出長さよりも短くなるように形成されることが好ましい。このような構成によれば、導体加締め片の第1の圧着部を導体露出部の第1の領域に圧着させ、かつ、導体加締め片の食い込み部の一部を第2の領域に食い込ませることが容易になる。
また、上記第1の圧着部と上記食い込み部とが離間するように構成してもよい。このような構成によれば、導体加締め片の第1の圧着部を導体露出部の第1の領域に圧着させ、かつ、導体加締め片の食い込み部の一部を第2の領域に食い込ませることがさらに容易になる。
上記導体露出部は、上記第2の領域を挟んで上記第1の領域の反対側で上記複数の素線が一体化した第3の領域をさらに含んでもよい。この場合には、上記1対の導体加締め片のそれぞれを、上記第3の領域の外周面に圧着される第2の圧着部をさらに含むように形成することが好ましい。また、上記第1の領域の外周面全周が上記導体載置部及び1対の上記第1の圧着部に密着されるように構成するとともに、上記第3の領域の外周面全周が上記導体載置部及び1対の上記第2の圧着部に密着されるように構成することが好ましい。
このような構成によれば、第2の領域の一方側に、複数の素線が一体化した第1の領域と、該第1の領域の外周面全周に密着した導体載置部及び第1の圧着部とからなる止水壁が形成され、第2の領域の他方側に、複数の素線が一体化した第3の領域と、該第3の領域の外周面全周に密着した導体載置部及び第2の圧着部とからなる止水壁が形成されるため、第2の領域の素線の間に電解質溶液が浸入することが防止される。そのため、この第2の領域において素線や端子に腐食が発生することが抑制される。
この場合において、上記第2の領域の最大厚さが上記第3の領域の最大厚さよりも厚くなっていることが好ましい。このような構成によれば、導体圧着部の食い込み部を第2の領域に容易に食い込ませることができる。
また、上記1対の導体加締め片のそれぞれは、上記第2の圧着部のそれぞれの延出長さが上記食い込み部の延出長さよりも短くなるように形成されることが好ましい。このような構成によれば、導体加締め片の第2の圧着部を導体露出部の第3の領域に圧着させ、かつ、導体加締め片の食い込み部の一部を第2の領域に食い込ませることが容易になる。
本発明によれば、電線の導体露出部に素線が一体化した第1の領域を形成したことにより、素線間の良好な導通が実現される。また、電線の導体露出部に素線が独立して存在する第2の領域を形成し、該領域に導体加締め片を食い込ませるようにしたことで、端子付電線の十分な機械的強度が確保される。
図1は、本発明の第1の実施形態における端子付電線を示す平面図である。 図2は、図1に示される端子付電線を示す側面図である。 図3は、図1のA−A線断面図である。 図4は、図1のB−B線断面図である。 図5Aは、図1に示される端子付電線の製造方法を示す側面図である。 図5Bは、図1に示される端子付電線の製造方法を示す側面図である。 図6は、本発明の第2の実施形態における端子付電線を示す側面図である。 図7は、本発明の第3の実施形態における端子付電線を示す平面図である。 図8は、図7に示される端子付電線を示す側面図である。 図9は、図7のC−C線断面図である。 図10は、図7のD−D線断面図である。 図11は、図7のE−E線断面図である。 図12Aは、図7に示される端子付電線の製造方法を示す側面図である。 図12Bは、図7に示される端子付電線の製造方法を示す側面図である。 図13は、従来の端子付電線を示す断面図である。
以下、本発明に係る端子付電線の実施形態について図1から図12Bを参照して詳細に説明する。なお、図1から図12Bにおいて、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図1から図12Bにおいては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態における端子付電線1を示す平面図、図2は端子付電線1を示す側面図である。図1及び図2に示すように、端子付電線1は、X方向に延びる電線50と、電線50に固定された端子10とを備えている。
