JP2019104098A - 微小電子機械デバイス及びその検査方法、加速度センサ並びに可動ミラー装置 - Google Patents

微小電子機械デバイス及びその検査方法、加速度センサ並びに可動ミラー装置 Download PDF

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【課題】ねじれ梁に存在し得る微小な損傷をより高い精度で検査し得るように構成されている微小電子機械デバイスを提供する。【解決手段】微小電子機械デバイス1は、第1ねじれ梁20aと、第1可動構造体22aと、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つとを備える。第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つは、第1可動構造体22aに面している。基板10の主面10pの法線に沿う第2の方向に沿う第1可動構造体22aの並進変位運動の第1固有周波数が、第1ねじれ軸21a回りの第1可動構造体22aの回転変位運動の第2固有周波数よりも大きくなるように、第1ねじれ梁20aは構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、微小電子機械デバイス及びその検査方法、加速度センサ並びに可動ミラー装置に関する。
特開2013−152111号公報(特許文献1)は、基板と、基板上に固定されたアンカーと、ねじれ梁と、検出フレームと、慣性質量体と、自己診断回路とを備える加速度センサを開示している。ねじれ梁は、アンカーに接続され、かつ、ねじれ軸を中心としてねじれ得るように構成されている。検出フレームは、ねじれ軸を中心として回転可能に、ねじれ梁に連結されている。慣性質量体は、リンク梁を介して検出フレームに連結されている。自己診断回路は、慣性質量体を強制的に変位させることによって、加速度センサが破壊されているか否かを診断する。
特開2013−152111号公報
本発明の目的は、ねじれ梁に存在し得る微小な損傷をより高い精度で検査し得るように構成されている微小電子機械デバイス、加速度センサ及び可動ミラー装置を提供することである。本発明の別の目的は、ねじれ梁に存在し得る微小な損傷をより高い精度で検査し得る微小電子機械デバイスの検査方法を提供することである。
本発明の微小電子機械デバイスは、基板と、アンカーと、ねじれ梁と、可動構造体と、第1電極及び第2電極の少なくとも1つとを備える。アンカーは、基板の主面から突出し、かつ、基板に固定されている。ねじれ梁は、アンカーに連結されている。可動構造体は、ねじれ梁のねじれ軸を中心に回転し得るように、ねじれ梁を介してアンカーに連結されている。可動構造体は、第1可動構造部分と第2可動構造部分とを含む。ねじれ梁は、第1可動構造部分と第2可動構造部分との間に位置している。第1電極及び第2電極の少なくとも1つは、基板の主面上に設けられている。第1電極は、第1可動構造部分に面している。第2電極は、第2可動構造部分に面している。第2の方向に沿う可動構造体の並進変位運動の第1固有周波数が、ねじれ軸回りの可動構造体の回転変位運動の第2固有周波数よりも大きくなるように、ねじれ梁は構成されている。第2の方向は、基板の主面の法線に沿っている。
本発明の加速度センサは、本発明の微小電子機械デバイスを備えている。本発明の可動ミラー装置は、本発明の微小電子機械デバイスを備えている。
本発明の微小電子機械デバイスの検査方法は、第1電極及び第2電極の少なくとも1つと可動構造体との間にパルス電圧を印加することを備える。パルス電圧の立ち上がり時間は、第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である。
本発明の微小電子機械デバイスの検査方法は、第1電極及び第2電極の少なくとも1つと可動構造体との間、並びに、第3電極と慣性質量体との間に、パルス電圧を印加することを備える。パルス電圧の立ち上がり時間は、第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である。
本発明の微小電子機械デバイスの検査方法では、微小電子機械デバイスは、第1電極と第2電極とを備える。本発明の微小電子機械デバイスの検査方法は、第1電極及び第2電極の一方と可動構造体との間にパルス電圧を印加することを備える。第1電極及び第2電極の他方と可動構造体との間にパルス電圧は印加されていない。パルス電圧の立ち上がり時間は、第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である。
本発明の微小電子機械デバイスの検査方法は、第3電極と慣性質量体との間にパルス電圧を印加することを備える。第1電極及び第2電極の少なくとも1つと可動構造体との間にパルス電圧は印加されていない。パルス電圧の立ち上がり時間は、第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である。
本発明の微小電子機械デバイスでは、ねじれ梁を検査する際、可動構造体がねじれ軸の回りに回転することが抑制されて、可動構造体を第2の方向に沿って相対的に大きく変位させることができる。そのため、本発明の微小電子機械デバイスは、ねじれ梁に存在し得る微小な損傷をより高い精度で検出し得るように構成されている。同様に、本発明の加速度センサ及び可動ミラー装置は、ねじれ梁に存在し得る微小な損傷をより高い精度で検出し得るように構成されている。
本発明の微小電子機械デバイスの検査方法では、ねじれ梁を検査する際、可動構造体がねじれ軸の回りに回転することが抑制または相対的に減少されて、可動構造体を第2の方向に沿って相対的に大きく変位させることができる。そのため、本発明の微小電子機械デバイスの検査方法は、ねじれ梁に存在し得る微小な損傷をより高い精度で検査し得る。
実施の形態1に係る微小電子機械デバイスの概略平面図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスの、図1に示される断面線II−IIにおける概略断面図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスに上向きの加速度が作用したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスに下向きの加速度が作用したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスにおける可動構造体の並進変位運動の動作を示す概略斜視図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスにおける可動構造体の並進変位運動の動作を示す概略斜視図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスにおける可動構造体の回転変位運動の動作を示す概略斜視図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスにおける可動構造体の回転変位運動の動作を示す概略斜視図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスの、図1に示される断面線IX−IXにおける概略断面図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスの、ねじれ梁のねじれ軸回りの可動構造体の回転変位運動の第2固有周波数に対する可動構造体の並進変位運動の第1固有周波数の比と、ねじれ梁の厚さに対するねじれ梁の幅の比との間の関係を示す図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスの、ねじれ梁のねじれ軸回りの可動構造体の回転変位運動の第2固有周波数に対する可動構造体の並進変位運動の第1固有周波数の比と、ねじれ梁の厚さとの間の関係を示す図である。 実施の形態1に係る加速度センサと、微小電子機械デバイスの検査部とを示す概略ブロック図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスに印加されるパルス電圧の波形を示す図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスの検査方法において、微小電子機械デバイスにパルス電圧を印加したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスに印加されるDC電圧の波形を示す図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスにDC電圧を印加したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスにDC電圧を印加したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスにDC電圧を印加したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスの検査方法のフローチャートを示す図である。 実施の形態1の変形例に係る微小電子機械デバイスの検査方法のフローチャートを示す図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスの検査方法における、第2の方向に沿う可動構造体のエッジの変位量と、ねじれ梁に印加される応力との関係を示す図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスの製造方法の一工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスの製造方法における、図22に示される工程の次工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る微小電子機械デバイスの製造方法における、図23に示される工程の次工程を示す概略断面図である。 実施の形態2に係る微小電子機械デバイスの検査方法において、微小電子機械デバイスにパルス電圧を印加したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。 実施の形態2の変形例に係る微小電子機械デバイスの検査方法において、微小電子機械デバイスにパルス電圧を印加したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。 実施の形態1、実施の形態2、実施の形態2の変形例及び実施の形態3に係る微小電子機械デバイスの検査方法における、パルス電圧の大きさと、ねじれ梁に印加される応力との関係を示す図であり、比較例の微小電子機械デバイスの検査方法における、DC電圧の大きさと、ねじれ梁に印加される応力との関係を示す図である。 実施の形態3に係る微小電子機械デバイスの検査方法において、微小電子機械デバイスにパルス電圧を印加したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。 実施の形態4に係る微小電子機械デバイスの検査方法を示す概略図である。 実施の形態5に係る微小電子機械デバイス及び可動ミラー装置の概略平面図である。 実施の形態5に係る微小電子機械デバイス及び可動ミラー装置の、図30に示される断面線XXXI−XXXIにおける概略断面図である。 実施の形態5に係る微小電子機械デバイス及び可動ミラー装置の概略斜視図である。 実施の形態5に係る微小電子機械デバイスの動作を示す概略斜視図である。 実施の形態5に係る微小電子機械デバイスの検査方法において、微小電子機械デバイスにパルス電圧を印加したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。 実施の形態5に係る微小電子機械デバイスの検査方法において、微小電子機械デバイスにパルス電圧を印加したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。 実施の形態5に係る微小電子機械デバイスの検査方法において、微小電子機械デバイスにパルス電圧を印加したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。 実施の形態5に係る微小電子機械デバイスの検査方法において、微小電子機械デバイスにDC電圧を印加したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。 実施の形態5に係る微小電子機械デバイスの検査方法において、微小電子機械デバイスにDC電圧を印加したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。 実施の形態5に係る微小電子機械デバイスの検査方法において、微小電子機械デバイスにDC電圧を印加したときの微小電子機械デバイスの動作を示す概略断面図である。
実施の形態1.
