JP2019094659A - 除雪機 - Google Patents

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Abstract

【課題】オーガーを備えた除雪部の前部に設けられた排雪板を、排雪板作業状態と排雪板非作業状態との切換えが容易に可能である除雪機を提供する。
【解決手段】除雪部5の前方部に配置可能な除雪用排雪板6を有していて、該排雪板6は、前記除雪部5前方に位置させた排雪板作業状態と、前記オーガーハウジング50の上方部に位置させた排雪板非作業状態とに切換えが可能で、前記排雪板6は、前記排雪板6に備えられた回動アーム60により回動される構造であって、前記回動アーム60には、前記排雪板6を上方側へ向かう回動方向に付勢するように回動アーム用弾性体66とを備えた除雪機1。さらに、前記除雪機1は前記排雪板6の排雪板非作業状態の姿勢を固定できる固定手段73を備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、機体の前部に雪の掻き込みオーガーや掻き込んだ雪をブロワーによって投雪する除雪部を設け、除雪部のさらに前方に排雪板を配置可能にした除雪機に関するものである。
従来、雪の掻き込みオーガーを設けブロワーによって投雪する除雪部を設けた除雪機は公知である。また、除雪部の前方にさらに排雪板を配置できる除雪機も公知となっている。例えば、特開2015−187340号公報の「除雪機」が公知である。この除雪機は、投雪場所等が十分に確保できる場所での作業には除雪部のブロワーによって投雪し除雪作業を効率よく行うことが可能であり、投雪場所等が十分確保できない場合や積雪量が少ない場合には排雪板により雪を押し出す作業に切換えると効率よく除雪作業が行えるという利点がある。
特開2015−187340号公報
前述したように、ブロワーによって投雪する除雪方法と、排雪板によって雪を押し出す除雪方法とを切換えることよって効率よい作業が可能であるが、商品バリエーションによって、オーガーの除雪機の進行方向と直交した方向の作業幅が広くなると、排雪板の幅も広がることになり、必然的に排雪板の重量が増加する。特許文献1の除雪機において、排雪板での作業状態と非作業状態とに切換える際に、重量が増加した排雪板を持ち上げることは、作業者へ大きな負担を強いる問題があった。また、非作業状態で排雪板の姿勢を保持する際に、排雪板に設けられた回動アームのストッパーピンを、ストッパーブラケットの係合孔に嵌合させ抜け止めピンを差し込む構造上、重量物である排雪板を一方の片手で保持しながら、他方の片手でストッパーピンを差し込まざるを得ず、作業者が排雪板の保持を誤ると、排雪板が回動し落下する危険が伴う。
このため本発明は、排雪板の作業状態と非作業状態との切換え時の操作負担を軽減させるとともに、排雪板の非作業状態での姿勢保持操作及び姿勢解除操作を簡便にして、作業者が容易に排雪板を切換えることが可能で、効率良い除雪作業が行える除雪機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1記載の除雪機は、前方に向かって開口するオーガーハウジングを設け、オーガーハウジング内の回転するオーガーによって中央部に集雪した雪を、その後方で回転駆動されるブロワーで投雪する除雪部を機体前部に設けた除雪機において、該除雪部の前方部に配置可能な除雪用排雪板を有していて、該排雪板は、前記除雪部前方に位置させた排雪板作業状態と、前記オーガーハウジングの上方部に位置させた排雪板非作業状態とに切換えが可能で、前記切換えは、前記排雪板から左右それぞれ延設され、前記オーガーハウジングの左右側板外側部に上下回動自在に取付けられた回動アームにより回動され切換えられる構造であって、前記回動アームには、前記排雪板を上方側へ向かう回動方向に付勢するように回動アーム用弾性体と、を備えたことを特徴とした除雪機である。