電線50の被覆50Aは、+X方向側の端部において一定の距離にわたって剥離されている。そして、これにより、電線50の+X方向側の端部に、導体51が露出された導体露出部52が形成されている。本実施形態において、電線50の導体51は、アルミニウムからなる複数の素線53が束ねられて形成されている。そして、導体露出部52は、これら複数の素線53が後述する超音波溶接により一体化した溶接領域54(第1の領域)と、超音波溶接されずに複数の素線53が独立して存在する非溶接領域55(第2の領域)とを含んでいる。図2に示すように、このような導体露出部52は、端子10の導体載置部11に載置されて端子10に固定されている。
図1及び図2に示すように、端子10は、加締められて電線50の被覆50Aに圧着された1対の被覆加締め片12,13と、加締められて電線50の導体露出部52に圧着された1対の導体加締め片20,30とを含んでいる。1対の導体加締め片20,30は、Y方向に対向配置されている。そして、導体加締め片20は導体載置部11の−Y方向側の縁部から上方(+Z方向)に延出しており、導体加締め片30は導体載置部11の+Y方向側の縁部から上方に延出している。このような1対の導体加締め片20,30が導体露出部52に圧着されることにより、端子10が電線50(導体露出部52)に電気的に接続される。また、端子10は、+X方向側の端部に設けられたボックス部14を有しており、このボックス部14を介して相手方端子に電気的に接続される。
図1及び図2に示すように、端子10の導体加締め片20は、電線50の溶接領域54に圧着された溶接領域圧着部21と、非溶接領域55に圧着された非溶接領域圧着部22とを含んでいる。同様に、導体加締め片30は、溶接領域圧着部31と、非溶接領域圧着部32とを含んでいる。
ここで、図3は、図1のA−A線断面図であり、上述の溶接領域圧着部21,31及び溶接領域54の断面を示している。また、図4は、図1のB−B線断面図であり、上述の非溶接領域圧着部22,32及び非溶接領域55の断面を示している。
上述したように、電線50の溶接領域54は超音波溶接に供せられた領域である。したがって、図3に示すように、この領域において導体露出部52は押しつぶされ、複数の素線53が一体化した状態になっている。これに対して、電線50の非溶接領域55は超音波溶接に供せられていない領域である。したがって、図4に示すように、複数の素線53が独立して存在している。また、この非溶接領域55では導体露出部52は押しつぶされていないため、導体載置部11を基準とする導体露出部52の最大厚さL2(図4参照)が、溶接領域54における導体載置部11を基準とする導体露出部52の最大厚さL1(図3参照)よりも厚くなっている。
図4に示すように、導体加締め片20の非溶接領域圧着部22は導体露出部52の非溶接領域55に圧着されており、先端部22Aが非溶接領域55の内部に食い込んだ状態になっている。同様に、導体加締め片30の非溶接領域圧着部32は導体露出部52の非溶接領域55に圧着されており、先端部32Aが非溶接領域55の内部に食い込んだ状態になっている。すなわち、導体加締め片20の非溶接領域圧着部22及び導体加締め片30の非溶接領域圧着部32は、非溶接領域55に圧着されるとともに一部が非溶接領域55の内部に食い込む食い込み部として構成されている。
図3及び図4に示すように、導体加締め片20の溶接領域圧着部21は、非溶接領域圧着部22に比べて延出長さが短くなるように形成されている。なお、「延出長さ」とは、導体加締め片の付け根部分(導体載置部11との境界)から先端までの全長を言うものとする。図3に示すように、導体加締め片20の溶接領域圧着部21は、溶接領域54の−Y方向側外周面に圧着されている。同様に、導体加締め片30の溶接領域圧着部31は、非溶接領域圧着部32に比べて延出長さが短くなるように形成されており、溶接領域54の+Y方向側外周面に圧着されている。すなわち、導体加締め片20の溶接領域圧着部21及び導体加締め片30の溶接領域圧着部31は、溶接領域54の外周面に圧着される第1の圧着部として構成されている。
このような端子付電線1によれば、素線53が一体化した(すなわち、アルミニウムの酸化被膜が破壊された)溶接領域54が導体露出部52に含まれるため、この溶接領域54において素線間の導通が十分に確保される(図3参照)。また、導体加締め片20,30の非溶接領域圧着部22,32が非溶接領域55に食い込んでいるため、端子10と電線50との間の機械的強度が十分に確保される(図4参照)。
