JP2019100651A - ヒートポンプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱出力を向上することが可能な電気熱量効果型のヒートポンプ装置を提供すること。【解決手段】ヒートポンプ装置は、電気熱量効果材30と、電極31、32と、熱輸送装置とを備える。電気熱量効果材30は、高温端及び低温端の両端部の間に配置され、印加される電界の変化に伴い温度変化する。電極31、32は、電気熱量効果材30に電界を印加するために設けられている。熱輸送装置は、高温端及び低温端を生成するように、電気熱量効果材30が生じる熱を所定の熱移動方向であるZZ方向に移動させる。そして、電極31、32には、電極31、32を介するZZ方向への熱移動を抑制するための熱移動抑制部であるスリット51が形成されている。【選択図】図7

Description

ここに開示される技術は、電気熱量効果型のヒートポンプ装置に関する。
従来から、一対の電極間に電気熱量効果材を配置するとともに、電気熱量効果材の電気熱量効果により生じる温熱や冷熱を熱輸送装置で移動させて、電気熱量効果材の両側に高温端と低温端とを生成させる装置が知られている。このような装置は、例えば、下記特許文献1に開示されている。
米国特許出願公開2016/0187034号明細書
上記従来技術の装置では、一対の電極のそれぞれが、高温端と低温端とを生成するように熱輸送装置が熱移動を行なう方向に延在している。電極は比較的高い熱伝導性を有しており、高温端側から低温端側へ熱伝導すると、両端部の温度差を縮小させる。このような従来の装置は、熱出力の低下を招き易いという問題がある。
ここに開示される技術は、熱出力を向上することが可能なヒートポンプ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、開示されるヒートポンプ装置では、
高温端(202)及び低温端(201)の両端部の間に配置され、印加される電界の変化に伴い温度変化する電気熱量効果材(30)と、
電気熱量効果材に電界を印加するために設けられた電極(31、32)と、
高温端及び低温端を生成するように、電気熱量効果材が生じる熱を所定の熱移動方向(ZZ)に移動させる熱輸送装置(40)と、を備え、
電極には、電極を介する熱移動方向への熱移動を抑制するための熱移動抑制部(51、52、53、54、61、71)が形成されている。
これによると、電極に設けた熱移動抑制部により、熱輸送装置による熱移動方向への電極を介した熱移動を抑制することができる。したがって、電極を介する熱移動によって高温端と低温端との温度差が縮小することを抑制できる。このようにして、ヒートポンプ装置の熱出力を向上することができる。
なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、開示技術の範囲を限定するものではない。
第1実施形態のヒートポンプ装置を用いた冷却器の外観を示す斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 第1実施形態の熱生成部の外観を示す斜視図である。 第1実施形態の熱生成部の図3図示上端面の拡大図である。 第1実施形態の熱生成部の積層構造説明図である。 第1実施形態の熱生成部の断面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 第1実施形態の変形例の熱生成部積層構造説明図である。 第1実施形態の変形例の熱生成部積層構造説明図である。 第1実施形態の変形例の熱生成部断面図である。 第1実施形態の変形例の熱生成部断面図である。 第1実施形態の変形例の熱生成部断面図である。 第2実施形態の熱生成部断面図である。 第3実施形態の変形例の熱生成部断面図である。 他の実施形態の熱生成部の概略構成を模式的に示す断面図である。
以下に、図面を参照しながら開示技術を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
開示技術を適用した第1実施形態について、図1〜図12を参照して説明する。図1は、開示技術を適用した冷却器1の外観図である。冷却器1は、電気熱量効果型ヒートポンプ装置を備える。冷却器1は、電気熱量効果型ヒートポンプ装置の一例である。以下、冷却器1を電気熱量効果型ヒートポンプ装置1、又は単にヒートポンプ装置1と呼ぶ場合がある。電気熱量効果型ヒートポンプ装置1はEHP(Electro-caloric effectHeat Pump)装置1とも呼ばれる。
この明細書においてヒートポンプ装置の語は広義の意味で使用される。すなわち、ヒートポンプ装置の語には、ヒートポンプ装置によって得られる冷熱を利用する装置と、ヒートポンプ装置によって得られる温熱を利用する装置との両方が含まれる。冷熱を利用する装置は、冷凍サイクル装置とも呼ばれることがある。よって、この明細書においてヒートポンプ装置の語は冷凍サイクル装置を包含する概念として使用される。本例の冷却器1は、ヒートポンプ装置によって得られる冷熱を利用する装置の一例である。冷却器1は、例えば、車載装置とすることができる。冷却器1は、車両に搭載された電池や電子機器の冷却に用いることができる。また、冷却器1は、車両のシートに着座した乗員に好適な冷感を提供するシート空調装置に用いることができる。
図1に示すように、冷却器1は、外殻としてのケース10を備えている。図2も参照して明らかなように、ケース10は、冷却板11、放熱板12、一対の側板部13、及び、一対の端板部14を備える。ケース10は、比較的薄型の直方体であり、冷却板11と放熱板12とは、ケース10の厚さ方向である図示ZZ方向において対向配置されている。冷却板11及び放熱板12は、いずれも、熱伝導性に優れる例えば金属製の薄板からなる。冷却板11及び放熱板12の材質としては、アルミニウム合金材や銅合金材を採用することができる。
