JP2019095619A - ズームレンズ及びそれを有する光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】全系が小型で、しかも全ズーム範囲に渡り高い光学性能を有したズームレンズ及びそれを有する光学機器を提供する。【解決手段】物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、負の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5を有し、ズーミングに際して第1レンズ群L1は物体側に移動するズームレンズであって、ズーミングに際する第4レンズ群L4と第5レンズ群L5の群間隔の変化量をLS4、広角端における光学全長をTLW、ズーム比をZ、第2レンズ群L2の焦点距離をf2、第4レンズ群L4の焦点距離をf4、広角端における射出瞳面から像面までの距離をTk、広角端におけるレンズ全系の焦点距離をfwとするとき、以下の条件式を満足する。0.012<−LS4/TLW/Z<0.20、0.9<f4/f2<2.3、2.6<Tk/fw<4.3【選択図】図1

Description

本発明は、ズームレンズ及びそれを有する光学機器に関し、ズームレンズとして、例えばデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、TVカメラ、監視用カメラ、銀塩フィルム用カメラ等の撮像装置に用いられる撮像光学系に好適なものである。
近年、レンズ交換式スチルカメラ等の撮像装置に用いる撮像光学系には、その携帯性を確保するため、レンズ全長が短く、全系が小型であることが要求されている。また、様々な撮影シーンで用いるため、標準画角を含み、幅広い焦点距離域を網羅した比較的高変倍で、全ズーム範囲にわたり高い光学性能を有するズームレンズであること等が要求されている。
これらの要求に対し、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群からなる4群のズームレンズ(特許文献1)が知られている。
また、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群からなる5群のズームレンズが知られている(特許文献2、3)。
特許文献1には、ズーム比が4倍程度の4群ズームレンズが開示されている。特許文献2には、ズーム比が5倍程度の5群ズームレンズが開示されている。特許文献3にはズーム比が3.5倍程度の5群ズームレンズが開示されている。
特開2007−264381号公報 特開2012−141555号公報 特開2010−175900号公報
撮像装置に用いるズームレンズとして、全系の小型化を図りつつ、全ズーム範囲に渡り高い光学性能を得るには、ズームタイプや各レンズ群のレンズ構成等を適切に設定することが重要である。
高解像力化を図りつつ、高変倍化を図るには、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔を変倍に際し広げると効率が良い。しかしながら、第1レンズ群のズーミングに際する移動量を多くしてしまうと、第1レンズ群を保持するための機構もそれだけの長さが必要となり、それを格納するため全系の小型化を満足することが大変困難になってくる。
例えば全系の小型化を図って構造を容易にするため、特許文献1のように4群ズームレンズを選択すると、5群ズームレンズと比較して、第3レンズ群以降での変倍効果が弱く、これにより第1レンズ群の変倍負担が大きくなり、第1レンズ群を保持するための機構もそれだけの長さが必要となり、全系が大型化してしまう。
そして、例えば、5群ズームレンズを選択しても、第3レンズ群以降のパワー配置が適切でないと、第4レンズ群による変倍効果が弱くなり、第1レンズ群のズーミングに際する移動量が多くなり、第1レンズ群を保持するための機構もそれだけの長さが必要となり、全系の小型化を満足することが大変困難になってくる。
特許文献2に開示されたズームレンズは、第3レンズ群以降のパワー配置が適切でなく、また、第1レンズ群の移動量が小さくても、広角端の光学全長が長いと、レンズ本体全長は長くなってしまい、全系の小型化が必ずしも十分でなかった。
特許文献3に開示されたズームレンズは、第1レンズ群の移動量は小さいが、そもそも広角端の光学全長が長く、全系の小型化が必ずしも十分でなかった。
本発明は、全系が小型で、しかも全ズーム範囲に渡り高い光学性能を有したズームレンズ及びそれを有する光学機器の提供を目的とする。
