JP2019098238A - ウェザーストリップの塗装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェザーストリップの表面に、塗装性ないし生産性を悪化させることなく、セルロース繊維5が全体にわたって均等に分散した塗膜6を形成する。【解決手段】セルロース繊維5を水に分散させたセルロース分散液をウェザーストリップの表面に塗布した後、このセルロース分散液の塗布面に、水性塗料をウェットオンウェットで塗布して乾燥硬化させる。【選択図】図3

Description

本発明はウェザーストリップの塗装方法に関する。
自動車用ウェザーストリップでは、耐摩耗性、滑り性(摺動性)などの機能の付与及び外観向上を目的として、表面に硬化型ウレタン系塗料等が塗装されている。例えば、特許文献1には、ウェザーストリップにウレタン系水性塗料を塗布し、乾燥硬化させた後にアミノ基を含有するシリコーン化合物を塗布することが記載されている。
一方、繊維材を基材表面に吹付け塗布して基材の吸遮音性を高めることも一般に行われている。例えば、特許文献2には、天然繊維及び合成樹脂を主成分とする吸遮音材を車体パネルに吹き付けて車両用吸遮音構造を得ること、その天然繊維として、平均繊維長が0.5〜4.0mmであるセルロース系繊維を用いること、合成樹脂として、液状接着剤を1〜30質量%の範囲で混合すること、目付け重量を0.2〜3kg/mにすることが記載されている。特許文献3,4には、結晶性セルロースを含有するポリウレタン樹脂を防音材として用いることが記載されている。
特許文献5には、各種材料よりなる基材の表面に、ポリ乳酸系樹脂を主成分とする樹脂層と、ポリ乳酸系樹脂とセルロースナノファイバーとを混在して含む中間層と、セルロースナノファイバーを主成分とするセルロースナノファイバー層とを順次積層してなる強度が高い塗装膜を設けることが記載されている。
その塗装方法は、基材上にポリ乳酸系樹脂を主成分とするエマルジョンを塗布し、オーブンにて40℃で15分間の乾燥を行なうことにより、乾燥エマルジョン層を形成し、乾燥エマルジョン層の上にセルロースナノファイバーの水分散液を塗布して、オーブンにて40℃で15分間の乾燥を行ない、その上にポリ乳酸系樹脂を主成分とするエマルジョンを塗布し、オーブンにて90℃で15分間の高温加熱処理を行なう、というものである。
特許3727010号公報 特開2002−268648号公報 特開2011−207938号公報 特開2016−188353号公報 特開2017−105040号公報
本発明者は、セルロース繊維を含有する塗料でウェザーストリップの表面を塗装すると、滑り性や耐摩耗性、遮音特性が改善することを確認している。しかし、ウェザーストリップ用の塗料にセルロース繊維を添加すると、塗料の粘度が高くなり、塗装性が悪化する。その塗料を水で希釈すると、塗料粘度が下がり、塗装性は改善するが、塗料の塗膜形成要素の濃度が低下するため、必要な乾燥膜厚を確保するための塗装時間が長くなり、乾燥硬化に要する時間も長くなるなどして、生産性が悪化する。
これに対して、特許文献5に記載されているように、先に、セルロース繊維の水分散液をウェザーストリップに塗布し、オーブンにて加熱乾燥を行なった後に、水性塗料を塗布することが考えられる。しかし、このようにすると、塗料の希釈は必要なくなるが、ウェザーストリップの耐摩耗性や滑り性、遮音性の改善がほとんど見られなくなる。
これは、水性塗料を塗布したときに、その水性塗料が先に塗布されたセルロース繊維の層に十分に浸透せず、従って、セルロース繊維の層の表面のみが膨潤し、セルロース繊維の層の上にセルロース繊維を含まない塗料の樹脂単独層が積層した二層構造になるためであると推測される。すなわち、セルロース繊維の水分散液を塗布し、加熱乾燥後に水性塗料を塗布する塗装方法の場合、セルロース繊維を予め分散させた塗料による塗装とは、形成される塗膜が相違すると考えられる。
そこで、本発明は、塗装性ないし生産性を悪化させることなく、セルロース繊維が全体にわたって均等に分散した塗膜を得ることを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、セルロース分散液と水性塗料をウェットオンウェットで塗装するようにした。
ここに開示する第1のウェザーストリップの塗装方法は、ウェザーストリップの表面にセルロース繊維含有塗膜を形成する塗装方法であって、
セルロース繊維を水に分散させたセルロース分散液を上記ウェザーストリップの表面に塗布する工程と、
上記ウェザーストリップにおける上記セルロース分散液の塗布面に、水性塗料をウェットオンウェットで塗布する工程とを備えていることを特徴とする。
この方法によれば、セルロース繊維を水性塗料に混ぜずに、先にセルロース分散液を塗布し、次いで水性塗料を塗布するから、水性塗料の塗膜構成要素(樹脂)の濃度を過度に下げてしまうことがない。従って、必要厚さ塗布するのに要する塗装時間を短縮することができ、乾燥硬化に要する時間も短縮することができる。
そうして、水性塗料の塗布はウェットオンウェットで行なうから、水性塗料を塗布すると、水性塗料が直ちにセルロース繊維の塗布層内に浸透して、該セルロース繊維の層が膨潤していく。そのため、セルロース繊維が水性塗料による塗膜全体にわたって分散しやすくなる。すなわち、セルロース繊維が全体にわたって均等に分散した樹脂塗膜、すなわち、セルロース繊維含有塗膜を得ることが容易になる。そのセルロース繊維含有塗膜の表面には、内部のセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成される。
よって、ウェザーストリップの耐摩耗性、滑り性及び遮音性の向上に有利になる。また、ウェザーストリップが車体やウィンドガラスと擦れあったときのきしみ音が低減し、さらに、車体の板金を傷つけることがない。また、ウェザーストリップとしての機能である自動車の車体などに当接した際の止水性など、シール性能が劣ることもない。
また、上述の如く、セルロース繊維含有塗膜の表面にはセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成されるから、リコート性、すなわち、再塗装したときの塗膜の密着性も良い。
ここに開示する第2のウェザーストリップの塗装方法は、ウェザーストリップの表面にセルロース繊維含有塗膜を形成する塗装方法であって、
水性塗料を上記ウェザーストリップの表面に塗布する工程と、
上記ウェザーストリップにおける上記水性塗料の塗布面に、セルロース繊維を水に分散させたセルロース分散液をウェットオンウェットで塗布する工程とを備えていることを特徴とする。
また、ここに開示する第3のウェザーストリップの塗装方法は、ウェザーストリップの表面にセルロース繊維含有塗膜を形成する塗装方法であって、
水性塗料を上記ウェザーストリップの表面に塗布する工程と、
上記ウェザーストリップにおける上記水性塗料の塗布面に、セルロース繊維を水に分散させたセルロース分散液をウェットオンウェットで塗布する工程と、
上記ウェザーストリップにおける上記セルロース分散液の塗布面に、水性塗料をウェットオンウェットで塗布する工程とを備えていることを特徴とする。
第2及び第3のウェザーストリップの塗装方法の場合も、セルロース繊維を水性塗料に混ぜずに、水性塗料とセルロース分散液を塗布工程間に強制乾燥を入れずにウェットオンウェットで塗布していくから、水性塗料の塗膜構成要素(樹脂)の濃度を過度に下げてしまうことがない。従って、必要厚さ塗布するのに要する塗装時間を短縮することができ、乾燥硬化に要する時間も短縮することができる。
第2のウェザーストリップの塗装方法の場合、ウェットオンウェット塗装により、先塗りの水性塗料の塗布層と後塗りのセルロース分散液の塗布層の間でのブリードにより、セルロース繊維の分散性に関して、第1のウェザーストリップの塗装方法に近い効果が得られる。また、得られる樹脂塗膜の表面には、内部のセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成される。
第3のウェザーストリップの塗装方法の場合は、先に水性塗料を塗布した後、第1のウェザーストリップの塗装方法と同じく、セルロース分散液の塗布と水性塗料の塗布をウェットオンウェットで行なう。従って、セルロース繊維の分散性に関して、塗膜の下層側では第2のウェザーストリップの塗装方法と同等の効果が得られ、塗膜の上層側では第1のウェザーストリップの塗装方法と同等の効果が得られる。また、得られる樹脂塗膜の表面には、内部のセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成される。
よって、第2及び第3のウェザーストリップの塗装方法においても、ウェザーストリップの耐摩耗性、滑り性及び遮音性の向上に有利になる。また、ウェザーストリップが車体やウィンドガラスと擦れあったときのきしみ音が低減し、さらに、車体の板金を傷つけることがない。また、ウェザーストリップとしての機能である自動車の車体などに当接した際の止水性など、シール性能が劣ることもない。
また、上述の如く、セルロース繊維含有塗膜の表面にはセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成されるから、リコート性、すなわち、再塗装したときの塗膜の密着性も良い。