一対の側板部13は、ケース10の幅方向である図示YY方向において相互に対向配置されている。側板部13は、ケース10のYY方向の端面を構成し、冷却板11の辺部と放熱板12の辺部とを繋ぐように配設される。また、一対の端板部14は、ケース10の長手方向である図示XX方向において相互に対向配置されている。端板部14は、ケース10のXX方向の端面を構成し、冷却板11の辺部と放熱板12の辺部とを繋ぐように配設される。側板部13及び端板部14は、いずれも、低熱伝導性を有する例えば樹脂製の薄板からなる。
ケース10は、外殻をなす6面体の内部に、区画板15及び区画板16を有している。区画板15及び区画板16により、ケース10の内部には、作業室20、流路21及び流路22が区画形成されている。区画板15は、作業室20と流路21とを仕切っている。区画板15のうち、作業室20の図2図示上方に位置してYY方向に延在する部分には、複数の開口151が形成されている。開口151は、区画板15を貫通する孔として形成されており、作業室20と流路21とを連通する。一方、区画板16は、作業室20と流路22とを仕切っている。区画板16のうち、作業室20の図2図示下方に位置してYY方向に延在する部分には、複数の開口161が形成されている。開口161は、区画板16を貫通する孔として形成されており、作業室20と流路22とを連通する。
図2から明らかなように、冷却板11及び一方の側板部13と、区画板15との間に、流路21が形成されている。この一方の側板部13の外側面には、圧電ポンプ41が取り付けられている。圧電ポンプ41の吸入吐出口41aは、この一方の側板部13の設けられた開口を介して流路21に連通している。また、放熱板12及び他方の側板部13と、区画板16との間に、流路22が形成されている。この他方の側板部13の外側面には、圧電ポンプ42が取り付けられている。圧電ポンプ42の吸入吐出口42aは、この他方の側板部13の設けられた開口を介して流路22に連通している。
本例では、一方の側板部13に3つの薄型の圧電ポンプ41がXX方向においてほぼ等間隔に配設され、他方の側板部13に3つの薄型の圧電ポンプ42がXX方向においてほぼ等間隔に配設されている。圧電ポンプ41、42は、圧電素子の圧電効果を利用するマイクロポンプである。圧電素子は、変位は小さいものの、応答性に優れ、比較的出力密度が大きい。したがって、圧電ポンプ41、42は、ポンプ室の容積変化は小さいものの、比較的高い駆動周波数と、比較的高い吐出圧を提供することができる。
ケース10内の作業室20には、熱生成体3が配設されている。熱生成体3は、図3及び図4に示すように、多層構造化されている。熱生成体3は、図5に示すように、電気熱量効果材フィルム30、第1電極部31及び第2電極部32を積層して形成されている。電気熱量効果材フィルム30は、電気熱量効果を有する電気熱力効果材からなる素子であり、ECE(Electro-Caloric Effect)素子30とも呼ばれる。以下、電気熱量効果材フィルム30を、ECE素子30、電気熱量効果材30、又は単にフィルム30と呼ぶ場合がある。本例のフィルム30は、ポリフッ化ビリニデン(PVdF)系ポリマー製のフィルムである。ポリフッ化ビリニデン系ポリマーとしては、例えば、P(VDF−TrFE)やP(VDF−TrFE−CFE)等を採用することができる。フィルム30は矩形状をなし、フィルム30の厚さは、例えば10μmである。フィルム30は、製造が容易であれば薄い方が好ましい。フィルム30の厚さは、1〜50μmであることが好ましく、1〜20μmであればより好ましい。
第1電極部31は、電極部材311と電極部材312とを有して構成される。電極部材311は、薄膜状の金属製部材であり、例えばアルミニウム箔、銅箔等により提供される。電極部材312は、薄板状の金属製部材であり、例えば、アルミニウム材、銅材、ステンレス材等からなる。電極部材312は、図6に示すように、平板部312aと、平板部312aの片面から突出するように設けられた複数の突条部312bとが一体的に形成されている。突条部312bは、互いに平行に形成されて、それぞれZZ方向に延びている。これにより、隣り合う突条部312bの間には、ZZ方向に延びる溝部312cが形成される。図5に示すように、矩形状の電極部材312には、1つの角部近傍に、他の部分よりも厚肉の端子312dが突出している。
第2電極部32は、電極部材321と電極部材322とを有して構成される。電極部材321は、薄膜状の金属製部材であり、例えばアルミニウム箔、銅箔等により提供される。電極部材322は、薄板状の金属製部材であり、例えば、アルミニウム材、銅材、ステンレス材等からなる。電極部材322は、図6に示すように、平板部322aと、平板部322aの片面から突出するように設けられた複数の突条部322bとが一体的に形成されている。突条部322bは、互いに平行に形成されて、それぞれZZ方向に延びている。これにより、隣り合う突条部322bの間には、ZZ方向に延びる溝部322cが形成される。図5に示すように、矩形状の電極部材322には、1つの角部近傍に、他の部分よりも厚肉の端子322dが突出している。電極部材322の端子322dは、電極部材312の端子312dの形成位置とは反対側となる角部に設けられている。
第1電極部31、第2電極部32は、本実施形態における電極に相当する。また、第1電極部31は、本実施形態における第1電極に相当する。第2電極部32は、本実施形態における第2電極に相当する。以下、第1電極部31を単に電極31、又は第1電極31と呼び、第2電極部32を単に電極32、又は第2電極32と呼ぶ場合がある。
