JP2019099783A - 抗菌抗カビ用塗料、防藻用塗料、抗菌抗カビ性部材の製造方法、及び防藻性部材の製造方法 - Google Patents

抗菌抗カビ用塗料、防藻用塗料、抗菌抗カビ性部材の製造方法、及び防藻性部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、低コストの酸化銅を抗菌抗カビ成分及び/又は防藻成分として用い、経時変化に対して優れた分散安定性及び優れた塗工性を示す抗菌抗カビ用塗料、防藻用塗料、ならびに抗菌抗カビ性部材及び防藻性部材の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】平均粒子径が1nm以上500nm以下の銅酸化物粒子と、酸価が20mgKOH/g以上130mgKOH/g以下である分散剤と、溶媒と、任意成分としてのラテックスとを所定の含有量で含む、抗菌抗カビ用塗料、及び防藻用塗料、並びに該塗料を印刷法及び浸漬法によりから選択される塗布方法を用いて、基材表面へ塗布する工程と、塗布後に該塗料を乾燥させて、塗膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする、抗菌抗カビ性部材の製造方法、及び防藻性部材の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、抗菌抗カビ用塗料、防藻用塗料、抗菌坑カビ性部材の製造方法、及び防藻性部材の製造方法に関する。
近年の衛生思想の高まりによって、食品や医薬品の工場、病院や養護施設等の建物、食品厨房器具、医療器具、医療機器等の装置において、又は一般家庭用品においてまでも、細菌、かび等の真菌の拡大・感染防止のため、抗菌剤、抗カビ剤、消毒剤等が使用されている。
そのため、公共施設のみならず一般家庭においても、様々な部材に抗菌性や抗カビ性を付与することが望まれている。
これらの問題を解決するものとして、有機系又は無機系抗菌剤が提案されている。
特に、無機系抗菌剤については、従来、銀イオン(Ag+)、亜鉛イオン(Zn2+)、及び二価銅イオン(Cu2+)等の金属イオンが微生物の増殖を抑制し、又は微生物に対して殺菌的に作用することが知られている(例えば、特許文献1)。この知見に基づいて、これらの金属イオンをゼオライトやシリカゲル等の物質に担持させた抗微生物材料や、上記金属と光触媒作用を有する酸化チタンと組み合わせた抗微生物材料等も多数開発されている。
特開2003−221304号公報
中でも、抗菌抗カビ用途として、近年銀を用いた塗料などが使用されているが、銀はコストが高いといった問題を抱えている。
そのため、銀よりも廉価な金属を抗菌抗カビ成分として用いた、抗菌抗カビ用塗料及び抗菌抗カビ性部材の開発が望まれている。
また、抗菌性や抗カビ性の付与が望まれている様々な部材は、同時に防藻性の付与も望まれている場合が多い。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、低コストの酸化銅を抗菌抗カビ成分及び/又は防藻成分として用い、経時変化に対して優れた分散安定性及び優れた塗工性を示す、抗菌抗カビ用塗料、及び防藻用塗料、ならびに抗菌抗カビ性部材の製造方法、及び防藻性部材の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を達成すべく鋭意研究し実験を重ねた結果、所定の平均粒子径の銅酸化物粒子と所定の酸価の分散剤とを含む所定の組成及び成分濃度とした塗料とすることと、この塗料を印刷などの塗布方法で基材表面に塗布し、乾燥させて塗膜を形成することにより、前記課題を解決しうることを見出し、かかる知見に基づき、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明の一実施形態の抗菌抗カビ用塗料は、平均粒子径が1nm以上500nm以下の銅酸化物粒子と、分散剤と、溶媒と、を含む抗菌抗カビ用塗料であって、前記分散剤の酸価が20mgKOH/g以上130mgKOH/g以下であり、前記銅酸化物粒子の含有量が0.5質量%以上60質量%以下であり、前記分散剤の含有量が0.05質量%以上20質量%以下であり、前記溶媒の含有量が20質量%以上99.45質量%以下であることを特徴とする。
また、本発明の別の一実施形態の抗菌抗カビ用塗料は、平均粒子径が1nm以上500nm以下の銅酸化物粒子と、分散剤と、ラテックスと、溶媒と、を含む抗菌抗カビ用塗料であって、前記分散剤の酸価が20mgKOH/g以上130mgKOH/g以下であり、前記銅酸化物粒子の含有量が0.5質量%以上50質量%以下であり、前記分散剤の含有量が0.05質量%以上20質量%以下であり、前記ラテックスの含有量が0.05質量%以上40質量%以下であり、前記溶媒の含有量が5質量%以上99.4質量%以下であることを特徴とする。当該抗菌抗カビ用塗料では、前記ラテックスがアクリルラテックスであることが好ましい。
本発明の一実施形態の防藻用塗料は、平均粒子径が1nm以上500nm以下の銅酸化物粒子と、分散剤と、溶媒と、を含む防藻用塗料であって、前記分散剤の酸価が20mgKOH/g以上130mgKOH/g以下であり、前記銅酸化物粒子の含有量が0.5質量%以上60質量%以下であり、前記分散剤の含有量が0.05質量%以上20質量%以下であり、前記溶媒の含有量が20質量%以上99.45質量%以下であることを特徴とする。
また、本発明の別の一実施形態の防藻用塗料は、平均粒子径が1nm以上500nm以下の銅酸化物粒子と、分散剤と、ラテックスと、溶媒と、を含む防藻用塗料であって、前記分散剤の酸価が20mgKOH/g以上130mgKOH/g以下であり、前記銅酸化物粒子の含有量が0.5質量%以上50質量%以下であり、前記分散剤の含有量が0.05質量%以上20質量%以下であり、前記ラテックスの含有量が0.05質量%以上40質量%以下であり、前記溶媒の含有量が5質量%以上99.4質量%以下であることを特徴とする。当該防藻用塗料では、前記ラテックスがアクリルラテックスであることが好ましい。
また、本発明の抗菌抗カビ性部材の製造方法は、上記の抗菌抗カビ用塗料を、スクリーン印刷、スプレーコート、スピンコート、スリットコート、ダイコート、バーコート、ナイフコート、エアードクターコート、ロールコート、静電塗装、オフセット印刷、反転印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷、グラビアダイレクト印刷、グラビアオフセット印刷、及び浸漬法の中から選択される方法を用いて、基材表面へ塗布する工程と、塗布後に前記抗菌抗カビ用塗料を乾燥させて塗膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の防藻性部材の製造方法は、上記の防藻用塗料を、スクリーン印刷、スプレーコート、スピンコート、スリットコート、ダイコート、バーコート、ナイフコート、エアードクターコート、ロールコート、静電塗装、オフセット印刷、反転印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷、グラビアダイレクト印刷、グラビアオフセット印刷、及び浸漬法から選択される少なくとも1種の塗布方法を用いて、基材表面へ塗布する工程と、塗布後に前記防藻用塗料を乾燥させて、塗膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る抗菌抗カビ用塗料及び防藻用塗料は、経時変化に対し抗菌抗カビ成分及び/又は防藻成分である銅酸化物粒子の分散安定性に優れ、また、塗工性に優れているため、印刷による塗布が可能であり、抗菌抗カビ用途及び/又は防藻用途に好適に用いることができる。
本発明に係る抗菌抗カビ性部材の製造方法及び防藻性部材の製造方法は、上記抗菌抗カビ用塗料又は防藻用塗料を用いるため、基材表面の全体又は所望の部分のみに、所望のパターンで優れた抗菌抗カビ性及び/又は防藻性を付与した抗菌抗カビ性部材及び/又は防藻性部材を提供することができる。