上記第1乃至第3のウェザーストリップの塗装方法各々において、一実施形態では、上記水性塗料がウレタン系又はシリコーン系の水性塗料である。これにより、耐摩耗性及び滑り性の向上に有利になる。
上記第1乃至第3のウェザーストリップの塗装方法各々において、一実施形態では、上記セルロース繊維含有塗膜を上記ウェザーストリップのゴムスポンジ材よりなる部分の表面に形成する。これにより、ウェザーストリップの遮音性が高くなる。その理由は定かではないが、樹脂とセルロース繊維の複合化によって樹脂塗膜の内部損失が大きくなり、ゴムスポンジ材の内部損失と相俟って、遮音性が高くなるものと推測される。
上記第1乃至第3のウェザーストリップの塗装方法各々において、一実施形態では、上記水性塗料の樹脂固形分100質量部に対して上記セルロース繊維が0.2質量部以上50質量部以下の比率になるように、上記セルロース繊維含有塗膜を形成する。
セルロース繊維の含有量が少なくなると、樹脂塗膜におけるセルロース繊維の分散による遮音性、耐摩耗性及び滑り性の向上効果が薄れてくる。その観点から、セルロース繊維は0.2質量部以上であることが好ましい。一方、セルロース繊維の含有量を多くしようとすると、セルロース分散液の塗装性が悪くなる。その観点から、セルロース繊維は50質量部以下であることが好ましい。
上記ゴムスポンジ材は、自動車用シール材として有用であり、例えば、ドアウェザーストリップ、ドアオープニングシール、トランク用シール材、ガラスランチャンネルとして、或いはドアパネルのドア装備品組付用のサービスホールを塞ぐシール材として、又はその一部に利用することができる。
本発明によれば、セルロース繊維を水性塗料に混ぜずに、セルロース分散液と水性塗料をウェットオンウェットで塗布していくから、セルロース繊維が全体にわたって均等に分散した樹脂塗膜を形成することが容易になり、ウェザーストリップの耐摩耗性、滑り性及び遮音性の向上に有利になり、しかも、塗装及び塗膜の乾燥硬化に要する時間も短縮することができ、生産性の向上に有利になる。
実施形態に係るウェザーストリップを示す一部断面にした斜視図。 実施形態に係るウェザーストリップの一部を示す断面図。 実施形態に係るウェザーストリップへの塗装方法1の第2工程を示す断面図。 実施形態に係るウェザーストリップへの塗装方法2の第2工程を示す断面図。 比較例2に係る図2と同様の図。 耐摩耗性試験の概要を示す斜視図。 透過音測定試験用サンプルの作製方法を説明する一部断面にした斜視図。 透過音測定試験設備の概要を示す断面図。 ゴムスポンジ材の比重と透過音の関係を示すグラフ図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<ウェザーストリップ>
図1に概略的に示す自動車のドアウェザーストリップ1において、2はドアの周縁部に取り付けられる取付基部、3は取付基部2と一体になった中空シール部である。中空シール部3は、図2に示すように、ゴムスポンジ材4の表面がセルロース繊維5を分散して含有する樹脂塗膜6によって覆われてなる。
ゴムスポンジ材4のゴム材料としては、例えば、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)を好ましく用いることができる。IR(イソプレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、熱可塑性エストラマー(オレフィン系またはスチレン系熱可塑性エストラマー)、軟質のポリ塩化ビニルなど、他のゴム材料ないしゴム様弾性を有する他の弾性材料を用いることもできる。また、ウェザーストリップ1は、部分的に、ソリッド状の材料で形成してもよい。
樹脂塗膜6によって覆われるゴムスポンジ材4は、比重が0.7以下であることが好ましい。
<ウェザーストリップの塗装方法>
上記ウェザーストリップ1は、ゴムスポンジ材4の表面に樹脂塗膜6を次の塗装方法によって形成することで得ることができる。
(塗装方法1)
この塗装方法は、図3に示すように、セルロース繊維5を水に分散させたセルロース分散液11をゴムスポンジ材4の表面に塗布する第1工程と、このゴムスポンジ材4における上記セルロース分散液11の塗布面に、水性塗料12をウェットオンウェットで塗布する第2工程と、該第1工程及び第2工程で得られた塗膜を乾燥硬化させる第3工程とを備えている。この塗装方法は、塗布する工程が2度になるから、2コート方式ということができる。
セルロース分散液11及び水性塗料12の塗布には、例えば塗装ガン(スプレーガン)13を用いることができる。当該塗布にはブレード等を用いるようにしてもよい。
上記ウェットオンウェット塗装では、水性塗料の樹脂固形分100質量部に対して上記セルロース繊維が0.2質量部以上50質量部以下の比率になるようにするのが好ましい。この含有量の下限としては、0.4質量部がより好ましい。一方、この含有量の上限としては、30質量部がより好ましい。上記セルロース繊維の含有量を上記下限以上とすることで、得られる塗膜の遮音性、耐摩耗性や滑り性等をさらに高めることができる。一方、上記セルロース繊維の含有量を上記上限以下とすることで、セルロース分散液11の塗布性等を高めることができる。
水性塗料12は、セルロース分散液11の塗布直後に塗布してもよく、或いはセルロース分散液11の塗布後、数分の静置時間をおいてから、水性塗料12を塗布するようにしてもよい。
或いは、セルロース分散液11の濃度を薄くするケースでは、セルロース分散液11の塗布後、常温で又は加熱によって過剰な水分を除去する処理を行なうようにしてもよい。すなわち、水性塗料12を塗布する段階で、セルロース繊維5が水で濡れている状態であればよく、水性塗料12を塗布する前に過剰な水分を除去する工程を含んでもよい。ここに、「ウェットオンウェット」は、先に塗布したセルロース繊維塗布層の全体にわたって、セルロース繊維5が水で濡れている状態で水性塗料12の塗布を行なうことを意味する。
[セルロース分散液]
セルロース繊維5はパルプ等の植物原料から得られる繊維である。セルロース繊維の原料となるパルプとしては、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等を採用することができる。
化学パルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)等の広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)等の針葉樹クラフトパルプ(NKP)等が挙げられる。
機械パルプとしては、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、晒サーモメカニカルパルプ(BTMP)等が挙げられる。
古紙パイプは、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙、更紙古紙等から製造される。古紙パルプを脱墨処理した脱墨パルプ(DIP)を採用することもできる。
上記パルプは一種単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
その他の植物原料としては、リンターパルプ、麻、バガス、ケナフ、エスパルト草、竹、籾殻、わら等から得られるパルプなどが挙げられる。また、パルプの原料となる木材、麻、バガス、ケナフ、エスパルト草、竹、籾殻、わら等を直接植物原料として用いることもできる。
本実施形態に係る水性塗料のセルロース繊維は、レーザー回折法により測定される体積基準の疑似粒度分布曲線において5μm以上に最頻値を有している。「擬似粒度分布曲線」とは、粒度分布測定装置として堀場製作所の粒度分布測定装置「LA−960S」を用い、分散媒である水に分散させて超音波処理した分散液について測定される体積基準粒度分布を示す曲線を意味する。
また、セルロース繊維5としては、繊維径がナノサイズ(1nm以上1000nm以下)から20μm以下程度のものを好ましく採用することができる。セルロース繊維5の繊維長は、1μm以上100μm以下であることが好ましい。セルロース繊維5の比表面積は5m/g以上600m/g以下であることが好ましい。
このようなセルロース繊維は、通常、植物原料(繊維原料) を公知の方法により解繊することにより得ることができる。パルプを植物原料として用いた場合の製造方法として、例えば水分散状態のパルプを機械的処理による解繊に付してよく、酵素処理、酸処理等の化学的処理による解繊に付してもよい。機械的処理による解繊方法としては、例えばパルプを回転する砥石間で磨砕するグラインダー法、高圧ホモジナイザーを用いた対向衝突法、高速解繊機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、せん断型ミキサー、遊星回転型ミキサー、超音波分散機、ビーズミル、ロッドミル、リングミル、アトリションミル、ボールミル、ロールミル、カッターミル等を用いる粉砕法などが挙げられる。通常、パルプが解繊されて得られるセルロース繊維が所望のサイズになるまで、解繊処理が繰り返し行われる。パルプ以外の植物原料の場合も、同様の方法でセルロース繊維を得ることができる。
セルロース分散液11におけるセルロース繊維5の濃度は、特に限定するわけではないが、例えば、0.01質量%以上10質量%以下とすればよい。