溝部312c及び溝部322cは、作業室20内における熱輸送媒体の媒体流路33を提供する。溝部312c及び溝部322cは、断面矩形状をなしてZZ方向に直線状に形成されており、熱輸送媒体流通時の圧力損失低下に寄与する。ZZ方向は、熱輸送媒体の往復流方向である。ZZ方向は、電気熱量効果材30が生じる温熱や冷熱を熱輸送媒体で移動させる熱移動方向である。溝部312c、322cの深さ、すなわち、媒体流路33のXX方向寸法は、冷却器体格、熱交換性能、媒体圧力損失、製造性等の観点から、30〜300μmであることが好ましく、50〜150μmであればより好ましい。
図5に示すように、フィルム30を挟んで対向する第1電極部31、第2電極部32には、それぞれスリット51が形成されている。第1電極部31では、電極部材311及び電極部材312に、ZZ方向に直交するYY方向に延びるスリット51が形成されている。スリット51は、電極部材311、電極部材312のそれぞれを厚さ方向であるXX方向に貫通する貫通溝として形成されている。
電極部材311には、複数のスリット51がZZ方向に配列されている。また、この複数のスリット51の列が、YY方向に複数並ぶように設けられている。本例では、6つのスリット51がZZ方向に所定のピッチで配列され、このスリット51の列がYY方向に複数列並設されている。また、YY方向で隣り合うスリット51の列同士は、互いに半ピッチ分ずれて形成されている。したがって、電極部材311には、複数のスリット51が千鳥状に配置されている。また、電極部材312には、電極部材311のスリット形成位置に対応する位置に、複数のスリット51が形成されている。
第2電極部32では、電極部材321及び電極部材322に、YY方向に延びるスリット51が形成されている。スリット51は、電極部材321、電極部材322のそれぞれを厚さ方向であるXX方向に貫通する貫通溝として形成されている。
電極部材321には、複数のスリット51がZZ方向に配列されている。また、この複数のスリット51の列が、YY方向に複数並ぶように設けられている。本例では、6つのスリット51がZZ方向に所定のピッチで配列され、このスリット51の列がYY方向に複数列並設されている。また、YY方向で隣り合うスリット51の列同士は、互いに半ピッチ分ずれて形成されている。したがって、電極部材321には、複数のスリット51が千鳥状に配置されている。また、電極部材322には、電極部材321のスリット形成位置に対応する位置に、複数のスリット51が形成されている。
本例では、第1電極部31におけるスリット51の形成位置と、第2電極部32におけるスリット51の形成位置とは、ZZ方向において一致していない。図7に示すように、第1電極部31には、スリット51が所定ピッチでZZ方向に配列され、第2電極部32には、スリット51が第1電極部31と同一ピッチでZZ方向に配列されている。そして、第1電極部31のスリット51と第2電極部32のスリット51とでは、ZZ方向において互いに半ピッチ分ずれている。すなわち、第1電極部31の複数のスリット51と、第2電極部32のスリット51とは、熱移動方向であるZZ方向において互いに半ピッチ分オフセット配置されている。
貫通溝であるスリット51は、各電極部材に打ち抜き加工等を施すことにより容易に形成することができる。スリット51の形成は、各電極部材の外形を形成する加工と同時に行なうことが可能である。スリット51は、第1電極部31、第2電極部32に形成された溝部の一形態であり、本実施形態における熱移動抑制部に相当する。
スリット51は、幅が狭いことが好ましい。すなわち、スリット51は、幅寸法であるZZ方向寸法が小さいことが好ましい。スリット51の幅寸法は、確実な熱移動抑制を行ないつつ電圧印加面積を確保するとの観点から、フィルム30の厚さの10倍以下であることが好ましい。フィルム30の厚さが10μmである場合には、スリットの幅は0.1mm以下であることが好ましい。
また、各電極部材において、スリット51のYY方向の端部は、YY方向で隣にあるスリット列のスリット51間に位置することができる。すなわち、ZZ方向から見たときに、YY方向で隣り合うスリット列同士では、スリット51の一部が重なり合うように、スリット51が千鳥状配置されていてもよい。ZZ方向から見てスリット51の一部同士が重なり合う形態は、熱輸送媒体による熱移動方向における電極部材を介した熱移動を、確実に抑制する。
熱生成体3は、第1電極部31、フィルム30、第2電極部32、フィルム30、第1電極部31の順に、第1電極部31、第2電極部32とフィルム30とが交互に配置されるように積層される。このようにフィルム及び電極が積層された積層体において、積層方向であるXX方向における最外方に位置する電極の更に外方には、一対の拘束プレート34が配設される。一対の拘束プレート34は、端子接続部材35により締結される。端子接続部材35は、例えば、長尺ボルトとナットとを有して、端子312dを相互に電気的に接続するとともに、端子322dを相互に電気的に接続する。更に、端子接続部材35は、一対の拘束プレート34を相互に近接する方向に付勢する付勢部材としても機能する。これにより、フィルム30及び第1電極部31、第2電極部32の構成部材が、相互にXX方向において密着する。本例では、電気的端子接続部材と、拘束プレート34で積層体を挟持するための付勢部材とを、端子接続部材35で共用していたが、これに限定されるものではなく、別体としてもかまわない。なお、図1に示すように、端子接続部材35は、一端部をケース10外に突出させて、給電用の外部端子35aとすることができる。
ECE素子30は、第1電極部31、第2電極部32を介して印加される電圧の強弱により発熱と吸熱とを生じる。ECE素子30は、電界すなわち電場の印加により発熱し、電場の除去により吸熱する。ECE素子30は、電場によって物質内の電気双極子モーメントが制御され、それに伴うエントロピー変化によって発熱や吸熱を発生させる。ECE素子30は、電場が印加されることによってエントロピーが減少し、熱を放出することによって温度が上昇する。また、ECE素子30は、電場が除去されることによってエントロピーが増加し、熱を吸収することによって温度が低下する。ECE素子30は、所定の温度域、例えば常温域において高い電気熱量効果を発揮する材料によって作られている。ECE素子30は、ポリフッ化ビリニデン系ポリマーからなるものに限定されない。ECE素子は、例えばセラミックス製であってもかまわない。