実施例1の塗料Aに対する防藻性試験の開始時の試料写真である。 実施例1の塗料Aに対する防藻性試験の開始2週間経過後の試料写真である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」ともいう)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
まず、本発明の抗菌抗カビ用塗料及び防藻用塗料(これらを、本明細書中において「本発明の塗料」とも総称する)について詳細に説明する。
[塗料]
本発明の一実施形態の塗料は、平均粒子径が1nm以上500nm以下の銅酸化物粒子と、分散剤と、溶媒とを所定の含有率で含むことが特徴である。
本発明の別の一実施形態の塗料は、平均粒子径が1nm以上500nm以下の銅酸化物粒子と、分散剤と、溶媒と、さらにラテックスとを所定の含有量で含むことが特徴である。
[[銅酸化物粒子]]
本発明の塗料は、抗菌抗カビ成分及び/又は防藻成分として、所定の平均粒子径を有する銅酸化物粒子を所定の含有量で含む。銅酸化物粒子の具体例としては、酸化第一銅粒子、酸化第二銅粒子、又はその他の酸化数の酸化銅粒子、コア部が銅でありシェル部がいずれかの酸化数の酸化銅であるコア/シェル構造を有する粒子などが挙げられる。これら粒子は、少量の不純物として金属塩及び/又は金属錯体を含んでもよい。その中でも酸化第一銅粒子は抗菌抗カビ性及び防藻性が優れるため、好ましい。
本発明の塗料に含まれる銅酸化物粒子は、1nm以上500nm以下の平均粒子径を有する。
ここで「平均粒子径」とは、湿式状況下での銅酸化物粒子の流体力学的平均径を意味し、後述する「平均二次粒径」の値とは多少のずれを生じ得る。本発明における「平均粒子径」、すなわち、流体力学的平均径では、二次粒子を構成せず単独で存在している一次粒子と、一次粒子が複数個集まって形成された凝集体である二次粒子とを区別することなく測定対象として求められた平均粒径である。
一方、後述する「平均二次粒径」は、全ての測定対象粒子が二次粒子であると仮定して求められる平均粒径であり、仮に二次粒子を構成しない一次粒子が存在していても測定対象外とされるためである。
本発明において、銅酸化物粒子の平均粒子径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。より具体的には、塗料に使用される溶媒中に分散させた銅酸化物粒子を測定対象とし、動的光散乱法を用いて測定した信号を、光子相関法で解析して自己相関関数を求め、求めた自己相関関数をキュムラント法で解析して平均粒子径を求めることができる。
本発明の銅酸化物粒子は、1nm以上500nm以下の平均粒子径を有することにより、塗料中での分散安定性が向上し、よって、塗料の抗菌抗カビ性能及び防藻性能を向上させることができる。また、塗料の塗工性を向上させることができ、よって、基材表面への塗料の塗布方法として印刷法を用いることを可能にする。
本発明の塗料に含まれる銅酸化物粒子の平均二次粒径は、特に制限はないが、好ましくは5nm以上、500nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは80nm以下である。平均二次粒径とは、銅酸化物粒子の一次粒子が複数個集まって形成される凝集体(二次粒子)の平均粒径である。平均二次粒径が500nm以下であると、基材表面上に微細パターンを形成しやすいので好ましい。二次粒径とは、ジエチレングリコール中に分散させた銅酸化物粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したときに、取得される画像データから求められる二次粒子の粒子径をいい、通常、画像の任意の箇所を切り取り、この箇所に含まれる100個以上の粒子について、その二次粒径の平均値を求めて、平均二次粒径を算出する。
二次粒子を構成する一次粒子の平均一次粒径の好ましい範囲は1nm以上、100nm以下、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。平均一次粒径が100nm以下の場合、表面積が広くなるため抗菌抗カビ性能が向上する。平均一次粒径が1nm以上であると、平均粒子径を1nm以上500nm以下の範囲内とすることができる。
平均一次粒径とは、画像解析により複数の一次粒子について求めた一次粒径の平均値をいう。ここで、一次粒径とは、分散媒中に分散させた酸化第一銅ナノ粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察したときに、取得される画像データから求められる一次粒子の粒子径をいい、通常、画像の任意の箇所を切り取り、この箇所に含まれる100個以上の粒子について、その一次粒径の平均値を求めて、平均一次粒径を算出する。
塗料に含まれる銅酸化物粒子の粒子径(平均粒子径、平均二次粒径、二次粒径、平均一次粒径、又は一次粒径)を変化させることで、局在表面プラズモン共鳴により塗料や塗膜の色調を変化させることができ、さらに、塗料や塗膜が吸収する光の波長も変化させることができる。
本発明の塗料がラテックスを含まない実施形態である場合、銅酸化物粒子の含有量は、塗料100質量%中、0.5質量%以上60質量%以下であり、好ましくは1.0〜60質量%、より好ましくは5.0〜50質量%である。含有量が0.5質量%以上であると、抗菌抗カビ成分としての機能を十分に発揮することができ、60質量%以下であると、銅酸化物粒子の凝集を抑制しやすくなるためである。
本発明の塗料がラテックスを含む実施形態である場合、銅酸化物粒子の含有量は、分散安定性の観点から、塗料100質量%中、0.5質量%以上50質量%以下であり、好ましくは1.0〜40質量%、より好ましくは2.0〜35質量%である。
銅酸化物粒子は、市販品を用いてもよいし、合成して用いてもよい。市販品としては、例えば、CIKナノテック製の平均一次粒径50nmの酸化第二銅粒子がある。合成して用いる場合、合成法としては、次の(1)〜(3)の方法が挙げられる。
(1)ポリオール溶剤中に、水と銅アセチルアセトナト錯体を加え、一旦有機銅化合物を加熱溶解させ、次に、反応に必要な水を後添加し、さらに昇温して有機銅の還元温度で加熱還元する方法。
(2)有機銅化合物(銅-N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン錯体)を、ヘキサデシルアミン等の保護剤存在下、不活性雰囲気中で、300℃程度の高温で加熱する方法。
(3)水溶液に溶解した銅塩をヒドラジンで還元する方法。
この中でも、(3)の方法は操作が簡便で、かつ、粒径の小さい銅酸化物粒子や酸化第一銅粒子が得られるので好ましい。
[[分散剤]]
次に分散剤について説明する。
本発明の塗料は、所定の酸価を有する分散剤を所定の含有量で含む。
分散剤としては公知のものを用いることができ、例えば、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、不飽和ポリカルボン酸ポリアミノアマイド、ポリアミノアマイドのポリカルボン酸塩、長鎖ポリアミノアマイドと酸ポリマーの塩などの塩基性基を有する高分子が挙げられる。また、アクリル系ポリマー、アクリル系共重合物、変性ポリエステル酸、ポリエーテルエステル酸、ポリエーテル系カルボン酸、ポリカルボン酸などの高分子のアルキルアンモニウム塩、アミン塩、アミドアミン塩などが挙げられる。また、後述するリン含有有機化合物などが好適な分散剤である。
このような分散剤としては、市販されているものを使用することもできる。
本発明の塗料に使用する分散剤の酸価(mgKOH/g)は、20mgKOH/g以上130mgKOH/g以下であり、好ましくは30mgKOH/g以上110mgKOH/g以下、より好ましくは35mgKOH/g以上105mgKOH/g以下である。この範囲に入ると分散安定性に優れるため好ましい。特に平均粒子径が小さい銅酸化物粒子の場合に有効である。
酸価は、遊離脂肪酸、脂肪酸の総量を示すものであり、JIS K 0070:1992の3.1「中和滴定法」に準拠して測定される。
