以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施形態及び変形例の相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付してある。又、説明に用いる各図は、概念図であり、各部の形状は必ずしも厳密なものではない場合がある。
モータ制御装置100は、図1に示すように、駆動装置1を駆動制御するものである。モータ制御装置100は、マイクロコンピュータ101、第一駆動回路110、第二駆動回路120、第三駆動回路130、第四駆動回路140、第一電流検出回路150及び第二電流検出回路160を備えている。
駆動装置1は、図2に示すように、モータ制御装置100によって駆動制御される電動モータ2を有するアクチュエータ3を備えており、例えば、四輪の車両に搭載されたトランスファ(図示省略)に用いられる。アクチュエータ3は、第一電動モータ21を有する第一アクチュエータ31、第二電動モータ22を有する第二アクチュエータ32、及び、第三電動モータ23を有する第三アクチュエータ33から構成される。
第一アクチュエータ31は、第一電動モータ21に加えて、ウォームギヤ31a、ウォームホイール31b及び移動部材31c(駆動対象部材)を有している。ウォームギヤ31aは、第一電動モータ21の回転軸21aに組み付けられており、第一電動モータ21の回転に伴って回転する。ウォームホイール31bは、ウォームギヤ31aと噛合しており、ウォームギヤ31aの回転を減速させて回転する。移動部材31cは、第一電動モータ21によって駆動されるものである。このため、移動部材31cの基部には、ウォームホイール31bと噛合するラック(図示省略)が形成されている。移動部材31cは、ウォームホイール31bの回転に伴って、第一位置P1(実線により示す)と第二位置P2(破線により示す)との間を、軸線方向に沿って移動するようになっている。又、第一アクチュエータ31は、移動部材31cの移動に応じて断接されるリミットスイッチ31dを備えており、移動部材31cの第一位置P1又は第二位置P2に応じた信号が出力されるようになっている。
第二アクチュエータ32は、第二電動モータ22に加えて、ウォームギヤ32a、ウォームホイール32b及び移動部材32c(駆動対象部材)を有している。ウォームギヤ32aは、第二電動モータ22の回転軸22aに組み付けられており、第二電動モータ22の回転に伴って回転する。ウォームホイール32bは、ウォームギヤ32aと噛合しており、ウォームギヤ32aの回転を減速させて回転する。移動部材32cは、第二電動モータ22によって駆動されるものである。このため、移動部材32cの基部には、ウォームホイール32bと噛合するラック(図示省略)が形成されている。移動部材32cは、ウォームホイール32bの回転に伴って、第一位置P1(実線により示す)と第二位置P2(破線により示す)との間を、軸線方向に沿って移動するようになっている。又、第二アクチュエータ32は、移動部材32cの移動に応じて断接されるリミットスイッチ32dを備えており、移動部材32cの第一位置P1又は第二位置P2に応じた信号が出力されるようになっている。
第三アクチュエータ33は、第三電動モータ23に加えて、ウォームギヤ33a、ウォームホイール33b及び移動部材33c(駆動対象部材)を有している。ウォームギヤ33aは、第三電動モータ23の回転軸23aに組み付けられており、第三電動モータ23の回転に伴って回転する。ウォームホイール33bは、ウォームギヤ33aと噛合しており、ウォームギヤ33aの回転を減速させて回転する。移動部材33cは、第三電動モータ23によって駆動されるものである。このため、移動部材33cの基部には、ウォームホイール33bと噛合するラック(図示省略)が形成されている。移動部材33cは、ウォームホイール33bの回転に伴って、第一位置P1(実線により示す)と第二位置P2(破線により示す)との間を、軸線方向に沿って移動するようになっている。又、第三アクチュエータ33は、移動部材33cの移動に応じて断接されるリミットスイッチ33dを備えており、移動部材33cの第一位置P1又は第二位置P2に応じた信号が出力されるようになっている。
駆動装置1を構成する第一アクチュエータ31、第二アクチュエータ32及び第三アクチュエータ33は、移動部材31c〜33cを第一位置P1と第二位置P2との間で移動させて、トランスファのスプラインを嵌合又は離脱させる。尚、第一位置P1は第二位置P2よりも電動モータ2から遠い位置に設定されている。これにより、駆動装置1は、車両の駆動方式を二輪駆動又は四輪駆動の何れかに切り替え、ギヤ比をハイ又はローの何れかに切り替え、デファレンシャルをフリー状態又はロック状態の何れかに切り替える。
モータ制御装置100は、このように作動する駆動装置1の電動モータ2即ち第一電動モータ21、第二電動モータ22及び第三電動モータ23のうちの何れか一つを正転又は逆転させるように駆動を制御する。以下、モータ制御装置100を詳細に説明する。尚、以下に説明する各回路を構成する各電源線及び各信号線には、詳細な説明を省略するが、各回路の動作を安定させるために必要に応じて動作安定用抵抗又は分圧抵抗が設けられるようになっている。
