JP2019105219A - ターボチャージャ - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑油に泡が発生するのを抑制可能なターボチャージャを提供することを課題とする。【解決手段】ターボチャージャ1は、回転軸50と、回転軸50を油膜を介して回転可能に支持するジャーナル軸受3と、ジャーナル軸受3が収容される軸受収容部902aを有するベアリングハウジング90と、を備える。軸受収容部902aおよびジャーナル軸受3のうち少なくとも一方は、ベアリングハウジング90の内部空間901bに露出する露出面Fを有する。ターボチャージャ1は、軸受収容部902aおよびジャーナル軸受3のうち少なくとも一方に配置され、内周面と露出面Fとを連通するバイパス油路70を備える。【選択図】図3
Description
本発明は、ターボチャージャに関する。
特許文献1に示すように、ターボチャージャの回転軸は、コンプレッサインペラとタービンインペラとを連結している。図6に、従来のターボチャージャのドレイン部付近の軸方向断面図を示す。図6に示すように、ターボチャージャ100のベアリングハウジング101には、スラスト軸受102およびジャーナル軸受103が配置されている。スラスト軸受102およびジャーナル軸受103は、油膜を介して、回転軸104を回転可能に支持している。油膜形成後の潤滑油Oは、ベアリングハウジング101のドレイン部105から外部に流出する。
しかしながら、ドレイン部105に泡O1混じりの潤滑油Oが溜まる場合がある。潤滑油Oは、ベアリングハウジング101の内部空間106をせり上がる。このため、コンプレッサインペラ107側に負圧が発生した場合、リテーナ108とカラーターボシールリング109との間の隙間Hを経由して、潤滑油Oがコンプレッサインペラ107側にリークしやすくなる。そこで、本発明は、潤滑油に泡が発生するのを抑制可能なターボチャージャを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のターボチャージャは、回転軸と、前記回転軸を油膜を介して回転可能に支持するジャーナル軸受と、前記ジャーナル軸受が収容される軸受収容部を有するベアリングハウジングと、を備えるターボチャージャであって、前記軸受収容部および前記ジャーナル軸受のうち少なくとも一方は、前記ベアリングハウジングの内部空間に露出する露出面を有し、前記軸受収容部および前記ジャーナル軸受のうち少なくとも一方に配置され、内周面と前記露出面とを連通するバイパス油路を備えることを特徴とする。
潤滑油がベアリングハウジングの内部空間に流出する際、潤滑油の流路断面積は、急激に大きくなる。このため、潤滑油の流れに、差圧が発生する。また、流出した潤滑油は、隣接部材に勢いよく衝突する。このような理由から、流出時に、潤滑油に泡が発生しやすい。
この点、本発明のターボチャージャは、バイパス油路を備えている。潤滑油がベアリングハウジングの内部空間に流出する際、潤滑油の少なくとも一部は、バイパス油路を経由する。このため、潤滑油の流れに発生する差圧を、小さくすることができる。また、潤滑油が隣接部材に衝突する際の衝撃を、緩和することができる。したがって、潤滑油に泡が発生するのを、抑制することができる。
以下、本発明のターボチャージャの実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
[ターボチャージャの構成]
まず、本実施形態のターボチャージャの構成について説明する。図1に、本実施形態のターボチャージャの軸方向断面図を示す。図2に、図1の枠II内の拡大図を示す。図1、図2に示すように、本実施形態のターボチャージャ1は、ジャーナル軸受3と、スラスト軸受4と、回転部5と、リテーナ60と、デフレクタ61と、ベアリングハウジング90と、コンプレッサハウジング91と、タービンハウジング92と、を備えている。
[ターボチャージャの構成]