EHP装置1は、ECE素子30の電気熱量効果を利用する。EHP装置1は、電場変調装置と熱輸送装置とを備える。電場変調装置は、第1電極部31、第2電極部32を有してECE素子30に電圧を印加可能な電圧印加装置である。本例のEHP装置1は車両に搭載された高圧電池パックを給電源として高電圧を印加することができる。第1電極部31、第2電極部32間に高電圧を印加することにより、薄膜フィルム状のECE素子30に高電界を印加することができる。フィルム状のECE素子30は、電気熱量効果により発生した熱を素子表面にまで伝達し易いという利点もある。一方、本例の熱輸送装置40は、圧電ポンプ41、42を有する熱輸送媒体往復流装置である。
電場変調装置は、ECE素子30に電場を与えるとともに、その電場の強さを増減させる。電場変調装置は、ECE素子30を強い電界内に置く状態と、ECE素子30を弱い電界内またはゼロ電界内に置く状態とを周期的に切換える。電場変調装置は、ECE素子30が強い電界の中に置かれる強電界期間、及びECE素子30が強電界期間より弱い電界の中に置かれる低電界期間を周期的に繰り返すように電場を変調する。低電界期間は、完全に電場を除去する無電界期間であってもよい。ここで言う強い電界及び弱い電界における電界とは、+電界、−電界のいずれの場合も含む。
熱輸送装置40は、ECE素子30が放熱または吸熱する熱を輸送するための熱輸送媒体を流すための流体機器を備える。熱輸送装置40は、ECE素子30と熱交換する熱輸送媒体をECE素子30及び第1電極部31、第2電極部32の少なくともいずれかに沿って流す装置である。本例の熱輸送装置40は、熱輸送媒体を第1電極部31、第2電極部32に形成した媒体流路33に流す。すなわち、本例では、熱輸送装置40は、熱輸送媒体が電極である第1電極部31、第2電極部32に接触するように第1電極部31、第2電極部32に沿って流す。本例では、熱輸送媒体は、電極である第1電極部31、第2電極部32を介してフィルム30に沿って流れているとも言える。
熱輸送装置40は、作業室20に高温端と低温端とを生成するように、熱輸送媒体を流す。熱輸送装置40は、電場変調装置による電場の変化に同期して、熱輸送媒体の往復的な流れFM、FNを発生させる。作業室20の一端から他端へ向かう流れFMを往流と呼び、他端から一端へ向かう流れFNを復流と呼ぶ。本例では、往流FMは、低温端201から高温端202へ向かう熱輸送媒体流れである。復流FNは、高温端202から低温端201へ向かう熱輸送媒体流れである。低温端201及び高温端202は、本実施形態における端部に相当する。
ECE素子30と熱交換する熱輸送媒体は、例えば、フロリナート(登録商標)等のフッ素系不活性液体によって提供することができる。フッ素系不活性液体は、絶縁流体の一例である。熱輸送媒体は、オイル等の他の絶縁流体であってもよい。熱輸送媒体は、熱生成体3内の媒体流路33を流れる際に低圧力損失を提供できる特性を有することが望まれる。
熱輸送装置40は、電場変調装置による電場の増減に同期して熱輸送媒体を往復的に移動させる。熱輸送装置40は、熱輸送媒体を流すためのポンプを含むことができる。本例の熱輸送装置40は、圧電ポンプ41、42を備える。圧電ポンプ41、42は、作業室20に充填配置された熱生成体3のECE素子30に関して熱輸送媒体の往復流れを供給する。
熱輸送装置40は、ECE素子30に電場を印加したときに往流FMを生成する。往流FMは、圧電ポンプ41を吐出モードとし、圧電ポンプ42を吸入モードとすることにより生成される。すなわち、ECE素子30に電場が印加されることによって熱を放出し温度が上昇したときに、圧電ポンプ41から圧電ポンプ42へ向かう熱輸送媒体流れが形成される。このときの熱輸送媒体流れは、吸入吐出口41a→流路21→開口151→作業室20→開口161→流路22→吸入吐出口42aとなる。作業室20内では、低温端201から高温端202へ向かう熱輸送媒体流れを形成し、熱交換によって得た温熱を高温端202へ輸送する。
また、熱輸送装置40は、ECE素子30から電場を除去したときに復流FNを生成する。復流FNは、圧電ポンプ41を吸入モードとし、圧電ポンプ42を吐出モードとすることにより生成される。すなわち、ECE素子30から電場が除去されることによって熱を吸収し温度が低下したときに、圧電ポンプ42から圧電ポンプ41へ向かう熱輸送媒体流れが形成される。このときの熱輸送媒体流れは、吸入吐出口42a→流路22→開口161→作業室20→開口151→流路21→吸入吐出口41aとなる。作業室20内では、高温端202から低温端201へ向かう熱輸送媒体流れを形成し、熱交換によって得た冷熱を低温端201へ輸送する。
上記した動作を繰り返し行い、電場の印加除去に同期して熱輸送媒体を往復的に移動させることにより、作業室20の低温端201側から高温端202側への熱量の輸送が行なわれる。EHP装置1である冷却器1において、熱輸送媒体の上記した往復流れにより、冷却板11から放熱板12に向かって熱輸送が行なわれ、冷却板11の温度が低下し、放熱板12の温度が上昇する。冷却器1は、冷却板11で外部媒体から奪った熱を、熱輸送媒体で移動させて、放熱板12から外部媒体へ放出する。これにより、冷却板11に接する外部媒体を冷却することができる。冷却板11は、EHP装置1の低温端201からの冷熱出力を外部媒体へ放出する熱交換部であるとも言える。また、放熱板12は、EHP装置1の高温端202からの温熱出力を外部媒体へ放出する熱交換部であるとも言える。ケース10内のZZ方向の全域を作業室と見た場合には、冷却板11が低温端であり、放熱板12が高温端であると言える。