本発明のズームレンズは、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群を有し、ズーミングに際して前記第1レンズ群は物体側に移動するズームレンズであって、ズーミングに際する前記第4レンズ群と前記第5レンズ群の群間隔の変化量をLS4、広角端における光学全長をTLW、ズーム比をZ、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第4レンズ群の焦点距離をf4、広角端における射出瞳面から像面までの距離をTk、広角端におけるレンズ全系の焦点距離をfwとするとき、
0.012<−LS4/TLW/Z<0.20
0.9<f4/f2<2.3
2.6<Tk/fw<4.3
なる条件式を満足することを特徴とする。
また、本発明に係る光学機器あh、上記ズームレンズを有することを特徴とする。
本発明によれば、全系が小型で、しかも全ズーム範囲に渡り高い光学性能を有したズームレンズ及びそれを有する光学機器が得られる。
第1の実施形態のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図 (A)、(B)は、数値実施例1の広角端、望遠端における縦収差図 第2の実施形態のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図 (A)、(B)は、数値実施例2の広角端、望遠端における縦収差図 第3の実施形態のズームレンズの広角端におけるレンズ断面図 (A)、(B)は、数値実施例3の広角端、望遠端における縦収差図 一眼レフカメラの要部概略図
(本発明の基本概念)
従来の4群ズームレンズでは変倍負担が第1レンズ群に依存しており、第1レンズ群のズーミングに際する移動量が多くなり、第1レンズ群を保持するための機構もそれだけの長さが必要となり、それを格納するための本体全長も長くなる傾向があった。すなわち、全系の小型化に重要なのは、第1レンズ群がズーミングに際して物体側に移動する量を少なくすることである。
そこで本発明者は、5群ズームレンズを考えた場合、5群ズームレンズにおける負の屈折力の第4レンズ群の屈折力配置とズーミングに際する移動量を適切に配置することにより、第4レンズ群による変倍効果を高めることができれば、第1レンズ群のズーミングに際する移動量を少なくすることが出来、それにより全系の小型化が達成できると考えた。
特許文献2では、第4レンズ群の屈折力が弱く、変倍効果が十分でないことが分かった。そこで本発明者は、第4レンズ群の屈折力を強め、かつズーミングに際する前記第4レンズ群と前記第5レンズ群の群間隔の変化量をある程度確保することで、第4レンズ群による変倍効果を高めた。
次に、特許文献3では、像面から射出瞳までの距離が遠く、周辺光束がテレセントリックに近くなっていた。つまり、像面へ入射する軸外主光線の角度が小さく、第3レンズ群より像面側のレンズ群について径が大型化していた。また、広角化を図って第1レンズ群に入射する軸外主光線の角度を大きくするためには、最終群の正の屈折力を強めないといけない。この2点のことから最終群の光軸上の肉厚が著しく厚くなり、それに加え、第1レンズ群以外の各レンズ群のズーミングに際する移動量を十分に確保した結果、広角端の全長が長くなっていた。
そのため、第1レンズ群のズーミングに際する移動量を少なくすることができても、全系が大きくなってしまっていた。また、広角端の広画角化を図るため、開口絞りより物体側の負の屈折力を強くする必要があり、その結果第1レンズ群が外径方向にも大型化していた。
そこで本発明者は、全系の射出瞳を像面側に寄せた。言い換えると、テレセントリックに近かった像側での軸外主光線に、予めある程度の角度を持たせた。それにより、軸外主光線の角度をある程度得ることができたため、第3レンズ群以降の正の屈折力を弱めることができ、第1レンズと第2レンズ群の合成屈折力を緩めても広画角化できることを見出した。それにより、第1レンズ群への軸外主光線の入射高も小さく出来、広画角化と全系の小型化を図っている。
ここで、上述した群ズームレンズとは、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群を有するものを総称している。そして、この第5レンズ群の後に複数のレンズ群があっても良い。
次に、本発明に係るズームレンズの具体的な構成について説明する。本発明に係るズームレンズは、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群を有し、ズーミングに際して前記第1レンズ群は物体側に移動するズームレンズであって、ズーミングに際する前記第4レンズ群と前記第5レンズ群の群間隔の変化量をLS4、広角端における光学全長をTLW、ズーム比をZ、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第4レンズ群の焦点距離をf4、広角端における射出瞳面から像面までの距離をTk、広角端におけるレンズ全系の焦点距離をfwとするとき、