まず、本実施形態のターボチャージャの構成について説明する。図1に、本実施形態のターボチャージャの軸方向断面図を示す。図2に、図1の枠II内の拡大図を示す。図1、図2に示すように、本実施形態のターボチャージャ1は、ジャーナル軸受3と、スラスト軸受4と、回転部5と、リテーナ60と、デフレクタ61と、ベアリングハウジング90と、コンプレッサハウジング91と、タービンハウジング92と、を備えている。
図1に示すように、ベアリングハウジング90の内部には、油路901aと、回収部901bと、軸受収容部902a、902bと、リテーナ収容部903と、が形成されている。回収部901bは、本発明の「ベアリングハウジングの内部空間」の概念に含まれる。
図2に太線で示すように、油路901aおよび回収部901bには、潤滑油Oが流れている。ベアリングハウジング90の内部空間のうち、油路901aは、ジャーナル軸受3、スラスト軸受4よりも上流側に配置されている。一方、回収部901bは、ジャーナル軸受3、スラスト軸受4よりも下流側に配置されている。回収部901bは、ジャーナル軸受3、スラスト軸受4から流出した潤滑油Oを回収している。回収部901bは、ドレイン部901cを備えている。ドレイン部901cは、ベアリングハウジング90の下壁に開口している。ドレイン部901cは、回収した潤滑油Oを、ベアリングハウジング90の外部(下側空間)に排出している。
前側(軸方向一方)または後側(軸方向他方)から見て、軸受収容部902aは、ベアリングハウジング90の径方向中心部に配置されている。軸受収容部902aは、ベアリングハウジング90と一体であって、前後方向に延在する円筒状を呈している。ここで、軸受収容部902aの前端面(後述するスラストカラー53から径方向外側にはみ出している部分)および外周面は、回収部901bに露出する露出面Fである。軸受収容部902aには、外径側バイパス油孔70が配置されている。外径側バイパス油孔70は、本発明の「バイパス油孔」の概念に含まれる。外径側バイパス油孔70については、後で詳しく説明する。軸受収容部902bは、軸受収容部902aの前側に配置されている。リテーナ収容部903は、軸受収容部902bの前側に配置されている。
ジャーナル軸受3は、前後方向に延在する円筒状を呈している。ジャーナル軸受3は、軸受収容部902aの径方向内側に収容されている。スラスト軸受4は、下側部分が除去された円板状を呈している。スラスト軸受4は、軸受収容部902bに収容されている。コンプレッサハウジング91は、ベアリングハウジング90の前側に配置されている。タービンハウジング92は、ベアリングハウジング90の後側に配置されている。
回転部5は、ベアリングハウジング90に対して、回転可能である。回転部5は、回転軸50と、コンプレッサインペラ51と、タービンインペラ52と、スラストカラー53と、カラーターボシールリング54と、を備えている。スラストカラー53は、本発明の「並置部材」の概念に含まれる。
回転軸50は、ベアリングハウジング90を前後方向(軸方向)に貫通している。回転軸50は、ジャーナル軸受3の径方向内側に挿入されている。回転軸50の外周面とジャーナル軸受3の内周面との間には、内径側隙間C1が介在している。内径側隙間C1には、油膜が形成されている。回転軸50は、油膜を介して、ジャーナル軸受3により、径方向外側から回転可能に支持されている。
コンプレッサインペラ51は、回転軸50の前端に取り付けられている。タービンインペラ52は、回転軸50の後端に連なっている。すなわち、回転軸50は、コンプレッサインペラ51とタービンインペラ52とを連結している。スラストカラー53は、回転軸50の外周面に取り付けられている。スラストカラー53は、軸側隙間C3を介して、ジャーナル軸受3および軸受収容部902aの前側に配置されている。スラストカラー53は、スラスト軸受4により、軸方向から回転可能に支持されている。カラーターボシールリング54は、スラストカラー53の前側に配置されている。カラーターボシールリング54は、回転軸50の外周面に環装されている。
リテーナ60は、ベアリングハウジング90のリテーナ収容部903に配置されている。リテーナ60は、後側に開口する有底円筒状を呈している。リテーナ60は、底壁部600と、周壁部601と、を備えている。底壁部600の径方向中心には、カラーターボシールリング54が回転可能に配置されている。底壁部600とカラーターボシールリング54との間には、隙間Hが区画されている。隙間Hには、リングシール600bが配置されている。