セルロース分散液11には、セルロース繊維5の原料に係る植物由来のヘミセルロースやリグニンなどが残存していても構わない。
[水性塗料]
水性塗料12は、塗膜形成要素である樹脂の他、該樹脂とセルロース繊維5との化学的結合による界面接着を得るための、カルボジイミド、イソシアネート、シランカップリング剤等のカップリング剤、並びにその他の添加剤を含有することができる。
塗膜形成要素としては、ウレタン樹脂又はシリコーン樹脂を好ましく用いることができる。ウレタン樹脂とシリコーン樹脂を併用してもよい。アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂など、他の樹脂を用いてもよい。
[塗装方法の作用効果]
上記塗装方法によれば、塗膜構成要素(樹脂)を含んだ水性塗料にセルロース繊維5を混ぜずに、先にセルロース分散液11を塗布し、次いで水性塗料12を塗布するから、塗装性が良好になる。すなわち、セルロース分散液11については、セルロース繊維含有量を例えば10質量%以下とすることにより、塗装に適した粘度で、ゴムスポンジ材4の表面に塗装ガン13にて均一性が高い厚さで塗布することができる。水性塗料12についても、セルロース繊維5を含有しないから、含有させた場合に発生する粘度上昇を抑制(希釈)することによって塗膜構成要素(樹脂)の濃度を過度に下げてしまうことがなく、必要厚さ塗布するのに要する塗装時間を短縮することができ、乾燥硬化に要する時間も短縮することができる。
セルロース分散液11及び水性塗料12の塗布はウェットオンウェットで行なうから、水性塗料12を塗布すると、水性塗料12が直ちにセルロース繊維5の塗布層内に浸透して、該セルロース繊維5の層が膨潤していき、水性塗料12による塗膜にセルロース繊維5が全体にわたって均等に分散した状態になる。そして、水性塗料塗布後の塗膜の加熱乾燥により、セルロース繊維5が全体にわたって均等に分散した樹脂塗膜6が得られる。樹脂塗膜6の表面には、内部のセルロース繊維5に由来する微小凹凸が形成される。
上記塗装方法において、第3工程(乾燥硬化)の後、樹脂塗膜6を厚くするために、或いは、第3工程(乾燥硬化)の後、さらに別の工程を経てから未塗装箇所へ塗装が必要となった際、既に上記ウェットオンウェット塗装された箇所へ重ねて塗装するために、上記ウェットオンウェット塗装(セルロース分散液11の塗布及び水性塗料12の塗布)を再度行なう重ね塗りをすることもできる。先に乾燥硬化した樹脂塗膜層の表面にセルロース繊維5に由来する微小凹凸が形成されるため、層間の結合力が強くなり、このように一旦乾燥硬化させた後に重ね塗りをしたとしても、塗膜の層間剥離は抑制され、剥がれることはない。
(塗装方法2)
この塗装方法は、図4に示すように、水性塗料12をゴムスポンジ材4の表面に塗布する第1工程と、このゴムスポンジ材4における上記水性塗料12の塗布面に、セルロース繊維5を水に分散させたセルロース分散液11をウェットオンウェットで塗布する第2工程と、該第1工程及び第2工程で得られた塗膜を乾燥硬化させる第3工程とを備えている。この塗装方法も、塗布する工程が2度になるから、2コート方式ということができる。
塗装方法1と同じく、上記水性塗料12及びセルロース分散液11の塗布には、例えば塗装ガン(スプレーガン)13を用いることができる。当該塗布にはブレード等を用いるようにしてもよい。塗装方法1と同じく、上記ウェットオンウェット塗装では、水性塗料の樹脂固形分100質量部に対して上記セルロース繊維が0.2質量部以上50質量部以下の比率になるようにするのが好ましい。
セルロース分散液11は、水性塗料12の塗布直後に塗布してもよく、或いは水性塗料12の塗布後、数分の静置時間をおいてから、セルロース分散液11を塗布するようにしてもよい。
セルロース分散液11及び水性塗料12については、塗装方法1で説明したものを用いることができる。
塗装方法2においても、セルロース繊維を水性塗料に混ぜずに、水性塗料12とセルロース分散液11を塗布工程間に強制乾燥を入れずにウェットオンウェットで塗布していくから、水性塗料12の塗膜構成要素(樹脂)の濃度を過度に下げてしまうことがない。従って、必要厚さ塗布するのに要する塗装時間を短縮することができ、乾燥硬化に要する時間も短縮することができる。
また、ウェットオンウェットにより、水性塗料12の塗布層とセルロース分散液11の塗布層の間でブリードを生じ、セルロース繊維が全体にわたって分散した樹脂塗膜を得ることが容易になる。その樹脂塗膜の表面には、内部のセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成される。
上記塗装方法2においても、塗装方法1と同じく、上記ウェットオンウェット塗装(水性塗料12の塗布及びセルロース分散液11の塗布)を再度行なう重ね塗りをすることもできる。先に乾燥硬化した樹脂塗膜層の表面にセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成されるため、層間の結合力が強くなり、このように一旦乾燥硬化させた後に重ね塗りをしたとしても、塗膜の層間剥離は抑制され、剥がれることはない。
(塗装方法3)
この塗装方法は、3コート方式であり、水性塗料12をゴムスポンジ材4の表面に塗布する第1工程と、このゴムスポンジ材4における上記水性塗料12の塗布面に、セルロース繊維5を水に分散させたセルロース分散液11をウェットオンウェットで塗布する第2工程と、このセルロース分散液11の塗布面に、水性塗料12をウェットオンウェットで塗布する第3工程と、該第1工程から第3工程で得られた塗膜を乾燥硬化させる第3工程とを備えている。
塗装方法1と同じく、上記水性塗料12及びセルロース分散液11の塗布には、例えば塗装ガン(スプレーガン)13を用いることができる。当該塗布にはブレード等を用いるようにしてもよい。塗装方法1と同じく、上記ウェットオンウェット塗装では、水性塗料の樹脂固形分100質量部に対して上記セルロース繊維が0.2質量部以上50質量部以下の比率になるようにするのが好ましい。
第2工程のセルロース分散液11の塗布は、第1工程の水性塗料12の塗布直後に行なってもよく、或いは水性塗料12の塗布後、数分の静置時間をおいてから、セルロース分散液11を塗布するようにしてもよい。第3工程の水性塗料12の塗布は、第2工程のセルロース分散液11の塗布直後に塗布してもよく、或いはセルロース分散液11の塗布後、数分の静置時間をおいてから、水性塗料12を塗布するようにしてもよい。或いは、セルロース分散液11の濃度を薄くするケースでは、セルロース分散液11の塗布後、常温で又は加熱によって過剰な水分を除去する処理を行なうようにしてもよい。
セルロース分散液11及び水性塗料12については、塗装方法1で説明したものを用いることができる。
塗装方法3においても、セルロース繊維を水性塗料に混ぜずに、水性塗料12とセルロース分散液11を塗布工程間に強制乾燥を入れずにウェットオンウェットで塗布していくから、水性塗料の塗膜構成要素(樹脂)の濃度を過度に下げてしまうことがない。従って、必要厚さ塗布するのに要する塗装時間を短縮することができ、乾燥硬化に要する時間も短縮することができる。
また、ウェットオンウェットにより、水性塗料12の塗布層とセルロース分散液11の塗布層の間でブリードを生じ、セルロース繊維が全体にわたって分散した樹脂塗膜を得ることが容易になる。その樹脂塗膜の表面には、内部のセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成される。
上記塗装方法3においても、塗装方法1と同じく、上記ウェットオンウェット塗装(水性塗料12の塗布→セルロース分散液11の塗布→水性塗料12の塗布)を再度行なう重ね塗りをすることもできる。先に乾燥硬化した樹脂塗膜層の表面にセルロース繊維5に由来する微小凹凸が形成されるため、層間の結合力が強くなり、このように一旦乾燥硬化させた後に重ね塗りをしたとしても、塗膜の層間剥離は抑制され、剥がれることはない。
(リコート(重ね塗り)について)
上記塗装方法1−3において、リコートは同じ塗装方法ではなく、異なる塗装方法で行なうこともできる。すなわち、塗装方法1を実施した後、塗装方法2又は塗装方法3によるリコートを行なうようにしてもよい。同じく、塗装方法2を実施した後、塗装方法1又は塗装方法3によるリコートを行なうようにしてもよく、塗装方法3を実施した後、塗装方法1又は塗装方法2によるリコートを行なうようにしてもよい。
<実施例・比較例>
[実施例]
表1の組成からなる水性塗料、セルロース分散液及び厚さ2mmの押出加硫成形されたEPDMゴムスポンジ板(比重0.48)を準備した。
セルロース分散液は、広葉樹晒クラフトパルプを原料とする2%セルロース繊維スラリーをイオン交換水で希釈したものであり、セルロース繊維の濃度は0.5質量%である。希釈には自転公転ミキサーを用いた。セルロース繊維の繊維径は数十nmであり、繊維長は1〜100μmである。
Figure 2019098238
