JP2019094449A - 接着剤、接着剤物品及びヘムフランジ接着方法 - Google Patents

接着剤、接着剤物品及びヘムフランジ接着方法 Download PDF

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紗織 上田
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Abstract

【課題】低吸湿性、高接着性で、外観良好な接着剤硬化物を与えることができる、熱硬化性の接着剤の提供。【解決手段】接着剤100質量%基準で、(a)30〜60質量%のエポキシ樹脂、(b)10〜30質量%のコアシェル強靭化剤、(c)12〜35質量%の(メタ)アクリレートポリマー、(d)3〜10質量%のフェノキシ樹脂、及び(e)熱硬化剤を含み、該(メタ)アクリレートポリマーが、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート単位を含む、接着剤。【選択図】図1

Description

本開示は、接着剤、接着剤物品及びヘムフランジ接着方法に関する。
従来、エポキシ系接着剤は、種々の材質の被着体に対して有用な接着性(加えて、ある用途においては更に封止性)を与える接着剤として広く利用されている。例えば、特許文献1は、a)250g/当量未満の平均エポキシ当量を有するエポキシ化合物と、b)60℃〜140℃の軟化点を有する熱可塑性樹脂と、c)エポキシ硬化剤と、d)所望により、強靭化剤と、を含む、熱硬化性組成物を含む接着フィルムであって、前記エポキシ化合物と前記熱可塑性樹脂との重量比、及び所望により前記強靭化剤の量が、引張試験DIN EN ISO 527により測定したときに、破断伸びが少なくとも60%の当該接着フィルムを提供するように選択される、接着フィルムを記載する。
エポキシ系接着剤は、例えば、エッジ部を屈曲可能な第1の部品に対して第2の部品をヘムフランジ接着する際の接着剤として好適に使用される場合がある。ヘムフランジ接着は、第2の部品のエッジ部を挟み込むように第1の部品のエッジ部を折り返すことによってヘム構造を形成し、当該ヘム構造部位の第1の部品と第2の部品との間に接着剤を適用し、該接着剤を硬化させることによって形成できる。例えば、車両のドア等のクロージャパネルにおいては、第1の部品(外側金属パネル)と第2の部品(内側金属パネル)とのアセンブリにおける外側金属パネルのエッジ部を内側金属パネルのエッジ部にわたって折り曲げることによってヘム構造を形成できる。
また、例えば表面防錆処理された金属シートの切抜きである金属パネル切断縁等、金属が露出した部分を有する被着体に対してエポキシ系接着剤を適用する際に、被着体の接着と金属露出部分の封止による腐食防止との両者を当該エポキシ系接着剤で実現する場合がある。
特許文献2は、金属パネルアセンブリの製造方法であって、−第1本体部分、及び当該第1本体部分の第1端部に隣接する第1本体部分の縁に沿った第1フランジ部を有する第1金属パネルを準備する工程と、−第2本体部分、及び当該第2本体部分の第2端部に隣接する第2本体部分の縁に沿った第2フランジ部を有する第2金属パネルを準備する工程と、−細長い接着剤シートを提供する工程であって、前記細長い接着剤シートが、前記細長い接着剤シートの幅の第1端部付近の第1部分及び前記細長い接着剤シートの前記第1端部の反対側の第2端部付近の第2部分を有し、熱硬化性組成物を含有し、少なくとも1つの主表面に複数の微細構造を有する工程と、−前記細長い接着剤シートを前記第1又は第2の金属パネルに適用する工程と、−前記第2パネルの前記第2フランジ上に前記第1パネルの前記第1フランジを折りたたむ工程であって、この工程によって、金属接合部が得られ、前記第2パネルの前記第2フランジと前記第1パネルの前記第1本体部分との間に前記細長い接着剤シートの前記第1部分があり、前記第1パネルの前記第1フランジと前記第2パネルの前記第2フランジとの間に前記細長い接着剤シートの前記第2部分があるように、前記細長い接着剤シートが折りたたまれている工程と、−前記金属接合部を加熱して前記細長い接着剤シートの前記熱硬化性組成物の熱硬化を引き起こし、これによって、前記第1及び前記第2金属パネルを接着し、前記金属接合部を封止する工程と、を含む方法を記載する。
一方、部品接着用途の接着剤としては、ウレタン系接着剤も広く使用されている。広い温度範囲で使用可能な接着シートとして、例えば特許文献3は、ウレタンアクリレート単位を有するポリマーを含む、第1及び第2の主表面を備えたコア層であって、前記ポリマーのガラス転移温度(Tg)が0℃未満である、コア層と;前記コア層の第1主表面に積層された第1の硬化性接着層とを含む、接着シートを記載する。
特表2015−533867号公報 特表2016−505381号公報 特開2010−7023号公報
被着体が金属露出部分を有する等、被着体が水分の影響で劣化しやすい用途においては、熱硬化性の接着剤が一般に有利である。熱硬化時には、接着剤のみでなく被着体も加熱されることになるため、被着体近傍の水分が効果的に除去されるからである。しかし、従来の熱硬化性の接着剤を使用した場合には、接着剤の吸湿によって、接着不良、及び水分による被着体の劣化が生じたり、接着剤が、熱硬化時に内在水分の蒸発によって発泡し、接着剤硬化物の外観不良が生じるといった問題があった。
本発明は、上記の課題を解決し、低吸湿性、高接着性で、外観良好な接着剤硬化物を与えることができる、熱硬化性の接着剤の提供を目的とする。
本開示の一態様は、
接着剤100質量%基準で、
(a)30〜60質量%のエポキシ樹脂、
(b)10〜30質量%のコアシェル強靭化剤、
(c)12〜35質量%の(メタ)アクリレートポリマー、
(d)3〜10質量%のフェノキシ樹脂、及び
(e)熱硬化剤
を含み、
前記(メタ)アクリレートポリマーが、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート単位を含む、接着剤を提供する。
本開示の別の一態様は、
接着剤(A)と接着剤(B)との組合せである接着剤物品であって、
前記接着剤(A)及び前記接着剤(B)が、それぞれ、本開示の接着剤であり、
前記接着剤(A)と前記接着剤(B)とが、160℃における粘度、及び/又は、硬化開始温度において互いに異なる、接着剤物品を提供する。
本開示の更に別の一態様は、
本開示の接着剤物品を用いて第1の板材と第2の板材とをヘムフランジ接着接合する方法であって、
前記第1の板材は、本体部分と、前記本体部分の端部と隣接しかつ前記本体部分の縁に沿ったフランジ部とを有する金属板であり、
前記方法は、
接着剤(A)が前記第2の板材の第1の主面と前記第1の板材の前記フランジ部との間に位置し、接着剤(B)が前記第2の板材の第2の主面と前記第1の板材の前記本体部分との間に位置するように、前記接着剤物品、前記第1の板材及び前記第2の板材を配置すること、及び
前記接着剤物品を熱硬化させること、
を含む、方法を提供する。
本開示の幾つかの態様によれば、低吸湿性、高接着性で、外観良好な接着剤硬化物を与えることができる、熱硬化性の接着剤が提供され得る。