デフレクタ61は、リテーナ60の後側開口を、後側から覆っている。リテーナ60とデフレクタ61との間には、シール室Aが区画されている。デフレクタ61の径方向中心には、カラーターボシールリング54が回転可能に配置されている。デフレクタ61の下端と周壁部601の下端との間には、排出口Bが区画されている。排出口Bを介して、シール室Aとドレイン部901cとは連通している。
[バイパス油孔]
図3に、図2の枠III内の拡大図を示す。図3に示すように、外径側バイパス油孔70は、軸受収容部902aの筒壁(側周壁)の前端付近の真下位置に、配置されている。外径側バイパス油孔70は、軸受収容部902aの内周面と外周面とを連通している。外径側バイパス油孔70は、上下方向に延在している。ジャーナル軸受3の外周面と軸受収容部902aの内周面との間には、外径側隙間C2が介在している。外径側バイパス油孔70の孔径(直径)は、外径側隙間C2の径方向幅よりも大きい。
図3に、図2の枠III内の拡大図を示す。図3に示すように、外径側バイパス油孔70は、軸受収容部902aの筒壁(側周壁)の前端付近の真下位置に、配置されている。外径側バイパス油孔70は、軸受収容部902aの内周面と外周面とを連通している。外径側バイパス油孔70は、上下方向に延在している。ジャーナル軸受3の外周面と軸受収容部902aの内周面との間には、外径側隙間C2が介在している。外径側バイパス油孔70の孔径(直径)は、外径側隙間C2の径方向幅よりも大きい。
[潤滑油の流れ]
次に、本実施形態のターボチャージャにおける潤滑油の流れについて簡単に説明する。図2に示すように、ターボチャージャ1の駆動時つまり回転部5の回転時において、潤滑油Oは、油路901aを経由して、ジャーナル軸受3、スラスト軸受4に供給される。ジャーナル軸受3、スラスト軸受4において使用された潤滑油Oは、回収部901bで回収され、ドレイン部901cからベアリングハウジング90の外部に排出される。
次に、本実施形態のターボチャージャにおける潤滑油の流れについて簡単に説明する。図2に示すように、ターボチャージャ1の駆動時つまり回転部5の回転時において、潤滑油Oは、油路901aを経由して、ジャーナル軸受3、スラスト軸受4に供給される。ジャーナル軸受3、スラスト軸受4において使用された潤滑油Oは、回収部901bで回収され、ドレイン部901cからベアリングハウジング90の外部に排出される。
[作用効果]
次に、本実施形態のターボチャージャの作用効果について説明する。上述したように、潤滑油Oの一部は、ジャーナル軸受3に供給される。図3に示すように、ジャーナル軸受3に供給された潤滑油Oの一部は、内径側隙間C1に油膜を形成する。当該油膜により、ジャーナル軸受3は回転軸50を支持する。また、ジャーナル軸受3に供給された潤滑油Oの残部は、外径側隙間C2を通過する。内径側隙間C1、外径側隙間C2を通過した潤滑油Oは、内径側隙間C1、外径側隙間C2の前後方向両端から、回収部901bに流出する。このうち、内径側隙間C1、外径側隙間C2の前端から流出する潤滑油Oは、軸側隙間C3を経由して、回収部901bに流出する。
次に、本実施形態のターボチャージャの作用効果について説明する。上述したように、潤滑油Oの一部は、ジャーナル軸受3に供給される。図3に示すように、ジャーナル軸受3に供給された潤滑油Oの一部は、内径側隙間C1に油膜を形成する。当該油膜により、ジャーナル軸受3は回転軸50を支持する。また、ジャーナル軸受3に供給された潤滑油Oの残部は、外径側隙間C2を通過する。内径側隙間C1、外径側隙間C2を通過した潤滑油Oは、内径側隙間C1、外径側隙間C2の前後方向両端から、回収部901bに流出する。このうち、内径側隙間C1、外径側隙間C2の前端から流出する潤滑油Oは、軸側隙間C3を経由して、回収部901bに流出する。
