JP2019103166A - モータ制御装置及び空気調和装置 - Google Patents

モータ制御装置及び空気調和装置 Download PDF

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Abstract

【課題】二相変調によりモータを安定して動作させる手段を提供する。【解決手段】モータ制御部12は、変調部130と、歪み補正部131と、を備える。変調部130は、三相のうちいずれか一相の電圧指令値が順次に一定の下限値となり、下限値に対する他の二相の電圧指令値を示す下ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*を生成し、過変調化する。歪み補正部131は、過変調化された変調信号Vu*,Vv*,Vw*において、前記他の二相の電圧指令値のうち、上限値を超えるものを特定相電圧指令値とし、上限値と下限値との間の値をとるものを対象相電圧指令値とした場合、対象相電圧指令値を補正することで補正後電圧指令信号Vu*’,Vv*’,Vw*’を生成する。歪み補正部131は、特定相電圧指令値と上限値の差分に、0より大きく1未満の係数を乗じた値を、対象相電圧指令値から減じる。【選択図】図3

Description

本発明は、モータ制御装置及び空気調和装置に関する。
従来から、モータに印加すべき電圧を示す電圧指令信号に応じてインバータのPWM(Pulse Width Modulation)制御を行い、直流電圧から三相交流電圧に変換した電圧をモータに印加する技術が知られている。また、PWM制御において、変調率を100%より大きくする過変調を行うことで、電圧の利用効率を上昇させる技術も知られている。
また、三相交流電圧の出力方式として、電圧指令信号に対し、いわゆる、上ベタ二相変調又は下ベタ二相変調(以下、双方を総称して「片ベタ二相変調」と呼ぶ)を施した信号を用いる技術が、例えば、特許文献1に開示されている。片ベタ二相変調では、正弦波状の各相電圧指令信号のうちいずれか一相が、正弦波周期の1/3期間毎に上限値又は下限値となる。これにより、当該1/3期間毎に、インバータが有する3対のスイッチング素子のうち、所定相に対応する1対のスイッチング素子の一方のオン状態が継続されることとなり、スイッチングノイズの影響を低減することができる。
特開2016−92944号公報
片ベタ二相変調を施した電圧指令信号を過変調化してPWM制御をした場合、図11(a)に示すように、各相に流れる相電流及び各相の線間電圧の波形が歪んでしまうという問題がある(図11(a)では、代表してU相電流とUV線間電圧の測定波形を示した)。このように、相電流及び線間電圧の波形が歪むと、モータを安定して動作させることができなくなる虞がある。
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、モータを安定して動作させることができるモータ制御装置及び空気調和装置を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るモータ制御装置は、
電圧指令信号に応じた電圧をインバータを介してモータに印加するモータ制御装置であって、
前記モータの各相に対応した三相の電圧指令値のうちいずれか一相の電圧指令値が順次に一定値となる信号であって、前記一定値に対する他の二相の電圧指令値を示す変調信号を生成し、過変調化する変調部と、
前記過変調化された前記変調信号において、前記他の二相の電圧指令値のうち、前記インバータに入力される直流電圧に応じて定まる規定値を超えるものを特定相電圧指令値とし、前記規定値と前記一定値との間の値をとるものを対象相電圧指令値とした場合、前記対象相電圧指令値を補正することで前記電圧指令信号を生成する補正部と、を備え、
前記一定値と前記規定値は、前記直流電圧に応じて定まり、一方が上限値で他方が下限値であり、
前記補正部は、前記特定相電圧指令値と前記規定値の差分に係数を乗じた値を、前記対象相電圧指令値から減じる補正をし、
前記係数は、0より大きく1未満の値である。
(2)上記(1)に記載のモータ制御装置において、
前記補正部は、前記対象相電圧指令値として周期的に現れる前記モータの各相に対応した値を順次に補正する、ようにしてもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載のモータ制御装置において、
前記係数は、1/2である、ようにしてもよい。
(4)上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る空気調和装置は、
上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のモータ制御装置と、
前記インバータと、前記モータと、前記モータによって駆動されるコンプレッサと、前記コンプレッサにより圧縮された冷媒を利用して室温を調整する空調部と、を備える。
本発明によれば、モータを安定して動作させることができる。