また、上記課題を解決するために、請求項2記載の除雪機は、前記排雪板非作業状態の前記排雪板の姿勢は、該姿勢を保持できる固定手段と、前記固定手段には、前記排雪板非作業状態の前記排雪板を保持する方向に付勢する固定手段用弾性体と、を備えていて、前記固定手段を解除する操作をした時にのみ、前記排雪板の前記排雪板非作業状態を解除する、ことを特徴とした請求項1に記載の除雪機である。
また、上記課題を解決するために、請求項3記載の除雪機は、前記排雪板の前記排雪板非作業状態の姿勢は、前記排雪板を前記排雪板作業状態から前記排雪板非作業状態へ回動させるのみで、前記固定手段によって保持できる、ことを特徴とした請求項2記載の除雪機である。
また、上記課題を解決するために、請求項4記載の除雪機は、前記排雪板には、前記排雪板を回動させる操作をするための取手部と、前記固定手段には、前記固定手段を操作するためのレバーを設けていて、前記排雪板非作業状態の前記排雪板の前記取手部と前記レバーは、片手で操作できるように近接させて配置されている、ことを特徴とした請求項3に記載の除雪機である。
本発明によると、排雪板の作業状態と非作業状態との切換え時の操作負担を軽減させる。さらに、排雪板の非作業状態での姿勢保持操作及び姿勢解除操作を簡便にして、作業者が容易に排雪板を切換えることが可能で、効率良い除雪作業が行える除雪機を提供できる。
本発明の第1実施形態例を示す除雪機の排雪板非作業状態時の左側面図である。 本発明の第1実施形態例を示す除雪機の排雪板作業状態時の左側面図である。 本発明の第1実施形態例を示す除雪機の排雪板非作業状態時の進行方向前方から見た作業時の正面図である。 本発明の第1実施形態例を示す除雪機の排雪板作業状態時の排雪板を断面して拡大した側面図である。 本発明の第1実施形態例を示す除雪機の排雪板非作業状態時の排雪板を図1に示すA−Aで断面して進行方向左側の排雪板部を拡大した正面図である。 本発明の第1実施形態例を示す除雪機の排雪板非作業状態時の要部を一部断面して拡大した左側面図である。 本発明の第2実施形態例を示す除雪機の排雪板作業状態時の要部を拡大した左側面図である。 本発明の第3実施形態例を示す除雪機の排雪板作業状態時の要部を拡大した左側面図である。
本発明の実施例の第1実施形態を、図1乃至図6に基づいて説明する。
除雪機1は、走行用として機体左右に走行クローラベルト4を設け、これを駆動して前後に走行する。機体前方部に除雪部5を設け、機体後方に機体を操作する操作部3を設け、機体中央部に走行部や除雪部5の動力源であるエンジンを収納したエンジン部2を設けている。
前記操作部3には、作業者が握って操作するハンドル30が左右に設けられ、その中央部に機体の各部を作動させるための各操作レバーやスイッチ類が設けられていて、作業者はこれらを操作して除雪作業を行う。
機体前方部に設けた前記除雪部5は、進行方向と直交する水平回転軸に設けたオーガー51によって中央部に雪を掻き集め、中央部後方に設けたブロワーで上方に向けたシューター52より雪を投雪する。投雪する方向は前記シューター52を水平回動させて方向を変更できる。また、投雪角度は前記シューター52上端部のデフレクター520の角度を変更することで可能となっている。前記オーガー51は前方部が開口したオーガーハウジング50により覆われていて、前記オーガー51の雪の掻き込みを誘導するとともに、巻き込まれ防止等の安全のため設けられている。
前記除雪部5前方には、前記除雪機1を前進させることにより雪を押し出す排雪板6が配設可能である。前記排雪板6は、前記除雪部5前方に位置した図2に示す排雪板作業状態と、前記オーガーハウジング50の上方部に位置する図1に示す排雪板非作業状態とに切換えが可能である。前記切換えは、前記排雪板6から左右それぞれ延設され、前記オーガーハウジング50の左右端部のオーガーハウジング側板500外側部に上下回動自在に取付けられた回動アーム60により回動され切換えられる構造となっている。前記排雪板6が前記オーガーハウジング50の上方部に位置する排雪板非作業状態では、前記除雪部5を駆動し、雪を投雪する除雪作業が可能である。