ここで、軸受収容部902aに外径側バイパス油孔70が配置されていない場合(図6参照)を想定する。この場合、図3に太線で示すように、軸側隙間C3から回収部901bに潤滑油Oが流出する際、潤滑油Oの流路断面積(流路の延在方向に対して直交する方向の断面積)は、急激に大きくなる。このため、潤滑油Oの流れに、上流側から下流側に向かって減圧する、差圧が発生する。また、流出した潤滑油Oは、隣接部材(例えば、スラスト軸受4、デフレクタ61など)に勢いよく衝突する。したがって、図6に示すように、流出時に潤滑油Oに泡O1が発生し、当該潤滑油Oがドレイン部105に溜まる場合がある。潤滑油Oは、ベアリングハウジング101の内部空間106をせり上がる。このため、コンプレッサインペラ107側に負圧が発生した場合、リテーナ108とカラーターボシールリング109との間の隙間Hを経由して、潤滑油Oがコンプレッサインペラ107側にリークしやすくなる。
この点、図3に示すように、本実施形態のターボチャージャ1は、外径側バイパス油孔70を備えている。外径側バイパス油孔70の入口(径方向内端、上流端)は、軸受収容部902aの内周面、つまり外径側隙間C2に開口している。他方、外径側バイパス油孔70の出口(径方向外端、下流端)は、軸受収容部902aの外周面(露出面F)つまり回収部901bに開口している。潤滑油Oが回収部901bに流出する際、外径側隙間C2を通過する潤滑油Oは、軸側隙間C3、外径側バイパス油孔70に分流し、回収部901bに流出する。このため、潤滑油Oが軸側隙間C3だけを経由して回収部901bに流出する場合と比較して、潤滑油Oの流路断面積が急激に大きくなりにくい。したがって、潤滑油Oの流れに発生する差圧を、小さくすることができる。また、潤滑油Oが隣接部材に衝突する際の勢いを、緩和することができる。よって、潤滑油Oに泡O1(図6参照)が発生するのを、抑制することができる。
このように、本実施形態のターボチャージャ1によると、潤滑油Oに泡O1(図6参照)が発生しにくい。このため、図3に示すように、潤滑油Oがドレイン部901cに溜まりにくい。したがって、コンプレッサインペラ51側に負圧が発生した場合、隙間Hを経由して、潤滑油Oがコンプレッサインペラ51側にリークしにくい。
また、流路断面積の大小関係は、「外径側隙間C2<内径側隙間C1<軸側隙間C3<外径側バイパス油孔70」となっている。すなわち、軸側隙間C3よりも外径側バイパス油孔70の方が、流路断面積が大きい。このため、軸側隙間C3から回収部901bに潤滑油Oが流出する場合と比較して、外径側バイパス油孔70から回収部901bに潤滑油Oが流出する場合の方が、流路断面積の変化(潤滑油Oの流れに発生する差圧)を小さくすることができる。
また、図3に示すように、外径側バイパス油孔70は、軸受収容部902aに配置されている。このため、外径側バイパス油孔70がジャーナル軸受3に配置されている場合と比較して、外径側バイパス油孔70がジャーナル軸受3の摺動特性(内径側隙間C1の油膜の状態など)に与える影響を、小さくすることができる。
また、図3に示すように、外径側バイパス油孔70は、軸受収容部902aの真下位置に配置されている。このため、外径側隙間C2から外径側バイパス油孔70に、簡単に潤滑油Oを導入することができる。また、外径側バイパス油孔70は、ドレイン部901cの真上付近に配置されている。このため、外径側バイパス油孔70からドレイン部901cに、簡単に潤滑油Oを導入することができる。
また、図3に示すように、外径側バイパス油孔70は、軸側隙間C3から独立して、軸受収容部902aの筒壁に配置されている。このため、外径側バイパス油孔70の位置、形状(延在形状、流路断面形状)、配置数などの設定の自由度が高い。
また、図1、図2に示すように、外径側バイパス油孔70は、軸受収容部902aの前端付近、後端付近のうち、前端付近に配置されている。すなわち、外径側バイパス油孔70は、図2に示す隙間Hに近接して、配置されている。このため、コンプレッサインペラ51側に負圧が発生した場合、上側の隙間Hを経由してコンプレッサインペラ51側にリークする潤滑油O(図2の点線矢印Y参照)の量を、減らすことができる。