シンナーを用いてゴムスポンジ板の表面を脱脂した後、塗装ガンによってセルロース分散液をゴムスポンジ板に塗布した。続いて、乾燥工程を設けることなく、セルロース分散液の塗布面に表1の組成からなる水性塗料を塗装ガンで塗布した。しかる後、オーブンにて90℃の温度に10分間保持することにより、塗膜の乾燥硬化を行なった。すなわち、当該実施例は塗装方法1に係るものである。水性塗料の樹脂固形分とセルロース繊維の比率は、樹脂固形分100質量部に対してセルロース繊維が4質量部になるようにした。
以上によって得たスポンジ材の樹脂塗膜は、乾燥膜厚が6〜9μmであり、セルロース繊維の含有量は約4質量%である。
実施例の場合、ウェットオンウェットで塗装を行なうから、図2に示すように、セルロース繊維が全体にわたって均等に分散した樹脂塗膜が得られる。樹脂塗膜が図2に示す状態であることは、実際に塗膜の切断断面から観察された。
[比較例1]
表2の組成からなるセルロース繊維含有塗料及び厚さ2mmの押出加硫成形されたEPDMゴムスポンジ板(比重0.48)を準備した。セルロース繊維含有塗料は樹脂固形分100質量部に対してセルロース繊維を10質量部含有する。使用した2%セルロース繊維スラリーは実施例と同じものであり、セルロース繊維スラリーを予め塗料へ内添加している点が実施例と相違する。
Figure 2019098238
シンナーを用いてゴムスポンジ板の表面を脱脂した後、塗装ガンによって表2の組成からなるセルロース繊維含有分散液をゴムスポンジ板に塗布した。しかる後、オーブンにて90℃の温度に10分間保持することにより、塗膜の乾燥硬化を行なった。
以上によって得たスポンジ材の樹脂塗膜は、乾燥膜厚が6〜9μmであり、セルロース繊維の含有量は約10質量%である。
[比較例2]
セルロース分散液の塗布と水性塗料の塗布との間に、オーブンにて90℃1分間の強制乾燥工程を挟むことの他は、実施例と実質的に同じ条件及び方法でゴムスポンジ板の表面に樹脂塗膜を形成した。この樹脂塗膜は、乾燥膜厚が6〜9μmであり、セルロース繊維の含有量は約4質量%である。
比較例2も、塗布工程が2回になるから塗装方法1と同じく2コート方式であるが、セルロース分散液の塗布後に、強制乾燥を施してから水性塗料を塗布するから、この塗装方式を以下では、「ドライオンウェット」と呼ぶ。比較例2の場合、セルロース繊維の表面を乾燥させた上で水性塗料を塗布するから、水性塗料を塗布したときに水性塗料がセルロース繊維5の層に十分に浸透せず、従って、膨潤するセルロース繊維5は限られ、水性塗料に十分に分散されない。その結果、樹脂塗膜6は、図5に示すように、セルロース繊維5の層の上にセルロース繊維を含まない樹脂単独層15が積層した二層構造になる。
[比較例3]
実施例と同じゴムスポンジ板を準備し、シンナーを用いてゴムスポンジ板の表面を脱脂した後、表1の組成からなる水性塗料を塗装ガンで塗布した。しかる後、オーブンにて90℃の温度に10分間保持することにより、塗膜の乾燥硬化を行ない、セルロースを含有しない樹脂塗膜を形成した。乾燥膜厚は他の事例と同様に6〜9μmであった。
[物性評価]
実施例及び比較例1−3のスポンジ材(評価用塗装サンプル)の物性を調べた。結果を表3に示す。
表3の耐摩耗性は、図6に示す要領で耐摩耗性試験用ガラス摩耗子(t=3.5mm)を備えた学振式摩耗試験器(ストローク:150mm、スピード:60回/分)を用いて試験し、評価用塗装サンプルの塗装面が摩耗あるいは剥離し、基材が露出したときの回数を調べた。この回数が多いほど塗膜の耐摩耗性が優れていることを示す。
表3の静摩擦係数及び動摩擦係数は以下の手順で求めた。ヘイドン試験器(HEIDON TRIBOGEAR TYPE32,測定子:ガラス時計皿,荷重:20N)を用い、摺動速度1000mm/minにて2回摺動させた後、3回目に摺動させた測定値を取得した。これらの摩擦係数が小さいほど塗膜の滑り性が優れていることを示す。
Figure 2019098238
ウェットオンウェットの実施例は、比較例1−3に比べて、耐摩耗性が良く、比較例1−3のうちで耐摩耗性が最も良い比較例1(セルロース繊維含有塗料)に比べても、耐摩耗性が1.2倍以上になっている。実施例の摩擦係数は比較例1よりも多少高くなっているが、実施例のセルロース繊維の含有量は比較例1の同含有量の半分以下であることを考慮すると、実施例も相当に高い滑り性を示すことがわかる。もちろん、実施例の摩擦係数は、比較例2,3よりも小さくなっている。
評価結果で特に目立つのは、実施例と比較例2は、同じくセルロース分散液を塗布した後に水性塗料を塗布する2コート方式であるところ、ウェットオンウェットの実施例は、ドライオンウェットの比較例2に比べて、耐摩耗性及び滑り性が際立って優れていることである。
表面粗さをみると、ウェットオンウェットの実施例は、比較例に比べて粗く、これが優れた耐摩耗性及び滑り性の一因になっていると認められる。
<遮音性評価>
[実施例と比較例の比較]
実施例及び比較例1−3各々の条件及び方法によって、図7に示すように、ウェザーストリップ1の中空シール部3の表面に塗装を施したサンプルを作製し、遮音性を評価した。ウェザーストリップ1は厚さ2mmの押出しスポンジ材(比重0.48)である。
図8は遮音性試験設備を示す。上下の治具21,22間にウェザーストリップ1を挟んでその全高が34%低くなるように圧縮し、残響室側に音源(残響室内90dB均一)を配置し、無響室側に無指向マイク23を配置して透過音を測定した。治具21,22の残響室側には遮蔽板24,25を設けた。測定周波数は100Hz〜10000Hzである。
透過音の測定により、ウェットオンウェットの実施例は、比較例1(セルロース繊維含有塗料)と同等以上の遮音性能を示し、ドライオンウェットの比較例2及びセルロース繊維不含有の比較例3に比べると、1000Hz〜4000Hzの周波数の範囲において2dB程度音圧が低くなることがわかった。
一方、ドライオンウェットの比較例2はセルロース繊維不含有の比較例3と略同じ遮音特性を示した。これは、比較例2の場合、図5に示すように、セルロース繊維5が水性塗料全体に分散されていないことが塗膜の切断断面から観察され、この不十分な分散により、セルロース繊維5が遮音性の改善にあまり働いていないと推測される。塗膜の切断断面を観察すると、図5に示すように、樹脂塗膜6の表面側はセルロース繊維5を含まない樹脂単独層15になっている。
[ゴムスポンジ材の比重と遮音特性との関係]
比重がそれぞれ0.48、0.53、0.57、0.70であるウェザーストリップ(厚さ2mmのEPDM押出加硫スポンジ材)を準備した。比重が異なるこれらウェザーストリップに、実施例(ウェットオンウェット)及び比較例3(セルロース繊維不含有)の条件及び方法で樹脂塗膜を形成した。塗膜の乾燥硬化条件は、温度を90℃、乾燥時間を10分間とした。得られた各ウェザーストリップについて、図8に示す遮音性試験設備にて、透過音の測定を行なった。音源側の音圧を90dB、測定周波数は100Hz〜10000Hzの範囲とした。1kHz〜4kHz帯域でのオーバーオール(OA)値の結果を図9に示す。
図9によれば、ウェットオンウェット及びセルロース繊維不含有のいずれにおいて、ゴムスポンジ材の比重が小さくなるに従って、透過音が大きくなる(遮音性が低下する)傾向が見られる。しかし、ウェットオンウェットでは、比重0.7以下において、セルロース繊維不含有よりも遮音性が良く、且つ比重が小さくなるほどセルロース繊維不含有よりも遮音効果が高くなっている。
[セルロース繊維の繊維径の影響]
セルロース繊維の繊維径がそれぞれ10nm、100nm、1μm、10μmである各2%セルロース繊維スラリーを用い、実施例(ウェットオンウェット)の条件及び方法により、セルロース繊維の繊維径が異なる各ウェザーストリップを作製した。そうして、それらウェザーストリップの透過音を図8に示す設備で測定した。
その結果、多少ばらつきはあるが、セルロース繊維の繊維径が異なっても、略同じ遮音特性が得られることを確認した。
1 ウェザーストリップ
2 取付基部
3 中空シール部
4 ゴムスポンジ材
5 セルロース繊維
6 樹脂塗膜
11 セルロース分散液
12 水性塗料
13 塗装ガン
15 樹脂単独層
本発明はウェザーストリップの塗装方法に関する。
自動車用ウェザーストリップでは、耐摩耗性、滑り性(摺動性)などの機能の付与及び外観向上を目的として、表面に硬化型ウレタン系塗料等が塗装されている。例えば、特許文献1には、ウェザーストリップにウレタン系水性塗料を塗布し、乾燥硬化させた後にアミノ基を含有するシリコーン化合物を塗布することが記載されている。
一方、繊維材を基材表面に吹付け塗布して基材の吸遮音性を高めることも一般に行われている。例えば、特許文献2には、天然繊維及び合成樹脂を主成分とする吸遮音材を車体パネルに吹き付けて車両用吸遮音構造を得ること、その天然繊維として、平均繊維長が0.5〜4.0mmであるセルロース系繊維を用いること、合成樹脂として、液状接着剤を1〜30質量%の範囲で混合すること、目付け重量を0.2〜3kg/mにすることが記載されている。特許文献3,4には、結晶性セルロースを含有するポリウレタン樹脂を防音材として用いることが記載されている。
特許文献5には、各種材料よりなる基材の表面に、ポリ乳酸系樹脂を主成分とする樹脂層と、ポリ乳酸系樹脂とセルロースナノファイバーとを混在して含む中間層と、セルロースナノファイバーを主成分とするセルロースナノファイバー層とを順次積層してなる強度が高い塗装膜を設けることが記載されている。