マイクロコンピュータ101は、CPU、ROM、RAM等を主要構成部品とするものである。マイクロコンピュータ101のCPUは、図3に示すように、第一駆動回路110、第二駆動回路120、第三駆動回路130、第四駆動回路140、第一電流検出回路150及び第二電流検出回路160に信号(電圧)を入出力するためのADポート108a〜ADポート108j(以下、ADポートを単に「ポート」と称呼する)を有している。本実施形態において、ポートの数は、第一駆動回路110、第二駆動回路120、第三駆動回路130及び第四駆動回路140のそれぞれに正転及び逆転の駆動信号(電圧)を出力するために各二つずつ計八個のポート108c〜ポート108jと、第一電流検出回路150及び第二電流検出回路160からそれぞれの検出信号(電圧)を入力するためのポート108a及びポート108bと、の合計十個とされている。
第一電動モータ21、第二電動モータ22及び第三電動モータ23は、車両に搭載された電源102に接続されている。電源102は、直流電圧を供給するバッテリであり、10〜15Vの直流電圧を供給する。電源102には、図3に示すように、主電源線103が接続されている。主電源線103は、主電源線103上の第一分岐点B1にて、第一分岐電源線としての分岐電源線104、分岐電源線105及び分岐電源線106に分岐されている。分岐電源線104〜分岐電源線106は、回路のグランドGよりも電源102の側、即ち、上流側にて合流し、主電源線103のグランド線103gを介してグランドGに接続されるようになっている。これにより、主電源線103は、グランド線103gに接続された分岐電源線104〜分岐電源線106のうちの何れかを介して、グランドGに接続される。
又、本実施形態において、主電源線103は、電源102から供給される電流の通電方向において、第一分岐点B1よりも電源102の側、即ち、上流側に設けられた第二分岐点B2にて、第二分岐電源線としての分岐電源線107に分岐されている。分岐電源線107は、回路のグランドGよりも電源102の側、即ち、上流側にて、グランド線107gが主電源線103のグランド線103gに接続されており、グランド線103gを介してグランドGに接続されるようになっている。
ここで、図3に示すように、第一電動モータ21は、第一分岐電源線である分岐電源線104に接続された分岐線109aと接続されるとともに、分岐電源線107のグランド線107g及び主電源線103のグランド線103gを介してグランドGに接続された分岐線109bに接続される。第二電動モータ22は、第一分岐電源線である分岐電源線105に接続された分岐線109cと接続されるとともに、分岐線109bを介してグランドGに接続された分岐線109dに接続される。第三電動モータ23は、第一分岐電源線である分岐電源線106に接続された分岐線109eと接続されるとともに、分岐線109bを介してグランドGに接続された分岐線109fに接続される。
第一駆動回路110は、図3に示すように、第一分岐電源線である分岐電源線104に接続されており、ハーフブリッジ駆動回路111と、PWM制御回路112と、から構成される。本実施形態において、ハーフブリッジ駆動回路111は、電源102から主電源線103を介して第一電動モータ21を正転させる際の電流(以下、「正転時供給電流」と称呼する。)が供給された場合に第一電動モータ21が正転するように正転時供給電流を供給又は遮断するものである。PWM制御回路112は、電源102から分岐電源線107を介して第一電動モータ21を逆転させる際の電流(以下、「逆転時供給電流」と称呼する。)が供給された場合に第一電動モータ21を逆転させるものである。即ち、第一駆動回路110は、第一電動モータ21を正転又は逆転させる駆動回路である。
ハーフブリッジ駆動回路111は、第一半導体スイッチング素子としてのPチャンネル型の電界効果トランジスタ111a(以下、「P−FET111a」と称呼する。)と、P−FET111aを駆動させるゲート駆動回路111bと、を備えている。P−FET111aは、分岐電源線104に設けられており、電圧(マイナス電圧)が供給されるとオフ状態(遮断状態)からオン状態(接続状態)になり、第一電動モータ21と電源102とが通電するように接続する。ゲート駆動回路111bは、マイクロコンピュータ101のポート108cを介してマイクロコンピュータ101から駆動信号を構成するゲート駆動信号SD1(電圧)が供給される。ゲート駆動回路111bは、ゲート駆動信号SD1(電圧)が供給されると、信号線111cを介してP−FET111aのゲートに電圧(マイナス電圧)を供給する。
PWM制御回路112は、第二半導体スイッチング素子としてのNチャンネル型の電界効果トランジスタ112a(以下、「N−FET112a」と称呼する。)を備えている。PWM制御回路112は、マイクロコンピュータ101のポート108dを介してマイクロコンピュータ101から駆動信号を構成する制御信号SC1(電圧)が供給される。PWM制御回路112は、制御信号SC1(電圧)が供給されると、信号線112bを介してN−FET112aのゲートにPWM制御信号(電圧)を供給する。
N−FET112aは、分岐電源線104のグランド線104g(主電源線103のグランド線103gを含む)に設けられており、PWM制御回路112から電圧が供給されるとオフ状態(遮断状態)からオン状態(接続状態)になり、第一電動モータ21とグランドGとを接続する。これにより、N−FET112aは、オン状態(接続状態)において第一電動モータ21に電流を流し、PWM制御信号に応じてオフ状態(遮断状態)とオン状態(接続状態)とを繰り返すことにより、第一電動モータ21のデューティ比を調整するようになっている。