投雪による除雪作業は、投雪場所等が十分に確保できる場所では効率的である。しかし、投雪場所等が十分確保できない場合や積雪量が少ない場合には、前記排雪板6により雪を押し出しての除雪作業に切換えると効率よく除雪作業が行える。前記排雪板6による除雪作業のときは、前記除雪部5の駆動を停止し、前記排雪板6を前記除雪部5の前方に位置するように回動させてから行う。
前記排雪板6は、雪を押すためのブレード61と、該ブレード61下方端部に設けられたスクレ−パー62と、前記ブレード61の両側の側方端部に設けたブレード側板63と、前記排雪板6の上下回動を操作するために作業者が握る取手部64と、前記排雪板6を前記除雪部5に上下回動自在に連結している回動アーム60と、前記回動アーム60を前記オーガーハウジング50に保持するためのサポートアーム65と、前記排雪板6を回動方向の上方側に付勢するための回動アーム用弾性体66と、を備えている。
前記ブレード61は、排雪板作業状態において雪を押すために、前方に開口部を向け、側方断面が後方に向け膨らんだ弓形の略円弧状をしている。前記ブレード61の幅は、前記オーガーハウジング50の外端の幅と同等、又は、これより幅が広く設けられる。
前記ブレード61の下方端部にはブレード61の略全幅にわたってスクレーパー62が取付けられている。前記スクレーパー62は、前記ブレード61と進行方向と直交する向きの幅を略同じにした略矩形状の板部材である。
前記排雪板6が排雪板作業状態のとき、前記スクレーパー62は、雪を前記ブレード61に誘導し掻き込む効果がある。前記スクレーパー62は、前端部から後方に向け鋭角に傾斜していて前記ブレード61を雪面に押し付けて食い込ませ、前進することにより雪を前記ブレード61の前面の凹部面に沿って誘導して上昇させ、前方に湾曲した上方部から前方に順次落とし込んで集めていく。
前記ブレード側板63は、前記ブレード61の両側の側方端部に設けられ、前記ブレード61の側方から雪が漏れないように構成される。
前記取手部64は、コの字状に折り曲げられた棒状部材で、折り曲げ部を上方及び後方に向けられ、端部を排雪板作業状態の前記ブレード61の上部で、進行方向右側の図3に示す左側に固着されている。さらに図4に示す側方の断面視で前記取手部64は、くの字状に略中央部から上方に向けて折り曲げられている。作業者は前記取手部64を把持し、前記排雪板6を上下回動させることができ、前記排雪板6を排雪板作業状態と排雪板非作業状態に切換えが可能になる。
前記回動アーム60は、前記ブレード61後面部から前記オーガーハウジング50の左右側方のオーガーハウジング側板500外側部にそれぞれ延設され、前記サポートアーム65を介して前記オーガーハウジング側板500外側部に回動自在に取付けられる。図4は、前記ブレード61が前記除雪部5の前方に位置する排雪板作業状態の排雪板6の断面を示した図である。本例における回動アーム60は、板金製で側面視上方に角部を有する略不等辺三角形状となっていて、前方角部に前記ブレード61の後面部が固着されている。
前記回動アーム60の前方から上方に伸びた上辺と後方側の辺の一部は内方にL字状に折り曲げられて剛性を持たせている。前記回動アーム60の内方にL字状に折り曲げられた上辺側は上部折り曲げ部602を形成し、後方側は後部折り曲げ部603を形成している。
前記回動アーム60の下方辺部は、板の端面が下方を向いた切りっぱなし状態である。前記回動アーム60の下方辺部は、前記排雪板6が排雪板非作業状態のとき、上方に回動されて進行方向の前方を向いた状態となり、前記オーガーハウジング側板500の前方端縁より前方に位置する。
排雪板作業状態の前記回動アーム60の略中央部で、前記上部折り曲げ部602の下方近傍には、前記回動アーム60の内側方向に向け、面と垂直に丸棒状のピン604が固着される。該ピン604は、排雪板非作業状態のとき、前記排雪板6の姿勢を保持し固定するため使用されるものである。前記ピン604の使用方法については後述する。