0.012<−LS4/TLW/Z<0.20 ・・・(1)
0.9<f4/f2<2.3 ・・・(2)
2.6<Tk/fw<4.3 ・・・(3)
なる条件式を満足することを特徴としている。
条件式(1)はズーミングに際する前記第4レンズ群と前記第5レンズ群の群間隔の変化量を多くすることで、第4レンズ群による変倍効果を高めるための条件式である。条件式(1)の下限値を逸脱すると、第4レンズ群の変倍効果が弱くなり、これに対して第1レンズ群の変倍負担が大きくなり、全系が大型化してしまう。条件式(1)の上限値を逸脱すると、第3レンズ以降が大型化してしまい、広角端の光学全長が長くなり、全系が大型化してしまう。
条件式(1)は、より好ましくは次の数値範囲とするのが良い。
0.013<−LS4/TLW/Z<0.03 ・・・(1a)
条件式(2)は第4レンズ群のパワー(屈折力)を強くすることで、第4レンズ群による変倍効果を高めるための条件式である。条件式(2)の上限値を逸脱すると、第4レンズ群のパワーが弱く、第4レンズ群の変倍効果が弱まり、その分の変倍効果を第1レンズ群が補うため、第1レンズ群のズーミングに際する移動量が大きくなり、全系が大型化してしまう。条件式(2)の下限値を逸脱すると第4レンズ群のパワーが強すぎて、像面湾曲が大きく発生して高い光学性能を得ることが困難になってしまう。
条件式(2)は、より好ましくは次の数値範囲とするのが良い。
1.3<f4/f2<2.2 ・・・(2a)
条件式(3)は、射出瞳の位置を像面に近づけることで、全系の小型化をするための条件式である。条件式(3)の上限値を逸脱すると、射出瞳が像面から離れすぎ、全系が大型化してしまう。条件式(3)の下限値を逸脱すると、第5レンズ群の正の屈折力が弱くなりすぎ、第3レンズ群以降の正の合成屈折力が弱くなるため、広角化が困難となる。また、固体撮像素子を用いた際に画素内のマイクロレンズでケラレが発生し、周辺部でのかげりや色つきが生じるため、好ましくない。
条件式(3)は、より好ましくは次の数値範囲とするのが良い。
2.8<Tk/fw<4.2 ・・・(3a)
以上により、本発明では、全系が小型で、しかも全ズーム範囲に渡り高い光学性能を有したズームレンズを得ることができる。
次に、本発明のより好ましい条件について説明する。第1レンズ群のズーミングに際する移動量をLS1、広角端における光学全長をTLWとするとき、
0.1<LS1/TLW<0.5 ・・・(4)
なる条件式を満たすのが良い。
条件式(4)は第1レンズ群のズーミングに際する移動量を少なくすることにより、第1レンズ群を保持する機構の長さも短くし、全系を小さくするための条件式である。条件式(4)の上限値を逸脱すると、第1レンズ群のズーミングに際する移動量が多くなりすぎ、それによって第1レンズ群を保持する機構の長さも同時に長くなり、そのため全系が大型化してしまう。条件式(4)の下限値を逸脱すると、第1レンズ群による変倍負担を達成するため、第1レンズ群のパワーが強くなりすぎ、広角化が困難に成ってしまう。
条件式(4)は、より好ましくは次の数値範囲とするのが良い。
0.15<LS1/TLW<0.4 ・・・(4a)
また、第5レンズ群の第1レンズの物体側の面から最終レンズの像面側の面までの光軸上の距離(総肉厚)をBLD5、広角端での光学全長をTLWとするとき、
0.02<BLD5/TLW<0.20 ・・・(5)
なる条件式を満たすのが良い。
条件式(5)は第5レンズ群の総肉厚を薄くし、望遠端で第4レンズ群と第5レンズ群の主点間隔を近づけることにより変倍効果を高めるための条件式である。また、軸外主光線高さの高い第5レンズ群には一般的に倍率色収差補正のため低屈折率低分散材が使用されているため、条件式(5)の下限値を逸脱すると、正の屈折力を確保するのが困難となり、広角化が困難と成ってしまう。条件式(5)の上限値を逸脱すると第5レンズが大型化するか、第4レンズ群の移動量が小さくなり、いずれにしても全系が大型化してしまう。
条件式(5)は、より好ましくは次の数値範囲とするのが良い。
0.03<BLD5/TLW<0.15 ・・・(5a)
そして、第4レンズ群は、少なくとも3枚以上のレンズを有する方が良い。第4レンズ群が少なくとも3枚以上のレンズで構成されるとき、第4レンズ群の小型化を図りつつ、パワーを強めることが容易となる。