本発明の一態様に係る接着剤物品の使用態様を例示する図である。 エッジカバーの測定方法を説明する図である。
以下、本発明の例示の態様について説明するが、本発明はこれらの態様に限定されず、特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱しない任意の改変が本発明に包含されることが意図される。なお本開示において言及する各測定は、特記がない限り、[実施例]の項に記載される方法又はこれと同等であることが当業者に理解される方法によって行われることが意図される。
<接着剤>
本開示の一態様において、接着剤は、(a)エポキシ樹脂、(b)コアシェル強靭化剤、(c)(メタ)アクリレートポリマー、(d)フェノキシ樹脂、及び(e)熱硬化剤を含む。一態様において、上記(メタ)アクリレートポリマーは、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート単位を含む。本開示の一態様に係る接着剤は、熱硬化剤を含むことによって熱硬化性であるとともに、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートという特定のモノマー成分に由来する単位を含む(メタ)アクリレートポリマーを含むことによって低吸湿性であるという利点を有する。このような接着剤を硬化させることで、低吸湿性でかつ良好な外観及び接着性を示す接着部を形成できる。
一態様において、接着剤は、シート状又はフィルム状である。
以下、接着剤の各成分について具体的に説明する。
(a)エポキシ樹脂
(a)エポキシ樹脂は、開環反応によって重合可能な少なくとも1つのオキシラン環を有するエポキシ化合物(モノマーエポキシ化合物又はポリマーエポキシ化合物)から得られるものを例示できる。エポキシ化合物は脂肪族、脂環式、芳香族、又は複素環式であってよい。エポキシ化合物は、分子1個あたり、好ましくは少なくとも2個、より好ましくは2〜4個の重合可能なエポキシ基を有してよい。好ましい態様において、エポキシ樹脂の平均エポキシ当量は、低すぎると架橋密度が高すぎて接着力が低く、高すぎると(メタ)アクリレートのモノマーへの溶解性が低くなるとの観点から、約80〜約1000、又は約90〜約600であってよい。平均エポキシ当量は、JIS K 7236に準拠して決定される値である。
(a)エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型樹脂などのビスフェノールエポキシ樹脂、ヘキサンジオールグリシジルエーテルなどの脂肪族骨格を有するエポキシ樹脂、p−アミノフェノールトリグリシジルなどのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂などのノボラックエポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、及びこれらの混合物が例示できる。好ましい態様において、エポキシ樹脂は、ビスフェノールエポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、及びノボラックエポキシ樹脂、である。
エポキシ樹脂は、市販品であってもよい。市販品としては、YDF−170、YD−128、YD−011、YDPN−638、YDCN−700−3(以上、新日鉄住金化学(株)から入手可能)、MY0510(Huntsman社から入手可能)等を例示できる。
一態様において、接着剤100質量%基準での(a)エポキシ樹脂の量は、接着剤の良好な物性を得る観点から、約30質量%以上であり、好ましくは、約35質量%以上、又は約40質量%以上である。また接着剤の他の含有成分による利点を良好に得る観点から、約60質量%以下であり、好ましくは約55質量%以下、又は約50質量%以下である。
(b)コアシェル強靭化剤
(b)コアシェル強靭化剤としては、コアシェルゴム改質剤として当該技術分野で一般に知られているものを種々使用できる。コアシェル強靭化剤は、通常、内側コアと外側シェルとが互いに異なる材料で構成されている。
コアの材質はガラス転移温度が室温以下のゴム状ポリマーからなり、例えばブチルアクリレートからなるアクリルポリマー、ブタジエンポリマー、ブタジエン−スチレン共重合体、シリコンゴムが例示でき、その架橋体も例示できる。
シェルの材質は、ガラス転移温度が室温以上のポリマー(室温では非ゴム状)からなり、例えばメタクリル酸メチルポリマー及びその共重合体が例示でき、その架橋体も例示できる。また、エポキシ成分と反応し得るカルボキシル、ヒドロキシル、エポキシ、シアネート、アミノ及びチオール等の官能基による修飾物を例示できる。
コアシェル強靭化剤は市販品であってもよく、例えば、BTA751、BTA731(以上、ダウケミカル社から入手可能)、AC−3355(アイカ工業(株)から入手可能)等を例示できる。
一態様において、接着剤100質量%基準での(b)コアシェル強靭化剤の量は、接着剤の良好な物性を得る観点から、約10質量%以上であり、好ましくは、約12質量%以上、又は約15質量%以上である。また接着剤の他の含有成分による利点を良好に得る観点から、約30質量%以下であり、好ましくは約25質量%以下、又は約20質量%以下である。
接着剤中の、(a)エポキシ樹脂:(b)コアシェル強靭化剤の質量比は、好ましくは、約95:5〜約50:50、又は約90:10〜約60:40、又は約80:20〜約65:35である。
好ましい態様において、接着剤100質量%基準での(a)エポキシ樹脂と(b)コアシェル強靭化剤との合計量は、良好な物性を得る観点から、約40質量%以上、又は約50質量%以上であり、接着剤中の他の成分による作用を良好に得る観点から、約80質量%以下、又は約75質量%以下、又は約70質量%以下である。
(c)(メタ)アクリレートポリマー
一態様において、(c)(メタ)アクリレートポリマーは、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート単位を含む。テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートはエポキシ樹脂との良好な相溶性を有するので本開示の接着剤を高接着性にし、且つ、ポリマーの吸湿性を抑えることで本開示の接着剤を低吸湿性にするという利点を与える。低吸湿性及び高接着性の接着剤を得る観点から、(c)(メタ)アクリレートポリマーは、当該ポリマー中の全モノマー単位基準で、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート単位を、好ましくは、約30質量%以上、又は約40質量%以上、又は約50質量%以上含む。一方、(c)(メタ)アクリレートポリマーが、他のモノマー(例えば、後述の、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート以外の溶解度パラメータ値10未満の(メタ)アクリレートモノマー)由来単位を含むことによる利点を良好に得る観点では、(c)(メタ)アクリレートポリマー中のテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート単位が、当該ポリマー中の全モノマー単位基準で、約95質量%以下、又は約90質量%以下、又は約80質量%以下であってよい。