図1から図11を参照して、実施の形態1の微小電子機械デバイス1を説明する。本実施の形態の微小電子機械デバイス1は、微小電子機械システム(MEMS)装置であってもよい。
図1及び図2に示されるように、微小電子機械デバイス1は、基板10と、第1アンカー17aと、第1ねじれ梁20aと、第1可動構造体22aと、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つとを主に備える。微小電子機械デバイス1は、第1リンク梁25aと、慣性質量体27とをさらに備えてもよい。微小電子機械デバイス1は、第3電極16をさらに備えてもよい。
基板10は、主面10pを有する。基板10は、例えば、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板またはガラス基板であってもよい。基板10は、絶縁膜11を含んでもよい。絶縁膜11は、例えば、窒化シリコン膜または酸化シリコン膜であってもよい。
第1アンカー17aは、基板10の主面10pから突出し、かつ、基板10に固定されている。第1アンカー17aは、導電性ポリシリコンのような導電性材料で形成されてもよい。
第1ねじれ梁20aは、第1アンカー17aに連結されている。第1ねじれ梁20aは、基板10の主面10pに沿う第1の方向(y方向)に沿って延在しており、かつ、第1ねじれ軸21aの回りにねじれ得るように構成されている。第1ねじれ軸21aは、第1の方向(y方向)に沿って延在している。第1ねじれ軸21aは、第1の方向(y方向)に沿って延在する第1ねじれ梁20aの中心線上にあってもよい。第1ねじれ梁20aは、導電性ポリシリコンのような導電性材料で形成されてもよい。
第1可動構造体22aは、第1ねじれ軸21aを中心に回転し得るように、第1ねじれ梁20aを介して第1アンカー17aに連結されている。第1可動構造体22aは、基板10の主面10pから第2の方向(z方向)に間隔G1を空けて配置されている。第2の方向(z方向)は、基板10の主面10pの法線に沿っている。間隔G1は、10μm以下であってもよく、8μm以下であってもよく、6μm以下であってもよい。間隔G1は、微小電子機械デバイス1に加速度が作用せず、かつ、微小電子機械デバイス1に電圧が印加されていないときに測定される。
このように、第1可動構造体22aと基板10との間の間隔G1は狭い。第1可動構造体22aが高周波で変位するときに、第1可動構造体22aと基板10との間の空気は、第1可動構造体22aの動きに追随できず、第1可動構造体22aの変位に対して抗力として作用する(スクイズフィルムダンピング効果)。そのため、微小電子機械デバイス1の出力(加速度センサ2の感度)の周波数特性が、第1可動構造体22aの固有周波数においてピークが発生しない過減衰特性となる。第1可動構造体22aの固有周波数において微小電子機械デバイス1の出力(加速度センサ2の感度)にピークが発生することが防止され、微小電子機械デバイス1の出力(加速度センサ2の感度)の周波数特性が単調に変化する。
第1可動構造体22aは、第1可動板であってもよい。第1可動構造体22aは、導電性ポリシリコンのような導電性材料で形成されてもよい。第1可動構造体22aは、第1可動構造部分23aと第2可動構造部分24aとを含む。第1可動構造部分23aと第2可動構造部分24aとは、各々、第1の方向(y方向)に沿って延在している。第1ねじれ梁20aは、第1可動構造部分23aと第2可動構造部分24aとの間に位置している。
第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つは、基板10の主面10p上に設けられている。特定的には、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つは、絶縁膜11上に設けられている。第1電極13a及び第2電極14aは、導電性ポリシリコンのような導電性材料で形成されてもよい。第1電極13aは、第1可動構造部分23aに面している。第2電極14aは、第2可動構造部分24aに面している。特定的には、微小電子機械デバイス1は、第1電極13a及び第2電極14aの両方を備えてもよい。
本明細書において、第1電極13aが第1可動構造部分23aに面していることは、第1電極13aが第1可動構造部分23aにのみ面することと、第1電極13aが第2可動構造部分24aよりも大きな面積で第1可動構造部分23aに面するように、第1電極13aが第1可動構造部分23a及び第2可動構造部分24aに面していることとを含む。本明細書において、第2電極14aが第2可動構造部分24aに面していることは、第2電極14aが第2可動構造部分24aにのみ面することと、第2電極14aが第1可動構造部分23aよりも大きな面積で第2可動構造部分24aに面するように、第2電極14aが第1可動構造部分23a及び第2可動構造部分24aに面していることとを含む。
第1リンク梁25aは、第1可動構造体22aに連結されている。特定的には、第1リンク梁25aは、第2可動構造部分24aに接続されてもよく、かつ、第1可動構造部分23aに接続されていなくてもよい。第1リンク梁25aは、第1の方向(y方向)に延在している。第1リンク梁25aは、第1ねじれ梁20aに対して第3の方向(−x方向)に第1オフセット距離26aだけオフセットされて配置されている。第3の方向(x方向)は、基板10の主面10pに沿い、かつ、第1の方向(y方向)に垂直である。第1リンク梁25aは、導電性ポリシリコンのような導電性材料で形成されてもよい。
第3電極16は、主面10p上に設けられている。第3電極16は、導電性ポリシリコンのような導電性材料で形成されてもよい。
慣性質量体27は、基板10の主面10pに対向して配置されている。特定的には、慣性質量体27は、第3電極16に面している。慣性質量体27は、第1リンク梁25aを介して第1可動構造体22a(第2可動構造部分24a)に連結されている。慣性質量体27は、第2の方向(z方向)に変位し得るように構成されている。慣性質量体27は、導電性ポリシリコンのような導電性材料で形成されてもよい。
図1及び図2に示されるように、微小電子機械デバイス1は、第2アンカー17bと、第2ねじれ梁20bと、第2可動構造体22bと、第4電極13b及び第5電極14bの少なくとも1つとをさらに備えてもよい。微小電子機械デバイス1は、第2リンク梁25bをさらに備えてもよい。
第2アンカー17bは、基板10の主面10pから突出し、かつ、基板10に固定されている。第2アンカー17bは、導電性ポリシリコンのような導電性材料で形成されてもよい。
第2ねじれ梁20bは、第2アンカー17bに連結されている。第2ねじれ梁20bは、基板10の主面10pに沿う第1の方向(y方向)に沿って延在しており、かつ、第2ねじれ軸21bの回りにねじれ得るように構成されている。第2ねじれ軸21bは、第1の方向(y方向)に沿って延在している。第2ねじれ軸21bは、第1の方向(y方向)に沿って延在する第2ねじれ梁20bの中心線上にあってもよい。第2ねじれ梁20bは、導電性ポリシリコンのような導電性材料で形成されてもよい。
第2可動構造体22bは、第2ねじれ軸21bを中心に回転し得るように、第2ねじれ梁20bを介して第2アンカー17bに連結されている。第2可動構造体22bは、基板10の主面10pから第2の方向(z方向)に間隔G2を空けて配置されている。間隔G2は、10μm以下であってもよく、8μm以下であってもよく、6μm以下であってもよい。間隔G2は、微小電子機械デバイス1に加速度が作用せず、かつ、微小電子機械デバイス1に電圧が印加されていないときに測定される。
このように、第2可動構造体22bと基板10との間の間隔G2は狭い。第2可動構造体22bが高周波で変位するときに、第2可動構造体22bと基板10との間の空気は、第2可動構造体22bの動きに追随できず、第2可動構造体22bの変位に対して抗力として作用する(スクイズフィルムダンピング効果)。そのため、微小電子機械デバイス1の出力(加速度センサ2の感度)の周波数特性が、第2可動構造体22bの固有周波数においてピークが発生しない過減衰特性となる。第2可動構造体22bの固有周波数において微小電子機械デバイス1の出力(加速度センサ2の感度)にピークが発生することが防止され、微小電子機械デバイス1の出力(加速度センサ2の感度)の周波数特性が単調に変化する。
第2可動構造体22bは、第2可動板であってもよい。第2可動構造体22bは、導電性ポリシリコンのような導電性材料で形成されてもよい。第2可動構造体22bは、第3可動構造部分23bと第4可動構造部分24bとを含む。第3可動構造部分23bと第4可動構造部分24bとは、各々、第1の方向(y方向)に沿って延在している。第2ねじれ梁20bは、第3可動構造部分23bと第4可動構造部分24bとの間に位置している。
第4電極13b及び第5電極14bの少なくとも1つは、基板10の主面10p上に設けられている。特定的には、第4電極13b及び第5電極14bの少なくとも1つは、絶縁膜11上に設けられている。第4電極13b及び第5電極14bは、導電性ポリシリコンのような導電性材料で形成されてもよい。第4電極13bは、第3可動構造部分23bに面している。第5電極14bは、第4可動構造部分24bに面している。特定的には、微小電子機械デバイス1は、第4電極13b及び第5電極14bの両方を備えてもよい。
本明細書において、第4電極13bが第3可動構造部分23bに面していることは、第4電極13bが第3可動構造部分23bにのみ面することと、第4電極13bが第4可動構造部分24bよりも大きな面積で第3可動構造部分23bに面するように、第4電極13bが第3可動構造部分23b及び第4可動構造部分24bに面していることとを含む。本明細書において、第5電極14bが第4可動構造部分24bに面していることは、第5電極14bが第4可動構造部分24bにのみ面することと、第5電極14bが第3可動構造部分23bよりも大きな面積で第4可動構造部分24bに面するように、第5電極14bが第3可動構造部分23b及び第4可動構造部分24bに面していることとを含む。
第2リンク梁25bは、第2可動構造体22bに連結されている。特定的には、第2リンク梁25bは、第4可動構造部分24bに接続されてもよく、かつ、第3可動構造部分23bに接続されていなくてもよい。第2リンク梁25bは、第1の方向(y方向)に延在している。第2リンク梁25bは、第2ねじれ梁20bに対して第3の方向(+x方向)に第2オフセット距離26bだけオフセットされて配置されている。第2オフセット距離26bは、第1オフセット距離26aに等しくてもよいし、異なってもよい。第2リンク梁25bは、導電性ポリシリコンのような導電性材料で形成されてもよい。慣性質量体27は、第2リンク梁25bを介して第2可動構造体22b(第4可動構造部分24b)に連結されている。
第2アンカー17b、第2ねじれ梁20b、第3可動構造部分23b及び第4可動構造部分24bは、それぞれ、第1アンカー17a、第1ねじれ梁20a、第1可動構造部分23a及び第2可動構造部分24aに対して鏡面対称に配置されてもよい。第4電極13b及び第5電極14bの少なくとも1つは、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つに対して鏡面対称に配置されてもよい。特定的には、第4電極13bは、第1電極13aに対して鏡面対称に配置されてもよく、かつ、第5電極14bは、第2電極14aに対して鏡面対称に配置されてもよい。本実施の形態では、第2ねじれ梁20bに対して第2リンク梁25bがオフセットされる方向は、第1ねじれ梁20aに対して第1リンク梁25aがオフセットされる方向と逆であるが、第2ねじれ梁20bに対して第2リンク梁25bがオフセットされる方向は、第1ねじれ梁20aに対して第1リンク梁25aがオフセットされる方向と同じであってもよい。
図3及び図4を参照して、加速度センサ2として機能し得るように構成されている微小電子機械デバイス1の動作を説明する。
図3に示されるように、基板10の主面10pの法線方向に沿う上向き(図3における+z方向)の加速度Azが微小電子機械デバイス1に加わると、慣性質量体27は慣性力により初期位置(図3の二点鎖線で示される位置)から下方向(図3における−z方向)に変位する。
第1リンク梁25aは慣性質量体27に連結されているため、第1リンク梁25aも、慣性質量体27と一体となって下方向(−z方向)に変位する。第1リンク梁25aが下方向(−z方向)に変位することにより、第1リンク梁25aに連結されている第2可動構造部分24aも下方向(−z方向)に変位する。第1可動構造体22aに、第1ねじれ梁20aの第1ねじれ軸21aを中心としたトルクが作用する。第1可動構造体22aは第1ねじれ梁20aの第1ねじれ軸21aを中心に回転変位し、第1可動構造部分23aは上方向(+z方向)に変位する。第1可動構造体22aが回転変位すると、第1可動構造部分23aと第1電極13aとにより構成される第1コンデンサの静電容量C1aは減少し、第2可動構造部分24aと第2電極14aとにより構成される第2コンデンサの静電容量C2aは増加する。
第2リンク梁25bは慣性質量体27に連結されているため、第2リンク梁25bも、慣性質量体27と一体となって下方向(−z方向)に変位する。第2リンク梁25bが下方向(−z方向)に変位することにより、第2リンク梁25bに連結されている第4可動構造部分24bも下方向(−z方向)に変位する。第2可動構造体22bに、第2ねじれ梁20bの第2ねじれ軸21bを中心としたトルクが作用するため、第2可動構造体22bは第2ねじれ梁20bの第2ねじれ軸21bを中心に回転変位し、第3可動構造部分23bは上方向(+z方向)に変位する。第2可動構造体22bが回転変位すると、第3可動構造部分23bと第4電極13bとにより構成される第3コンデンサの静電容量C1bは減少し、第4可動構造部分24bと第5電極14bとにより構成される第4コンデンサの静電容量C2bは増加する。
図4に示されるように、基板10の主面10pの法線方向に沿う下向き(図4における−z方向)の加速度−Azが微小電子機械デバイス1に加わると、慣性質量体27は慣性力により初期位置(図4の二点鎖線で示される位置)から上方向(+z方向)に変位する。