次に、このような端子付電線1の製造方法について説明する。まず、図5Aに示すように、先端に導体露出部52が形成された電線50を用意する。そして、図5Aに示すように、電線50の導体露出部52を超音波溶接装置90のアンビル91に載置する。その後、導体露出部52の先端部に超音波溶接装置90のホーン92を押し当てて加圧するとともに、ホーン92を超音波振動させる。その結果、複数の素線53同士が互いに激しく擦れ合って酸化被膜が破壊され、複数の素線53が一体化する。すなわち、導体露出部52に上述の溶接領域54が形成される(超音波溶接工程)。一方、溶接領域54以外の領域(非溶接領域55)は、超音波溶接されていないため押しつぶされておらず、超音波溶接前の厚さが維持される。すなわち、溶接領域54に比べて厚くなっている。
また、図5Bに示すように、圧着前端子1010を用意する。この圧着前端子1010は、導体載置部1011と、導体載置部1011から延出する1対の導体加締め片とを含んでいる。なお、これら1対の導体加締め片は端子10の導体加締め片20,30に対応するものであり、同様の構成を有している。したがって、−Y方向側の導体加締め片1020のみ図示し、+Y方向側の導体加締め片の図示は省略する。
図5Bに示すように、導体加締め片1020は、+X方向側に位置する第1の部分1021と、−X方向側に位置する第2の部分1022とを含んでいる。第1の部分1021は、延出長さが第2の部分1022の延出長さよりも短くなるように形成されている。より具体的には、溶接領域54の−Y方向側外周面のみに密着できる延出長さに形成されている(図3参照)。同様に、+Y方向側の導体加締め片は、溶接領域54の+Y方向側外周面のみに密着できる延出長さに形成されている(図3参照)。このような圧着前端子1010の導体載置部1011に、電線50の導体露出部52を載置する。より具体的には、図5Bに示すように、導体露出部52の溶接領域54が第1の部分1021に位置するように、かつ、非溶接領域55が第2の部分1022に位置するように、電線50を圧着前端子1010に載置する。
そして、この状態を維持しつつ圧着前端子1010を加締め、圧着前端子1010を導体露出部52に圧着する(加締め工程)。
この加締め工程において、−Y方向側導体加締め片1020の第2の部分1022と+Y方向側導体加締め片の第2の部分とがそれぞれ先端部においてぶつかり合って内側に湾曲変形する(図4参照)。ここで、図5Bに示すように、1対の導体加締め片(−Y方向側導体加締め片1020,+Y方向側導体加締め片)の第2の部分の先端部の下方には、導体露出部52の非溶接領域55が位置しており、この非溶接領域55は超音波溶接されておらず厚くなっているため、第2の部分の先端部は内側に湾曲変形しつつ非溶接領域55の内部に食い込む(図4参照)。
一方、+Y方向側導体加締め片1020の第1の部分1021及び−Y方向側導体加締め片の第1の部分は、各々の導体加締め片の第2の部分に比べて短く形成されている。より具体的には、−Y方向側導体加締め片1020の第1の部分1021は溶接領域54の−Y方向側外周面のみに密着できる延出長さに形成されており、+Y方向側導体加締め片の第1の部分は溶接領域54の+Y方向側外周面のみに密着できる延出長さに形成されている(図3参照)。そのため、加締め工程において、第1の部分同士はぶつかり合うことなく、溶接領域54の−Y方向側外周面及び+Y方向側外周面に密着する(図3参照)。
以上の工程により、本実施形態における端子付電線1が完成する(図1及び図2参照)。
なお、上述の実施形態では、+Y方向側導体加締め片の第1の部分を溶接領域の+Y方向側外周面のみに密着できる延出長さに形成し、−Y方向側導体加締め片の第1の部分を溶接領域の−Y方向側外周面のみに密着できる延出長さに形成した例を説明したが、加締め工程の際に、第2の部分が非溶接領域に食い込むことが阻害されないのであれば、第1の部分の延出長さを本実施形態における延出長さよりも長くしてもよいし、或いは、短くしてもよい。ただし、導体加締め片の第1の部分を溶接領域に無理なく圧着する等の観点から、第1の部分の延出長さを第2の部分の延出長さよりも短くすることが好ましい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態における端子付電線100について説明する。ここで、図6は本発明の第2の実施形態における端子付電線100を示す側面図である。図6に示すように、端子付電線100は、電線50と、電線50の導体露出部52に固定された端子110とを備えている。