本発明の一実施形態に係る空気調和装置の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るインバータの要部回路図である。 本発明の一実施形態に係るモータ制御部の構成を示すブロック図である。 (a)及び(b)は、下ベタ二相変調に係る変調処理を説明するための図である。 (a)は、下ベタ二相変調に係る変調処理を説明するための図であり、(b)は、下ベタ二相変調に係る変調信号の線間電圧を示した図である。 (a)は、過変調化された変調信号の相電圧を示す図であり、(b)は、過変調化された変調信号の線間電圧を示す図である。 (a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る波形歪み補正処理を説明するための図である。 (a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る波形歪み補正処理を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る波形歪み補正処理を示すフローチャートである。 (a)は、波形歪み補正処理後の変調信号と当該処理前の変調信号とを示す図であり、(b)は、波形歪み補正処理後の変調信号の線間電圧を示す図である。 モータにおける相電流と線間電圧の測定波形を示し、(a)は、波形歪み補正処理が無い場合の図であり、(b)は、波形歪み補正処理が有る場合の図である。
本発明に係るモータ制御装置及び空気調和装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る空気調和装置1は、制御部10と、インバータ20と、モータ30と、コンプレッサ40と、電源50と、シャント抵抗19と、電流センサ35v,35wと、空調部60と、を備える。
電源50は、図示しない商用交流電源から直流電圧Eを生成する周知の構成であり、生成された直流電圧Eをインバータ20に印加する。直流電圧センサ51は、直流電圧Eを検出し、その検出結果を制御部10に出力する。
シャント抵抗19は、過電流検出のために、電源50とインバータ20との間の接続線に介挿されている。シャント抵抗19は、この接続線に流れる電流を検出する電流検出信号Sp1をインバータ20に出力する。
インバータ20は、制御部10からのPWM信号Su,Sv,Swに基づき、電源50から供給された直流電流を、3相、すなわちU相、V相、W相の交流電流Iu,Iv,Iwに変換し、その変換した交流電流Iu,Iv,Iwをモータ30に供給する。インバータ20は、例えば、IPM(Intelligent Power Module:高機能パワーモジュール)から構成されている。インバータ20は、シャント抵抗19からの電流検出信号Sp1を受けて過電流の有無を表す過電流検知信号Sp2を制御部10に出力する。
インバータ20は、図2に示すように、スイッチング回路21と、制御部10からのPWM信号Su,Sv,Sw(切り替え制御信号)に応じてスイッチング回路21を駆動する駆動部22と、を備える。スイッチング回路21は、直列接続された一対のスイッチング素子を、U,V,Wの三相分有するもので、具体的には、U相に対応する一対のスイッチング素子としての上側素子71u及び下側素子72uと、V相に対応する一対のスイッチング素子としての上側素子71v及び下側素子72vと、W相に対応する一対のスイッチング素子としての上側素子71w及び下側素子72wと、を備える。そして、上側素子71u,71v,71wに対し還流ダイオードD1u,D1v,D1wがそれぞれ逆並列接続されている。また、下側素子72u,72v,72wに対し還流ダイオードD2u,D2v,D2wがそれぞれ逆並列接続されている。なお、スイッチング素子としては、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の公知のものを適宜採用でき、その種類は任意である。
モータ30は、コンプレッサ40を駆動する。モータ30は、ロータ内部に磁石が埋め込まれた構造をもつ回転界磁形式の同期モータあり、3相ブラシレスモータから構成されている。モータ30は、Y結線された界磁巻線を有する。U相、V相、W相の各界磁巻線は、一端が中性点で相互に接続され、他端がインバータ20と電気的に接続されている。モータ30は、インバータ20から交流電流Iu,Iv,Iwを受けることで回転する。
電流センサ35vは、モータ30に流れるV相の電流Ivの値を検出し、検出値を示す信号を制御部10に出力する。電流センサ35wは、モータ30に流れるW相の電流Iwの値を検出し、検出値を示す信号を制御部10に出力する。電流センサ35v、35wの各々は、例えば、例えば、変流器(CT:Current Transformer)センサ又はホール素子から構成されている。
コンプレッサ40は、モータ30により駆動されることで、吸入した冷媒を圧縮し、その圧縮した冷媒を排出する。
空調部60は、コンプレッサ40により圧縮された冷媒を利用して室内温度を調整する。詳しくは、空調部60は、室内空気と熱交換する室内用熱交換器63と、室外空気と熱交換する室外用熱交換器64と、冷媒の減圧を行う膨張弁65と、コンプレッサ40により圧縮された冷媒の流路を室外用熱交換器64及び室内用熱交換器63の何れかに切り替える四方弁66と、を備える。
冷房運転時について説明すると、四方弁66は、コンプレッサ40により圧縮された冷媒を室外用熱交換器64に送り込む。室外用熱交換器64は、冷房運転時には冷媒を冷却するガスクーラとして機能し、室外空気と冷媒との間で熱交換させることで冷媒の熱を室外に排出する。その後、この冷媒は、膨張弁65で減圧膨張されたうえで室内用熱交換器63に送られる。室内用熱交換器63は、冷房運転時には蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させることで室内空気と冷媒との間で熱交換させ、室内空気の温度を低下させる。これにより、室内温度の調整を図る。そして、室内用熱交換器63を経た冷媒は、四方弁66を介してコンプレッサ40に戻る。