第1リンク梁25aは慣性質量体27に連結されているため、第1リンク梁25aも、慣性質量体27と一体となって上方向(+z方向)に変位する。第1リンク梁25aが上方向(+z方向)に変位することにより、第1リンク梁25aに連結されている第2可動構造部分24aも上方向(+z方向)に変位する。第1可動構造体22aに、第1ねじれ梁20aの第1ねじれ軸21aを中心としたトルクが作用する。第1可動構造体22aは第1ねじれ梁20aの第1ねじれ軸21aを中心に回転変位し、第1可動構造部分23aは下方向(−z方向)に変位する。第1可動構造体22aが回転変位すると、第1可動構造部分23aと第1電極13aとにより構成される第1コンデンサの静電容量C1aは増加し、第2可動構造部分24aと第2電極14aとにより構成される第2コンデンサの静電容量C2aは減少する。
第2リンク梁25bは慣性質量体27に連結されているため、第2リンク梁25bも、慣性質量体27と一体となって上方向(+z方向)に変位する。第2リンク梁25bが上方向(+z方向)に変位することにより、第2リンク梁25bに連結されている第4可動構造部分24bも上方向(+z方向)に変位する。第2可動構造体22bに、第2ねじれ梁20bの第2ねじれ軸21bを中心としたトルクが作用する。第2可動構造体22bは第2ねじれ梁20bの第2ねじれ軸21bを中心に回転変位し、第3可動構造部分23bは下方向(−z方向)に変位する。第2可動構造体22bが回転変位すると、第3可動構造部分23bと第4電極13bとにより構成される第3コンデンサの静電容量C1bは増加し、第4可動構造部分24bと第5電極14bとにより構成される第4コンデンサの静電容量C2bは減少する。
静電容量C1aの変化及び静電容量C2aの変化は、容量−電圧変換回路35(図12)によって電圧の変化に変換される。静電容量C1bの変化及び静電容量C2bの変化は、容量−電圧変換回路35(図12)によって電圧の変化に変換される。こうして、微小電子機械デバイス1は、加速度センサ2として機能し、加速度センサ2は、加速度zに応じた電圧を出力する。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1では、第2の方向(z方向)に沿う加速度に応じて生ずる慣性質量体27の変位が、第1可動構造体22aの回転変位と第2可動構造体22bの回転変位とに機械的に変換されている。そのため、第1可動構造体22aと第2可動構造体22bとの上に検出電極を設ける必要はない。検出電極は第1可動構造体22aと第2可動構造体22bとの上に検出電極は形成されないため、第1可動構造体22aと基板10との間の間隔G1と、第2可動構造体22bと基板10との間の間隔G2との間のばらつきが抑制され得る。
さらに、第1可動構造体22aと第2可動構造体22bとは回転変位するため、第1可動構造体22a及び第2可動構造体22bの各々において、上向き(+z方向)の加速度に対するスクイズフィルムダンピング効果は、下向き(−z方向)の加速度に対するスクイズフィルムダンピング効果と等しくなる。上向き(+z方向)の加速度に対する微小電子機械デバイス1の出力(加速度センサ2の感度)は、下向き(−z方向)の加速度に対する微小電子機械デバイス1の出力(加速度センサ2の感度)と互いに対称になる。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1では、微小電子機械デバイス1の出力(加速度センサ2の感度)は、慣性質量体27の慣性質量に加えて、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a、第2ねじれ梁20b)のばね定数、リンク梁(第1リンク梁25a、第2リンク梁25b)のばね定数、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a、第2ねじれ梁20b)とリンク梁(第1リンク梁25a、第2リンク梁25b)との間のオフセット距離(第1オフセット距離26a、第2オフセット距離26b)によっても変化し得る。これらを変化させることによって、微小電子機械デバイス1の出力(加速度センサ2の感度)の特性は自由に設計され得る。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1では、第1ねじれ梁20aに対する第1リンク梁25aのオフセットの方向(−x方向)は、第2ねじれ梁20bに対する第2リンク梁25bのオフセットの方向(+x方向)と反対である。そのため、微小電子機械デバイス1に第2の方向(z方向)に沿う加速度が印加されると、第1可動構造体22aと第2可動構造体22bとは互いに反対向きに回転する。
第1ねじれ梁20aは、第2の方向(z方向)に沿う第1可動構造体22aの第1並進変位運動(図5及び図6を参照)の第1固有周波数が第1ねじれ軸21a回りの第1可動構造体22aの第1回転変位運動(図7及び図8を参照)の第2固有周波数よりも大きくなるように、構成されている。言い換えると、第1ねじれ梁20aは、第2の方向(z方向)に沿う第1ねじれ梁20aの第1曲げ剛性が、第1ねじれ軸21a回りの第1ねじれ梁20aの第1ねじり剛性よりも大きくなるように構成されている。特定的には、第1固有周波数は、第2固有周波数の10倍以上であってもよく、第2固有周波数の20倍以上であってもよく、第2固有周波数の50倍以上であってもよい。
図9から図11に示されるように、第1ねじれ梁20aの厚さt1に対する第1ねじれ梁20aの幅w1に対する第1の比及び第1ねじれ梁20aの厚さt1を適切に定めることによって、第1固有周波数が第2固有周波数よりも大きくなるように、第1ねじれ梁20aは構成され得る。図10は、第1ねじれ梁20aが8μmの厚さt1を有する場合の、w1/t1とfz/ftとの間の関係を示す。図11は、第1ねじれ梁20aが1.5μmの幅w1を有する場合の、t1とfz/ftとの間の関係を示す。図10及び図11において、fzは、第2の方向(z方向)に沿う第1可動構造体22aの第1並進変位運動の第1固有周波数を表し、ftは、第1ねじれ梁20aの第1ねじれ軸21a回りの第1可動構造体22aの第1回転変位運動の第2固有周波数を表す。
第2ねじれ梁20bは、第2の方向(z方向)に沿う第2可動構造体22bの第2並進変位運動(図5及び図6を参照)の第3固有周波数が第2ねじれ軸21b回りの第2可動構造体22bの第2回転変位運動(図7及び図8を参照)の第4固有周波数よりも大きくなるように、構成されている。言い換えると、第2ねじれ梁20bは、第2の方向(z方向)に沿う第2ねじれ梁20bの第2曲げ剛性が、第2ねじれ軸21b回りの第2ねじれ梁20bの第2ねじり剛性よりも大きくなるように構成されている。特定的には、第3固有周波数は、第4固有周波数の10倍以上であってもよく、第4固有周波数の20倍以上であってもよく、第4固有周波数の50倍以上であってもよい。第2ねじれ梁20bの厚さに対する第2ねじれ梁20bの幅に対する第2の比及び第2ねじれ梁20bの厚さを適切に定めることによって、第3固有周波数が第4固有周波数よりも大きくなるように、第2ねじれ梁20bは構成され得る。
図12を参照して、本実施の形態の加速度センサ2を説明する。加速度センサ2は、微小電子機械デバイス1と、微小電子機械デバイス1に接続されている容量−電圧変換回路35とを備える。
微小電子機械デバイス1(加速度センサ2)の使用時には、微小電子機械デバイス1に印加される第2の方向(z方向)に沿う加速度に応じて、第1可動構造部分23aと第1電極13aとにより構成される第1コンデンサの静電容量C1aと、第2可動構造部分24aと第2電極14aとにより構成される第2コンデンサの静電容量C2aと、第3可動構造部分23bと第4電極13bとにより構成される第3コンデンサの静電容量C1bと、第4可動構造部分24bと第5電極14bとにより構成される第4コンデンサの静電容量C2bとは変化する。容量−電圧変換回路35は、第1コンデンサの静電容量C1aの変化と、第2コンデンサの静電容量C2aの変化と、第3コンデンサの静電容量C1bの変化と、第4コンデンサの静電容量C2bとを、電圧に変換して、微小電子機械デバイス1に印加される加速度に応じた電圧を出力する。
図12から図18を参照して、本実施の形態の微小電子機械デバイス1(加速度センサ2)の検査方法を説明する。図12に示されるように、微小電子機械デバイス1は、検査部41を用いて検査される。検査部41は、パルス電源36と、DC電源37と、制御部42と、メモリ43と、比較回路部44と、出力部45とを含んでもよい。
図13に示されるように、パルス電源36は、パルス電圧を出力する。パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第1ねじれ軸21a回りの第1可動構造体22aの第1回転変位運動(図7及び図8を参照)の第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である。特定的には、パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2周期の5%以下であってもよく、第2周期の2%以下であってもよい。パルス電圧の立ち上がり時間T1は、特に限定されないが、第2の方向(z方向)に沿う第1可動構造体22aの第1並進変位運動(図5及び図6を参照)の第1固有周波数の逆数で与えられる第1周期以上であってもよい。
パルス電源36からのパルス電圧は、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと第1可動構造体22aとの間に印加される。このとき、第1ねじれ軸21a回りの第1可動構造体22aの第1回転変位運動(図7及び図8を参照)はパルス電圧に追従できない。第1可動構造体22aは、第1ねじれ軸21aの回りに回転変位できない。これに対し、パルス電圧は、第1可動構造部分23aと第1電極13aとの間、第2可動構造部分24aと第2電極14aとの間、及び、慣性質量体27と第3電極16との間に、静電引力を発生させる。こうして、図5、図6及び図14に示されるように、第1可動構造体22aは、第1ねじれ軸21aの回りに回転変位することなく、第2の方向(z方向)に沿って強制的に並進変位する。
パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2ねじれ軸21b回りの第2可動構造体22bの第2回転変位運動の第2固有周波数の逆数で与えられる第4周期の10%以下である。特定的には、パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第4周期の5%以下であってもよく、第4周期の2%以下であってもよい。パルス電圧の立ち上がり時間T1は、特に限定されないが、第2の方向(z方向)に沿う第2可動構造体22bの第2並進変位運動の第3固有周波数の逆数で与えられる第3周期以上であってもよい。
パルス電源36からのパルス電圧は、第4電極13b及び第5電極14bの少なくとも1つと第2可動構造体22bとの間に印加される。このとき、第2ねじれ軸21b回りの第2可動構造体22bの第2回転変位運動はパルス電圧に追従できない。第2可動構造体22bは、第2ねじれ軸21bの回りに回転変位できない。これに対し、パルス電圧は、第3可動構造部分23bと第4電極13bとの間、第4可動構造部分24bと第5電極14bとの間、及び、慣性質量体27と第3電極16との間に、静電引力を発生させる。こうして、図5、図6及び図14に示されるように、第2可動構造体22bは、第2ねじれ軸21bの回りに回転変位することなく、第2の方向(z方向)に沿って強制的に並進変位する。
図15に示されるように、DC電源37は、DC電圧を出力する。DC電圧の立ち上がり時間T2は、第1ねじれ軸21a回りの第1可動構造体22aの第1回転変位運動(図7及び図8を参照)の第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期よりも大きい。DC電源37からのDC電圧は、慣性質量体30と第3電極16との間に印加されてもよい。慣性質量体30と第3電極16との間に作用する静電引力によって、慣性質量体30が第2の方向(z方向)に沿って変位する。第1リンク梁25a及び第2可動構造部分24aも、慣性質量体27と一体となって第2の方向(z方向)に沿って変位する。第1可動構造体22aに、第1ねじれ梁20aの第1ねじれ軸21aを中心としたトルクが作用する。微小電子機械デバイス1に第2の方向(z方向)に沿う加速度が作用していなくても、第1可動構造体22aは、図7、図8及び図16に示されるように、第1ねじれ軸21a回りに強制的に回転変位する。
図17及び図18に示されるように、DC電源37からのDC電圧は、第1電極13a及び第2電極14aの一方と第1可動構造体22aとの間に印加されてもよく、かつ、第1電極13a及び第2電極14aの他方と第1可動構造体22aとの間に印加されなくてもよい。本実施の形態では、第1可動構造体22aは、第1リンク梁25aを介して、慣性質量体27と導通している。そのため、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと慣性質量体27との間にDC電圧を印加することによって、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと第1可動構造体22aとの間に、DC電圧が印加され得る。図17では、第1可動構造体22aと第1電極13aとの間に静電引力が発生する。図18では、第1可動構造体22aと第2電極14aとの間に静電引力が発生する。こうして、微小電子機械デバイス1に第2の方向(z方向)に沿う加速度が作用していなくても、第1可動構造体22aは、図7、図8、図17及び図18に示されるように、第1ねじれ軸21a回りに強制的に回転変位する。
DC電圧の立ち上がり時間T2は、第2ねじれ軸21b回りの第2可動構造体22bの第2回転変位運動の第2固有周波数の逆数で与えられる第4周期よりも大きい。DC電源37からのDC電圧は、慣性質量体30と第3電極16との間に印加されてもよい。慣性質量体30と第3電極16との間に作用する静電引力によって、慣性質量体30が第2の方向(z方向)に沿って変位する。第2リンク梁25b及び第4可動構造部分24bも、慣性質量体27と一体となって第2の方向(z方向)に沿って変位する。第2可動構造体22bに、第2ねじれ梁20bの第2ねじれ軸21bを中心としたトルクが作用する。微小電子機械デバイス1に第2の方向(z方向)に沿う加速度が作用していなくても、第2可動構造体22bは、図7、図8及び図16に示されるように、第2ねじれ軸21b回りに強制的に回転変位する。