第二駆動回路120は、図3に示すように、第一分岐電源線である分岐電源線105に設けられており、ハーフブリッジ駆動回路121と、PWM制御回路122と、から構成される。本実施形態において、ハーフブリッジ駆動回路121は、電源102から分岐電源線105を介して第二電動モータ22に正転時供給電流が供給された場合に第二電動モータ22が正転するように正転時供給電流を供給又は遮断するものである。PWM制御回路122は、電源102から分岐電源線107を介して第二電動モータ22に逆転時供給電流が供給された場合に第二電動モータ22を逆転させるものである。即ち、第二駆動回路120は、第二電動モータ22を正転又は逆転させる駆動回路である。
ハーフブリッジ駆動回路121は、第一半導体スイッチング素子としてのPチャンネル型の電界効果トランジスタ121a(以下、「P−FET121a」と称呼する。)と、P−FET121aを駆動させるゲート駆動回路121bと、を備えている。P−FET121aは、分岐電源線105に設けられており、電圧(マイナス電圧)が供給されるとオフ状態(遮断状態)からオン状態(接続状態)になり、第二電動モータ22と電源102とが通電するように接続する。ゲート駆動回路121bは、マイクロコンピュータ101のポート108eを介してマイクロコンピュータ101から駆動信号を構成するゲート駆動信号SD2(電圧)が供給される。ゲート駆動回路121bは、ゲート駆動信号SD2(電圧)が供給されると、信号線121cを介してP−FET121aのゲートに電圧(マイナス電圧)を供給する。
PWM制御回路122は、第二半導体スイッチング素子としてのNチャンネル型の電界効果トランジスタ122a(以下、「N−FET122a」と称呼する。)を備えている。PWM制御回路122は、マイクロコンピュータ101のポート108fを介してマイクロコンピュータ101から駆動信号を構成する制御信号SC2(電圧)が供給される。PWM制御回路122は、制御信号SC2(電圧)が供給されると、信号線122bを介してN−FET122aのゲートにPWM制御信号(電圧)を供給する。
N−FET122aは、分岐電源線105のグランド線105g(主電源線103のグランド線103gを含む)に設けられており、PWM制御回路122から電圧が供給されるとオフ状態(遮断状態)からオン状態(接続状態)になり、第二電動モータ22とグランドGとを接続する。これにより、N−FET122aは、オン状態(接続状態)において第二電動モータ22に電流を流し、PWM制御信号に応じてオフ信号(遮断状態)とオン状態(接続状態)とを繰り返すことにより、第二電動モータ22のデューティ比を調整するようになっている。
第三駆動回路130は、図3に示すように、第一分岐電源線である分岐電源線106に設けられており、ハーフブリッジ駆動回路131と、PWM制御回路132と、から構成される。本実施形態において、ハーフブリッジ駆動回路131は、電源102から分岐電源線106を介して第三電動モータ23に正転時供給電流が供給された場合に第三電動モータ23が正転するように正転時供給電流を供給又は遮断するものである。PWM制御回路132は、電源102から分岐電源線107を介して第三電動モータ23に逆転時供給電流が供給された場合に第三電動モータ23を逆転させるものである。即ち、第三駆動回路130は、第三電動モータ23を正転又は逆転させる駆動回路である。
ハーフブリッジ駆動回路131は、第一半導体スイッチング素子としてのPチャンネル型の電界効果トランジスタ131a(以下、「P−FET131a」と称呼する。)と、P−FET131aを駆動させるゲート駆動回路131bと、を備えている。P−FET131aは、分岐電源線106に設けられており、電圧(マイナス電圧)が供給されるとオフ状態(遮断状態)からオン状態(接続状態)になり、第三電動モータ23と電源102とが通電するように接続する。ゲート駆動回路131bは、マイクロコンピュータ101のポート108gを介してマイクロコンピュータ101から駆動信号を構成するゲート駆動信号SD3(電圧)が供給される。ゲート駆動回路131bは、ゲート駆動信号SD3(電圧)が供給されると、信号線131cを介してP−FET131aのゲートに電圧(マイナス電圧)を供給する。
PWM制御回路132は、第二半導体スイッチング素子としてのNチャンネル型の電界効果トランジスタ132a(以下、「N−FET132a」と称呼する。)を備えている。PWM制御回路132は、マイクロコンピュータ101のポート108hを介してマイクロコンピュータ101から駆動信号を構成する制御信号SC3(電圧)が供給される。PWM制御回路132は、制御信号SC3(電圧)が供給されると、信号線132bを介してN−FET132aのゲートにPWM制御信号(電圧)を供給する。
N−FET132aは、分岐電源線106のグランド線106g(主電源線103のグランド線103gを含む)に設けられており、PWM制御回路132から電圧が供給されるとオフ状態(遮断状態)からオン状態(接続状態)になり、第三電動モータ23とグランドGとを接続する。これにより、N−FET132aは、オン状態(接続状態)において第三電動モータ23に電流を流し、PWM制御信号に応じてオフ状態(遮断状態)とオン状態(接続状態)とを繰り返すことにより、第三電動モータ23のデューティ比を調整するようになっている。
第四駆動回路140は、図3に示すように、第二分岐電源線である分岐電源線107に設けられており、ハーフブリッジ駆動回路141と、PWM制御回路142と、から構成される。本実施形態において、ハーフブリッジ駆動回路141は、電源102から分岐電源線107を介して第一電動モータ21、第二電動モータ22及び第三電動モータ23のうちの何れか一つの特定電動モータに逆転時供給電流が供給された場合に特定電動モータが逆転するように逆転時供給電流を供給又は遮断するものである。PWM制御回路142は、電源102から分岐電源線104〜分岐電源線106を介して第一電動モータ21、第二電動モータ22及び第三電動モータ23のうちの何れか一つの特定電動モータに正転時供給電流が供給された場合に特定電動モータを正転させるものである。即ち、第四駆動回路140は、第一電動モータ21、第二電動モータ22及び第三電動モータ23のうちの何れか一つの特定電動モータを逆転又は正転させる駆動回路である。