前記回動アーム60の回動支点は、前記回動アーム60の側面視略不等辺三角形状の上方角部近傍で内側に向けて設けられ、進行方向と直交する水平方向の回動軸である回動アーム回動支点601によって上下に回動自在に保持される。前記回動アーム支点601は、軸の中心部に貫通穴を設け、さらに外側の端部はザグリ孔を設けたピン状部材である。 前記回動アーム回動支点601は、前記オーガーハウジング50の左右側方の前記オーガーハウジング側板500外側部に配置されたサポートアーム65に回動自在に支持されている。
前記サポートアーム65は、前記オーガーハウジング側板500への取付部分である取付座651と、前記回動アーム回動支点601を回動自在に支持するためのボス652と、前記回動アーム60の回動を規制する下部ストッパー655と、後述する回動アーム用弾性体66を係止するための係止部656と、を備えている。
前記取付座651は、前記オーガーハウジング側板500及び前記オーガーハウジング側板500の内側に位置する前記ベアリング保持部511と共締めするためのボルト取付孔を複数有した略円形状の板である。さらに前記取付座651の略中心部には、前記オーガー51の回転軸の抜け防止のためのボルトを逃がすための孔が開けられている。前記略中央部に設けられた孔の後方で上方側には、前記回動アーム回動支点601を保持するためのボス652が設けられる。
前記ボス652は、前記取付座651の外側の面に設けられ、前記取付座651の面に対して軸を垂直に設けて固着された筒状の部材である。前記ボス652は、前記オーガー51の回転軸中心512より後方で上方にオフセットした位置に設けられている。前記ボス652の内径部に前記回動アーム回動支点601が挿入されることで、前記回動アーム60は前記サポートアーム65に対し回動自在に連結されている。
さらに、前記取付座651のオーガーハウジング側板500側から外側に向かって、前記ボス652の軸と同心にボルト653が差し込まれている。前記ボルト603の頭部は、前記取付座651の内側の面に設けたザグリ孔に沈み込むように固着され、前記ボルト653の頭部の端面は前記取付座651の内側の面と略同一に設けられている。
前記ボルト653は、前記回動アーム回動支点601の軸部に設けられた貫通孔を通り、前記回動アーム回動支点601の外側からナット654が螺入されている。本実施例においては、前記ナット654はプリベリングトルク形ナットであり、完全に締め付けなくても緩むことが無いため、完全な締め付けはされていない。完全な締め付けがされていない前記ナット654によって前記回動アーム60は、回動を妨げられることが無いと同時に、前記回動アーム回動支点601の水平方向への移動が規制される。前記取付座651の上方部には下部ストッパー655が位置している。
前記下部ストッパー655は、前記取付座652の外側方向の上方部で、前記取付座652の面と垂直に設けられた板状の部材である。本実施例において、前記下部ストッパー655の上面は、水平面に対して後方が起き上がるように15度乃至35度の角度が付くように傾斜が付けられている。
前記下部ストッパー655は、前記ブレード61が前記除雪部5の前方に位置する排雪板作業状態のとき、前記回動アーム60の前記上部折り曲げ部602が当接して下方への回動を規制する効果がある。排雪板作業状態のとき、前記下部ストッパー655によって下方への回動が規制された前記回動アーム60を有する前記排雪板6は、下方への食い込み量を一定にすることができる。
前記下部ストッパー655の下面部には、係止部656が設けられている。
前記係止部656は、後述する回動アーム用弾性体66の端部を係止するための板状部材で、前記取付座652の外側で前記下部ストッパー655の下面と垂直に設けられている。前記ボス652には、前記係止部656に端部を引っかけるようにして配置された回動アーム用弾性体66が設けられている。
前記回動アーム用弾性体66は、前記回動アーム60の上方側への回動を補助するため、前記オーガーハウジング50の左右外側に配置されたそれぞれの前記回動アーム60に設けられる。本実施例において、回動アーム用弾性体66は、ねじりコイルバネである。
