JP2019014280A - 空気入りタイヤ及び組立体 - Google Patents

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雅直 柴田
潤 渡邉
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潤 渡邉
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Arata Sukegawa
新 助川
貴之 小原
Takayuki Obara
貴之 小原
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Taku Yamaguchi
卓 山口
弘樹 堀
Hiroki Hori
弘樹 堀
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Sho Manda
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Abstract

【課題】空洞共鳴エネルギーの低減性能の向上と、タイヤの放熱性能の低下抑制と、を両立可能な構成を有する、空気入りタイヤ及び組立体を提供する。
【解決手段】本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ内面の少なくとも一部を覆う制音体を備える空気入りタイヤであって、前記制音体は、タイヤ幅方向において、トレッド部の内面に固着され、前記トレッド部の内面を覆っている固着領域と、前記固着領域と連続し、前記タイヤ内面に固着されることなく、前記タイヤ内面を覆っている非固着領域と、を備え、前記制音体の前記非固着領域には、前記制音体のタイヤ幅方向における少なくとも一方側の外端が含まれている。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤ及び組立体に関する。
タイヤ騒音の一つに、路面を走行した際に、50〜400Hzの周波数範囲で「ゴー」という音が生じるいわゆるロードノイズがある。その主原因として、タイヤ内腔内で起こす空気の共鳴振動(空洞共鳴)が知られている。特許文献1には、タイヤ内腔に制音体を配置し、空洞共鳴エネルギーを吸収等することにより低減するように制御し、ロードノイズを低減する技術が開示されている。
特許第4318639号公報
特許文献1に記載の空気入りタイヤでは、制音体が、タイヤ内腔面に固着されている。そのため、高速回転時に、制音体に大きな遠心力や横力が作用しても、制音体自体がタイヤ内腔面と頻繁に衝突しない。これにより、特許文献1に記載の空気入りタイヤでは、制音体の損傷や破壊を抑制でき、その結果、空洞共鳴の抑制を長期に亘って維持することができる。
また、特許文献1には、タイヤ内腔面を構成する、タイヤ内面及びリム外面のうち、タイヤ内面に制音体を固定する構成が開示されている。より具体的に、特許文献1に記載の制音体は、タイヤ内面のうち、トレッド部の裏側に位置するトレッド内面に固定されている。制音体をトレッド内面に固定することにより、タイヤの高速回転時においても、タイヤ径方向外側に向かって作用する遠心力によって、制音体をトレッド内面に押し付けることができる。そのため、制音体の動きを効果的に拘束し易くなる。つまり、制音体をトレッド内面に固着することにより、より小さい固定力で、制音体自体の破壊のみならず、固定外れをも抑制することができる。
ところで、特許文献1に記載の制音体は、トレッド内面のうちタイヤ幅方向の中央のみに配置されているが、空洞共鳴エネルギーを効率的に低減するためには、タイヤ内面全域を覆っていることが望ましい。その一方で、制音体をタイヤ内面全域に固着すると、制音体の断熱作用により、高速回転時等に変形して発熱するトレッド部やサイドウォール部からの放熱が抑制される。その結果、トレッド部やサイドウォール部が蓄熱し易く、熱による劣化が促進され、耐久性が低下するおそれがある。
そこで本発明は、空洞共鳴エネルギーの低減性能の向上と、タイヤの放熱性能の低下抑制と、を両立可能な構成を有する、空気入りタイヤ及び組立体を提供することを目的とする。
本発明に第1の態様としての空気入りタイヤは、タイヤ内面の少なくとも一部を覆う制音体を備える空気入りタイヤであって、前記制音体は、タイヤ幅方向において、トレッド部の内面に固着され、前記トレッド部の内面を覆っている固着領域と、前記固着領域と連続し、前記タイヤ内面に固着されることなく、前記タイヤ内面を覆っている非固着領域と、を備え、前記制音体の前記非固着領域には、前記制音体のタイヤ幅方向における少なくとも一方側の外端が含まれている。
上記構成を備えることにより、空洞共鳴エネルギーの低減性能の向上と、タイヤの放熱性能の低下抑制と、を両立することができる。
本発明の1つの実施形態として、前記制音体の前記非固着領域は、前記固着領域に対してタイヤ幅方向の両側に形成されている。
上記構成を備えることにより、タイヤの放熱性能の低下を抑制しつつ、空洞共鳴エネルギーの低減性能を、より向上させ易い。
本発明の1つの実施形態として、前記非固着領域における前記制音体の最大厚さは、前記固着領域における前記制音体の最小厚さよりも薄い。
上記構成を備えることにより、非固着領域を設けることによる、タイヤの放熱性能の低下を、より一層抑制することができる。
本発明の1つの実施形態として、前記制音体は、前記タイヤ内面と対向する対向面と、前記対向面と反対側に位置する自由面と、を備え、前記自由面は、前記タイヤ内面に沿って延在する平坦部と、前記平坦部よりもタイヤ径方向の内側に向かって突出する山部と、を備える。
上記構成を備えることにより、タイヤの放熱性能を向上させることができる。
