JP2019105416A - ベーパーチャンバー - Google Patents

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Abstract

【課題】熱輸送能力を高めることができるベーパーチャンバーを提供する。【解決手段】第一シート10、及び第一シートに重ねて接合された第二シート20を有し、第一シートと第二シートとの間には密閉された空間2が形成されており、該空間に作動流体が封入されたベーパーチャンバー1であって、密閉空間には、第一シートと第二シートとの重ね合わせにより、作動流体が凝縮した液が流れる凝縮液流路3と、作動流体が気化した蒸気が流れる複数の蒸気流路4と、複数の蒸気流路を連通する流路である連通蒸気流路5と、が形成されており、連通蒸気流路には、流路内に突起28が設けられている。【選択図】図16

Description

本発明は密閉空間に封入された作動流体を相変化を伴いつつ還流することより熱輸送を行うベーパーチャンバーに関する。
パソコン並びに携帯電話及びタブレット端末等の携帯型端末に備えられているCPU(中央演算処理装置)からの発熱量は、情報処理能力の向上により増加する傾向にあり冷却技術が重要である。このような冷却のための手段としてヒートパイプがよく知られている。これはパイプ内に封入された作動流体により、熱源における熱を他の部位に輸送することで拡散させ、熱源を冷却するものである。
一方、近年においては特に携帯型端末等で薄型化が顕著であり、従来のヒートパイプよりも薄型の冷却手段が必要となってきた。これに対して例えば特許文献1に記載のようなベーパーチャンバーが提案されている。
ベーパーチャンバーはヒートパイプによる熱輸送の考え方を平板状の部材に展開した機器である。すなわち、ベーパーチャンバーには、対向する平板の間に作動流体が封入されており、この作動流体が相変化を伴いつつ還流することで熱輸送を行い、熱源における熱を輸送及び拡散して熱源を冷却する。
より具体的には、ベーパーチャンバーの対向する平板間には蒸気用流路と凝縮液用流路とが設けられ、ここに作動流体が封入されている。ベーパーチャンバーを熱源に配置すると、熱源の近くにおいて作動流体は熱源からの熱を受けて蒸発し、気体(蒸気)となって蒸気用流路を移動する。これにより熱源からの熱が熱源から離れた位置に円滑に輸送され、その結果熱源が冷却される。
熱源からの熱を輸送した気体状態の作動流体は熱源から離れた位置にまで移動し、周囲に熱を吸収されることで冷却されて凝縮し、液体状態に相変化する。相変化した液体状態の作動流体は凝縮液用流路を通り、熱源の位置にまで戻ってまた熱源からの熱を受けて蒸発して気体状態に変化する。
以上のような作動流体の還流により熱源から発生した熱が熱源から離れた位置に輸送され熱源が冷却される。
特許文献1には、このような蒸気用流路(蒸気通路)と凝縮液用流路(ウィック)とが所定のパターンを有して形成されるベーパーチャンバー(シート型ヒートパイプ)が開示されている。これにより高い熱輸送能力及び薄型化が可能であるとしている。
特開2016−50682号公報
近年における冷却能力(熱輸送能力)向上の要望はますます高まっており、熱輸送能力を高めることが必要である。
そこで本発明は、熱輸送能力を高めることができるベーパーチャンバーを提供することを課題とする。
発明者は鋭意検討の結果、次のような知見を得た。すなわち、複数の蒸気流路、及びこれら複数の蒸気流路を連通するための連通蒸気流路を設けると、特に蒸気流路と連通蒸気流路との交差部分で蒸気流路の断面積が大きくなり、内表面積が小さくなる。するとこの部位において蒸気が流路内表面に接触する機会が減るため凝縮し難くなり、作動流体の相変化及び円滑な還流ができず、熱輸送能力を高めることができない。
このような知見を得て発明者は蒸気流路と連通蒸気流路との交差部分があっても、作動流体の相変化及び還流を円滑に行ない、熱輸送能力を高めることができる構造を具体化して本発明を完成させた。以下、本発明について説明する。ここではわかり易さのため図面の符号を合わせて記載するが、本発明はこの形態に限定されるものではない。
本発明の1つの態様は、第一シート(10、10’)、及び第一シートに重ねて接合された第二シート(20、20’)を有し、第一シートと第二シートとの間には密閉された空間(2)が形成されており、該空間に作動流体が封入されたベーパーチャンバー(1、1’、1”)であって、密閉空間には、第一シートと第二シートとの重ね合わせにより、作動流体が凝縮した液が流れる凝縮液流路(3)と、作動流体が気化した蒸気が流れる複数の蒸気流路(4)と、複数の蒸気流路を連通する流路である連通蒸気流路(5)と、が形成されており、連通蒸気流路には、流路内に突起(18’、28)が設けられている、ベーパーチャンバーである。
上記ベーパーチャンバーにおいて、凝縮液流路は、第一シートの凸条と第二シートの凸条とが重なることにより形成されており、連通蒸気流路の突起は、第一シートの凸条又は第二シートの凸条が連通蒸気流路内に延びていることにより形成されている形態であってもよい。
上記ベーパーチャンバーにおいて、蒸気流路は第一シートの溝と第二シートの溝とが重なることにより形成されており、連通蒸気流路の突起は溝の端部に隣接して配置される形態であってもよい。
上記ベーパーチャンバーにおいて、連通蒸気流路は第一シートの連通蒸気流路用溝と第二シートの連通蒸気流路用溝とが重なることにより形成されており、連通蒸気流路の突起は、第一シートの連通蒸気流路用溝又は第二シートの連通蒸気流路用溝の一方に設けられている形態であってもよい。
上記ベーパーチャンバーにおいて、連通蒸気流路は第一シートの連通蒸気流路用溝と第二シートの連通蒸気流路用溝とが重なることにより形成されており、連通蒸気流路の突起は、第一シートの連通蒸気流路用溝及び第二シートの連通蒸気流路用溝の両方に設けられている形態であってもよい。
上記ベーパーチャンバーにおいて、凝縮液流路、及び、蒸気流路は、第一シート又は第二シートの一方に設けられた溝と他方に具備された平坦面とが重なることにより形成され、連通蒸気流路は第一シートの連通蒸気流路用溝と第二シートの連通蒸気流路用溝とが重なることにより形成されている形態としてもよい。
本発明のベーパーチャンバーによれば、複数の蒸気流路、及びこれら複数の蒸気流路を連通するための連通蒸気流路を設けても、連通蒸気流路において内表面積を大きくすることができる。これにより、蒸気が流路内表面に接触する機会が増えるため、凝縮し易くなって、作動流体の相変化及び円滑な還流が可能となり、熱輸送能力を高めることができる。