また、第4レンズ群の全部または一部が、光軸に対し垂直方向の成分を持つように移動して像位置を変える防振レンズ群である方が良い。5群ズームレンズにおいて、第4レンズ群は軸上光束と軸外主光線の高さがともに低い位置にあり、像ぶれ補正時の収差変動を最も小さくすることが出来る。
より好ましくは、第4レンズ群は正レンズと負レンズとを接合した接合レンズと、負レンズ1枚に分けられ、接合レンズを防振レンズ群とするのが良い。全系の小型化のため第4レンズ群のパワーを強くすると、第4レンズ群全体を光軸に対し垂直方向の成分を持つように移動した場合の像位置移動量は大きくなる傾向があり、制御が大変困難となる。そこで、負の屈折力を防振レンズ群である接合レンズと負レンズで分担することで、強い負の屈折力と防振性能を両立させることが可能となる。
そして、広角端における入射瞳面から射出瞳面までの距離をTD、広角端における光学全長をTLWとするとき、
|TD|/TLW<0.3 ・・・(6)
なる条件式を満たすのが良い。
条件式(6)は入射瞳面と射出瞳面の間隔を近づけることにより、全系を小型化するための条件式である。条件式(6)の上限値を逸脱すると、第3レンズ群以降の正の屈折力の合成レンズ群で、軸外主光線の角度αaをつける必要があり、第3レンズ群以降での球面収差が大きく発生して高い光学性能を得ることが困難に成ってしまう。より好ましくは次の数値範囲とするのが良い。
|TD|/TLW<0.25 ・・・(6a)
第1レンズ群の焦点距離をf1、第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
3.1<f1/|f2|<9.3 ・・・(7)
なる条件式を満たすのが良い。
条件式(7)は第1レンズ群のパワーを強くすることにより、第1レンズ群のズーミングに際する移動量を少なくし、第1レンズ群を保持する機構を短くし、全系を小さくするための条件式である。条件式(7)の上限値を逸脱すると、第1レンズ群のズーミングに際する移動量が多くなりすぎ、それによって第1レンズ群を保持する機構も長くなり、そのため全系が大型化してしまう。条件式(7)の下限値を逸脱すると、第1レンズ群と第2レンズ群の負の合成パワーが弱くなりすぎ、広角化が困難に成ってしまう。
条件式(7)は、より好ましくは次の数値範囲とするのが良い。
4.0<f1/|f2|<8.0 ・・・(7a)
そして、第2レンズ群の焦点距離をf2、第3レンズ群の焦点距離をf3とするとき、
1.0<f3/|f2|<2.0 ・・・(8)
なる条件式を満たすのが良い。
条件式(8)は、第3レンズ群のパワーを適切に設定することにより、射出瞳を像面に近づけるための条件式である。条件式(8)の上限値を逸脱すると、射出瞳が像面から離れすぎ、全系が大型化してしまう。条件式(8)の下限値を逸脱すると、球面収差が大きく発生して高い光学性能を得ることが困難に成ってしまう。
条件式(8)は、より好ましくは次の数値範囲とするのが良い。
1.2<f3/|f2|<1.7 ・・・(8a)
そして、第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第5レンズ群の焦点距離をf5とするとき、
2.0<f5/|f2|<4.0 ・・・(9)
なる条件式を満たすのが良い。
条件式(9)は、第5レンズ群のパワーを適切に設定することにより、射出瞳を像面に近づけるための条件式である。条件式(9)の上限値を逸脱すると、射出瞳が像面から離れすぎ、全系が大型化してしまう。条件式(9)の下限値を逸脱すると、コマ収差が大きく発生して高い光学性能を得ることが困難に成ってしまう。
条件式(9)は、より好ましくは次の数値範囲とするのが良い。
2.1<f5/|f2|<3.5 ・・・(9a)
以下、具体的な実施形態において、詳細なレンズ構成について説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態は、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力第3レンズ群L3、負の屈折力第4レンズ群L4、正の屈折力第5レンズ群L5を有するズーム比4.1倍の5群ズームレンズを紹介している。
広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔を広げ、レンズ群L2とレンズ群L3の間隔を狭め、レンズ群L3とレンズ群L4の間隔を広げ。レンズ群L4とレンズ群L5の間隔を狭めるように各レンズ群が移動している。また、第2レンズ群L2を物体側に移動することで無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングを行っている。