本発明の1つの実施形態として、前記固着領域における前記自由面には、前記平坦部及び前記山部が設けられており、前記固着領域において、前記平坦部の位置での前記制音体の厚さは、前記山部の位置での前記制音体の厚さよりも薄く、かつ、前記非固着領域における前記制音体の前記最大厚さよりも厚い。
上記構成を備えることにより、表面積を増大させるのみならず、タイヤ内腔での制音体の体積も確保でき、空洞共鳴エネルギーの低減性能を高めることができる。
本発明の1つの実施形態として、前記非固着領域において、前記制音体と、前記タイヤ内面の前記制音体に対向する対向内面と、の間には間隙が形成されている。
上記構成を備えることにより、タイヤの放熱効率を高めることができる。
本発明の1つの実施形態として、前記タイヤ内面の前記対向内面には凸部が形成されており、前記非固着領域において、前記制音体と前記対向内面との間には、前記凸部が介在することにより、前記凸部の周囲で前記間隙が形成されている。
上記構成を備えることにより、タイヤの放熱効率をより高めることができる。
本発明の第2の態様としての組立体は、上記空気入りタイヤと、前記空気入りタイヤが取り付けられているリムと、を備える。
上記構成を備えることにより、空洞共鳴エネルギーの低減性能の向上と、タイヤの放熱性能の低下抑制と、を両立することができる。
本発明によれば、空洞共鳴エネルギーの低減性能の向上と、タイヤの放熱性能の低下抑制と、を両立可能な構成を有する、空気入りタイヤ及び組立体を提供することができる。
本発明の一実施形態としての空気入りタイヤ、を備える本発明の一実施形態としての組立体、のタイヤ幅方向に沿う断面を示す断面図である。 図1に示す空気入りタイヤ単体の断面図である。 図1に示す空気入りタイヤの一部を拡大して示す拡大断面図である。 図1に示す空気入りタイヤの内面を示す展開図である。 図1に示す空気入りタイヤの変形例を示す断面図である。
以下、本発明に係る、空気入りタイヤ及び組立体について、図1〜図5を参照して説明する。各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。
以下、特に断りのない限り、各要素の寸法、長さ関係、位置関係等は、空気入りタイヤをリムに装着し、所定の内圧を充填し、無負荷とした、基準状態で測定されるものとする。
ここで、「リム」とは、空気入りタイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association,Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す(即ち、上記の「リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に記載されるサイズ」の例としては、ETRTO 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)が、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、空気入りタイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。
また、「所定の内圧」とは、上記のJATMA YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいい、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤを装着する車両ごとに規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。
図1は、空気入りタイヤ1(以下、単に「タイヤ1」と記載する。)と、リム2と、を備える組立体100を示す図である。具体的に、図1は、組立体100の、タイヤ回転軸を含み、タイヤ幅方向Aに平行な、断面を示す断面図(以下、「タイヤ幅方向断面図」と記載する。)である。図2は、図1に示すタイヤ1単体を示す断面図である。図3は、図1に示すタイヤ1の一部であるトレッド端部を拡大して示す拡大断面図である。なお、図1〜図3は、上述した基準状態での、タイヤ1及び組立体100を示している。
組立体100において、タイヤ1は、リム2に装着されている。組立体100は、タイヤ1の内面(以下、「タイヤ内面」と記載する。)とリム2の外面(以下、「リム外面」と記載する。)とで構成されるタイヤ内腔面により、環状のタイヤ内腔101を区画している。
<リム2>
リム2は、タイヤ1の後述するビード部1cが装着されるリム本体2aと、このリム本体2aを保持し車軸に取り付けられるディスク2bと、を備えている。本実施形態のリム2は、金属製の2ピースホイールリムであるが、これに限定されるものではなく、1ピースリム等としてもよい。また、リム本体2aは、タイヤ1の後述するビード部材4がタイヤ径方向Bの外側に取り付けられるリムシート部2a1と、このリムシート部2a1のタイヤ幅方向Aの両端からタイヤ径方向Bの外側に突出するリムフランジ部2a2と、を備えている。
<タイヤ1>
タイヤ1は、トレッド部1aと、このトレッド部1aのタイヤ幅方向Aの両端部からタイヤ径方向Bの内側に延びる一対のサイドウォール部1bと、各サイドウォール部1bのタイヤ径方向Bの内側の端部に設けられた一対のビード部1cと、を備えている。本実施形態のタイヤ1は、チューブレスタイプの乗用車用ラジアルタイヤである。ここで「トレッド部1a」とは、後述するベルト6のタイヤ幅方向A両側の最も外側に位置する幅方向最外ベルト端Q(図3参照)をそれぞれ通過するタイヤ径方向Bに平行する2つの平面P1、P2に挟まれる部分を意味する。また、「ビード部1c」とは、タイヤ径方向Bにおいて後述するビード部材4が位置する部分を意味する。そして「サイドウォール部1b」とは、トレッド部1aとビード部1cとの間の部分を意味する。