好ましい態様において、(c)(メタ)アクリレートポリマーは、溶解度パラメータ値(SP値)10未満の(メタ)アクリレートモノマーに由来する単位を、合計で(すなわち、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートも含めた合計で)、約50質量%以上、又は約70質量%以上含む。本開示で、溶解度パラメータ値とは、25℃におけるFedors溶解度パラメータ(Fedors,Polym.Eng.And Sci.,14,147(1974)参照)を意図する。好ましい態様において、(c)(メタ)アクリレートポリマーは、実質的に、溶解度パラメータ値10未満の(メタ)アクリレートモノマーのみに由来する。溶解度パラメータ値が10未満である(メタ)アクリレートモノマーは、低吸湿性である傾向があることから接着剤の吸湿性低減の観点で有利である。
溶解度パラメータ値が10未満である(メタ)アクリレートモノマーの溶解度パラメータ値は、吸湿性低減の観点から、好ましくは、約9.95以下、又は約9.90以下、又は約9.80以下であり、溶解度パラメータ値が10近傍であるエポキシ樹脂との良好な相溶性及び入手容易性の観点から、好ましくは、約8.8以上、又は約9.0以上、又は約9.20以上である。
溶解度パラメータ値10未満の(メタ)アクリレートモノマーとしては、グリシジルメタクリレート(溶解度パラメータ:9.79)、ジシクロペンタニルアクリレート(溶解度パラメータ:9.66)、ジシクロペンタニルメタクリレート(溶解度パラメータ:9.60)、ジシクロペンテニルアクリレート(溶解度パラメータ:9.71)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(溶解度パラメータ:9.51)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(溶解度パラメータ:9.45)、環状トリメチルプロパンホルマルアクリレート(溶解度パラメータ:9.35)、シクロヘキシルアクリレート(溶解度パラメータ:9.26)等を例示できる。溶解度パラメータ値10未満の(メタ)アクリレートモノマーは、市販品であってもよく、例えばアクリエステルG、アクリエステルTHF(以上、三菱レイヨン(株)から入手可能)、FA513AS、FA513M(以上、日立化成(株)から入手可能)、ビスコート#150、ビスコート#155、ビスコート#200(以上、大阪有機化学工業(株)から入手可能)等を例示できる。
好ましい態様において、(c)(メタ)アクリレートポリマーは、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート単位と、脂環式(メタ)アクリレート単位及びグリシジル(メタ)アクリレート単位とを有する。このようなテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート単位が、高いガラス転移温度を供する(メタ)アクリレート単位と、硬化剤を介してエポキシ樹脂と結合しうる(メタ)アクリレート単位とに組み合わされた(c)(メタ)アクリレートポリマーは、エポキシ樹脂との相溶性、シートとしてのハンドリング性(シートとしての形状維持且つ適切な柔らかさ)、及び低吸湿性の点で有利である。
例示の態様において、(c)(メタ)アクリレートポリマーは、吸湿性低減の観点から、カルボキシ基、水酸基、アミド基等の親水性基を有するモノマーに由来する単位を実質的に含まないことが好ましい。一態様において、(c)(メタ)アクリレートポリマーは、カルボキシ基、水酸基、及び/又はアミド基を有するモノマーに由来する単位を、実質的に含まないか、含む場合、その量は全モノマー単位100質量%に対して、例えば約10質量%以下である。カルボキシ基、水酸基、及び/又はアミド基を有するモノマーとしては、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)モノマー(SP値:10.59)、4−ヒドロキシブチルアクリレート(SP値:10.89)、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(SP値:11.37)等が例示される。
(c)(メタ)アクリレートポリマーのFox式で定義されるガラス転移温度(Tg)は、シート接着剤としての取り扱い性と被着体への密着性及び当該硬化温度での粘度を容易に設計する観点から、例えば約25℃〜約125℃、又は約30℃〜約115℃であってよい。
一態様において、接着剤100質量%基準での(c)(メタ)アクリレートポリマーの量は、シート接着剤としての取り扱い性の観点から約12質量%以上であり、好ましくは、約15質量%以上、又は約18質量%以上であり、また、硬化温度での粘度を容易に設計する観点から約35質量%以下であり、好ましくは、約30質量%以下、又は約25質量%以下である。
(d)フェノキシ樹脂
フェノキシ樹脂としては、(メタ)アクリレートモノマーへの易溶解性の点で低分子量のもの等を好ましく例示できる。フェノキシ樹脂は、市販品であってもよく、例えばPKHP−200(Gabriel Phenoxies社から入手可能)、YP−50S(新日鉄住金化学)等を例示できる。
一態様において、接着剤100質量%基準での(d)フェノキシ樹脂の量は、シート接着剤の取り扱い性向上の観点から約3質量%以上であり、好ましくは、約3.5質量%以上、又は約4質量%以上であり、シート作製時の溶液の高粘度化抑制、接着剤の加熱溶融時の低粘度化の観点から約10質量%以下であり、好ましくは、約8質量%以下、又は約6質量%以下である。
(e)熱硬化剤
(e)熱硬化剤としては、エポキシ樹脂用の熱硬化剤として使用可能であることが当該分野で知られている種々の熱硬化剤を使用できる。熱硬化剤としては、エポキシドのオキシラン環と反応して、エポキシドの実質的な架橋を生じさせて架橋ポリマーネットワークを形成する化合物を例示できる。これらの化合物は、架橋反応を生じさせる、少なくとも1つの求核的又は求電子的部分(例えば、活性水素原子)を含む。当業者に理解されるように、熱硬化剤と硬化促進剤とはしばしば互いに区別されない。したがって、本開示の(e)熱硬化剤は硬化促進剤も包含する。好ましい態様において、(e)熱硬化剤は、エポキシド硬化反応速度を増強するための硬化促進剤を含む。典型的な態様において硬化促進剤は多官能化合物である。
エポキシ樹脂を熱で硬化することができる硬化剤であれば特に限定されないが、室温付近では不活性であり熱により活性化する潜在性硬化剤を用いるとよい。潜在性硬化剤として、例えば、ジシアンジアミド及びその誘導体、ヒドラジド化合物、三フッ化ホウ素−アミン錯体、アミン化合物とイソシアネート化合物又は尿素化合物との反応生成物(尿素誘導体)が挙げられる。エポキシ樹脂の硬化剤と組み合わせて、潜在性硬化促進剤を併用してもよい。硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物、アミン化合物とエポキシ化合物との反応生成物(アミン−エポキシ付加物)、尿素誘導体等が挙げられる。