暖房運転時について説明すると、四方弁66は、コンプレッサ40により圧縮された冷媒を室内用熱交換器63に送り込む。室内用熱交換器63は冷媒を冷却するガスクーラとして機能し、室内空気と冷媒との間で熱交換させることで、室内空気の温度を上昇させる。これにより、室内温度の調整を図る。そして、膨張弁65は、室内用熱交換器63を経た冷媒を減圧膨張させたうえで室外用熱交換器64に送り込む。室外用熱交換器64は、蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させることで室外空気と冷媒との間で熱交換させる。その後、四方弁66は、熱交換された冷媒をコンプレッサ40に戻す。
制御部10は、インバータ20を介してモータ30の動作を制御するものであり、マイクロコンピュータから構成され、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有する。ROMは、CPUの処理手順を規定する動作プログラム(後述の波形歪み補正処理を実行するためのプログラムを含む)、各種数式を示すデータ、テーブルデータなどの固定データを予め記憶する。RAMは、各種の演算結果などを一時的に記憶する。
制御部10は、機能部として、運転指令部11と、モータ制御部12とを備える。
運転指令部11は、例えばユーザによるリモコンの操作に応じて空気調和装置1の運転を指令する。運転指令部11は、例えば、図示しないセンサにより取得される室内温度及び室外温度、ユーザにより設定される目標温度に基づきモータ30の目標回転速度ω0(回転数指令)を演算し、演算した目標回転速度ω0をモータ制御部12に出力する。
モータ制御部12は、ベクトル制御により、インバータ20を介してモータ30を駆動制御する。詳しくは、モータ制御部12は、図3に示すように、機能部として、3相電流演算部121と、電流変換部122と、位置推定部123と、速度制御部124と、d軸電流制御部125と、電流制御部126と、電圧変換部127と、PWM信号生成部128と、変調部130と、歪み補正部131と、を備える。
3相電流演算部121は、電流センサ35v、35wを通じてV相、W相の電流Iv,Iwの値を取得する。そして、3相電流演算部121は、その取得した電流Iv,Iwの値に基づき、3相の電流Iu,Iv,Iwの和がゼロとなることを利用してU相の電流Iuの値を演算する。この際、3相電流演算部121は、例えば、複数回にわたって電流Iv,Iwの値を取得し、その平均値をとる。また、3相電流演算部121は、例えば、インバータ20からの過電流検知信号Sp2に基づき過電流が発生しているときにはそのときの電流Iv,Iwの値を含めずに平均値をとる。
電流変換部122は、3相電流演算部121によって演算された3相の電流Iu,Iv,Iwを2相のq軸電流Iqとd軸電流Idに座標変換する。なお、q軸電流Iqはモータ30のトルク成分であり、d軸電流Idはモータ30の磁束成分である。
位置推定部123は、電流変換部122により変換されたq軸電流Iq及びd軸電流Idと、後述する電流制御部126により演算されるq軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値Vdとに基づき、モータ30の角度θ(回転位置)を推定する。また、位置推定部123は、推定されたモータ30の角度θを微分することで回転速度情報であるモータ30の回転速度ω(単位時間当たりの回転数)を推定する。
速度制御部124は、モータ30の回転速度ωを運転指令部11からの目標回転速度ω0に一致させるべく目標q軸電流Iq*を演算するフィードバック制御を行う。例えば、速度制御部124は、目標回転速度ω0と回転速度ωとの偏差ωe(ωe=ω0−ω)を求める。そして、速度制御部124は、偏差ωeに基づくPI制御により、目標q軸電流Iq*を、Iq*=k1・ωe+k2∫ωedtにより求める。なお、k1は比例要素のフィードバックゲインであり、k2は積分要素のフィードバックゲインである。また、速度制御部124が行うフィードバック制御は、PI制御に限られず、P(比例)、I(積分)、D(微分)のうち少なくともいずれかを用いた制御であってもよい。
d軸電流制御部125は、速度制御部124から出力された目標q軸電流Iq*に対応した目標d軸電流Id*を演算する。また、d軸電流制御部125は、位置推定部123が推定した回転速度ωを取得するとともに、図示せぬ電圧センサから最大電圧Vam(モータ30の端子電圧の上限値)を取得する。これらの回転速度ωと最大電圧Vamも目標d軸電流Id*の決定に用いられる。目標q軸電流Iq*’’に対する目標d軸電流Id*の設定により、電流ベクトルを最小の電流で最大のトルクが得られるように制御する最大トルク制御、モータ30の磁束を減少させることでモータ30の誘起電圧を抑えてモータ30の回転速度ωを上げる弱め磁束制御等の各種制御が可能となる。d軸電流制御部125は、取得した回転速度ω及び最大電圧Vamと、予めROMに記憶されるデータ(テーブルデータや、最大トルク制御、弱め磁束制御の各理論に従う式を示すデータ)とに基づき目標d軸電流Id*を算出する。