タイヤ内腔101を区画するタイヤ内面は、トレッド部1aの内面31(以下、「トレッド内面31」と記載する。)と、サイドウォール部1bの内面32(以下、「サイドウォール内面32」と記載する。)と、ビード部1cの内面33(以下、「ビード内面33」と記載する。)と、を備えている。
タイヤ1は、制音体3、ビード部材4、カーカス5、ベルト6、トレッドゴム7、サイドゴム8、及び、インナーライナ9、を備えている。
[制音体3]
制音体3は、タイヤ内面の少なくとも一部を覆っている。また、制音体3は、タイヤ幅方向Aにおいて、固着領域D1と、非固着領域D2と、を備えている。制音体3の固着領域D1は、タイヤ内面におけるトレッド内面31に固着され、トレッド内面31を覆っている領域である。制音体3の非固着領域D2は、固着領域D1とタイヤ幅方向Aに連続し、タイヤ内面に固着されることなく、タイヤ内面を覆っている領域である。なお、制音体3により覆われるタイヤ内面の領域とは、制音体3とタイヤ径方向Bにおいて対向する、タイヤ内面の領域を意味する。
また、制音体3の非固着領域D2には、制音体3のタイヤ幅方向Aにおける少なくとも一方側の外端41が含まれている。このように、制音体3に、タイヤ内面を覆っているが固着されていない部分である非固着領域D2を設けることにより、上述の固着領域D1のみを備える構成と比較して、制音体3により覆われるタイヤ内面の面積を拡げつつ、タイヤ内腔101における制音体3の体積を増加させることができる。そのため、空洞共鳴エネルギーの緩和、吸収、別のエネルギー(例えば熱エネルギー)への変換、等による、空洞共鳴エネルギーの低減性能を向上させることができる。また、非固着領域D2は、タイヤ内面に固着されていないため、固着されている構成と比較して、タイヤ内面からの放熱を妨げ難く、タイヤ1の放熱性能の低下を抑制することができる。すなわち、制音体3が上述の非固着領域D2を備えることにより、空洞共鳴エネルギーの低減性能の向上と、放熱性能の低下抑制と、を両立するタイヤ1が実現することができる。
なお、本実施形態の制音体3の非固着領域D2は、固着領域D1に対してタイヤ幅方向Aの両側に形成されている。換言すれば、本実施形態の制音体3の非固着領域D2は、固着領域D1に対してタイヤ幅方向Aの一方側に位置する、第1外端41aが含まれる第1非固着領域D2aと、固着領域D1に対してタイヤ幅方向Aの他方側に位置する、第2外端41bが含まれる第2非固着領域D2bと、を備えている。上述したように、制音体3の非固着領域D2は、制音体3のタイヤ幅方向Aにおける少なくとも一方側の外端41を含む領域とすればよいが、本実施形態のように、タイヤ幅方向A両側の外端41それぞれを含む、2つの非固着領域D2を備える制音体とすることで、放熱性能の低下を抑制しつつ、空洞共鳴エネルギーの低減性能をより向上させたタイヤ1を実現し易くなる。
本実施形態の制音体3の固着領域D1は、タイヤ幅方向Aにおいて、第1非固着領域D2aと第2非固着領域D2bとに挟まれる領域の全域により構成されているが、制音体3の固着領域D1は、第1非固着領域D2aと第2非固着領域D2bとに挟まれる領域の一部により構成されていてもよい。なお、第1非固着領域D2aと第2非固着領域D2bとに挟まれる領域のうち、固着領域D1以外の領域では、制音体3がタイヤ内面に固着されていない。但し、制音体3の、タイヤ内面への固着強度を高めるため、本実施形態のように、固着領域D1を、タイヤ幅方向Aにおいて第1非固着領域D2aと第2非固着領域D2bとに挟まれる領域、の全域により構成することが好ましい。
制音体3は、スポンジ材により構成されている。スポンジ材は、海綿状の多孔構造体であり、例えばゴムや合成樹脂を発泡させた連続気泡を有する所謂スポンジを含む。また、スポンジ材は、上述のスポンジの他に、動物繊維、植物繊維又は合成繊維等を絡み合わせて一体に連結したウエブ状のものを含む。なお、上述の「多孔構造体」は、連続気泡を有する構造体に限らず、独立気泡を有する構造体も含む意味である。
上述のようなスポンジ材は、表面や内部に形成される空隙が振動する空気の振動エネルギーを熱エネルギーに変換する。これにより、タイヤ内腔での空洞共鳴が抑制され、その結果、ロードノイズを低減することができる。またスポンジ材は、収縮、屈曲等の変形が容易である。そのため、スポンジ材で形成された制音体3がトレッド内面31に固着されていても、走行時のタイヤ1の変形に実質的な影響を与えない。つまり、トレッド内面31に制音体3を固着する構成としても操縦安定性等に悪影響を与え難い。
スポンジ材の材料としては、例えば、エーテル系ポリウレタンスポンジ、エステル系ポリウレタンスポンジ、ポリエチレンスポンジなどの合成樹脂スポンジ、クロロプレンゴムスポンジ(CRスポンジ)、エチレンプロピレンゴムスポンジ(EPDMスポンジ)、ニトリルゴムスポンジ(NBRスポンジ)などのゴムスポンジが挙げられる。制音性、軽量性、発泡の調節可能性、耐久性などの観点を考慮すれば、エーテル系ポリウレタンスポンジを含むポリウレタン系又はポリエチレン系等のスポンジを用いることが好ましい。
なお、制音体3を構成する材料は、空洞共鳴エネルギーの緩和、吸収、別のエネルギー(例えば熱エネルギー)への変換、等によって、空洞共鳴エネルギーを低減するように制御できるものであればよく、上述したスポンジ材に限られるものではない。
また、スポンジ材の比重は、タイヤ重量の増加と空洞共鳴を抑える効果との両方のバランスを考慮し、0.005〜0.06とすることが好ましく、0.01〜0.04とすることがより好ましく、0.01〜0.03とすることが特に好ましい。
