JP2019098966A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】操縦安定性が向上し、かつ空洞共鳴が低減したタイヤを提供する。【解決手段】トレッド踏面に、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1本の周方向溝とトレッド接地端とにより区画された、複数の陸部を有する空気入りタイヤであって、トレッド部のタイヤ内周面に制音体を備え、前記タイヤをリムに装着し、所定内圧を適用し、無負荷とした、基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、前記制音体は、該制音体の前記タイヤ内周面に対する接触面の少なくとも一部が、前記陸部のうちタイヤ幅方向幅が最大である、最大幅陸部のタイヤ径方向内側に位置するように配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来、トレッドに区画された陸部のタイヤ幅方向幅(以下、「陸部幅」ともいう)を大きくすると、該陸部のタイヤ幅方向剛性が向上し、空気入りタイヤの操縦安定性等が向上することが知られている。
その一方で、陸部の陸部幅を大きくすると、該陸部における接地性が低下し易く、所期した程の操縦安定性が得られない場合もある。
上記事情に鑑みて、例えば、特許文献1では、タイヤ周方向に延びる主溝のタイヤ幅方向位置と、該主溝により区画される陸部の輪郭形状と、を詳細に規制することが行われている。
特開2013−189121号公報
しかしながら、操縦安定性に関しては、そのさらなる向上が希求されている。
また、一般に、タイヤ騒音の一つとして、路面を走行した際に、50〜400Hz程度の周波数範囲で「ゴー」という音が生じる、いわゆるロードノイズがある。その主な原因としては、タイヤ内腔内で生じる空気の共鳴振動(空洞共鳴)が知られており、このような空洞共鳴を低減することも望まれている。
そこで、本発明は、操縦安定性が向上し、かつ空洞共鳴が低減した、空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)本発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面に、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1本の周方向溝とトレッド接地端とにより区画された、複数の陸部を有する空気入りタイヤであって、トレッド部のタイヤ内周面に制音体を備え、前記タイヤをリムに装着し、所定内圧を適用し、無負荷とした、基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、前記制音体は、該制音体の前記タイヤ内周面に対する接触面の少なくとも一部が、前記陸部のうちタイヤ幅方向幅が最大である、最大幅陸部のタイヤ径方向内側に位置するように配置されていること、を特徴とする。
この構成によれば、操縦安定性を向上させ、かつ空洞共鳴を低減することができる。
なお、上記の「リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO (The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA (The Tire and Rim Association, Inc.)のYEAR BOOK等に記載されている又は将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す(すなわち、上記の「リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に含まれ得るサイズ」の例としては、ETRTOのSTANDARDS MANUAL 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)が、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。
また、「所定内圧」とは、上記のJATMA YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいい、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、「所定内圧」は、タイヤを装着する車両ごとに規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
さらに、本明細書において「最大負荷荷重」とは、上記最大負荷能力に対応する荷重をいうものとする。
また、本明細書において「トレッド接地端」とは、トレッド踏面(リムに組み付けるとともに所定の内圧を充填したタイヤを、最大負荷荷重を負荷した状態で転動させた際に、路面と接触することになる、タイヤの全周に亘る外周面)のタイヤ幅方向両端をいう。
また、本明細書において「タイヤ赤道面」とは、トレッド接地端間の中点を通ってタイヤの回転軸に対して垂直に延びる仮想面をいう。