DC電源37からのDC電圧は、第4電極13b及び第5電極14bの一方と第2可動構造体22bとの間に印加されてもよく、かつ、第4電極13b及び第5電極14bの他方と第2可動構造体22bとの間に印加されなくてもよい。本実施の形態では、第2可動構造体22bは、第2リンク梁25bを介して、慣性質量体27と導通している。そのため、第4電極13b及び第5電極14bの少なくとも1つと慣性質量体27との間にDC電圧を印加することによって、第4電極13b及び第5電極14bの少なくとも1つと第2可動構造体22bとの間に、DC電圧が印加され得る。図17では、第2可動構造体22bと第4電極13bとの間に静電引力が発生する。図18では、第2可動構造体22bと第5電極14bとの間に静電引力が発生する。こうして、微小電子機械デバイス1に第2の方向(z方向)に沿う加速度が作用していなくても、第2可動構造体22bは、図7、図8、図17及び図18に示されるように、第2ねじれ軸21b回りに強制的に回転変位する。
図12を参照して、制御部42は、パルス電源36と、DC電源37と、メモリ43と、比較回路部44と、出力部45とを制御し得るように構成されている。出力部45は、例えば、表示装置であってもよい。
メモリ43は、第1電圧と、第2電圧と、第3電圧とを格納し得るように構成されている。第1電圧は、微小電子機械デバイス1の検査時において、微小電子機械デバイス1にパルス電圧を印加する前に測定された、第2の方向(z方向)における第1可動構造体22aの第1の位置及び第1ねじれ軸21aの回りの第1可動構造体22aの第1の傾きの少なくとも1つに対応する電圧である。第2電圧は、微小電子機械デバイス1の検査時において、微小電子機械デバイス1にパルス電圧を印加した後に測定された、第2の方向(z方向)における第1可動構造体22aの第2の位置及び第1ねじれ軸21aの回りの第1可動構造体22aの第2の傾きの少なくとも1つに対応する電圧である。第3電圧は、微小電子機械デバイス1の使用時において測定された、第1ねじれ軸21aの回りの第1可動構造体22aの傾きに対応する電圧である。第1可動構造体22aの傾きは、例えば、水平面(本実施の形態では、主面10p)に対する傾きである。
第1電圧は、微小電子機械デバイス1の検査時において、微小電子機械デバイス1にパルス電圧を印加する前に測定された、第2の方向(z方向)における第2可動構造体22bの第3の位置及び第2ねじれ軸21bの回りの第2可動構造体22bの第3の傾きの少なくとも1つに対応する電圧であってもよい。第2電圧は、微小電子機械デバイス1の検査時において、微小電子機械デバイス1にパルス電圧を印加した後に測定された、第2の方向(z方向)における第2可動構造体22bの第4の位置及び第2ねじれ軸21bの回りの第2可動構造体22bの第4の傾きの少なくとも1つに対応する電圧であってもよい。第3電圧は、微小電子機械デバイス1の使用時において測定された、第2ねじれ軸21bの回りの第2可動構造体22bの傾きに対応する電圧であってもよい。第2可動構造体22bの傾きは、例えば、水平面(本実施の形態では、主面10p)に対する傾きである。
メモリ43は、制御部42からの信号に基づいて、第1電圧と第2電圧とを、比較回路部44に出力する。比較回路部44は、第1の位置と第2の位置との間の第1の比較及び第1の傾きと第2の傾きとの間の第2の比較の少なくとも1つを行って、第1ねじれ梁20aが損傷しているか否かを判断し得るように構成されている。比較回路部44は、第3の位置と第4の位置との間の第3の比較及び第3の傾きと第4の傾きとの間の第4の比較の少なくとも1つを行って、第2ねじれ梁20bが損傷しているか否かを判断し得るように構成されてもよい。比較回路部44は、制御部42からの信号に基づいて、第1ねじれ梁20aの損傷に関する判断結果を出力部45に出力する。
図19に示されるように、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと第1可動構造体22aとの間にパルス電圧を印加すること(S13)を主に備える。微小電子機械デバイス1が第1電極13a及び第2電極14aのいずれかのみを備えるとき、工程(S13)において、パルス電圧は、第1電極13a及び第2電極14aのいずれかに印加される。微小電子機械デバイス1が第1電極13a及び第2電極14aの両方を備えるとき、工程(S13)において、パルス電圧は、第1電極13a及び第2電極14aにパルス電圧が印加される。
具体的には、図12から図14に示されるように、制御部42は、パルス電源36を制御して、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと第1可動構造体22aとの間に、パルス電圧が印加される。本実施の形態では、第1可動構造体22aは、第1リンク梁25aを介して、慣性質量体27と導通している。そのため、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと慣性質量体27との間にパルス電圧を印加することによって、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと第1可動構造体22aとの間に、パルス電圧が印加され得る。
図20に示されるように、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つにパルス電圧を印加する(S13)際、第3電極16と慣性質量体27との間にもパルス電圧が印加されてもよい。すなわち、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと第1可動構造体22aとの間、並びに、第3電極16と慣性質量体27との間に、パルス電圧を印加すること(S13a)を備えてもよい。図12から図14に示されるように、制御部42は、パルス電源36を制御して、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと第1可動構造体22aとの間、並びに、第3電極16と慣性質量体27との間に、パルス電圧が印加される。
パルス電圧の立ち上がり時間T2は、第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である。特定的には、パルス電圧の立ち上がり時間は、第2周期の5%以下であってもよく、第2周期の2%以下であってもよい。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、パルス電圧を印加する(S13)前に、第2の方向(z方向)における第1可動構造体22aの第1の位置及び第1ねじれ軸21aの回りの第1可動構造体22aの第1の傾きの少なくとも1つを測定すること(S11,S12)を備える。特定的には、微小電子機械デバイス1の検査方法は、パルス電圧を印加する(S13)前に、第2の方向(z方向)における第1可動構造体22aの第1の位置を測定すること(S11)と、第1ねじれ軸21aの回りの第1可動構造体22aの第1の傾きを測定すること(S12)との両方を備えてもよい。
具体的には、第2の方向(z方向)における第1可動構造体22aの第1の位置を測定する工程(S11)では、制御部42は、パルス電源36及びDC電源37を制御して、微小電子機械デバイス1にパルス電圧及びDC電圧は印加されない。容量−電圧変換回路35は、第2の方向(z方向)における第1可動構造体22aの第1の位置に対応する第1電圧をメモリ43に出力する。メモリ43は、第2の方向(z方向)における第1可動構造体22aの第1の位置に対応する第1電圧を格納する。
第1ねじれ軸21aの回りの第1可動構造体22aの第1の傾きを測定する工程(S12)では、制御部42は、第1可動構造体22aを第1ねじれ軸21aの回りに強制的に傾ける。特定的には、制御部42は、DC電源37を制御して、第3電極16と慣性質量体27との間にDC電圧が印加される。制御部42は、パルス電源36を制御して、微小電子機械デバイス1にパルス電圧は印加されない。こうして、制御部42は、第1可動構造体22aを第1ねじれ軸21aの回りに強制的に傾けてもよい。容量−電圧変換回路35は、第1ねじれ軸21aの回りの第1可動構造体22aの第1の傾きに対応する第1電圧をメモリ43に出力する。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、パルス電圧を印加した(S13)後に、パルス電圧を除去すること(S14)をさらに備えてもよい。具体的には、パルス電圧を除去する工程(S14)では、制御部42は、パルス電源36及びDC電源37を制御して、微小電子機械デバイス1にパルス電圧及びDC電圧は印加されない。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、パルス電圧を印加した(S13)後に、第2の方向(z方向)における第1可動構造体22aの第2の位置及び第1ねじれ軸21aの回りの第1可動構造体22aの第2の傾きの少なくとも1つを測定すること(S15,S16)をさらに備えてもよい。特定的には、微小電子機械デバイス1の検査方法は、パルス電圧を印加した(S13)後に、第2の方向(z方向)における第1可動構造体22aの第2の位置を測定すること(S15)と、第1ねじれ軸21aの回りの第1可動構造体22aの第2の傾きを測定すること(S16)との両方を備えてもよい。
具体的には、第2の方向(z方向)における第1可動構造体22aの第2の位置を測定すること(S15)では、制御部42は、パルス電源36及びDC電源37を制御して、微小電子機械デバイス1にパルス電圧及びDC電圧は印加されない。容量−電圧変換回路35は、第2の方向(z方向)における第1可動構造体22aの第2の位置に対応する第2電圧をメモリ43に出力する。メモリ43は、第2の方向(z方向)における第1可動構造体22aの第2の位置に対応する第2電圧を格納する。第1可動構造体22aの第2の位置は、第1可動構造体22aの第1の位置と、同じ第1の条件で測定されてもよい。
第1ねじれ軸21aの回りの第1可動構造体22aの第2の傾きを測定する工程(S16)では、制御部42は、第1可動構造体22aを第1ねじれ軸21aの回りに強制的に傾ける。特定的には、制御部42は、DC電源37を制御して、第3電極16と慣性質量体27との間にDC電圧が印加される。制御部42は、パルス電源36を制御して、微小電子機械デバイス1にパルス電圧は印加されない。こうして、制御部42は、第1可動構造体22aを第1ねじれ軸21aの回りに強制的に傾けてもよい。容量−電圧変換回路35は、第1ねじれ軸21aの回りの第1可動構造体22aの第2の傾きに対応する第2電圧をメモリ43に出力する。第1可動構造体22aの第2の傾きは、第1可動構造体22aの第1の傾きと、同じ第2の条件で測定されてもよい。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第1の位置と第2の位置との間の第1の比較及び第1の傾きと第2の傾きとの間の第2の比較の少なくとも1つを行って、第1ねじれ梁20aが損傷しているか否かを判断すること(S17)をさらに備えてもよい。特定的には、微小電子機械デバイス1の検査方法は、第1の位置と第2の位置との間の第1の比較及び第1の傾きと第2の傾きとの間の第2の比較との両方を行って、第1ねじれ梁20aが損傷しているか否かを判断すること(S17)を備えてもよい。
具体的には、制御部42は、メモリ43を制御して、第1電圧と第2電圧とを、比較回路部44に出力させる。比較回路部44は、第1の位置と第2の位置との間の第1の比較及び第1の傾きと第2の傾きとの間の第2の比較の少なくとも1つを行って、第1ねじれ梁20aが損傷しているか否かを判断する。例えば、第2の位置が第1の位置と同じであり、かつ、第2の傾きが第1の傾きに等しいとき、比較回路部44は、第1ねじれ梁20aは損傷していないと判断してもよい。これに対し、第2の位置が第1の位置と異なるとき、または、第2の傾きが第1の傾きと異なるとき、比較回路部44は、第1ねじれ梁20aが損傷していると判断してもよい。制御部42は、比較回路部44を制御して、第1ねじれ梁20aの損傷に関する判断結果が比較回路部44から出力部45に出力される。出力部45は、判断結果を表示する。
上記のように、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第1ねじれ梁20aの損傷を検出するために、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと第1可動構造体22aとの間にパルス電圧を印加すること(S13)を備えている。そのため、第1ねじれ梁20aを検査する際に、第1可動構造体22aが第1ねじれ軸21aの回りに回転することが抑制され、第1可動構造体22aを第2の方向(z方向)に沿って並進変位させることができる。
第1ねじれ梁20aを検査する際に、第1ねじれ梁20aを第2の方向(z方向)に沿って相対的に大きく変位させることができ、図21に示されるように、第1ねじれ梁20aに相対的に大きな応力σが印加され得る。第1ねじれ梁20aに印加される応力σは、第1ねじれ梁20aの破壊応力σ0より大きくてもよいし、第1ねじれ梁20aの破壊応力σ0より小さくてもよい。こうして、第1ねじれ梁20aに微小クラックのような微小な損傷が存在する場合であっても、第1の位置と第2の位置との間の第1の比較及び第1の傾きと第2の傾きとの間の第2の比較の少なくとも1つを異ならせることができる。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第1ねじれ梁20aをより高い精度で検査し得る。
これに対し、比較例の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第1ねじれ梁20aの損傷を検出するために、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと第1可動構造体22aとの間にDC電圧を印加することを備えている。そのため、第1ねじれ梁20aを検査する際に、第1可動構造体22aが第1ねじれ軸21aの回りに回転する。第1可動構造体22aのエッジは、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つに接触し、第1ねじれ梁20aを第2の方向(z方向)に沿って相対的に大きく変位させることができない。Δz(図21)は、第2の方向(z方向)に沿う、第1可動構造体22aのエッジの変位量を表す。第2の方向(z方向)に沿う、第1可動構造体22aのエッジの変位量ΔzがΔz0(図21)となるとき、第1可動構造体22aのエッジは、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つに接触する。