より好ましくは、熱硬化剤はジシアンジアミドである。熱硬化剤は市販品であってもよく、例えば、EH−3636AS((株)ADEKAから入手可能)等が挙げられる。
潜在性硬化促進剤として好適な潜在性硬化剤の市販品としては、2MZA−PW、2PHZ−PW(以上、四国化成工業(株)から入手可能)等が挙げられる。
好ましい態様において、(a)エポキシ樹脂100質量%基準での(e)熱硬化剤の量は、(a)エポキシ樹脂の良好な架橋反応を実現する観点から、約0.1〜約80質量%、又は約1〜約60質量%、又は約3〜約50質量%である。
(f)熱膨張材
好ましい態様において、接着剤は、(f)熱膨張材を更に含む。このような接着剤は被着体の封止性に優れ有利である。また、例えばエッジに金属露出部分を有するような金属板のヘムフランジ接着においては当該エッジからの金属の腐食が問題となる。接着剤が(f)熱膨張材を含むことは、このような金属板に接着剤を適用した際に接着剤の熱硬化時の膨張によって当該エッジを良好にカバーできる点(すなわち優れたエッジカバー性を与える点)で有利である。
熱膨張材としては、加熱により体積が増大する特性を有する種々の材を使用でき、硬化中及び硬化後の接着剤を気体又は液体が透過することを防止して被着体の劣化を良好に防止するという観点からは、化学発泡剤よりもカプセル化熱膨張材がより好ましい。
カプセル化熱膨張材は、典型的には、熱可塑性ポリマーのシェルと、該シェル内に封入された液化ガスとを含む。熱可塑性ポリマーとしては、液化ガスとしては、トリクロロフルオロメタン、炭化水素(例えば、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン等)が挙げられる。カプセル化熱膨張材が加熱された際の典型的な挙動は以下のとおりである。すなわち、カプセル化熱膨張材を加熱すると、シェルの軟化と、液化ガスのガス化による内圧の増大とによって、カプセルが膨張する。温度が上昇するに従ってカプセルの膨張が進み(すなわちバルーンが形成され)、カプセル体積が最大となった後、更に温度が上昇すると、シェルが薄くなったことによってカプセル内部のガスが透過拡散し、カプセル体積が減少に転じる(すなわちカプセルが収縮する)。通常、カプセル化熱膨張材は、カプセル体積が最大となる温度の制御のために材質及び寸法が適切に設計されている。
カプセル化熱膨張材の温度を変動させた際に示される、カプセル体積の最小値に対する最大値の比率は、接着剤に良好な熱膨張性能を与える観点から、好ましくは、約2倍以上、又は約3倍以上であり、接着剤の体積の過度な増大による被着体(例えばヘムフランジ接着部)からのはみ出し等の不都合を回避する観点から、好ましくは、約100倍以下、又は約50倍以下である。
カプセル化熱膨張材を加熱した際に、その体積変化が生じる温度(本開示で、膨張開始温度ともいう。)は、接着剤の硬化完了前に収縮することを避ける観点から、好ましくは、約70℃以上、又は約80℃以上、又は約90℃以上であり、硬化加熱中に膨張を起こす観点から、好ましくは、約160℃以下、又は約150℃以下、又は約140℃以下である。
カプセル化熱膨張材は市販品であってもよく、例えば、FN−80GSD、FN−100SD、FN−100MD(以上、松本油脂製薬(株)から入手可能)、EML101、EMH204(以上、積水化学工業(株)から入手可能)、461DU40、920DU40(以上、AczoNobel社から入手可能)が挙げられる。
好ましい態様において、接着剤100質量%基準での熱膨張材(好ましくはカプセル化熱膨張材)の量は、約0.1〜約20質量%、又は約0.3〜約15質量%、又は約0.5〜約10質量%である。
(g)追加成分
接着剤は、所望により、熱可塑性樹脂、フィラー、難燃剤、衝撃改質剤、熱安定剤、加工助剤、潤滑剤、補強剤、着色剤、光重合開始剤、架橋剤、連鎖移動剤、シランカップリング剤等の追加成分を更に含んでもよい。このような追加成分の各々としては、当業界で従来公知の種々の剤を使用できる。
フェノキシ樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリレートモノマーに可溶で、約60℃〜約140℃、又は約70℃〜約120℃、又は約80℃〜約100℃、又は約85℃〜約95℃のガラス転移温度を有する樹脂を例示できる。熱可塑性樹脂としては、ポリエーテル熱可塑性樹脂、ポリプロピレン熱可塑性樹脂、ポリ塩化ビニル熱可塑性樹脂、ポリエステル熱可塑性樹脂、ポリカプロラクトン熱可塑性樹脂、ポリスチレン熱可塑性樹脂、ポリカーボネート熱可塑性樹脂、及びポリアミド熱可塑性樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が挙げられる。
例示の態様において、熱可塑性樹脂の量は、接着剤100質量%基準で、約0.5〜約10質量%、又は約1〜約8質量%であってよい。
フィラーは、接着剤の増量、軽量化、難燃性付与、熱伝導性付与、改質、流動調整、着色等の目的に応じて、有機又は無機フィラーを添加してもよい。有機又は無機フィラーとしては、例えば、炭酸カルシウム、マイカ、タルク、中空ガラスビーズ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、フュームドシリカ、有機顔料、無機顔料等が挙げられる。
光重合開始剤としては、開裂タイプ又は水素引き抜きタイプが有効である。開裂タイプの光重合開始剤としては、例えば、ベンゾエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンー1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド等が挙げられる。水素引き抜きタイプの光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
架橋剤として、例えば、多官能アクリレート、多官能メタクリレート、が挙げられる。多官能アクリレートとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、1,2−エチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
連鎖移動剤としては、例えば、四臭化炭素、メルカプト化合物等が挙げられる。メルカプト化合物としては、エタンチオール、ブタンチオール、ドデカンチオール、メルカプトエタノール(チオグリコール)、3−メルカプトプロパノール、チオグリセリン(メルカプトグリセリン)、チオグリコール酸(メルカプト酢酸)、2−メルカプトプロピオン酸(チオ乳酸)、3−メルカプトプロピオン酸、α−メルカプトイソ酪酸、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸エチル等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基等の官能基を有するアルコキシシランが挙げられる。