また、本明細書において「タイヤ周方向に連続して延びる」とは、タイヤ周方向に沿って、又は、タイヤ周方向に対して傾斜するがタイヤ周方向成分を有して、タイヤ全周に亘って環状に延びることをいう。さらに、本明細書において、後述する「タイヤ幅方向に延びる」とは、タイヤ幅方向に沿って、又は、タイヤ幅方向に対して傾斜するがタイヤ幅方向成分を有して、延びることをいう。
また、本明細書において「陸部のタイヤ幅方向幅」とは、陸部のトレッド踏面におけるタイヤ幅方向幅をいう。
また、本明細書において「最大幅陸部のタイヤ径方向内側」とは、最大幅陸部のトレッド踏面の両端のそれぞれを通ってタイヤ径方向に延びる直線間の領域であって、最大幅陸部のトレッド踏面よりもタイヤ径方向内側にある領域をいう。
(2)本発明の空気入りタイヤは、前記基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、前記制音体は、該制音体の前記タイヤ内周面に対する接触面の全体が、前記最大幅陸部のタイヤ径方向内側に位置するように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、操縦安定性をより向上させることができる。
(3)本発明の空気入りタイヤでは、前記基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、前記トレッド踏面の輪郭線は、曲率半径の異なる複数の円弧を含み、前記制音体は、該制音体の前記タイヤ内周面に対する接触面が、前記複数の円弧の接続点から前記タイヤ内周面に下ろした垂線上には位置しないように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、制音体の耐久性を向上させることができる。
(4)本発明の空気入りタイヤでは、前記基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、前記制音体は、該制音体の前記タイヤ内周面に対する接触面が、前記最大幅陸部のタイヤ幅方向中心のタイヤ径方向内側に位置するように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、操縦安定性をさらに向上させることができる。
(5)本発明の空気入りタイヤでは、車両に対する装着方向が指定されており、前記最大幅陸部は、タイヤ赤道面を挟んだ一方側のタイヤ半部に区画されており、前記一方側のタイヤ半部が車両装着外側であることが好ましい。
この構成によれば、旋回性能を向上させることができる。
本発明によれば、操縦安定性が向上し、かつ空洞共鳴が低減した、空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの、タイヤ幅方向概略断面図である。 図1に示す最大幅陸部の変形例を模式的に示す、模式平面展開図である。
以下、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)を、図1,2を参照して例示説明する。各図において共通する構成には同一の符号を付している。
本実施形態に係る空気入りタイヤ10は、概略的なタイヤ幅方向断面を図1に示すように、トレッド部1と、トレッド部1に連なる一対のサイドウォール部2と、該一対のサイドウォール部2のそれぞれに連なるビード部3と、を有している。図1では、空気入りタイヤ10について、リムRに装着し、所定内圧を適用し、無負荷状態とした、基準状態におけるタイヤ幅方向断面を示している。
なお、この空気入りタイヤ10の内部補強構造は、図示していないが、一般的な空気入りタイヤのそれと同様であり、例えば、一対のビードコア間にトロイダル状に跨るカーカスを骨格として、該カーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に、1層以上の各種ベルト層からなるベルト等を備えることができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤ10は、図示しないベルトのタイヤ径方向外側にトレッド1Aを備え、該トレッド1Aのトレッド踏面Sに、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1本(本実施形態では、2本)の周方向溝4を備えている。また、この空気入りタイヤ10は、当該タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1本(本実施形態では、2本)の周方向溝4とトレッド接地端TEとにより区画された、複数(本実施形態では、3つ)の陸部5を有している。この例では、図示されないが、陸部5はタイヤ周方向に連続して延びている。