また、泡O1(気体)は、潤滑油O(液体)と比較して、密度が小さい。このため、泡O1を含む潤滑油Oは、泡O1を含まない潤滑油Oと比較して、コンプレッサインペラ51側の負圧により、隙間Hに吸い込まれやすい。この点、本実施形態のターボチャージャ1の軸受収容部902aには、外径側バイパス油孔70が配置されている。このため、潤滑油Oが、隙間Hを経由して、コンプレッサインペラ51側にリークするのを、抑制することができる。
また、他の回転機械と比較して、ターボチャージャ1の回転軸50の回転数(回転速度)は高い。回転軸50の遠心力により、ジャーナル軸受3の摺動面(内周面)からは、軸側隙間C3を経由して、潤滑油Oが勢いよく飛散する。このため、潤滑油Oに泡O1が発生しやすい。この点、本実施形態のターボチャージャ1の軸受収容部902aには、外径側バイパス油孔70が配置されている。このため、確実に泡O1の発生を抑制することができる。
<第二実施形態>
本実施形態のターボチャージャと、第一実施形態のターボチャージャとの相違点は、軸受収容部に、外径側バイパス油溝と外径側ガイド油溝とが配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
本実施形態のターボチャージャと、第一実施形態のターボチャージャとの相違点は、軸受収容部に、外径側バイパス油溝と外径側ガイド油溝とが配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図4に、本実施形態のターボチャージャのドレイン部付近の軸方向断面図を示す。なお、図3と対応する部位については、同じ符号で示す。図4に示すように、軸受収容部902aには、外径側バイパス油溝71と外径側ガイド油溝72とが配置されている。外径側バイパス油溝71は、本発明の「バイパス油路」の概念に含まれる。外径側ガイド油溝72は、本発明の「ガイド油路」の概念に含まれる。
外径側バイパス油溝71は、軸受収容部902aの前端面の真下位置に凹設されている。外径側バイパス油溝71は、軸側隙間C3の後側に連なっている。外径側バイパス油溝71は、上下方向に延在している。外径側バイパス油溝71の入口(径方向内端、上流端)は、内周面、つまり外径側隙間C2に開口している。外径側バイパス油溝71の出口(径方向外端、下流端)は、前端面(露出面F)つまり回収部901bに開口している。
外径側ガイド油溝72は、軸受収容部902aの内周面の真下位置に凹設されている。外径側ガイド油溝72は、外径側隙間C2に開口している。外径側ガイド油溝72の前端は、外径側バイパス油溝71の入口に連なっている。外径側ガイド油溝72は、前後方向に延在している。外径側ガイド油溝72の溝底面には、後側から前側に向かって下る、傾斜が設定されている。
本実施形態のターボチャージャと、第一実施形態のターボチャージャとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。外径側隙間C2には、外径側ガイド油溝72が配置されている。外径側ガイド油溝72は、外径側バイパス油溝71に連通している。このため、外径側ガイド油溝72を介して、外径側隙間C2から外径側バイパス油溝71に、潤滑油Oを案内することができる。
また、外径側ガイド油溝72は、軸受収容部902aの内周面の真下位置に配置されている。このため、外径側隙間C2の潤滑油Oが、自重により外径側ガイド油溝72に流れ込みやすい。また、外径側ガイド油溝72の溝底面には、後側(上流側)から前側(下流側)に向かって下る、傾斜が設定されている。このため、潤滑油Oが、自重により外径側ガイド油溝72を流動しやすい。また、潤滑油Oが、外径側ガイド油溝72から外径側バイパス油溝71に流れ込みやすい。
また、外径側バイパス油溝71は、軸受収容部902aの前端面に凹設されている。このため、軸受収容部902aに外径側バイパス油溝71を簡単に配置することができる。本実施形態のように、バイパス油路(外径側バイパス油溝71)の出口が、軸受収容部902aの外周面に到達していなくてもよい。
<第三実施形態>
本実施形態のターボチャージャと、第一実施形態のターボチャージャとの相違点は、ジャーナル軸受にバイパス油溝が配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
