JP2019104155A - 画像記録装置及び画像記録方法 - Google Patents

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【課題】液体除去ユニットの特性によらず転写体上に形成された像を記録媒体に良好に転写する。【解決手段】画像記録装置1は、ニップ部11を形成する転写体2と圧胴42とを有し、ニップ部11で、転写体2の外周面に形成された液体を含む物質の像を記録媒体P1に転写する転写ユニット4と、液体を含む物質を吐出し、転写体2の外周面に像を形成する記録ユニット3と、記録ユニットとニップ部11との間に位置し、像に含まれる液体の一部を除去する液体除去ユニット5Eと、液体除去ユニット5Eにおける液体の除去量を転写体2の外周面の所定の区画毎に検出する検出手段9Bと、外周面の各区画において、検出された除去量が所定の値よりも大きいときは像に含まれる液体の量を増加させ、所定の値よりも小さいときは像に含まれる液体の量を減少させるように記録ユニットを制御する制御部と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は転写体上に形成された像を記録媒体に転写することで当該記録媒体に画像の記録を行う、転写方式の画像記録装置及び画像記録方法に関する。
近年、記録媒体の種類に拘わらず、インクジェット記録方式による高品位な画像を記録したいという要望から、転写方式の画像記録装置が提案されている。転写方式においては、まずインクジェット記録方式によって転写体にインク画像が形成され、次に液体除去ユニットによって、インク画像を形成するインクの液体成分がほとんど除去され、その後記録媒体に画像が転写される。このような画像記録装置によれば、インク浸透性の低い記録媒体であっても、フェザリング、ビーディング、ブリーディングといった画像品位を低下させる現象が防止され、高品位な画像記録が可能となる。転写方式においては、転写体上に形成したインク画像と記録媒体とを圧着させることにより、インク画像が記録媒体に移動する。その際、転写体上のインク画像と記録媒体との接触面における圧力が不均一な場合、転写不良が発生する。すなわち、圧力が理想値よりも小さい箇所では、インク画像が記録媒体に転写されずに転写体に残る、いわゆる転写残りが発生する。圧力が理想値よりも過大な箇所では、インク画像がつぶれて、にじみが発生する。
特許文献1には、転写体にインクを付与し、さらに転写体に樹脂含有液体を付与する画像形成方法が開示されている。樹脂含有液体の転写体に付与される単位面積当たりの量は、インクの単位面積あたりの付与量が相対的に少ない領域でより大きく、インクの単位面積あたりの付与量が相対的に多い領域でより少なくされている。これにより、転写体上に形成されるインク画像の厚みが均一化され、転写時におけるインク画像と記録媒体との接触面の圧力の均一化が図られる。
特許第5743398号明細書
転写時におけるインク画像の厚みは特許文献1に記載の技術によってある程度平坦化される。しかし、インク画像の厚みの不均一性は、インク画像形成後に行う液体成分の除去プロセスにおいても発生する。すなわち、液体除去ユニットの特性によっては、液体成分の除去後の単位面積当たりの残留液体量にばらつきが生じ、記録媒体の場所によって画質が不均一となることがある。
本発明は、液体除去ユニットの特性によらず、転写体上に形成された像を記録媒体に良好に転写することが可能な画像記録装置と画像記録方法を提供することを目的とする。
本発明の画像記録装置は、ニップ部を形成する転写体と圧胴とを有し、ニップ部で、転写体の外周面に形成された液体を含む物質の像を記録媒体に転写する転写ユニットと、液体を含む物質を吐出し、転写体の外周面に像を形成する記録ユニットと、記録ユニットとニップ部との間に位置し、像に含まれる液体の一部を除去する液体除去ユニットと、液体除去ユニットにおける液体の除去量を転写体の外周面の所定の区画毎に検出する検出手段と、外周面の各区画において、検出された除去量が所定の値よりも大きいときは像に含まれる液体の量を増加させ、所定の値よりも小さいときは像に含まれる液体の量を減少させるように記録ユニットを制御する制御部と、を有する。
本発明によれば、転写体上の各区画において、液体除去ユニットにおける液体の除去量が所定の値よりも大きいときは像に含まれる液体の量を増加させ、所定の値よりも小さいときは像に含まれる液体の量を減少させる。すなわち、本発明では液体の除去量の区画間のばらつきを予め考慮しているので、液体除去ユニットにおける液体の除去量が転写体上の区画によって異なる場合であっても、より均一な膜厚の像の形成が可能となる。従って、本発明によれば、液体除去ユニットの特性によらず、転写体上に形成された像を記録媒体に良好に転写することが可能な画像記録装置と画像記録方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る画像記録装置の概要図である。 図1に示す画像記録装置の制御系の概略ブロック図である。 図1に示す画像記録装置の制御系の概略ブロック図である。 図1に示す画像記録装置の動作例の説明図である。 テストパターン画像を表す図である。 テストパターンの印刷結果の記録画像を表す図である。 転写率向上剤の吐出量変更テーブルを表す図である。 転写率向上剤の吐出量変更制御のフローチャートである。 吐出量変換テーブルの適用方法を示すフローチャートである。 吐出口指定データへの変換テーブルを表す図である。 吐出量変更テーブルの適用方法を示すフローチャートである。 吐出口指定データへの変換テーブルに、吐出量変換テーブルを適用した結果の例を表す図である。
図面を参照して本発明のいくつかの実施形態について説明する。まず、本発明の一実施形態に係る画像記録装置の構成と基本的な動作例について説明する。各図において、矢印X及びYは水平方向を示し、互いに直交する。矢印Zは上下方向を示す。本発明における「記録」は、文字、図形等の有意の情報を形成することのみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成すること及び記録媒体の加工を行うことを含む。「記録」される対象は人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。「記録媒体」は本実施形態ではシート状の紙であるが、布、プラスチックフィルム等であってもよい。本実施形態では、記録ユニットによって転写体に形成される物質はインクであるが、広く液体を含む物質を対象とすることができる。インクの成分については特に限定されないが、本実施形態で用いられるインクは、色材である顔料と、水と、樹脂とを含む水性顔料インクである。