なお、d軸電流制御部125に入力される目標q軸電流Iq*は、速度制御部124が演算した目標電流にトルク補正が施されたものであってもよい。当該トルク補正を実行する場合、例えば、モータ制御部12は、トルク脈動による負荷変動に関わらずモータ30の回転速度ωを安定させるためのトルク補正電流を算出するトルク制御部を備えていればよい。このトルク制御部が算出したトルク補正電流と、速度制御部124によって演算された目標q軸電流とを加算したものが目標q軸電流Iq*としてd軸電流制御部125に入力されてもよい。
電流制御部126は、現在のq軸電流Iqを目標q軸電流Iq*に一致させるためのq軸電圧指令値Vqを演算する。また、電流制御部126は、現在のd軸電流Idを目標d軸電流Id*に一致させるためのd軸電圧指令値Vdを演算する。この際、電流制御部126は、上記速度制御部124と同様の計算手法によりPI制御によるフィードバック制御を行ってもよいし、その他PD、PID等のフィードバック制御を行ってもよい。
電圧変換部127は、電流制御部126により演算されたq軸電圧指令値Vq及びd軸電圧指令値VdをU相、V相、W相の電圧指令値Vu,Vv,Vwに座標変換する。
変調部130は、電圧変換部127により演算された電圧指令値Vu,Vv,Vwを示す信号(三相変調に係る電圧指令信号)を変調し、三相の電圧指令値Vu,Vv,Vwのうちいずれか一相の電圧指令値が順次に下限値となる信号であって、下限値となっている相の電圧指令値に対する他の二相の電圧指令値を示す、下ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*を生成する。また、変調部130は、生成した変調信号Vu*,Vv*,Vw*の変調率、すなわち、インバータ20に印加される直流電圧Eの大きさに対する電圧指令値の大きさの割合を示す変調率の調整を行い、必要に応じて変調率を100%より大きくして過変調化する。これらの変調処理については、後に詳述する。
歪み補正部131は、過変調化された変調信号Vu*,Vv*,Vw*に生じる波形歪みを補正し、補正後電圧指令信号Vu*’,Vv*’,Vw*’を生成する。なお、歪み補正部131は、過変調化されていない変調信号Vu*,Vv*,Vw*については波形歪みが生じないため、波形歪みの補正は行わない。当該補正処理については、後に詳述する。
PWM信号生成部128は、歪み補正部131により補正された補正後電圧指令信号Vu*’,Vv*’,Vw*’に応じた電圧がモータ30に印加されるように、インバータ20のスイッチング回路21を切り替えるためのPWM信号Su,Sv,Swを生成する。具体的には、PWM信号生成部128は、補正後電圧指令信号Vu*’,Vv*’,Vw*’と、図示しない三角波信号とを比較することにより、PWM信号Su,Sv,Swを生成する。PWM信号生成部128は、PWM信号Su,Sv,Swをインバータ20に出力する。以上がモータ制御部12の全体構成についての説明である。
続いて、図4〜図6を参照して、変調部130による変調信号Vu*,Vv*,Vw*の生成処理の一例を説明する。
図4(a)に示すように、まず、変調部130は、電圧変換部127により演算された三相の電圧指令値Vu,Vv,Vwの各相の電圧が最小となる箇所Vminを求める。続いて、変調部130は、図4(b)に示すように、前記Vminを直流電圧Eの下限値である−E/2(直流中点を基準とした下限値)とするための差分Vpnを、Vpn=−Vmin−E/2の式により求める。続いて、変調部130は、図5(a)に示すように、電圧指令値Vu,Vv,Vwの各々に差分Vpnを加算する(Vu*=Vu+Vpn、Vv*=Vv+Vpn、Vw*=Vw+Vpn)ことで、下ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*を生成する。
下ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*では、図示するように、三相電圧指令信号としての電圧指令値Vu,Vv,Vwの周期(360°)の1/3期間(120°)毎に、いずれか一相が下限値である−E/2(下ベタ)となる。これにより、変調信号Vu*,Vv*,Vw*に応じたPWM信号Su,Sv,Swがインバータ20に出力された場合、駆動部22を介して、U相に対応する一対のスイッチング素子の下側素子72uと、V相に対応する一対のスイッチング素子の下側素子72vと、W相に対応する一対のスイッチング素子の下側素子72wとを、1/3期間毎にオン状態とすることができ、スイッチング素子のスイッチング回数を減らし、スイッチングノイズを低減することができる。なお、下ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*における各相間の線間電圧(Vu*−Vv*、Vv*−Vw*、Vw*−Vu*)のグラフを図5(b)に示す。当該線間電圧は、三相変調の場合(電圧指令値Vu,Vv,Vw)の線間電圧と同じに保たれる。
また、変調部130は下ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*を過変調する。過変調化された変調信号Vu*,Vv*,Vw*は、図6(a)に示すように、その最大値が、インバータ20に入力される直流電圧Eに応じて定まる規定値(直流中点を基準とした上限値であるE/2)を超え、変調率が100%を超えた状態となる。これにより、電源50からの直流電圧Eの利用効率を上昇させることができる。例えば、変調部130は、直流電圧センサ51が検出した直流電圧Eと、予めROM内に定めた変調率とに基づいて、変調信号Vu*,Vv*,Vw*を過変調化する。