上記範囲の酸価を有する分散剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、「DISPERBYK(登録商標)―101」(酸価30mgKOH/g)、「DISPERBYK―102」(酸価101mgKOH/g)、「DISPERBYK−110」(酸価52mgKOH/g)、「DISPERBYK−111」(酸価129mgKOH/g)、「DISPERBYK−140」(酸価73mgKOH/g)、「DISPERBYK−142」(酸価46mgKOH/g)、「DISPERBYK−145」(酸価76mgKOH/g)、「DISPERBYK−118」(酸価36mgKOH/g)、「DISPERBYK−180(酸価94mgKOH/g)、「DISPERBYK−2025」(酸価38mgKOH/g)、「BYK―9076」(酸価38mgKOH/g)、「ANTI−TERRA(登録商標)−204」(酸価41mgKOH/g)、ANTI−TERRA−U(酸価24mgKOH/g)(以上、ビックケミ―社製);ハイプラッド(登録商標)ED−212(酸価20mgKOH/g)、ハイプラッドED−213(酸価25mgKOH/g)、ハイプラッドED−360(酸価52mgKOH/g)(以上楠本化成社製);などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
分散剤の数平均分子量は、特に制限はないが、例えば300〜300000であることが好ましい。300以上であると、膜強度に優れ、更に得られる塗料の分散安定性が増す傾向があり、30000以下であると、焼成しやすい。
上述する分散剤のうちで好適なものとしては、例えば、リン含有有機化合物が挙げられる。リン含有有機化合物は酸化銅に吸着してもよく、この場合立体障害効果により凝集を抑制する。また、リン含有有機化合物は、絶縁領域において電気絶縁性を示す材料である。リン含有有機化合物は、単一分子であってよいし、複数種類の分子の混合物でもよい。
上記リン含有有機化合物としては、リン酸基を有する有機化合物が好ましく、銅酸化物粒子に親和性のある基を有する高分子量共重合物のリン酸エステルがより好ましい。例えば、下記化学式(1)で表される化学構造の基を有するリン酸エステルが、銅酸化物粒子、特に酸化第一銅粒子と吸着し、また基板への密着性にも優れるため、好ましい。
(上記式中、lは、1〜1629の整数を表し、mは、1〜6809の整数を表し、nは、1〜5166の整数を表す。)
リン含有有機化合物は、光や熱によって分解又は蒸発しやすいものであることが好ましい。光や熱によって分解又は蒸発しやすいリン含有有機化合物を用いることによって、塗料の焼成後に有機化合物の残渣が残りにくくなり、抵抗率の低い導電性パターン領域を得ることができる。
リン含有有機化合物の分解温度は、限定されないが、600℃以下であることが好ましく、400℃以下であることがより好ましく、200℃以下であることがさらに好ましい。
リン含有有機化合物の沸点は、限定されないが、300℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、150℃以下であることがさらに好ましい。
リン含有有機化合物の吸光特性は、限定されないが、塗料の焼成に用いる光を吸収できることが好ましい。例えば、焼成のための光源としてレーザ光を用いる場合は、その発光波長の、例えば355nm、405nm、445nm、450nm、532nm、1056nmなどの光を吸収するリン含有有機化合物を用いることが好ましい。基材が樹脂基板の場合、特に、355nm、405nm、445nm、450nmの波長の光を吸収するリン含有有機化合物が好ましい。
本発明の塗料がラテックスを含まない実施形態である場合、塗料100質量%中の、リン酸基を有する有機化合物の含有量は、0.05質量%以上20質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以上17質量%以下であり、より好ましくは0.20質量%以上15質量%以下であり、さらに好ましくは1.0質量%以上8.0質量%以下である。前記有機化合物の含有量が上記範囲内であれば、銅酸化物粒子同士の凝集を抑制することができ、塗料が十分な分散安定性を有する。また、塗料を焼成して得られる導電膜において、分散剤由来の残渣の影響を抑え、導電性を向上させることができる。
本発明の塗料がラテックスを含む実施形態である場合、塗料100質量%中の、分散剤の含有量は、0.05質量%以上20質量%以下であり、好ましくは1.0質量%以上15質量%以下、より好ましくは2.0質量%以上10質量%以下である。前記有機化合物の含有量が上記範囲内であれば、ラテックス共存下において、銅酸化物粒子同士の凝集を抑制することができ、塗料が十分な分散安定性を有する。また、塗料を焼成して得られる導電膜において、分散剤由来の残渣の影響を抑え、導電性を向上させることができる。
また、分散剤の含有量は、銅酸化物粒子の含有量に応じて、要求される分散安定性を考慮して調整することも好ましい。本実施形態の塗料に含まれる分散剤と銅酸化物粒子の質量比率(分散剤の質量/銅酸化物粒子の質量)は、0.0050以上0.30以下であることが好ましく、より好ましくは0.050以上0.25以下であり、更に好ましくは0.10以上0.23以下である。分散剤と銅酸化物粒子の質量比率が上記範囲内であれば、分散安定性をより向上させることができる。
[[溶媒]]
本発明の塗料は、分散媒として、溶媒を所定の含有量で含む。溶媒は、単一溶媒であっても混合溶媒であってもよい。
単一溶媒としては、20℃における蒸気圧が0.010Pa以上20Pa未満である溶媒(以下、「溶媒(A)」とも称する)であっても、20℃における蒸気圧20Pa以上150hPa以下である溶媒(以下、「溶媒(B)」とも称する)であってもよい。
混合溶媒としては、2種以上の溶媒(A)からなる混合溶媒でも、2種以上の溶媒(B)にからなる混合溶媒でも、溶媒(A)と溶媒(B)との混合溶媒でもよい。中でも、溶媒(A)と、溶媒(B)との混合溶媒を用いることが好ましい。溶媒(A)と溶媒(B)との混合溶媒は、前記リン酸基を有する有機化合物と併せて用いることによって、本実施形態の塗料の大気中における分散安定性の向上と作業性とを両立させることができる。
前記溶媒(A)の20℃における蒸気圧は、0.010Pa以上20Pa未満であり、好ましくは0.05Pa以上16Pa未満であり、より好ましくは0.1Pa以上14Pa未満である。20℃における蒸気圧が0.010Pa以上20Pa未満であると、塗料の塗膜を半乾きの状態に維持することができ、後述する抗菌抗カビ性部材の製造の際の作業性を高めることができる。
前記溶媒(B)の20℃における蒸気圧は、20Pa以上150hPa以下であり、好ましくは100Pa以上100hPa以下、より好ましくは300Pa以上20hPa以下である。20℃における蒸気圧が150hPa以下であると、溶媒の揮発速度が高くても、塗料における銅酸化物粒子の含有率を安定させやすくすることができる。20℃における蒸気圧が20Pa以上であると、塗料の塗膜を半乾きの状態にするまでの時間を適式にすることができる。
本発明の塗料がラテックスを含まない実施形態である場合、塗料100質量%中の溶媒の含有量は、20質量%以上99.45質量%以下であり、好ましくは30質量%以上99.4質量%以下、より好ましくは40質量%以上80質量%以下である。本発明の塗料がラテックスを含まない実施形態である場合、溶媒の含有量が上記範囲内であれば、塗料に優れた分散安定性及び優れた塗工性を十分に付与することができる。
本発明の塗料がラテックスを含む実施形態である場合、塗料100質量%中の溶媒の含有量は、5質量%以上99.4質量%以下であり、好ましくは10質量%以上99.0質量%以下、より好ましくは20質量%以上90質量%以下である。溶媒の含有量が上記範囲内であれば、ラテックス共存下で、塗料に優れた分散安定性及び優れた塗工性を十分に付与することができる。