図1(a)はベーパーチャンバー1の斜視図、図1(b)はベーパーチャンバー1の分解斜視図である。 図2(a)は第一シート10の斜視図、図2(b)は第一シート10の平面図である。 図3は第一シート10の切断面である。 図4(a)、図4(b)は第一シート10の他の切断面である。 図5は外周液流路部14を平面視して一部を拡大して表した図である。 図6は他の例の外周液流路部14を平面視して一部を拡大して表した図である。 液流路溝14aの断面形状が半円である例である。 図8(a)は内側液流路部15に注目した切断面、図8(b)は内側液流路部15を平面視して一部を拡大して表した図である。 図9は蒸気流路溝16の断面形状が半円である例である。 図10(a)は第二シート20の斜視図、図10(b)は第二シート20の平面図である。 図11は第二シート20の切断面である。 図12(a)は第二シート20のうち蒸気流路連通溝27の部位における切断面、図12(b)は他の切断面である。 図13はベーパーチャンバー1の切断面である。 図14は、図13の一部を拡大した図である。 図15(a)、図15(b)は、図14の一部をさらに拡大した図である。 図16(a)はベーパーチャンバー1のうち連通蒸気流路5の部位における切断面、図16(b)は他の切断面である。 図17は作動流体の流れを説明する図である。 図18(a)はベーパーチャンバー1’の第二シート20’の平面図、図18(b)はベーパーチャンバー1’の第一シート10’の平面図である。 図19(a)はベーパーチャンバー1’のうち連通蒸気流路5の部位における切断面、図19(b)はベーパーチャンバー1’の他の切断面である。 図20(a)はベーパーチャンバー1”の第二シート20の平面図、図20(b)はベーパーチャンバー1”の第一シート10’の平面図である。 図21はベーパーチャンバー1”のうち連通蒸気流路5における切断面である。 図22(a)、図22(b)はベーパーチャンバー1”のうち連通蒸気流路5における他の切断面である。 図23(a)はベーパーチャンバー1’’’の第二シート20’’’の平面図、図23(b)はベーパーチャンバー1’’’の第一シート10’の平面図である。 図24はベーパーチャンバー1’’’の蒸気流路4が表れる1つの切断面である。 図25(a)はベーパーチャンバー1’’’のうち連通蒸気流路5の部位における切断面、図25(b)はベーパーチャンバー1’’’の連通蒸気流路5の部位における他の切断面である。
以下、本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら形態に限定されるものではない。なお、以下に示す図面では分かりやすさのため部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさのため説明上不要な部分の図示や繰り返しとなる符号は省略することがある。
図1(a)には第1の形態にかかるベーパーチャンバー1の外観斜視図、図1(b)にはベーパーチャンバー1の分解斜視図を表した。これら図及び以下に示す各図には必要に応じて便宜のため、方向を表す矢印(x、y、z)も表した。ここでxy面内方向は平板状であるベーパーチャンバー1の板面方向であり、z方向は厚さ方向である。
ベーパーチャンバー1は、図1(a)、図1(b)からわかるように第一シート10及び第二シート20を有している。そして、後で説明するように、この第一シート10と第二シート20とが重ねられて接合(拡散接合、ろう付け等)されていることにより第一シート10と第二シート20との間に密閉空間2が形成され(例えば図13参照)、この密閉空間2に作動流体が封入されている。
本形態で第一シート10は全体としてシート状の部材である。図2(a)には第一シート10を内面10a側から見た斜視図、図2(b)には第一シート10を内面10a側から見た平面図をそれぞれ表した。また、図3には図2(b)に示したIII−IIIで切断したときの第一シート10の切断面を示した。
第一シート10は、内面10a、該内面10aとは反対側となる外面10b及び内面10aと外面10bとを連結して厚さを形成する側面10cを備え、内面10a側に作動流体が還流する流路のためのパターンが形成されている。後述するようにこの第一シート10の内面10aと第二シート20の内面20aとが対向するようにして重ね合わされることで密閉空間2が形成される。
このような第一シート10は本体11及び注入部12を備えている。本体11は作動流体が還流する部位を形成するシート状であり、本形態では平面視で角が円弧状(いわゆるR)にされた長方形である。
注入部12は第一シート10と第二シート20により形成された密閉空間2(例えば図13参照)に対して作動流体を注入する部位であり、本形態では本体11の平面視長方形である一辺から突出する平面視四角形のシート状である。本形態では第一シート10の注入部12は内面10a側も外面10b側も平坦面とされている。
このような第一シート10の厚さは特に限定されることはないが、0.1mm以上1.0mm以下が好ましい。これにより薄型のベーパーチャンバーとして適用できる場面を多くすることができる。
また、第一シート10を構成する材料も特に限定されることはないが、熱伝導率が高い金属であることが好ましい。これには例えば銅、銅合金を挙げることができる。
本体11の内面10a側には、作動流体が還流するための構造が形成されている。具体的には、本体11の内面10a側には、外周接合部13、外周液流路部14、内側液流路部15、蒸気流路溝16、及び、蒸気流路連通溝17が具備されている。
外周接合部13は、本体11の内面10a側に、該本体11の外周に沿って形成された平坦面である。この外周接合部13が第二シート20の外周接合部23に重なって接合(拡散接合、ろう付け等)されることにより、第一シート10と第二シート20との間に密閉空間2が形成され、ここに作動流体が封入される。
図2(b)、図3にAで示した外周接合部13の幅は必要に応じて適宜設定することができるが、0.8mm以上3mm以下であることが好ましい。この幅が0.8mmより小さくなると第一シートと第二シートとの接合時における位置ずれが生じた際に接合面積が不足する虞がある。また、この幅が3mmより大きくなると、密閉空間の内容積が小さくなり蒸気流路や凝縮液流路が十分確保できなくなる虞がある。
また外周接合部13のうち、本体11の四隅には厚さ方向(z方向)に貫通する穴13aが設けられている。この穴13aは第二シート20との重ね合せの際の位置決め手段として機能する。
外周液流路部14は、液流路部として機能し、作動流体が凝縮して液化した際に通る凝縮液流路3(図15等参照)の一部を構成する部位である。図4(a)には図3のうち矢印IVaで示した部分、図4(b)には図2(b)に示したIVb−IVbで切断される部位の切断面を示した。いずれの図にも外周液流路部14の断面形状が表れている。また、図5には図4(a)に矢印Vで示した方向から見た外周液流路部14を平面視した拡大図を表した。
これら図からわかるように、外周液流路部14は本体11の内面10aのうち、外周接合部13の内側で密閉空間2の外周部に沿って形成されている。また、外周液流路部14には、本体11の外周方向に平行に延びる複数の溝である液流路溝14aが形成され、複数の液流路溝14aが、該液流路溝14aが延びる方向とは異なる方向に所定の間隔で配置されている。従って、図4(a)、図4(b)からわかるように外周液流路部14ではその断面において凹部である液流路溝14aが凹条を形成し、液流路溝14aの間である凸部14bが凸条を形成して、これらにより凹凸を繰り返された形状である。
ここで液流路溝14は溝であることから、その断面形状において、底部、及び底部とは向かい合わせとなる反対側の部位に開口を備えている。
また、このように複数の液流路溝14aを備えることで、1つ当たりの液流路溝14aの深さ及び幅を小さくし、凝縮液流路3(図15等参照)の流路断面積を小さくして大きな毛管力を利用することができる。一方、液流路溝14aを複数とすることにより合計した全体としての凝縮液流路3の流路断面積は適する大きさが確保され、必要な流量の凝縮液を流すことができる。
さらに、外周液流路部14では、図5からわかるように隣り合う液流路溝14aは、所定の間隔で液連通開口部14cにより連通している。これにより複数の液流路溝14a間で凝縮液量の均等化が促進され、効率よく凝縮液を流すことができ、円滑な作動流体の還流が可能となる。