前記回動アーム用弾性体66の円形に設けられたコイル部は、前記回動アーム60の回動支点である前記ボス652に挿入されている。前記回動アーム用弾性体66の両端部に設けられた腕部は、前記回動アーム用弾性体66のコイル部を接線として前記コイル部の端部から上方で外側方向に2方向に分かれるように設けられ、図4に示す側面視でV字状に設けられている。
前記回動アーム用弾性体66の腕部の一端は、前記後部折り曲げ部603の内側の面まで延設されると共に係止されている。前記回動アーム用弾性体66の腕部の他端は、前記係止部656の後方側の面まで延設されると共に係止されている。前述の様に前記回動アーム用弾性体66を設けることで、前記排雪板6は上方側へ回動する向きに付勢され、前記回動アーム60の上方側への回動するための作業者の操作力が軽減される。
前記排雪板6を排雪板非作業時にする場合、前記回動アーム用弾性体66によって操作力が軽減された排雪板6は、作業者が前記取手部64を握り前記オーガーハウジング50の上方まで容易に回動させることが可能となる。上方まで回動させた前記排雪板6は、前記オーガーハウジング50の上方部に設けた固定部7によって、下方に回動できないように係止される。
前記固定部7は、ベース71と、支点シャフト721と、固定手段73と、固定手段用弾性体75と、を備えていて、上方まで回動させた前記排雪板6を固定する機構である。また、前記固定部7の固定を解除する操作をすることで、前記排雪板6の固定を解除し、前記排雪板6を排雪板作業状態に切換え可能な状態にすることができる。
前記ベース71は、前記支点シャフト721を支持する部品で、ベース板711と、上部係止部712と、上部ストッパー713と、ボス714とを備えている。
前記ベース板711は、略凸形状に切り出された板状部材で、板面を前記オーガーハウジング50の左右に設けられた前記オーガーハウジング側板500のそれぞれの上方部で外側の面に取り付けられている。前記ベース板711に設けられた凸状部は、上方及び後方に向けて設けられている。
さらに、前記凸状部の上方端縁部の後方側の一部は、外側に向けて折り曲げられていて、後述する固定手段用弾性体75を係止するための上部係止部712を形成している。
前記ベース板711の前方には、前記上部ストッパー713が設けられる。前記上部ストッパー713は、板状の部材でV字状に折り曲げられていて、折り曲げた角部を下方に向けて配置され、板面を前記ベース板711と垂直にして固着されている。前記上部ストッパー713の折り曲げられた板の外側で前方側の面は、排雪板非作業状態のとき、前記回動アーム60の前記上部折り曲げ部602に当接して、前記回動アーム60の後方への回動を規制する効果がある。前記上部ストッパー713の折り曲げられた板の外側で後方側の面は、後述する固定手段73の端縁が当接し、前記固定手段73の前方側及び上方側への回動を規制する役割がある。
前記ベース板711の、前記上部係止部712と前記上部ストッパー713の間には、軸を前記ベース板711の板面と直交して設けられたボス714が固着されている。該ボス714は、前記オーガーハウジング側板500の上部側方に位置している。前記ボス714の両端部は、前記ベース板711の板面より突出するように設けられている。
前記オーガーハウジング50の左右それぞれに設けられた前記ボス714の内径には、前記オーガーハウジングを架け渡すように進行方向と直交して前記支点シャフト721が挿入される。前記支点シャフト721の両端部は、前記ボス714の外側の端部より突出して設けられる。
前記支点シャフト721の進行方向右側で図3に示す左側には、レバー722が設けられる。該レバー722は、棒部材をコの字状に折り曲げた形状で、2箇所の折り曲げ部を後方に向け、両端部を前記支点シャフト721に固着されている。前記レバー722の中央部は、作業者が把持して前記支点シャフト721を回動することが可能になる。また、前記レバー722は、排雪板非作業状態の前記取手部64と共に、作業者が片手で把持することが可能に、互いに近接させて設けられている。