本発明の塗料がラテックスを含まず、溶媒が溶媒(A)と溶媒(B)との混合溶媒である実施形態の場合、本発明の塗料100質量%中の溶媒(A)の含有量は、10質量%以上99質量%以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以上95質量%以下、さらに好ましくは30質量%以上90質量%以下である。溶媒(A)の含有量が上記範囲内であると、大気中において適式な乾燥速度となり、印刷不良が生じない傾向となり好ましい。
本発明の塗料がラテックスを含み、溶媒が溶媒(A)と溶媒(B)との混合溶媒である実施形態の場合、本発明の塗料100質量%中の溶媒(A)の含有量は、0.050質量%以上10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.10質量%以上9.0質量%以下、さらに好ましくは0.20質量%以上8.0質量%以下である。溶媒(A)の含有量が上記範囲内であると、大気中において適式な乾燥速度となり、印刷不良が生じない傾向となり好ましい。
前記溶媒(A)の具体例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3メトキシ−3−メチルーブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、オクタン、ノナン、デカン、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2−ペンタンジオール、 4,2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、トリエチレングリコール、トリ1,2−プロピレングリコール、グリセロール等の有機溶媒、及び、水等が挙げられる。中でも炭素数10以下の多価アルコールがより好ましい。多価アルコールの炭素数が10を超えると、銅酸化物粒子の分散性が低下する場合がある。これらは、単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
前記溶媒(B)の具体例としては、酢酸、酢酸エチル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルカーボネート、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。中でも炭素数10以下のモノアルコールがより好ましい。炭素数10以下のモノアルコール中でも、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノールが分散性、揮発性及び粘性が特に適しているのでさらに好ましい。モノアルコールの炭素数が10を超えると、銅酸化物粒子の分散性の低下を抑制するため、モノアルコールの炭素数は10以下であることが好ましい。これらは、単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
[[ラテックス]]
本発明の塗料は、加工性を向上させるための任意成分として、ラテックスを所定の含有量で含むことができる。ラテックスは、樹脂が乳化剤により水などの水性分散媒中に懸濁している水性の樹脂懸濁液である。
ラテックスとしては、アクリルラテックス、塩化ビニリデンラテックス、スチレンブタジエンラテックス、シリコーン変性アクリルラテックス、有機無機ハイブリッドラテックス、シリコーンラテックスなどを用いることができる。中でも、アクリルラテックスまたはシリコーン変性アクリルラテックスが成膜性、耐久性の観点から好ましい。
これらラテックスは、市販品を用いてもよいし、樹脂を合成して調製したものを用いてもよい。
アクリルラテックスの市販品としては、例えば、日信化学工業社製ビニブラン(登録商標)「#2682」「#2684」「#2685」「#2687」、旭化成社製のポリデュレックス(登録商標)、ポリトロン(登録商標)などが挙げられる。
樹脂を合成して前記ラテックスを調製する場合の樹脂材料としては、不飽和重合体などの重合性単量体、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、第三級ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトシキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;ブタジエン;等が挙げられ、さらに種々の官能性単量体、例えば、(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸グリシジル、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ジビニルベンゼン、メチルビニルケトンなど、異なる2種以上の単量体を共重合して得られる共重合体単量体などが挙げられる。
前記ラテックスの調製方法としては、通常の多段乳化重合法が採用できる。その代表例としては、水中にて乳化剤及び重合開始剤などの存在下で、上記不飽和単量体を、通常40℃〜90℃の加温下で乳化重合し、この工程を複数段回繰り返し行う方法が挙げられる。
前記乳化剤としては、特に限定はなく、例えばアニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、高分子乳化剤等を使用することができる。例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどの脂肪酸塩や、高級アルコール硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシノニルフェニルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸塩、スルホン酸基又は硫酸エステル基と重合性の不飽和二重結合を分子中に有する、いわゆる反応性乳化剤などのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテルや、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、又は前述の骨格と重合性の不飽和二重結合を分子中に有する反応性ノニオン性界面活性剤などのノニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩や、第四級アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤;(変性)ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
前記乳化剤の使用量は、特に限定はされないが、例えば、全重合性単量体成分の合計使用量に対して、好ましくは1.0〜5.0重量%がよい。乳化剤の使用量を多くすると重合安定性が向上し、少なくすると耐水性を向上することができる。また、高Tg成分をコアに低Tg成分をシェルにするためには、各段の乳化剤使用量について、低Tg成分をつくる段の使用量よりも高Tg成分をつくる段の使用量を多くすることが好ましい。
上記不飽和単量体を乳化重合する際の重合方法は、単量体を一括して仕込む単量体一括仕込み法や、単量体を連続的に滴下する単量体滴下法、単量体と水と乳化剤とを予め混合乳化しておき、これらを滴下するプレエマルション法、あるいは、これらを組み合わせる方法などが挙げられる。この時に重合開始剤の使用方法は特に限定されるものではない。また、Si含有化合物の使用方法としては、加水分解性シランの縮合反応と不飽和単量体のラジカル重合を同時におよび/または加水分解性シランの縮合反応を先行させた後に不飽和単量体のラジカル重合を進行させる乳化重合方法または不飽和単量体のラジカル重合を進行させた後に加水分解性シランの縮合反応を進行させる方法などが用いられる。