本実施形態のEHP装置1は、電気熱量効果材30と、電極31、32と、熱輸送装置40とを備える。電気熱量効果材30は、高温端202及び低温端201の両端部の間に配置され、印加される電界の変化に伴い温度変化する。電極31、32は、電気熱量効果材30に電界を印加するために設けられている。熱輸送装置40は、高温端及び低温端を生成するように、電気熱量効果材30が生じる熱を所定の熱移動方向であるZZ方向に移動させる。そして、電極31、32には、電極31、32を介するZZ方向への熱移動を抑制するための熱移動抑制部であるスリット51が形成されている。
これによると、電極31、32に設けた熱移動抑制部としてのスリット51により、熱輸送装置40による熱移動方向への電極31、32を介した熱移動を抑制することができる。したがって、電極31、32を介する熱移動によって高温端202と低温端201との温度差が縮小することを抑制できる。このようにして、EHP装置1の熱出力を向上することができる。
また、本実施形態の熱移動抑制部は、電極31、32に形成された溝部により提供されている。これによると、溝部により電極31、32に容易に熱移動抑制部を形成することができる。さらに、この溝部は、電極31、32を貫通する貫通溝として形成されている。これによると、溝部の加工が極めて容易である。
熱移動抑制部であるスリット51は、熱移動方向に対して交差する方向に延在している。これによると、熱移動方向に交差する方向に延在する熱移動抑制部で、電極31、32を介する熱移動を確実に抑制することができる。また、熱移動抑制部であるスリット51は、熱移動方向に対して直交するYY方向に延在している。これによると、熱移動方向に直交する方向に延在する、延在方向寸法が比較的短い熱移動抑制部で、電極31、32を介する熱移動を確実に抑制することができる。
また、熱移動方向であるZZ方向に複数の熱移動抑制部が配列されるとともに、複数の熱移動抑制部の列が、熱移動方向に対して交差する方向であるYY方向に複数列並設されている。これによると、ZZ方向及びYY方向のいずれにも複数配置した熱移動抑制部で、電極31、32を介する熱移動を確実に抑制することができる。
さらに、複数列並設された複数の熱移動抑制部は、互いに千鳥状配置されている。これによると、ZZ方向及びYY方向のいずれにも複数の熱移動抑制部を配置しても、電極31、32の剛性の低下を抑制できる。これにより、電極31、32のハンドリング性が低下し難く、生産性の向上に寄与することができる。
なお、上述した説明では、熱移動抑制部である複数のスリット51が千鳥状配置されていたが、これに限定されるものではない。例えば、図8に例示するように、熱移動抑制部である複数のスリット51を、ZZ方向及びYY方向のいずれにも整列して配置する所謂格子状配置するものであってもよい。
また、例えば、図9に示すように、電極のYY方向のほぼ全域にわたって延びるスリット52を採用してもよい。熱移動抑制部であるスリット52を、熱移動方向に対して交差する方向において、複数に分割形成されることなく連続して形成してもよい。スリット52は、例えば、スリット51と同様の貫通溝とすることができる。スリット52は、幅寸法を、スリット51と同様に設定することができる。
また、本実施形態において、電極31、32は、電気熱量効果材30を間にして対向する第1電極31及び第2電極32からなる。そして、熱移動抑制部は、第1電極31及び第2電極32の両者に設けられている。これによると、第1電極31及び第2電極32の両方において、熱移動抑制部により、熱移動方向への電極を介した熱移動を抑制することができる。
また、第1電極31の熱移動抑制部と、第2電極32の熱移動抑制部とは、熱移動方向において互いにオフセット配置されている。これによると、電気熱量効果材30のうち、電極31、32の熱移動抑制部を設けた部位に対応する部分に印加する電界強度の低下を抑制することができる。
さらに、第1電極31には、熱移動方向に複数の熱移動抑制部が所定ピッチで配列され、第2電極32には、熱移動方向に複数の熱移動抑制部が第1電極31と同一の所定ピッチで配列されている。そして、第1電極31の複数の熱移動抑制部と、第2電極32の複数の熱移動抑制部とは、熱移動方向において互いに所定ピッチの半ピッチ分オフセット配置されている。これによると、電気熱量効果材30において、電極31、32の熱移動抑制部を設けた部位に対応する部分が偏在し難く、かつ、電極31、32の熱移動抑制部を設けた部位に対応する部分に印加する電界強度の低下を抑制することができる。なお、第1電極31の複数の熱移動抑制部と、第2電極32の複数の熱移動抑制部との相互のオフセット量は、半ピッチ分に限定されるものではない。
上述したように、第1電極31の熱移動抑制部と、第2電極32の熱移動抑制部とを、熱移動方向において互いにオフセット配置することが好ましい。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、図10に例示するように、第1電極31の熱移動抑制部と、第2電極32の熱移動抑制部とを、熱移動方向において互いにオフセット配置せず、互いに対向するように配置してもよい。
図10に示す例では、電気熱量効果材30のうち、電極のスリット51形成部位に対応する部分には、例えば二点鎖線で示すように電界が印加される。前述した図7に示す例では、電気熱量効果材30のうち、電極のスリット51形成部位に対応する部分には、例えば二点鎖線で示すように電界が印加される。図7に示す二点鎖線と図10に示す二点鎖線の長さを比較すると、図7に示す二点鎖線の方が若干短くなる。したがって、第1電極31のスリット51と、第2電極32のスリット51とを、熱移動方向において互いにオフセット配置した方が、電気熱量効果材30のうちスリット51に対応する部分に印加する電界強度の低下を抑制することができる。
