JP2019093769A - 建設機械のカーボディ - Google Patents

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Abstract

【課題】カーボディ本体の上下方向の幅を大きくしなくても、アームの上下方向の幅を大きくでき、カーボディ本体の質量増大を抑制でき、カーボディ輸送時の輸送高さを抑制できるようにする。【解決手段】ブラケット60は、下側ブラケット70と、上側ブラケット80と、を備える。下側ブラケット70は、カーボディ下板47に設けられる。上側ブラケット80は、カーボディ上板48に設けられ、下側ブラケット70と上下方向Zに対向する。上側ブラケット80の下面は、カーボディ上板48の下面よりも上側Z1に配置される。上側ブラケット80の上面は、カーボディ上板48の上面よりも上側Z1に配置される。【選択図】図4

Description

本発明は、建設機械のカーボディに関する。
例えば特許文献1(図1参照)などに、従来の建設機械のカーボディが記載されている。同文献に記載のカーボディには、地面に対してカーボディなどを持ち上げるためのジャッキアップ装置が取り付けられる。同文献の図1に記載の技術では、ジャッキアップ装置のアームが、カーボディ本体に取り付けられている。
特開2006−290020号公報
このアームには、カーボディなどを持ち上げる際に、上下方向の曲げの力が作用する。そのため、このアームの曲げ強度を確保することが重要である。そこで、アームの曲げ強度を向上させるために、アームの上下方向の幅(高さ、厚さ)を大きくすることが考えられる。アームの上下方向の幅を大きくすると、カーボディ本体へのアームの取付部の上下方向の幅を広くする必要が生じる。そこで、アームの取付部の上下方向の幅を広くするために、カーボディ本体の上下方向の幅を大きく(厚く)することが考えられる。しかし、カーボディ本体の上下方向の幅を大きくすると、カーボディ本体の質量が増大するおそれがある。
また、カーボディ本体の上下方向の幅を大きくすると、カーボディの輸送時の輸送高さ(詳細は後述)が高くなるおそれがある。
そこで、本発明は、カーボディ本体の上下方向の幅を大きくしなくても、アームの上下方向の幅を大きくでき、カーボディ本体の質量増大を抑制でき、カーボディ輸送時の輸送高さを抑制できる、建設機械のカーボディを提供することを目的とする。
本発明の建設機械のカーボディは、ジャッキアップ装置のアームが取り付けられるものである。カーボディは、カーボディ本体と、ブラケットと、を備える。前記ブラケットは、前記カーボディ本体よりも前後方向外側に突出し、前記アームが取り付けられるものである。前記カーボディ本体は、前記カーボディ本体の底面を構成するカーボディ下板と、前記カーボディ本体の上面を構成するカーボディ上板と、を備える。前記ブラケットは、下側ブラケットと、上側ブラケットと、を備える。前記下側ブラケットは、前記カーボディ下板に設けられる。前記上側ブラケットは、前記カーボディ上板に設けられ、前記下側ブラケットと上下方向に対向する。前記上側ブラケットの下面は、前記カーボディ上板の下面よりも上側に配置される。前記上側ブラケットの上面は、前記カーボディ上板の上面よりも上側に配置される。
上記構成により、カーボディ本体の上下方向の幅を大きくしなくても、アームの上下方向の幅を大きくでき、カーボディ本体の質量増大を抑制でき、カーボディ輸送時の輸送高さを抑制できる。
輸送時の建設機械1を横から見た図である。 図1に示すカーボディ30を上から見た図である。 図2に示すブラケット60などを拡大した図である。 図3のF4−F4矢視断面図である。 第2実施形態の図4相当図である。
(第1実施形態)
図1〜図4を参照して、第1実施形態の建設機械1のカーボディ30について説明する。
建設機械1は、図1に示すように、建設作業などの作業を行う機械であり、移動可能である。例えば、建設機械1は、ブームを備えるクレーンである。このブームは、伸縮ブームでもよく、ラチスブームでもよい。建設機械1は、上部旋回体10と、下部走行体20と、を備える。
上部旋回体10は、下部走行体20よりも上側Z1に配置される。上部旋回体10は、旋回ベアリングBを介して下部走行体20に取り付けられ、下部走行体20に対して旋回中心O(図2参照)を中心に旋回可能である。