本形態では図5に示したように1つの液流路溝14aの該溝を挟んで幅方向(液流路溝14aが延びる方向に直交する方向)の同じ位置に対向するように液連通開口部14cが配置されている。ただしこれに限定されることはなく、例えば図6に示したように、1つの液流路溝14aの該溝を挟んで幅方向(液流路溝14aが延びる方向に直交する方向)で異なる位置に液連通開口部14cが配置されてもよい。すなわち、この例ではいわゆる千鳥配列状に液連通開口部14cが配置されている。
以上のような構成を備える外周液流路部14は、さらに次のような構成を備えていることが好ましい。
図2(b)、図3、図4(a)、図4(b)にBで示した外周液流路部14の幅は、ベーパーチャンバー全体の大きさ等から適宜設定することができるが、0.3mm以上2mm以下であることが好ましい。この幅が0.3mmより小さいと外側を還流する液の量が十分得られない虞がある。またこの幅が2mmを超えると内側の液流路や蒸気流路のための空間が十分にとれなくなる虞がある。
そして当該幅Bは第二シートの外周液流路部24の幅S(図11参照)よりも大きいことが好ましい。これにより、後述するように、外周液流路部14のうち少なくとも一部において、液流路溝14aの開口が蒸気流路4に突出して配置され、ここから凝縮液が入りやすくなるため、より円滑に凝縮液を還流させることができる。
液流路溝14aについて、図4(a)、図5にCで示した溝幅は20μm以上200μm以下であることが好ましい。また、図4(a)、図4(b)にDで示した溝の深さは5μm以上200μm以下であることが好ましい。これにより還流に必要な液流路の毛管力を十分に発揮することができる。
流路の毛管力をより強く発揮する観点から、C/Dで表される流路断面におけるアスペクト比(縦横比)は、1.0よりも大きい、又は1.0よりも小さいことが好ましい。その中でも製造の観点からC>Dであることが好ましく、アスペクト比は1.3より大きいことが好ましい。
本形態では、液流路溝14aの断面形状は長方形であるがこれに限定されることなく、正方形、台形等の四角形、三角形、半円形、半楕円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。図7には液流路溝14aが半楕円形である例を示した。この形状によりエッチングを用いて液流路溝を作製することが可能である。
このなかでも、入隅による角部があることにより表面張力が働きやすく、毛管力によって液の還流が円滑に行われる傾向にあることから、四角形であることが好ましい。
また、複数の液流路溝14aにおける隣り合う液流路溝14aのピッチは40μm以上600μm以下であることが好ましい。これにより、凝縮液流路の密度を上げつつ、接合時や組み立て時に変形して流路が潰れることを防止することができる。
液連通開口部14cについて、図5にEで示した液流路溝14aが延びる方向に沿った液連通開口部14cの大きさは20μm以上180μm以下であることが好ましい。
また、図5にFで示した液流路溝14aが延びる方向における隣り合う液連通開口部14cのピッチは300μm以上2700μm以下であることが好ましい。
図2、図3に戻って内側液流路部15について説明する。内側液流路部15も液流路部として機能し、作動流体が凝縮して液化した際に通る凝縮液流路3の一部を構成する部位である。図8(a)には図3のうちVIIIaで示した部分を示した。この図にも内側液流路部15の断面形状が表れている。また、図8(b)には図8(a)に矢印VIIIbで示した方向から見た内側液流路部15を平面視した拡大図を示した。
これら図からわかるように、内側液流路部15は本体11の内面10aのうち、外周液流路部14の環状である環の内側に形成されている。本形態の内側液流路部15は、図2(a)、図2(b)からわかるように、本体11の平面視長方形で長辺に平行な方向(x方向)に延び、複数(本形態では3つ)の内側液流路部15が同短辺に平行な方向(y方向)に所定の間隔で配列されている。
各内側液流路部15には、内側液流路部15が延びる方向に平行な溝である液流路溝15aが形成され、複数の液流路溝15aが、該液流路溝15aが延びる方向とは異なる方向に所定の間隔で配置されている。従って、図3、図8(a)からわかるように内側液流路部15ではその断面において凹部である液流路溝15aが凹条を形成し、液流路溝15aの間である凸部15bが凸条を形成して、これらが凹凸を繰り返して構成されている。
ここで液流路溝15は溝であることから、その断面形状において、底部、及び底部とは向かい合わせとなる反対側の部位に開口を備えている。
このように複数の液流路溝15aを備えることで、1つ当たりの液流路溝15aの深さ及び幅を小さくし、凝縮液流路3(図15等参照)の流路断面積を小さくして大きな毛管力を利用することができる。一方、液流路溝15aを複数とすることにより合計した全体としての凝縮液流路3の流路断面積は適する大きさが確保され、必要な流量の凝縮液を流すことができる。
さらに、図8(b)からわかるように隣り合う液流路溝15aは、所定の間隔で液連通開口部15cにより連通している。これにより複数の液流路溝15a間で凝縮液量の均等化が促進され、効率よく凝縮液を流すことができるため、円滑な作動流体の還流が可能となる。
この連通開口部15cについても、連通開口部14cと同様に、図6に示した例に倣って、いわゆる千鳥配列状に連通開口部が配置されてもよい。
以上のような構成を備える内側液流路部15は、さらに次のような構成を備えていることが好ましい。
図2(b)、図3、図8にGで示した内側液流路部15の幅は、100μm以上200μm以下であることが好ましい。そして当該幅Gは第二シート20の内側液流路部25の幅T(図11(a)参照)よりも大きいことが好ましい。これにより、後述するように、内側液流路部15のうち少なくとも一部において、液流路溝15aの開口を蒸気流路4に突出して配置させることができ、ここから凝縮液が入りやすいため、より円滑な凝縮液の還流をさせることができる。
また、複数の内側液流路部15のピッチは200μm以上4000μm以下であることが好ましい。これにより蒸気流路の流路抵抗を十分に下げ、蒸気の移動と、凝縮液の還流をバランスよく行うことができる。
液流路溝15aについて、図8(a)、図8(b)にHで示した溝幅は20μm以上200μm以下であることが好ましい。また、図8(a)にJで示した溝の深さは5μm以上200μm以下であることが好ましい。これにより還流に必要な凝縮液流路の毛管力を十分に発揮することができる。
流路の毛管力をより強く発揮する観点から、H/Jで表される流路断面におけるアスペクト比(縦横比)は、1.0よりも大きい、又は1.0よりも小さいことが好ましい。その中でも製造の観点からH>Jであることが好ましく、アスペクト比は1.3より大きいことが好ましい。
本形態で液流路溝15aの断面形状は長方形であるが、これに限らず、正方形、台形等の四角形、三角形、半円形、半楕円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。図7の例に倣って半楕円形とすることもできる。この形状によりエッチングを用いて液流路溝を作製することが可能である。
この中でも入隅による角部があることにより表面張力が働きやすく、毛管力で液の還流が円滑に行われる傾向にあることから、四角形であることが好ましい。
また、複数の液流路溝15aにおける隣り合う液流路溝15aのピッチは40μm以上600μm以下であることが好ましい。液流路の密度を上げつつ、接合時や組み立て時に変形して流路が潰れることを防止することができる。
液連通開口部15cについて、図8(b)にKで示した液流路溝15aが延びる方向に沿った液連通開口部15cの大きさは20μm以上180μm以下であることが好ましい。