<画像記録装置>
図1は本発明の一実施形態に係る画像記録装置1を概略的に示した正面図である。画像記録装置1は、転写体2から記録媒体P1にインク像を転写することで記録物P2を製造する枚葉式のインクジェットプリンタである。画像記録装置1は、記録装置1Aと、搬送装置1Bとを含む。記録装置1Aは、記録ユニット3と、転写ユニット4と、周辺ユニット5A〜5Dと、供給ユニット6とを含む。X方向、Y方向、Z方向はそれぞれ、画像記録装置1の幅方向(全長方向)、奥行き方向、高さ方向を示している。記録媒体P1はX方向に搬送される。
<記録ユニット>
記録ユニット3は、複数の記録ヘッド30と、複数の記録ヘッド30を支持するキャリッジ31とを含んでいる。複数の記録ヘッド30は、中心軸の周りを回転する転写体2の周囲に放射状に配置されている。記録ヘッド30は、転写体2に液体インクを吐出し、転写体2上に記録画像のインク像を形成する。各記録ヘッド30は、Y方向に延びるフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの記録媒体の画像記録領域の幅をカバーする範囲に複数の吐出口が配列されている。一つの画素には吐出口が複数個割り当てられている。記録ヘッド30は、その下面に、複数の吐出口が開口したインク吐出口面を有している。インク吐出口面は、微小隙間(例えば数mm)を介して転写体2の外周面と対向している。インク吐出口面と転写体2の外周面の隙間はキャリッジ31により正確に維持される。キャリッジ31は、X方向両側側部に設けられたスライド部32を介し、一対の案内部材RLによってY方向に変位可能に支持されている。一対の案内部材RLは、キャリッジ31のX方向両側に設けられY方向に延びるレール部材である。図示は省略するが、記録ユニット3のY方向側方には回復ユニットが設けられている。記録ユニット3は、案内部材RLの案内により回復ユニットまで移動することができる。
各吐出口にはインク吐出素子(図示せず)が組み合わされている。インク吐出素子としては、例えば電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する素子、電気−機械変換体によってインクを吐出する素子、静電気を利用してインクを吐出する素子等が挙げられる。高速で高密度の記録を行う場合、電気−熱変換体を利用したインク吐出素子を用いることができる。
本実施形態では9つの記録ヘッド(インク吐出ヘッド)30が設けられている。各記録ヘッド30は、互いに異なる種類のインク、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等のインクを吐出する。いずれかの記録ヘッド30は色材を含まないインク(例えばクリアインク)を吐出してもよい。1つの記録ヘッド30は1種類のインクを吐出するが、1つの記録ヘッド30が複数種類のインクを吐出してもよい。印字プロセスにおける最下流側(図1における一番右側)の記録ヘッド30は転写率向上剤を吐出する。転写率向上剤は、色材を含まない透明な液体であり、転写体2上に形成されたインクの像の表面に吐出され、転写率を向上させる。なお、本実施形態において「インク像」はインクだけでなく転写率向上剤を含めた物質の像を意味する。
<転写ユニット>
転写ユニット4は、転写体41と圧胴42とを含んでいる。転写体41と圧胴42は、Y方向に延びる回転軸の周りを回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。図1において、転写体41及び圧胴42の内部に示した矢印は、これらの循環方向ないし回転方向を示しており、転写体41は時計回りに、圧胴42は反時計回りに回転する。すなわち、転写体41と圧胴42は互いに逆方向に回転する。
転写体41は、その外周面に転写体2を支持する支持体である。転写体2は、転写体41の外周面上に、周方向に連続的にあるいは間欠的に設けられる。連続的に設けられる場合、転写体2は無端の帯状に形成される。間欠的に設けられる場合、転写体2は、有端の帯状の複数のセグメントで形成され、複数のセグメントが転写体41の外周面に等ピッチで円弧状に配置される。転写体2は、単層から構成されるが、複数層の積層体、例えば、表面層と、圧縮層と、表面層と圧縮層との間に位置する弾性層の3層で構成されてもよい。表面層はインク像が形成される画像記録面を有する最外層である。圧縮層は変形吸収性能を有し、局所的な圧力変動を分散し、高速記録時においても転写性を維持することができる。
転写体41の回転により、転写体2は円軌道上を循環的に移動する。転写体41の回転位相により、転写体2は、吐出前処理領域R1、吐出領域R2、吐出後処理領域R3,R4、転写領域R5、転写後処理領域R6に区別される。転写体2はこれらの領域を循環的に通過する。時計の文字盤に喩えると、図1において、吐出前処理領域R1は概ね10時の位置であり、吐出領域R2は概ね11時から1時の範囲であり、吐出後処理領域R3は概ね2時の位置であり、吐出後処理領域R4は概ね4時の位置である。転写領域R5は概ね6時の位置であり、転写後処理領域R6は概ね8時の領域である。
吐出前処理領域R1では、記録ユニット3によるインクの吐出前に、周辺ユニット5Aによる転写体2に対する前処理が行われる。具体的には、転写体2の外周面に反応液が付与される。吐出領域R2では、記録ユニット3により転写体2の外周面にインクが吐出され、転写体2の外周面にインク像が形成される。吐出後処理領域R3,R4では、インクの吐出後かつインク像の転写前にインク像に対する処理が行われる。吐出後処理領域R3では周辺ユニット5Bによる処理が行われ、吐出後処理領域R4では周辺ユニット5Cによる処理が行われる。転写領域R5では転写ユニット4により転写体2上のインク像が記録媒体P1に転写される。転写後処理領域R6では、周辺ユニット5Dにより、インク像の転写後の転写体2に対する後処理が行われる。領域R1〜R6は一定の角度範囲を有しているが。領域R1、R3〜R6の角度範囲は、吐出領域R2の角度範囲より小さい。
圧胴42は、その外周面が転写体2に圧接されている。圧胴42は、搬送される記録媒体P1を転写体41との間でニップするニップ部11を形成し、転写体2の外周面に形成されたインク像をニップ部11で記録媒体に転写させる。すなわち、記録媒体P1が圧胴42と転写体2とによって形成されたニップ部11を搬送されながら通過する際に、その圧胴42と対向する面に転写体2上のインク像が転写される。圧胴42の外周面には、記録媒体P1の先端部を保持する少なくとも一つのグリップ機構(図示せず)が設けられている。グリップ機構は圧胴42の周方向に離間して複数設けてもよい。