下部走行体20は、図2に示すように、クローラ21と、ジャッキアップ装置25と、カーボディ30と、を備える。
クローラ21は、建設機械1を走行させる部分である。クローラ21・21は、カーボディ30の左右(横方向Y両側)に設けられる。なお、「横方向Y」などの方向の詳細については後述する。左右のクローラ21・21のそれぞれは、前後方向Xに延びる。左右のクローラ21・21の横方向Yの間隔(幅)は、可変である。図2では、中心線Lに対する一方側(図2における上側)に、クローラ21が最も横方向外側Y1の位置に配置された状態を示す。中心線Lに対する他方側に、クローラ21が最も横方向内側Y2の位置に配置された状態を示す。なお、左右のクローラ21・21の横方向Yの幅は可変でなくてもよい。
ジャッキアップ装置25(トランスリフタ)は、図1に示すように、地面に対してカーボディ30を持ち上げる装置である。ジャッキアップ装置25は、輸送車(トレーラなどの)の荷台Cに対してカーボディ30を、搭載する際および降ろす際に、荷台Cよりも高い位置にカーボディ30を持ち上げるのに用いられる。また、ジャッキアップ装置25は、カーボディ30に対してクローラ21(図2参照)を着脱する際に、地面に対してクローラ21を持ち上げるために用いられる。ジャッキアップ装置25は、複数設けられ、例えば4つ設けられる(図2参照)。ジャッキアップ装置25には、使用状態25A1と、格納状態25A2と、がある。ジャッキアップ装置25は、アーム25aと、結合部25bと、シリンダ25cと、を備える。なお、図1および図2では、アーム25a、結合部25b、およびシリンダ25cの符号を、複数のジャッキアップ装置25のうちの一部にのみ付した。
アーム25a(トランスリフタアーム)は、カーボディ30とシリンダ25cとをつなぐ構造物である。図2に示すように、アーム25aは、上下方向Zの回転軸を中心に、カーボディ30に対して回転可能である。シリンダ25cは、伸縮可能であり、例えば油圧シリンダなどである。シリンダ25cは、結合部25bを介してアーム25aに取り付けられ、アーム25aに支持される。シリンダ25cは、水平方向の回転軸を中心に、アーム25aに対して回転可能である(図1参照)。
カーボディ30は、下部走行体20の中央部に設けられる構造物である。カーボディ30には、クローラ21およびジャッキアップ装置25が取り付けられる。カーボディ30は、カーボディ本体40と、旋回座50と、ブラケット60と、を備える。
(方向)
図1に示すように、下部走行体20に対する上部旋回体10の回転軸が延びる方向(鉛直方向)を、上下方向Zとする。下部走行体20から上部旋回体10に向かう側を、上側Z1とし、その逆側を、下側Z2とする。図2に示すように、クローラ21が延びる方向を、前後方向Xとする。前後方向Xにおいて、旋回中心Oから離れる側を前後方向外側X1とし、旋回中心Oに近づく側を前後方向内側X2とする。前後方向Xおよび上下方向Zに直交する方向を、横方向Yとする。横方向Yにおいて、旋回中心Oから離れる側を横方向外側Y1とし、旋回中心Oに近づく側を横方向内側Y2とする。
カーボディ本体40は、カーボディ本体中央部41と、アクスル43と、を備える。また、図4に示すように、カーボディ本体40は、カーボディ下板47と、カーボディ上板48と、を備える。
カーボディ本体中央部41は、図2に示すように、カーボディ本体40の前後方向X中央部を構成する部分である。カーボディ本体中央部41は、旋回座50を下側Z2から支持する(図1参照)。アクスル43は、クローラ21が取り付けられる部分である。アクスル43・43は、カーボディ本体中央部41の前後(前後方向外側X1の両側)に設けられる。前後のアクスル43・43のそれぞれは、横方向Yに延びる。
カーボディ下板47は、図4に示すように、カーボディ本体40の底面(下側Z2の面)を構成する、板状部材である。カーボディ下板47は、アクスル43の底面を構成する。カーボディ下板47は、図1に示すカーボディ本体中央部41の底面を構成してもよい。なお、アクスル43の底面と、カーボディ本体中央部41の底面とは、一体的に(1枚板で)構成されてもよく、別体でもよい。