上記不飽和単量体を乳化重合する際に使用する重合開始剤としては、一般に用いられるラジカル開始剤を使用すればよい。ラジカル重合開始剤は、熱又は還元性物質等によってラジカルを生成して重合性単量体の付加重合を起こさせるもので、水溶性又は油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物などがある。具体的には過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等があり、好ましくは水溶性のものである。
なお、重合速度の促進や低温反応を望む場合には、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドスルホオキシレート塩等の還元剤を、ラジカル重合開始剤と組み合わせて用いることができる。
必要に応じて、乳化重合に際して、分子量調整剤を使用することができる。分子量調整剤として、具体的にはドデシルメルカプタン、ブチルメルカプタン等が挙げられる。使用方法は特に限定されるものではないが、その量は全重合性単量体成分の合計使用量に対して、2%以下が好ましい。
その他、前記ラテックスには、成膜助剤を任意に配合することができる。
成膜助剤として具体的には、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、2,2,4−トリメチル−1,3−ブタンジオールイソブチレート、グルタル酸ジイソプロピル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、等が挙げられる。これら成膜助剤は、単独または併用など任意に配合することができる。
本発明の塗料に含まれるラテックスの含有量は、塗料100質量%中で、0.05質量%以上40質量%以下が好ましく、1質量%以上35質量%以下がより好ましく、5質量%以上30質量%以下がさらに好ましい。ここで、塗料に含まれるラテックスの含有量とは、塗料に含まれるラテックス中の固形分(すなわち、樹脂、及び乳化剤)の含有量を指し、ラテックス中の液体分(すなわち、水などの分散媒、分子量調整剤、成膜助剤)の含有量は含めない。塗料に含まれるラテックス中の固形分の含有量が上記範囲内であれば、本発明の塗料の加工性を十分向上させることができる。
なお、ラテックス中の固形分の含有量としては、特に限定されず、例えば、ラテックス100質量%中、固形分が20質量%以上60質量%以下であるものを好適に使用することができる。
[[表面エネルギー調整剤]]
本発明の塗料は、塗工性を向上させるため、任意成分として表面エネルギー調整剤を含んでもよい。これにより、基材に塗料の塗膜を形成する時、塗布された塗料塗膜の平滑性が向上して、より均一な塗膜を得ることができる。
表面エネルギー調整剤の具体例としては、Triton(登録商標) X−45、Triton X−100、Triton X、Triton A−20、Triton X−15、Triton X−114、Triton X−405、Tween(登録商標) #20、Tween #40、Tween #60、Tween #80、Tween #85、Pluronic(登録商標) F−68、Pluronic F−127、Span(登録商標) 20、Span 40、Span 60、Span 80、Span 83、Span 85、AGCセイミケミカル製の「サーフロン(登録商標)S−211」、「サーフロンS−221」、「サーフロンS−231」、「サーフロンS−232」、「サーフロンS−233」、「サーフロンS−242」、「サーフロンS−243」、「サーフロンS−611」、スリーエム製の「Novec(登録商標)FC−4430」、「NovecFC−4432」、DIC製の「メガファック(登録商標)F−444」、「メガファックF−558」等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。中でも含フッ素ノニオン性界面活性剤が特に好ましく、AGCセイミケミカル製の「サーフロンS−211」、「サーフロンS−221」、「サーフロンS−231」、「サーフロンS−232」、「サーフロンS−233」、「サーフロンS−242」、「サーフロンS−243」、「サーフロンS−611」、スリーエム製の「NovecFC−4430」、「NovecFC−4432」、DIC製の「メガファックF−444」、「メガファックF−558」が好適に用いられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
表面エネルギー調整剤の添加量は、特に制限はないが、塗料100質量%中、好ましくは0.010質量%以上2.0質量%以下であり、より好ましくは0.10〜1.5質量%である。0.010質量%以上であると、塗料塗膜が均一で、ムラが生じにくい傾向がある。また、塗料塗膜が均一でムラを生じることなく、塗膜形成を良好とするために、添加量は2.0質量%以下であることが好ましい。
[[他の添加剤]]
本発明の塗料は、上述する成分のほか、任意成分として、塗料で一般に用いられるような他の添加剤を含んでいてもよい。
当該他の添加剤としては、可塑剤、乾燥剤、硬化剤、皮張り防止剤、平坦化剤、たれ防止剤、防カビ剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、熱線吸収剤、潤滑剤、界面活性剤、分散剤、増粘剤、粘性調整剤、安定剤、乾燥調整剤、着色剤、有機バインダ―等が挙げられる。さらに、別種の抗ウイルス組成物、抗菌組成物、防かび組成物、抗アレルゲン組成物、触媒、反射防止材料、遮熱特性を備える材料等も挙げられる。
<粘度>
本発明の塗料の25℃における粘度には特に制限はないが、JIS K5600−2−3に準拠しコーン・プレート型回転粘度計を用いて25℃で測定したずり速度が1×10-1-1〜1×102-1である領域において、好ましくは100mPa・s以下、より好ましくは30mPa・s以下である。25℃における粘度は、印刷時の均質な塗布膜の形成しやすさから、100mPa・s以下が好ましい。
本発明の塗料の25℃における粘度を上記範囲内に調整するには、必要に応じて、必須成分及び/若しくは任意成分の濃度を適宜調整するか、又は増粘剤などを適宜添加すればよい。例えば、25℃における粘度を低下させたい場合は、溶媒の濃度を増加させればよい。一方、25℃における粘度を上昇させたい場合は、酸化第一銅の濃度を増加させるか、又は増粘剤を添加すればよい。
増粘剤としては、特に限定はなく、塗料で通常使用されるもの全般が利用できる。
<表面自由エネルギー>
本発明の塗料の25℃における表面自由エネルギーは、特に制限はないが、好ましくは40mN/m以下、より好ましくは35mN/m以下、さらに好ましくは30mN/m以下である。後述する反転印刷において、塗料のブランケットに対する濡れ性の点から、25℃における表面自由エネルギーは40mN/m以下が好ましい。表面自由エネルギーは、接触角計を用いて測定することができる。
本発明の塗料の25℃における表面自由エネルギーを上記範囲内に調整するには、必要に応じて、表面エネルギー調整剤や各種溶媒の濃度を適宜調整すればよい。例えば、25℃における表面自由エネルギーを低下させたい場合は、表面エネルギー調整剤を添加若しくは増加させるか、又は表面自由エネルギーが低い溶媒(例えばフッ素系溶媒、具体的にはハイドロフルオロエーテル等)を添加若しくは増加させるか、又は混合溶媒を使用する場合はその中で表面自由エネルギーが高い溶媒の濃度を低下させればよい。一方、25℃における表面自由エネルギーを上昇させたい場合は、表面エネルギー調整剤を排除若しくは低減させるか、又は表面自由エネルギーが高い溶媒(例えば水等)を添加若しくは増加させるか、又は混合溶媒を使用する場合はその中で表面自由エネルギーが低い溶媒の濃度を低下させればよい。
[塗料の調製]
本発明の塗料は、例えば、前述の銅酸化物粒子と、分散剤と、溶媒とを混合して作製することができる。さらに前述のラテックスを混合しても良い。