更に、制音体3の体積は、タイヤ内腔101の全体積の0.4%〜20%とすることが好ましい。タイヤ内腔の全体積に対して制音体3の体積を0.4%以上確保することにより、所望量(例えば2dB以上)の空洞共鳴エネルギーの低減効果を実現し易い。制音体3は、タイヤ内腔101の全体積の1%以上とすることがより好ましく、2%以上とすることが更に好ましく、4%以上とすることが特に好ましい。その一方、制音体3の体積がタイヤ内腔101の全体積の20%を超えるように構成しても空洞共鳴エネルギーの低減効果の向上が期待できない。むしろ組立体100の重量バランスを悪化させる可能性がある。このような観点より、制音体3の体積は、タイヤ内腔101の全体積の16%以下とすることがより好ましく、10%以下とすることが特に好ましい。なお、上述の体積比は、制音体3の数に関係しない。つまり、制音体3が複数ある場合には、複数の制音体3全ての体積の和が上述の体積比の関係を満足すれば、同様の効果を得ることができる。
[ビード部材4]
ビード部材4は、ビード部1cに埋設されている。ビード部材4は、ビードコア4aと、このビードコア4aに対してタイヤ径方向Bの外側に位置するゴム製のビードフィラ4bと、を備えている。ビードコア4aは、周囲をゴムにより被覆されている複数のビードワイヤを備えている。ビードワイヤはスチールコードにより形成されている。スチールコードは、例えば、スチールのモノフィラメント又は撚り線からなるものとすることができる。なお、ビードワイヤとして、有機繊維やカーボン繊維等を用いてもよい。
[カーカス5]
カーカス5は、一対のビード部1c間、より具体的には一対のビード部材4のビードコア4a間に跨っており、トロイダル状に延在している。また、カーカス5は、少なくともラジアル構造を有している。
更に、カーカス5は、カーカスコードをタイヤ周方向C(図4参照)に対して例えば75°〜90゜の角度で配列した1枚以上(本実施形態では1枚)のカーカスプライ5aから構成されている。このカーカスプライ5aは、一対のビードコア4a間に位置するプライ本体部と、このプライ本体部の両端で、ビードコア4aの廻りでタイヤ幅方向Aの内側から外側に折り返されるプライ折返し部と、を備えている。そして、プライ本体部とプライ折返し部との間には、ビードコア4aからタイヤ径方向Bの外側に先細状に延びるビードフィラ4bが配置されている。カーカスプライ5aを構成するカーカスコードとして、本実施形態ではポリエステルコードを採用しているが、これ以外にもナイロン、レーヨン、アラミドなどの有機繊維コードや、必要によりスチールコードを採用してもよい。また、カーカスプライ5aの枚数についても、2枚以上としてもよい。
[ベルト6]
ベルト6は、カーカス5のクラウン部に対してタイヤ径方向Bの外側に配置されている1層以上(本実施形態では5層)のベルト層を備えている。具体的には、図3に示すように、本実施形態のベルト6は、傾斜ベルト6aと、周方向ベルト6bと、を備えている。
図3に示すように、傾斜ベルト6aは、カーカス5のクラウン部に対してタイヤ径方向Bの外側に配置されている1層以上(本実施形態では2層)の傾斜ベルト層を備えている。より具体的に、本実施形態の傾斜ベルト6aは、カーカス5のタイヤ径方向Bの外側の表面上に積層されている第1傾斜ベルト層6a1と、この第1傾斜ベルト層6a1のタイヤ径方向Bの外側に積層されている第2傾斜ベルト層6a2と、を備えている。第1傾斜ベルト層6a1及び第2傾斜ベルト層6a2それぞれは、金属のベルトコードとしてのスチールコードをタイヤ周方向C(図4参照)に対して10°〜40°の角度で傾斜配列したベルトプライから形成されている。2枚のベルトプライは、ベルトコードの傾斜の向きを互いに違えて重ね置きされている。そのため、ベルトコードがベルトプライ間相互で交差し、ベルト剛性が高められ、トレッド部1aの略全幅をタガ効果により補強することができる。本実施形態では、タイヤ径方向Bの外側に位置する第2傾斜ベルト層6a2を、タイヤ径方向Bの内側に位置する第1傾斜ベルト層6a1と比較し狭幅に形成している。そのため、本実施形態では、タイヤ径方向Bの内側に位置する第1傾斜ベルト層6a1は、タイヤ径方向Bの外側に位置する第2傾斜ベルト層6a2よりも、タイヤ幅方向Aの外側まで延在している。
但し、タイヤ径方向Bの内側に位置する第1傾斜ベルト層を、タイヤ径方向Bの外側に位置する第2傾斜ベルト層と比較し狭幅に形成してもよい。つまり、タイヤ径方向Bの外側に位置する第2傾斜ベルト層が、タイヤ径方向Bの内側に位置する第1傾斜ベルト層よりも、タイヤ幅方向Aの外側まで延在する構成としてもよい。
図3に示すように、周方向ベルト6bは、傾斜ベルト6aに対してタイヤ径方向Bの外側に配置されている1層以上(本実施形態では3層)の周方向ベルト層を備えている。より具体的に、周方向ベルト6bは、傾斜ベルト6aの第2傾斜ベルト層6a2のタイヤ径方向Bの外側の表面に積層されている第1周方向ベルト層6b1と、この第1周方向ベルト層6b1のタイヤ径方向Bの外側に積層されている第2周方向ベルト層6b2と、この第2周方向ベルト層6b2のタイヤ径方向Bの外側に積層されている第3周方向ベルト層6b3と、を備えている。第1周方向ベルト層6b1、第2周方向ベルト層6b2及び第3周方向ベルト層6b3それぞれは、有機繊維のベルトコードとしてのナイロンコードをタイヤ周方向C(図4参照)に対して10°以下、好ましくは5°以下の角度で、タイヤ回転軸回りに、螺旋状に巻回させたベルトプライから形成される。
第1周方向ベルト層6b1は、第1傾斜ベルト層6a1のタイヤ幅方向Aの全域で、タイヤ径方向Bに重なっている。より具体的に、本実施形態の第1周方向ベルト層6b1のタイヤ幅方向Aの長さは、第1傾斜ベルト層6a1のタイヤ幅方向Aの長さと略等しく、タイヤ幅方向Aの両側それぞれで、第1傾斜ベルト層6a1のベルト端と、第1周方向ベルト層6b1のベルト端と、のタイヤ幅方向Aの位置が略等しくなるように、タイヤ径方向Bに重ねられている。