第4レンズ群L4の第1レンズと第2レンズの接合レンズを光軸に対して垂直方向の成分を持つように移動して、結像位置を光軸に対して垂直方向へ変移させている。即ち、防振を行っている。広角端から望遠端へのズーミングに際して、第4レンズ群L4と第5レンズ群L5との間隔を詰め、かつ条件式(1)を満たしている。それにより、第4レンズL4の変倍効果を高めることが出来、全系の小型化を容易にしている。
第2レンズ群L2と第4レンズ群L4は、条件式(2)を満たしており、それにより第4レンズL4の変倍効果を高めることが出来、全系の小型化を容易にしている。
広角端における射出瞳面から像面までの距離と広角端におけるレンズ全系の焦点距離は、条件式(3)を満たしており、それにより全系の小型化を容易にしている。
第1レンズ群のズーミングに際する移動量LS1と広角端における光学全長TLWは、条件式(4)を満たしており、第1レンズ群を保持する機構の長さが小さく、それにより全系の小型化を容易にしている。
第5レンズ群の総肉厚BLD5と広角端における光学全長TLWは、条件式(5)を満たしており、第5レンズ群の総肉厚を薄くし、望遠端で第4レンズ群と第5レンズ群の主点間隔を近づけることにより変倍効果を高めている。
(第2の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態と同様のレンズ群構成からなるズーム比4.1倍の5群ズームレンズを紹介している。広角端から望遠端へのズーミングに際するレンズ群の移動、およびフォーカシング方法は、第1の実施形態と同様である。
第4レンズ群L4の第1レンズと第2レンズの接合レンズを光軸に対して垂直方向の成分を持つように移動して、結像位置を光軸に対して垂直方向へ変移させている。即ち、防振を行っている。広角端から望遠端へのズーミングに際して、第4レンズ群L4と第5レンズ群L5との間隔を詰め、かつ条件式(1)を満たしている。それにより、第4レンズL4の変倍効果を高めることが出来、全系の小型化を容易にしている。
第2レンズ群L2と第4レンズ群L4は、条件式(2)を満たしており、それにより第4レンズL4の変倍効果を高めることが出来、全系の小型化を容易にしている。
広角端における射出瞳面から像面までの距離と広角端におけるレンズ全系の焦点距離は、条件式(3)を満たしており、それにより全系の小型化を容易にしている。
広角端における入射瞳面から射出瞳面までの距離TDと広角端における光学全長TLWは、条件式(6)を満たしており、入射瞳面と射出瞳面の間隔を近づけることにより、全系を小型化するための条件式である。
(第3の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態と同様のレンズ群構成からなるズーム比3.4倍の5群ズームレンズを用いる。広角端から望遠端へのズーミングに際するレンズ群の移動、およびフォーカシング方法は、第1の実施形態と同様である。
第4レンズ群L4の第1レンズと第2レンズの接合レンズを光軸に対して垂直方向の成分を持つように移動して、結像位置を光軸に対して垂直方向へ変移させている。即ち、防振を行っている。広角端から望遠端へのズーミングに際して、第4レンズ群L4と第5レンズ群L5との間隔を詰め、かつ条件式(1)を満たしている。それにより、第4レンズL4の変倍効果を高めることが出来、全系の小型化を容易にしている。
第2レンズ群L2と第4レンズ群L4は、条件式(2)を満たしており、それにより第4レンズL4の変倍効果を高めることが出来、全系の小型化を容易にしている。
広角端における射出瞳面から像面までの距離と広角端におけるレンズ全系の焦点距離は、条件式(3)を満たしており、それにより全系の小型化を容易にしている。
第5レンズ群の総肉厚BLD5と広角端における光学全長TLWは、条件式(5)を満たしており、第5レンズ群の総肉厚を薄くし、望遠端で第4レンズ群と第5レンズ群の主点間隔を近づけることにより変倍効果を高めている。
第2レンズ群の焦点距離f2、第3レンズ群の焦点距離f3は、条件式(8)を満たしており、第3レンズ群のパワーを適切に設定することにより、射出瞳を像面に近づけている。
以上、本発明の好ましい光学系の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