本実施形態のターボチャージャと、第一実施形態のターボチャージャとの相違点は、ジャーナル軸受にバイパス油溝が配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図5に、本実施形態のターボチャージャのドレイン部付近の軸方向断面図を示す。なお、図3と対応する部位については、同じ符号で示す。図5に示すように、ジャーナル軸受3の前端面(スラストカラー53から径方向外側にはみ出している部分)、軸受収容部902aの前端面および外周面は、回収部901bに露出する露出面Fである。ジャーナル軸受3には、内径側バイパス油溝73が配置されている。内径側バイパス油溝73は、本発明の「バイパス油路」の概念に含まれる。
内径側バイパス油溝73は、ジャーナル軸受3の前端面の真下位置に凹設されている。内径側バイパス油溝73は、軸側隙間C3の後側に連なっている。内径側バイパス油溝73は、上下方向に延在している。内径側バイパス油溝73の入口(径方向内端、上流端)は、内周面、つまり内径側隙間C1に開口している。内径側バイパス油溝73の出口(径方向外端、下流端)は、前端面(露出面F)つまり回収部901bに開口している。
本実施形態のターボチャージャと、第一実施形態のターボチャージャとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。内径側バイパス油溝73は、ジャーナル軸受3の前端面に凹設されている。このため、ジャーナル軸受3に内径側バイパス油溝73を簡単に配置することができる。また、ジャーナル軸受3の摺動面(内周面)が、内径側バイパス油溝73の設置による影響を受けにくい。本実施形態のように、バイパス油路(内径側バイパス油溝73)の出口が、軸受収容部902aの外周面に到達していなくてもよい。また、本実施形態のように、ジャーナル軸受3だけにバイパス油路(内径側バイパス油溝73)を配置してもよい。
<その他>
以上、本発明のターボチャージャの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
以上、本発明のターボチャージャの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
図3に示すデフレクタ61は配置しなくてもよい。また、ジャーナル軸受3や軸受収容部902aの軸方向隣りに、軸側隙間C3を介して、スラスト軸受4が並置されていてもよい。すなわち、本発明の「並置部材」は、回転軸50の外周面に配置されるスラストカラー53、およびスラストカラー53を油膜を介して回転可能に支持するスラスト軸受4のうち、少なくとも一方であればよい。
また、図4に示すジャーナル軸受3の外周面に、図4に示す外径側ガイド油溝72のような、外径側ガイド油溝を配置してもよい。また、図5に示すジャーナル軸受3の内周面に、図4に示す外径側ガイド油溝72のような、内径側ガイド油溝を配置してもよい。この場合、ジャーナル軸受3の内周面に、内径側ガイド油溝をスパイラル状に延在させてもよい。なお、ガイド油溝のスパイラル方向(螺旋方向)は、回転軸50の回転力(内径側隙間C1における摺動力)により潤滑油が内径側バイパス油溝73に運ばれる方向であればよい。
また、図3に示すジャーナル軸受3に、外径側バイパス油孔70のような、内径側バイパス油孔を配置してもよい。また、ジャーナル軸受3の内径側バイパス油孔と、軸受収容部902aの外径側バイパス油孔70と、を径方向に連結してもよい。また、図5に示すジャーナル軸受3の内径側バイパス油溝73と、図4に示す軸受収容部902aの外径側バイパス油溝71と、を径方向に連結してもよい。油路(外径側バイパス油孔70、外径側バイパス油溝71、外径側ガイド油溝72、内径側バイパス油溝73)の延在形状(直線状、曲線状、スパイラル状、環状など)、流路断面形状(C字状、V字状など)、流路断面積、配置数、配置場所は特に限定しない。流路断面積について、上流側から下流側に向かって流路断面積が大きくなるように、テーパ状のバイパス油路を配置してもよい。こうすると、流路断面積が急激に大きくなるのを、抑制することができる。図1に示すジャーナル軸受3および軸受収容部902aの後側に、バイパス油路を配置してもよい。この場合、回転軸50のフランジ部50aは、本発明の「並置部材」の概念に含まれる。