その塗装方法は、基材上にポリ乳酸系樹脂を主成分とするエマルジョンを塗布し、オーブンにて40℃で15分間の乾燥を行なうことにより、乾燥エマルジョン層を形成し、乾燥エマルジョン層の上にセルロースナノファイバーの水分散液を塗布して、オーブンにて40℃で15分間の乾燥を行ない、その上にポリ乳酸系樹脂を主成分とするエマルジョンを塗布し、オーブンにて90℃で15分間の高温加熱処理を行なう、というものである。
特許3727010号公報 特開2002−268648号公報 特開2011−207938号公報 特開2016−188353号公報 特開2017−105040号公報
本発明者は、セルロース繊維を含有する塗料でウェザーストリップの表面を塗装すると、滑り性や耐摩耗性、遮音特性が改善することを確認している。しかし、ウェザーストリップ用の塗料にセルロース繊維を添加すると、塗料の粘度が高くなり、塗装性が悪化する。その塗料を水で希釈すると、塗料粘度が下がり、塗装性は改善するが、塗料の塗膜形成要素の濃度が低下するため、必要な乾燥膜厚を確保するための塗装時間が長くなり、乾燥硬化に要する時間も長くなるなどして、生産性が悪化する。
これに対して、特許文献5に記載されているように、先に、セルロース繊維の水分散液をウェザーストリップに塗布し、オーブンにて加熱乾燥を行なった後に、水性塗料を塗布することが考えられる。しかし、このようにすると、塗料の希釈は必要なくなるが、ウェザーストリップの耐摩耗性や滑り性、遮音性の改善がほとんど見られなくなる。
これは、水性塗料を塗布したときに、その水性塗料が先に塗布されたセルロース繊維の層に十分に浸透せず、従って、セルロース繊維の層の表面のみが膨潤し、セルロース繊維の層の上にセルロース繊維を含まない塗料の樹脂単独層が積層した二層構造になるためであると推測される。すなわち、セルロース繊維の水分散液を塗布し、加熱乾燥後に水性塗料を塗布する塗装方法の場合、セルロース繊維を予め分散させた塗料による塗装とは、形成される塗膜が相違すると考えられる。
そこで、本発明は、塗装性ないし生産性を悪化させることなく、セルロース繊維が全体にわたって均等に分散した塗膜を得ることを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、セルロース分散液と水性塗料をウェットオンウェットで塗装するようにした。
ここに開示する第1のウェザーストリップの塗装方法は、車体又はウィンドガラスと擦れあう自動車用ウェザーストリップの表面にセルロース繊維含有塗膜を形成する塗装方法であって、
セルロース繊維を水に分散させた且つ塗膜構成要素としての樹脂を含有しないセルロース分散液を上記ウェザーストリップの表面に塗布する第1工程と、
上記ウェザーストリップにおける上記セルロース分散液の塗布面に、塗膜構成要素としての樹脂を含有する水性塗料をウェットオンウェットで塗布する第2工程とを備え
上記第1工程と上記第2工程によって一層の上記セルロース繊維含有塗膜を形成することを特徴とする。
この方法によれば、セルロース繊維を水性塗料に混ぜずに、先にセルロース分散液を塗布し、次いで水性塗料を塗布するから、水性塗料の塗膜構成要素(樹脂)の濃度を過度に下げてしまうことがない。従って、必要厚さ塗布するのに要する塗装時間を短縮することができ、乾燥硬化に要する時間も短縮することができる。
そうして、水性塗料の塗布はウェットオンウェットで行なうから、水性塗料を塗布すると、水性塗料が直ちにセルロース繊維の塗布層内に浸透して、該セルロース繊維の層が膨潤していく。そのため、セルロース繊維が水性塗料による塗膜全体にわたって分散しやすくなる。すなわち、セルロース繊維が全体にわたって均等に分散した樹脂塗膜、すなわち、セルロース繊維含有塗膜を得ることが容易になる。そのセルロース繊維含有塗膜の表面には、内部のセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成される。
よって、ウェザーストリップの耐摩耗性及び滑り性の向上に有利になる。また、ウェザーストリップが車体やウィンドガラスと擦れあったときのきしみ音が低減し、さらに、車体の板金を傷つけることがない。また、ウェザーストリップとしての機能である自動車の車体などに当接した際の止水性など、シール性能が劣ることもない。
また、上述の如く、セルロース繊維含有塗膜の表面にはセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成されるから、リコート性、すなわち、再塗装したときの塗膜の密着性も良い。
ここに開示する第2のウェザーストリップの塗装方法は、車体又はウィンドガラスと擦れあう自動車用ウェザーストリップの表面にセルロース繊維含有塗膜を形成する塗装方法であって、
セルロース繊維を水に分散させた且つ塗膜構成要素としての樹脂を含有しないセルロース分散液を上記ウェザーストリップの表面に塗布する第1工程と、
上記ウェザーストリップにおける上記セルロース分散液の塗布面に、塗膜構成要素としての樹脂を含有する水性塗料をウェットオンウェットで塗布する第2工程とを備え
上記第1工程と上記第2工程によって一層の上記セルロース繊維含有塗膜を形成することを特徴とする。
また、ここに開示する第3のウェザーストリップの塗装方法は、車体又はウィンドガラスと擦れあう自動車用ウェザーストリップの表面にセルロース繊維含有塗膜を形成する塗装方法であって、
塗膜構成要素としての樹脂を含有する水性塗料を上記ウェザーストリップの表面に塗布する第1工程と、
上記ウェザーストリップにおける上記水性塗料の塗布面に、セルロース繊維を水に分散させた且つ塗膜構成要素としての樹脂を含有しないセルロース分散液をウェットオンウェットで塗布する第2工程と、
上記ウェザーストリップにおける上記セルロース分散液の塗布面に、塗膜構成要素としての樹脂を含有する水性塗料をウェットオンウェットで塗布する第3工程とを備え
上記第1工程と上記第2工程と上記第3工程によって一層の上記セルロース繊維含有塗膜を形成することを特徴とする。
第2及び第3のウェザーストリップの塗装方法の場合も、セルロース繊維を水性塗料に混ぜずに、水性塗料とセルロース分散液を塗布工程間に強制乾燥を入れずにウェットオンウェットで塗布していくから、水性塗料の塗膜構成要素(樹脂)の濃度を過度に下げてしまうことがない。従って、必要厚さ塗布するのに要する塗装時間を短縮することができ、乾燥硬化に要する時間も短縮することができる。
第2のウェザーストリップの塗装方法の場合、ウェットオンウェット塗装により、先塗りの水性塗料の塗布層と後塗りのセルロース分散液の塗布層の間でのブリードにより、セルロース繊維の分散性に関して、第1のウェザーストリップの塗装方法に近い効果が得られる。また、得られる樹脂塗膜の表面には、内部のセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成される。
第3のウェザーストリップの塗装方法の場合は、先に水性塗料を塗布した後、第1のウェザーストリップの塗装方法と同じく、セルロース分散液の塗布と水性塗料の塗布をウェットオンウェットで行なう。従って、セルロース繊維の分散性に関して、塗膜の下層側では第2のウェザーストリップの塗装方法と同等の効果が得られ、塗膜の上層側では第1のウェザーストリップの塗装方法と同等の効果が得られる。また、得られる樹脂塗膜の表面には、内部のセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成される。
よって、第2及び第3のウェザーストリップの塗装方法においても、ウェザーストリップの耐摩耗性及び滑り性の向上に有利になる。また、ウェザーストリップが車体やウィンドガラスと擦れあったときのきしみ音が低減し、さらに、車体の板金を傷つけることがない。また、ウェザーストリップとしての機能である自動車の車体などに当接した際の止水性など、シール性能が劣ることもない。
また、上述の如く、セルロース繊維含有塗膜の表面にはセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成されるから、リコート性、すなわち、再塗装したときの塗膜の密着性も良い。
上記第1乃至第3のウェザーストリップの塗装方法各々において、一実施形態では、上記水性塗料がウレタン系又はシリコーン系の水性塗料である。これにより、耐摩耗性及び滑り性の向上に有利になる。
上記第1乃至第3のウェザーストリップの塗装方法各々において、一実施形態では、上記セルロース繊維含有塗膜を上記ウェザーストリップのゴムスポンジ材よりなる部分の表面に形成する。これにより、ウェザーストリップの遮音性が高くなる。その理由は定かではないが、樹脂とセルロース繊維の複合化によって樹脂塗膜の内部損失が大きくなり、ゴムスポンジ材の内部損失と相俟って、遮音性が高くなるものと推測される。
上記第1乃至第3のウェザーストリップの塗装方法各々において、一実施形態では、上記水性塗料の樹脂固形分100質量部に対して上記セルロース繊維が0.2質量部以上50質量部以下の比率になるように、上記セルロース繊維含有塗膜を形成する。
セルロース繊維の含有量が少なくなると、樹脂塗膜におけるセルロース繊維の分散による遮音性、耐摩耗性及び滑り性の向上効果が薄れてくる。その観点から、セルロース繊維は0.2質量部以上であることが好ましい。一方、セルロース繊維の含有量を多くしようとすると、セルロース分散液の塗装性が悪くなる。その観点から、セルロース繊維は50質量部以下であることが好ましい。