また、図8(b)にLで示した、液流路溝15aが延びる方向における隣り合う液連通開口部15cのピッチは300μm以上2700μm以下であることが好ましい。
次に蒸気流路溝16について説明する。蒸気流路溝16は作動流体が蒸発して気化した蒸気が通る部位で、蒸気流路4(図13等参照)の一部を構成する。図2(b)には平面視した蒸気流路溝16の形状、図3には蒸気流路溝16の断面形状がそれぞれ表れている。
これら図からもわかるように、蒸気流路溝16は本体11の内面10aのうち、外周液流路部14の環状である環の内側に形成された溝により構成されている。詳しくは本形態の蒸気流路溝16は、隣り合う内側液流路部15の間、及び、外周液流路部14と内側液流路部15との間に形成され、本体11の平面視長方形で長辺に平行な方向(x方向)に延びた溝である。そして、複数(本形態では4つ)の蒸気流路溝16が同短辺に平行な方向(y方向)に配列されている。従って、図3からわかるように第一シート10は、y方向において、外周液流路部14及び内側液流路部15が凸となって凸条をなし、蒸気流路溝16が凹となって凹条をなして、これら凹凸が繰り返された形状を備えている。
ここで蒸気流路溝16は溝であることから、その断面形状において、底部、及び底部とは向かい合わせとなる反対側の部位に開口を備えている。
このような構成を備える蒸気流路溝16は、さらに次のような構成を備えていることが好ましい。
図2(b)、図3にMで示した蒸気流路溝16の幅は、少なくとも上記した液流路溝14a、15aの幅C、幅Hより大きく形成され、100μm以上2000μm以下であることが好ましい。また、蒸気流路溝16のピッチは、内側液流路部15のピッチにより決まるのが通常である。
一方、図3にNで示した蒸気流路溝16の深さは、少なくとも上記した液流路溝14a、15aの深さD、深さJより大きく形成され、10μm以上300μm以下であることが好ましい。
このように、蒸気流路溝の流路断面積を液流路溝よりも大きくすることにより、作動流体の性質上、凝縮液よりも体積が大きくなる蒸気を円滑に還流することができる。
本形態では蒸気流路溝16の断面形状は長方形であるが、これに限らず正方形、台形等の四角形、三角形、半円形、半楕円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。図9に蒸気流路溝16が半円形である例を表した。この形状によりエッチングを用いて蒸気流路溝を作製することが可能である。
蒸気流路は蒸気の流動抵抗を小さくすることにより円滑に還流させることができるので、かかる観点から流路断面の形状を決定することもできる。
本形態では隣り合う内側液流路部15の間に1つの蒸気流路溝16が形成された例を説明したが、これに限らず、隣り合う内側液流路部の間に2つ以上の蒸気流路溝が並べて配置される形態であってもよい。
蒸気流路連通溝17は、連通蒸気流路用溝として機能し、複数の蒸気流路4を連通させる蒸気流路である連通蒸気流路5(図16等参照)の一部を形成する溝である。これにより、複数の蒸気流路溝16の蒸気の均等化が図られたり、蒸気がより広い範囲に運ばれ、多くの液流路溝14a、15aを効率よく利用できるようになったりするため、作動流体の還流をより円滑にすることが可能となる。
本形態の蒸気流路連通溝17は、図2(a)、図2(b)からわかるように、内側液流路部15、及び蒸気流路溝16が延びる方向の両端部と、外周液流路部14との間に形成されている。また、図4(b)には蒸気流路連通溝17の連通方向に直交する断面が表れている。
図2(a)、図2(b)には見易さのために蒸気流路連通溝17と蒸気流路溝16との境界を点線で示したが、これは必ずしも実際には存在しない線である。
蒸気流路連通溝17は、その形状は特に限定されることはないが、例えば次のような構成を備えることができる。
図2(b)、図4(b)にPで示した蒸気流路連通溝17の幅は、100μm以上1000μm以下であることが好ましい。
また、図4(b)にQで示した蒸気流路連通溝17の深さは、10μm以上300μm以下であることが好ましく、その中でも蒸気流路溝16の深さNと同じであることが好ましい。これにより製造が容易になる。
本形態で蒸気流路連通溝17の断面形状は長方形であるが、これに限らず正方形、台形等の四角形、三角形、半円形、半楕円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。図9の例に倣って半円形とすることができる。この形状によりエッチングを用いて蒸気流路連通溝を作製することが可能である。
蒸気流路連通溝は蒸気の流動抵抗を小さくすることにより円滑な還流させることができるので、かかる観点から流路断面の形状を決定することもできる。
次に第二シート20について説明する。本形態で第二シート20も全体としてシート状の部材である。図10(a)には第二シート20を内面20a側から見た斜視図、図10(b)には第二シート20を内面20a側から見た平面図をそれぞれ表した。また、図11には図10(b)に示したXI−XIで切断したときの第二シート20の切断面を示した。また、図12(a)には図10(b)に示したXIIa−XIIaで切断したときの第二シート20の切断面、図12(b)には図10(b)にXIIb−XIIbで切断したときの第二シート20の切断面を示した。
第二シート20は、内面20a、該内面20aとは反対側となる外面20b及び内面20aと外面20bとを連結して厚さを形成する側面20cを備え、内面20a側に作動流体が還流するパターンが形成されている。後述するようにこの第二シート20の内面20aと上記した第一シート10の内面10aとが対向するようにして重ね合わされることで密閉空間2が形成される。
このような第二シート20は本体21及び注入部22を備えている。本体21は作動流体が還流する部位を形成するシート状の部位であり、本形態では平面視で角が円弧状(いわゆるR)とされた長方形である。
注入部22は第一シート10と第二シート20とにより形成された密閉空間2(図13等参照)に対して作動流体を注入する部位であり、本形態では本体21の平面視長方形である一辺から突出する平面視四角形のシート状である。本形態では第二シート20の注入部22には内面20a側に注入溝22aが形成されており、第二シート20の側面20cから本体21の内側(密閉空間2となるべき部位)とが連通している。
このような第二シート20の厚さ及び構成する材料は第一シート10と同様に考えることができる。
本体21の内面20a側には、作動流体が還流するための構造が形成されている。具体的には、本体21の内面10a側には、外周接合部23、外周液流路部24、内側液流路部25、蒸気流路溝26、及び、蒸気流路連通溝27が具備されている。
外周接合部23は、本体21の内面20a側に、該本体21の外周に沿って形成された平坦面である。この外周接合部23が第一シート10の外周接合部13に重なって接合(拡散接合やろう付け)されることにより、第一シート10と第二シート20との間に密閉空間2を形成し、ここに作動流体が封入される。
図10(b)、図11にRで示した外周接合部23の幅は上記した本体11の外周接合部13の幅Aと同じであることが好ましい。
また外周接合部23のうち、本体21の四隅には厚さ方向(z方向)に貫通する穴23aが設けられている。この穴23aは第一シート10との重ね合せの際の位置決め手段として機能する。
外周液流路部24は、液流路部であり、作動流体が凝縮して液化した際に通る凝縮液流路3の一部を構成する部位である。