第2周方向ベルト層6b2は、第1周方向ベルト層6b1のタイヤ幅方向Aの全域で、タイヤ径方向Bに重なっている。より具体的に、本実施形態の第2周方向ベルト層6b2のタイヤ幅方向Aの長さは、第1周方向ベルト層6b1のタイヤ幅方向Aの長さよりも長い。そして、第2周方向ベルト層6b2のタイヤ幅方向Aの両側のベルト端それぞれの位置が、第1周方向ベルト層6b1のタイヤ幅方向Aのベルト端よりもタイヤ幅方向Aの更に外側になるように、タイヤ径方向Bに重ねられている。
第3周方向ベルト層6b3は、第2周方向ベルト層6b2のタイヤ幅方向Aの両端部の位置のみで、第2周方向ベルト層6b2のタイヤ径方向Bの外側に積層されている。より具体的に、第3周方向ベルト層6b3は、タイヤ幅方向Aの異なる位置に2つ配置されており、一方の第3周方向ベルト層6b3は、第2周方向ベルト層6b2のタイヤ幅方向Aの一方側の端部に対して、タイヤ径方向Bの外側に積層されている。また、他方の第3周方向ベルト層6b3は、第2周方向ベルト層6b2のタイヤ幅方向Aの他方側の端部に対して、タイヤ径方向Bの外側に積層されている。更に、各第3周方向ベルト層6b3は、そのタイヤ幅方向Aの外側のベルト端の位置が、タイヤ幅方向Aにおいて、第2周方向ベルト層6b2のタイヤ幅方向Aのベルト端の位置と略等しくなるように、第2周方向ベルト層6b2に積層されている。
なお、本実施形態の周方向ベルト6bは、傾斜ベルト6aに対してタイヤ径方向Bの外側に配置されている3層の周方向ベルト層により構成されているが、この構成に限らず、2層以下又は4層以上の周方向ベルト層からなる周方向ベルトとしてもよい。また、複数の周方向ベルト層のタイヤ幅方向Aの長さ関係、傾斜ベルト層のタイヤ幅方向Aの長さとの長さ関係、周方向ベルト層同士でのベルト端の位置関係、周方向ベルト層と傾斜ベルト層とでのベルト端の位置関係、等は、本実施形態の構成に限らず、所望の性能に応じて適宜設計可能であり、本実施形態のベルト構造に限られるものではない。
[トレッドゴム7及びサイドゴム8]
トレッドゴム7は、トレッド部1aのタイヤ径方向Bの外側の面(以下、「トレッド外面」と記載する。)を構成しており、トレッド外面には、タイヤ周方向C(図4参照)に延在する周方向溝7aや、タイヤ幅方向Aに延在する、図示しない幅方向溝等、が含むトレッドパターンが形成されている。サイドゴム8は、サイドウォール部1bのタイヤ幅方向Aの外側の面を構成しており、上述のトレッドゴム7と一体で形成されている。
[インナーライナ9]
インナーライナ9は、カーカス5の内面に積層されており、空気透過性の低いブチル系ゴムにより形成されている。なお、ブチル系ゴムとは、ブチルゴム、及びその誘導体であるハロゲン化ブチルゴムを意味する。また、制音体3は、このインナーライナ9に対して、両面粘着テープや接着剤等により、固着されている。そのため、インナーライナ9のうち、制音体3が固着される領域を、接着性の向上のため、制音体3が固着されない領域よりもブチル系ゴムの配合量が低い低ブチル配合領域としてもよい。
以下、本実施形態の制音体3の更なる詳細について説明する。
本実施形態の制音体3は、タイヤ周方向C(図4参照)の略全周域に亘って延在する帯状部材であり、タイヤ周方向C(図4参照)の任意の位置でのタイヤ幅方向断面図(図2等参照)において、略同一の断面外形を有している。具体的に、本実施形態の制音体3は、タイヤ幅方向断面図(図2等参照)において、最大厚さT1よりも最大幅W1が大きい横長扁平形状を有している。また、本実施形態の制音体3は、タイヤ赤道面CLに対して対称な形状を有する。制音体3の「厚さ」及び「幅」は、タイヤ1に制音体3が取り付けられ、かつ、リム組前の状態(常温、常圧下)で測定されるものとし、「厚さ」は対向するタイヤ内面に対して直角方向に測定される厚さを意味し、「幅」はタイヤ幅方向Aで測定される幅を意味する。つまり、上述の「最大厚さT1」は対向するタイヤ内面に対して直角方向に測定される厚さの最大値を意味し、「最大幅W1」はタイヤ幅方向Aで測定される幅の最大値を意味する。なお、本実施形態の制音体3の最大厚さT1は5mm〜45mmで設定される。
本実施形態の制音体3としての帯状部材は、例えば、直線状に形成された後、トレッド内面31に沿って、タイヤ周方向C(図4参照)に円弧状に湾曲させられ、両面粘着テープや接着剤などの固着部材を用いて、トレッド内面31に固定される。制音体3としての帯状部材のタイヤ周方向C(図4参照)の両端部は、僅かな隙間で離間していてもよく、タイヤ周方向C(図4参照)の全域に亘って連続するように両端部を継ぎ合わせてもよい。また制音体3としての帯状部材を、タイヤ幅方向Aにずらしながらタイヤ周方向C(図4参照)に沿って螺旋状に周回させてもよい。更に、制音体3としての帯状部材をタイヤ周方向C(図4参照)に間隙を隔てて間欠的に複数配置してもよい。また更に、制音体3としての帯状部材を、タイヤ幅方向Aに複数配置してもよい。本実施形態の制音体3は、単一の帯状部材で構成されており、タイヤ周方向C(図4参照)の全域に亘って連続するように、タイヤ周方向C(図4参照)の両端面を突き合わせた状態で、トレッド内面31に固定されている。