<周辺ユニット>
周辺ユニット5A〜5Dは転写体2の周囲に配置されている。本実施形態の場合、周辺ユニット5A〜5Dは、順に、反応液付与ユニット5A、吸収ユニット5B、加熱ユニット5C、清掃ユニット5Dである。吸収ユニット5Bと加熱ユニット5Cは転写体2が回る方向に関し反応液付与ユニット5Aとニップ部11との間に位置している。
反応液付与ユニット5Aは、記録ユニット3によるインクの吐出前に、転写体2上に反応液を付与する。反応液は、インクを高粘度化する成分を含有する液体である。インクの高粘度化とは、インクを構成している色材や樹脂等がインクを高粘度化する成分と接触することによって化学的に反応し、あるいは物理的に吸着し、これによってインクの粘度の上昇が認められることである。インクの高粘度化には、インク全体の粘度上昇が認められる場合のみならず、色材や樹脂等のインクを構成する成分の一部が凝集することにより局所的に粘度の上昇が生じる場合も含まれる。インクを高粘度化する成分は、金属イオン、高分子凝集剤など、特に制限はないが、インクのpH変化を引き起こして、インク中の色材を凝集させる物質を用いることができ、有機酸を用いることができる。反応液の付与機構としては、例えば、ローラ、記録ヘッド、ダイコーティング装置(ダイコータ)、ブレードコーティング装置(ブレードコータ)などが挙げられる。転写体2に対するインクの吐出前に反応液を転写体2に付与しておくと、転写体2に達したインクを直ちに定着させることができる。これにより、隣接するインク同士が混ざり合うブリーディングを抑制することができる。
吸収ユニット5Bは、インク像の転写前に、転写体2上のインク像から液体成分の一部を吸収する。すなわち、吸収ユニット5Bはインクや転写率向上剤に含まれる液体成分を除去する。インク像の液体成分を減少させることで、記録媒体P1に記録される画像のにじみ等を抑制することができる。液体成分の減少を異なる視点で説明すれば、転写体2上のインク像を構成するインクを濃縮すると表現することもできる。インクを濃縮するとは、インクに含まれる液体成分が減少することによって、インクに含まれる色材や樹脂といった固形分の液体成分に対する含有割合が増加することを意味する。
吸収ユニット5Bは、例えば、インク像に接触してインク像の液体成分の量を減少させる液吸収部材を含む。液吸収部材はローラの外周面に形成されてもよいし、液吸収部材が無端のシート状に形成され、ローラ搬送によって循環的に走行されるものでもよい。インク像の保護の点で、液吸収部材の移動速度を転写体2の周速度と同じにして液吸収部材を転写体2と同期して移動させてもよい。液吸収部材による単位面積当たりの液体吸収量は、液吸収部材と転写体2の間の当接圧力によって決まる。したがって、吸収ユニット5Bが、上記のようにローラ状や走行式のシート状等のいずれの構成を取る場合においても、転写体2の幅方向に対して液吸収部材を可能な限り一様な圧力で当接するように動作させる。一方、ローラの偏芯の影響や、ローラを転写体2に当接するためのアクチュエータの出力誤差や、ローラの取り付け誤差によって、転写体2の幅方向における当接圧力にムラが生じる。
液吸収部材は、インク像に接触する多孔質体を含んでもよい。液吸収部材へのインク固形分の付着を抑制するため、インク像に接触する面の多孔質体の孔径は、10μm以下であってもよい。ここで、孔径とは平均直径のことを示し、公知の手段、例えば水銀圧入法や、窒素吸着法、SEM画像観察等で測定可能である。なお、液体成分は、一定の形を有さず、流動性があり、ほぼ一定の体積を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、インクや反応液に含まれる水や有機溶媒等が液体成分として挙げられる 。
加熱ユニット5Cは、インク像の転写前に、転写体2上のインク像を加熱する。インク像を加熱することで、インク像中の樹脂が溶融し、記録媒体P1への転写性が向上する。インク像を高温で加熱することで、吸収ユニット5Bの通過後に残留したインク像の液体成分の一部を気化して除去することも可能である。従って、吸収ユニット5Bと加熱ユニット5Cは液体除去ユニット5Eを構成する。加熱温度は、樹脂の最低造膜温度(MFT)以上とすることができる。MFTは一般的に知られている手法、例えばJIS K 6828−2:2003や、ISO2115:1996に準拠した各装置で測定することが可能である。転写性及び画像の堅牢性の観点から、MFTよりも10℃以上高い温度で加熱してもよく、更に、20℃以上高い温度で加熱してもよい。加熱ユニット5Cは、例えば、赤外線等の各種ランプ、温風ファン等、公知の加熱デバイスを用いることができる。加熱効率の点で、赤外線ヒータを用いることができる。いずれの構成においても、転写体2に対しできる限り一様に加熱するように動作させることが望ましい。なお、樹脂を含まないインクを用いる場合、吸収ユニット5Bを省略し、加熱ユニット5Cにインクを濃縮させる機能を集約する構成としてもよい。
清掃ユニット5Dは、転写後に転写体2の外周面を清掃する。清掃ユニット5Dは、転写体2上に残留したインクや、転写体2上のごみ等を除去する。清掃ユニット5Dは、例えば、多孔質部材を転写体2の外周面に接触させる方式、ブラシで転写体2の外周面を擦る方式、ブレードで転写体2の外周面をかきとる方式等の公知の方式を適宜用いることができる。また、清掃に用いる清掃部材は、ローラ形状、ウェブ形状等、公知の形状を用いることができる。
反応液付与ユニット5A、吸収ユニット5B、加熱ユニット5C、清掃ユニット5Dのいずれかは転写体2の冷却機能を備えていてもよい。あるいは、冷却ユニットを追加してもよい。加熱ユニット5Cの熱により転写体2の温度が上昇する場合がある。記録ユニット3により転写体2にインクを吐出した後、インク像がインクの主溶剤である水の沸点を超えると、吸収ユニット5Bによる液体成分の吸収性能が低下する場合がある。吐出されたインクが水の沸点未満に維持されるように転写体2を冷却することで、液体成分の吸収性能を維持することができる。冷却ユニットは、転写体2に送風する送風機構や、転写体2に部材(例えばローラ)を接触させ、この部材を空冷または水冷で冷却する機構であってもよい。冷却ユニットは、清掃ユニット5Dの清掃部材を冷却する機構であってもよい。冷却タイミングは、転写後、反応液の付与前までの期間であってもよい。
吸収ユニット5Bにおける液体の吸収性能のムラや、加熱ユニット5Cの加熱機能の機構特性上の出力ムラの影響により、インク像の単位面積当たりの表面に対する液体成分の除去量にムラが生じる。この課題を解決するための構成は後で詳細に述べる。
<供給ユニット>