接着剤は、例えばシート、成形体等の形状であってよい。例示の態様において、接着剤は長尺シート状(すなわちテープ状)である。接着剤は、従来公知の方法で製造できる。例えば、接着剤の配合成分を、ミキサー等の混合容器内で、接着剤の硬化又は熱膨張が実質的に進行しない温度範囲内で適宜設定された混合温度で混合した後、押出機、ホットメルトコーター等でシートに形成できる。シートは、ロール、又は所望の寸法又は形状に切断されたシートの積み重ね体の形態でパッケージ化されてもよい。接着剤シートが粘稠である場合、剥離ライナーは、隣接するシート、又はロールのラップの間に挟まれてもよい。
本開示の接着剤は、典型的には、被着体に対する形状追従性を有する程度の柔軟性を有し、また典型的には室温で粘着性を有する。接着剤がシート(例えばテープ)形状である場合、厚みは、例えば、約0.05〜約3mm、又は約0.1〜約2.5mm、又は約0.15〜約2mmであってよい。
接着剤の硬化後の外観及びエッジカバー性を左右する要因の1つは、接着剤の硬化前の粘度である。粘度が著しく高い接着剤は、流動性が低いために膨張材による体積膨張が不十分でエッジカバーが不十分となる傾向がある一方、粘度が著しく低い接着剤は、膨張材による体積膨張の勢いが強すぎて、保護したいエッジ付近より離れた地点で膨張のコブができて、肝心なエッジ部が十分に被覆できない傾向がある。このような観点で、接着剤の粘度は、100℃で、好ましくは、約50Pa・s〜約1500Pa・s、又は約400Pa・s〜約1000Pa・sである。なお本開示で、粘度は、動的粘弾性測定装置を用い、空気中、常圧下で、目的測定温度まで10℃/分の速度で昇温した際に測定される値である。
接着剤の100℃での粘度は、ポリマー成分(具体的には(a)エポキシ樹脂、(c)(メタ)アクリレートポリマー、及び(d)フェノキシ樹脂)の種類、分子量及び量、熱硬化剤及び硬化促進剤の種類及び量、ヒュームドシリカに代表される流動調整剤の種類及び量等の選択によって調整できる。
接着剤の硬化後の外観及びエッジカバー性を左右する要因の別の1つは、接着剤の硬化開始温度である。本開示において、硬化開始温度は、接着剤の昇温による粘度低下から硬化反応による粘度上昇に切り替わる変曲点によって評価される。本開示で、硬化開始温度は、動的粘弾性測定装置を用い、空気中、常圧下で、昇温速度10℃/分にて測定したときの12秒毎に測定する粘度上昇値がマイナスからプラスに転じる温度で評価される。硬化開始温度の違いは、接着剤に含まれる熱硬化剤の種類が同じ場合、硬化促進剤が潜在性硬化促進剤である場合の該潜在性硬化促進剤の反応開始温度の違い、濃度の違い等によって生じる。したがって、所望の硬化速度は、熱硬化剤及び硬化促進剤の種類及び量、粒径等の選択、等の手段によって調整できる。
好ましい態様において、接着剤の160℃における硬化時間は、約15〜約30分である。ここで、硬化時間とは、接着剤を、25℃から160℃まで10℃/分で昇温し、その後上記温度にて保持したときの、完全硬化までの時間である。完全硬化は、接着剤の粘度上昇が実質的に完了したこと(具体的には12秒毎間の粘度上昇変化値がゼロに近づき、測定上、正値、負値のばらつきを示し始めること)によって確認できる。
本開示の接着剤は、ガラス、金属(例えば、鉄、アルミニウム、チタン、及びこれらの少なくとも1種を含む合金(例えばステンレス鋼))、プラスチック、木材、セラミックス等、種々の被着体に適用できる。接着剤は、吸湿性が低いという特性から金属部品(特に、塗装されていない金属部品等、水分によって腐食しやすい金属部品)に対して有用に適用され、特に、被着体が、通水、多湿環境下への曝露等の環境下に置かれる用途に好適に適用される。好ましい態様において、接着剤は、第1の部品と第2の部品とをヘムフランジ接着するのに使用される。例示の態様においては、第1の部品が、車両用ドア本体部品、第2の部品が車両用ドア内側パネル部品である。別の例示の態様においては、第1金属部品及び第2部品のうち一方の部品が車両用屋根パネル、他方の部品が車両用シャーシである。
<接着剤物品>
本開示の一態様は、接着剤(A)と接着剤(B)との組合せである接着剤物品であって、接着剤(A)及び接着剤(B)が、それぞれ、前述したような本開示の接着剤であり、接着剤(A)と接着剤(B)とが、160℃到達時における粘度、及び/又は、硬化開始温度において互いに異なる、接着剤物品を提供する。なお、特定の用途においては、接着剤(A)をエッジカバー用接着剤(A)、接着剤(B)を構造用接着剤(B)ともよぶ。被着体に対する接着性を良好に得る観点から、構造用接着剤(B)においては、硬化後のせん断接着力(25℃)が、好ましくは、約15MPa以上、又は約18MPa以上、又は約20MPa以上であり、硬化後の剥離接着力(25℃)が、好ましくは、約75N/25mm以上、又は約100N/25mm以上、又は約120N/25mm以上である。
160℃到達時における粘度、及び/又は、硬化開始温度において互いに異なるエッジカバー用接着剤(A)と構造用接着剤(B)とは、熱硬化時に互いに異なる挙動を示すことができる。すなわち、接着剤物品を被着体に適用し、同一硬化条件下にエッジカバー用接着剤(A)及び構造用接着剤(B)をおいた際に、後者を前者よりも低粘度又は低硬化度とすることができる。このとき、より低粘度又はより低硬化度の状態にある構造用接着剤は、被着体近傍の水分の逃げ道として機能する(すなわち水分をベントさせる)ことができる。このように、エッジカバー用接着剤(A)と構造用接着剤(B)との組合せによれば、被着体近傍の水分を効果的に除去しつつ被着体を良好に接着でき、被着体の劣化を防止するとともにエッジカバー用接着剤硬化物の良好な外観を実現できる。したがって、本開示の接着剤物品は、例えばヘムフランジ接着におけるフランジ構造部のような、水分の局所的な残存を起こし易い部位を有する被着体の接着に特に好適である。
例えば、接着剤を用いてヘムフランジ接着されてなる車両用部品の電着塗装プロセスにおいては、電着塗装用液の一部がフランジ構造の空洞内に残存するため、ベーキングプロセスにおいて電着塗装用液を加熱して蒸発させるのが一般的である。このとき、電着塗装用液の蒸気が硬化途中のエッジカバー用接着剤をも経由してベントされるため、エッジカバー用接着剤に気泡が発生し、エッジカバー用接着剤の硬化物の外観不良の原因となる。このような電着塗装プロセスに供される車両用部品のフランジ接着に本開示の接着剤物品が適用される場合、電着時に発生した蒸気は、粘度又は硬化度合がより低い接着剤から選択的にベントされるため、エッジカバー用接着剤が発泡し難く、電着塗装後のエッジカバー用接着剤硬化物が良好な外観を呈することができる。
硬化開始温度の違いは、接着剤に含まれる熱硬化剤の種類が同じ場合、硬化促進剤が潜在性硬化促進剤である場合の該潜在性硬化促進剤の反応開始温度の違い、濃度の違い等によって生じる。したがって、所望の硬化開始温度は、熱硬化剤及び硬化促進剤の種類及び量、粒径等の選択、等の手段によって調整できる。したがって、エッジカバー用接着剤(A)と構造用接着剤(B)との硬化開始温度の違いは、このような調整手段を1つ以上採用することで実現できる。