次に、本実施形態の制音体3のタイヤ幅方向断面視(図2等参照)における外形の更なる詳細について説明する。本実施形態の制音体3は、タイヤ内面と対向する対向面3aと、この対向面3aと反対側の自由面3bと、を備えている。本実施形態の制音体3の対向面3aは、上述の固着領域D1において、トレッド内面31に固着されている対向固着面3a1を備えている。また、本実施形態の制音体3の対向面3aは、上述の非固着領域D2において、トレッド内面31、及び、サイドウォール内面32の一部、と対向してこれらを覆っているが、トレッド内面31及びサイドウォール内面32を含むタイヤ内面には固着されていない、対向非固着面3a2を備えている。対向固着面3a1のタイヤ幅方向Aの両側それぞれに、対向非固着面3a2が設けられている。対向固着面3a1と対向非固着面3a2とは、制音体3の厚さ方向に延在する段差面3a3を介して繋がっている。このように、対向固着面3a1と対向非固着面3a2との間に段差を設けることにより、対向非固着面3a2をタイヤ内面から遠ざけ易く、対向非固着面3a2とタイヤ内面との間に間隙を確保し易くすることができる。つまり、タイヤ1から間隙を通じて放熱し易くなり、非固着領域D2を設けることによる、タイヤ1の放熱性能の低下を、より一層抑制することができる。
なお、対向非固着面3a2を、タイヤ内面のうち対向非固着面3a2が対向する対向内面34、から遠ざけるためには、上述の段差面3a3を設ける構成に限らず、例えば、対向固着面と連続する対向非固着面としつつ、この対向非固着面を、タイヤ幅方向Aの外側に向かうにつれてタイヤ内面の対向内面34から離間する方向に、対向固着面に対して傾斜して延在する、傾斜面としてもよい。
また、本実施形態の対向固着面3a1は、タイヤ赤道面CLと交差する位置に配置されている。また、本実施形態の対向固着面3a1のタイヤ幅方向Aの中心位置はタイヤ赤道面CLに揃えられている。
本実施形態の制音体3の自由面3bは、タイヤ内面に沿って延在する平坦部3b1により構成されている。また、本実施形態の制音体3の対向面3aと自由面3bとは、制音体3の厚さ方向に延在し、制音体3の外端41を形成する側端面3cにより繋がっている。
ここで、本実施形態において、非固着領域D2における制音体3の最大厚さT2は、固着領域D1における制音体3の最小厚さT3よりも薄い。このようにすることで、非固着領域D2を、固着領域D1よりも薄肉化でき、非固着領域D2を設けることによる、タイヤ1の放熱性能の低下を、より一層抑制することができる。なお、本実施形態における制音体3の非固着領域D2における厚さは一様であるため、当該厚さは、非固着領域D2のタイヤ幅方向Aの任意の位置で、最大厚さT2となる。また、本実施形態における制音体3の固着領域D1における厚さも一様であるため、当該厚さは、固着領域D1のタイヤ幅方向Aの任意の位置で、最小厚さT3になる。したがって、本実施形態の制音体3の最大厚さT1は、制音体3の固着領域D1における厚さである最小厚さT3と等しい。
なお、本実施形態の制音体3のタイヤ幅方向Aの両側に位置する第1非固着領域D2a及び第2非固着領域D2bは、タイヤ周方向C(図4参照)の全域に亘って、タイヤ内面に固着されていない。その一方で、本実施形態の制音体3のタイヤ幅方向Aの中央に位置する固着領域D1は、タイヤ周方向C(図4参照)の全域に亘って、タイヤ内面に固着されている。
ここで、本実施形態の制音体3は、非固着領域D2において、タイヤ内面の対向内面34に固着されていないのみならず、対向内面34から少なくとも一部が離間している。換言すれば、非固着領域D2において、制音体3と対向内面34との間には、間隙Sが形成されている。より具体的に、本実施形態の制音体3は、上述した段差面3a3により、非固着領域D2において、対向内面34から完全に離間している。制音体3は、非固着領域D2において、タイヤ内面と非固着で接触していてもよいが、本実施形態のように、非固着領域D2において、制音体3をタイヤ内面から離間させれば、接触する構成と比較して、タイヤ1の放熱効率を高めることができる。そして、本実施形態のように、非固着領域D2において、制音体3をタイヤ内面から完全に離間させれば、タイヤ1の放熱効率を、より高めることができる。
図4は、タイヤ1の内面の展開図である。図4に示すように、タイヤ内面には凸部12が形成されている。より具体的に、凸部12は、タイヤ周方向Cに対して傾斜する方向に延在する、タイヤ内腔101(図1参照)側に突出するリブである。なお、本実施形態の凸部12としてのリブは、タイヤ周方向Cのみならず、タイヤ幅方向Aに対しても傾斜している。この凸部12としてのリブは、タイヤ幅方向Aの両側それぞれに、別々に設けられている。換言すれば、タイヤ内面のタイヤ幅方向Aの中央部には、凸部12としてのリブが形成されていない領域が設けられている。また、タイヤ幅方向Aの両側それぞれに設けられた凸部12としてのリブは、タイヤ周方向C全域に亘って、タイヤ周方向Cに所定の間隔を空けて複数配置されている。更に、タイヤ幅方向Aの一方側に位置する凸部12としてのリブは、タイヤ幅方向Aの他方側に位置する凸部12としてのリブと、略平行に延在している。この凸部12としてのリブの高さは、例えば1mm〜5mmで設定することができる。なお、図1〜図3に示すタイヤ1は、上述の凸部12としてのリブが省略されて描かれている。
図4に示すように、本実施形態の制音体3の固着領域D1は、タイヤ内面のうち、タイヤ幅方向Aの中央部の、凸部12としてのリブが形成されていない領域、に固着されている。そのため、リブが形成されている領域と比較して、対向固着面3a1とタイヤ内面との固着面積を大きく確保することができる。そのため、制音体3の固着強度を向上でき、制音体3のタイヤ内面からの剥離を抑制することができる。