図7は、一眼レフカメラの要部概略図である。図7において、10は上述した実施形態に係るズームレンズ1を有する撮影レンズである。ズームレンズ1は、保持部材である鏡筒2に保持されている。20はカメラ本体であり、撮影レンズ10からの光束を上方に反射するクイックリターンミラー3、撮影レンズ10の像形成位置に配置された焦点板4より構成されている。更に、焦点板4に形成された逆像を正立像に変換するペンタダハプリズム5、その正立像を観察するための接眼レンズ6などによって構成されている。
7は感光面であり、CCDセンサやCMOSセンサ等のズームレンズによって形成される像を受光する固体撮像素子(光電変換素子)や銀塩フィルムが配置される。撮影時にはクイックリターンミラー3が光路から退避して、感光面7上に撮影レンズ10によって像が形成される。上述した実施形態で説明した利点については、本実施形態に開示した光学機器としての撮像装置において効果的に享受される。
また、上述した実施形態に係るズームレンズは、クイックリターンミラーのない、ミラーレスのカメラにも同様に適用することができる。また、プロジェクター用の画像投射光学系に適用することもできる。
(数値実施例)
以下に、第1乃至第3の実施形態に対応する数値実施例1乃至3を示す。各数値実施例において、iは物体側からの面の順番を示す。そして、数値実施例において、riは物体側より順に第i番目のレンズ面の曲率半径、diは物体側より順に第i番目のレンズ厚及び空気間隔、ndiとνdiは各々物体側より順に第i番目のレンズの材料の屈折率とアッベ数である。BFは、バックフォーカスである。非球面形状は光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH軸、光の進行方向を正とし、rを近軸曲率半径、各非球面係数をK、A4、A6、A8、A10としたとき
で与えるものとする。各非球面係数において「e−x」は「10-x」を意味する。また、焦点距離、Fナンバー等のスペックに加え、画角は全系の半画角、像高は半画角を決定する最大像高、レンズ全長は第1レンズ面から像面までの距離である。バックフォーカスBFは最終面から像面までの長さを示している。
また、ズームレンズ群データは、各レンズ群の焦点距離、光軸上の長さ、前側主点位置、後側主点位置を表している。また、各光学面の間隔dが(可変)となっている部分は、ズーミングに際して変化するものであり、別表に焦点距離に応じた面間隔を記している。また、有効径が(可変)となっている部分は、ズーミングに際して口径が変化する可変絞りを表しており、別表にeaとして焦点距離に応じた有効径を記している。
(数値実施例1)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 109.206 1.53 1.84663 20.9 62.45
2 60.054 8.10 1.59522 67.7 59.97
3 421.847 0.15 59.51
4 46.939 5.81 1.76385 48.5 55.00
5 94.378 (可変) 54.19
6* 143.418 0.79 1.76385 48.5 28.93
7* 13.382 6.92 21.11
8 -34.439 1.10 1.88300 40.8 20.82
9 61.666 0.15 20.08
10 37.180 3.68 1.78760 23.4 20.01
11 -41.723 1.55 19.67
12 -20.753 1.00 1.76385 48.5 19.29
13 -30.857 (可変) 19.25
14 ∞ 1.00 (可変)
15(絞り) ∞ 0.30 20.13
16 24.579 2.63 1.49700 81.5 21.73
17 55.896 0.15 21.75
18 23.442 1.30 1.80610 33.3 22.16
19 15.470 8.23 1.49700 81.5 21.20
20 -40.822 0.18 21.04
21* 37.533 2.25 1.58313 59.4 20.07
22 100.434 (可変) 19.50
23 -95.183 2.14 1.80518 25.4 15.77
24 -20.087 0.50 1.72000 42.0 15.92
25 53.343 2.35 16.34
26 -57.674 0.51 1.64769 33.8 16.90
27 183.652 (可変) 17.47
28* 111.073 5.42 1.58313 59.4 23.59
29 -22.506 0.22 24.33
30 -61.252 4.49 1.49700 81.5 24.58
31 -19.331 0.78 2.00100 29.1 24.83
32 -41.333 (可変) 26.50
像面 ∞