より具体的には、この空気入りタイヤ10は、タイヤ赤道面CLを挟んでタイヤ幅方向一方側(図1では左側)のトレッド半部1Aaに周方向溝4aを備え、タイヤ幅方向他方側(図1では右側)のトレッド半部1Abに周方向溝4bを備えている。従って、この空気入りタイヤ10は、トレッド踏面Sに、タイヤ幅方向一方側のトレッド接地端TEと周方向溝4aとにより区画された陸部5aと、周方向溝4aと周方向溝4bとにより区画された陸部5bと、周方向溝4bとタイヤ幅方向他方側のトレッド接地端TEとにより区画された陸部5cと、を有している。
また、この空気入りタイヤ10では、周方向溝4a,4bが、タイヤ赤道面CLに対して非対称に配設されている。すなわち、周方向溝4aが、周方向溝4bよりもタイヤ赤道面CLに近接して配設されている。従って、この例では、陸部5a,5b,5cのタイヤ幅方向幅(陸部幅)W5a,W5b,W5cは、「W5a>W5b>W5c」の関係を満たしている。すなわち、この空気入りタイヤ10では、タイヤ幅方向一方側のトレッド半部1Aaに区画された陸部5aが、トレッド踏面Sに区画された陸部のうちタイヤ幅方向幅が最大である、最大幅陸部である。但し、本発明の空気入りタイヤでは、例えば、タイヤ赤道面CLを含む陸部5bが最大幅陸部であってもよい。
また、この空気入りタイヤ10は、トレッド部1のタイヤ内周面10aに制音体11を備えている。
この制音体11は、トレッド部1のタイヤ内周面10aに接触している。より具体的に、本実施形態では、制音体11がトレッド部1のタイヤ内周面10aに固着(接着)されている。この制音体11は、タイヤ幅方向断面が長方形状の帯状体であり、タイヤ周方向に連続して円環状に延びている。この制音体11は、材料、比重及びタイヤ幅方向断面形状ひいては断面積等が、タイヤ周方向に亘って一定である。
ここで、本実施形態に係る空気入りタイヤ10では、上記基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、制音体11が、該制音体11のタイヤ内周面10aに対する接触面11Sの少なくとも一部(図示例では、全体)が、陸部5a,5b,5cのうちタイヤ幅方向幅が最大である、最大幅陸部(本実施形態では、陸部5a)のタイヤ径方向内側に位置するように配置されている。
なお、ここでいう「最大幅陸部5aのタイヤ径方向内側」とは、最大幅陸部5aのトレッド踏面Sの両端のそれぞれを通ってタイヤ径方向に延びる直線(図1中、破線で示す)L5a間の領域であって、最大幅陸部5aのトレッド踏面よりもタイヤ径方向内側にある領域をいう。
上述のように、一般に、最大幅陸部では、該陸部における接地性が低下し易く、これに起因して所期した程の操縦安定性が得られない場合があった。しかしながら、この空気入りタイヤ10では、制音体11が、該制音体11のタイヤ内周面10aに対する固着面11Sの少なくとも一部が、最大幅陸部5aのタイヤ径方向内側に位置するように配置されているため、タイヤの回転時に、制音体11に作用する遠心力によって最大幅陸部5aがタイヤ径方向外側に押出されることになる。最大幅陸部5aがタイヤ径方向外側に押出されると、該最大幅陸部5aの路面との接地面積が増大する。すなわち、最大幅陸部5aにおける接地性を向上させることができる。
このように、本実施形態に係る空気入りタイヤ10では、タイヤ内周面10aに対する固着面11Sの少なくとも一部が、最大幅陸部5aのタイヤ径方向内側に位置するよう配置された、制音体11に作用する遠心力を利用して、最大幅陸部5aにおける接地性を向上させることができる。その結果、この空気入りタイヤ10では、操縦安定性を向上させることができる。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ10では、タイヤ内周面10aに制音体11を備えているため、該制音体11によって空洞共鳴を低減することができる。
このように、上記構成を有する空気入りタイヤ10では、制音体11によって、最大幅陸部5aの路面との接地面積を増大させて操縦安定性を向上させるとともに、空洞共鳴を低減することができる。すなわち、この空気入りタイヤ10では、簡素な構成により、操縦安定性の向上と、空洞共鳴の低減と、の両効果を得ることができる。
なお、本発明では、制音体のタイヤ幅方向の断面輪郭形状は長方形状に限らず、三角形状、台形状を含む四角形状、もしくは五角形状等のその他の他角形状、円形や楕円形状、複数の円弧や曲線を繋ぎ合わせてなる形状、又は、それらの組合せとすることができる。制音体を複数の形状を組み合せて構成することによって制音体の表面積を大きくすれば、制音体による空洞共鳴の低減効果を向上させることができる。
また、本発明では、制音体をタイヤ周方向に断続的に延在させることもできる。但し、操縦安定性の向上効果を安定して得る観点から言えば、制音体は、タイヤ周方向に連続して配置すること、又は、タイヤ周方向に断続的であるがタイヤ周方向に略一定のピッチで配置することが好ましい。
さらに、本発明では、基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、複数の制音体を、該複数の制音体それぞれのタイヤ内周面に対する固着面の少なくとも一部が、最大幅陸部のタイヤ径方向内側に位置するよう配置してもよい。