しかしながら、この過変調化された変調信号Vu*,Vv*,Vw*では、図6(b)に示すように、各相間の線間電圧(Vu*−Vv*、Vv*−Vw*、Vw*−Vu*)に歪みが生じる。過変調化された変調信号Vu*,Vv*,Vw*をこのまま電圧指令信号とし、当該電圧指令信号に応じたPWM信号Su,Sv,Swでインバータ20を介し、モータ30を駆動した場合、先の課題で述べた通り、図11(a)に示すように、各相に流れる相電流及び各相の線間電圧の波形が歪んでしまい、モータを安定して動作させることができなくなる可能性がある。
そこで、本実施形態では、歪み補正部131が、過変調化された変調信号Vu*,Vv*,Vw*に生じる波形歪みを補正する処理を行う。続いて、歪み補正部131による補正処理を説明する。
図7(a)に、過変調化された三相変調信号(電圧指令値Vu,Vv,Vw)と、過変調化された二相変調信号(下ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*)とを示す。三相変調信号と二相変調信号とを比較すると、直流電圧Eの直流中点を基準とした上限値であるE/2と下限値である−E/2との間において、U相に対応した箇所で差Duが生じ、V相に対応した箇所で差Dvが生じ、W相に対応した箇所で差Dwが生じていることが分かる。また、これらの差Du,Dv,Dwは、二相変調信号が示す電圧値が上限値であるE/2を超えた箇所に生じ、且つ、二相変調信号のほうが三相変調信号を上回ることによって生じていることが分かる。
ここで、差Dwに着目すると、Dwは、変調信号Vu*が上限値であるE/2を超えた箇所Mu(Mu=Vu*−E/2)に生じており、その値は、図7(b)に示すように、Muの1/2(Dw=Mu/2)となる。また、Dwは、変調信号Vv*が上限値であるE/2を超えた箇所Mv(Mv=Vv*−E/2)にも生じており、その値は、図7(b)に示すように、Mvの1/2(Dw=Mv/2)となる。
同様に、差Dv,Duにも着目すると、差Dvは、生じている箇所に応じて、Dv=Mu/2、又は、Dv=Mw/2となる。また、差Duは、生じている箇所に応じて、Du=Mv/2、又は、Du=Mw/2となる。なお、Muは、Mu=Vu*−E/2で、Mwは、Mw=Vw*−E/2で表すことができる。
次に、補正条件に関して、図8(a)、(b)を参照して説明する。図8(a)は、過変調状態の二相変調信号(下ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*)の相電圧を示したものである。
Vu*とVv*に着目すると、図8(a)に示すように、区間P1では、Vu*が上限値であるE/2を超えているため、実際に出力される電圧はE/2の一定値になる。また、区間P1では、Vv*が下ベタの下限値である−E/2の一定値となっている。このように、区間P1では、Vu*とVv*とがどちらも一定値となるため、UV線間電圧(Vu*−Vv*)も一定値となり、歪みを補正する必要はない。区間P2では、Vu*が上限値であるE/2を超えているため、実際に出力される電圧はE/2の一定値になるものの、Vv*が一定でない。このため、区間P2では、Vv*が波形歪みの要因となる。
したがって、区間P2では、Vv*から、図7(b)に示す差Dvに相当する補正量として、Muから求められる補正量Auを減じれば、三相変調信号に係る電圧指令値Vvと同様の状態に補正できることが分かる。
補正量Auは、「Au=Mu×α=(Vu*−E/2)×α」で表すことができ、係数αは、「0<α<1」とする。なお、理論上は、図7(a)及び(b)を参照して説明したように、α=1/2のときの補正量Auが差Dvと一致することになるが、所定区間において二相変調信号を三相変調信号に近づけることができればよいため、係数αは「0<α<1」の範囲内であれば任意である。但し、係数αは1/2に近いほうが好ましい。
同様に考えることで、他の区間P1、P3〜P6においても歪み要因と補正量とを特定することができ、周期(360°)を6分割して得られる全ての区間P1〜P6における歪み要因と補正量の関係をまとめたものを、図8(b)に示す。なお、補正量Avは、「Av=Mv×α=(Vv*−E/2)×α」で、補正量Awは、「Aw=Mw×α=(Vw*−E/2)×α」で表すことができる。同図においては、各歪み要因を補正する処理を、次に説明する波形歪み補正処理におけるステップと対応させて示した。
以上を考慮し、歪み補正部131は、区間P1〜P6のいずれかを判別し、下記のように下ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*を補正した補正後電圧指令信号Vu*’,Vv*’,Vw*’を生成する。
区間P1:Vw*’=Vw*−Au(ステップS4)
区間P2:Vv*’=Vv*−Au(ステップS5)
区間P3:Vu*’=Vu*−Av(ステップS8)
区間P4:Vw*’=Vw*−Av(ステップS9)
区間P5:Vv*’=Vv*−Aw(ステップS12)
区間P6:Vu*’=Vu*−Aw(ステップS13)
続いて、歪み補正部131により実行される波形歪み補正処理を、図9のフローチャートを参照して説明する。波形歪み補正処理は、モータ30の駆動中において所定の制御周期で繰り返し実行される。
(波形歪み補正処理)