図6に示すように、端子110は、Y方向に対向する1対の導体加締め片を有している。ここで、これら1対の導体加締め片は同様の構成を有しているため、−Y方向側の導体加締め片120のみを図示し、+Y方向側の導体加締め片の図示は省略する。導体加締め片120は、電線50の溶接領域54に圧着された溶接領域圧着部121と、非溶接領域55に圧着された非溶接領域圧着部122とを含んでいる。本実施形態において、溶接領域圧着部121と非溶接領域圧着部122とは互いに離間しており、連結部123によって連結されている
−Y方向側の溶接領域圧着部121及び+Y方向側の溶接領域圧着部は、第1の実施形態と同様に、加締められて溶接領域54に圧着されている。一方、−Y方向側の非溶接領域圧着部122及び+Y方向側の非溶接領域圧着部は、第1の実施形態と同様に、加締められて非溶接領域55に圧着されるとともに、先端が導体露出部52の非溶接領域55に食い込んだ状態になっている。すなわち、本実施形態において、−Y方向側の溶接領域圧着部121及び+Y方向側の溶接領域圧着部は導体露出部52の溶接領域54に圧着される第1の圧着部として構成されており、−Y方向側の非溶接領域圧着部122及び+Y方向側の非溶接領域圧着部は、非溶接領域55に圧着されるとともに一部が導体露出部52の非溶接領域55に食い込む食い込み部として構成されている。
このような構成によれば、第1の実施形態と同様に、素線間の良好な導通と、端子と電線との間の十分な機械的強度とが両立される。
また、本実施形態によれば、導体加締め片の溶接領域圧着部と非溶接領域圧着部とが離間して形成されているため、上述の加締め工程において、端子110の溶接領域圧着部と非溶接領域圧着部とを独立して変形させることができる。したがって、溶接領域圧着部を導体露出部の溶接領域に圧着させることと、非溶接領域圧着部の先端部を非溶接領域に食い込ませることとが、第1の実施形態に比べて容易になる。
ところで、上述の第1及び第2の実施形態では、素線が独立して存在する非溶接領域(換言すれば、素線の間に隙間が存在する非溶接領域)が導体露出部に存在するため、この隙間に電解質溶液が浸入することがある。そして、この場合には、非溶接領域において素線や端子に腐食が生じてしまう。そこで、この問題を解決するために、以下に説明する端子付電線200(第3の実施形態)を構成してもよい。
(第3の実施形態)
ここで、図7は本発明の第3の実施形態における端子付電線200を示す平面図、図8は端子付電線200を示す側面図である。図7及び図8に示すように、端子付電線200は、電線50と、電線50に固定された端子210とを備えている。
電線50の導体露出部52は、複数の素線53が超音波溶接により一体化した第1の溶接領域254(第1の領域)及び第2の溶接領域256(第3の領域)と、超音波溶接されずに複数の素線53が独立して存在する非溶接領域255(第2の領域)とを含んでいる。非溶接領域255は、2つの溶接領域254,256の間に位置している。図8に示すように、このような導体露出部52は、端子210の導体載置部11に密着固定されている。
図7及び図8に示すように、端子210は、電線50の導体露出部52に圧着されて導体51に電気的に接続された1対の導体加締め片220,230を含んでいる。1対の導体加締め片220,230は、導体加締め片220が−Y方向側に位置するように、導体加締め片230が+Y方向側に位置するように対向配置されている。
図7及び図8に示すように、端子210の導体加締め片220は、電線50の第1の溶接領域254に圧着された第1の溶接領域圧着部221と、非溶接領域255に圧着された非溶接領域圧着部222と、第2の溶接領域256に圧着された第2の溶接領域圧着部223とを含んでいる。同様に、導体加締め片230は、第1の溶接領域圧着部231と、非溶接領域圧着部232と、第2の溶接領域圧着部233とを含んでいる。