図21に示されるように、第1ねじれ梁20aに相対的に小さな応力σしか印加することができない。第1ねじれ梁20aに微小クラックのような微小な損傷が存在する場合には、第1の位置と第2の位置との間の第1の比較及び第1の傾きと第2の傾きとの間の第2の比較の少なくとも1つを異ならせることができない。比較例の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第1ねじれ梁20aをより低い精度でしか検査することができない。
以上は、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法において、第1ねじれ梁20aを検査する方法について説明したが、第2ねじれ梁20bを検査する方法も、第1ねじれ梁20aを検査する方法と同様である。例えば、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第4電極13b及び第5電極14bの少なくとも1つと第2可動構造体22bとの間にパルス電圧を印加することを備えてもよい。
あるいは、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第4電極13b及び第5電極14bの少なくとも1つにパルス電圧を印加する際、第3電極16と慣性質量体27との間にもパルス電圧が印加されてもよい。すなわち、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第4電極13b及び第5電極14bの少なくとも1つと第2可動構造体22bとの間、並びに、第3電極16と慣性質量体27との間に、パルス電圧を印加することを備えてもよい。
パルス電圧の立ち上がり時間T2は、第4固有周波数の逆数で与えられる第4周期の10%以下である。特定的には、パルス電圧の立ち上がり時間は、第4周期の5%以下であってもよく、第4周期の2%以下であってもよい。
図22から図24を参照して、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の製造方法を説明する。
図22に示されるように、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の製造方法は、基板10の主面10p上に、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つを形成することを備える。具体的には、基板10の主面10p上に、導電性ポリシリコン膜のような導電膜を形成する。それから、導電膜をパターニングして、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つを形成する。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の製造方法は、基板10の主面10p上に、第3電極16を形成することをさらに備えてもよい。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の製造方法は、基板10の主面10p上に、第4電極13b及び第5電極14bの少なくとも1つを形成することをさらに備えてもよい。第4電極13b及び第5電極14bの少なくとも1つと第3電極16とは、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと同様の方法によって形成されてもよい。
図23に示されるように、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の製造方法は、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと基板10の主面10pとの上に、犠牲層40を形成することを備える。犠牲層40は、第4電極13b及び第5電極14bの少なくとも1つと第3電極16との上にも形成されてもよい。犠牲層40は、例えば、リン酸ガラスで作られてもよい。
図24に示されるように、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の製造方法は、犠牲層40上に、第1可動構造体22aと第1ねじれ梁20aとを形成することを備える。具体的には、基板10の主面10p上に、導電性ポリシリコン膜のような導電膜を形成する。それから、導電膜をパターニングして、第1可動構造体22aと第1ねじれ梁20aとを形成する。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の製造方法は、犠牲層40上に、第2可動構造体22bと第2ねじれ梁20bとを形成することをさらに備えてもよい。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の製造方法は、犠牲層40上に、慣性質量体27と第1リンク梁25aと第2リンク梁25bとを形成することをさらに備えてもよい。第2可動構造体22b、第2ねじれ梁20b、慣性質量体27、第1リンク梁25a及び第2リンク梁25bは、第1可動構造体22a及び第1ねじれ梁20aと同様の方法によって形成されてもよい。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の製造方法は、犠牲層40を選択的に除去することを備える。例えば、犠牲層40を選択的にエッチングし得るエッチャントを用いて、犠牲層40が選択的に除去されてもよい。こうして、図1及び図2に示される微小電子機械デバイス1が得られる。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1及びその検査方法並びに加速度センサの効果を説明する。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1は、基板10と、アンカー(第1アンカー17a)と、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)と、可動構造体(第1可動構造体22a)と、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つとを備える。アンカー(第1アンカー17a)は、基板10の主面10pから突出し、かつ、基板10に固定されている。ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)は、アンカー(第1アンカー17a)に連結されている。ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)は、主面10pに沿う第1の方向(y方向)に沿って延在しており、かつ、ねじれ軸(第1ねじれ軸21a)の回りにねじれ得るように構成されている。可動構造体(第1可動構造体22a)は、ねじれ軸(第1ねじれ軸21a)を中心に回転し得るように、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)を介してアンカー(第1アンカー17a)に連結されている。可動構造体(第1可動構造体22a)は、主面10pから第2の方向(z方向)に間隔G1を空けて配置されている。第2の方向(z方向)は、基板10の主面10pの法線に沿っている。
可動構造体(第1可動構造体22a)は、第1可動構造部分23aと第2可動構造部分24aとを含む。第1可動構造部分23aと第2可動構造部分24aとは、各々、第1の方向(y方向)に沿って延在している。ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)は、第1可動構造部分23aと第2可動構造部分24aとの間に位置している。第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つは、基板10の主面10p上に設けられている。第1電極13aは、第1可動構造部分23aに面している。第2電極14aは、第2可動構造部分24aに面している。第2の方向(z方向)に沿う可動構造体(第1可動構造体22a)の並進変位運動(第1並進変位運動)の第1固有周波数が、ねじれ軸(第1ねじれ軸21a)回りの可動構造体(第1可動構造体22a)の回転変位運動(第1回転変位運動)の第2固有周波数よりも大きくなるように、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)は構成されている。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1では、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)を検査する際、可動構造体(第1可動構造体22a)がねじれ軸(第1ねじれ軸21a)の回りに回転することが抑制されて、可動構造体(第1可動構造体22a)を第2の方向(z方向)に沿って相対的に大きく変位させることができる。そのため、本実施の形態の微小電子機械デバイス1は、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)に存在し得る微小な損傷をより高い精度で検査し得るように構成されている。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1は、リンク梁(第1リンク梁25a)と、慣性質量体27とをさらに備えてもよい。リンク梁(第1リンク梁25a)は、可動構造体(第1可動構造体22a)に連結されている。リンク梁(第1リンク梁25a)は、第1の方向(y方向)に延在している。リンク梁(第1リンク梁25a)は、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)に対して第3の方向(x方向)にオフセットされて配置されている。第3の方向(x方向)は、主面10pに沿い、かつ、第1の方向(y方向)に垂直である。慣性質量体27は、基板10の主面10pに対向して配置されている。慣性質量体27は、リンク梁(第1リンク梁25a)を介して可動構造体(第1可動構造体22a)に連結されている。慣性質量体27は、第2の方向(z方向)に変位し得るように構成されている。本実施の形態の微小電子機械デバイス1は、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)をより高い精度で検査し得るように構成されている。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1は、第3電極16をさらに備えてもよい。第3電極16は、主面10p上に設けられている。第3電極16は、慣性質量体27に面している。本実施の形態の微小電子機械デバイス1は、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)をより高い精度で検査し得るように構成されている。
本実施の形態の加速度センサ2は、微小電子機械デバイス1と、微小電子機械デバイス1に接続されている容量−電圧変換回路35とを備える。本実施の形態の加速度センサ2は、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)をより高い精度で検査し得るように構成されている。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと可動構造体(第1可動構造体22a)との間にパルス電圧を印加すること(S13)を備える。パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である。特定的には、パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2周期の5%以下であってもよく、第2周期の2%以下であってもよい。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法では、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)を検査する際、可動構造体(第1可動構造体22a)がねじれ軸(第1ねじれ軸21a)の回りに回転することが抑制されて、可動構造体(第1可動構造体22a)を第2の方向(z方向)に沿って相対的に大きく変位させることができる。そのため、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)に存在し得る微小な損傷をより高い精度で検査し得る。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと可動構造体(第1可動構造体22a)との間、並びに、第3電極16と慣性質量体27との間に、パルス電圧を印加すること(S13a)を備える。パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である。特定的には、パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2周期の5%以下であってもよく、第2周期の2%以下であってもよい。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法では、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)を検査する際、可動構造体(第1可動構造体22a)がねじれ軸(第1ねじれ軸21a)の回りに回転することが抑制されて、可動構造体(第1可動構造体22a)を第2の方向(z方向)に沿って相対的に大きく変位させることができる。そのため、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)に存在し得る微小な損傷をより高い精度で検査し得る。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、パルス電圧を印加する前に、第2の方向(z方向)における可動構造体(第1可動構造体22a)の第1の位置及びねじれ軸(第1ねじれ軸21a)の回りの可動構造体(第1可動構造体22a)の第1の傾きの少なくとも1つを測定すること(S11,S12)を備えてもよい。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、パルス電圧を印加した(S13)後に、第2の方向(z方向)における可動構造体(第1可動構造体22a)の第2の位置及びねじれ軸(第1ねじれ軸21a)の回りの可動構造体(第1可動構造体22a)の第2の傾きの少なくとも1つを測定すること(S15,S16)を備える。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第1の位置と第2の位置との間の第1の比較及び第1の傾きと第2の傾きとの間の第2の比較の少なくとも1つを行って、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)が損傷しているか否かを判断すること(S17)をさらに備える。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法では、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)を検査する際、可動構造体(第1可動構造体22a)がねじれ軸(第1ねじれ軸21a)の回りに回転することが抑制されて、可動構造体(第1可動構造体22a)を第2の方向(z方向)に沿って相対的に大きく変位させることができる。そのため、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)に存在し得る微小な損傷をより高い精度で検査し得る。