波形歪み補正処理を開始すると、まず、歪み補正部131は、補正量Au,Av,Awを演算する(ステップS1)。具体的には、歪み補正部131は、変調部130によって過変調化された変調信号Vu*,Vv*,Vw*と、直流電圧センサ51が検出した直流電圧Eと、予めROM内に格納された各種数式や係数α(0<α<1)を示すデータとに基づき、下記の式を用いて補正量Au,Av,Awを演算する。
Au=Mu×α=(Vu*−E/2)×α
Av=Mv×α=(Vv*−E/2)×α
Aw=Mw×α=(Vw*−E/2)×α
続いて、歪み補正部131は、Vu*>E/2であるか否か、つまり、図8(a)に示す区間P1〜P2か、それ以外の区間かを判別する(ステップS2)。
Vu*>E/2である場合(ステップS2;Yes)、つまり、区間P1〜P2である場合、歪み補正部131は、Vv*>Vw*であるか否か、つまり、区間P2か区間P1かを判別する(ステップS3)。
Vv*>Vw*でない場合(ステップS3;No)は、区間P1であるため、Vw*からステップS1で求めたAuを減じる補正を行い(Vw*’=Vw*−Au)、補正後電圧指令信号Vw*’を求める(ステップS4)。
一方、Vv*>Vw*である場合(ステップS3;Yes)は、区間P2であるため、Vv*からステップS1で求めたAuを減じる補正を行い(Vv*’=Vv*−Au)、補正後電圧指令信号Vv*’を求める(ステップS5)。
ステップS2でVu*>E/2でない場合(ステップS2;No)や、ステップS4又はS5の実行後、歪み補正部131は、Vv*>E/2であるか否か、つまり、図8(a)に示す区間P3〜P4か、それ以外の区間かを判別する(ステップS6)。
Vv*>E/2である場合(ステップS6;Yes)、つまり、区間P3〜P4である場合、歪み補正部131は、Vw*>Vu*であるか否か、つまり、区間P4か区間P3かを判別する(ステップS7)。
Vw*>Vu*でない場合(ステップS7;No)は、区間P3であるため、Vu*からステップS1で求めたAvを減じる補正を行い(Vu*’=Vu*−Av)、補正後電圧指令信号Vu*’を求める(ステップS8)。
一方、Vw*>Vu*である場合(ステップS7;Yes)は、区間P4であるため、Vw*からステップS1で求めたAvを減じる補正を行い(Vw*’=Vw*−Av)、補正後電圧指令信号Vw*’を求める(ステップS9)。
ステップS6でVv*>E/2でない場合(ステップS6;No)や、ステップS8又はS9の実行後、歪み補正部131は、Vw*>E/2であるか否か、つまり、図8(a)に示す区間P5〜P6か、それ以外の区間かを判別する(ステップS10)。
Vw*>E/2である場合(ステップS10;Yes)、つまり、区間P5〜P6である場合、歪み補正部131は、Vu*>Vv*であるか否か、つまり、区間P6か区間P5かを判別する(ステップS11)。
Vu*>Vv*でない場合(ステップS11;No)は、区間P5であるため、Vv*からステップS1で求めたAwを減じる補正を行い(Vv*’=Vv*−Aw)、補正後電圧指令信号Vv*’を求める(ステップS12)。
一方、Vu*>Vv*である場合(ステップS11;Yes)は、区間P6であるため、Vu*からステップS1で求めたAwを減じる補正を行い(Vu*’=Vu*−Aw)、補正後電圧指令信号Vu*’を求める(ステップS13)。
ステップS10でVw*>E/2でない場合(ステップS10;No)や、ステップS12又はS13の実行後、歪み補正部131は、波形歪み補正処理を終了する。モータ制御部12は、歪み補正部131としての機能により、以上の波形歪み補正処理を繰り返し実行することで、補正後電圧指令信号Vu*’,Vv*’,Vw*’を生成する。そして、PWM信号生成部128としての機能により、補正後電圧指令信号Vu*’,Vv*’,Vw*’に応じたPWM信号Su,Sv,Swをインバータ20に出力し、モータ30を動作させる。
図10(a)に、波形歪み補正処理後の過変調化された変調信号Vu*’,Vv*’,Vw*’と、波形歪み補正処理前の過変調化された変調信号Vu*,Vv*,Vw*とを示す。同図から、歪み要因となっていた箇所が補正されていることが分かる。
また、図10(b)に、波形歪み補正処理後の過変調化された変調信号Vu*’,Vv*’,Vw*’の各相間の線間電圧(Vu*’−Vv*’、Vv*’−Vw*’、Vw*’−Vu*’)を示す。図10(b)と前述の図6(b)とを比較すると、波形歪み補正処理後の過変調化された変調信号Vu*’,Vv*’,Vw*’では、各相間の線間電圧の歪みが無い又は低減されていることが分かる。
また、図11(b)に、波形歪み補正処理後の過変調化された変調信号Vu*’,Vv*’,Vw*’を用いてモータ30を駆動した場合の各相に流れる相電流及び各相の線間電圧の測定波形を示す(図11(b)では、代表してU相電流とUV線間電圧の測定波形を示した)。なお、当該測定波形では、α=1/2として補正した場合の測定波形である。
図11(b)と前述の図11(a)とを比較すると、波形歪み補正処理を行った場合は、実際に、相電流及び線間電圧の波形の歪みが効果的に低減されていることが分かる。したがって、波形歪み補正処理を実行する本実施形態によれば、モータを安定して動作させることができる。
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に変形の一例を説明する。