なお、この空気入りタイヤ10では、上記基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、制音体11は、該制音体11のタイヤ内周面10aに対する固着面11Sの全体が、最大幅陸部5aのタイヤ径方向内側に位置するように配置されていることが好ましい。
すなわち、この空気入りタイヤ10では、上記基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、制音体11の、タイヤ内周面10aに対する固着面11Sのタイヤ幅方向幅W11が、最大幅陸部5aのタイヤ幅方向幅W5aよりも小さくされていることが好ましい。
制音体11の上記タイヤ幅方向幅W11を、最大幅陸部5aのタイヤ幅方向幅W5a以上の長さとしても、最大幅陸部5aにおける接地性を改善する効果は大きくならない一方で、制音体11により覆われるタイヤ内周面10aの面積を比較的小さくすれば、タイヤ内周面10aにおける放熱が妨げられないため、タイヤの不要な蓄熱を抑制し、もってタイヤの耐久性を向上させることができるからである。
なお、本実施形態の制音体11は、W11<W5aとしつつ、例えば、タイヤ内周面10aとの間に空間を有して、最大幅陸部5aの当該幅W5aよりも広幅な部分を有することができる。このようにして、制音体11のタイヤ内周面10aに対する固着面11の面積を増加させずに、該制音体11の体積を増加させることによれば、タイヤの耐久性を向上させつつ、空洞共鳴をさらに低減することができる。
なお、この空気入りタイヤ10では、制音体11は、スポンジ材により構成されている。スポンジ材は、海綿状の多孔構造体であり、例えば、ゴムや合成樹脂を発泡させた連続気泡を有する所謂スポンジを含む。また、スポンジ材は、上述のスポンジの他に、動物繊維、植物繊維又は合成繊維等を絡み合わせて一体に連結したウエブ状のものを含む。なお、上述の「多孔構造体」は、連続気泡を有する構造体に限らず、独立気泡を有する構造体も含む意味である。
上述のようなスポンジ材は、表面や内部に形成される空隙が、振動する空気の振動エネルギーを熱エネルギーに変換する。これにより、タイヤ内腔での空洞共鳴が抑制され、その結果、ロードノイズを低減することができる。
スポンジ材の材料としては、例えば、エーテル系ポリウレタンスポンジ、エステル系ポリウレタンスポンジ、ポリエチレンスポンジなどの合成樹脂スポンジ、クロロプレンゴムスポンジ(CRスポンジ)、エチレンプロピレンゴムスポンジ(EPDMスポンジ)、ニトリルゴムスポンジ(NBRスポンジ)などのゴムスポンジが挙げられる。制音性、軽量性、発泡の調節可能性、耐久性などの観点を考慮すれば、エーテル系ポリウレタンスポンジを含むポリウレタン系又はポリエチレン系等のスポンジを用いることが好ましい。
なお、制音体を構成する材料は、空洞共鳴エネルギーの緩和、吸収、別のエネルギー(例えば、熱エネルギー)への変換、等によって、空洞共鳴エネルギーを低減するように制御できるものであればよく、上述したスポンジ材に限られるものではない。
また、スポンジ材の比重は、タイヤ重量の増加と空洞共鳴を抑える効果との両方のバランスを考慮し、0.005〜0.06とすることが好ましく、0.01〜0.04とすることがより好ましく、0.01〜0.03とすることが特に好ましい。
さらに、制音体の体積は、タイヤ内腔(タイヤ内表面とリム外表面とで囲まれることになる部分)の全体積の0.4%〜20%とすることが好ましい。タイヤ内腔の全体積に対して制音体の体積を0.4%以上確保することにより、遠心力による接地性向上効果及び所望量(例えば2dB以上)の空洞共鳴エネルギーの低減効果を実現し易い。制音層は、タイヤ内腔の全体積の1%以上とすることがより好ましく、2%以上とすることがさらに好ましく、4%以上とすることが特に好ましい。
その一方、制音体の体積がタイヤ内腔の全体積の20%を超えるように構成しても空洞共鳴エネルギーの低減効果の向上が期待できない。むしろ、タイヤをリムに組み付けてなるタイヤ組立体の重量バランスを悪化させる可能性がある。このような観点より、制音体の体積は、タイヤ内腔の全体積の16%以下とすることがより好ましく、10%以下とすることが特に好ましい。なお、上述の体積比は、制音体の数に関係しない。つまり、制音体が複数ある場合には、複数の制音体全ての体積の和が上述の体積比の関係を満足すれば、同様の効果を得ることができる。
また、この空気入りタイヤ10では、上記基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、トレッド踏面Sの輪郭線(図1中、破線で示す)Lが、曲率半径の異なる複数の円弧(本実施形態では、6つの円弧AR1,AR2,AR3,BR1,BR2,BR3)を含んでいる。より具体的には、タイヤ赤道面CLを挟んでタイヤ幅方向一方側のトレッド半部1Aaにおけるトレッド踏面の輪郭線L1は、タイヤ赤道面CL側から順に、曲率半径が異なる少なくとも3つの円弧AR1,AR2,AR3を含み、タイヤ赤道面CLを挟んでタイヤ幅方向他方側のトレッド半部1Abにおけるトレッド踏面の輪郭線L2は、タイヤ赤道面CL側から順に、同じく曲率半径が異なる少なくとも3つの円弧BR1,BR2,BR3を含んでいる。この例における、円弧AR1と円弧BR1とは、曲率半径が相互に異なる円弧である。