本実施形態の制音体3の非固着領域D2は、タイヤ内面のうち、凸部12としてのリブが設けられている領域と対向している。つまり、非固着領域D2において制音体3が対向する、タイヤ内面の対向内面34には、凸部12としてのリブが形成されている。そして、非固着領域D2において、制音体3と、対向内面34との間には、凸部12としてのリブが介在することにより、凸部12としてのリブの周囲で、間隙Sが形成される。より具体的に、本実施形態では、タイヤ周方向Cで隣接するリブ間の空隙が間隙Sとなる。このように、非固着領域D2において、制音体3と対向内面34との間に間隙Sを保持可能な凸部12、を設けることで、無回転時のみならず、大きな遠心力が加わる高速回転時やタイヤ変形時においても、非固着領域D2で、制音体3の少なくとも一部を、タイヤ内面の対向内面34から、より確実に離間させることができる。そのため、無回転時のみならず高速回転時においても、タイヤの放熱性能の低下をより確実に抑制でき、タイヤ1の耐久性を、より向上させることができる。
なお、本実施形態に示す凸部12は、タイヤ周方向Cに対して傾斜するリブであるが、凸部12はこの構成に限られない。凸部12は、例えば、タイヤ周方向Cに延在するリブとしてもよい。但し、非固着領域D2において、制音体3と、タイヤ内面の対向内面34と、の間の間隙Sが、タイヤ内腔101(図1参照)に連通していることが好ましい。そのため、本実施形態のようにタイヤ周方向Cに対して傾斜するリブや、タイヤ内面に形成された複数の突起、等とすることが好ましい。このような凸部12とすれば、非固着領域D2において、制音体3と対向内面34との間に形成される間隙Sが、タイヤ幅方向Aの外側でタイヤ内腔101に通じる構成とすることができる。特に、本実施形態のように、凸部12を、タイヤ周方向C及びタイヤ幅方向Aに対して傾斜するリブにより構成すれば、タイヤ回転時のタイヤ内腔101に生じる空気の流れ(例えば図4の白抜き矢印を参照)により、間隙Sの空気がタイヤ内腔101に放出され易く、非固着領域D2における、タイヤ1の放熱効率を、より高めることができる。
また、本実施形態では、非固着領域D2において、制音体3が、タイヤ1の高速回転時のみに、凸部12に接触する構成としているが、この構成に限らず、例えば、制音体の非固着領域D2における厚さが、制音体の固着領域D1における厚さ以上で、かつ、制音体が、非固着領域D2において、無回転時でも凸部12と接触して対向内面34との間に間隙Sを形成する構成としてもよい。但し、本実施形態の制音体3のように、タイヤ1の無回転時では、非固着領域D2において凸部12と接触せず、タイヤ内面から大きく離間しており、タイヤ1の回転時に、非固着領域D2において、タイヤ内面に近づき凸部12と接触する構成とすることが好ましい。このようにすれば、例えば高速回転直後の無回転時等においても、非固着領域D2における、タイヤ1の放熱効率を高めることができる。
ここで、本実施形態の制音体3は、図3に示すように、トレッド内面31の位置から、タイヤ幅方向Aで最も外側に位置する、第3周方向ベルト層6b3の幅方向最外ベルト端Qよりも、更にタイヤ幅方向Aの外側の位置まで、を覆っている。
そして、本実施形態の制音体3は、ベルト6のうち、タイヤ幅方向Aにおいて最も内側にある、第2傾斜ベルト層6a2のベルト端13と、タイヤ径方向Bにおいて重なる、タイヤ内面のベルト端位置X1と、固着されていない。更に、本実施形態の制音体3は、ベルト端13よりもタイヤ幅方向Aの外側で、タイヤ内面に固着されていない。このように、固着領域D1を、ベルト6を構成する全てのベルト層のタイヤ幅方向A外側のベルト端とタイヤ径方向Bに重なる位置に形成しないようにすれば、タイヤ変形時に大きく変形し発熱し易い、各ベルト層のベルト端近傍、の放熱性能を低下させ難くすることができる。そのため、ベルト端近傍の熱劣化によるセパレーション等を抑制することができ、タイヤ1の耐久性を向上させることができる。
次に、本実施形態のタイヤ1の変形例としてのタイヤ21について、図5を参照して説明する。図5に示すタイヤ21は、本実施形態のタイヤ1と比較して、制音体の形状が相違しているが、その他の構成は同一である。ここでは、相違点について主に説明し、共通する構成については説明を省略する。
図5に示すタイヤ21は制音体23を備えている。制音体23は、タイヤ内面のうちトレッド内面31と対向する対向面23aと、この対向面23aと反対側に位置する自由面23bと、を備えている。制音体23の対向面23aの形状は、上述した制音体3の対向面3aの形状と同一であるが、自由面23bの形状が、制音体3の自由面3bの形状と相違している。
図5に示す制音体23の自由面23bは、タイヤ内面に沿って延在する平坦部と23b1、この平坦部23b1よりもタイヤ径方向Bの内側に向かって突出する山部23b2と、を備えている。このように、自由面23bに山部23b2を設ければ、平坦部のみの構成と比較して、自由面23bの表面積を大きくすることができる。そのため、制音体23がタイヤ内腔101の空気に触れる面積を大きくし、制音体23の冷却効率を高め、その結果、タイヤ1の放熱性能を向上させることができる。この冷却効率の観点からすれば、自由面23bには、複数(図5の例では4つ)の山部23b2を設けることが好ましい。
更に、固着領域D1における自由面23bには、平坦部23b1及び山部23b2が設けられており、固着領域D1において、平坦部23b1の位置での制音体23の厚さ(図5の「T3」参照)は、山部23b2の位置での制音体23の厚さ(図5の「T1」参照)よりも薄い。また、固着領域D1における平坦部23b1の位置での制音体23の厚さは、非固着領域D2における制音体23の最大厚さT2よりも厚い。なお、図5に示す制音体23の非固着領域D2の厚さは、タイヤ幅方向Aの位置によらず略一定である。そのため、図5に示す制音体23については、非固着領域D2のタイヤ幅方向Aにおける任意の位置での厚さが上述の最大厚さT2となる。また、図5に示す制音体23では、固着領域D1における平坦部23b1の位置での制音体23の厚さが、固着領域D1における制音体23の最小厚さT3となる。更に、図5に示す制音体23では、固着領域D1における山部23b2の位置での制音体23の厚さが、固着領域D1における制音体23の最大厚さであり、制音体23の全領域での最大厚さT1となる。