外周液流路部24は本体21の内面20aのうち、外周接合部23の内側に沿って形成されている。本形態において第二シート20の外周液流路部24は、図11、図12(a)、図12(b)からわかるように平坦面であり外周接合部23と面一である。これにより上記した第一シート10の複数の液流路溝14aのうち少なくとも一部の液流路溝14aの開口を閉鎖して凝縮液流路3を形成する。第一シート10と第二シート20との組み合わせに関する詳しい態様は後で説明する。
なお、このように第二シート20では外周接合部23と外周液流路部24とが面一な平坦面であるため、構造的には両者を区別する境界線は存在しない。しかし、わかり易さのため、図10(a)、図10(b)では点線により両者の境界を表している。
外周液流路部24は、次のような構成を備えていることが好ましい。
図10(b)、図11にSで示した外周液流路部24の幅は、第一シート10の外周液流路部14の幅Bよりも小さいことが好ましい。これにより、後述するように、外周液流路部14のうち少なくとも一部において、液流路溝14aの開口が外周液流路部24により閉鎖されずに開口し、ここから凝縮液が入りやすいため、より円滑な凝縮液の還流をさせることができる。
かかる観点から、幅Sの大きさは、図4(a)に示した、第一シート10の外周液流路部14の幅Bとの関係で、B/2≦S≦Bであることが好ましい。ここでBは、外周液流路部14に配置された液流路溝14aのうち、最も蒸気流路溝16側の液流路溝14aの幅の半分である位置と、外周液流路部14の外周接合部13側端部と、の距離を意味する。幅SがB/2より小さいと開口の閉鎖をすることができる液流路溝14aが少なくなるため、凝縮液流路3における毛管力が不足する虞がある。また、幅SがBより大きくなると蒸気流路4に露出される液流路溝14aの開口が少なくなり、凝縮液の液流路溝14aへの流入が不足する虞がある。
次に内側液流路部25について説明する。内側液流路部25も液流路部であり、凝縮液流路3を構成する1つの部位である。
内側液流路部25は、図10(a)、図10(b)、図11からわかるように、本体21の内面20aのうち、外周液流路部24の環状である環の内側に形成されている。本形態の内側液流路部25は、本体21の平面視長方形で長辺に平行な方向(x方向)に延び、複数(本形態では3つ)の内側液流路部25が同短辺に平行な方向(y方向)に所定の間隔で配列されている。
本形態で各内側液流路部25は、その内面20a側の表面が平坦面により形成されている。これにより上記した第一シート10の複数の液流路溝15aのうち少なくとも一部の液流路溝15aの開口を閉鎖して凝縮液流路3を形成する。
図10(b)、図11にTで示した内側液流路部25の幅は、第一シート10の内側液流路部15の幅Gよりも小さいことが好ましい。これにより、後述するように、内側液流路部15のうち少なくとも一部において、液流路溝15aの開口が内側液流路部25により閉鎖されず、ここから凝縮液が入りやすいため、より円滑に凝縮液の還流をさせることができる。
かかる観点から、幅Tの大きさは、図8(a)に示した、第一シート10の内側液流路部15の幅Gとの関係で、G≦T≦Gであることが好ましい。
ここでGは、図8(a)に示したように、複数の液流路溝15aのうち、蒸気流路溝16側から1つめの液流路溝15aの幅の半分となる位置間の距離である。
またGは、図8(a)に示したように、複数の液流路溝15aのうち、蒸気流路溝16側から2つめの液流路溝15aの蒸気流路溝16側端部間の距離である。
幅TがGより小さいと開口の閉鎖をすることができる液流路溝15aが少なくなるため、凝縮液流路3における毛管力が不足する虞がある。また、幅TがGより大きくなると蒸気流路4に露出される液流路溝15aの開口が少なくなり、凝縮液の液流路溝15aへの流入が不足する虞がある。
次に蒸気流路溝26について説明する。蒸気流路溝26は作動流体が蒸発して気化した蒸気が通る部位であり、蒸気流路4の一部を構成する。図10(b)には平面視した蒸気流路溝26の形状、図11には蒸気流路溝26の断面形状がそれぞれ表れている。
これら図からもわかるように、蒸気流路溝26は本体21の内面20aのうち、外周液流路部24の環状である環の内側に形成された溝により構成されている。詳しくは本形態の蒸気流路溝26は、隣り合う内側液流路部25の間、及び、外周液流路部24と内側液流路部25との間に形成され、本体21の平面視長方形で長辺に平行な方向(x方向)に延びた溝である。そして、複数(本形態では4つ)の蒸気流路溝26が同短辺に平行な方向(y方向)に配列されている。従って、図11からわかるように第二シート20は、y方向において、外周液流路部24及び内側液流路部25を凸とする凸条が形成され、蒸気流路溝26を凹とする凹条が形成されて、これらの凹凸が繰り返された形状を備えている。
ここで蒸気流路溝26は溝であることから、その断面形状において、底部、及び底部とは向かい合わせとなる反対側の部位に開口を備えている。
蒸気流路溝26は、第一シート10と組み合わされた際に該第一シート10の蒸気流路溝16と厚さ方向に重なる位置に配置されていることが好ましい。これにより蒸気流路溝16と蒸気流路溝26とで蒸気流路4を形成することができる。
図10(b)、図11にUで示した蒸気流路溝26の幅は、第一シート10の蒸気流路溝16の幅Mよりも大きいことが好ましい。これにより、後述するように、第一シート10の内側液流路部15のうち少なくとも一部において、液流路溝15aの開口が蒸気流路4に露出されるため凝縮液が入りやすくなり、より円滑に凝縮液の還流をさせることができる。
一方、図11にVで示した蒸気流路溝26の深さは、10μm以上300μm以下であることが好ましい。
本形態で蒸気流路溝26の断面形状は長方形であるが、これに限らず正方形、台形等の四角形、三角形、半円形、半楕円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。図9の例に倣って半円形にすることができる。この形状によりエッチングを用いて蒸気流路溝を作製することが可能である。
蒸気流路は蒸気の流動抵抗を小さくすることにより作動流体を円滑に還流させることができるので、かかる観点から流路断面の形状を決定することもできる。
本形態では隣り合う内側液流路部25の間に1つの蒸気流路溝26が形成された例を説明したが、これに限らず、隣り合う内側液流路部の間に2つ以上の蒸気流路溝が並べて配置される形態であってもよい。
蒸気流路連通溝27は、連通蒸気流路用溝として機能し、複数の蒸気流路4を連通させる蒸気流路である連通蒸気流路5(図16等参照)を形成するための溝である。これにより、複数の蒸気流路4の蒸気の均等化が図られたり、蒸気がより広い範囲に運ばれ、多くの凝縮液流路3を効率よく利用できるようになったりするため、作動流体の還流をより円滑にすることが可能となる。
本形態の蒸気流路連通溝27は、図10(b)からわかるように、内側液流路部25、及び蒸気流路溝26が延びる方向の両端部と、外周液流路部24との間に形成されている。図12(a)には図10(b)に示したXIIa−XIIaで切断した切断面、図12(b)には図10(b)に示したXIIb−XIIbで切断した切断面をそれぞれ表した。
これら図からわかるように、蒸気流路連通溝27には該溝が延びる方向(y方向)に、所定の間隔で溝の底面から突出する複数の突起28が設けられている。これにより連通蒸気流路において、内表面積を増やすことができ、突起28で蒸気が流路内表面に接触する機会ができるため凝縮し易くなり、作動流体の相変化及び円滑な還流を促進し、熱輸送能力を高めることができる。