カーボディ上板48は、図4に示すように、カーボディ本体40の上面(上側Z1の面)を構成する、板状部材である。カーボディ上板48は、アクスル43の上面を構成する。カーボディ上板48は、図1に示すカーボディ本体中央部41の上面を構成してもよい。なお、アクスル43の上面と、カーボディ本体中央部41の上面とは、一体的に(1枚板で)構成されてもよく、別体でもよい。図3に示すように、カーボディ上板48は、カーボディ上板凹部48aと、カーボディ上板突出部48bと、を備える。図4に示すように、カーボディ上板48の上面を、カーボディ上板上面48tとする。カーボディ上板48の下面を、カーボディ上板下面48uとする。
カーボディ上板凹部48aは、図3に示すように、カーボディ上板48とアーム25aとが干渉しないように構成される。カーボディ上板凹部48aは、カーボディ上板48の前後方向外側X1端部に設けられる。カーボディ上板凹部48aは、ブラケット60に対してアーム25aが回転したときにアーム25aが通る範囲を避けるように形成される。なお、ブラケット60に対するアーム25aの回転可能な角度の範囲は、所定の範囲内に限られる(360°回転可能ではない)。そのため、カーボディ上板凹部48aは、ブラケット60に対してアーム25aが所定の範囲内で回転したときのアーム25aの通る範囲を避けるように形成されればよい。
カーボディ上板突出部48bは、カーボディ上板48の前後方向外側X1端部近傍での応力集中を抑制させ、ブラケット60の上下方向Zの曲げ応力を抑制するための部分である。カーボディ上板突出部48bは、カーボディ上板凹部48aと横方向Yに隣り合い、カーボディ上板凹部48aの左右に配置される。カーボディ上板突出部48bは、カーボディ上板凹部48aよりも前後方向外側X1に突出する。
旋回座50は、図1に示すように、旋回ベアリングBが取り付けられる部分である。旋回座50は、カーボディ本体40から上側Z1に突出する。なお、旋回座50は、カーボディ本体40に含まれない。カーボディ本体40の上面を構成するカーボディ上板48(図4参照)は、旋回座50の上面ではない。
ブラケット60は、アーム25aが取り付けられる部分(アーム取付部)である。ブラケット60は、カーボディ本体40よりも(アクスル43よりも)前後方向外側X1に突出する。図2に示すように、ブラケット60は、カーボディ本体40の前後(前後方向X両側)および左右(横方向Y両側)の合計4か所に設けられる。以下では、1か所のブラケット60について説明する。図4に示すように、ブラケット60は、下側ブラケット70と、上側ブラケット80と、を備える。
下側ブラケット70は、カーボディ下板47に設けられる。下側ブラケット70は、カーボディ下板47よりも前後方向外側X1に突出し、アクスル43よりも前後方向外側X1に突出する。下側ブラケット70は、カーボディ下板47と一体的に(1枚板で)構成されてもよく、カーボディ下板47と別体でもよい。
上側ブラケット80は、カーボディ上板48に設けられる。上側ブラケット80の少なくとも一部は、カーボディ上板48よりも前後方向外側X1に突出し、アクスル43よりも前後方向外側X1に突出する。上側ブラケット80は、下側ブラケット70と上下方向Zに対向する。上側ブラケット80と下側ブラケット70との間にアーム25aが配置される。上側ブラケット80は、カーボディ上板48とは別体の部材である(1枚板ではない)。上側ブラケット80は、カーボディ上板上面48tに固定される。上側ブラケット80は、カーボディ上板48の前後方向外側X1の面にも固定される(固定の詳細は後述)。上側ブラケット80は、本体材81と、板継材83と、を備える。
本体材81は、上側ブラケット80の大部分を構成する部分(本体部)である。本体材81は、板状部材である。本体材81は、重なり部81aと、本体材外側部81bと、を備える。重なり部81aと本体材外側部81bとは、前後方向Xに連続するように一体的に形成される(1枚板である)。なお、図4では、重なり部81aと本体材外側部81bとの境界を二点鎖線で示した。図3に示すように、1枚の本体材81は、左右の(横方向Yの2か所の)上側ブラケット80にまたがって設けられる。なお、本体材81は、複数の上側ブラケット80にまたがって設けられなくてもよい。
重なり部81aは、図4に示すように、カーボディ上板48と重ねられる(ダブリングさせる)ことで、上側ブラケット80の強度を向上させる部分である。重なり部81aは、本体材81のうち、カーボディ上板48の前後方向外側X1の端よりも、前後方向内側X2の部分である。重なり部81aは、カーボディ上板上面48tと平行に延び、カーボディ上板上面48tに重なるように配置され、カーボディ上板上面48tに固定される。なお、図4に示す例では、重なり部81aは、1枚設けられる(カーボディ上板48と重なり部81aとで2重である)が、2枚以上設けられてもよい(カーボディ上板48と重なり部81aとで3重以上でもよい)。