ハーフブリッジ駆動回路141は、第一半導体スイッチング素子としてのPチャンネル型の電界効果トランジスタ141a(以下、「P−FET141a」と称呼する。)と、P−FET141aを駆動させるゲート駆動回路141bと、を備えている。P−FET141aは、分岐電源線107に設けられており、電圧(マイナス電圧)が供給されるとオフ状態(遮断状態)からオン状態(接続状態)になり、第一電動モータ21、第二電動モータ22及び第三電動モータ23のうちの何れか一つの特定電動モータと電源102とが通電するように接続する。ゲート駆動回路141bは、マイクロコンピュータ101のポート108iを介してマイクロコンピュータ101から駆動信号を構成するゲート駆動信号SD4(電圧)が供給される。ゲート駆動回路141bは、ゲート駆動信号SD4(電圧)が供給されると、信号線141cを介してP−FET141aのゲートに電圧(マイナス電圧)を供給する。
PWM制御回路142は、第二半導体スイッチング素子としてのNチャンネル型の電界効果トランジスタ142a(以下、「N−FET142a」と称呼する。)を備えている。PWM制御回路142は、マイクロコンピュータ101のポート108jを介してマイクロコンピュータ101から駆動信号を構成する制御信号SC4(電圧)が供給される。PWM制御回路142は、制御信号SC4(電圧)が供給されると、信号線142cを介してN−FET142aのゲートにPWM制御信号(電圧)を供給する。
N−FET142aは、分岐電源線107のグランド線107g(主電源線103のグランド線103gを含む)に設けられており、PWM制御回路142から電圧が供給されるとオフ状態(遮断状態)からオン状態(接続状態)になり、第一電動モータ21、第二電動モータ22及び第三電動モータ23の何れか一つの特定電動モータとグランドGとを接続する。これにより、N−FET142aは、オン状態(接続状態)において特定電動モータに電流を流し、PWM制御信号に応じてオフ信号(遮断状態)とオン状態(接続状態)とを繰り返すことにより、特定電動モータのデューティ比を調整するようになっている。
第一電流検出回路150は、例えば、抵抗やトランジスタ(半導体素子)等から構成されている。第一電流検出回路150は、図3に示すように、主電源線103上の第一分岐点B1と第二分岐点B2との間であって、第一分岐点B1よりも電源102(第二分岐点B2)の側となる上流側に設けられた第一電流検出用抵抗151に対して、接続線152及び接続線153を介して接続されている。接続線152は、第一電流検出回路150と、第一電流検出用抵抗151の上流側(電源102の側)と、を接続する。接続線153は、第一電流検出回路150と、第一電流検出用抵抗151の下流側(グランドGの側)と、を接続する。
第一電流検出回路150は、マイクロコンピュータ101のポート108aに接続されている。第一電流検出回路150は、正転時供給電流が供給された場合において、第一電流検出用抵抗151の両端(上流側及び下流側)の電圧(電位差)を検出する。そして、第一電流検出回路150は、検出した電位差、即ち、第一電動モータ21、第二電動モータ22及び第三電動モータ23のうちの何れか一つの特定電動モータを正転させたときに特定電動モータに流れる電流値に対応する検出信号SK1(電位差)を、ポート108aを介して、マイクロコンピュータ101に出力する。これにより、マイクロコンピュータ101は、検出信号SK1によって表される第一電流検出用抵抗151の両端の電位差に基づいて、正転する特定電動モータ(第一電動モータ21、第二電動モータ22又は第三電動モータ23)に流れている電流の電流値を演算する。
第二電流検出回路160は、例えば、抵抗やトランジスタ(半導体素子)等から構成されている。第二電流検出回路160は、図3に示すように、第二分岐電源線である分岐電源線107に設けられた第二電流検出用抵抗161に対して、接続線162及び接続線163を介して接続されている。接続線162は、第二電流検出回路160と、第二電流検出用抵抗161の上流側(第二分岐点B2の側であって電源102の側)と、を接続する。接続線163は、第二電流検出回路160と、第二電流検出用抵抗161の下流側(グランドGの側)と、を接続する。
第二電流検出回路160は、マイクロコンピュータ101のポート108bに接続されている。第二電流検出回路160は、逆転時供給電流が供給された場合において、第二電流検出用抵抗161の両端(上流側及び下流側)の電圧(電位差)を検出する。そして、第二電流検出回路160は、検出した電位差、即ち、第一電動モータ21、第二電動モータ22及び第三電動モータ23のうちの何れか一つの特定電動モータを逆転させたときに特定電動モータに流れる電流値に対応する検出信号SK2(電位差)を、ポート108bを介して、マイクロコンピュータ101に出力する。これにより、マイクロコンピュータ101は、検出信号SK2によって表される第二電流検出用抵抗161の両端の電位差に基づいて、逆転する特定電動モータ(第一電動モータ21、第二電動モータ22又は第三電動モータ23)に流れている電流の電流値を演算する。