本発明方法は、自動車用ウェザーストリップとしての、例えば、ドアウェザーストリップ、ドアオープニングシール、トランク用シール材、ガラスランチャンネル、又はその一部に利用することができる。
本発明によれば、セルロース繊維を水性塗料に混ぜずに、セルロース分散液と水性塗料をウェットオンウェットで塗布していくから、セルロース繊維が全体にわたって均等に分散した樹脂塗膜を形成することが容易になり、ウェザーストリップの耐摩耗性及び滑り性の向上に有利になり、しかも、塗装及び塗膜の乾燥硬化に要する時間も短縮することができ、生産性の向上に有利になる。また、上記セルロース繊維含有塗膜を上記ウェザーストリップのゴムスポンジ材よりなる部分の表面に形成するときは、さらに、遮音性の向上にも有利になる。
実施形態に係るウェザーストリップを示す一部断面にした斜視図。 実施形態に係るウェザーストリップの一部を示す断面図。 実施形態に係るウェザーストリップへの塗装方法1の第2工程を示す断面図。 実施形態に係るウェザーストリップへの塗装方法2の第2工程を示す断面図。 比較例2に係る図2と同様の図。 耐摩耗性試験の概要を示す斜視図。 透過音測定試験用サンプルの作製方法を説明する一部断面にした斜視図。 透過音測定試験設備の概要を示す断面図。 ゴムスポンジ材の比重と透過音の関係を示すグラフ図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<ウェザーストリップ>
図1に概略的に示す自動車のドアウェザーストリップ1において、2はドアの周縁部に取り付けられる取付基部、3は取付基部2と一体になった中空シール部である。中空シール部3は、図2に示すように、ゴムスポンジ材4の表面がセルロース繊維5を分散して含有する樹脂塗膜6によって覆われてなる。
ゴムスポンジ材4のゴム材料としては、例えば、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)を好ましく用いることができる。IR(イソプレンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、熱可塑性エストラマー(オレフィン系またはスチレン系熱可塑性エストラマー)、軟質のポリ塩化ビニルなど、他のゴム材料ないしゴム様弾性を有する他の弾性材料を用いることもできる。また、ウェザーストリップ1は、部分的に、ソリッド状の材料で形成してもよい。
樹脂塗膜6によって覆われるゴムスポンジ材4は、比重が0.7以下であることが好ましい。
<ウェザーストリップの塗装方法>
上記ウェザーストリップ1は、ゴムスポンジ材4の表面に樹脂塗膜6を次の塗装方法によって形成することで得ることができる。
(塗装方法1)
この塗装方法は、図3に示すように、セルロース繊維5を水に分散させたセルロース分散液11をゴムスポンジ材4の表面に塗布する第1工程と、このゴムスポンジ材4における上記セルロース分散液11の塗布面に、水性塗料12をウェットオンウェットで塗布する第2工程と、該第1工程及び第2工程で得られた塗膜を乾燥硬化させる第3工程とを備えている。この塗装方法は、塗布する工程が2度になるから、2コート方式ということができる。
セルロース分散液11及び水性塗料12の塗布には、例えば塗装ガン(スプレーガン)13を用いることができる。当該塗布にはブレード等を用いるようにしてもよい。
上記ウェットオンウェット塗装では、水性塗料の樹脂固形分100質量部に対して上記セルロース繊維が0.2質量部以上50質量部以下の比率になるようにするのが好ましい。この含有量の下限としては、0.4質量部がより好ましい。一方、この含有量の上限としては、30質量部がより好ましい。上記セルロース繊維の含有量を上記下限以上とすることで、得られる塗膜の遮音性、耐摩耗性や滑り性等をさらに高めることができる。一方、上記セルロース繊維の含有量を上記上限以下とすることで、セルロース分散液11の塗布性等を高めることができる。
水性塗料12は、セルロース分散液11の塗布直後に塗布してもよく、或いはセルロース分散液11の塗布後、数分の静置時間をおいてから、水性塗料12を塗布するようにしてもよい。
或いは、セルロース分散液11の濃度を薄くするケースでは、セルロース分散液11の塗布後、常温で又は加熱によって過剰な水分を除去する処理を行なうようにしてもよい。すなわち、水性塗料12を塗布する段階で、セルロース繊維5が水で濡れている状態であればよく、水性塗料12を塗布する前に過剰な水分を除去する工程を含んでもよい。ここに、「ウェットオンウェット」は、先に塗布したセルロース繊維塗布層の全体にわたって、セルロース繊維5が水で濡れている状態で水性塗料12の塗布を行なうことを意味する。
[セルロース分散液]
セルロース繊維5はパルプ等の植物原料から得られる繊維である。セルロース繊維の原料となるパルプとしては、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等を採用することができる。
化学パルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)等の広葉樹クラフトパルプ(LKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)等の針葉樹クラフトパルプ(NKP)等が挙げられる。
機械パルプとしては、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、サーモグランドパルプ(TGP)、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、晒サーモメカニカルパルプ(BTMP)等が挙げられる。
古紙パイプは、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙、更紙古紙等から製造される。古紙パルプを脱墨処理した脱墨パルプ(DIP)を採用することもできる。
上記パルプは一種単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
その他の植物原料としては、リンターパルプ、麻、バガス、ケナフ、エスパルト草、竹、籾殻、わら等から得られるパルプなどが挙げられる。また、パルプの原料となる木材、麻、バガス、ケナフ、エスパルト草、竹、籾殻、わら等を直接植物原料として用いることもできる。
本実施形態に係る水性塗料のセルロース繊維は、レーザー回折法により測定される体積基準の疑似粒度分布曲線において5μm以上に最頻値を有している。「擬似粒度分布曲線」とは、粒度分布測定装置として堀場製作所の粒度分布測定装置「LA−960S」を用い、分散媒である水に分散させて超音波処理した分散液について測定される体積基準粒度分布を示す曲線を意味する。
また、セルロース繊維5としては、繊維径がナノサイズ(1nm以上1000nm以下)から20μm以下程度のものを好ましく採用することができる。セルロース繊維5の繊維長は、1μm以上100μm以下であることが好ましい。セルロース繊維5の比表面積は5m/g以上600m/g以下であることが好ましい。
このようなセルロース繊維は、通常、植物原料(繊維原料) を公知の方法により解繊することにより得ることができる。パルプを植物原料として用いた場合の製造方法として、例えば水分散状態のパルプを機械的処理による解繊に付してよく、酵素処理、酸処理等の化学的処理による解繊に付してもよい。機械的処理による解繊方法としては、例えばパルプを回転する砥石間で磨砕するグラインダー法、高圧ホモジナイザーを用いた対向衝突法、高速解繊機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、せん断型ミキサー、遊星回転型ミキサー、超音波分散機、ビーズミル、ロッドミル、リングミル、アトリションミル、ボールミル、ロールミル、カッターミル等を用いる粉砕法などが挙げられる。通常、パルプが解繊されて得られるセルロース繊維が所望のサイズになるまで、解繊処理が繰り返し行われる。パルプ以外の植物原料の場合も、同様の方法でセルロース繊維を得ることができる。
セルロース分散液11におけるセルロース繊維5の濃度は、特に限定するわけではないが、例えば、0.01質量%以上10質量%以下とすればよい。
セルロース分散液11には、セルロース繊維5の原料に係る植物由来のヘミセルロースやリグニンなどが残存していても構わない。
[水性塗料]
水性塗料12は、塗膜形成要素である樹脂の他、該樹脂とセルロース繊維5との化学的結合による界面接着を得るための、カルボジイミド、イソシアネート、シランカップリング剤等のカップリング剤、並びにその他の添加剤を含有することができる。
塗膜形成要素としては、ウレタン樹脂又はシリコーン樹脂を好ましく用いることができる。ウレタン樹脂とシリコーン樹脂を併用してもよい。アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂など、他の樹脂を用いてもよい。
[塗装方法の作用効果]