供給ユニット6は、記録ユニット3の各記録ヘッド30にインクを供給する。供給ユニット6は、インクの種類毎に、インクを貯留する貯留部TKを備える。各貯留部TKと各記録ヘッド30とは流路6aで連通し、貯留部TKから記録ヘッド30へインクが供給される。流路6aは、貯留部TKと記録ヘッド30との間でインクを循環させる流路であってもよく、供給ユニット6はインクを循環させるポンプ等を備えてもよい。
<搬送装置>
搬送装置1Bは、記録媒体P1を転写ユニット4へ給送し、インク像が転写された記録物P2を転写ユニット4から排出する装置である。搬送装置1Bは、給送ユニット7、複数の搬送胴8、8a、二つのスプロケット8b、チェーン8c及び回収ユニット8dを含む。図1において、搬送装置1Bの各要素の内側の矢印はその要素の循環方向を示し、外側の矢印は記録媒体P1または記録物P2の搬送経路を示している。記録媒体P1は給送ユニット7から転写ユニット4へ搬送され、記録物P2は転写ユニット4から回収ユニット8dへ搬送される。給送ユニット7側を搬送方向で上流側と呼び、回収ユニット8d側を下流側と呼ぶ場合がある。
給送ユニット7は、複数の記録媒体P1が積載される積載部を含むと共に、積載部から一枚ずつ記録媒体P1を、最上流の搬送胴8に給送する給送機構を含む。各搬送胴8、8aはY方向の回転軸周りに回転する回転体であり、円筒形状の外周面を有している。各搬送胴8、8aの外周面には、記録媒体P1(または記録物P2)の先端部を保持するグリップ機構が少なくとも一つ設けられている。各グリップ機構は、隣接する搬送胴間で記録媒体P1が受け渡されるように、その把持動作及び解除動作が制御される。
二つの搬送胴8aは、記録媒体P1の反転用の搬送胴である。記録媒体P1を両面記録する場合、外周面への転写後に、圧胴42から下流側に隣接する搬送胴8へ記録媒体P1を渡さずに、搬送胴8aに渡す。記録媒体P1は、二つの搬送胴8aを経由して表裏が反転され、圧胴42の上流側の搬送胴8を経由して再び圧胴42へ渡される。これにより、記録媒体P1の裏面が転写体41に面することになり、裏面にインク像が転写される。チェーン8cは、二つのスプロケット8b間に巻き回されている。二つのスプロケット8bの一方は駆動スプロケットであり他方は従動スプロケットである。駆動スプロケットの回転によりチェーン8cが循環的に走行する。チェーン8cには、その長手方向に離間して複数のグリップ機構が設けられている。グリップ機構は、記録物P2の端部を把持する。下流端に位置する搬送胴8からチェーン8cのグリップ機構に記録物P2が渡され、グリップ機構に把持された記録物P2はチェーン8cの走行により回収ユニット8dへ搬送され、把持が解除される。これにより記録物P2が回収ユニット8d内に積載される。
<後処理ユニット>
搬送装置1Bには、後処理ユニット10A、10Bが設けられている。後処理ユニット10A、10Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P2に対して後処理を行う機構である。後処理ユニット10Aは、記録物P2の表面に対する処理を行い、後処理ユニット10Bは、記録物P2の裏面に対する処理を行う。処理の内容としては、例えば、記録物P2の画像記録面への、画像の保護や艶出し等を目的としたコーティングを挙げることができる。コーティングの内容としては、例えば、液体の塗布、記録媒体の溶着、ラミネート等を挙げることができる。
<検査ユニット>
搬送装置1Bには、検査ユニット9A、9Bが設けられている。検査ユニット9A、9Bは転写ユニット4よりも下流側に配置され、記録物P2の検査を行う機構である。検査ユニット9Aは、記録物P2に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮影素子を含む。検査ユニット9Aは、連続的に行われる記録動作中に、記録画像を撮影する。検査ユニット9Aが撮影した画像に基づいて、記録画像の色味などの経時変化を確認し、画像データあるいは記録データの補正の可否を判断することができる。検査ユニット9Aは、圧胴42の外周面に撮影範囲が設定されており、転写直後の記録画像を部分的に撮影可能に配置されている。検査ユニット9Aにより全ての記録画像の検査を行ってもよいし、所定数毎に検査を行ってもよい。検査ユニット9Bも、記録物P2に記録された画像を撮影する撮影装置であり、例えば、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮影素子を含む。検査ユニット9Bは、テスト記録動作において記録画像を撮影する。検査ユニット9Bは、記録画像の全体を撮影し、検査ユニット9Bが撮影した画像に基づいて、記録データに関する各種の補正の基本設定を行うことができる。検査ユニット9Bはチェーン8cで搬送される記録物P2を撮影する位置に配置されている。検査ユニット9Bにより記録画像を撮影する場合、チェーン8cの走行を一時的に停止して、その全体を撮影する。検査ユニット9Bは、記録物P2上を走査するスキャナであってもよい。
<制御ユニット>
次に、画像記録装置1の制御ユニットについて説明する。図2,3は画像記録装置1の制御ユニット13のブロック図である。制御ユニット13は、上位装置(DFE)HC2に通信可能に接続され、また、上位装置HC2はホスト装置HC1に通信可能に接続される。
ホスト装置HC1では、記録画像の元になる原稿データが生成、あるいは保存される。原稿データは、例えば、文書ファイルや画像ファイル等の電子ファイルの形式で生成される。原稿データは上位装置HC2へ送信され、上位装置HC2は、受信した原稿データを制御ユニット13で利用可能なデータ形式(例えば、RGBで画像を表現するRGBデータ)に変換する。変換後のデータは、画像データとして上位装置HC2から制御ユニット13へ送信され、制御ユニット13は受信した画像データに基づき、記録動作を開始する。
制御ユニット13は、メインコントローラ13Aと、エンジンコントローラ13Bとに大別される。メインコントローラ13Aは、処理部131、記憶部132、操作部133、画像処理部134、通信I/F(インタフェース)135、バッファ136及び通信I/F137を含む。処理部131は、CPU等のプロセッサであり、記憶部132に記憶されたプログラムを実行し、メインコントローラ13A全体の制御を行う。記憶部132は、RAM、ROM、ハードディスク、SSD等の記憶デバイスであり、CPU131が実行するプログラムや、データを格納し、また、CPU131にワークエリアを提供する。操作部133は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力デバイスであり、ユーザの指示を受け付ける。画像処理部134は例えば画像処理プロセッサを有する電子回路である。通信I/F135は上位装置HC2との通信を行う。バッファ136は、例えば、RAM、ハードディスクやSSDである。通信I/F137はエンジンコントローラ13Bとの通信を行う。