本形態の突起28は、図10(b)、図12(b)からもわかるように、第二シート20の内側液流路部25が蒸気流路連通溝27内にまで延在し、外周液流路部24に連結した形態とすることで突起28が形成されている。これによれば、上記した効果の他、第二シート20の強度を高めることができ、ベーパーチャンバー1の変形を抑制することもできる。
ただし、図10(b)に表れているように、突起28のうち注入部22の注入溝22aに隣接する(溝22aの延長上に存する)突起28については該注入溝22aに達しないように間隔が設けられている。注入溝22aの端部を塞ぐことを防止して作動流体の注入を阻害しないように構成されている。
図10(b)にWで示した蒸気流路連通溝27の幅は特に限定されることはないが、第一シート10の蒸気流路連通溝17の幅Pと同じとすることができる。
一方、図12(a)にXで示した蒸気流路連通溝27の深さは、10μm以上300μm以下であることが好ましい。
本形態で蒸気流路連通溝27の断面形状は長方形であるが、これに限らず、正方形、台形等の四角形、三角形、半円形、半楕円形、底部が半円形、底部が半楕円形等であってもよい。図9の例に倣って半円形とすることができる。この形状によりエッチングを用いて蒸気流路連通溝を作製することが可能である。
蒸気流路は蒸気の流動抵抗を小さくすることにより円滑な還流させることができるので、かかる観点から流路断面の形状を決定することもできる。
本形態で突起28は、内側液流路部25が延在して外周液流路部24に達する形態であるため、その大きさはこれら他の部位の形態により決まる。
次に、第一シート10と第二シート20とが組み合わされてベーパーチャンバー1とされたときの構造について説明する。この説明により、第一シート10及び第二シート20が有する各構成要素の配置、大きさ、形状等がさらに理解される。
図13には、図1にXIII−XIIIで示したy方向に沿ってベーパーチャンバー1を厚さ方向に切断した切断面を表した。この図は第一シート10における図3に表した図と、第二シート20における図11に表した図とが組み合わされてこの部位におけるベーパーチャンバー1の切断面が表されたものである。
図14には図13にXIVで示した部位を拡大した図、図15(a)には図14のうち内側液流路部15と内側液流路部25とが重なった部分をさらに拡大した図、図15(b)には図14のうち外周液流路部14と外周液流路部24とが重なった部分をさらに拡大した図をそれぞれ表した。
図16には、図1にXVIa−XVIaで示したy方向に沿ってベーパーチャンバー1を厚さ方向に切断した切断面を表した。この図は第一シート10における蒸気流路連通溝17と第二シート20における蒸気流路連通溝27とが重ねられて連通蒸気流路5が形成された部位における切断面で、突起28が配列された方向における切断面である。
図16(b)には、図1(a)、図16(a)にXVIb−XVIbで示したx方向に沿ってベーパーチャンバー1の厚さ方向に切断した切断面を表した。この図は第一シート10における蒸気流路連通溝17と第二シート20における蒸気流路連通溝27とが重ねられて連通蒸気流路5が形成された部位における切断面で、連通蒸気流路5の突起28が配置される方向に直交する方向で、いわゆる流路横断面方向における切断面のうち突起28が配置された部位である。
図1(a)、図1(b)、及び図13〜図16よりわかるように、第一シート10と第二シート20とが重ねられるように配置され、接合されることでベーパーチャンバー1とされている。このとき第一シート10の内面10aと第二シート20の内面20aとが向かい合うように配置されており、第一シート10の本体11と第二シート20の本体21とが重なり、第一シート10の注入部12と第二シート20の注入部21とが重なっている。本形態では、第一シート10と第二シート20との相対的な位置関係は、第一シート10の穴13aと第二シート20の穴23aと位置を合わせることで適切になるように構成されている。
このような第一シート10と第二シート20との積層体により、本体11及び本体21に具備される各構成が図13〜図16に表れるように配置される。具体的には次の通りである。
第一シート10の外周接合部13と第二シート20の外周接合部23とが重なるように配置されており、拡散接合等の接合手段により両者が接合されている。これにより、第一シート10と第二シート20との間に密閉空間2が形成されている。
第一シート10の外周液流路部14と第二シート20の外周液流路部24とが重なるように配置されている。これにより外周液流路部14の液流路溝14a及び外周液流路部24により作動流体が凝縮して液化した状態である凝縮液が流れる凝縮液流路3が形成される。
ここで、図13〜図15よりわかるように、本形態では、第一シート10の外周液流路部14の幅Bの方が、第二シート20の外周液流路部24の幅Sよりも大きく形成されている。これにより、外周液流路部14に設けられた複数の液流路溝14aのうち蒸気流路4側となる液流路溝14aについては第二シート20の外周液流路部24が重ならないため、開口が塞がらない。従って、この部位では図14、図15(b)にαで示したように第二シート20に対向するような開口が形成され、蒸気流路4に連通している。
このように凝縮液流路3の少なくとも一部が蒸気流路に突出するように配置されることにより、凝縮液が凝縮液流路である液流路溝14a内に流入し易くなり作動流体の還流がより円滑になる。
一方、液流路溝14aのうちその開口が外周液流路部24により塞がれた溝については、断面においてその四方が壁となるため毛管力が強く働き、円滑な液の流動が行われる。
第一シート10の内側液流路部15と第二シート20の内側液流路部25とが重なるように配置されている。これにより内側液流路部15の液流路溝15a及び内側液流路部25により凝縮液が流れる凝縮液流路3が形成される。
ここで、図13〜図15よりわかるように、本形態では、第一シート10の内側液流路部15の幅Gの方が、第二シート20の内側液流路部25の幅Tよりも大きく形成されている。これにより、内側液流路部15に設けられた複数の液流路溝15aのうち蒸気流路4側となる液流路溝15aについては第二シート20の内側液流路部25が重ならないため、開口が塞がらない。従って、この部位では図14、図15(a)にβで示したように第二シート20に対向するような開口が形成され、蒸気流路4に連通している。
このように凝縮液流路の少なくとも一部が蒸気流路に突出するように配置されることにより、凝縮液が凝縮液流路3である液流路溝15a内に流入し易くなり作動流体の還流がより円滑になる。
一方、液流路溝15aのうちその開口が内側液流路部25により塞がれた溝については、断面においてその四方が壁となるため毛管力が強く働き、円滑な液の流動が行われる。
第一シート10の蒸気流路溝16の開口と第二シート20の蒸気流路溝26の開口とが向かい合うように重なって流路を形成し、これが蒸気が流れる蒸気流路4となる。
ここで、図13、図14よりわかるように、本形態では、第二シート20の蒸気流路溝26の幅Uの方が、第一シート10の蒸気流路溝16の幅Mよりも大きく形成されている。これにより、上記したように凝縮液流路の少なくとも一部が蒸気流路の突出するように配置され、凝縮液が凝縮液流路3である液流路溝15aの開口から該液流路溝15aに流入し、作動流体の還流がより円滑になる。
図16からわかるように、第一シート10の蒸気流路連通溝17の開口と第二シート20の蒸気流路連通溝27の開口とが向かい合うように重なり流路を形成し、これが連通蒸気流路5となる。