本体材外側部81bは、本体材81のうち、カーボディ上板48の前後方向外側X1の端よりも前後方向外側X1の部分である。本体材外側部81bは、カーボディ上板上面48tよりも上側Z1に配置される。
板継材83は、アーム25aに対するカーボディ30の高さを調整する機能、および、上側ブラケット80の曲げの応力集中を抑制する機能などを有する。応力集中を抑制する機能の詳細は次の通りである。板継材83が設けられなければ、カーボディ上板48および上側ブラケット80の前後方向Xから見た断面(図示なし)は、カーボディ上板48の前後方向外側X1端部で急激に変化する。この断面の面積は、カーボディ上板48の前後方向外側X1端部の位置で、前後方向外側X1に向かって、急激に狭くなる。そこで、急激な断面変化による曲げの応力集中を抑制できるように、板継材83が設けられる。具体的には、板継材83は、カーボディ上板48の前後方向外側X1の面から前後方向外側X1に延びる。板継材83は、カーボディ上板48の前後方向外側X1の面に固定される。この固定は、溶接による固定(溶接部83yでの固定)であることが好ましい(溶接の詳細については後述)。板継材83は、本体材外側部81bに上下方向Zに重ねられ、本体材外側部81bよりも下側Z2に配置され、本体材外側部81bに固定される。この固定は、溶接による固定(溶接部81yでの固定)であることが好ましい(後述)。
この板継材83は、本体材外側部81bとアーム25aとの上下方向Zにおける間に配置される。板継材83の上下方向Zの厚さが調整されることで、アーム25aに対するカーボディ30の高さを調整できる。板継材83を厚くするほど、アーム25aに対してカーボディ30が上側Z1に配置される。また、板継材83の上下方向Zの厚さが調整されることで、ブラケット60に対するアーム25aの上下方向Zへのがたつきを抑制できる。
(上側ブラケット上面80tの位置)
上側ブラケット80の上面を、上側ブラケット上面80tとする。上側ブラケット上面80tは、上側ブラケット80の強度をできるだけ確保できるように配置される。具体的には、上側ブラケット上面80tは、カーボディ上板上面48tよりも上側Z1に配置される。さらに詳しくは、上側ブラケット80のうちアーム25aと上下方向Zに対向する部分の上面は、カーボディ上板上面48tよりも上側Z1に配置される。図4に示す例では、本体材外側部81bの上面は、カーボディ上板上面48tよりも上側Z1に配置される。
(上側ブラケット下面80uの位置)
上側ブラケット80の下面を、上側ブラケット下面80uとする。上側ブラケット下面80uは、アーム25aのブラケット60への取付部の上下方向Zの幅(高さ)を、できるだけ大きくできるように配置される。具体的には、上側ブラケット下面80uは、カーボディ上板下面48uよりも上側Z1に配置される。さらに詳しくは、上側ブラケット80のうちアーム25aと上下方向Zに対向する部分の下面は、カーボディ上板下面48uよりも上側Z1に配置される。図4に示す例では、板継材83の下面は、カーボディ上板下面48uよりも上側Z1に配置される。
(上側ブラケット80の厚さT80)
上側ブラケット80のうち、アーム25aと上下方向Zに対向する部分の上下方向Zの厚さを、厚さT80とする。図4に示す例では、厚さT80は、本体材外側部81bおよび板継材83の厚さ(厚さの合計)である。厚さT80は、カーボディ上板48を軽量化できるように、かつ、上側ブラケット80の強度を確保できるように設定されることが好ましい。具体的には、厚さT80は、カーボディ上板48の上下方向Zの厚さT48よりも厚い。
ここで、上側ブラケット80には、ジャッキアップ装置25の使用時(図1の使用状態25A1を参照)に、カーボディ30などの自重が作用する(上側ブラケット80は自重を支える)。一方、下側ブラケット70には、ジャッキアップ装置25の使用時に上記自重が作用しない。そのため、下側ブラケット70よりも上側ブラケット80の強度を高くすることが重要である。そこで、厚さT80は、上側ブラケット80の強度を確保できるように、かつ、下側ブラケット70を軽量化できるように、設定されることが好ましい。具体的には、厚さT80は、下側ブラケット70のうち、アーム25aと上下方向Zに対向する部分の上下方向Zの厚さT70よりも厚い。