さらに、この空気入りタイヤ10では、上述の最大幅陸部5aにおける輪郭線が、上記複数の円弧AR1,AR2,AR3を含んでいる。すなわち、最大幅陸部5aにおける輪郭線は、円弧AR1と円弧AR2との接続点CP1、及び、円弧AR2と円弧AR3との接続点CP2を含んでいる。
ここで、この空気入りタイヤ10では、制音体11が、該制音体11のタイヤ内周面10aに対する固着面11Sが、複数の円弧の接続点CP1,CP2からタイヤ内周面10aに下ろした垂線(図1中、それぞれ破線で示す)LCP1,LCP2上には位置しないように配置されていることが好ましい。
一般に、タイヤの負荷転動時においては、トレッド踏面Sの輪郭線Lを形成する円弧の接続点位置に歪が集中する傾向にあるので、制音体11を、当該歪の集中箇所を避けて配置することにより、制音体11がタイヤ内周面10aから剥離し難くなり、制音体11の耐久性を向上させることができる。
なお、制音体11は、該制音体11のタイヤ内周面10aに対する固着面11Sが、上記交点CP1´,CP2´上に位置していないが、例えば、タイヤ内周面10aとの間に空間を有して、交点CP1´,CP2´を覆うように配置していてもよい。このようにして、制音体11のタイヤ内周面10aに対する固着面11の面積を増加させずに、該制音体11の体積を増加させることによれば、タイヤの耐久性を向上させつつ、空洞共鳴をさらに低減することができる。
また、この空気入りタイヤ10では、図1に示す制音体11に加えて、他の制音体をタイヤ内周面10a又はタイヤ内腔部に設けることもできる。この場合、空洞共鳴をさらに低減することができる。
なお、他の制音体を上記制音体11に隣接させて配置する場合、制音体11又は他の制音体の少なくとも一方のタイヤ幅方向の断面輪郭形状を、略台形状とすることが好ましい。より詳細には、当該断面輪郭形状を、平行して延びる2つの辺のうち、長い方の辺がタイヤ内周面10a側に位置する略台形状とすることが好ましい。タイヤの負荷転動時に、隣接する制音体同士が互いに衝接するのを回避できるからである。
但し、タイヤ内周面10aにおける放熱を促してタイヤの不要な蓄熱を抑制し、もってタイヤの耐久性を向上させる観点から言えば、図1に示す制音体11のみを備えることが好ましい。
さらに、この空気入りタイヤ10では、上記基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、制音体11が、該制音体11のタイヤ内周面10aに対する接触面11Sが、最大幅陸部5aのタイヤ幅方向中心(図1中、破線で示す)CL5aのタイヤ径方向内側に位置するように配置されていることが好ましい。
制音体11が、上記のように配置されていれば、最大幅陸部5aにおいて最も接地性が悪化し易い、最大幅陸部5aのタイヤ幅方向中心において、該陸部5aの接地性を向上させることができる。よって、操縦安定性をさらに向上させることができる。
また、図2は、図1に示す最大幅陸部5aの変形例である、最大幅陸部25aの一部を模式的に示す平面展開図である。この最大幅陸部25aは、周方向溝4aとトレッド接地端TEとを連通するタイヤ幅方向に延びる複数本の幅方向溝12によってタイヤ周方向に分断された、ブロックBを含んでいる。
このように、最大幅陸部5aがブロックBを含む場合、制音体21は、該制音体21のタイヤ内周面10aに対する固着面21Sの少なくとも一部が、ブロックBの中央部BC(破線円で示す)のタイヤ径方向内側に位置するよう配置されることが好ましい。
図2では、制音体21のタイヤ内周面10aに対する固着面21Sの延在領域を、破斜線にて示している。この例では、タイヤ周方向に円環状に延びる制音体21の、タイヤ内周面10aに対する固着面21Sの少なくとも一部が、ブロックBの中央部BCのタイヤ径方向内側に位置している。
最大幅陸部25aにおけるブロックBでは、タイヤの転動時にトレッド踏面に荷重が加わると、幅方向溝12の溝底と溝壁との境界部に力が集中して、ブロックBの側壁からブロックBの内側に向かう応力が発生し、ブロックBのタイヤ幅方向端部を押し上げる変形が生じる。その結果、ブロックBの中央部BCの接地圧が周辺に比し低くなる。
しかしながら、上記構成によれば、制音体21に作用する遠心力によるブロックBに対する押圧力を、該ブロックBの中央部BCに付与できるため、ブロックの中央部BCにおける接地性を改善することができる。その結果、最大幅陸部25aにブロックBを含むタイヤにおいて、操縦安定性をより向上させることができる。
なお、上記「ブロックの中央部」とは、トレッド踏面の展開視で、ブロックBの重心位置Cを中心として、ブロックBのトレッド踏面Sにおける面積の30%を占める領域をいう。
なお、この制音体21は、該制音体21のタイヤ内周面10aに対する固着面21Sの少なくとも一部が、ブロックBの中央部BCのタイヤ径方向内側に位置しつつ、タイヤ周方向に断続的に延在していてもよい。