図2において破線矢印は、画像データの処理の流れを例示している。上位装置HC2から通信IF135を介して受信された画像データは、バッファ136に蓄積される。画像処理部134はバッファ136から画像データを読み出し、読み出した画像データに所定の画像処理を施して、再びバッファ136に格納する。バッファ136に格納された画像処理後の画像データは、プリントエンジンが用いる記録データとして、通信I/F137からエンジンコントローラ13Bへ送信される。
図3に示すように、エンジンコントローラ13Bは、制御部14、15A〜15Eを含み、画像記録装置1が備えるセンサ群及びアクチュエータ群16の検出結果の取得及び駆動制御を行う。これらの各制御部は、CPU等のプロセッサ、RAMやROM等の記憶デバイス、外部デバイスとのインタフェースを含む。なお、制御部の区分けは一例であり、一部の制御を更に細分化した複数の制御部で実行してもよいし、逆に、複数の制御部を統合して、それらの制御内容を一つの制御部で行うように構成してもよい。
エンジン制御部14は、エンジンコントローラ13Bの全体の制御を行う。記録制御部15Aは、メインコントローラ13Aから受信した記録データを、各記録ヘッド30が吐出する色ごとのデータに分割し、さらにラスタデータ等の画素毎の位置情報と吐出デューティ値(以下、デューティ値)を表すデータ形式に変換する。ここで位置情報は、例えば紙面の左上端を基準位置としたXY値の画素番号であり、デューティ値は、0〜15の16段階の整数値である。転写率向上剤用の画像データは、通常、他のすべての色の画像データと重なる位置において、1以上のデューティ値を持つ。
記録制御部15Aは吐出に関する各種パラメータを制御することで、各記録ヘッド30の吐出制御を行う。また、記録制御部15Aは、画素ごとのデータを、さらに、どの画素を記録ヘッド30のどの吐出口に割り当てるかを指定したデータ形式(吐出口指定データ)に変換する。画素ごとのデータから吐出口指定データへの変換に際しては、例えば、画素の位置情報とデューティ値ごとに、どの吐出口を使用するかを定めたデータ展開テーブルを適用する方法がある。データ展開テーブルは、例えば、図10に示すような、各画素位置と各デューティ番号(0〜15)の組み合わせごとに、記録ヘッド30のどの吐出口を使用するかを定めた吐出口セット情報(吐出口セット情報)を保持するテーブルである。一例として、画素位置1とデューティ値2の組み合わせに対して指定された「nozzle_set_1_2」は、画素位置1とデューティ値2の組み合わせに対する吐出口セット情報を示す。例えば一つの画素に割り当て可能な最大吐出口数が8(No.1〜No.8の吐出口とする)であり、デューティ値が2の場合、吐出口No.1,6が指定されるとする。この場合、上述したnozzle_set_1_2には吐出口No.1,6を指定するデータが保存されている。デューティ値が小さい場合少ない数の吐出口が割り当てられ、デューティ値が大きい場合多い数の吐出口が割り当てられる。デューティ値0はインクを吐出しないことを意味し、デューティ番号0には吐出口の割り当ては行われない。吐出口セット情報は、一例では、各記録ヘッド30の制御ハードウェアのレジスタに設定される。
転写制御部15Bは、反応液付与ユニット5Aの制御、吸収ユニット5Bの制御、加熱ユニット5Cの制御、及び清掃ユニット5Dの制御を行う。信頼性制御部15Cは、供給ユニット6の制御、回復ユニットの制御、及び記録ユニット3を吐出位置と回復位置との間で移動させる駆動機構の制御を行う。搬送制御部15Dは、搬送装置1Bの制御を行う。検査制御部15Eは、検査ユニット9A,9Bの制御を行う。センサ群及びアクチュエータ群16は、可動部の位置や速度を検出するセンサ、温度を検出するセンサ、撮影素子等のセンサ群を含み、アクチュエータ群はモータ、電磁ソレノイド、電磁バルブ等を含む。
<記録動作>
図4は記録動作の例を模式的に示す図である。転写体41及び圧胴42が回転されつつ、以下の各工程が循環的に行われる。状態ST1に示すように、始めに転写体2上に反応液付与ユニット5Aから反応液Lが付与される。転写体2上の反応液Lが付与された部位は転写体41の回転に伴って移動していく。反応液Lが付与された部位が記録ヘッド30の下に到達すると、状態ST2に示すように記録ヘッド30から転写体2にインクが吐出される。これによりインク像IMが形成される。その際、吐出されるインクが転写体2上の反応液Lと混ざりあうことで、色材の凝集が促進される。吐出されるインクは、供給ユニット6の貯留部TKから記録ヘッド30に供給される。
転写体2上のインク像IMは転写体2の回転に伴って移動していく。インク像IMが吸収ユニット5Bに到達すると状態ST3に示すように吸収ユニット5Bによりインク像IMから液体成分が吸収される。インク像IMが加熱ユニット5Cに到達すると状態ST4に示すように加熱ユニット5Cによりインク像IMが加熱され、インク像IM中の液体成分が蒸発するとともにインク像IM中の樹脂が溶融し、インク像IMが造膜される。このようなインク像IMの形成に同期して、搬送装置1Bにより記録媒体P1が搬送される。
状態ST5に示すように、インク像IMと記録媒体P1とが転写体2と圧胴42とのニップ部11に到達し、記録媒体P1にインク像IMが転写され、記録物P2が製造される。ニップ部11を通過すると、記録物P2に記録された画像が検査ユニット9Aにより撮影され、記録画像が検査される。記録物P2は搬送装置1Bにより回収ユニット8dへ搬送される。
転写体2上のインク像IMが形成されていた部分は、清掃ユニット5Dに到達すると状態ST6に示すように清掃ユニット5Dにより清掃される。清掃後、転写体2は一回転したことになり、同様の手順で記録媒体P1へのインク像の転写が繰り返し行われる。上記の説明では理解を容易にするために、転写体2の一回転で一枚の記録媒体P1へのインク像IMの転写が行われるように説明したが、転写体2の一回転で複数枚の記録媒体P1へのインク像IMの転写を連続的に行うことができる。
<転写率向上剤吐出ヘッドの吐出量の調整手段>