(本体材81の溶接部81y)
本体材81の、板継材83およびカーボディ上板48への溶接は、溶接部81yのクラックを抑制できるように行われたものであることが好ましい。具体的には次のように溶接部81yが設けられることが好ましい。図3に示すように、上側Z1から見たとき、板継材83およびカーボディ上板48は、本体材81の外周の全周(一周)にわたって、本体材81の外周よりも外側(上側Z1から見た本体材81の外側)に突出する。そして、板継材83およびカーボディ上板48のそれぞれの上面と、本体材81の外周の全周と、が溶接(図4に示す溶接部81y)により固定される。
(板継材83の溶接部83y)
また、上記のように、図4に示すカーボディ上板48および上側ブラケット80の、前後方向Xから見た断面(図示なし)は、カーボディ上板48の前後方向外側X1の端部で急激に変化する。この断面変化部での応力を抑制し、溶接部83yのクラックを抑制できるように、板継材83とカーボディ上板48とが固定されることが好ましい。具体的には、板継材83とカーボディ上板48とは、溶接(溶接部83y)により固定されることが好ましい。また、一般に、隅肉溶接よりも突合せ溶接の方が溶接部の強度が高い。よって、例えば、板継材83が設けられず、カーボディ上板48の前後方向外側X1端部と、本体材81と、が隅肉溶接により固定される場合などに比べ、板継材83とカーボディ上板48とが突合せ溶接により固定される場合は、溶接部83yの強度を向上させることができる。その結果、上側ブラケット80の強度を向上させることができる。
(輸送)
図1に示す建設機械1は、例えば次のように輸送される。カーボディ30が、ジャッキアップ装置25(使用状態25A1)により、地面に対して持ち上げられる。この状態で、クローラ21(図2参照)が、カーボディ30から取り外される。また、荷台Cが、カーボディ30よりも下側Z2に配置される。そして、シリンダ25cが縮められることで、カーボディ30が、荷台Cに搭載される。次に、ジャッキアップ装置25が、格納状態25A2とされる。この状態で、建設機械1が輸送される。このとき、地面から、上部旋回体10の最も高い部分までの高さが、輸送高さとなる。公道輸送時には、この輸送高さが、法令により制限される。下記のように、カーボディ30では、輸送高さを抑制できる。
(効果)
図1に示す建設機械1のカーボディ30による効果は次の通りである。
(第1の発明の効果)
建設機械1のカーボディ30は、ジャッキアップ装置25のアーム25aが取り付けられるものである。カーボディ30は、カーボディ本体40と、ブラケット60と、を備える。ブラケット60は、カーボディ本体40よりも前後方向外側X1に突出する。ブラケット60には、アーム25aが取り付けられる。図4に示すように、カーボディ本体40は、カーボディ本体40の底面を構成するカーボディ下板47と、カーボディ本体40の上面を構成するカーボディ上板48と、を備える。ブラケット60は、下側ブラケット70と、上側ブラケット80と、を備える。下側ブラケット70は、カーボディ下板47に設けられる。上側ブラケット80は、カーボディ上板48に設けられ、下側ブラケット70と上下方向Zに対向する。
[構成1−1]上側ブラケット80の下面(上側ブラケット下面80u)は、カーボディ上板48の下面(カーボディ上板下面48u)よりも上側Z1に配置される。
[構成1−2]上側ブラケット80の上面(上側ブラケット上面80t)は、カーボディ上板48の上面(カーボディ上板上面48t)よりも上側Z1に配置される。
カーボディ30は、上記[構成1−1]を備える。よって、カーボディ上板48とカーボディ下板47との上下方向Zの間隔を広げなくても、カーボディ上板48とカーボディ下板47との間隔よりも上下方向Zの幅の大きいアーム25aを、ブラケット60に取り付けることができる。よって、カーボディ本体40の上下方向Zの幅を大きくしなくても、アーム25aの上下方向Zの幅を大きくできる。