ここで、本形態では連通蒸気流路5に突起28が設けられている。これにより連通蒸気流路5において内表面積を大きくすることができる。そのため、連通蒸気流路5において蒸気が流路内表面に接触する機会が増え凝縮しやすくなり、作動流体の相変化及び円滑な還流が可能となるため、熱輸送能力を高めることができる。
一方、注入部12、注入部22についても図1に表れているように、その内面10a、及び内面20a同士が向かい合うように重なり、第二シート20の注入溝22aの底部とは反対側の開口が第一シート10の注入部12の内面10aより塞がれる。これにより、外部と本体11、21間の密閉空間2(凝縮液流路3及び蒸気流路4)とを連通する注入流路6が形成されている。
ただし、注入流路6から密閉空間2に対して作動流体を注入した後は、注入流路6は閉鎖されるので、最終的な形態のベーパーチャンバー1では外部と密閉空間2とは連通していない。
ベーパーチャンバー1の密閉空間2には、作動流体が封入されている。作動流体の種類は特に限定されることはないが、純水、エタノール、メタノール、アセトン等、通常のベーパーチャンバーに用いられる作動流体を用いることができる。
以上のようなベーパーチャンバーは例えば次のように作製することができる。
第一シート10及び第二シート20の外周形状を有する金属シートに対して、液流路溝14a、15a、蒸気流路溝16、26、及び蒸気流路連通溝17、27をハーフエッチングにより形成する。
次いで、第一シート10及び第二シート20の内面10aと内面20aとを向かい合わせるように重ね、位置決め手段としての穴13a及び穴23aを用いて位置決めし、仮止めを行う。仮止めの方法は特に限定されることはないが、抵抗溶接、超音波溶接、及び接着剤による接着等を挙げることができる。
そして仮止め後に拡散接合を行い恒久的に第一シート10と第二シート20とを接合する。なお、拡散接合の代わりにろう付けにより接合してもよい。
接合の後、形成された注入流路6から真空引きを行い、密閉空間2を減圧する。その後、減圧された密閉空間2に対して注入流路6から作動流体を注入して密閉空間2に作動流体が入れられる。そして注入部12、注入部22に対してレーザーによる溶融を利用したり、かしめたりして注入流路6を閉鎖する。これにより密閉空間2の内側に作動流体が安定的に保持される。
次にベーパーチャンバー1の作用について説明する。
ベーパーチャンバー1は携帯端末等の筐体内に設置され、CPU等の冷却すべき対象物に取り付けられる。この冷却対象物はベーパーチャンバー1の外面10b又は外面20bに直接、又は、熱伝導性の高い粘着剤、シート、テープ等を介して取り付けられる。外面10a、外面10bのうちどの位置に冷却対象物が取り付けられるかは特に限定されることはなく、携帯端末等において他の部材の配置との関係により適宜設定される。本形態では図1(a)に点線で示したように、冷却すべき熱源である冷却対象物30を第一シート10の外面10aのうち、本体11のxy方向中央に配置した。従って図1(a)において冷却対象物30は死角となって見えない位置なので点線で表している。
図17には作動流体の流れを説明する図を表した。説明のし易さのため、この図では第二シート20は省略し、第一シート10の内面10aが見えるように表示している。
冷却対象物30が発熱すると、その熱が第一シート10内を熱伝導により伝わり、密閉空間2内における冷却対象物30に近い位置に存在する凝縮液が熱を受ける。この熱を受けた凝縮液は熱を吸収し蒸発し気化する。これにより冷却対象物30が冷却される。
気化した作動流体は蒸気となって図17に実線の直線矢印で示したように蒸気流路4内を流れて移動する。この流れは冷却対象物30から離隔する方向に生じるため、蒸気は冷却対象物30から離れる方向に移動する。
蒸気流路4内の蒸気は熱源である冷却対象物30から離れ、比較的温度が低いベーパーチャンバー1の外周部である連通蒸気流路5に移動し、当該移動の際に順次第一シート10及び第二シート20に熱を奪われながら冷却される。蒸気から熱を奪った第一シート10及び第二シート20はその外面10b、20bに接触した携帯端末の筐体等に熱を伝え、最終的に熱が外気に放出される。
蒸気流路4及び連通蒸気流路5を移動しつつ熱を奪われた作動流体は凝縮して液化する。この凝縮液は蒸気流路4や連通蒸気流路5の壁面に付着する。
ここで、本形態では図16に表れているように連通蒸気流路5に突起28が設けられて内表面積が大きくされているので、連通蒸気流路5に達した蒸気は凝縮しやすい。従って凝縮、作動流体の還流が円滑に行われて熱輸送量を高めることができる。
さらに本形態では突起28が内側液流路部25を延在するように形成されているので、突起表面で生じた凝縮液がそのまま凝縮液流路3に流れ込むこともでき、これによっても円滑な還流が図られる。
このように蒸気が凝縮して液化する一方で蒸気流路4及び連通蒸気流路5には連続して蒸気が流れてくるので、凝縮液は図14に矢印Zで示したように蒸気で押し込まれるように、凝縮液流路3に移動する。本形態の凝縮液流路3は、図5、図8(b)に現れているように液連通開口部14c、15cを備えているので、凝縮液はこの液連通開口部14c、15cを通って複数の凝縮液流路3に分配される。
さらに本形態のベーパーチャンバー1では、凝縮液流路3の一部が蒸気流路4に突出するように設けられているので、凝縮液は図14に矢印Zで示したように厚さ方向からも蒸気で押し込まれるように、凝縮液流路3に移動する。従って、凝縮液が凝縮液流路3に入りやすく、円滑に作動流体の還流が可能である。
凝縮液流路3に入った凝縮液は、凝縮液流路による毛管現象、及び、蒸気からの押圧により、図17に点線の直線矢印で表したように熱源である冷却対象物30に近づくように移動する。
特に、蒸気流路4に突出していない一部の凝縮液流路3については、第二シート20により液流路溝14a、15aの開口が塞がれているので断面においてその四方が壁となり、毛管力を高めることができる。これにより、さらに円滑な凝縮液の移動が可能とされている。
そして再度熱源である冷却対象物30からの熱により気化して上記を繰り返す。
以上のように、ベーパーチャンバー1によれば、特に連通蒸気流路5において突起28により流路内表面積が高められており、凝縮が円滑に行われ、熱輸送量を高めることができる。
また、凝縮液流路3が開口して蒸気流路4に突出するように構成すれば、凝縮液流路への凝縮液の入流が円滑に行われるため、作動流体の還流が良好であり、さらに熱輸送量を高めることができる。
以下には、他の形態のベーパーチャンバーについて説明する。なお、他の形態を示す各図では、上記第1の形態で説明した構成と同様の考えで構成できるものについては同じ符号を付して説明を省略する。
図18及び図19に第2の形態にかかるベーパーチャンバー1’を説明する図を示した。図18(a)には第二シート20’を内面側からみた図、図18(b)には第一シート10’を内面から見た図を示した。また、図19(a)は、図18(a)、図18(b)にXIXa−XIXaで示した部位におけるベーパーチャンバー1’の切断面である。この切断面はベーパーチャンバー1’における連通蒸気流路5が延びる方向で、突起18’が配列される方向の切断面である。
図19(b)は、図18(a)、図18(b)、図19(a)にXIXb−XIXbで示した部位におけるベーパーチャンバー1’の切断面である。
本形態のベーパーチャンバー1’では、第一シート10’及び第二シート20’を有しており、それぞれ次のような形態を備えている。
第一シート10’は連通蒸気流路用溝である蒸気流路連通溝17’に該溝の底面から突出するように突起18’が設けられている。これにより上記した突起28と同様、連通蒸気流路5の内表面積を大きくすることができ、作動流体の凝縮の機会を増やして円滑な還流が可能となる。