次に、転写率向上剤吐出ヘッドの吐出量を調整する手段について説明する。転写率向上剤吐出ヘッドの吐出量の調整手段の概略は次の通りである。まず、テスト記録動作の一部として、状態ST3及び状態ST4において吸収ユニット5Bと加熱ユニット5Cがインク像IMから除去する単位面積当たりの水分量の推定を行う。次に、この水分量に応じて転写率向上剤の単位面積あたりの吐出量を変更するデータ変換テーブルを作成する。そして、記録動作時に、記録制御部15Aにおいて、データ変換テーブルを用いて転写率向上剤吐出ヘッドの吐出口ごとの吐出量を変更する。
<液体除去量の検出>
状態ST3及び状態ST4において液体除去ユニット5E、すなわち吸収ユニット5Bと加熱ユニット5Cがインク像IMから除去する単位面積当たりの水分量を検出する方法について説明する。一例としては、テスト記録動作として、第1のパターン(以下、テストパターンという)を含む画像データを印刷し、印刷結果を検査ユニット9Bにより撮影し、得られた記録画像データを解析することで、単位面積あたりの液体除去量が算出ないし推定される。すなわち、まず転写体41の外周面に液体を含む物質の第1の像が形成される(第1の像形成工程)。次に、転写体41上の第1の像に含まれる液体の一部が除去される(第1の液体除去工程)。次に、液体の一部が除去された第1の像が第1の記録媒体に転写される(第1の転写工程)。次に、第1の液体除去工程における液体の除去量が、転写体41上の所定の区画毎に検出される(検出工程)。液体除去ユニット5Eでの液体の除去量を検出する検出手段は主に検査ユニット9Bと記録制御部15Aから構成される。テスト記録動作は、通常の記録動作と同様の記録条件で、<記録動作>で述べた各ステップに従って行う。状態ST3及び状態ST4では吸収ユニット5Bと加熱ユニット5Cを動作させる。
図6は、図5に示すパターン画像201を記録媒体に印刷し、記録媒体を検査ユニット9Bで撮影することによって得られた記録画像データ203の例である。記録画像データ203内の破線は、記録媒体を所定の大きさの区画209で格子状に分割する分割線を示しており、ここでは、所定の区画209は単位面積の正方形領域とされている。図6にはいくつかの区画204〜207の拡大図も示している。テストパターンは複数のサブパターン210からなっている。サブパターン210は同一径の円形のドットであり、使用可能な最大の画像記録領域に同一サイズのドットが等間隔に同一パターンで複数個配置されている。各区画209には複数個(本実施形態では4つ)の同一形状のサブパターン210が同一の配置パターンで配置されているため、各区画209を同一の条件で評価することができる。サブパターン210の形状及び配置は限定されず、四角形、楕円形などの他の形状であってもよい。しかし、次に述べるように、円形のサブパターン210は半径を測定することで液体除去量を容易に判定できるため、他の形状より好ましい。
図6を参照すると、撮影装置で撮影されたインク像の画像データがテストパターンの記録画像データと比較される。区画204ではドットが高品位に印字されているが、区画205ではかすれが生じており、区画206,207では、ドットに滲みが生じている。かすれの発生原因は、転写前の状態ST3及び状態ST4において吸収ユニット5Bと加熱ユニット5Cによる液体除去量が所定の値に対して過剰であり、インク像IM上の水分量が不足していることにある。滲みの発生原因は、逆に、吸収ユニット5Bと加熱ユニット5Cによる液体除去量が所定の値に対して不足しており、インク像IM上に余分な水分が残っていることにある。すなわち、記録画像データ203の各区画209におけるかすれと滲み度合いをマップ化することで、吸収ユニット5Bと加熱ユニット5Cの単位面積当たりの液体除去量を推定できる。そこで、各区画において、撮影装置で撮影されたサブパターン210の像の平均径が記録画像データ203のサブパターン210の平均径と比較される。例えば、パターン画像201のドットの直径と記録画像データ203のそれぞれのドットの直径との差分を計算し、区画ごとに差分の平均値を算出し、これを各区画における液体残留レベルと定義することができる。この工程は記録制御部15Aによって行われる。かすれの影響が大きく、全くドットが転写されていない場合は、直径を0として差分計算を行う。各区画のサブパターン210の総面積または平均面積の差分を計算することもできる。この方法はサブパターン210が円形でない場合にも用いることができる。
<転写率向上剤の吐出量変換テーブルの生成>
次に、水分量に応じて単位面積あたりの転写率向上剤吐出量を変更するデータ変換テーブルを作成する。この工程も記録制御部15Aによって行われる。図7は、転写率向上剤の吐出量変換テーブル208の例である。吐出量変換テーブル208は、記録領域を単位面積によって区画209に分割し、各区画209における転写率向上剤の吐出量のレベル(補正値)を−3〜3の7段階の整数で定義している。吐出量のレベルは、パターン画像の記録画像データ203の、各区画209での液体残留レベルの数値をもとに、液体残留レベルが高い領域は、吐出量レベルを低く、液体残留レベルが低い領域は、吐出量レベルを高くするように、線形変換した値を設定している。生成した吐出量変換テーブル208のデータは、エンジンコントローラ13Bの記録制御部15Aが参照できるメモリ領域などに保持しておく。また、本実施形態においては、一例として吐出量レベルを−3〜3の7段階の整数で定義しているが、吐出量レベルはこの値の範囲に限らず、また小数値で定義してもよい。
<転写率向上剤の吐出量変更制御>
次に、補正値の算出後に記録動作を行う際に、記録制御部15Aにおいて、吐出量変換テーブル208を用いて転写率向上剤吐出ヘッドの吐出口ごとの吐出量を変更する動作について説明する。図8は、記録制御部15Aにおける、転写率向上剤の吐出量変更制御のフローチャートである。ステップS101において、記録制御部15Aは、メインコントローラ13Aから受信した画像データを受信する。この画像データは第2のパターンの画像を有しており、第2のパターンは通常は第1のパターン(テストパターン)と異なるが、第1のパターンと同一でもよい。次に、ステップS102で、画像データをラスタデータ等の画素毎の位置情報と吐出デューティ値を表すデータ形式に変換する。次に、ステップS103で、吐出量変換テーブル208を適用し、各画素のデューティ値を変更する。ここで、吐出変換テーブル208の適用方法の詳細について、図9を用いて説明する。まずステップS201において、着目する画素が吐出量変換テーブル208のどの区画209に属するかを検索する。次に、ステップS202において、吐出量変換テーブルから該当する区画209における吐出量レベルの値を取得する。次に、ステップS203において、画素のデューティ値にステップS202で得られた吐出量レベルの値を加算して、新たなデューティ値を設定する。従って、転写体上の各区画209において、除去量が所定の値よりも大きいときはインク像に含まれる液体の量が増加し、所定の値よりも小さいときは像に含まれる液体の量が減少することになる。ステップS203の結果が0以下となった場合は、ステップS204、ステップS205に従い、画素のデューティ値を1に設定する。ステップS203の結果が16以上になった場合は、ステップS206、ステップS207に従い、画素のデューティ値を15に設定する。図9のフローチャートの処理を、画像データの各画素に対して行うことで、吐出用変換テーブルの適用を行う。吐出量変換テーブルの適用処理が完了したら、図8のステップS104において、吐出口指定データへの変換を行う。