上記[構成1−1]により、カーボディ上板48とカーボディ下板47との上下方向Zの間隔を広げる必要がないので、次の[効果1a]および[効果1b]が得られる。[効果1a]カーボディ上板48とカーボディ下板47との上下方向Zの間隔を広げる場合に比べ、カーボディ上板48とカーボディ下板47とを上下方向Zにつなぐ部材(縦板など)を軽量化できる。よって、カーボディ本体40の質量を抑制できる。[効果1b]カーボディ上板48とカーボディ下板47との上下方向Zの間隔を広げる場合に比べ、カーボディ30の輸送時の、地面からカーボディ上板上面48tまでの高さを低くできる。よって、カーボディ上板48よりも上側Z1に配置される物(例えば上部旋回体10(図1参照))の地面からの高さを低くできる。よって、カーボディ30の輸送時の、輸送高さを抑制できる。その結果、カーボディ30を容易に輸送しやすい。
また、上記[構成1−1]により、アーム25aの上下方向Zの幅を大きくできるので、次の[効果1c]および[効果1d]が得られる。[効果1c]アーム25aの上下方向Zの幅を大きくすることで、アーム25aの断面性能を向上させることができ、アーム25aの上下方向Zの曲げに対する強度を向上させることができる。[効果1d]アーム25aの上下方向Zの幅を大きくできる結果、図1に示すアーム25aとシリンダ25cとの結合部25bを大きくできる。よって、アーム25aとシリンダ25cとの接続を強固にできる。よって、ジャッキアップ装置25の強度を向上させることができる。
図4に示すカーボディ30は、上記[構成1−2]を備える。よって、上側ブラケット上面80tの上下方向Zの位置が、カーボディ上板上面48tの上下方向Zの位置に対して、同じ位置または下側Z2である場合に比べ、上側ブラケット80の上下方向Zの厚さを確保できる。よって、上側ブラケット80の上下方向Zの曲げに対する強度を確保できる。
また、上記[構成1−2]によって上側ブラケット80の強度を確保できるので、次の効果が得られる。カーボディ上板上面48tと上側ブラケット上面80tとが同じ高さの場合について考える。この場合、上側ブラケット80の強度を確保するために、カーボディ上板48を厚くすることで上側ブラケット80を厚くすれば、カーボディ上板48の質量が増大してしまう。一方、カーボディ30では、上記[構成1−2]によって上側ブラケット80の強度を確保できるので、カーボディ上板48を厚くして上側ブラケット80の強度を確保する必要がない。よって、カーボディ上板48の質量増大を抑制でき、また、カーボディ30の輸送時の地面からカーボディ上板上面48tまでの高さを低くできる。
(第2の発明の効果)
[構成2]上側ブラケット80のうち、アーム25aと上下方向Zに対向する部分の上下方向Zの厚さT80は、カーボディ上板48の上下方向Zの厚さT48よりも厚い。
ジャッキアップ装置25の使用時(図1の使用状態25A1参照)には、カーボディ30などの自重が上側ブラケット80に作用し、上下方向Zの曲げの力が上側ブラケット80に作用する。そこで、カーボディ30は、上記[構成2]を備える。よって、上側ブラケット80の厚さT80がカーボディ上板48の厚さT48以下である場合に比べ、上側ブラケット80の上下方向Zの曲げ強度を向上させることができる。
また、上記[構成2]では、カーボディ上板48の厚さT48は、上側ブラケット80の厚さT80以下である。よって、カーボディ上板48を軽量化できる。また、カーボディ上板48の厚さT48が、上側ブラケット80の厚さT80以下なので、カーボディ30の輸送時の、地面からカーボディ上板上面48tまでの高さを低くできる。よって、カーボディ上板48よりも上側Z1に配置される物(例えば上部旋回体10(図1参照))の地面からの高さを低くできる。よって、カーボディ30の輸送時の、輸送高さを低くできる。その結果、カーボディ30を容易に輸送しやすい。
(第3の発明の効果)
[構成3]上側ブラケット80のうち、アーム25aと上下方向Zに対向する部分の上下方向Zの厚さT80は、下側ブラケット70のうち、アーム25aと上下方向Zに対向する部分の上下方向Zの厚さT70よりも厚い。
上記[構成3]により、上側ブラケット80の厚さT80が下側ブラケット70の厚さT70以下である場合に比べ、上側ブラケット80の上下方向Zの曲げ強度を向上させることができる。また、上記[構成3]では、下側ブラケット70の厚さT70は、上側ブラケット80の厚さT80よりも薄い。よって、下側ブラケット70を軽量化できる。
(第4の発明の効果)