上記塗装方法によれば、塗膜構成要素(樹脂)を含んだ水性塗料にセルロース繊維5を混ぜずに、先にセルロース分散液11を塗布し、次いで水性塗料12を塗布するから、塗装性が良好になる。すなわち、セルロース分散液11については、セルロース繊維含有量を例えば10質量%以下とすることにより、塗装に適した粘度で、ゴムスポンジ材4の表面に塗装ガン13にて均一性が高い厚さで塗布することができる。水性塗料12についても、セルロース繊維5を含有しないから、含有させた場合に発生する粘度上昇を抑制(希釈)することによって塗膜構成要素(樹脂)の濃度を過度に下げてしまうことがなく、必要厚さ塗布するのに要する塗装時間を短縮することができ、乾燥硬化に要する時間も短縮することができる。
セルロース分散液11及び水性塗料12の塗布はウェットオンウェットで行なうから、水性塗料12を塗布すると、水性塗料12が直ちにセルロース繊維5の塗布層内に浸透して、該セルロース繊維5の層が膨潤していき、水性塗料12による塗膜にセルロース繊維5が全体にわたって均等に分散した状態になる。そして、水性塗料塗布後の塗膜の加熱乾燥により、セルロース繊維5が全体にわたって均等に分散した樹脂塗膜6が得られる。樹脂塗膜6の表面には、内部のセルロース繊維5に由来する微小凹凸が形成される。
上記塗装方法において、第3工程(乾燥硬化)の後、樹脂塗膜6を厚くするために、或いは、第3工程(乾燥硬化)の後、さらに別の工程を経てから未塗装箇所へ塗装が必要となった際、既に上記ウェットオンウェット塗装された箇所へ重ねて塗装するために、上記ウェットオンウェット塗装(セルロース分散液11の塗布及び水性塗料12の塗布)を再度行なう重ね塗りをすることもできる。先に乾燥硬化した樹脂塗膜層の表面にセルロース繊維5に由来する微小凹凸が形成されるため、層間の結合力が強くなり、このように一旦乾燥硬化させた後に重ね塗りをしたとしても、塗膜の層間剥離は抑制され、剥がれることはない。
(塗装方法2)
この塗装方法は、図4に示すように、水性塗料12をゴムスポンジ材4の表面に塗布する第1工程と、このゴムスポンジ材4における上記水性塗料12の塗布面に、セルロース繊維5を水に分散させたセルロース分散液11をウェットオンウェットで塗布する第2工程と、該第1工程及び第2工程で得られた塗膜を乾燥硬化させる第3工程とを備えている。この塗装方法も、塗布する工程が2度になるから、2コート方式ということができる。
塗装方法1と同じく、上記水性塗料12及びセルロース分散液11の塗布には、例えば塗装ガン(スプレーガン)13を用いることができる。当該塗布にはブレード等を用いるようにしてもよい。塗装方法1と同じく、上記ウェットオンウェット塗装では、水性塗料の樹脂固形分100質量部に対して上記セルロース繊維が0.2質量部以上50質量部以下の比率になるようにするのが好ましい。
セルロース分散液11は、水性塗料12の塗布直後に塗布してもよく、或いは水性塗料12の塗布後、数分の静置時間をおいてから、セルロース分散液11を塗布するようにしてもよい。
セルロース分散液11及び水性塗料12については、塗装方法1で説明したものを用いることができる。
塗装方法2においても、セルロース繊維を水性塗料に混ぜずに、水性塗料12とセルロース分散液11を塗布工程間に強制乾燥を入れずにウェットオンウェットで塗布していくから、水性塗料12の塗膜構成要素(樹脂)の濃度を過度に下げてしまうことがない。従って、必要厚さ塗布するのに要する塗装時間を短縮することができ、乾燥硬化に要する時間も短縮することができる。
また、ウェットオンウェットにより、水性塗料12の塗布層とセルロース分散液11の塗布層の間でブリードを生じ、セルロース繊維が全体にわたって分散した樹脂塗膜を得ることが容易になる。その樹脂塗膜の表面には、内部のセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成される。
上記塗装方法2においても、塗装方法1と同じく、上記ウェットオンウェット塗装(水性塗料12の塗布及びセルロース分散液11の塗布)を再度行なう重ね塗りをすることもできる。先に乾燥硬化した樹脂塗膜層の表面にセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成されるため、層間の結合力が強くなり、このように一旦乾燥硬化させた後に重ね塗りをしたとしても、塗膜の層間剥離は抑制され、剥がれることはない。
(塗装方法3)
この塗装方法は、3コート方式であり、水性塗料12をゴムスポンジ材4の表面に塗布する第1工程と、このゴムスポンジ材4における上記水性塗料12の塗布面に、セルロース繊維5を水に分散させたセルロース分散液11をウェットオンウェットで塗布する第2工程と、このセルロース分散液11の塗布面に、水性塗料12をウェットオンウェットで塗布する第3工程と、該第1工程から第3工程で得られた塗膜を乾燥硬化させる第3工程とを備えている。
塗装方法1と同じく、上記水性塗料12及びセルロース分散液11の塗布には、例えば塗装ガン(スプレーガン)13を用いることができる。当該塗布にはブレード等を用いるようにしてもよい。塗装方法1と同じく、上記ウェットオンウェット塗装では、水性塗料の樹脂固形分100質量部に対して上記セルロース繊維が0.2質量部以上50質量部以下の比率になるようにするのが好ましい。
第2工程のセルロース分散液11の塗布は、第1工程の水性塗料12の塗布直後に行なってもよく、或いは水性塗料12の塗布後、数分の静置時間をおいてから、セルロース分散液11を塗布するようにしてもよい。第3工程の水性塗料12の塗布は、第2工程のセルロース分散液11の塗布直後に塗布してもよく、或いはセルロース分散液11の塗布後、数分の静置時間をおいてから、水性塗料12を塗布するようにしてもよい。或いは、セルロース分散液11の濃度を薄くするケースでは、セルロース分散液11の塗布後、常温で又は加熱によって過剰な水分を除去する処理を行なうようにしてもよい。
セルロース分散液11及び水性塗料12については、塗装方法1で説明したものを用いることができる。
塗装方法3においても、セルロース繊維を水性塗料に混ぜずに、水性塗料12とセルロース分散液11を塗布工程間に強制乾燥を入れずにウェットオンウェットで塗布していくから、水性塗料の塗膜構成要素(樹脂)の濃度を過度に下げてしまうことがない。従って、必要厚さ塗布するのに要する塗装時間を短縮することができ、乾燥硬化に要する時間も短縮することができる。
また、ウェットオンウェットにより、水性塗料12の塗布層とセルロース分散液11の塗布層の間でブリードを生じ、セルロース繊維が全体にわたって分散した樹脂塗膜を得ることが容易になる。その樹脂塗膜の表面には、内部のセルロース繊維に由来する微小凹凸が形成される。
上記塗装方法3においても、塗装方法1と同じく、上記ウェットオンウェット塗装(水性塗料12の塗布→セルロース分散液11の塗布→水性塗料12の塗布)を再度行なう重ね塗りをすることもできる。先に乾燥硬化した樹脂塗膜層の表面にセルロース繊維5に由来する微小凹凸が形成されるため、層間の結合力が強くなり、このように一旦乾燥硬化させた後に重ね塗りをしたとしても、塗膜の層間剥離は抑制され、剥がれることはない。
(リコート(重ね塗り)について)
上記塗装方法1−3において、リコートは同じ塗装方法ではなく、異なる塗装方法で行なうこともできる。すなわち、塗装方法1を実施した後、塗装方法2又は塗装方法3によるリコートを行なうようにしてもよい。同じく、塗装方法2を実施した後、塗装方法1又は塗装方法3によるリコートを行なうようにしてもよく、塗装方法3を実施した後、塗装方法1又は塗装方法2によるリコートを行なうようにしてもよい。
<実施例・比較例>
[実施例]
表1の組成からなる水性塗料、セルロース分散液及び厚さ2mmの押出加硫成形されたEPDMゴムスポンジ板(比重0.48)を準備した。
セルロース分散液は、広葉樹晒クラフトパルプを原料とする2%セルロース繊維スラリーをイオン交換水で希釈したものであり、セルロース繊維の濃度は0.5質量%である。希釈には自転公転ミキサーを用いた。セルロース繊維の繊維径は数十nmであり、繊維長は1〜100μmである。
Figure 2019098238
シンナーを用いてゴムスポンジ板の表面を脱脂した後、塗装ガンによってセルロース分散液をゴムスポンジ板に塗布した。続いて、乾燥工程を設けることなく、セルロース分散液の塗布面に表1の組成からなる水性塗料を塗装ガンで塗布した。しかる後、オーブンにて90℃の温度に10分間保持することにより、塗膜の乾燥硬化を行なった。すなわち、当該実施例は塗装方法1に係るものである。水性塗料の樹脂固形分とセルロース繊維の比率は、樹脂固形分100質量部に対してセルロース繊維が4質量部になるようにした。
以上によって得たスポンジ材の樹脂塗膜は、乾燥膜厚が6〜9μmであり、セルロース繊維の含有量は約4質量%である。
実施例の場合、ウェットオンウェットで塗装を行なうから、図2に示すように、セルロース繊維が全体にわたって均等に分散した樹脂塗膜が得られる。樹脂塗膜が図2に示す状態であることは、実際に塗膜の切断断面から観察された。
[比較例1]
表2の組成からなるセルロース繊維含有塗料及び厚さ2mmの押出加硫成形されたEPDMゴムスポンジ板(比重0.48)を準備した。セルロース繊維含有塗料は樹脂固形分100質量部に対してセルロース繊維を10質量部含有する。使用した2%セルロース繊維スラリーは実施例と同じものであり、セルロース繊維スラリーを予め塗料へ内添加している点が実施例と相違する。