また、上述した説明では、電極31、32に設ける熱移動抑制部としての溝部は、貫通溝であったが、これに限定されるものではない。熱移動抑制部としての溝部は、底部を有する有底溝であってもよい。例えば、図11に示すように、電極31、32の電気熱量効果材30側の面から凹んだ有底溝のスリット53を採用してもよい。スリット53の配置や幅寸法等は、スリット51と同様に設定することができる。また、例えば、図12に示すように、電極31、32の反電気熱量効果材側の面から凹んだ有底溝54を採用してもよい。具体的には、有底溝の反底面側の開口部が電気熱量効果材30に接する電極面に形成されないようにしてもよい。これによれば、電極が全面にわたって電気熱量効果材30に接触可能となり、有底溝の配設部位や幅寸法等の設定自由度が向上する。
また、本実施形態のEHP装置1では、複数の電気熱量効果材30が熱輸送媒体の往復流の方向であるZZ方向に交差する方向であるXX方向に互いに並設されおり、複数の電気熱量効果材30のそれぞれに対応して電極31、32が設けられている。これによると、各電気熱量効果材30の上記交差する方向であるXX方向の厚さを薄くして相互に並設することができる。したがって、各電気熱量効果材30に対する電界強度を容易に大きくすることができる。
また、本実施形態のEHP装置1の熱生成体3は、電極31、32と電気熱量効果材30とが相互に接するように配置された構成である。これによると、電気熱量効果材30に容易に電界を印加することができる。
また、EHP装置1は、作業室20の内部に、電極31、32に沿って熱輸送媒体を流すように形成された媒体流路33を有する。これによると、媒体流路33を流れる熱輸送媒体と熱生成体3との熱交換を効率よく行なうことができる。
熱輸送媒体の媒体流路は、電極及び電気熱量効果材の少なくともいずれかに沿って熱輸送媒体を流すように形成されていればよい。例えば、熱輸送媒体が電極及び電気熱量効果材の両者に沿って流れるものであってもよい。また、電極と電気熱量効果材とが離間しており、熱輸送媒体は電気熱量効果材に沿って流れるものであってもよい。
また、電極31、32には、熱輸送媒体の往復流の方向に延びる溝部312c、322cが形成されており、この溝部312c、322cにより媒体流路33が提供される。これによると、電極31、32の溝部により、熱生成体3と熱交換する熱輸送媒体の媒体流路33を容易に得ることができる。また、媒体流路33を形成するために電極部材312、322に設けた突条部312b、322bは、熱輸送媒体との熱交換時に表面積を拡大する熱伝導フィンとして機能するため、熱交換効率の向上に寄与する。
また、熱輸送装置40は、熱輸送媒体を圧送するための圧電ポンプ41、42を有する。圧電ポンプは、ポンプ室の容積変化は小さいものの、比較的高い駆動周波数と吐出圧を得ることができる。したがって、媒体流路33が高圧力損失の構成であっても、媒体流路33に熱輸送媒体の往復流を確実に形成することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図13に基づいて説明する。
第2実施形態は、前述の第1実施形態と比較して、電極に設ける熱移動抑制部の構成が異なる。なお、第1実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品、第2実施形態において説明しない他の構成は、第1実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
図13に示すように、本実施形態では、フィルム30を挟んで対向する第1電極部31、第2電極部32には、それぞれ低熱伝導部61が形成されている。低熱伝導部61は、第1電極部31、第2電極部32の構成材料よりも熱伝導率が小さい材料により構成されている。ここで、第1電極部31、第2電極部32の構成材料とは、第1電極部31、第2電極部32の電極として機能する主要部の構成材料である。低熱伝導部61は、本実施形態の熱移動抑制部に相当する。低熱伝導部61は、例えば樹脂材からなる。低熱伝導部61を構成する材料は、熱輸送媒体に対して耐性を有する材料であることが好ましい。
熱移動抑制部である低熱伝導部61は、第1電極部31、第2電極部32において、第1実施形態のスリット51と同様に形成した形態とすることができる。すなわち、第1実施形態のスリット51内に電極構成材よりも熱伝導率が小さい低熱伝導材を充填した形態とすることができる。また、熱移動抑制部である低熱伝導部は、第1実施形態のスリット52内、スリット53内、有底溝54内に、電極構成材よりも熱伝導率が小さい低熱伝導材を充填した形態とすることもできる。これにより、熱移動抑制部として電極に溝部を設けた場合と同様の効果を得ることができる。
このように、本実施形態のEHP装置では、熱移動抑制部は、電極の構成材料の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する材料からなる低熱伝導部61により提供される。これによると、低熱伝導部61により電極に容易に熱移動抑制部を形成することができる。また、電極に熱移動抑制部として溝部を設けた場合よりも電極の剛性を向上することが可能である。
なお、熱移動抑制部としての低熱伝導部は、樹脂材からなるものに限定されない。低熱伝導部を、例えば、第1電極部31、第2電極部32の構成材料よりも熱伝導率が小さい金属材料により形成してもよい。これによると、低熱伝導部を電極の一部として機能させることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図14に基づいて説明する。