これらの必須成分をそれぞれ所定の割合で混合し、例えば、超音波法、ミキサー法、3本ロール法、2本ロール法、アトライター、バンバリーミキサー、ペイントシェイカー、ニーダー、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル等を用いて分散処理することにより、調製することができる。
本発明の塗料を調製する際、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては上述の表面エネルギー調整剤のほか、塗料に一般に用いられている分散剤、有機バインダ―などを用いることができる。
なお、上述するように、前述の銅酸化物粒子、リン酸基を有する有機化合物、溶媒、ラテックス、表面エネルギー調整剤、及びその他の添加剤の濃度を適宜調整することによって、本発明の塗料の粘度及び表面エネルギーを調整することができる。
[抗菌抗カビ用塗料の用途]
本発明の抗菌抗カビ用塗料は、優れた塗工性を有するため、様々な部材に使用することができる。当該部材としては、例えば、金属部品、プラスチック部品、織物や不織布等が挙げられ、より具体的に、応用例としては、エアコンの熱交換器の伝熱管及びフィン、吹き出し口のルーバー等のプラスチック部品、並びに送風ファン等;カーエアコンのエバポレーター、フィルター及びブロアファン;マスク;エアコン用フィルター、空気清浄機用フィルター、掃除機用フィルター、換気扇用フィルター、車両用フィルター、空調用フィルター等のフィルター;衣類用、寝具用、網戸用ネットや鶏舎用ネット等のネット;壁紙、窓用、天井用、車両用シート等のシート・フィルム;ドア、ブラインド、椅子、ソファー、床材等の各種設備(ウイルスを扱う設備、電車・車両、病院、ビル一般)用内装材等;が挙げられる。
本発明の抗菌抗カビ用塗料は、銅酸化物粒子の粒子径を制御することにより、塗膜が吸収する光の波長を変化させることができるため、光学フィルタ等の光学部品に塗工して抗菌性を付与することもできる。
本発明の抗菌抗カビ用塗料は、導電性を示す銅酸化物粒子を含むため、電気機器や電子機器の電子部品に塗工して、抗菌性を有する導電膜を提供することもできる。
[防藻用塗料の用途]
本発明の防藻用塗料は、優れた塗工性を有するため、様々な部材に使用することができる。当該部材としては、抗菌抗カビ用塗料について上述するものに加え、例えば、建築外装材、船舶外装材などに好適に使用することができる。
[部材の製造方法]
次に、本発明の抗菌抗カビ性部材及び防藻性部材の製造方法について詳細に説明する。
本発明の抗菌抗カビ性部材及び防藻性部材は、様々な方式で作製できる。例えば、基材を本発明の塗料に浸漬させることや、本発明の塗料をスプレーその他のコーティング法や各種印刷法を使って基材表面に塗布した後、前記塗料を乾燥させて塗膜を形成することで、本発明の抗菌抗カビ性部材及び防藻性部材を製造することができる。特に、印刷法を用いて塗布することで、今までは基材全面を抗菌抗カビ材料や防藻材料で覆っていたところを、基材表面の塗りたい領域だけに塗布することができるため好ましい。
[[塗布方法]]
基材表面に本発明の塗料を塗布し、塗膜を形成する方法としては、特に制限されず、スクリーン印刷、スプレーコート、スピンコート、スリットコート、ダイコート、バーコート、ナイフコート、エアードクターコート、ロールコート、静電塗装、オフセット印刷、反転印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷、グラビアダイレクト印刷、グラビアオフセット印刷、タンポ印刷などのコーティング法や印刷法などを用いることができる。また、本発明の塗料又は当該塗料を含む塗布液に浸す浸漬法も利用できる。
中でも、印刷法による塗布であれば、基材表面上に塗料を所望のパターンに直接印刷することができるため、抗菌抗カビ性及び/又は防藻性が必要なところにのみ本発明の塗料を必要な量だけ塗布できるので好ましい。
本発明の塗料の塗布量は、特に限定されず、塗料の抗菌抗カビ性能及び/又は防藻性能、すなわち、抗菌抗カビ成分及び/又は防藻成分である銅酸化物粒子の含有量や、塗布方法、製造される部材の用途などを考慮して、適宜決定することができる。
抗菌抗カビ性能及び/又は防藻性能を十分に得る観点からは、抗菌抗カビ性部材及び防藻性部材における銅酸化物粒子の含有量が、当該部材を100質量%として、0.001〜20質量%となるように塗布することが好ましく、0.1〜10質量%となるように塗布することがより好ましい。
[[塗膜形成]]
本発明の塗料を基材へ塗布した後、塗料を乾燥させて塗膜を形成させる。本発明の塗料の乾燥方法としては、特に制限されず、加熱乾燥や自然乾燥等が挙げられ、必要に応じて、乾燥時に、紫外線、赤外線、電子線、γ線等の照射を行ってもよい。
基材上に形成された塗膜の厚みは、特に制限されず、製造される抗菌抗カビ性部材の用途などを考慮して、適宜決定することができる。抗菌抗カビ性を十分に得る観点からは、基材上の塗膜の厚みが、1μm以上10mm以下であることが好ましく、10μm以上5mm以下であることがより好ましい。
[[基材]]
基材の材質は特に制限されるものではなく、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、高歪点ガラス、石英ガラス等のガラス、シリカなどガラス類、アルミナ等のセラミック、陶器、磁器等の焼き物、石材、コンクリートほか、銅、スチール、真鍮、チタン、アルミ、ステンレス、鉄等の金属類などの無機材料が挙げられる。さらに高分子材料等の有機材料、であっても良く、例えば、基材としてプラスチックなどの高分子材料や、天然原料由来の紙、木材、繊維等も基材とすることができる。
基材がプラスチックである場合、基材の成形に用いる樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ガラス−エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアセタール、ABS樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、液晶性高分子化合物などを挙げることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)は好ましい。
なお基材の形状としては板状に限らず、フィルム、シート、織物、不織布、立体的な構造物などであっても良い。
基材の厚さについては特に制限はないが、樹脂フィルムなどのプラスチック基材の場合には、通常10μm以上300μm以下の範囲である。また、300μm以下であると巻き取り加工を連続して行う場合に、柔軟性の点で好適である。他方、基材の材質が無機材料である場合には、通常0.10mm以上10mm以下程度、好ましくは0.50mm以上5.0mm以下程度である。
[抗菌抗カビ性部材]
本発明の塗料で製造された抗菌抗カビ性部材は、基材の全表面又は所望する表面部分のみに所望のパターンで付与された優れた抗菌抗カビ性を有するため、様々な用途に使用することができる。例えば、金属部品、プラスチック部品、織物や不織布等が挙げられ、より具体的に、応用例としては、エアコンの熱交換器の伝熱管及びフィン、吹き出し口のルーバー等のプラスチック部品、並びに送風ファン等;カーエアコンのエバポレーター、フィルター及びブロアファン;マスク;エアコン用フィルター、空気清浄機用フィルター、掃除機用フィルター、換気扇用フィルター、車両用フィルター、空調用フィルター等のフィルター;衣類用、寝具用、網戸用ネットや鶏舎用ネット等のネット;壁紙、窓用、天井用、車両用シート等のシート・フィルム;ドア、ブラインド、椅子、ソファー、床材等の各種設備(ウイルスを扱う設備、電車・車両、病院、ビル一般)用内装材等;が挙げられる。
また、銅酸化物粒子の粒子径により吸収する光の波長が変えられるため、抗菌性を備えた光学フィルタとしても活用できる。
[防藻性部材]
本発明の塗料で製造された防藻性部材は、基材の全表面又は所望する表面部分のみに所望のパターンで付与された優れた防藻性を有するため、様々な用途に使用することができる。例えば、織物や不織布、建築資材等が挙げられ、より具体的に、応用例としては、建築外装材、船舶外装材など;が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるものではない。