非球面データ
第6面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.43483e-005 A 6=-3.33332e-008 A 8= 7.45730e-011 A10= 4.29250e-016

第7面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.53675e-006 A 6=-3.83610e-008 A 8= 2.09904e-012 A10=-1.82579e-013

第21面
K = 0.00000e+000 A 4=-2.29116e-005 A 6=-6.31099e-008 A 8= 6.18082e-011 A10=-8.32110e-013

第28面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.44049e-005 A 6= 2.20643e-008 A 8=-9.78459e-011 A10= 2.35482e-013

各種データ
ズーム比 4.14
広角 中間 望遠
焦点距離 24.66 50.00 102.05
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
画角 41.26 23.40 11.97
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 135.85 149.34 167.98
BF 39.35 47.41 55.44

d 5 2.43 19.68 37.28
d13 19.33 8.00 1.00
d22 2.19 6.78 10.03
d27 9.33 4.25 1.00
d32 39.35 47.41 55.44

ea15 13.73 16.56 19.56
(数値実施例2)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 100.702 1.50 1.85478 24.8 58.42
2 54.404 7.67 1.59522 67.7 55.02
3 271.623 0.15 53.99
4 52.618 5.54 1.76385 48.5 50.50
5 135.433 (可変) 49.47
6* 252.100 1.00 1.76385 48.5 28.32
7* 13.486 6.68 20.60
8 -33.009 1.00 1.88300 40.8 20.34
9 45.201 0.15 19.72
10 34.686 3.97 1.85478 24.8 19.76
11 -40.185 1.13 19.45
12 -23.371 1.00 1.76385 48.5 19.19
13 -32.001 (可変) 19.09
14(絞り) ∞ 0.30 15.26
15 15.072 3.02 1.49700 81.5 16.07
16 64.882 0.15 15.81
17 47.054 1.12 1.80610 33.3 15.74
18 18.284 3.98 1.49700 81.5 15.18
19 -40.735 0.18 14.96
20* 23.394 1.79 1.58313 59.4 14.23
21 27.722 (可変) 13.58
22 -58.589 2.68 1.80518 25.4 13.08
23 -14.989 1.10 1.72000 42.0 13.50
24 51.367 2.50 14.36
25 -48.803 1.20 1.64769 33.8 15.35
26 -158.110 (可変) 16.24
27* 66.253 5.85 1.58313 59.4 26.09
28 -32.268 0.22 26.98
29 138.406 6.95 1.49700 81.5 27.95
30 -24.563 1.00 2.00100 29.1 28.13
31 -63.488 (可変) 29.62
像面 ∞

非球面データ
第6面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.88647e-005 A 6=-1.56207e-008 A 8=-1.17550e-010 A10= 3.32745e-013

第7面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.40197e-006 A 6=-3.39839e-008 A 8= 1.36961e-009 A10=-7.23864e-012

第20面
K = 0.00000e+000 A 4=-4.85298e-005 A 6=-3.20519e-007 A 8=-6.94914e-011 A10=-2.04575e-011

第27面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.08678e-005 A 6= 2.87399e-008 A 8=-1.25455e-010 A10= 3.06464e-013

各種データ
ズーム比 4.13
広角 中間 望遠
焦点距離 24.70 50.00 102.10
Fナンバー 3.60 4.61 5.76
画角 41.22 23.40 11.96
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 132.50 150.07 171.20
BF 39.00 49.48 60.32