第3実施形態は、前述の第1実施形態、第2実施形態と比較して、電極に設ける熱移動抑制部の構成が異なる。なお、第1実施形態、第2実施形態と同様の部分については、同一の符号をつけ、その説明を省略する。第1実施形態、第2実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品、第3実施形態において説明しない他の構成は、第1実施形態、第2実施形態と同様であり、また同様の作用効果を奏するものである。
図14に示すように、本実施形態では、フィルム30を挟んで対向する第1電極部31、第2電極部32には、それぞれ接触熱抵抗部71が形成されている。第1電極部31は、互いに材質が異なる第1部分31Aと第2部分31Bとからなり、第1部分31Aと第2部分31Bとが交互に配置されている。そして、第1部分31Aと第2部分31Bとが互いに接触する両部分の境界部が、接触熱抵抗を呈する接触熱抵抗部71となる。一方、第2電極部32は、互いに材質が異なる第1部分32Aと第2部分32Bとからなり、第1部分32Aと第2部分32Bとが交互に配置されている。そして、第1部分32Aと第2部分32Bとが互いに接触する両部分の境界部が、接触熱抵抗を呈する接触熱抵抗部71となる。接触熱抵抗部71は、本実施形態の熱移動抑制部に相当する。
本例では、接触熱抵抗部71は、図示紙面表裏方向に延びている。接触熱抵抗部71は、各電極部内においてXX方向及びYY方向に拡がるように形成されている。接触熱抵抗部71は、各電極部をXX方向及びYY方向に横切るように形成されていればよく、平面的に延在するものに限定されない。接触熱抵抗部71は、ZZ方向に対して交差する方向に延在する部分を有していればよい。また、接触熱抵抗部71は、ZZ方向に対して直交する方向に延在する部分を有するものであれば好ましい。
接触熱抵抗部71は、例えば、第1実施形態のスリット52の位置、及びスリット52をYY方向の両端部にまで延ばした位置に形成することができる。すなわち、接触熱抵抗部71は、YY方向に直線的に延びるように形成することができる。また、接触熱抵抗部71は、例えば、第1実施形態のスリット51の位置、及びスリット51を相互に接続して、YY方向の両端部にまで延ばした位置に形成することができる。すなわち、接触熱抵抗部71は、XX方向に屈曲しながらYY方向に延びるように形成することができる。
なお、各電極部は、2種の金属で構成されるものに限定されず、3種以上の金属で形成されていてもよい。また、接触熱抵抗部71は、ZZ方向において各電極内の3箇所に形成されるものに限定されない。1箇所、又は3箇所以外の複数箇所に設けてもよい。
このように、本実施形態のEHP装置では、電極は複数種の金属で形成されている。そして、熱移動抑制部は、異種金属が相互に接する接触熱抵抗部71により提供される。これによると、接触熱抵抗部71により電極に容易に熱移動抑制部を形成することができる。また、電極に熱移動抑制部として溝部を設けた場合よりも電極の剛性を向上することが可能である。また、接触熱抵抗部71は異種金属材の境界部であるので、第1電極部31、第2電極部32の全体を電極として機能させることができる。
(他の実施形態)
この明細書に開示される技術は、その開示技術を実施するための実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。開示される技術は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。実施形態は追加的な部分を持つことができる。実施形態の部分は、省略される場合がある。実施形態の部分は、他の実施形態の部分と置き換え、または組み合わせることも可能である。実施形態の構造、作用、効果は、あくまで例示である。開示技術の技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示技術のいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記実施形態では、熱輸送媒体の往復流方向であるZZ方向に直交するXX方向にフィルム状のECE素子30を並設していたが、これに限定されるものではない。ECE素子30を並設する方向は、例えばZZ方向に直交する方向から若干傾斜していてもよい。すなわち、複数のECE素子30は、ZZ方向に交差する方向に互いに並設されていてもよい。また、複数のECE素子30を並設するものに限定されず、ECE素子は、1つであってもかまわない。また、図15に例示するように、ECE素子30をZZ方向に複数段配置してもよい。高い電気熱量効果を発揮する温度帯が互いに異なる複数のECE素子30をZZ方向に段配置することで、冷熱出力及び温熱出力の温度域を拡張することが可能である。また、ECE素子の形状は、フィルム状に限定されるものではなく、他の形状の素子も採用可能である。
また、上記実施形態では、第1電極部31、第2電極部32を、隣り合うECE素子30の間に配置していたが、これに限定されるものではなく、ECE素子30に電圧を印加できるものであればよい。
また、上記実施形態では、媒体流路33を、第1電極部31、第2電極部32の溝部312c、322cにより提供していた。すなわち、電極に媒体流路形成部材としての機能を持たせていた。しかしながら、これに限定されるものではない。例えばスペーサ等の電極とは別体の部材により、媒体流路を形成してもかまわない。
また、上記実施形態では、熱輸送装置40は、一対の圧電ポンプ41、42のより熱輸送媒体の往復流を形成していたが、これに限定されるものではない。例えば、一方に圧電ポンプを設け、他方に圧電ポンプの吐出吸入に対応可能なベローズ等を設けて、熱輸送媒体の往復流を形成してもよい。また、例えば、圧電ポンプ以外のポンプ装置を採用してもかまわない。
また、上記実施形態では、冷却板11及び放熱板12で、外部媒体に冷熱出力及び温熱出力していたが、これに限定されるものではない。例えば、熱輸送媒体を一次媒体とし、一次媒体と二次媒体とを熱交換する熱交換器をEHP装置内に設け、二次媒体を外部の低温系統と高温系統とに供給してもよい。