後述するように実施例及び比較例の各塗料を調製した。
尚、銅酸化物粒子の種類及び含有率、並びに平均粒子径は、具体的に以下に示す方法で求めた。
〔銅酸化物粒子の種類及び含有率〕
後述する実施例及び比較例で得られた沈殿物に含まれる銅酸化物粒子の種類はX線回折(XRD)法で、その含有率は、蒸発乾固法で特定した。
銅酸化物の種類は、沈殿物をX線回折法で測定し、そのプロファイルが酸化第一銅と一致することを確認した。また酸化第一銅の含有率は、蒸発乾固法を用い沈殿物を真空乾燥装置にて乾燥させ、乾燥前重量と乾燥後重量を測定し残留物を酸化第一銅として求めた。残留物は前述のX線回折法の結果より、酸化第一銅であることは明らかである。
〔X線回折法測定条件〕
測定装置:(株)リガク Ultima-IV X線源:Cu-Kα
励起電圧:電圧40kV、電流40mA 光学系:集中光学系
Cu-Kβ線フィルタ:Ni箔 アブソーバー:なし
検出器:D/tex(高感度検出器) 測定方式:θ/2θ法
スリット:DS=1°、SS=解放、RS=解放、縦スリット=5mm、
2θスキャン:2θ=10〜65°(0.02°/ステップ、2°/分)
〔蒸発乾固法条件〕
乾燥方式 :真空乾燥
真空乾燥温度:160℃
真空乾燥時間:6時間
〔銅酸化物粒子の平均粒子径〕
銅酸化物粒子の平均粒子径は、測定方法として動的光散乱法を、測定した信号を解析して自己相関関数を求める方法として光子相関法を、それぞれ使用する大塚電子株式会社製FPAR−1000を用い、求めた自己相関関数の解析をキュムラント法で行うことによって、測定した。
下記実施例及び比較例で調製した塗料は、平均粒子径の測定用の希釈溶媒としてエタノールを用いて、銅酸化物粒子が20質量%の濃度になるよう希釈して、上記測定に供した。但し、比較例2に於いては、銅酸化物粒子が分散できず凝集状態であったため、粒径測定はできなかった。
[実施例1]
水900g、1,2−プロピレングリコール(和光純薬製)416gの混合溶媒中に酢酸第二銅一水和物(和光純薬製)96gを溶かし、ヒドラジン一水和物(東京化成工業(株)製)28mlを攪拌しながら加え、気泡の発生が終了した後、遠心分離で上澄みと沈殿物に分離した。この沈殿物中の酸化第一銅の含有率は、0.690であった。
得られた沈殿物43.5gに、リン酸基を有する有機化合物としてのDISPERBYK−145(ビッグケミー製、酸価76mgKOH/g、化学式(1)の化学構造の基を有するリン酸エステル)6.0g、表面エネルギー調整剤としてのサーフロンS−611(セイミケミカル製)1.5g及び溶媒としてのエタノール(和光純薬製)324gを加え、ホモジナイザーを用いて分散処理し、固形分濃度が10質量%、銅酸化物粒子としての酸化第一銅粒子8質量%の塗料(以下「塗料A」と称する)375gを得た。
銅酸化物粒子の平均粒子径は25nmであった。
[実施例2]
実施例1で調製した上記塗料Aに、アクリルラテックス(日信化学工業社製、製品#2682、固形分35質量%)に水を加え固形分濃度10質量%に調整したアクリルラテックス水溶液を混合して、銅酸化物粒子として酸化第一銅粒子を含む塗料(固形分は10質量%、以下「塗料B」と称する)を得た。塗料Aと、アクリルラテックス水溶液との混合割合は、1:3とし、塗料Bの固形分100質量%中の銅酸化物粒子の含有量が20質量%となるよう混合した。
[実施例3]
上記塗料Aに、アクリルラテックス(日信化学工業社製、製品#2682)に水を加え固形分濃度10質量%に調整したアクリルラテックス水溶液を混合して、銅酸化物粒子として酸化第一銅粒子を含む塗料(固形分は10質量%、以下「塗料C」と称する)を得た。塗料Aと、アクリルラテックス水溶液との混合割合は1:39とし、塗料Cの固形分100質量%中の銅酸化物粒子の含有量が2質量%となるよう混合した。
[実施例4]
水900g、1,2−プロピレングリコール(和光純薬製)416gの混合溶媒中に酢酸第二銅一水和物(和光純薬製)96gを溶かし、ヒドラジン一水和物(東京化成工業(株)製)28mlを攪拌しながら加え、気泡の発生が終了した後、遠心分離で上澄みと沈殿物に分離した。この沈殿物中の酸化第一銅の含有率は、0.690であった。
得られた沈殿物43.5gに、分散剤としてのDISPERBYK−102(ビッグケミー製、酸価101mgKOH/g、酸性基を有するコポリマー)6.0g、表面エネルギー調整剤としてのサーフロンS−611(セイミケミカル製)1.5g及び溶媒としてのエタノール(和光純薬製)99.1gを加え、ホモジナイザーを用いて分散処理し、固形分濃度が25質量%の分散液を得た。この分散液10gを秤取り、これに、アクリルラテックス(日信化学工業社製、製品#2682、固形分35質量%)に水を加え固形分濃度25質量%に調整したアクリルラテックス水溶液190gを混合し、銅酸化物粒子としての酸化第一銅粒子1質量%の塗料(固形分は25質量%、以下「塗料D」と称する)200gを得た。
銅酸化物粒子の平均粒子径は19nmであった。
[実施例5]
実施例1と同様に酸化第一銅を0.690の含有率で含む沈殿物を調製した。得られた沈殿物に対し、リン酸基を有する有機化合物としてDISPERBYK−145(ビッグケミー製)、表面エネルギー調整剤としてのサーフロンS−611(セイミケミカル製)を実施例1と同じ対沈殿物比で加え、溶媒としてのエタノール(和光純薬製)量のみを調整して加え、ホモジナイザーを用いて分散処理し、固形分濃度が25質量%、銅酸化物粒子としての酸化第一銅粒子20質量%の塗料(以下「塗料E」と称する)を得た。
[実施例6]
実施例5で調製した上記塗料Eに、アクリルラテックス(日信化学工業社製、製品#2682、固形分35質量%)に水を加え固形分濃度30質量%に調整したアクリルラテックス水溶液とエタノール(和光純薬製)とを加えて混合して、銅酸化物粒子として酸化第一銅粒子5質量%を含む塗料(固形分は25質量%、以下「塗料F」と称する)を得た。
[実施例7]
実施例5で調製した上記塗料Eに、アクリルラテックス(日信化学工業社製、製品#2682、固形分35質量%)に水を加え固形分濃度30質量%に調整したアクリルラテックス水溶液とエタノール(和光純薬製)を混合して、銅酸化物粒子として酸化第一銅粒子0.5質量%を含む塗料(固形分は25質量%、以下「塗料G」と称する)を得た。
[比較例1]
比較例1として、塗料の含浸及び乾燥を行っていない自動車用エアコンフィルタを用いて、後述するようにサンプルフィルタを調製した。
[比較例2]
水900g、1,2−プロピレングリコール(和光純薬製)416gの混合溶媒中に酢酸第二銅一水和物(和光純薬製)96gを溶かし、ヒドラジン一水和物(東京化成工業(株)製)28mlを攪拌しながら加え、気泡の発生が終了した後、遠心分離で上澄みと沈殿物に分離した。この沈殿物中の酸化第一銅の含有率は、0.690であった。
得られた沈殿物43.5gに、分散剤としてのDISPERBYK−170(ビッグケミー製、酸価11mgKOH/g)6.0g、表面エネルギー調整剤としてのサーフロンS−611(セイミケミカル製)1.5g及び溶媒としてのエタノール(和光純薬製)324gを加え、ホモジナイザーを用いて分散処理したが、銅酸化物粒子が凝集し、インク化が出来ず、粒径も測定できなかった。
[抗菌性抗カビ性評価]
上記実施例1〜7の各塗料(塗料A〜G)について、サンプルフィルタを作製し、下記試験を行って、抗菌性及び抗カビ性の性能を評価した。サンプルフィルタの作製、抗菌性試験、抗カビ性試験方法、試験結果について、以下で説明する。
<1.サンプルフィルタの作製>