ここで、図9は、図7のC−C線断面図であり、上述の第1の溶接領域圧着部221,231及び第1の溶接領域254の断面を示している。また、図10は、図7のD−D線断面図であり、上述の非溶接領域圧着部222,232及び非溶接領域255の断面を示している。また、図11は、図7のE−E線断面図であり、上述の第2の溶接領域圧着部223,233及び第2の溶接領域256の断面を示している。
上述したように、電線50の溶接領域254,256は超音波溶接に供せられた領域である。したがって、図9及び図11に示すように、これらの領域254,256において導体露出部52は押しつぶされており、複数の素線53が一体化した状態になっている。これに対して、電線50の非溶接領域255は超音波溶接に供せられていない領域である。したがって、図10に示すように、この領域255では複数の素線53が独立して存在している。また、図9から図11に示すように、非溶接領域255における導体露出部52の最大厚さL2が溶接領域254,256における導体露出部52の最大厚さL1よりも厚くなっている。
図10に示すように、導体加締め片220の非溶接領域圧着部222及び導体加締め片230の非溶接領域圧着部232は、加締められて導体露出部52の非溶接領域255に圧着されており、先端部222A,232Aが非溶接領域255の内部に食い込んだ状態になっている。すなわち、本実施形態において、導体加締め片220の非溶接領域圧着部222及び導体加締め片230の非溶接領域圧着部232は、非溶接領域255に圧着されるとともに一部が非溶接領域255の内部に食い込む食い込み部として構成されている。
図9から図11に示すように、導体加締め片220の溶接領域圧着部221,223及び導体加締め片230の溶接領域圧着部231,233は、非溶接領域圧着部222,232に比べて、延出長さが短くなるように形成されている。
図9に示すように、導体加締め片220の溶接領域圧着部221は加締められて第1の溶接領域254に圧着されており、該領域254の−Y方向側外周面に密着固定されている。同様に、導体加締め片230の溶接領域圧着部231は加締められて第1の溶接領域254に圧着されており、該領域254の+Y方向側外周面に密着固定されている。すなわち、第1の溶接領域圧着部221,231は第1の溶接領域254の外周面に圧着される第1の圧着部として構成されている。
また、図11に示すように、導体加締め片220の溶接領域圧着部223は加締められて第2の溶接領域256に圧着されており、該領域256の−Y方向側外周面に密着固定されている。同様に、導体加締め片230の溶接領域圧着部233は加締められて第2の溶接領域256に圧着されており、該領域256の+Y方向側外周面に密着固定されている。すなわち、第2の溶接領域圧着部223,233は第2の溶接領域256の外周面に圧着される第2の圧着部として構成されている
すなわち、図9に示すように、第1の溶接領域254の外周面全周は溶接領域圧着部221,223及び導体載置部11に密着された状態になっている。また、図11に示すように、第2の溶接領域256の外周面全周は溶接領域圧着部223,233及び導体載置部11に密着された状態になっている。
このような端子付電線200によれば、2つの溶接領域254,256が形成されていることにより素線間の導通が極めて良好になるとともに、非溶接領域圧着部222,232が非溶接領域255に食い込んでいることにより端子210と電線50との間の機械的強度が十分に確保される。
また、図7及び図8に示すように、本実施形態における端子付電線200によれば、非溶接領域255の+X方向側の端部には、素線53が一体化した第1の溶接領域254と、該領域254の外周面全周に密着した端子210(すなわち、導体載置部11及び1対の溶接領域圧着部221,231)が位置している。そのため、図9に示すように、第1の溶接領域254と、導体載置部11と、溶接領域圧着部221,231とによって止水壁が構成され、ボックス部14側から非溶接領域255に電解質溶液が浸入することが防止される。一方、図7及び図8に示すように、非溶接領域255の−X方向側の端部には、素線53が一体化した第2の溶接領域256と、該領域256の外周面全周に密着した端子210(すなわち、導体載置部11及び1対の溶接領域圧着部223,233)とが位置している。そのため、図11に示すように、第2の溶接領域256と、導体載置部11と、溶接領域圧着部223,233とによって止水壁が構成され、被覆50A側から非溶接領域255に電解質溶液が浸入することが防止される。