尚、本実施形態においては、第一電流検出回路150及び第二電流検出回路160に対して、それぞれ、第一電流検出用抵抗151及び第二電流検出用抵抗161を別体として設ける。しかしながら、第一電流検出回路150及び第二電流検出回路160に対して、第一電流検出用抵抗151及び第二電流検出用抵抗161を一体に組み込むようにすることも可能である。
このように構成されたモータ制御装置100においては、駆動装置1を構成する第一アクチュエータ31に設けられた第一電動モータ21、第二アクチュエータ32に設けられた第二電動モータ22及び第三アクチュエータ33に設けられた第三電動モータ23を選択的に作動させる。マイクロコンピュータ101は、例えば、第一アクチュエータ31を第一位置P1から第二位置P2に駆動させる場合、即ち、第一電動モータ21を正転させる場合、第一駆動回路110、第二駆動回路120、第三駆動回路130及び第四駆動回路140のうち特定駆動回路として第一駆動回路110及び第四駆動回路140を選択する。
そして、マイクロコンピュータ101は、正転させる特定電動モータである第一電動モータ21にのみ正転時供給電流を供給するために、第一駆動回路110のハーフブリッジ駆動回路111(より詳しくは、ゲート駆動回路111b)にゲート駆動信号SD1を供給する。又、マイクロコンピュータ101は、正転させる特定電動モータである第一電動モータ21の駆動を制御するために、第四駆動回路140のPWM制御回路142にゲート駆動信号SD4を供給する。この場合において、マイクロコンピュータ101は、第一電動モータ21を正転により駆動を制御するため、第一電流検出回路150から出力された検出信号SK1(電位差)を、ポート108aを介して入力する。
具体的に第一電動モータ21を正転により駆動させる場合を例示して説明すると、マイクロコンピュータ101は、図4にて太実線で示すように、ポート108cから特定駆動回路として選択した第一駆動回路110のハーフブリッジ駆動回路111を構成するゲート駆動回路111bに対して、ゲート駆動信号SD1(電圧)を供給する。又、マイクロコンピュータ101は、ポート108jから特定駆動回路として選択した第四駆動回路140のPWM制御回路142に対して、第二電動モータ22を正転によりPWM制御するための制御信号SC4(電圧)を供給する。
尚、第一電動モータ21を駆動させる場合、マイクロコンピュータ101は、第二駆動回路120にゲート駆動信号SD2を供給しない。又、第一電動モータ21を駆動させる場合、マイクロコンピュータ101は、第三駆動回路130にゲート駆動信号SD3を供給しない。従って、第一アクチュエータ31即ち第一電動モータ21を正転又は後述する逆転により駆動させる場合には、第二駆動回路120のP−FET121a及び第三駆動回路130のP−FET131aはオフ状態(遮断状態)を維持する。
ハーフブリッジ駆動回路111においては、図4に示すように、ゲート駆動回路111bがマイクロコンピュータ101から供給されたゲート駆動信号SD1(電圧)に応じて、信号線111cを介してP−FET111aのゲートに電圧(マイナス電圧)を供給する。これにより、P−FET111aは、オフ状態(遮断状態)からオン状態(接続状態)になり、特定電動モータである第一電動モータ21に正転時供給電流が供給されるように電源102と第一電動モータ21とを電気的に接続する。
又、PWM制御回路142は、制御信号SC4(電圧)が供給されると、N−FET142aのゲートに対してPWM制御信号(電圧)を供給する。これにより、N−FET142aは、図4に示すように、供給されるPWM制御信号の矩形波形(電圧波形)に応じてオフ状態(遮断状態)又はオン状態(接続状態)となり、デューティ比を調整して第一電動モータ21を正転により駆動させる。
ところで、特定電動モータである第一電動モータ21を正転により駆動させる場合、電源102から供給される正転時供給電流は、主電源線103上の第一分岐点B1にて分岐された第一分岐電源線としての分岐電源線104を介して第一電動モータ21に供給される。又、第一電流検出回路150は、第二分岐点B2よりも下流側即ちグランドGの側、且つ、第一分岐点B1よりも上流側即ち電源102の側にて、主電源線103に接続されている。従って、第一駆動回路110のP−FET111aのみがオン状態(接続状態)になっている場合、第一電流検出回路150は、第一電動モータ21に流れる電流値に対応する検出信号SK1(電位差)を、ポート108aを介して、マイクロコンピュータ101に出力する。これにより、マイクロコンピュータ101は、特定電動モータである第一電動モータ21を正転により駆動させる際に流れる電流を検出する。
ここで、第一電流検出回路150は、正転時供給電流が電源102から供給される場合、即ち、特定電動モータを正転により駆動する場合、特定電動モータに流れる電流値に対応する電位差を検出信号SK1としてマイクロコンピュータ101に出力する。従って、第一電流検出回路150は、第二駆動回路120のP−FET121aのみがオン状態(接続状態)になっており特定電動モータとしての第二電動モータ22を正転により駆動する場合、及び、第三駆動回路130のP−FET131aのみがオン状態(接続状態)になっており特定電動モータとしての第三電動モータ23を正転により駆動する場合においても、第二電動モータ22又は第三電動モータ23に流れる電流値を検出する。そして、この場合においても、第一電流検出回路150がポート108aを介して検出信号SK1(電位差)をマイクロコンピュータ101に出力することにより、マイクロコンピュータ101は、特定電動モータである第二電動モータ22又は第三電動モータ23を正転により駆動させる際に流れる電流を検出する。