実施の形態2.
図25から図27を参照して、実施の形態2に係る微小電子機械デバイス1の検査方法を説明する。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、実施の形態1の微小電子機械デバイス1の検査方法と同様の工程を備えるが、パルス電圧が印加される対象において主に異なる。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法では、微小電子機械デバイス1は、第1電極13aと第2電極14aとを備える。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、実施の形態1のパルス電圧を印加すること(S13)に代えて、第1電極13a及び第2電極14aの一方と第1可動構造体22aとの間にパルス電圧を印加することを備える。第1電極13a及び第2電極14aの他方と第1可動構造体22aとの間にパルス電圧は印加されていない。パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である。特定的には、パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2周期の5%以下であってもよく、第2周期の2%以下であってもよい。
具体的には、図25に示されるように、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第1可動構造体22aと第1電極13aとの間にパルス電圧を印加することを備える。本実施の形態では、第1可動構造体22aは慣性質量体27と導通している。そのため、第1電極13aと慣性質量体27との間にパルス電圧を印加することによって、第1電極13aと第1可動構造体22aとの間に、パルス電圧が印加され得る。第1可動構造体22aと第2電極14aとの間にパルス電圧は印加されていない。
パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下であるため、第1ねじれ軸21a回りの第1可動構造体22aの第1回転変位運動(図7及び図8を参照)はパルス電圧に追従できない。第1可動構造体22aは、第1ねじれ軸21aの回りに回転変位できない。これに対し、パルス電圧は、第1可動構造体22aと第1電極13aとの間に静電引力を発生させる。こうして、図25に示されるように、第1可動構造体22aは、第1ねじれ軸21aの回りに回転変位することなく、第2の方向(z方向)に沿って強制的に並進変位する。
図26に示されるように、本実施の形態の変形例の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第1可動構造体22aと第2電極14aとの間にパルス電圧を印加することを備える。本実施の形態では、第1可動構造体22aは慣性質量体27と導通している。そのため、第2電極14aと慣性質量体27との間にパルス電圧を印加することによって、第2電極14aと第1可動構造体22aとの間に、パルス電圧が印加され得る。第1可動構造体22aと第1電極13aとの間にパルス電圧は印加されていない。
パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下であるため、第1ねじれ軸21a回りの第1可動構造体22aの第1回転変位運動(図7及び図8を参照)はパルス電圧に追従できない。第1可動構造体22aは、第1ねじれ軸21aの回りに回転変位できない。これに対し、パルス電圧は、第1可動構造体22aと第2電極14aとの間に静電引力を発生させる。こうして、図26に示されるように、第1可動構造体22aは、第1ねじれ軸21aの回りに回転変位することなく、第2の方向(z方向)に沿って強制的に並進変位する。
以上は、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法において、第1ねじれ梁20aを検査する方法について説明したが、第2ねじれ梁20bを検査する方法も、第1ねじれ梁20aを検査する方法と同様である。例えば、本実施の形態の微小電子機械デバイス1は、第4電極13bと第5電極14bとを備える。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第4電極13b及び第5電極14bの一方と第2可動構造体22bとの間にパルス電圧を印加することを備える。第4電極13b及び第5電極14bの他方と第2可動構造体22bとの間にパルス電圧は印加されていない。パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第4固有周波数の逆数で与えられる第4周期の10%以下である。特定的には、パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第4周期の5%以下であってもよく、第4周期の2%以下であってもよい。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法の効果を説明する。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法では、実施の形態1の微小電子機械デバイス1の検査方法と同様に、第1電極13a及び第2電極14aの一方と可動構造体(第1可動構造体22a)との間にパルス電圧が印加されている。そのため、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)を検査する際、比較例よりも、可動構造体(第1可動構造体22a)がねじれ軸(第1ねじれ軸21a)の回りに回転することが抑制され、可動構造体(第1可動構造体22a)を第2の方向(z方向)に沿って並進変位させることができる。ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)を検査する際、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)を第2の方向(z方向)に沿って相対的に大きく変位させることができ、図27に示されるように、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)に相対的に大きな応力σが印加され得る。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)に存在し得る微小な損傷をより高い精度で検査し得る。
実施の形態3.
図27及び図28を参照して、実施の形態3に係る微小電子機械デバイス1の検査方法を説明する。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、実施の形態1の微小電子機械デバイス1の検査方法と同様の工程を備えるが、パルス電圧が印加される対象において主に異なる。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、実施の形態1のパルス電圧を印加すること(S13)に代えて、第3電極16と慣性質量体27との間にパルス電圧を印加することを備える。第1電極13a及び第2電極14aの少なくとも1つと第1可動構造体22aとの間にパルス電圧は印加されていない。特定的には、微小電子機械デバイス1は第1電極13a及び第2電極14aの両方を含み、第1可動構造体22aと第1電極13aとの間並びに第1可動構造体22aと第2電極14aとの間にパルス電圧は印加されていない。パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である。特定的には、パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2周期の5%以下であってもよく、第2周期の2%以下であってもよい。
パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下であるため、第1ねじれ軸21a回りの第1可動構造体22aの第1回転変位運動(図7及び図8を参照)はパルス電圧に追従できない。第1可動構造体22aは、第1ねじれ軸21aの回りに回転変位することが抑制される。これに対し、パルス電圧は、慣性質量体27と第3電極16との間に静電引力を発生させる。こうして、図28に示されるように、第1可動構造体22aは、第1ねじれ軸21aの回りに回転変位することが抑制されながら、第2の方向(z方向)に沿って強制的に並進変位する。
以上は、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法において、第1ねじれ梁20aを検査する方法について説明したが、第2ねじれ梁20bを検査する方法も、第1ねじれ梁20aを検査する方法と同様である。例えば、本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、第3電極16と慣性質量体27との間にパルス電圧を印加することを備えてもよい。第4電極13b及び第5電極14bの少なくとも1つと第2可動構造体22bとの間にパルス電圧は印加されていない。特定的には、微小電子機械デバイス1は第4電極13b及び第5電極14bの両方を含み、第1可動構造体22aと第4電極13bとの間並びに第1可動構造体22aと第5電極14bとの間にパルス電圧は印加されていない。パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第4固有周波数の逆数で与えられる第4周期の10%以下である。特定的には、パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第4周期の5%以下であってもよく、第4周期の2%以下であってもよい。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法の効果を説明する。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法では、第3電極16と慣性質量体27との間にパルス電圧が印加されている。そのため、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)を検査する際、比較例よりも、可動構造体(第1可動構造体22a)がねじれ軸(第1ねじれ軸21a)の回りに回転することが相対的に減少され、可動構造体(第1可動構造体22a)を第2の方向(z方向)に沿って相対的に大きく並進変位させることができる。ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)を検査する際、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)を第2の方向(z方向)に沿って相対的に大きく変位させることができ、図27に示されるように、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)に相対的に大きな応力σが印加され得る。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、ねじれ梁(第1ねじれ梁20a)に存在し得る微小な損傷をより高い精度で検査し得る。
実施の形態4.
図29を参照して、実施の形態4に係る微小電子機械デバイス1の検査方法を説明する。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、実施の形態1から実施の形態3の微小電子機械デバイス1の検査方法と同様の工程を備えるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法では、微小電子機械デバイス1はウエハ5に形成されている。複数の微小電子機械デバイス1がウエハ5に形成されてもよい。本実施の形態の検査部41は、プローブピン38をさらに含んでいる。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、ウエハ5を保持部39で保持しながら、プローブピン38を微小電子機械デバイス1に接触させることをさらに備えている。ウエハ5は、例えば、保持部39によって把持されてよいし、あるいは、保持部39に吸着されてもよい。ウエハ5は微小電子機械デバイス1よりも大きなサイズを有するため、簡易な構造を有する保持部39を用いて容易に保持され得る。本実施の形態の微小電子機械デバイス1の検査方法は、微小電子機械デバイス1を低コストでかつ容易に検査し得る。
実施の形態5.