[構成4]上側ブラケット80は、カーボディ上板48とは別体の部材であり、カーボディ上板上面48tに固定される。
上記[構成4]により、上側ブラケット80とカーボディ上板48とを一体的に製作する場合に比べ、上側ブラケット80およびカーボディ上板48を別々に容易に製作できる。また、上側ブラケット80が取り付けられていない状態のカーボディ本体40と、上側ブラケット80と一体的に設けられたカーボディ本体40と、を比べると、前者の方が軽量である。よって、上側ブラケット80が取り付けられていない状態でのカーボディ本体40(例えばカーボディ30の製作途中のカーボディ本体40など)を軽量化できる。
(第5の発明の効果)
[構成5]上側ブラケット80は、重なり部81aを備える。重なり部81aは、カーボディ上板上面48tと平行に延び、カーボディ上板上面48tに重なるように配置され、カーボディ上板上面48tに固定される。
上記[構成5]により、重なり部81aを備えない場合に比べ、カーボディ上板48に対して上側ブラケット80を強く固定させることができる。よって、上側ブラケット80の上下方向Zの曲げ強度を向上させることができる。
(第6の発明の効果)
上側ブラケット80のうち、カーボディ上板48よりも前後方向外側X1の部分は、本体材外側部81bと、板継材83と、を備える。本体材外側部81bは、カーボディ上板上面48tよりも上側Z1に配置される。
[構成6−1]板継材83は、本体材外側部81bとアーム25aとの上下方向Zにおける間に配置される。
[構成6−2]板継材83は、カーボディ上板48の前後方向外側X1の面から前後方向外側X1に延びる。
上記[構成6−1]により、板継材83の上下方向Zの厚さを調整することで、アーム25aに対する本体材外側部81bの上下方向Zの位置を調整できる。板継材83を厚くするほど、アーム25aに対して本体材外側部81bを上側Z1に配置できる。本体材外側部81bは、カーボディ本体40に対して固定されるので、板継材83の上下方向Zの厚さを調整することで、アーム25aに対するカーボディ本体40の高さを調整できる。また、上記[構成6−1]により、板継材83の上下方向Zの厚さを調整することで、ブラケット60に対するアーム25aの上下方向Zへのがたつきを抑制できる。
上記[構成6−2]により、次の効果が得られる。上記[構成1−1]では、上側ブラケット下面80uは、カーボディ上板下面48uよりも上側Z1に配置される。そのため、カーボディ上板48および上側ブラケット80の、前後方向Xから見た断面は、カーボディ上板48の前後方向外側X1の端部で急激に変化する場合がある。そのため、上側ブラケット80が上下方向Zの曲げの力を受けたときに、この断面変化部で応力集中が生じる場合がある。そこで、カーボディ30は、上記[構成6−2]を備える。よって、カーボディ上板48の前後方向外側X1の端部に板継材83が存在しない場合に比べ、カーボディ上板48の前後方向外側X1の端部での断面変化を減らせる。よって、この断面変化部での応力集中を抑制できる。よって、上側ブラケット80の上下方向Zの曲げ強度を向上させることができる。
(第7の発明の効果)
[構成7]カーボディ上板48の前後方向外側X1端部と板継材83とは、溶接(溶接部83y)により固定されている。
上記[構成7]により、カーボディ上板48の前後方向外側X1端部と板継材83とが、機械的な固定(ボルトなど)や接着剤による固定によって固定される場合などに比べ、この固定部(溶接部83y)の強度を向上させることができる。
(第8の発明の効果)
[構成8]本体材外側部81bは、重なり部81aと前後方向Xに連続して一体的に形成される。本体材外側部81bおよび重なり部81aは、本体材81を構成する。図3に示すように、上側Z1から見たとき、板継材83およびカーボディ上板48は、本体材81の外周の全周にわたって、本体材81の外周よりも外側(上側Z1から見た本体材81の外側)に突出する。板継材83およびカーボディ上板48のそれぞれの上面と、本体材81の外周の全周とが、溶接(溶接部81y)により固定されている。
上記[構成8]により、溶接部81y(図4参照)が、本体材81の外周の全周にわたって連続するものでない場合(途中で途切れる場合など)に比べ、溶接部81yに生じる応力を抑制でき、溶接部81yにクラックが入りにくい。その結果、上側ブラケット80の強度を向上させることができる。