以上では、変調部130が下ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*を生成する例を示したが、変調部130が上ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*を生成してもよい。この場合、変調部130は、三相の電圧指令値Vu,Vv,Vwの各相の電圧が最大となる箇所Vmaxを求め、Vmaxを直流電圧Eの上限値であるE/2とするための差分Vpnを、Vpn=−Vmax+E/2として求め、電圧指令値Vu,Vv,Vwの各々に差分Vpnを加算することで、上ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*を生成すればよい。上ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*では、三相電圧指令信号としての電圧指令値Vu,Vv,Vwの周期(360°)の1/3期間(120°)毎に、いずれか一相が上限値であるE/2(上ベタ)となる。この場合、変調部130は、上ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*を過変調し、その最大値が、インバータ20に入力される直流電圧Eに応じて定まる規定値(直流中点を基準とした下限値である−E/2)を超えるようにすればよい。
上記のように、上ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*を過変調化した場合、図7及び図8を参照して説明した下ベタ二相変調の場合と極性が反対になることを考慮して、歪み補正部131に波形歪み補正処理を実行させればよい。上ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*を過変調化した場合、下ベタ二相変調の場合とは逆に、二相変調信号のほうが三相変調信号を下回る箇所において波形の歪みが生じることになる。つまり、補正量Au,Av,Awは、Vu*,Vv*,Vw*の最大値(負の値)が下限値である−E/2を下回ることを考慮して、以下の各式のようにすればよい。
Au=Mu×α={Vu*−(−E/2)}×α
Av=Mv×α={Vv*−(−E/2)}×α
Au=Mw×α={Vw*−(−E/2)}×α
上ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*を過変調化した場合の波形歪み補正処理では、このようにして各補正量を求めて、ステップS2、S3の例では、ステップS2では「Vu*<−E/2」を満たすか否かを判別し、ステップS3では「Vv*<Vw*」を満たすか否かを判別するように読み替えればよい。他の判別処理の読み替えの考え方も同様である。なお、上ベタ二相変調に係る場合に、先のように補正量Au,Av,Awを定義し、各判別処理を読み替えた場合、実際に補正する処理(ステップS4、S5、S8、S9、S12、S13)の読み替えは不要である。例えば、ステップS4ではVw*’=Vw*−Auとするが、この場合のVw*は負の値で、Auも負の値であるためである。
なお、下ベタ二相変調や上ベタ二相変調の場合の波形歪み補正処理は、上記の例に限られず、絶対値を用いる演算などを行い、双方の二相変調で共通の式や手順を使用可能に構成することもできる。また、以上の例では、下ベタ二相変調(又は上ベタ二相変調)を行った後に過変調化した例を説明したが、三相変調信号を過変調化した後に、下ベタ二相変調(又は上ベタ二相変調)を施す演算も可能である。以上に説明した波形歪み補正処理と同様の補正を行うことができれば、用いる式や処理手順は任意であり、波形歪み補正処理は、図9に示す処理手順に限定されるものではない。
上記実施形態においては、モータ制御部12は、電流センサ35v、35wの検出結果に基づきモータ30を制御していたが、電流センサ35v、35wを省略してもよい。この場合、モータ制御部12は、シャント抵抗19からの電流検出信号Sp1とPWMスイッチングパターンとに基づき3相の交流電流Iu,Iv,Iwを復元してもよい。
上記実施形態においては、モータ30は回転角度センサレスであったが、回転角度センサが設けられていてもよい。
上記実施形態において、モータ制御部12は、空気調和装置1に搭載されるモータ30を駆動させていたが、空気調和装置1に限らず、その他の機器に搭載されるモータ30を駆動させてもよい。
(1)以上に説明したモータ制御部12(モータ制御装置の一例)は、補正後電圧指令信号Vu*’,Vv*’,Vw*’(電圧指令信号の一例)に応じた電圧をインバータ20を介してモータ30に印加する。モータ制御部12は、変調部130と、歪み補正部131(補正部の一例)と、を備える。
(1−1)変調部130は、下ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*を生成し、過変調化する。下ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*は、三相の電圧指令値のうちいずれか一相の電圧指令値が順次に一定の下限値である−E/2(一定値の一例)となる信号であって、下限値である−E/2に対する他の二相の電圧指令値を示す。