1:ターボチャージャ、3:ジャーナル軸受、4:スラスト軸受、5:回転部、50:回転軸、50a:フランジ部、51:コンプレッサインペラ、52:タービンインペラ、53:スラストカラー(並置部材)、54:カラーターボシールリング、60:リテーナ、61:デフレクタ、70:外径側バイパス油孔(バイパス油孔)、71:外径側バイパス油溝(バイパス油路)、72:外径側ガイド油溝(ガイド油路)、73:内径側バイパス油溝(バイパス油路)、90:ベアリングハウジング、91:コンプレッサハウジング、92:タービンハウジング、600:底壁部、600b:リングシール、601:周壁部、901a:油路、901b:回収部(ベアリングハウジングの内部空間)、901c:ドレイン部、902a:軸受収容部、902b:軸受収容部、903:リテーナ収容部、A:シール室、B:排出口、C1:内径側隙間、C2:外径側隙間、C3:軸側隙間、F:露出面、H:隙間、O:潤滑油
Claims (5)
- 回転軸と、
前記回転軸を油膜を介して回転可能に支持するジャーナル軸受と、
前記ジャーナル軸受が収容される軸受収容部を有するベアリングハウジングと、
を備えるターボチャージャであって、
前記軸受収容部および前記ジャーナル軸受のうち少なくとも一方は、前記ベアリングハウジングの内部空間に露出する露出面を有し、
前記軸受収容部および前記ジャーナル軸受のうち少なくとも一方に配置され、内周面と前記露出面とを連通するバイパス油路を備えることを特徴とするターボチャージャ。 - 前記バイパス油路は、前記軸受収容部に配置される請求項1に記載のターボチャージャ。
- 前記軸受収容部の外周面は、前記露出面であり、
前記バイパス油路は、前記軸受収容部の前記内周面と前記外周面とを連通するバイパス油孔である請求項2に記載のターボチャージャ。 - さらに、前記ジャーナル軸受の外周面および前記軸受収容部の内周面のうち、少なくとも一方に配置され、前記バイパス油路に連通するガイド油路を備える請求項2または請求項3に記載のターボチャージャ。
- 前記軸受収容部および前記ジャーナル軸受のうち少なくとも一方の軸方向隣りに、軸側隙間を介して並置される並置部材を備え、
前記バイパス油路は、前記軸側隙間を経由しない請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のターボチャージャ。
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JP2017238413A JP2019105219A (ja) | 2017-12-13 | 2017-12-13 | ターボチャージャ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017238413A JP2019105219A (ja) | 2017-12-13 | 2017-12-13 | ターボチャージャ |
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JP2019105219A true JP2019105219A (ja) | 2019-06-27 |
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JP2017238413A Pending JP2019105219A (ja) | 2017-12-13 | 2017-12-13 | ターボチャージャ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019105219A (ja) |
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2017
- 2017-12-13 JP JP2017238413A patent/JP2019105219A/ja active Pending
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