好ましい態様においては、接着剤(A)の160℃到達時の粘度が、約500Pa・s以上、又は約2000Pa・s以上、又は約3000Pa・s以上であり、接着剤(B)の160℃到達時の粘度が、接着剤(A)の粘度よりも低くかつ約500Pa・s以下、又は約400Pa・s以下、又は約300Pa・s以下である。接着剤(A)及び接着剤(B)が160℃到達時でそれぞれ上記のような粘度を有する場合、接着剤(A)及び接着剤(B)を同一硬化条件下においたときに、接着剤(B)の粘度を接着剤(A)の粘度よりも低くし、接着剤(B)を被着体近傍の水分の逃げ道として良好に機能させることができる。
好ましい態様においては、接着剤(A)及び接着剤(B)が潜在性硬化促進剤を含み、接着剤(A)に含まれる潜在性硬化促進剤の反応開始温度が約100℃〜約130℃、又は約105℃〜約130℃、又は約110℃〜約125℃であり、接着剤(B)に含まれる潜在性硬化促進剤の反応開始温度が、接着剤(A)に含まれる硬化促進剤の反応開始温度よりも高くかつ約140℃〜約160℃、又は約140℃〜約150℃である。接着剤(A)及び接着剤(B)がそれぞれ上記のような潜在性硬化促進剤を含む場合、接着剤(A)及び接着剤(B)を同一硬化条件下においたときに、接着剤(B)の硬化を接着剤(A)の硬化よりも遅くし、接着剤(B)を被着体近傍の水分の逃げ道として良好に機能させることができる。
好ましい態様においては、接着剤(A)の160℃での硬化時間が、約15分以上約30分未満、又は約15分〜約28分、又は約15分〜約25分であり、接着剤(B)の160℃での硬化時間が、接着剤(A)の160℃での硬化時間よりも長くかつ約20分〜約30分、又は約21分〜約30分、又は約22分〜約30分である。接着剤(A)及び接着剤(B)が160℃においてそれぞれ上記のような硬化時間を有する場合、接着剤(A)及び接着剤(B)を同一硬化条件下においたときに、接着剤(B)の硬化を接着剤(A)の硬化よりも遅くし、接着剤(B)を被着体近傍の水分の逃げ道として良好に機能させることができる。
好ましい態様においては、エッジカバー用接着剤(A)に含まれる熱硬化剤が与えるゲルタイムが、約10分〜約20分、又は約12分〜約18分、又は約14分〜約18分であり、接着剤(B)に含まれる熱硬化剤のゲルタイムが、接着剤(A)に含まれる熱硬化剤のゲルタイムよりも長くかつ約15分〜約25分、又は約17分〜約25分、又は約17分〜約22分である。本開示で、熱硬化剤が与えるゲルタイムとは、動的粘弾性測定装置を用い、空気中、常圧下で、昇温速度10℃/分にて測定したときの12秒毎に測定する粘度上昇値の最大点として得られる値である。接着剤(A)及び接着剤(B)に含まれる熱硬化剤がそれぞれ上記のようなゲルタイムを与えるものである場合、接着剤(A)及び接着剤(B)を同一硬化条件下においたときに、接着剤(B)の硬化を接着剤(A)の硬化よりも遅くし、接着剤(B)を被着体近傍の水分の逃げ道として良好に機能させることができる。
本開示の接着剤物品は、種々の使用態様に適用できる。本開示の一態様は、本開示の接着剤物品を用いて第1の板材と第2の板材とをヘムフランジ接着接合する方法であって、該第1の板材は、本体部分と、該本体部分の端部と隣接しかつ該本体部分の縁に沿ったフランジ部とを有する金属板であり、該方法は、接着剤(A)が該第2の板材の第1の主面と該第1の板材の該フランジ部との間に位置し、接着剤(B)が該第2の板材の第2の主面と該第1の板材の該本体部分との間に位置するように、接着剤物品、第1の板材及び第2の板材を配置すること、及び該接着剤物品を熱硬化させること、を含む方法を提供する。
図1は、本発明の一態様に係る接着剤物品の使用態様を例示する図である。図1は、第1の板材である外側パネルと、第2の板材である内側パネルとからなる金属部品アセンブリを接着剤物品でヘムフランジ接着する例を示している。図1(A)を参照し、金属部品アセンブリ1において、外側パネル10は、外側パネル10の端部13に近い本体部分の縁に沿ってフランジ12を有する本体部分11を備えている。内側パネルのフランジ22は、内側パネルの本体部分21の縁沿いに存在する、端部23に近い部分である。図1(B)を参照し、フランジ12は、内側パネル20のフランジ22の上に折り畳まれる。端部23は、外側パネル10のフランジ12に隣接する。接着剤物品30は、エッジカバー用接着剤(A)30Aと、構造用接着剤(B)30Bとで構成され、内側パネル20と外側パネル10の間に配置される。構造用接着剤(B)30Bは外側パネル10の本体部分11と内側パネル20のフランジ22との間に配置される。フランジ12を内側パネル20の上に折り畳むことで、エッジカバー用接着剤(A)30Aは、外側パネル10のフランジ12と内側パネル20のフランジ22との間に配置される。接着剤物品30は、接合部又はヘムにおいて2つの金属パネル同士を接合する。
構造用接着剤(A)及び/又は(B)は、図1(A)に示したように内側パネル20に接着させてもよいし、外側パネル10に接着させてもよい。図1(B)に示すように、外側パネル10は、エッジカバー用接着剤(A)30Aが外側パネル10のフランジ12に、構造用接着剤(B)30Bが外側パネル10の本体部分11に、それぞれ対向するように内側パネル20に接着され、内側パネルの端部23の周囲で折り畳まれればよい。図1(B)に示すように、外側パネル10の端部13は、エッジカバー用接着剤(A)よりもセットバックされた位置に(すなわちエッジカバー用接着剤(A)が一部露出するように)配置される。
その後、接着剤を加熱して熱硬化させることで、パネル同士の間に恒久的な接着接合を形成して、接合部を封止する。接着剤が熱膨張材を含む場合、パネル間に配置された接着剤が熱硬化によって膨張するため、パネル間、及び外側パネル10の端部13が良好に封止される。例えば、金属部品アセンブリが自動車部品パネルアセンブリの場合、熱硬化は、通常の車両製造プロセスの一部として、当該パネルアセンブリが塗装され焼成されるときに行われることもできる。
熱硬化は、加熱温度を、例えば約60℃〜約200℃、又は約100℃〜約180℃として行ってよい。熱硬化は、1つ、又は加熱温度を変えた2つ以上のステップで行ってよい。例示の態様において、第1の加熱工程において、加熱温度を約60℃〜約100℃とし、これに続く第2の加熱工程において、加熱温度をより高い約80℃〜約200℃とすることができる。加熱時間は、1つ又は2つ以上のステップを通じて、例えば約5分間〜約60分間、又は約10分間〜約30分間であってよい。熱硬化を2つ以上のステップで行う際の各ステップの加熱時間は適宜設定してよい。
以上のようにして、第1及び第2の板材をヘムフランジ接着接合することができる。
以下、実施例を挙げて本発明の例示の態様を更に説明するが、本発明はこれら実施例には何ら限定されない。
<接着剤シートの作製>