本形態の突起18’は、蒸気流路連通溝17’のうち、第一シート10’の蒸気流路溝16が延びる方向(x方向)の端面に隣接する位置(蒸気流路溝16の延長上)に配置されている。これにより、蒸気流路溝16(蒸気流路4)を移動してきた蒸気が直接突起18’に衝突するように接触するため、効率よく凝縮が進行する。
突起18’の大きさは特に限定されることはなく、適宜設定することができるが、例えば次のようにすることができる。
第一シート10’の蒸気流路連通溝17’において、突起18’が存在しなかった場合の当該蒸気流路連通溝17’の容積(蒸気流路連通溝17’の幅×深さ×長さで算出できる。)をV(μm)とし、突起18’の体積の合計をV(μm)としたとき、V/Vが次の範囲にあることが好ましい。
1/24<V/V<1/2
これが1/24以下であると突起としての機能が低くなりすぎるとともに、微小であるため製造の観点からも困難となる。一方、1/2以上であると蒸気流路4が狭くなりすぎ、蒸気流路を連通させるという機能が低くなる虞がある。
また、本形態の突起18’の形態は直方体であるがこれに限らず、半球、錐、柱状等であってもよい。
第二シート20’では連通蒸気流路用溝である蒸気流路連通溝27’に突起は配置されておらず、これにより連通蒸気流路5を形成する。
図20〜図22に第3の形態にかかるベーパーチャンバー1”を説明する図を示した。図20(a)には第二シート20を内面側からみた図、図20(b)には第一シート10’を内面から見た図を示した。また図21は、図20(a)、図20(b)にXXI−XXIで示した部位におけるベーパーチャンバー1”の切断面である。図22(a)は図20(a)、図20(b)、図21にXXIIa−XXIIaで示した部位におけるベーパーチャンバー1”の切断面、図22(b)は図20(a)、図20(b)、図21にXXIIb−XXIIbで示した部位におけるベーパーチャンバー1”の切断面である。
本形態のベーパーチャンバー1”では、第2の形態で示した第一シート10’と第1の形態で説明した第二シート20とを組み合わせた例である。
これによれば、連通蒸気流路5に突起18’と突起28とが交互に配列される態様となり、さらに連通蒸気流路5の内表面積を大きくすることができ、作動流体の凝縮を円滑にし、熱輸送量を高めることが可能である。
図23〜図25に第4の形態にかかるベーパーチャンバー1’’’を説明する図を示した。図23(a)には第二シート20’’’を内面側からみた図、図23(b)には第一シート10’を内面側から見た図を示した。
図24は、図23(a)、図23(b)にXXIV−XXIVで示した部位におけるベーパーチャンバー1’’’の切断面である。この切断面はベーパーチャンバー1’’’における蒸気流路4の横断面が表れる切断面である。
図25(a)は、図23(a)、図23(b)にXXVa−XXVaで示した部位におけるベーパーチャンバー1’’’の切断面である。この切断面はベーパーチャンバー1’’’における連通蒸気流路5が延びる方向で、突起18’が配列される方向の切断面である。
図25(b)は、図23(a)、図23(b)、図24(a)にXXVb−XXVbで示した部位におけるベーパーチャンバー1’’’の切断面である。
本形態のベーパーチャンバー1’’’では、第一シート10’及び第二シート20’’’を有して構成されている。第一シート10’は上記したベーパーチャンバー1’の第一シート10’と同じ形状である。
第二シート20’’’では連通蒸気流路用溝である蒸気流路連通溝27’’’に突起は配置されておらず、これにより連通蒸気流路5を形成する。
さらに、第二シート20’’’では蒸気流路溝が形成されておらず、図24からわかるように、内面側が平坦な面から形成されている。ただし、図23(a)で点線で示したように蒸気流路4を形成する面である蒸気流路形成面26’’’として機能する。図23(a)では実際には面一であるため境界線は現れないが、機能が異なる部分を区別して見やすいようにその境界を点線で表している。
このようなベーバーチャンバー1’’’でも上記と同様の効果を有するものとなる。ここで、図25(b)にδで示した、蒸気流路4の端面と、突起18’の端部との距離は、100μm以上であることが好ましい。これにより第一シート10’と第二シート20’’’との接合の際に位置ずれやつぶれが発生しても蒸気流路4と連通蒸気流路5との連通を確保することができる。
1、1’、1”、1’’’ ベーパーチャンバー
2 密閉空間
3 凝縮液流路
4 蒸気流路
5 連通蒸気流路
10、10’ 第一シート
10a 内面
10b 外面
10c 側面
11 本体
12 注入部
13 外周接合部
14 外周液流路部
14a 液流路溝
14c 液連通開口
15 内側液流路部
15a 液流路溝
15c 液連通開口
16 蒸気流路溝
17、17’ 蒸気流路連通溝(連通蒸気流路用溝)
18’ 突起
20、20’、20’’’ 第二シート
20a 内面
20b 外面
20c 側面
21 本体
22 注入部
23 外周接合部
24 外周液流路部
25 内側液流路部
26 蒸気流路溝
27、27’ 蒸気流路連通溝(連通蒸気流路用溝)
28 突起

Claims (6)

  1. 第一シート、及び前記第一シートに重ねて接合された第二シートを有し、前記第一シートと前記第二シートとの間には密閉された空間が形成されており、該空間に作動流体が封入されたベーパーチャンバーであって、
    前記密閉空間には、前記第一シートと前記第二シートとの重ね合わせにより、前記作動流体が凝縮した液が流れる凝縮液流路と、前記作動流体が気化した蒸気が流れる複数の蒸気流路と、前記複数の蒸気流路を連通する流路である連通蒸気流路と、が形成されており、
    前記連通蒸気流路には、流路内に突起が設けられている、ベーパーチャンバー。
  2. 前記凝縮液流路は、前記第一シートの凸条と前記第二シートの凸条とが重なることにより形成されており、
    前記連通蒸気流路の前記突起は、前記第一シートの凸条又は前記第二シートの凸条が前記連通蒸気流路内に延びていることにより形成されている、請求項1に記載のベーパーチャンバー。
  3. 前記蒸気流路は前記第一シートの溝と前記第二シートの溝とが重なることにより形成されており、
    前記連通蒸気流路の前記突起は前記溝の端部に隣接して配置される請求項1又は2に記載のベーパーチャンバー。
  4. 前記連通蒸気流路は前記第一シートの連通蒸気流路用溝と前記第二シートの連通蒸気流路用溝とが重なることにより形成されており、
    前記連通蒸気流路の前記突起は、前記第一シートの連通蒸気流路用溝又は前記第二シートの連通蒸気流路用溝の一方に設けられている、請求項1乃至3のいずれかに記載のベーパーチャンバー。
  5. 前記連通蒸気流路は前記第一シートの連通蒸気流路用溝と前記第二シートの連通蒸気流路用溝とが重なることにより形成されており、
    前記連通蒸気流路の前記突起は、前記第一シートの連通蒸気流路用溝及び前記第二シートの連通蒸気流路用溝の両方に設けられている、請求項1乃至3のいずれかに記載のベーパーチャンバー。
  6. 前記凝縮液流路、及び、前記蒸気流路は、前記第一シート又は前記第二シートの一方に設けられた溝と他方に具備された平坦面とが重なることにより形成され、
    前記連通蒸気流路は前記第一シートの連通蒸気流路用溝と前記第二シートの連通蒸気流路用溝とが重なることにより形成されている、請求項1に記載のベーパーチャンバー。
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