前記支点シャフト721の両側の先端部には、排雪板非作業状態の前記排雪板6を固定するためのボス部を有した固定手段73が配置される。前記固定手段73のボス部は前記シャフト721の先端部に固着されている。
前記固定手段73は、板状で上下方向に細長い部材で、上方端側には板面と直交して設けたボス部を有し、下端側の前方側の端縁部にはU字状のフック部を形成している。前記固定手段73のフック部は、前記支点シャフト721を軸として回動自在である。
また、前記支点シャフト721の左右両側の先端部に設けられた前記固定手段73は、両方とも同じ角度に固着されていて、前記支点シャフト721の回動と連動して同じ方向に回動することが可能である。
前方側に向けられた前記固定手段73のフック状部は、前記回動アーム60の内側に固着された前記ピン604に係合することで、排雪板非作業状態の排雪板6の姿勢を固定することができる。
さらに、前記固定手段73の回動半径方向外側の先端部端縁は、先細るように傾斜部が形成されている。本実施例において、前記固定手段73の傾斜部の挟み角は、15度乃至35度に設けられている。前記固定手段73の傾斜部は、排雪板作業状態から排雪板非作業状態に切換えるために前記排雪板6を回動した時に、前記回動アーム60に設けられた前記ピン604を、前記固定手段73の傾斜部に沿わせながらスムーズに前記固定手段73のフック部に誘導する効果がある。
前記固定手段73の前方側で上方の端縁は、前記上部ストッパー713の後方側の面と当接することで、上方側への回動が規制されている。
また、排雪板非作業状態のとき、前記固定手段73と前記上部折り曲げ部602が干渉しないように、前記上部折り曲げ部602の端縁部の一部には、凹状の切欠きを設けている。
前記固定手段73と、前記前記ベース71の間には固定手段用弾性体75が配置される。本実施例において前記固定手段用弾性体75は、両端部の腕部をV字状に設けたねじりコイルバネである。前記固定手段用弾性体75は、コイル部を支点シャフト721に挿入されて、一端側の腕部は前記上部係止部712に係止され、他端側の腕部は先端部をさらに外側方向に折り曲げられて記固定手段73の後方側に係止される。
記固定手段73は、前記固定手段用弾性体75によって前記固定手段73のフック部が、常時前方側及び上方側に回動するように付勢される。付勢された前記固定手段73の前方側の板の端縁部は、前記上部ストッパー713の折り曲げられた後方側の面に当接することで、前記固定手段73の前方及び上方への回動が規制されている。
排雪板非作業状態の排雪板6は、前記固定手段73によって前記ピン604と係合することで固定された状態になり、前記固定手段用弾性体75によって固定状態を維持できる。また、排雪板作業状態から排雪板非作業状態に回動した前記排雪板6は、前記固定手段73の先端側の傾斜部に沿って前記ピン604を前記固定手段73のフック部に誘導して、前記固定手段用弾性体75によって自動的に係合することができる。
前記除雪機1の排雪板非作業状態を排雪板作業状態に切換える場合は、前記取手部64と共に前記レバー722を握って、前記支点シャフト721を回動させる。前記支点シャフト721の回動と共に前記固定手段73が回動し、前記ピン604に係合した前記固定手段73のフック部が外れる。前記ピン604との係合を解除された前記排雪板6は、排雪板作業状態にするため前方方向に回動な状態にする。
作業者は、前記取手部64と共に把持した前記レバー722から手を放した後、継続して前記取手部64を把持し続けることで、自由に前記排雪板6の回動が可能になり、前記排雪板6は排雪板作業状態に切換えることができる。回動操作中の前記排雪板6は、回動支点部に備えられた前記回動アーム用弾性体66によって、上方側に付勢されているため、作業者は前記排雪板6の自重の全部を支える必要が無く、容易に排雪板作業状態に切換えることができる。