一方、モータ制御装置100は、例えば、第二位置P2に駆動させた第一アクチュエータ31を第一位置P1に駆動する場合、第一電動モータ21を逆転により駆動させる。この場合にも、マイクロコンピュータ101は、第一駆動回路110及び第四駆動回路140を特定駆動回路として選択する。
そして、マイクロコンピュータ101は、逆転させる特定電動モータである第一電動モータ21にのみ逆転時供給電流を供給するために、図5に示すように、第一駆動回路110のハーフブリッジ駆動回路111(より詳しくは、ゲート駆動回路111b)へのゲート駆動信号SD1の供給を停止し、第四駆動回路140のハーフブリッジ駆動回路141(より詳しくは、ゲート駆動回路141b)にゲート駆動信号SD4を供給する。又、マイクロコンピュータ101は、逆転させる特定電動モータである第一電動モータ21の駆動を制御するために、図5に示すように、第四駆動回路140のPWM制御回路142への制御信号SC4の供給を停止し、第一駆動回路110のPWM制御回路112に制御信号SC1を供給する。この場合において、図5に示すように、マイクロコンピュータ101は、第一電動モータ21を逆転により駆動を制御するため、第二電流検出回路160から出力された検出信号SK2(電位差)を、ポート108bを介して入力する。
具体的に、マイクロコンピュータ101は、図5にて太実線で示すように、ポート108iから特定駆動回路として選択した第四駆動回路140のハーフブリッジ駆動回路141を構成するゲート駆動回路141bに対して、ゲート駆動信号SD4(電圧)を供給する。又、マイクロコンピュータ101は、ポート108dから特定駆動回路として選択した第一駆動回路110のPWM制御回路112に対して、第一電動モータ21を逆転によりPWM制御するための制御信号SC1(電圧)を供給する。
ハーフブリッジ駆動回路141においては、図5に示すように、ゲート駆動回路141bがマイクロコンピュータ101から供給されたゲート駆動信号SD4(電圧)に応じて、信号線141cを介してP−FET141aのゲートに電圧(マイナス電圧)を供給する。これにより、P−FET141aは、オフ状態(遮断状態)からオン状態(接続状態)になり、特定電動モータである第一電動モータ21と、第二電動モータ22及び第三電動モータ23と、に逆転時供給電流が供給されるように電源102と第一電動モータ21〜第三電動モータ23とを電気的に接続する。
又、特定電動モータである第一電動モータ21に対応するPWM制御回路112は、制御信号SC1(電圧)が供給されると、N−FET112aのゲートに対してPWM制御信号(電圧)を供給する。これにより、N−FET112aは、図5に示すように、供給されるPWM制御信号の矩形波形(電圧波形)に応じてオフ状態(遮断状態)又はオン状態(接続状態)となり、デューティ比を調整して第一電動モータ21を逆転により駆動させる。
ところで、特定電動モータである第一電動モータ21を逆転により駆動させる場合、電源102から供給される逆転時供給電流は、主電源線103上の第二分岐点B2にて分岐された第二分岐電源線としての分岐電源線107を介して第一電動モータ21に供給される。又、第二電流検出回路160は、第二分岐点B2にて主電源線103から分岐された分岐電源線107に接続されている。従って、第四駆動回路140のP−FET141aのみがオン状態(接続状態)になっており、且つ、第一駆動回路110のN−FET112aがPWM制御される場合、第二電流検出回路160は、第一電動モータ21に流れる電流値に対応する検出信号SK2(電位差)を、ポート108bを介して、マイクロコンピュータ101に出力する。これにより、マイクロコンピュータ101は、特定電動モータである第一電動モータ21を逆転により駆動させる際に流れる電流を検出する。
ここで、第二電流検出回路160は、逆転時供給電流が電源102から供給される場合、即ち、特定電動モータを逆転により駆動する場合、特定電動モータに流れる電流値を検出信号SK2としてマイクロコンピュータ101に出力する。従って、第二電流検出回路160は、第二駆動回路120のPWM制御回路122がPWM制御信号をN−FET122aに出力して特定電動モータとしての第二電動モータ22を逆転により駆動する場合、及び、第三駆動回路130のPWM制御回路132がPWM制御信号をN−FET132aに出力して特定電動モータとしての第三電動モータ23を逆転により駆動する場合においても、第二電動モータ22又は第三電動モータ23に流れる電流値を検出する。そして、この場合においても、第二電流検出回路160がポート108bを介して検出信号SK2(電位差)をマイクロコンピュータ101に出力することにより、マイクロコンピュータ101は、特定電動モータである第二電動モータ22又は第三電動モータ23を逆転により駆動させる際に流れる電流を検出する。
尚、図4及び図5において、太破線により示す矢印は、特定電動モータとして駆動する第一電動モータ21によって極短時間に発せられる起電力(回生電力)の通電を示す。特定電動モータによる起電力(回生電力)は、電源102に流れるようになっている。