図30から図32を参照して、実施の形態5に係る微小電子機械デバイス1e及び可動ミラー装置3を説明する。本実施の形態の微小電子機械デバイス1eは、実施の形態1の微小電子機械デバイス1と同様の構成を備えるが、主に以下の点で異なる。
微小電子機械デバイス1eは、基板10と、アンカー52と、ねじれ梁53と、可動構造体54と、第1電極60a及び第2電極60bの少なくとも1つと、第1櫛歯固定電極58aと、第2櫛歯固定電極58bとを主に備える。可動構造体54は、第1櫛歯可動電極57aと、第2櫛歯可動電極57bとを含む。
本実施の形態の基板10は、実施の形態1の基板10と同様の構成を有している。具体的には、アンカー52は、基板10の主面10pから突出し、かつ、基板10に固定されている。アンカー52は、特に限定されないが、シリコン層のような第1導電層61と、酸化シリコン層のような第1絶縁膜62と、シリコン層のような第2導電層63とを含んでもよい。第1絶縁膜62は、第1導電層61と第2導電層63との間に配置されており、第1導電層61と第2導電層63とを互いに電気的に絶縁している。
ねじれ梁53は、アンカー52に連結されている。ねじれ梁53は、基板10の主面10pに沿う第1の方向(y方向)に沿って延在しており、かつ、ねじれ軸53aの回りにねじれ得るように構成されている。ねじれ軸53aは、第1の方向(y方向)に沿って延在している。ねじれ軸53aは、第1の方向(y方向)に沿って延在するねじれ梁53の中心線上にあってもよい。ねじれ梁53は、シリコン層のような第2導電層63で形成されてもよい。
第1櫛歯固定電極58aと第2櫛歯固定電極58bとは、基板10に固定されている。第1櫛歯固定電極58aと第2櫛歯固定電極58bとは、第3の方向(x方向)に沿って延在している。第1櫛歯固定電極58aと第2櫛歯固定電極58bとは、各々、特に限定されないが、シリコン層のような第1導電層61と、酸化シリコン層のような第1絶縁膜62と、シリコン層のような第2導電層63と、酸化シリコン層のような第2絶縁膜64と、シリコン層のような第3導電層65とを含んでもよい。第2絶縁膜64は、第2導電層63と第3導電層65との間に配置されており、第2導電層63と第3導電層65とを互いに電気的に絶縁している。
可動構造体54は、基板10の主面10pから第2の方向(z方向)に間隔を空けて配置されている。第2の方向(z方向)は、基板10の主面10pの法線に沿っている。可動構造体54、第1櫛歯固定電極58a及び第2櫛歯固定電極58bは、第3の方向(x方向)に沿って配置されている。可動構造体54は、第1櫛歯固定電極58aと第2櫛歯固定電極58bとの間に配置されている。可動構造体54は、可動板であってもよい。可動構造体54は、シリコン層のような第2導電層63で形成されてもよい。可動構造体54は、ねじれ軸53aを中心に回転し得るように、ねじれ梁53を介してアンカー52に連結されている。可動構造体54は、第1可動構造部分55aと第2可動構造部分55bとを含む。第1可動構造部分55aと第2可動構造部分55bとは、各々、第1の方向(y方向)に沿って延在している。ねじれ梁53は、第1可動構造部分55aと第2可動構造部分55bとの間に位置している。
第1櫛歯可動電極57aと第2櫛歯可動電極57bとは、第3の方向(x方向)に沿って延在している。第1櫛歯可動電極57aは、可動構造体54の一方の側面から第3の方向(−x方向)に沿って突出している。第1櫛歯可動電極57aは、第1櫛歯固定電極58aに対向している。第2櫛歯可動電極57bは、可動構造体54の一方の側面とは反対側の可動構造体54の他方の側面から第3の方向(+x方向)に沿って突出している。第2櫛歯可動電極57bは、第2櫛歯固定電極58bに対向している。第1櫛歯可動電極57aと第2櫛歯可動電極57bとは、各々、特に限定されないが、シリコン層のような第2導電層63で形成されてもよい。可動構造体54は、ねじれ梁53を介して、アンカー52の第2導電層63に導通してもよい。
第1電極60a及び第2電極60bの少なくとも1つは、基板10の主面10p上に設けられている。第1電極60aは、第1可動構造部分55aに面している。第2電極60bは、第2可動構造部分55bに面している。特定的には、微小電子機械デバイス1eは、第1電極60a及び第2電極60bの両方を備えてもよい。
ねじれ梁53は、第2の方向(z方向)に沿う可動構造体54の並進変位運動の第1固有周波数がねじれ梁53のねじれ軸53aの回りの可動構造体54の回転変位運動の第2固有周波数よりも大きくなるように、構成されている。言い換えると、ねじれ梁53は、第2の方向(z方向)に沿うねじれ梁53の曲げ剛性が、ねじれ軸53aの回りのねじれ梁53のねじり剛性よりも大きくなるように構成されている。特定的には、第1固有周波数は、第2固有周波数の10倍以上であってもよく、第2固有周波数の20倍以上であってもよく、第2固有周波数の50倍以上であってもよい。ねじれ梁53の厚さt2に対するねじれ梁53の幅w2に対する第1の比及びねじれ梁53の厚さt2を適切に定めることによって、第1固有周波数が第2固有周波数よりも大きくなるように、ねじれ梁53は構成され得る。
本実施の形態の可動ミラー装置3は、微小電子機械デバイス1eと、可動構造体54上に設けられている反射膜56とを備える。反射膜56は、例えば、金(Au)または銀(Au)のような高い反射率を有する材料で形成されてもよい。
図33を参照して、微小電子機械デバイス1e及び可動ミラー装置3の動作を説明する。
第1電源67aを用いて、可動構造体54と第1櫛歯固定電極58aの第3導電層65との間に第1駆動電圧を印加し、第2電源67bを用いて、可動構造体54と第2櫛歯固定電極58bの第3導電層65との間に第2駆動電圧を印加する。本実施の形態では、可動構造体54は、ねじれ梁53を介して、アンカー52の第2導電層63に導通している。そのため、アンカー52の第2導電層63と第1櫛歯固定電極58aの第3導電層65との間に第1駆動電圧を印加することによって、可動構造体54と第1櫛歯固定電極58aの第3導電層65との間に第1駆動電圧が印加され得る。アンカー52の第2導電層63と第2櫛歯固定電極58bの第3導電層65との間に第2駆動電圧を印加することによって、可動構造体54と第2櫛歯固定電極58bの第3導電層65との間に第2駆動電圧が印加され得る。
第1駆動電圧は、可動構造体54と第1櫛歯固定電極58aとの間に第1静電引力を発生させる。第1静電引力は、可動構造体54を第1櫛歯固定電極58aの第3導電層65に近づける。第2駆動電圧は、可動構造体54と第2櫛歯固定電極58bとの間に第2静電引力を発生させる。第2静電引力は、可動構造体54を第2櫛歯固定電極58bの第3導電層65に近づける。こうして、可動構造体54は、ねじれ梁53のねじれ軸53aを中心に回転して、傾く。可動構造体54の傾きは、例えば、水平面(本実施の形態では、主面10p)に対する傾きである。
可動構造体54の傾き角は、第1可動構造部分55aと第1電極60aとにより構成される第1コンデンサの静電容量C1aの変化及び第2可動構造部分55bと第2電極60bとにより構成される第2コンデンサの静電容量C2aの変化の少なくとも1つを検出することによって測定され得る。具体的には、第1コンデンサの静電容量C1aの変化及び第2コンデンサの静電容量C2aの変化の少なくとも1つは、容量−電圧変換回路35(図12)によって電圧の変化に変換される。容量−電圧変換回路35から出力される電圧の変化から、可動構造体54の傾き角が測定され得る。
特定的には、第2駆動電圧は、第1駆動電圧とは逆位相を有してもよい。そのため、第1静電引力と第2静電引力とが、交互に可動構造体54に作用する。こうして、可動構造体54は、ねじれ梁53のねじれ軸53aを中心に、振動する。
本実施の形態の可動ミラー装置3は、微小電子機械デバイス1eと、可動構造体54上に設けられている反射膜56とを備える。上記のように、第1駆動電圧によって可動構造体54と第1櫛歯固定電極58aとの間に発生する第1静電引力は、可動構造体54の傾き角を変化させる。第2駆動電圧によって可動構造体54と第2櫛歯固定電極58bとの間に発生する第2静電引力は、可動構造体54の傾き角を変化させる。そのため、反射膜56によって反射される光70の進行方向を変化させることができる。第1静電引力及び第2静電引力は、可動構造体54上の反射膜56を、ねじれ梁53のねじれ軸53aの回りに振動させてもよい。反射膜56によって反射される光70は、走査されてもよい。
図34から図39を参照して、本実施の形態の微小電子機械デバイス1eの検査方法を説明する。本実施の形態の微小電子機械デバイス1eの検査方法は、以下に記載するように、実施の形態1及び実施の形態2の微小電子機械デバイス1の検査方法と同様の工程を備える。
図34から図36に示されるように、本実施の形態の微小電子機械デバイス1eの検査方法は、第1電極60a及び第2電極60bの少なくとも1つと可動構造体54との間にパルス電圧を印加することを備える。パルス電圧は、パルス電源36から出力される。パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である。特定的には、パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2周期の5%以下であってもよく、第2周期の2%以下であってもよい。
パルス電圧の立ち上がり時間T1は、第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下であるため、ねじれ軸53a回りの可動構造体54の第1回転変位運動はパルス電圧に追従できない。可動構造体54は、ねじれ軸53aの回りに回転変位できない。これに対し、図34では、パルス電圧は、可動構造体54と第1電極60aとの間、及び、可動構造体54と第2電極60bとの間に静電引力を発生させる。図35では、パルス電圧は、可動構造体54と第1電極60aとの間に静電引力を発生させる。図36では、パルス電圧は、可動構造体54と第2電極60bとの間に静電引力を発生させる。こうして、図34から図36に示されるように、パルス電圧は、可動構造体54がねじれ軸53aの回りに回転変位することを抑制し、かつ、可動構造体54を第2の方向(z方向)に沿って強制的に並進変位させ得る。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1eの検査方法は、実施の形態1及び実施の形態2の微小電子機械デバイス1の検査方法と同様の以下の工程を備えてもよい。本実施の形態の微小電子機械デバイス1eの検査方法は、パルス電圧を印加する前に、第2の方向(z方向)における可動構造体54の第1の位置及びねじれ軸53aの回りの可動構造体54の第1の傾きの少なくとも1つを測定することを備えてもよい。本実施の形態の微小電子機械デバイス1eの検査方法は、パルス電圧を印加した後に、第2の方向(z方向)における可動構造体54の第2の位置及びねじれ軸53aの回りの可動構造体54の第2の傾きの少なくとも1つを測定することを備えてもよい。本実施の形態の微小電子機械デバイス1eの検査方法は、第1の位置と第2の位置との間の第1の比較及び第1の傾きと第2の傾きとの間の第2の比較の少なくとも1つを行って、ねじれ梁53が損傷しているか否かを判断することをさらに備えてもよい。