上記吐出量変更制御を行うことで、記録動作時においては、常に、吸収ユニット5Bと加熱ユニット5Cの単位面積当たりの液体除去量が考慮された、転写率向上剤の吐出口指定データが生成される。その結果、転写時におけるインク像IMの表面の水分量が均一化される。このことにより、吸収ユニット5Bと加熱ユニット5Cの機構上のムラなどにより、単位面積当たりの液体除去量が均一でない画像記録装置1であっても、その機構によらず、ムラの影響を低減し、高品位な記録画像を生成することができる。なお、第2のパターンを記録媒体に記録する工程は第1のパターンを記録媒体に記録する工程と同じである。すなわち、まず転写体41の外周面に液体を含む物質の第2の像が形成される(第2の像形成工程)。次に、転写体41上の第2の像に含まれる液体の一部が除去される(第2の液体除去工程)。次に、液体の一部が除去された第2の像が第2の記録媒体に転写される(第2の転写工程)。
また、画像記録装置1においては、吸収ユニット5Bと加熱ユニット5Cの経年変化や部品交換により、単位面積当たりの液体除去量の変化が発生することが想定される。その場合は、定期的なメンテナンスや、部品交換後の起動に合わせて再度、吐出量変更テーブルを作成することで、液体除去量の変化に応じた吐出量制御を行うことができる。
なお、本実施形態においては、インク像の水分量調整のために、転写率向上剤の吐出量の変更制御を行っているが、他のインクではなく、転写率向上剤を用いている主要な理由は二つある。一つめの理由は、転写率向上剤が色剤を含まないので、吐出量を変更したときの記録画像品質への影響が小さいためである。二つめの理由は、転写率向上剤は吐出領域R2から最後に吐出されるものであることである。転写率向上剤はヘッドから最後に吐出されるため、転写体2上に形成されたインク像においては最も表層に位置する。すなわち、吸収ユニット5Bにおける水分の吸収効率が最も高くなる。よって、吐出量の調整結果を効率的に反映することができるので、制御上の都合がよい。以上の理由から、転写率向上剤に対して吐出量の変更制御を行うのが最適である。
<他の実施形態>
上述の実施形態では、<転写率向上剤の吐出量変更制御>において、画像データの画素ごとに、吐出量変更テーブル208を適用しているが、他の実施形態として、図10に示す吐出口指定データへの展開テーブルに対して適用することも可能である。この場合、記録制御部15Aは、記録動作の開始より前に図11に示すフローチャートの処理を実行する。まず、ステップS301において、着目画素が吐出変換テーブル208のどの区画に属するかを検索する。次に、ステップS302において、該当区画における吐出量変換テーブルの吐出レベル値を取得する。ここで取得した吐出レベル値をシフト量(補正値)とする。次にステップS303以降の処理を、図10の吐出口指定データ展開テーブルのデューティ番号1から15に対して適用する。ステップS304において、デューティ番号とシフト量の和が0以下になる場合は、ステップS305に進む。ステップS305において、吐出口セットの値を、デューティ番号1の吐出口セットの値に置き換える。ステップS304において、NOの分岐に進んだ場合は、ステップS306に進み、デューティ番号とシフト量の和が16以上の場合は、さらにステップS307に進み、吐出口セットの値を、デューティ番号15の吐出口セットの値に置き換える。ステップS306でNOの分岐に進んだ場合は、ステップS308に進み、吐出口セットの値を、デューティ番号にシフト量(補正値)を加算した値のデューティ番号の吐出口セットの値に置き換える。具体的には、例えば図10の吐出口指定データ展開テーブルの画素位置3について、吐出量変換テーブルのこの画素位置の該当区画での吐出レベル値が+1だった場合、図12(a)のように書き換えられる。図示の例では、「nozzle_set_3_1」〜「nozzle_set_3_14」はそれぞれデューティ番号が1つ多い「nozzle_set_3_2」〜「nozzle_set_3_15」に書き換えられる。これによって、多くの吐出口から当該画素に対して転写率向上剤が吐出されることになる。同様に、吐出レベル値が−1だった場合、図12(b)のように書き換えられる。以上の処理を、すべての画素位置に対して実施することで、吐出量変換テーブルが吐出口指定データ展開テーブルに適用される。
記録動作時においては、記録制御部15Aにおいて、吐出量変換テーブルが適用された吐出口指定データ展開テーブルを用いて、画像データを吐出口指定データへと変換する。このことにより、記録動作時においては、常に、吸収ユニット5Bと加熱ユニット5Cの単位面積当たりの液体除去量が考慮された、転写率向上剤の吐出口指定データが生成される。その結果、転写時におけるインク像IMの表面の水分量が均一化される。このことにより、吸収ユニット5Bと加熱ユニット5Cの機構上のムラなどにより、単位面積当たりの液体除去量が均一でない画像記録装置1であっても、その機構によらず、ムラの影響を低減し、高品位な記録画像を生成することができる。
上記実施形態では、記録ヘッド30はフルラインヘッドであるが、記録ヘッド30をY方向に走査させながらインク像を形成するシリアル方式であってもよい。
記録媒体P1の搬送機構は、ローラ対によって記録媒体P1を挟持して搬送する方式等、他の方式であってもよい。ローラ対によって記録媒体P1を搬送する方式等においては、記録媒体P1としてロール記録媒体を用いてもよく、転写後にロール記録媒体をカットして記録物P2を製造してもよい。
上記実施形態では、転写体2を転写体41の外周面に設けたが、転写体2を無端の帯状に形成し、循環的に走行させる方式等、他の方式であってもよい。
テストパターンの記録画像データを得る手段としては、搬送装置1B内に設定された検査ユニット9Bを用いているが、印刷結果を装置外部のスキャナでスキャンしてデータとして取り込む構成でもよい。