以上の説明からも理解できるように、本実施形態のモータ制御装置100は、複数のポート108a〜ポート108jを有するマイクロコンピュータ101と、マイクロコンピュータ101の複数のポート108a〜ポート108jにそれぞれ接続されるとともに、電源102に接続された主電源線103上の第一分岐点B1から複数に分岐された第一分岐電源線としての分岐電源線104、分岐電源線105及び分岐電源線106のそれぞれに接続されていて、分岐電源線104〜分岐電源線106のそれぞれに接続された複数の電動モータである第一電動モータ21、第二電動モータ22及び第三電動モータ23を正転又は逆転させる複数の駆動回路である第一駆動回路110、第二駆動回路120、第三駆動回路130及び第四駆動回路140と、マイクロコンピュータ101が、第一駆動回路110〜第四駆動回路140のうちから選択した特定駆動回路(例えば、第一駆動回路110及び第四駆動回路140)に対して、第一電動モータ21〜第三電動モータ23のうちの特定駆動回路である第一駆動回路110及び第四駆動回路140に接続された特定電動モータ(例えば、第一電動モータ21)を駆動させるための駆動信号(例えば、ゲート駆動信号SD1及び制御信号SC4)を供給するように構成されたモータ制御装置である。
ここで、第一駆動回路110〜第四駆動回路140は、それぞれ、第一半導体スイッチング素子としてのP−FET111a,121a,131a,141a、及び、P−FET111a,121a,131a,141aを駆動させるゲート駆動回路111b,121b,131b,141bから構成されて、特定電動モータ(例えば、第一電動モータ21)に電流(正転時供給電流又は逆転時供給電流)を供給又は遮断するハーフブリッジ駆動回路111,121,131,141と、第二半導体スイッチング素子としてのN−FET112a,122a,132a,142aをPWM制御により駆動させて特定電動モータ(例えば、第一電動モータ21)を正転又は逆転させるPWM制御回路112,122,132,142と、を有する。
モータ制御装置100は、マイクロコンピュータ101の複数のポート108a〜ポート108jのうち、第一駆動回路110〜第四駆動回路140と接続されていないポート108aに接続されるとともに主電源線103に接続されていて、特定電動モータである第一電動モータ21を正転させる際の電流(正転時供給電流)を検出する第一電流検出回路150を備え、マイクロコンピュータ101が、第一電流検出回路150から、第一電動モータ21に流れる電流の電流値に対応する検出信号SK1を入力するように構成される。
これらによれば、第一電流検出回路150は、主電源線103に接続されており、主電源線103から第一分岐点B1にて分岐された分岐電源線104〜分岐電源線106には接続されない。これにより、マイクロコンピュータ101は、一つの第一電流検出回路150と接続するのみであるので、自身のポートに接続される第一電流検出回路150の数を低減することができる。
そして、第一電流検出回路150は、主電源線103に接続されることにより、分岐電源線104〜分岐電源線106を介して第一電動モータ21〜第三電動モータ23のそれぞれに流れる電流を検出することができる。従って、マイクロコンピュータ101は、第一駆動回路110〜第四駆動回路140のうちから特定駆動回路(例えば、第一駆動回路110及び第四駆動回路140)を選択して特定電動モータである第一電動モータ21を正転させる際に、第一電流検出回路150を用いて第一電動モータ21に流れる電流(正転時供給電流)を正確に検出することができる。これにより、マイクロコンピュータ101は、ポート数を増やすことなく、正確に正転させる特定電動モータ(例えば、第一電動モータ21)の駆動を制御することができる。
又、マイクロコンピュータ101は、一つの第一電流検出回路150とのみ接続するのみであるので、ポート数を増大させる必要がない。その結果、マイクロコンピュータ101を構成するCPUとして、ピン数を増大させた高価なCPUを用いることがなく、ピン数の少ない安価なCPUを用いてマイクロコンピュータ101を構成することができる。従って、モータ制御装置100の製造コストが増大することを効果的に抑制することができる。
又、この場合、第一電流検出回路150は、電流(正転時供給電流)の通電方向において、第一分岐点B1よりも電源102の側となる上流側にて主電源線103にされる。そして、第一電流検出回路150は、特定電動モータ(例えば、第一電動モータ21)を正転させる際の電流(正転時供給電流)を検出する。
これらによれば、第一電流検出回路150は、特定駆動回路(例えば、第一駆動回路110)及び特定電動モータ(例えば、第一電動モータ21)よりも上流側(即ち、電源102の側)にて主電源線103に接続されるため、特定電動モータ(例えば、第一電動モータ21)を正転により駆動させる際に流れる電流(正転時供給電流)をより正確に検出することができる。従って、マイクロコンピュータ101は、第一電流検出回路150からポート108aを介して入力した検出信号SK1を用いることによって、特定電動モータ(例えば、第一電動モータ21)に流れる電流(正転時供給電流)を検出しながら、より正確に正転させる特定電動モータ(例えば、第一電動モータ21)の駆動を制御することができる。
又、これらの場合、モータ制御装置100は、マイクロコンピュータ101の複数のポート108a〜ポート108jのうち、第一駆動回路110〜第四駆動回路140及び第一電流検出回路150が接続されていないポート108bに接続されるとともに、主電源線103上の第二分岐点B2から分岐されて第一電動モータ21、第二電動モータ22及び第三電動モータ23が接続された第二分岐電源線としての分岐電源線107に接続されていて、特定電動モータ(例えば、第一電動モータ21)を逆転させる際の電流(逆転時供給電流)を検出する第二電流検出回路160を備える。