d 5 2.47 19.87 36.85
d13 18.07 7.76 1.07
d21 2.54 6.62 10.07
d26 8.58 4.50 1.05
d31 39.00 49.48 60.32
(数値実施例3)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 ∞ 1.65 69.65
2 108.296 1.40 1.85478 24.8 59.43
3 55.846 6.90 1.71300 53.9 56.78
4 174.421 0.15 56.10
5 55.436 4.93 1.76385 48.5 53.30
6 114.126 (可変) 52.39
7* 122.488 0.90 1.77250 49.6 32.51
8* 15.200 8.60 23.95
9 -34.085 0.90 1.88300 40.8 23.74
10 54.254 0.15 23.57
11 40.063 4.36 1.85478 24.8 23.79
12 -61.805 (可変) 23.62
13 ∞ 3.26 (可変)
14(絞り) ∞ 1.41 20.36
15 19.802 1.10 1.85478 24.8 22.75
16 16.024 8.15 1.49700 81.5 22.00
17 -38.013 0.15 21.83
18* 30.213 2.08 1.58313 59.4 20.43
19 44.339 (可変) 19.70
20 -123.052 2.11 1.80518 25.4 16.13
21 -30.074 1.00 1.72000 42.0 15.91
22 69.437 2.35 15.96
23 -53.227 1.00 1.64769 33.8 16.52
24 -996.514 (可変) 17.16
25* 51.452 4.95 1.58313 59.4 21.11
26 -25.474 0.15 21.85
27 -158.137 1.00 2.00069 25.5 22.12
28 89.423 (可変) 22.40
像面 ∞

非球面データ
第7面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.71901e-005 A 6=-6.01738e-008 A 8= 1.44389e-010 A10=-1.63801e-013

第8面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.17812e-005 A 6= 4.66271e-008 A 8=-4.47493e-010 A10= 3.23690e-012

第18面
K = 0.00000e+000 A 4=-1.61979e-005 A 6=-9.04859e-008 A 8= 8.50771e-011 A10=-2.39969e-012

第25面
K = 0.00000e+000 A 4=-3.54335e-005 A 6= 1.11218e-007 A 8=-9.75594e-010 A10= 3.30856e-012

各種データ
ズーム比 3.44
広角 中間 望遠
焦点距離 24.71 50.00 84.96
Fナンバー 4.12 4.12 4.12
画角 41.20 23.40 14.29
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 136.25 148.91 165.56
BF 39.00 51.56 57.60

d 6 3.10 19.68 37.28
d12 24.47 8.00 1.00
d19 3.18 6.78 10.03
d24 7.85 4.25 1.00
d28 39.00 51.56 57.60

ea13 13.50 16.59 18.81
L1 第1レンズ群 L2 第2レンズ群 L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群 L5 第5レンズ群
SP 絞り
Focus フォーカシングで移動する群とその方向
IS 防振でシフトするレンズ群

Claims (10)

  1. 物体側より像側へ順に、
    正の屈折力の第1レンズ群と、
    負の屈折力の第2レンズ群と、
    正の屈折力の第3レンズ群と、
    負の屈折力の第4レンズ群と、
    正の屈折力の第5レンズ群と、を有し、
    ズーミングに際して前記第1レンズ群は物体側に移動するズームレンズであって、
    ズーミングに際する前記第4レンズ群と前記第5レンズ群の群間隔の変化量をLS4、広角端における光学全長をTLW、ズーム比をZ、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第4レンズ群の焦点距離をf4、広角端における射出瞳面から像面までの距離をTk、広角端におけるレンズ全系の焦点距離をfwとするとき、
    0.012<−LS4/TLW/Z<0.20
    0.9<f4/f2<2.3
    2.6<Tk/fw<4.3
    なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
  2. ズーミングに際する前記第1レンズ群のズーミングに際する移動量をLS1とするとき、
    0.1<LS1/TLW<0.5
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  3. 前記第5レンズ群の総肉厚をBLD5とするとき、
    0.02<BLD5/TLW<0.20
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
  4. 前記第4レンズ群は、少なくとも3枚のレンズを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  5. 前記第4レンズ群の全部または一部が、光軸に対し垂直方向の成分を持つように移動して像位置を変える防振レンズ群であることを特徴とする請求項4に記載のズームレンズ。
  6. 広角端における入射瞳面から射出瞳面までの距離をTDとするとき、
    |TD|/TLW<0.3
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  7. 前記第1レンズ群の焦点距離をf1とするとき、
    3.1<f1/|f2|<9.3
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  8. 前記第3レンズ群の焦点距離をf3とするとき、
    1.0<f3/|f2|<2.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  9. 前記第5レンズ群の焦点距離をf5とするとき、
    2.0<f5/|f2|<4.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のズームレンズを有する光学機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021258295A1 (en) * 2020-06-23 2021-12-30 Guangdong Oppo Mobile Telecommunications Corp., Ltd. Imaging lens assembly, camera module and imaging device

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