排雪板作業状態の前記排雪板6は、前記上部折り曲げ部602が前記下部ストッパー655に当接することで、前記排雪板6の下方側への回動を規制されている。また、前記回動アーム用弾性体66によって前記排雪板6を上方側に回動を補助する力より、前記排雪板6の自重によって下方側に回動する力が大きいため、前記排雪板6は排雪板作業状態の姿勢を維持できる。
前記排雪板6を排雪板作業状態から排雪板非作業状態に切換える場合は、前記取手部64を把持し前記排雪板6を上方へ回動させると、前記上部ストッパー713に当接した前記固定手段73は、前記回動アーム60に設けられた前記ピン604が前記固定手段73の先端側の傾斜部に当接し、そのまま前記固定手段73を後方側へ回動させる。
排雪板非作業状態まで回動した前記排雪板6の前記上部折り曲げ部602が、前記上部ストッパー713に当接することで、前記排雪板6の後方側への回動を規制される。
前記ピン604によって後方側へ回動していた前記固定手段73は、再び前方側へ回動する。前記回動固定手段73のフック部は、前記回動アーム60に設けられたピン604に引っかかるように係合することで、排雪板非作業状態の前記排雪板6は姿勢を維持できる。すなわち、作業者は前記排雪板6を上方側及び後方側に回動させるのみで、容易に排雪板非作業状態の姿勢を保持できる。
また、前記回動アーム用弾性体66によって、前記排雪板6は上方側へ回動する方向に付勢されているため、作業者は前記排雪板6の自重を全部支える必要が無く、容易に排雪板非作業状態への切換えが可能になる。
本例の除雪機1によって除雪作業を行うには、比較的積雪量の多い場合は除雪部5を駆動して雪を投雪して除雪を行う。この場合、前記排雪板6は、前記オーガーハウジング50上方に回動され、前記回動アーム60の前記ピン604を前記固定手段73のフック部に係合させて排雪板非作業状態の姿勢を保持されている。
比較的積雪量が少ない場合や投雪場所が無い場合等のときは除雪部5を駆動せずに、前記排雪板6によって雪Sを押し出して除雪を行う。前記排雪板6を使用するときは、前記ブレード61に取り付けられた取手部64と、前記支点シャフト721のレバー722を把持し、固定手段73と前記回動アーム60のピン604の係合を解除し、前記排雪板6を自在に回動できる状態にする。回動自在状態の前記排雪板6を、前記オーガーハウジング50の上方から下方に回動させて、除雪部5前方部に位置させた排雪板作業状態にする。排雪板作業状態の前記排雪板6の上部折り曲げ部602は、前記下部ストッパー655と当接することにより、前記排雪板作業状態の姿勢を保持している。
走行部を駆動して前進させると、排雪板6のスクレーパー62によって掻き出された雪がブレード61に沿ってせり上がり、上方部から前方に落とされブレード61部前方に順次雪が盛り上げられ除雪を行うことができる。
前記排雪板6を使用した除雪作業が終了したら、前記ブレード61に取り付けられた取手部64を把持し前記排雪板6を上方に回動させて、排雪板非作業状態での姿勢を保持させる。
次に、本発明の別実施例として第2の形態を図7に基いて説明する。第2の形態の実施例では、前記除雪部6の上方へ回動する方向に付勢する回動アーム用弾性体66aは、引張バネを使用している。前記第1の形態とは差異点のみを説明する。
前記回動アーム用弾性体66aの螺旋状に巻かれたコイル部の両端部はフック部が形成されている。前記回動アーム用弾性体66aの一端側のフック部は、前記回動アーム60の前記上部折り曲げ部602の上面で前記回動アーム回動支点601より前方で、棒状部材をU字状に曲げて形成し両端を前記上部折り曲げ部602に固着した下部取付部67aに取り付けられている。前記回動アーム用弾性体66aの他端側のフック部は、前記ベース71の後方で外側に向けて固着されたピン状部材の上部取付部78aに取り付けられている。
上述のように前記回動アーム用弾性体66aを配置させたので、前記回動アーム用弾性体66aが縮む方向へ引張力が発生し、前記除雪部6は上方へ回動する方向に補助され、作業者の操作力が軽減される。