このように、本実施形態によれば、非溶接領域の両側で電解質溶液が堰き止められることにより、非溶接領域の素線間に電解質溶液が浸入することが防止されるため、非溶接領域において素線や端子が腐食してしまうことが効果的に抑制される。
次に、このような端子付電線200の製造方法について説明する。まず、図12Aに示すように、電線50の導体露出部52の2箇所を超音波溶接する(超音波溶接工程)。より具体的には、導体露出部52の+X方向側の端部の領域254(第1の溶接領域254)と、領域254から一定の距離だけ離れた領域256(第2の溶接領域256)とを超音波溶接する。これにより、第1の溶接領域254及び第2の溶接領域256が押しつぶされ、複数の素線53が一体化する。一方、第1の溶接領域254と第2の溶接領域256との間の領域255(非溶接領域255)は超音波溶接されないため、複数の素線53が独立して存在している。また、非溶接領域255の厚さが超音波溶接前と同一の厚さに維持される。すなわち、この超音波溶接工程によって、導体露出部52に、薄い溶接領域254,256と厚い非溶接領域255とが形成される。
また、図12Bに示すように、圧着前端子1210を用意する。この圧着前端子1210は、導体載置部1211と、端子210の導体加締め片220,230に対応する1対の導体加締め片とを含んでいる。なお、これら1対の導体加締め片の構成は同様であるため、−Y方向側の導体加締め片1220のみを図示し、+Y方向側の導体加締め片の図示は省略する。
図12Bに示すように、導体加締め片1220は、+X方向側に位置する第1の部分1221と、−X方向側に位置する第3の部分1223と、第1の部分1221と第3の部分1223との間に位置する第2の部分1222とを含んでいる。第1の部分1221及び第3の部分1223は、延出長さが第2の部分1222の延出長さよりも短くなるように形成されている。より具体的には、第1の部分1221及び第3の部分1223は、導体露出部52の溶接領域254,256の−Y方向側外周面のみに密着できる延出長さに形成されている。同様に、+Y方向側の導体加締め片は、第1の部分及び第3の部分が溶接領域254,256の+Y方向側外周面のみに密着できる延出長さに形成されている。
図12Bに示すように、このような圧着前端子1210の導体載置部1211に、電線50の導体露出部52を載置する。より具体的には、導体露出部52の第1の溶接領域254が導体加締め片1220の第1の部分1221に位置するように、非溶接領域255が第2の部分1222に位置するように、かつ、第2の溶接領域256が第3の部分1223に位置するように、電線50を圧着前端子1210に載置する。
そして、この状態を維持しつつ圧着前端子1210を加締めることにより、圧着前端子1210を導体露出部52に圧着する(加締め工程)。
この加締め工程により、導体露出部52と圧着前端子1210の導体載置部1211とが密着する。また、上述のように、−Y方向側の導体加締め片1220の第1の部分1221及び第3の部分1223は、溶接領域254,256の−Y方向側外周面のみに密着できる延出長さに形成されており、+Y方向側の導体加締め片の第1の部分及び第3の部分は、溶接領域254,256の+Y方向側外周面のみに密着できる延出長さに形成されているため、図9及び図11に示すように、1対の第1の部分(溶接領域圧着部221,231)及び1対の第3の部分(溶接領域圧着部223,233)は、ぶつかり合うことなく溶接領域254,256の外周面に密着する。すなわち、図9に示すように、第1の溶接領域254の外周面全周が、導体載置部11、−Y方向側の第1の部分1221(溶接領域圧着部221)、及び+Y方向側の第1の部分(溶接領域圧着部231)に密着された状態になる。また、図11に示すように、第2の溶接領域256の外周面全周が、導体載置部11、−Y方向側の第3の部分1223(溶接領域圧着部223)、及び+Y方向側の第3の部分(溶接領域圧着部233)に密着された状態になる。