表1〜3に示す配合成分を混合し、減圧脱気して混合液を得た。シリコンコートされた2枚のPETフィルム間にこの混合液を厚み0.2〜0.6mmにキャストし、UV光を照射(2mW/cm2及び5mW/cm2をそれぞれ3分間)した後、PETフィルムを取外して、接着剤シートを得た。
<動的粘弾性試験用の円形サンプルの作製>
キャスト厚みを0.4〜0.6mmとした他は上記接着剤シートの作製と同様の手順で厚み0.4〜0.6mmのシートを得た後、25mmφのパンチングブレードで円形に切り出して、サンプルを得た。厚さ0.5mm未満のシートは2枚ラミネートし、厚みを増した上で、同様にパンチングブレードで25mmφ円形サンプルを得た。
<評価>
[接着剤の硬化開始温度、ゲルタイム、100℃及び160℃での粘度、硬化時間]
25mmφ円形サンプルについて、Advanced Rheometric Expansion System(ARES)(Rheometric Scientific社製)にて、25mmφ平行板をサンプル固定治具として用いて、動的粘弾性特性を測定した。円形サンプルを平行板間に置いて応力を調整した後、空気中、せん断モード、1.0Hz、昇温速度約10℃/分で25℃〜160℃に昇温後160℃で20分間保持、の条件にて動的粘弾性特性を12秒毎に測定し、得られた複素粘度を本開示における「粘度」と定義する。なおこの加熱条件は、電着塗装プロセスの条件を想定したものである。測定開始とともに、加熱により粘度は下がり始め、硬化反応の始まりにより粘度の極小値を経由して上昇し始める。硬化が進むと粘度変化は小さくなり、完全硬化状態に近づく。
「硬化開始温度」:12秒毎の粘度をその直前の測定点(12秒前)の粘度と比較(粘度減少時は負値、粘度上昇時は正値を示す)し、その差分値が初めてマイナスからプラスに転じる温度を硬化開始温度と定義する。
「ゲルタイム」:前述の12秒毎の粘度の差分値が正の極大点を示す時間(即ち、粘度上昇の傾きの最大値)をゲルタイムと定義する。
「160℃での硬化時間」:ゲルタイムを超えて、粘度変化が小さくなる領域で、前述の12秒後の粘度の差分があまりに小さくなるため機械的ばらつきの影響で負値を示し始める時間を硬化時間と定義する。
「100℃での粘度」:最初の昇温過程においてサンプル温度が100℃に達した時点の複素粘度を定義する。
「160℃での粘度」:最初の昇温過程においてサンプル温度が初めて160℃に達した時点の複素粘度を定義する。
[接着剤の吸湿率]
前述の0.6mm厚の接着剤シートを約8cm角にカットし、片面のPETライナーを外した状態で25℃×26%相対湿度中に72時間乾燥放置し、重量測定後、25℃90%相対湿度中に24時間放置し、再度重量を測定した。接着シート単体(PETライナー分は含まない)重量に対する吸湿前後の重量増分%を吸湿率として算出した。
[接着剤の硬化後の接着強度(せん断接着力及び剥離接着力)]
「せん断接着力測定用試験片作製」
(1)幅25mm×長さ100mm×厚み1.6mmの一対の鋼板(JIS G3141規定SPCC)を用意し、防錆油をコートし、垂直に立てかけた状態で一日放置し、被接着面の余分な油分を除去した。
(2)接着剤シートを幅25mm×長さ10mmの形状にカットし、テープを得た。
(3)重なり面積幅25mm×長さ10mmで鋼板間に、テープ、及びステンレススチールワイヤ(径0.15mm)(スペーサーとして)を挟み、テストピースを得た。
(4)テストピースをクリップ留めして、オーブンでのベーキング中の仮固定を保った。
(5)テストピースをオーブン内で加熱した。加熱条件は、170℃、30分間とした。
(6)テストピースを室温付近まで冷却し、せん断接着力測定用試験片とした。
「剥離接着力測定用試験片作製」
(1)幅25mm×長さ150mm×厚み0.8mmの一対の鋼板(JIS G3141規定SPCC)を用意し、防錆油をコートし、垂直に立てかけた状態で一日放置し、被接着面の余分な油分を除去した。
(2)接着剤シートを幅25mm×長さ100mmの形状にカットし、テープを得た。
(3)鋼板間に、テープ、及びステンレススチールワイヤ(径0.15mm)(スペーサーとして)を挟み、テストピースを得た。
(4)テストピースをクリップ留めして、オーブンでのベーキング中の仮固定を保った。
(5)テストピースをオーブン内で加熱した。加熱条件は、170℃、30分間とした。
(6)テストピースを室温付近まで冷却し、端部から約50mm長さの非接着部を直角に曲げT型剥離接着力評価用試験片とした。
「耐水老化試験」
試験片を40℃温水中に30日間放置した。
「接着力測定」
測定装置:Orientec社製Tensilon万能試験機
引張速度:5mm/分(せん断接着力)、200mm/分(剥離接着力)
測定温度:室温、80℃(試験片は10分以上定温放置後測定した)
測定値:せん断接着力:最大値(単位:MPa)
剥離接着力:積分平均値
せん断接着力が15MPaを超える場合、せん断接着力が良好であるといえる。
剥離強度が75N/25mmを超える場合、剥離接着力が良好であるといえる。
[接着剤の硬化物のガラス板上外観(耐吸湿性)]
(1)厚み0.6mmの接着剤シートを幅10mm×長さ50mmの形状にカットし、テープを得た。
(2)ガラス板間に、テープ、及び厚み0.6mmのステンレススチールシート(スペーサーとして)を挟み、テストピースを得た。
(3)テストピースをクリップ留めして、オーブンでのベーキング中の仮固定を保った。
(4)テストピースをオーブン内で加熱した。加熱条件は、170℃、30分間とした。
(5)テストピースを室温付近まで冷却後、テストピースの外観を評価した。
結果「良」は、多孔質構造を有さない良好な外観を意味し、結果「不良」は、多孔質構造を有する外観不良を意味する。多孔質構造はテープ内に残存していた水蒸気に起因する。
[電着塗装後の接着剤の硬化物のヘム外観(耐吸湿性)]
実施例9〜12及び比較例6について、以下の手順で評価サンプルを作製した。
(1)接着剤シート(0.4mm厚みのエッジカバー用接着剤(A)のシートを幅10mm×長さ150mm、及び0.6mm厚みの接着剤(B)のシート)を幅15mm×長さ150mmの形状にカットし、テープ(A)及び(B)をそれぞれ得た。なお、エッジカバー用接着剤の場合は、優れたエッジカバーを得る目的で、各0.2mm厚みの別組成シートを組み合わせで適用する場合もある。実施例9及び10はこのようなシートの組み合わせの例であり、比較例6とともに示している。
(2)テープ(A)を内側パネル(0.8mm厚さのJIS G3141規定のSPCC)の一方の主面上、テープ(B)を内側パネルの他方の主面上に適用した(図1(A)に示すように)。
(3)内側パネルを外側パネル(0.8mm厚さのJIS G3141規定のSPCC)に、テープ(B)が外側パネルに対向するようにセットした。
(4)内側パネルの端部を覆うように外側パネルの端部を折り畳み、外側パネルがテープ(A)に接するまでプレス機で押圧してヘムフランジ構造を形成し(図1(B)に示すように)、60秒間保持した後、押圧を止めた。
(5)電着塗装用液として、「Power Nics Excel 1220」(日本ペイント(株)から入手可能)をヘムフランジ構造内に注入した。
(6)ヘムフランジ構造の側面をエポキシペーストでシールした。