前記の実施例1〜7の各塗料A〜Gと比較例1の評価用フィルタ素材として、自動車用エアコンフィルタ(BOSCH社製アエリスト コンフォート高集塵タイプ)をエタノール76%、水24%の溶液に室温にて10分程度浸漬し殺菌処理を行いその後乾燥させたものを用いた。実施例1〜7に於いてはA〜Gの各々の塗料に5分程度浸漬し、フィルタを塗料から取出して、室温にて乾燥するまで放置し、さらに60℃に設定した乾燥機内で1時間乾燥させた。このようにして調製した実施例1〜7の塗料含浸フィルタ及び比較例1の塗料非塗布フィルタを、室温にて1週間放置して、大気中の微生物(細菌、真菌など)を自然に付着させた。これらフィルタを実施例1〜7及び比較例1のサンプルフィルタとして、下記の抗菌性試験、抗カビ性試験に用いた。
<2.抗菌性試験方法>
抗菌性試験は、第17改正 日本薬局方 微生物限度試験法に準拠し、以下の生菌数試験メンブランフィルター法で行った。
実施例1〜3及び比較例1のサンプルフィルタを生理食塩水に浸漬し、サンプルフィルタに付着した微生物を振とう抽出した。得られた抽出液を、孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過した。このメンブランフィルターを、トリプトソーヤ寒天培地に置き、インキュベーター内で32℃にて5日間培養して、目視でコロニー数をカウントした。
上記試験を2回実施して、コロニー数の平均値を求めた。
<3.抗カビ性試験方法>
抗カビ性試験はJIS Z 2911:2010「カビ抵抗性試験方法」の「6,一般工業製品の試験」に準拠して行った。かび種はCladosporium cladosporioides(クラドスポリウム クラドスポリオイデス)(NBRC 6348菌株、独立行政法人製品評価技術基盤機構より入手)を用いた。上記1で調製した実施例1〜7及び比較例1のサンプルフィルタを試験片とした。試験片のサイズは30mm角とした。
抗カビ性の評価は、4週間培養した試験片の表面に生じた菌糸の発育状態を肉眼で調べた。試験結果の表示方法は下記の通りである。
(抗カビ性の評価基準)
0:試料または試験片の接種した部分に菌糸の発育が認められない。
1:試料または試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は全面積の1/3を超えない。
2:試料または試験片の接種した部分に認められる菌糸の発育部分の面積は全面積の1/3を超える。
<4.試験結果>
下記表1に試験結果を示す。
表1から分かるように、実施例1〜7の塗料A〜Gは、比較例1のフィルタ単体と比較して、顕著な抗菌性能及び抗カビ性能を示した。
<4.防藻性試験・結果>
クラミドモナス(種名:Chlamydomonas reinhardtii、和名:コナミドリムシ、建物壁面生育株を採取)を下記の培養条件で液体培養した。
(培養条件)
培地:(株)ハイポネックスジャパン製 微粉ハイポネックス0.2%水溶液(ボトル中液体培養)
培養温度:23℃
光照射:太陽光(窓際間接光)照射
培養雰囲気:通常大気
液体培養したクラミドモナスの培養液3mLを、蓋付きケースに収納した、8cm×5cmの旭化成製BEMCOT「AZ‐8」に滴下した。さらに別の2cm×2cmのBEMCOTに実施例1の塗料Aをしみこませ、60℃で1時間乾燥させて、サンプル片を作製した。そのサンプル片を、クラミドモナスの培養液を予め滴下したBEMCOTの上に置いた(図1)。この試料を、温度:23℃、光照射:太陽光(窓際間接光)照射、通常大気の環境下で2週間静置した。
2週間後に試料を観察すると、サンプル片の周辺の緑色が消えていた(図2)。
この試験結果から、藻にも効果があることを確認することができた。
本発明に係る抗菌抗カビ用塗料及び防藻用塗料は、経時変化に対する分散安定性に優れ、低コストな塗料として提供することができる。また、建築資材、自動車、またはエアコンなどの家電製品における抗菌抗カビ性部材、例えば、フィルターなどへの抗菌抗カビ性の付与に好適に使用できる。
本発明に係る抗菌抗カビ性及び/又は防藻性部材の製造方法は、優れた抗菌抗カビ性及び/又は防藻性を、基材の全表面又は所望の表面部分にのみ、所望のパターンで付与した抗菌抗カビ性及び/又は防藻性部材を提供することができる。

Claims (8)

  1. 平均粒子径が1nm以上500nm以下の銅酸化物粒子と、分散剤と、溶媒と、を含む抗菌抗カビ用塗料であって、
    前記分散剤の酸価が20mgKOH/g以上130mgKOH/g以下であり、
    前記銅酸化物粒子の含有量が0.5質量%以上60質量%以下であり、
    前記分散剤の含有量が0.05質量%以上20質量%以下であり、
    前記溶媒の含有量が20質量%以上99.45質量%以下である
    ことを特徴とする、抗菌抗カビ用塗料。
  2. 平均粒子径が1nm以上500nm以下の銅酸化物粒子と、分散剤と、溶媒と、を含む防藻用塗料であって、
    前記分散剤の酸価が20mgKOH/g以上130mgKOH/g以下であり、
    前記銅酸化物粒子の含有量が0.5質量%以上60質量%以下であり、
    前記分散剤の含有量が0.05質量%以上20質量%以下であり、
    前記溶媒の含有量が20質量%以上99.45質量%以下である
    ことを特徴とする、防藻用塗料。
  3. 平均粒子径が1nm以上500nm以下の銅酸化物粒子と、分散剤と、ラテックスと、溶媒と、を含む抗菌抗カビ用塗料であって、
    前記分散剤の酸価が20mgKOH/g以上130mgKOH/g以下であり、
    前記銅酸化物粒子の含有量が0.5質量%以上50質量%以下であり、
    前記分散剤の含有量が0.05質量%以上20質量%以下であり、
    前記ラテックスの含有量が0.05質量%以上40質量%以下であり、
    前記溶媒の含有量が5質量%以上99.4質量%以下である
    ことを特徴とする、抗菌抗カビ用塗料。
  4. 前記ラテックスがアクリルラテックスである、請求項3に記載の抗菌抗カビ用塗料。
  5. 平均粒子径が1nm以上500nm以下の銅酸化物粒子と、分散剤と、ラテックスと、溶媒と、を含む防藻用塗料であって、
    前記分散剤の酸価が20mgKOH/g以上130mgKOH/g以下であり、
    前記銅酸化物粒子の含有量が0.5質量%以上50質量%以下であり、
    前記分散剤の含有量が0.05質量%以上20質量%以下であり、
    前記ラテックスの含有量が0.05質量%以上40質量%以下であり、
    前記溶媒の含有量が5質量%以上99.4質量%以下である
    ことを特徴とする、防藻用塗料。
  6. 前記ラテックスがアクリルラテックスである、請求項5に記載の防藻用塗料。
  7. 請求項1、3及び4のいずれか1項に記載の抗菌抗カビ用塗料を、スクリーン印刷、スプレーコート、スピンコート、スリットコート、ダイコート、バーコート、ナイフコート、エアードクターコート、ロールコート、静電塗装、オフセット印刷、反転印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷、グラビアダイレクト印刷、グラビアオフセット印刷、及び浸漬法から選択される少なくとも1種の塗布方法を用いて、基材表面へ塗布する工程と、
    塗布後に前記抗菌抗カビ用塗料を乾燥させて、塗膜を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする、抗菌抗カビ性部材の製造方法。
  8. 請求項2、5及び6のいずれか1項に記載の防藻用塗料を、スクリーン印刷、スプレーコート、スピンコート、スリットコート、ダイコート、バーコート、ナイフコート、エアードクターコート、ロールコート、静電塗装、オフセット印刷、反転印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、ディスペンサ印刷、グラビアダイレクト印刷、グラビアオフセット印刷、及び浸漬法から選択される少なくとも1種の塗布方法を用いて、基材表面へ塗布する工程と、
    塗布後に前記防藻用塗料を乾燥させて、塗膜を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする、防藻性部材の製造方法。
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