また、図12Bに示すように、−Y方向側の第2の部分1222及び+Y方向側の第2の部分は、それぞれ第1の部分に比べて延出長さが長く形成されているため、この加締め工程において、先端部同士がぶつかり合って内側に湾曲変形する(図10参照)。ここで、導体露出部52の非溶接領域255は押しつぶされておらず、厚くなっているため、図10に示すように、−Y方向側の第2の部分1222(非溶接領域圧着部222)及び+Y方向側の第2の部分(非溶接領域圧着部232)は、内側に湾曲変形しつつ非溶接領域255の内側に食い込む。
以上の工程により、本実施形態における端子付電線200(図7及び図8参照)が完成する。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
なお、本明細書において使用した用語「上」、「上方」、「下方」、その他の位置関係を示す用語は、図示した実施形態との関連において使用されているのであり、装置の相対的な位置関係によって変化するものである。
1,100,200 端子付電線
10,110,210 端子
11,111,211 導体載置部
20,120,220 導体加締め片
30,230 導体加締め片
21,121 溶接領域圧着部(第1の圧着部)
31 溶接領域圧着部(第1の圧着部)
22,122,222 非溶接領域圧着部(食い込み部)
32,232 非溶接領域圧着部(食い込み部)
50 電線
50A 被覆
51 導体
52 導体露出部
53 素線
54 溶接領域(第1の領域)
55 非溶接領域(第2の領域)
123 連結部
221,231 第1の溶接領域圧着部(第1の圧着部)
222,232 非溶接領域圧着部(食い込み部)
223,233 第2の溶接領域圧着部(第2の圧着部)
254 第1の溶接領域(第1の領域)
255 非溶接領域(第2の領域)
256 第2の溶接領域(第3の領域)
1010,1210 圧着前端子
1011,1211 導体載置部
1020,1220 導体加締め片
1021,1221 第1の部分
1022,1222 第2の部分
1223 第3の部分

Claims (7)

  1. 複数の素線からなる導体が露出された導体露出部を含む電線と、
    前記導体露出部を載置する導体載置部と、該導体載置部から延出して前記導体露出部に対して加締められる1対の導体加締め片とを含む端子と
    を備え、
    前記導体露出部は、
    前記複数の素線が一体化した第1の領域と、
    前記複数の素線が独立して存在する第2の領域と
    を含み、
    前記1対の導体加締め片のそれぞれは、
    前記第1の領域の外周面に圧着される第1の圧着部と、
    前記第2の領域に圧着されるとともに一部が前記第2の領域に食い込む食い込み部と
    を含むことを特徴とする端子付電線。
  2. 前記第2の領域の最大厚さが、前記第1の領域の最大厚さよりも厚くなっていることを特徴とする請求項1に記載の端子付電線。
  3. 前記1対の導体加締め片のそれぞれは、前記第1の圧着部の延出長さが前記食い込み部の延出長さよりも短くなるように形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の端子付電線。
  4. 前記第1の圧着部と前記食い込み部とが離間していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の端子付電線。
  5. 前記導体露出部は、前記第2の領域を挟んで前記第1の領域の反対側で前記複数の素線が一体化した第3の領域をさらに含み、
    前記1対の導体加締め片のそれぞれは、前記第3の領域の外周面に圧着される第2の圧着部をさらに含み、
    前記第1の領域の外周面全周が前記導体載置部及び1対の前記第1の圧着部に密着されるとともに、前記第3の領域の外周面全周が前記導体載置部及び1対の前記第2の圧着部に密着される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の端子付電線。
  6. 前記第2の領域の最大厚さが、前記第3の領域の最大厚さよりも厚くなっていることを特徴とする請求項5に記載の端子付電線。
  7. 前記1対の導体加締め片のそれぞれは、前記第2の圧着部のそれぞれの延出長さが前記食い込み部の延出長さよりも短くなるように形成されることを特徴とする請求項5又は6に記載の端子付電線。
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