歪み補正部131は、過変調化された変調信号Vu*,Vv*,Vw*において、前記他の二相の電圧指令値のうち、インバータ20に入力される直流電圧Eに応じて定まる上限値であるE/2(規定値の一例)を超えるものを特定相電圧指令値(例えば、区間P1、P2ではVu*)とし、上限値であるE/2と下限値である−E/2との間の値をとるものを対象相電圧指令値(例えば、区間P1ではVw*、区間P2ではVv*)とした場合、対象相電圧指令値を補正することで補正後電圧指令信号Vu*’,Vv*’,Vw*’を生成する。歪み補正部131は、特定相電圧指令値と上限値であるE/2の差分(Mu,Mv,Mw)に係数α(0<α<1)を乗じた値を、対象相電圧指令値から減じる補正をする。
(1−2)なお、変調部130は、上ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*を生成し、過変調化してもよい。上ベタ二相変調に係る変調信号Vu*,Vv*,Vw*は、三相の電圧指令値のうちいずれか一相の電圧指令値が順次に一定の上限値であるE/2(一定値の一例)となる信号であって、上限値であるE/2に対する他の二相の電圧指令値を示す。
この場合、歪み補正部131は、過変調化された変調信号Vu*,Vv*,Vw*において、前記他の二相の電圧指令値のうち、インバータ20に入力される直流電圧Eに応じて定まる下限値である−E/2(規定値の一例)を超えるものを特定相電圧指令値とし、下限値である−E/2と上限値であるE/2との間の値をとるものを対象相電圧指令値とした場合、対象相電圧指令値を補正することで補正後電圧指令信号Vu*’,Vv*’,Vw*’を生成する。歪み補正部131は、特定相電圧指令値と下限値である−E/2の差分(Mu,Mv,Mw)に係数α(0<α<1)を乗じた値を、対象相電圧指令値から減じる補正をする。
このようにしたから、モータ30における相電流及び線間電圧の波形の歪みを低減することができ、モータ30を安定して動作させることができる。
(2)また、歪み補正部131は、対象相電圧指令値として周期的に現れるモータ30の各相に対応した値を順次に補正する。具体的には、図8(a)、(b)及び図9に示したように、電気角60°毎に、区間P1ではW相に対応したVw*を、区間P2ではV相に対応したVv*を、区間P3ではU相に対応したVu*を、区間P4ではW相に対応したVw*を、区間P5ではV相に対応したVv*を、区間P6ではU相に対応したVu*を補正する。このように順次補正することで、モータ30の動作中に迅速且つ適切に、相電流及び線間電圧の波形の歪みを低減することができる。
(3)また、係数αは、1/2である(α=1/2)ことが好ましい。このように、係数αとして、理論上で最も相電流及び線間電圧の波形の歪みを低減することができる1/2という値を採用すれば、より良好にモータ30を安定して動作させることができる。
(4)空気調和装置1は、モータ制御部12と、インバータ20と、モータ30と、モータ30によって駆動されるコンプレッサ40と、コンプレッサ40により圧縮された冷媒を利用して室温を調整する空調部60と、を備える。この空気調和装置1によれば、以上のようにモータ30を安定して動作させることができるモータ制御部12を備えるため、安定した運転が可能である。
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
1…空気調和装置
10…制御部
11…運転指令部
12…モータ制御部
127…電圧変換部、Vu,Vv,Vw…電圧指令値
130…変調部、Vu*,Vv*,Vw*…変調信号
131…歪み補正部、Vu*’,Vv*’,Vw*’…補正後電圧指令信号
128…PWM信号生成部、Su,Sv,Sw…PWM信号
20…インバータ
21…スイッチング回路
71u,71v,71w…上側素子
72u,72v,72w…下側素子
30…モータ
40…コンプレッサ、50…電源、60…空調部

Claims (4)

  1. 電圧指令信号に応じた電圧をインバータを介してモータに印加するモータ制御装置であって、
    前記モータの各相に対応した三相の電圧指令値のうちいずれか一相の電圧指令値が順次に一定値となる信号であって、前記一定値に対する他の二相の電圧指令値を示す変調信号を生成し、過変調化する変調部と、
    前記過変調化された前記変調信号において、前記他の二相の電圧指令値のうち、前記インバータに入力される直流電圧に応じて定まる規定値を超えるものを特定相電圧指令値とし、前記規定値と前記一定値との間の値をとるものを対象相電圧指令値とした場合、前記対象相電圧指令値を補正することで前記電圧指令信号を生成する補正部と、を備え、
    前記一定値と前記規定値は、前記直流電圧に応じて定まり、一方が上限値で他方が下限値であり、
    前記補正部は、前記特定相電圧指令値と前記規定値の差分に係数を乗じた値を、前記対象相電圧指令値から減じる補正をし、
    前記係数は、0より大きく1未満の値である、
    モータ制御装置。
  2. 前記補正部は、前記対象相電圧指令値として周期的に現れる前記モータの各相に対応した値を順次に補正する、
    請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記係数は、1/2である、
    請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のモータ制御装置と、
    前記インバータと、前記モータと、前記モータによって駆動されるコンプレッサと、前記コンプレッサにより圧縮された冷媒を利用して室温を調整する空調部と、を備える、
    空気調和装置。
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