次に、本発明の別実施例として第3の形態を図8に基いて説明する。第3の形態の実施例では、前記除雪部6の上方へ回動する方向に付勢する回動アーム用弾性体66bは、機体及び流体を筒部内に内包し、筒部よりロッドが出入りすることで伸び側方向に反発力を発生させる弾性体を使用している。前記第1の形態とは差異点のみを説明する。
前記回動アーム用弾性体66bの筒部先端部及びロッド部先端部は取付孔が設けられている。前記回動アーム用弾性体66bのロッド部側の取付孔は、前記回動アーム60の後方部をさらに後方側に延設させ、ピン部材を外側に向けて固着させた下部取付部67aに取り付けられている。前記回動アーム用弾性体66bの筒部側の取付孔は、前記ベース71の後方で外側に向けて固着されたピン状部材の上部取付部78aに取り付けられている。
上述のように前記回動アーム用弾性体66bを配置させることで、前記回動アーム用弾性体66bは伸び側に反発力を発生させ、前記除雪部6は上方へ回動する方向に補助され、作業者の操作力が軽減される。本実施例において、回動アーム用弾性体66bは、機体及び流体を筒部内に内包し筒部よりロッドが出入りすることで反発力を発生させる弾性体を用いたが、圧縮バネを用いても同様の効果を発揮できる。
本発明は、クローラベルトやタイヤ等による走行部を有し、機体の前部に雪の掻き込みオーガーや掻き込んだ雪をブロワーによって投雪する除雪部を設け、除雪部のさらに前方に排雪板を配置可能にした除雪機に適用できる。
1 除雪機
2 エンジン部
3 操作部
4 走行クローラベルト
5 除雪部
50 オーガーハウジング
500 オーガーハウジング側板
6 排雪板
60 回動アーム
601 回動アーム回動支点
602 上部折り曲げ部
603 後部折り曲げ部
604 ピン
61 ブレード
62 スクレーパー
63 ブレード側板
64 取手部
65 サポートアーム
655 下部ストッパー
656 係止部
66 回動アーム用弾性体
7 固定部
71 ベース
712 上部係止部
713 上部ストッパー
721 支点シャフト
722 レバー
73 固定手段
75 固定手段用弾性体
S 雪

Claims (4)

  1. 前方に向かって開口するオーガーハウジングを設け、オーガーハウジング内の回転するオーガーによって中央部に集雪した雪を、その後方で回転駆動されるブロワーで投雪する除雪部を機体前部に設けた除雪機において、
    該除雪部の前方部に配置可能な除雪用排雪板を有していて、
    該排雪板は、前記除雪部前方に位置させた排雪板作業状態と、前記オーガーハウジングの上方部に位置させた排雪板非作業状態とに切換えが可能で、
    前記切換えは、前記排雪板から左右それぞれ延設され、前記オーガーハウジングの左右側板外側部に上下回動自在に取付けられた回動アームにより回動され切換えられる構造であって、
    前記回動アームには、前記排雪板を上方側へ向かう回動方向に付勢するように回動アーム用弾性体と、
    を備えたことを特徴とした除雪機。
  2. 前記排雪板非作業状態の前記排雪板の姿勢は、該姿勢を保持できる固定手段と、
    前記固定手段には、前記排雪板非作業状態の前記排雪板を保持する方向に付勢する固定手段用弾性体と、を備えていて、
    前記固定手段を解除する操作をした時にのみ、前記排雪板の前記排雪板非作業状態を解除する、
    ことを特徴とした請求項1に記載の除雪機。
  3. 前記排雪板の前記排雪板非作業状態の姿勢は、前記排雪板を前記排雪板作業状態から前記排雪板非作業状態へ回動させるのみで、前記固定手段によって保持できる、
    ことを特徴とした請求項2記載の除雪機。
  4. 前記排雪板には、前記排雪板を回動させる操作をするための取手部と、
    前記固定手段には、前記固定手段を操作するためのレバーと、を設けていて、
    前記排雪板非作業状態の前記排雪板の前記取手部と前記レバーは、片手で操作できるように近接させて配置されている、
    ことを特徴とした請求項3に記載の除雪機。
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