また、上記第1実施形態、第2実施形態では、ZZ方向に6つの熱移動抑制部を配列し、上記第3実施形態では、ZZ方向に3つの熱移動抑制部を配列した例を説明したが、ZZ方向に配列される熱移動抑制部の数はこれに限定されるものではない。熱移動抑制部は、ZZ方向において1つのみであってもよい。また、上記第1実施形態のように、熱移動抑制部の列をYY方向に6列並べるものに限定されず、1列、又は6列以外の複数列であってもよい。
また、上記実施形態では、第1電極部31、第2電極部32の両方に熱移動抑制部を設けていたが、これに限定されるものではない。第1電極部31、第2電極部32のいずれか一方のみに熱移動抑制部を設けてもよい。
また、上記実施形態では、熱輸送装置40は、ECE素子30が生じる温熱や冷熱を熱輸送媒体流により移動させるものであったが、これに限定されるものではない。ECE素子が生じる温熱や冷熱を、例えば、熱スイッチや熱ダイオードで移動させる熱輸送装置であってもよい。
また、上記実施形態では、車両に搭載される冷却器に開示技術を適用した。これに代えて、加熱器に開示技術を適用してもよい。また、上記実施形態に対して電界印加と熱輸送媒体流れの位相を逆転(電界印加時に復流FNを形成、電界除去時に往流FMを形成)することで、同一構成のまま制御変更するのみで冷却側と加熱側とを入れ替えることができる。また、車両以外の船舶や航空機等の移動体用の搭載装置に開示技術を適用してもよい。また、住宅用等の定置式の装置に開示技術を適用してもよい。
1 冷却器(ヒートポンプ装置)
30 電気熱量効果材フィルム(電気熱量効果材)
31 第1電極部(電極)
32 第2電極部(電極)
40 熱輸送装置
51、52 スリット(貫通溝、溝部、熱移動抑制部)
53 スリット(有底溝、溝部、熱移動抑制部)
54 有底溝(溝部、熱移動抑制部)
61 低熱伝導部(熱移動抑制部)
71 接触熱抵抗部(熱移動抑制部)
201 低温端
202 高温端

Claims (14)

  1. 高温端(202)及び低温端(201)の両端部の間に配置され、印加される電界の変化に伴い温度変化する電気熱量効果材(30)と、
    前記電気熱量効果材に前記電界を印加するために設けられた電極(31、32)と、
    前記高温端及び前記低温端を生成するように、前記電気熱量効果材が生じる熱を所定の熱移動方向(ZZ)に移動させる熱輸送装置(40)と、を備え、
    前記電極には、前記電極を介する前記熱移動方向への熱移動を抑制するための熱移動抑制部(51、52、53、54、61、71)が形成されている、ヒートポンプ装置。
  2. 前記熱移動抑制部は、前記電極に形成された溝部(51、52、53、54)により提供される、請求項1に記載のヒートポンプ装置。
  3. 前記溝部は、前記電極を貫通する貫通溝(51、52)として形成されている、請求項2に記載のヒートポンプ装置。
  4. 前記溝部は、底部を有する有底溝(53、54)として形成されている、請求項2に記載のヒートポンプ装置。
  5. 前記熱移動抑制部は、前記電極の構成材料の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する材料からなる低熱伝導部(61)により提供される、請求項1に記載のヒートポンプ装置。
  6. 前記電極は、複数種の金属で形成されており、
    前記熱移動抑制部は、異種金属が相互に接する接触熱抵抗部(71)により提供される、請求項1に記載のヒートポンプ装置。
  7. 前記熱移動抑制部は、前記熱移動方向に対して交差する方向に延在している、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のヒートポンプ装置。
  8. 前記熱移動抑制部は、前記熱移動方向に対して直交する方向(YY)に延在している、請求項7に記載のヒートポンプ装置。
  9. 前記熱移動方向に複数の前記熱移動抑制部が配列されるとともに、前記複数の前記熱移動抑制部の列が、前記熱移動方向に対して交差する方向に複数列並設されている、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のヒートポンプ装置。
  10. 前記複数列並設された前記複数の前記熱移動抑制部は、互いに千鳥状配置されている、請求項9に記載のヒートポンプ装置。
  11. 前記熱移動抑制部は、前記熱移動方向に対して交差する方向において、複数に分割形成されることなく連続して形成されている、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のヒートポンプ装置。
  12. 前記電極は、前記電気熱量効果材を間にして対向する第1電極(31)及び第2電極(32)からなり、
    前記熱移動抑制部は、前記第1電極及び前記第2電極の両者に設けられている、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のヒートポンプ装置。
  13. 前記第1電極の前記熱移動抑制部と、前記第2電極の前記熱移動抑制部とは、前記熱移動方向において互いにオフセット配置されている、請求項12に記載のヒートポンプ装置。
  14. 前記第1電極には、前記熱移動方向に複数の前記熱移動抑制部が所定ピッチで配列され、
    前記第2電極には、前記熱移動方向に複数の前記熱移動抑制部が前記所定ピッチで配列されており、
    前記第1電極の複数の前記熱移動抑制部と、前記第2電極の複数の前記熱移動抑制部とは、前記熱移動方向において互いに前記所定ピッチの半ピッチ分オフセット配置されている、請求項13に記載のヒートポンプ装置。
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