(7)サンプルを加熱した。加熱条件は、160℃、20分間とした。
(8)室温まで冷却後、ヘム外観を目視評価した。
結果「不良」は、接着剤硬化物表面に発泡がみられたことを意味し、結果「良」は、接着剤硬化物表面に発泡がみられなかったことを意味する。
[エッジカバー]
(1)図2(A)を参照し、幅25mm×長さ150mm×厚み0.8mmの一対の鋼板(JIS G3141規定SPCC)41,42を用意した。
(2)0.4mm厚みのエッジカバー用接着剤シートを幅10mm×長さ100mmの形状にカットし、テープ43を得た。テープ43は単層、又は優れたエッジカバーを得る目的で、各0.2mm厚みの別組成シートを組み合わせで適用した。
(3)鋼板41,42間に、テープ43、及び厚み0.3mmのスペーサー44を挟み、5mmのオーバーラップO、及び0.3mmのギャップGを有するテストピース4を得た。
(4)テストピース4をクリップ留めして、オーブンでのベーキング中の仮固定を保った。
(5)テストピース4をオーブン内で加熱した。加熱条件は、160℃、20分間とした。
(6)テストピース4を室温まで冷却した後、テストピースを切り出して断面観察用に研磨した。
(7)図2(B)を参照し、外側パネルのエッジをカバーしているテープの長さ(エッジカバーEC)を測定した。エッジカバーECが0.1mm以上の場合、結果は良好であるといえる。
表1〜3に示すように、実施例1〜8は、吸湿性が低減された接着剤の例であり、硬化物が低吸湿性、良好な外観及び接着性を示した。一方、比較例1〜5は、(メタ)アクリレートポリマーが、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート単位を含まない例であり、比較例1、5においては硬化物が外観不良を示し、比較例2〜4においては、硬化物が良好な外観を示したが接着性が悪かった。比較例1、5に係る接着剤テープは、親水性を有するDMAAコポリマーを含んでおり吸湿しやすいために外観不良が招来されたと考えられる。また比較例2〜4においては、(メタ)アクリレートコポリマーと、エポキシ樹脂との親和性が悪く接着性が劣ったと考えられる。
実施例9〜12は、ヘムフランジ構造において電着塗装用液からの蒸気が接着剤(B)から選択的にベントされることで良好な外観を示した。一方比較例6は、ヘム外観不良であった。加熱プロセスにおいて、硬化開始温度が近い上に、接着剤(B)のゲル化時間が接着剤(A)のゲル化時間よりも短く、その結果、接着剤(B)の160℃到達時の粘度は接着剤(A)の粘度より格段に高くなったためである(接着剤(B)の可動性が接着剤(A)よりも低かったためである)。
Figure 2019094449
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Figure 2019094449
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本発明に係る接着剤及び接着剤物品は、被着体が水分による影響を受け易い用途に幅広く適用可能であり、特に、ヘムフランジ接着用途に好適に適用可能である。
1 金属部品アセンブリ
10 外側パネル
11,21 本体部分
12,22 フランジ
13,23 端部
20 内側パネル
30 接着剤物品
30A 接着剤(A)[エッジカバー用接着剤(A)]
30B 接着剤(B)[構造用接着剤(B)]
4 テストピース
41,42 鋼板
43 テープ
44 スペーサー

Claims (10)

  1. 接着剤100質量%基準で、
    (a)30〜60質量%のエポキシ樹脂、
    (b)10〜30質量%のコアシェル強靭化剤、
    (c)12〜35質量%の(メタ)アクリレートポリマー、
    (d)3〜10質量%のフェノキシ樹脂、及び
    (e)熱硬化剤
    を含み、
    前記(メタ)アクリレートポリマーが、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート単位を含む、接着剤。
  2. 前記(メタ)アクリレートポリマーが、溶解度パラメータ値10未満の(メタ)アクリレートモノマーに由来する、請求項1に記載の接着剤。
  3. 接着剤100質量%基準で、(f)0.1〜20質量%の熱膨張材を更に含む、請求項1又は2に記載の接着剤。
  4. 100℃での粘度が50Pa・s〜1500Pa・sである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤。
  5. 接着剤(A)と接着剤(B)との組合せである接着剤物品であって、
    前記接着剤(A)及び前記接着剤(B)が、それぞれ、請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤であり、
    前記接着剤(A)と前記接着剤(B)とが、160℃における粘度、及び/又は、硬化開始温度において互いに異なる、接着剤物品。
  6. 前記接着剤(A)の160℃での粘度が、500Pa・s以上であり、
    前記接着剤(B)の160℃での粘度が、前記接着剤(A)の粘度よりも低くかつ500Pa・s以下である、請求項5に記載の接着剤物品。
  7. 前記接着剤(A)及び前記接着剤(B)が潜在性硬化促進剤を含み、
    前記接着剤(A)に含まれる潜在性硬化促進剤の反応開始温度が100〜130℃であり、
    前記接着剤(B)に含まれる潜在性硬化促進剤の反応開始温度が、前記接着剤(A)に含まれる硬化促進剤の反応開始温度よりも高くかつ140〜160℃である、請求項5又は6に記載の接着剤物品。
  8. 前記接着剤(A)の160℃での硬化時間が、15分以上30分未満であり、
    前記接着剤(B)の160℃での硬化時間が、前記接着剤(A)の160℃での硬化時間よりも長くかつ20〜30分である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の接着剤物品。
  9. 前記接着剤(A)に含まれる熱硬化剤のゲルタイムが、10〜20分であり、
    前記接着剤(B)に含まれる熱硬化剤のゲルタイムが、前記接着剤(A)に含まれる熱硬化剤のゲルタイムよりも長くかつ15〜25分である、請求項5〜8のいずれか一項に記載の接着剤物品。
  10. 請求項5〜9のいずれか一項に記載の接着剤物品を用いて第1の板材と第2の板材とをヘムフランジ接着接合する方法であって、
    前記第1の板材は、本体部分と、前記本体部分の端部と隣接しかつ前記本体部分の縁に沿ったフランジ部とを有する金属板であり、
    前記方法は、
    接着剤(A)が前記第2の板材の第1の主面と前記第1の板材の前記フランジ部との間に位置し、接着剤(B)が前記第2の板材の第2の主面と前記第1の板材の前記本体部分との間に位置するように、前記接着剤物品、前記第1の板材及び前記第2の板材を配置すること、及び
    前記接着剤物品を熱硬化させること、
    を含む、方法。
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