Figure 2019098238
シンナーを用いてゴムスポンジ板の表面を脱脂した後、塗装ガンによって表2の組成からなるセルロース繊維含有分散液をゴムスポンジ板に塗布した。しかる後、オーブンにて90℃の温度に10分間保持することにより、塗膜の乾燥硬化を行なった。
以上によって得たスポンジ材の樹脂塗膜は、乾燥膜厚が6〜9μmであり、セルロース繊維の含有量は約10質量%である。
[比較例2]
セルロース分散液の塗布と水性塗料の塗布との間に、オーブンにて90℃1分間の強制乾燥工程を挟むことの他は、実施例と実質的に同じ条件及び方法でゴムスポンジ板の表面に樹脂塗膜を形成した。この樹脂塗膜は、乾燥膜厚が6〜9μmであり、セルロース繊維の含有量は約4質量%である。
比較例2も、塗布工程が2回になるから塗装方法1と同じく2コート方式であるが、セルロース分散液の塗布後に、強制乾燥を施してから水性塗料を塗布するから、この塗装方式を以下では、「ドライオンウェット」と呼ぶ。比較例2の場合、セルロース繊維の表面を乾燥させた上で水性塗料を塗布するから、水性塗料を塗布したときに水性塗料がセルロース繊維5の層に十分に浸透せず、従って、膨潤するセルロース繊維5は限られ、水性塗料に十分に分散されない。その結果、樹脂塗膜6は、図5に示すように、セルロース繊維5の層の上にセルロース繊維を含まない樹脂単独層15が積層した二層構造になる。
[比較例3]
実施例と同じゴムスポンジ板を準備し、シンナーを用いてゴムスポンジ板の表面を脱脂した後、表1の組成からなる水性塗料を塗装ガンで塗布した。しかる後、オーブンにて90℃の温度に10分間保持することにより、塗膜の乾燥硬化を行ない、セルロースを含有しない樹脂塗膜を形成した。乾燥膜厚は他の事例と同様に6〜9μmであった。
[物性評価]
実施例及び比較例1−3のスポンジ材(評価用塗装サンプル)の物性を調べた。結果を表3に示す。
表3の耐摩耗性は、図6に示す要領で耐摩耗性試験用ガラス摩耗子(t=3.5mm)を備えた学振式摩耗試験器(ストローク:150mm、スピード:60回/分)を用いて試験し、評価用塗装サンプルの塗装面が摩耗あるいは剥離し、基材が露出したときの回数を調べた。この回数が多いほど塗膜の耐摩耗性が優れていることを示す。
表3の静摩擦係数及び動摩擦係数は以下の手順で求めた。ヘイドン試験器(HEIDON TRIBOGEAR TYPE32,測定子:ガラス時計皿,荷重:20N)を用い、摺動速度1000mm/minにて2回摺動させた後、3回目に摺動させた測定値を取得した。これらの摩擦係数が小さいほど塗膜の滑り性が優れていることを示す。
Figure 2019098238
ウェットオンウェットの実施例は、比較例1−3に比べて、耐摩耗性が良く、比較例1−3のうちで耐摩耗性が最も良い比較例1(セルロース繊維含有塗料)に比べても、耐摩耗性が1.2倍以上になっている。実施例の摩擦係数は比較例1よりも多少高くなっているが、実施例のセルロース繊維の含有量は比較例1の同含有量の半分以下であることを考慮すると、実施例も相当に高い滑り性を示すことがわかる。もちろん、実施例の摩擦係数は、比較例2,3よりも小さくなっている。
評価結果で特に目立つのは、実施例と比較例2は、同じくセルロース分散液を塗布した後に水性塗料を塗布する2コート方式であるところ、ウェットオンウェットの実施例は、ドライオンウェットの比較例2に比べて、耐摩耗性及び滑り性が際立って優れていることである。
表面粗さをみると、ウェットオンウェットの実施例は、比較例に比べて粗く、これが優れた耐摩耗性及び滑り性の一因になっていると認められる。
<遮音性評価>
[実施例と比較例の比較]
実施例及び比較例1−3各々の条件及び方法によって、図7に示すように、ウェザーストリップ1の中空シール部3の表面に塗装を施したサンプルを作製し、遮音性を評価した。ウェザーストリップ1は厚さ2mmの押出しスポンジ材(比重0.48)である。
図8は遮音性試験設備を示す。上下の治具21,22間にウェザーストリップ1を挟んでその全高が34%低くなるように圧縮し、残響室側に音源(残響室内90dB均一)を配置し、無響室側に無指向マイク23を配置して透過音を測定した。治具21,22の残響室側には遮蔽板24,25を設けた。測定周波数は100Hz〜10000Hzである。
透過音の測定により、ウェットオンウェットの実施例は、比較例1(セルロース繊維含有塗料)と同等以上の遮音性能を示し、ドライオンウェットの比較例2及びセルロース繊維不含有の比較例3に比べると、1000Hz〜4000Hzの周波数の範囲において2dB程度音圧が低くなることがわかった。
一方、ドライオンウェットの比較例2はセルロース繊維不含有の比較例3と略同じ遮音特性を示した。これは、比較例2の場合、図5に示すように、セルロース繊維5が水性塗料全体に分散されていないことが塗膜の切断断面から観察され、この不十分な分散により、セルロース繊維5が遮音性の改善にあまり働いていないと推測される。塗膜の切断断面を観察すると、図5に示すように、樹脂塗膜6の表面側はセルロース繊維5を含まない樹脂単独層15になっている。
[ゴムスポンジ材の比重と遮音特性との関係]
比重がそれぞれ0.48、0.53、0.57、0.70であるウェザーストリップ(厚さ2mmのEPDM押出加硫スポンジ材)を準備した。比重が異なるこれらウェザーストリップに、実施例(ウェットオンウェット)及び比較例3(セルロース繊維不含有)の条件及び方法で樹脂塗膜を形成した。塗膜の乾燥硬化条件は、温度を90℃、乾燥時間を10分間とした。得られた各ウェザーストリップについて、図8に示す遮音性試験設備にて、透過音の測定を行なった。音源側の音圧を90dB、測定周波数は100Hz〜10000Hzの範囲とした。1kHz〜4kHz帯域でのオーバーオール(OA)値の結果を図9に示す。
図9によれば、ウェットオンウェット及びセルロース繊維不含有のいずれにおいて、ゴムスポンジ材の比重が小さくなるに従って、透過音が大きくなる(遮音性が低下する)傾向が見られる。しかし、ウェットオンウェットでは、比重0.7以下において、セルロース繊維不含有よりも遮音性が良く、且つ比重が小さくなるほどセルロース繊維不含有よりも遮音効果が高くなっている。
[セルロース繊維の繊維径の影響]
セルロース繊維の繊維径がそれぞれ10nm、100nm、1μm、10μmである各2%セルロース繊維スラリーを用い、実施例(ウェットオンウェット)の条件及び方法により、セルロース繊維の繊維径が異なる各ウェザーストリップを作製した。そうして、それらウェザーストリップの透過音を図8に示す設備で測定した。
その結果、多少ばらつきはあるが、セルロース繊維の繊維径が異なっても、略同じ遮音特性が得られることを確認した。
1 ウェザーストリップ
2 取付基部
3 中空シール部
4 ゴムスポンジ材
5 セルロース繊維
6 樹脂塗膜
11 セルロース分散液
12 水性塗料
13 塗装ガン
15 樹脂単独層

Claims (6)

  1. ウェザーストリップの表面にセルロース繊維含有塗膜を形成する塗装方法であって、
    セルロース繊維を水に分散させたセルロース分散液を上記ウェザーストリップの表面に塗布する工程と、
    上記ウェザーストリップにおける上記セルロース分散液の塗布面に、水性塗料をウェットオンウェットで塗布する工程とを備えていることを特徴とするウェザーストリップの塗装方法。
  2. ウェザーストリップの表面にセルロース繊維含有塗膜を形成する塗装方法であって、
    水性塗料を上記ウェザーストリップの表面に塗布する工程と、
    上記ウェザーストリップにおける上記水性塗料の塗布面に、セルロース繊維を水に分散させたセルロース分散液をウェットオンウェットで塗布する工程とを備えていることを特徴とするウェザーストリップの塗装方法。
  3. ウェザーストリップの表面にセルロース繊維含有塗膜を形成する塗装方法であって、
    水性塗料を上記ウェザーストリップの表面に塗布する工程と、
    上記ウェザーストリップにおける上記水性塗料の塗布面に、セルロース繊維を水に分散させたセルロース分散液をウェットオンウェットで塗布する工程と、
    上記ウェザーストリップにおける上記セルロース分散液の塗布面に、水性塗料をウェットオンウェットで塗布する工程とを備えていることを特徴とするウェザーストリップの塗装方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    上記水性塗料は、ウレタン系又はシリコーン系の水性塗料であることを特徴とするウェザーストリップの塗装方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    上記セルロース繊維含有塗膜を上記ウェザーストリップのゴムスポンジ材よりなる部分の表面に形成することを特徴とするウェザーストリップの塗装方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    上記水性塗料の樹脂固形分100質量部に対して上記セルロース繊維が0.2質量部以上50質量部以下の比率になるように、上記セルロース繊維含有塗膜を形成することを特徴とするウェザーストリップの塗装方法。
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