この場合、第二分岐電源線としての分岐電源線107は、電流(逆転時供給電流)の通電方向において、第一分岐点B1よりも電源102の側となる上流側に設けられた第二分岐点B2から分岐する。
これらによれば、第二電流検出回路160は、主電源線103から第一分岐点B1よりも上流側に設けられた第二分岐点B2にて分岐された分岐電源線107に接続されており、第一分岐電源線としての分岐電源線104〜分岐電源線106には接続されない。これにより、マイクロコンピュータ101は、逆転時供給電流を検出する一つの第二電流検出回路160と接続するのみであるので、自身のポートに接続される第二電流検出回路160の数を低減することができる。そして、第二電流検出回路160は、分岐電源線107に接続されることにより、第一電動モータ21〜第三電動モータ23のそれぞれに流れる逆転時供給電流を検出することができる。従って、マイクロコンピュータ101は、第一駆動回路110〜第四駆動回路140のうちから特定駆動回路(例えば、第一駆動回路110及び第四駆動回路140)を選択して特定電動モータである第一電動モータ21を逆転させる際に、第二電流検出回路160を用いて第一電動モータ21に流れる電流(逆転時供給電流)を検出することができる。これにより、マイクロコンピュータ101は、ポート数を増やすことなく、正確に逆転させる特定電動モータ(例えば、第一電動モータ21)の駆動を制御することができる。
この場合、第二電流検出回路160は、電流(逆転時供給電流)の通電方向において、第一駆動回路110〜第四駆動回路140のうちの分岐電源線107に接続された第四駆動回路140よりも電源102の側である上流側にて分岐電源線107に接続される。
これによれば、第二電流検出回路160は、逆転時供給電流が供給される分岐電源線107に接続された第四駆動回路140よりも上流側(即ち、電源102の側)にて分岐電源線107に接続されるため、特定電動モータ(例えば、第一電動モータ21)を逆転により駆動させる際に流れる電流(逆転時供給電流)をより正確に検出することができる。従って、マイクロコンピュータ101は、第二電流検出回路160からポート108bを介して入力した検出信号SK2を用いることによって、特定電動モータ(例えば、第一電動モータ21)に流れる電流(逆転時供給電流)を検出しながら、より正確に逆転させる特定電動モータ(例えば、第一電動モータ21)の駆動を制御することができる。
(変形例)
上記実施形態においては、第一電流検出回路150は、第二分岐点B2よりも下流側、且つ、第一分岐点B1よりも上流側となるように、主電源線103に接続されるようにした。又、上記実施形態においては、第一電流検出回路150に加えて、第二分岐点B2にて分岐された第二分岐電源線としての分岐電源線107に第二電流検出回路160を接続し、第二電流検出回路160が特定電動モータを逆転により駆動させる際の電流値に対応する検出信号SK2(電位差)を出力するようにした。これに代えて、第二電流検出回路160は省略することが可能である。
この場合、第一電流検出回路150は、図6に示すように、第一分岐点B1よりも上流側、且つ、第二分岐点B2よりも上流側となるように、主電源線103に接続される。これにより、電源102から正転時供給電流が供給されて特定電動モータを正転により駆動する場合において、第一電流検出回路150は特定電動モータに流れる電流を検出することができ、検出した電流の電流値を検出信号SK1としてマイクロコンピュータ101に出力することができる。尚、この場合、正転時供給電流は、第一電流検出回路150よりも下流側に設けられた第二分岐点B2から第二分岐電源線としての分岐電源線107に設けられた第四駆動回路140のP−FET141aまで流れる。
又、電源102から逆転時供給電流が供給されて特定電動モータを逆転により駆動する場合において、第一電流検出回路150は特定電動モータに流れる電流を検出することができ、検出した電流の電流値を検出信号SK1としてマイクロコンピュータ101に出力することができる。尚、この場合、逆転時供給電流は、第一電流検出回路150よりも下流側に設けられた第一分岐点B1から第一分岐電源線としての分岐電源線104〜分岐電源線106に設けられた第一駆動回路110〜第三駆動回路130のP−FET111a〜P−FET131aまで流れる。
これにより、上記実施形態のように、第一電流検出回路150及び第二電流検出回路160を設ける場合に比べて、正転時供給電流又は逆転時供給電流が分岐電源線104〜分岐電源線107に流れる分だけ特定電動モータを正転又は逆転により駆動する場合の電流検出精度が若干悪化する虞があるものの、特定電動モータを正転又は逆転により駆動させる際に必要な電流検出精度を確保することができる。従って、モータ制御装置100は、必要な電流検出精度を確保して、特定電動モータの駆動を制御することが可能となる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態及び上記変形例においては、第一電流検出回路150を第一駆動回路110〜第四駆動回路140よりも上流側、即ち、電源102の側にて主電源線103に接続するようにした。これに代えて、第一電流検出回路150を第一駆動回路110〜第四駆動回路140よりも下流側、即ち、グランドGに接続される主電源線103のグランド線103gに接続することも可能である。
又、上記変形例においては、第二分岐電源線としての分岐電源線107が主電源線103上の第二分岐点B2にて分岐されるようにした。これに代えて、分岐電源線107を、分岐電源線104〜分岐電源線106と同様に、主電源線103から第一分岐点B1にて分岐されるようにすることも可能である。