図37から図39に示されるように、微小電子機械デバイス1eにDC電圧を印加することによって、ねじれ軸53aの回りの可動構造体54の第1の傾き及び第2の傾きが測定されてもよい。DC電圧の立ち上がり時間T2は、ねじれ軸53a回りの可動構造体54の回転変位運動の第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期よりも大きい。
具体的には、図37及び図38に示されるように、本実施の形態の微小電子機械デバイス1eの検査方法は、第1電極60a及び第2電極60bの一方と可動構造体54との間にDC電圧を印加することを備えてもよい。第1電極60a及び第2電極60bの他方と可動構造体54との間にDC電圧は印加されない。DC電圧は、DC電源37から出力される。第1電極60a及び第2電極60bの一方と可動構造体54との間に作用する静電引力によって、可動構造体54に、ねじれ梁53のねじれ軸53aを中心としたトルクが作用する。具体的には、図37では、DC電圧は、可動構造体54と第1電極60aとの間に静電引力を発生させる。図38では、DC電圧は、可動構造体54と第2電極60bとの間に静電引力を発生させる。これら静電引力は、可動構造体54に、ねじれ梁53のねじれ軸53aを中心としたトルクを作用させる。可動構造体54に第2の方向(z方向)に沿う加速度が作用していなくても、可動構造体54は、図37及び図38に示されるように、ねじれ軸53a回りに強制的に回転変位する。
あるいは、図39に示されるように、本実施の形態の微小電子機械デバイス1eの検査方法は、第1櫛歯固定電極58aの第3導電層65及び第2櫛歯固定電極58bの第3導電層65の一方と可動構造体54との間にDC電圧を印加することを備えてもよい。第1櫛歯固定電極58aの第3導電層65及び第2櫛歯固定電極58bの第3導電層65の他方と可動構造体54との間にDC電圧は印加されない。DC電圧は、DC電源37から出力される。第1櫛歯固定電極58aの第3導電層65及び第2櫛歯固定電極58bの第3導電層65の一方と可動構造体54との間に作用する静電引力によって、可動構造体54に、ねじれ梁53のねじれ軸53aを中心としたトルクが作用する。具体的には、図39では、DC電圧は、可動構造体54と第1櫛歯固定電極58aの第3導電層65との間に静電引力を発生させる。この静電引力は、可動構造体54に、ねじれ梁53のねじれ軸53aを中心としたトルクを作用させる。可動構造体54に第2の方向(z方向)に沿う加速度が作用していなくても、図39に示されるように、可動構造体54は、ねじれ軸53a回りに強制的に回転変位する。
本実施の形態の変形例の微小電子機械デバイス1eの検査方法は、実施の形態4と同様に、微小電子機械デバイス1eが形成されたウエハを保持部39(図29を参照)で保持しながら、プローブピン38を微小電子機械デバイス1に接触させることを備えてもよい。そのため、微小電子機械デバイス1eは低コストでかつ容易に検査され得る。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1e及びその検査方法並びに可動ミラー装置3の効果を説明する。
本実施の形態の微小電子機械デバイス1e及びその検査方法は、実施の形態1及び実施の形態2の微小電子機械デバイス1及びその検査方法と同様の効果を奏する。例えば、本実施の形態の微小電子機械デバイス1e及びその検査方法では、第1電極60a及び第2電極60bの一方と可動構造体54との間にパルス電圧が印加される。ねじれ梁53を検査する際、可動構造体54がねじれ軸の回りに回転することが抑制され、可動構造体54を第2の方向(z方向)に沿って並進変位させることができる。ねじれ梁53を検査する際、ねじれ梁53を第2の方向(z方向)に沿って相対的に大きく変位させることができ、ねじれ梁53に相対的に大きな応力が印加され得る。本実施の形態の微小電子機械デバイス1e及びその検査方法は、ねじれ梁53に存在し得る微小な損傷をより高い精度で検査し得る。
本実施の形態の可動ミラー装置3は、微小電子機械デバイス1eと、可動構造体54上に設けられている反射膜56とを備える。本実施の形態の可動ミラー装置3は、ねじれ梁53に存在し得る微小な損傷をより高い精度で検査し得るように構成されている。
今回開示された実施の形態1−5はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態1−5の少なくとも2つを組み合わせてもよい。本発明の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
1,1e 微小電子機械デバイス、2 加速度センサ、3 可動ミラー装置、5 ウエハ、10 基板、10p 主面、11 絶縁膜、13a,60a 第1電極、13b 第4電極、14a,60b 第2電極、14b 第5電極、16 第3電極、17a 第1アンカー、17b 第2アンカー、20a 第1ねじれ梁、20b 第2ねじれ梁、21a 第1ねじれ軸、21b 第2ねじれ軸、22a 第1可動構造体、22b 第2可動構造体、23a,55a 第1可動構造部分、23b 第3可動構造部分、24a,55b 第2可動構造部分、24b 第4可動構造部分、25a 第1リンク梁、25b 第2リンク梁、26a 第1オフセット距離、26b 第2オフセット距離、27 慣性質量体、35 電圧変換回路、36 パルス電源、37 DC電源、38 プローブピン、39 保持部、40 犠牲層、41 検査部、42 制御部、43 メモリ、44 比較回路部、45 出力部、52 アンカー、53 ねじれ梁、53a ねじれ軸、54 可動構造体、56 反射膜、57a 第1櫛歯可動電極、57b 第2櫛歯可動電極、58a 第1櫛歯固定電極、58b 第2櫛歯固定電極、61 第1導電層、62 第1絶縁膜、63 第2導電層、64 第2絶縁膜、65 第3導電層、67a 第1電源、67b 第2電源、70 光。

Claims (12)

  1. 基板と、
    前記基板の主面から突出し、かつ、前記基板に固定されているアンカーと、
    前記アンカーに連結されているねじれ梁とを備え、前記ねじれ梁は、前記主面に沿う第1の方向に沿って延在しており、かつ、ねじれ軸の回りにねじれ得るように構成されており、
    前記ねじれ軸を中心に回転し得るように、前記ねじれ梁を介して前記アンカーに連結されている可動構造体をさらに備え、前記可動構造体は、前記主面から第2の方向に間隔を空けて配置されており、前記第2の方向は前記主面の法線に沿っており、前記可動構造体は、第1可動構造部分と第2可動構造部分とを含み、前記第1可動構造部分と前記第2可動構造部分とは、各々、前記第1の方向に沿って延在しており、前記ねじれ梁は、前記第1可動構造部分と前記第2可動構造部分との間に位置しており、
    前記主面上に設けられている第1電極及び第2電極の少なくとも1つをさらに備え、前記第1電極は前記第1可動構造部分に面しており、前記第2電極は前記第2可動構造部分に面しており、
    前記第2の方向に沿う前記可動構造体の並進変位運動の第1固有周波数が、前記ねじれ軸回りの前記可動構造体の回転変位運動の第2固有周波数よりも大きくなるように、前記ねじれ梁は構成されている、微小電子機械デバイス。
  2. 前記第1固有周波数は、前記第2固有周波数の10倍以上である、請求項1に記載の微小電子機械デバイス。
  3. 前記可動構造体に連結されているリンク梁をさらに備え、前記リンク梁は前記第1の方向に延在しており、前記リンク梁は、前記ねじれ梁に対して第3の方向にオフセットされて配置されており、前記第3の方向は、前記主面に沿い、かつ、前記第1の方向に垂直であり、
    前記主面に対向して配置されている慣性質量体をさらに備え、前記慣性質量体は、前記リンク梁を介して前記可動構造体に連結されており、前記慣性質量体は、前記第2の方向に変位し得るように構成されている、請求項1または請求項2に記載の微小電子機械デバイス。
  4. 前記主面上に設けられている第3電極をさらに備え、
    前記第3電極は前記慣性質量体に面している、請求項3に記載の微小電子機械デバイス。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の前記微小電子機械デバイスと、
    前記微小電子機械デバイスに接続されている容量−電圧変換回路とを備える、加速度センサ。
  6. 請求項1または請求項2に記載の前記微小電子機械デバイスと、
    前記可動構造体上に設けられている反射膜とを備える、可動ミラー装置。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の前記微小電子機械デバイスの検査方法であって、前記検査方法は、
    前記第1電極及び前記第2電極の前記少なくとも1つと前記可動構造体との間にパルス電圧を印加することを備え、前記パルス電圧の立ち上がり時間は、前記第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である、検査方法。
  8. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の前記微小電子機械デバイスの検査方法であって、前記微小電子機械デバイスは、前記第1電極と前記第2電極とを備え、前記検査方法は、
    前記第1電極及び前記第2電極の一方と前記可動構造体との間にパルス電圧を印加することを備え、前記第1電極及び前記第2電極の他方と前記可動構造体との間に前記パルス電圧は印加されておらず、前記パルス電圧の立ち上がり時間は、前記第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である、検査方法。
  9. 請求項4に記載の前記微小電子機械デバイスの検査方法であって、前記検査方法は、
    前記第1電極及び前記第2電極の前記少なくとも1つと前記可動構造体との間、並びに、前記第3電極と前記慣性質量体との間に、パルス電圧を印加することを備え、前記パルス電圧の立ち上がり時間は、前記第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である、検査方法。
  10. 請求項4に記載の前記微小電子機械デバイスの検査方法であって、前記検査方法は、
    前記第3電極と前記慣性質量体との間にパルス電圧を印加することを備え、前記第1電極及び前記第2電極の前記少なくとも1つと前記可動構造体との間に前記パルス電圧は印加されておらず、前記パルス電圧の立ち上がり時間は、前記第2固有周波数の逆数で与えられる第2周期の10%以下である、検査方法。
  11. 前記パルス電圧を印加する前に、前記第2の方向における前記可動構造体の第1の位置及び前記ねじれ軸の回りの前記可動構造体の第1の傾きの少なくとも1つを測定することと、
    前記パルス電圧を印加した後に、前記第2の方向における前記可動構造体の第2の位置及び前記ねじれ軸の回りの前記可動構造体の第2の傾きの少なくとも1つを測定することと、
    前記第1の位置と前記第2の位置との間の第1の比較及び前記第1の傾きと前記第2の傾きとの間の第2の比較の少なくとも1つを行って、前記ねじれ梁が損傷しているか否かを判断することをさらに備える、請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の検査方法。
  12. 前記微小電子機械デバイスはウエハに形成されている、請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の検査方法。
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