制音体をタイヤ周方向に断続的に設ければ、例えば、同様の制音体をタイヤ周方向に連続して設けた場合に比し、タイヤ内周面を覆う面積が減少するため、タイヤ内表面における放熱を妨げ難い。よって、タイヤにおける不要な蓄熱を回避して、タイヤの耐久性を向上させることができる。
さらに、この例において操縦安定性をさらに向上させる観点からいえば、制音体21は、該制音体21のタイヤ内周面10aに対する固着面21Sが、上記ブロックBの重心位置Cのタイヤ径方向内側に位置するよう配置されていることが好ましい。
なお、この空気入りタイヤ10は、車両に対する装着方向が指定されており、最大幅陸部5aは、タイヤ赤道面CLを挟んだ一方側のタイヤ半部に区画されており、当該最大幅陸部5aが区画されたトレッド半部1Aaが車両装着外側となることが好ましい。
この場合、タイヤ幅方向剛性が大きいトレッド半部1Aaが車両装着外側となり、かつ該トレッド半部1Aaにおける接地性が向上するため、旋回性能を向上させることができる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、3本又は4本以上の周方向溝を備え、該周方向溝とトレッド接地端とにより区画された、4つ又は5つ以上の陸部を備えることもできるが、本発明の構成による、最大幅陸部における接地性を高めて操縦安定性を向上させる効果は、1本又は2本の周方向溝を備え、陸部の陸部幅が比較的大きいタイヤにおいて特に有利に得られる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、最大幅陸部を、タイヤ赤道面CLを含んで該タイヤ赤道面CLに対して対称に区画することもできるが、この場合の車両装着内外は、トレッドパターンやベルト構造等の他の構成に応じて適宜設定することができる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、最大幅陸部が複数ある場合、いずれか一方の最大幅陸部について上述した構成を用いれば、操縦安定性を十分に向上させることができる。但し、両方の最大幅陸部について上述した構成を用いれば、操縦安定性をさらに向上させることができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の空気入りタイヤは上述した一例に限定されることは無く、本発明の空気入りタイヤには、適宜変更を加えることができる。
1:トレッド部、 1A:トレッド、 2:サイドウォール部、 3:ビード部、 4,4a,4b:周方向溝、 5a,5b,5c,25a:陸部、 5a,25a:最大幅陸部、 10:空気入りタイヤ、 10a:タイヤ内周面、 11,21:制音体、 11S:タイヤ内周面に対する固着面(接触面)、 12:タイヤ幅方向溝、 B:ブロック、 BC:ブロックの中央部、 CL:タイヤ赤道面、 S:トレッド踏面、 TE:トレッド接地端

Claims (5)

  1. トレッド踏面に、タイヤ周方向に連続して延びる少なくとも1本の周方向溝とトレッド接地端とにより区画された、複数の陸部を有する空気入りタイヤであって、
    トレッド部のタイヤ内周面に制音体を備え、
    前記タイヤをリムに装着し、所定内圧を適用し、無負荷とした、基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、前記制音体は、該制音体の前記タイヤ内周面に対する接触面の少なくとも一部が、前記陸部のうちタイヤ幅方向幅が最大である、最大幅陸部のタイヤ径方向内側に位置するように配置されていること、を特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、前記制音体は、該制音体の前記タイヤ内周面に対する接触面の全体が、前記最大幅陸部のタイヤ径方向内側に位置するように配置されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、前記トレッド踏面の輪郭線は、曲率半径の異なる複数の円弧を含み、前記制音体は、該制音体の前記タイヤ内周面に対する接触面が、前記複数の円弧の接続点から前記タイヤ内周面に下ろした垂線上には位置しないように配置されている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、前記制音体は、該制音体の前記タイヤ内周面に対する接触面が、前記最大幅陸部のタイヤ幅方向中心のタイヤ径方向内側に位置するように配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記空気入りタイヤは、車両に対する装着方向が指定されており、
    前記最大幅陸部は、タイヤ赤道面を挟んだ一方側のタイヤ半部に区画されており、
    前記一方側のタイヤ半部が車両装着外側である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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