つまり、山部23b2を設けることにより、平坦部23b1のみの構成と比較して、表面積を増大させるのみならず、山部23b2の位置での制音体23の厚さを厚くすることで、タイヤ内腔101での制音体23の体積も確保でき、空洞共鳴エネルギーの低減性能を高めている。なお、固着領域D1のうち平坦部23b1の位置での制音体23の厚さ(図5の「T3」参照)と、非固着領域D2における制音体23の最大厚さT2との関係は、上述した制音体3の厚さT2及びT3(図2参照)の関係と同様であり、その作用効果も同様である。
本発明に係る空気入りタイヤ及び組立体は、上述した実施形態に示す具体的な構成に限られず、特許請求の範囲を逸脱しない限り、種々の変形・変更が可能である。例えば、図5に示す制音体23の山部23b2は、タイヤ幅方向Aに間隔を空けて複数配置され、それぞれが、タイヤ周方向Cに延在する構成であるが、この構成に限らず、タイヤ周方向C(図4参照)に間隔を空けて複数配置され、それぞれが、タイヤ幅方向Aに延在する構成としてもよい。また、タイヤ幅方向A及びタイヤ周方向Cに点在する山部としてもよい。
本発明は、空気入りタイヤ及び組立体に関する。
1:空気入りタイヤ、 1a:トレッド部、 1b:サイドウォール部、
1c:ビード部、 2:リム、 2a:リム本体、 2a1:リムシート部、
2a2:リムフランジ部、 2b:ディスク、 3:制音体、 3a:対向面、
3a1:対向固着面(対向面)、 3a2:対向非固着面(対向面)、
3a3:段差面、 3b:自由面、 3b1:平坦部(自由面)、
3c:側端面、 4:ビード部材、 4a:ビードコア、
4b:ビードフィラ、 5:カーカス、 5a:カーカスプライ、
6:ベルト、 6a:傾斜ベルト、 6a1:第1傾斜ベルト層、
6a2:第2傾斜ベルト層、 6b:周方向ベルト、
6b1:第1周方向ベルト層、 6b2:第2周方向ベルト層、
6b3:第3周方向ベルト層、 7:トレッドゴム、 7a:周方向溝、
8:サイドゴム、 9:インナーライナ、 12:凸部、
13:第2傾斜ベルト層のベルト端、 21:空気入りタイヤ、
23:制音体、 23a:対向面、 23b:自由面、
23b1:平坦部(自由面)、 23b2:山部(自由面)、
31:トレッド内面(タイヤ内面)、
32:サイドウォール内面(タイヤ内面)、
33:ビード内面(タイヤ内面)、 34:対向内面(タイヤ内面)、
41:外端、 100:組立体、 101:タイヤ内腔、
A:タイヤ幅方向、 B:タイヤ径方向、 C:タイヤ周方向、
D1:制音体の固着領域、 D2:制音体の非固着領域、
D2a:制音体の第1非固着領域、 D2b:制音体の第2非固着領域、
P1、P2:ベルトのタイヤ幅方向における両側の幅方向最外ベルト端を通過する、タイヤ径方向に平行する平面、 Q:幅方向最外ベルト端、 S:間隙、
T1:制音体の最大厚さ、 T2:制音体の非固着領域の最大厚さ、
T3:制音体の固着領域の最小厚さ、 W1:制音体の最大幅、
X1:ベルト端位置、 CL:タイヤ赤道面

Claims (8)

  1. タイヤ内面の少なくとも一部を覆う制音体を備える空気入りタイヤであって、
    前記制音体は、タイヤ幅方向において、トレッド部の内面に固着され、前記トレッド部の内面を覆っている固着領域と、前記固着領域と連続し、前記タイヤ内面に固着されることなく、前記タイヤ内面を覆っている非固着領域と、を備え、
    前記制音体の前記非固着領域には、前記制音体のタイヤ幅方向における少なくとも一方側の外端が含まれている、空気入りタイヤ。
  2. 前記制音体の前記非固着領域は、前記固着領域に対してタイヤ幅方向の両側に形成されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記非固着領域における前記制音体の最大厚さは、前記固着領域における前記制音体の最小厚さよりも薄い、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記制音体は、前記タイヤ内面と対向する対向面と、前記対向面と反対側に位置する自由面と、を備え、
    前記自由面は、前記タイヤ内面に沿って延在する平坦部と、前記平坦部よりもタイヤ径方向の内側に向かって突出する山部と、を備える、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記固着領域における前記自由面には、前記平坦部及び前記山部が設けられており、
    前記固着領域において、前記平坦部の位置での前記制音体の厚さは、前記山部の位置での前記制音体の厚さよりも薄く、かつ、前記非固着領域における前記制音体の前記最大厚さよりも厚い、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記非固着領域において、前記制音体と、前記タイヤ内面のうち前記制音体に対向する対向内面と、の間には間隙が形成されている、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記タイヤ内面の前記対向内面には凸部が形成されており、
    前記非固着領域において、前記制音体と前記対向内面との間には、前記凸部が介在することにより、前記凸部の周囲で前記間隙が形成されている、請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1つに記載の空気入りタイヤと、前記空気入りタイヤが取り付けられているリムと、を備える、組立体。
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