吐出量変換テーブル208のデータは、メインコントローラ13Aの記憶部132に記憶する構成でもよい。その場合は、装置の起動時などの、記録動作開始前のタイミングで、メインコントローラ13Aからエンジンコントローラ13Bへ、吐出量変換テーブル208のデータを転送する構成をとることができる。
上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムがネットワークまたは記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給され、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行するようにしてもよい。上記の処理は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1 画像記録装置。
2 転写体
3 記録ユニット
4 転写ユニット
5E 液体除去ユニット
11 ニップ部
14、15A〜15E 制御部
42 圧胴

Claims (9)

  1. ニップ部を形成する転写体と圧胴とを有し、前記ニップ部で、前記転写体の外周面に形成された液体を含む物質の像を記録媒体に転写する転写ユニットと、
    前記転写体の前記外周面に前記像を形成する記録ユニットと、
    前記記録ユニットと前記ニップ部との間に位置し、前記像に含まれる液体の一部を除去する液体除去ユニットと、
    前記液体除去ユニットにおける前記液体の除去量を前記転写体の前記外周面の所定の区画毎に検出する検出手段と、
    前記外周面の各区画において、検出された前記除去量が所定の値よりも大きいときは前記像に含まれる前記液体の量を増加させ、前記所定の値よりも小さいときは前記像に含まれる前記液体の量を減少させるように前記記録ユニットを制御する制御部と、を有する画像記録装置。
  2. 前記記録ユニットは第1のパターンの前記像を形成し、
    前記検出手段は前記記録媒体に転写された前記像の撮影装置を有し、
    前記制御部は、各区画において、前記撮影装置で撮影された前記像の画像データを前記第1のパターンの画像データと比較することにより、各区画において前記除去量が前記所定の値よりも大きいか小さいかを判定する、請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記第1のパターンは複数のサブパターンからなり、各区画には少なくとも一つの前記サブパターンが含まれ、前記制御部は、各区画において、前記撮影装置で撮影された前記サブパターンの像の総面積を前記サブパターンの総面積と比較することにより、各区画において前記除去量が前記所定の値よりも大きいか小さいかを判定する、請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 前記サブパターンは同一の形状からなり、かつすべての前記区画で、同じ数の前記サブパターンが同一の配置パターンで配置されている、請求項3に記載の画像記録装置。
  5. 前記サブパターンは各区画に複数個配置された同一径の円形であり、前記制御部は、各区画において、前記撮影装置で撮影された前記サブパターンの像の平均径を前記サブパターンの平均径と比較することにより、各区画において前記除去量が前記所定の値よりも大きいか小さいかを判定する、請求項4に記載の画像記録装置。
  6. 前記制御部は、前記第1のパターンに基づく前記判定の結果に応じ、区画毎に吐出デューティの補正値を算出し、
    前記制御部は、前記補正値の算出後に第2のパターンの画像を記録媒体に記録する際に、当該第2のパターンの画像データに基づき、画素毎の吐出デューティ値を作成し、各画素の吐出デューティ値を当該画素が含まれる区画の前記補正値で補正し、補正された吐出デューティ値に基づき前記像の各画素に含まれる前記液体の量を制御する、請求項2から5のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  7. 前記記録ユニットは、画素毎に複数個割り当てられた、前記物質を吐出する複数の吐出口を有し、
    前記制御部は、各画素と各吐出デューティ値の組み合わせ毎にどの吐出口から前記物質を吐出させるかを指定した吐出口セット情報が設定された展開テーブルを有し、
    前記制御部は、前記第1のパターンに基づく前記判定の結果に応じ、区画毎に吐出デューティの補正値を算出し、
    前記制御部は、第2のパターンの画像を記録媒体に記録する際に、各画素と各吐出デューティ値の組み合わせに対して設定された前記吐出口セット情報を、当該画素が含まれる区画の前記補正値に基づき、当該画素の他の吐出デューティ値に対して設定された吐出口セット情報に書き換え、書き換えられた前記展開テーブルに基づき前記像の各画素に含まれる前記液体の量を制御する、請求項2から5のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  8. 前記物質は、インクと、前記液体を含み前記転写体上への前記像の転写率を向上させる転写率向上剤と、を含み、
    前記記録ユニットは、前記インクを吐出するインク吐出ヘッドと、前記インク吐出ヘッドと前記液体除去ユニットとの間に位置し、前記転写率向上剤を吐出する転写率向上剤吐出ヘッドと、を有し、
    前記制御部は、各区画において前記転写率向上剤吐出ヘッドから吐出される前記転写率向上剤の吐出量を制御する、請求項1から7のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  9. 転写体の外周面に液体を含む物質の第1の像を形成する第1の像形成工程と、
    前記転写体上の前記第1の像に含まれる液体の一部を除去する第1の液体除去工程と、
    前記液体の一部が除去された前記第1の像を第1の記録媒体に転写する第1の転写工程と、
    第1の液体除去工程における前記液体の除去量を、前記転写体上の所定の区画毎に検出する検出工程と、
    前記転写体の前記外周面に液体を含む物質の第2の像を形成する第2の像形成工程と、
    前記転写体上の前記第2の像に含まれる液体の一部を除去する第2の液体除去工程と、
    前記液体の一部が除去された前記第2の像を第2の記録媒体に転写する第2の転写工程と、を有し、
    前記第2の像形成工程を行う際に、前記転写体上の各区画において、前記検出工程で検出された前記除去量が所定の値よりも大きいときは前記第2の像に含まれる前記液体の量を増加させ、前記所定の値よりも小さいときは前記第2の像に含まれる前記液体の量を減少させる、画像記録方法。
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