(第9の発明の効果)
カーボディ上板48は、カーボディ上板凹部48aと、カーボディ上板突出部48bと、を備える。
[構成9−1]カーボディ上板凹部48aは、ブラケット60に対してアーム25aが回転したときにアーム25aが通る範囲を避けるように形成される。
[構成9−2]カーボディ上板突出部48bは、カーボディ上板凹部48aと横方向Yに隣り合い、カーボディ上板凹部48aよりも前後方向外側X1に突出する。
上記[構成9−1]により、アーム25aとカーボディ上板48との干渉を抑制できる。また、カーボディ30は、上記[構成9−2]を備える。よって、上記「アーム25aが通る範囲」よりも前後方向内側X2のみにカーボディ上板48が設けられる場合に比べ、カーボディ上板48の前後方向外側X1の端部を、より前後方向外側X1に配置できる。よって、カーボディ上板48の前後方向外側X1の端部付近での、カーボディ上板48および本体材81の、前後方向X方向から見た断面積を増やすことができる。また、図4に示すカーボディ上板48と重なっている重なり部81aを、より前後方向外側X1に広げることができるとも言える。よって、上側ブラケット80の上下方向Zの曲げ強度をより向上させることができる。
(第2実施形態)
図5を参照して、第2実施形態のカーボディ230について、第1実施形態との相違点を説明する。なお、第2実施形態のカーボディ230のうち、第1実施形態との共通点については、第1実施形態と同一の符号を付すなどして、説明を省略した。第2実施形態のカーボディ230は、第1実施形態の上側ブラケット80(図4参照)とは構造の異なる上側ブラケット280を備える。
上側ブラケット280は、本体材281と、連結部285と、を備える。上側ブラケット280は、板継材83(図4参照)を備えない。第1実施形態の本体材81(図4参照)に対する本体材281の相違点は次の通りである。本体材281の下面は、カーボディ上板上面48tよりも上側Z1に配置される。本体材281は、重なり部81a(図4参照)を備えない。連結部285は、カーボディ上板上面48tと、本体材281(例えば本体材281の前後方向内側X2端部)と、を連結する。
この上側ブラケット280では、本体材281の下面は、カーボディ上板上面48tよりも上側Z1に配置される。よって、図4に示すように本体材81の下面がカーボディ上板上面48tに接触する場合に比べ、図5に示すアーム25aの上下方向Zの幅をより大きくできる。
(変形例)
上記実施形態は様々に変形されてもよい。例えば、各構成要素の配置や形状が変更されてもよい。例えば、構成要素の数が変更されてもよく、構成要素の一部が設けられなくてもよい。
例えば、図4に示すカーボディ上板48と上側ブラケット80とが、一体的に(連続的に)構成されてもよい。例えば、各部材の固定は、機械的な固定(ボルトなど)や、接着剤による固定でもよい。例えば、溶接部81yおよび溶接部83yの少なくともいずれかを、機械的な固定(ボルトなど)および接着剤による固定の少なくともいずれかの固定に代えてもよい。
1 建設機械
25 ジャッキアップ装置
25a アーム
30、230 カーボディ
40 カーボディ本体
47 カーボディ下板
48 カーボディ上板
48a カーボディ上板凹部
48b カーボディ上板突出部
60 ブラケット
70 下側ブラケット
80、280 上側ブラケット
81、281 本体材
81a 重なり部
81b 本体材外側部
83 板継材
X1 前後方向外側

Claims (9)

  1. ジャッキアップ装置のアームが取り付けられる、建設機械のカーボディであって、
    カーボディ本体と、
    前記カーボディ本体よりも前後方向外側に突出し、前記アームが取り付けられるブラケットと、
    を備え、
    前記カーボディ本体は、
    前記カーボディ本体の底面を構成するカーボディ下板と、
    前記カーボディ本体の上面を構成するカーボディ上板と、
    を備え、
    前記ブラケットは、
    前記カーボディ下板に設けられる下側ブラケットと、
    前記カーボディ上板に設けられ、前記下側ブラケットと上下方向に対向する上側ブラケットと、
    を備え、
    前記上側ブラケットの下面は、前記カーボディ上板の下面よりも上側に配置され
    前記上側ブラケットの上面は、前記カーボディ上板の上面よりも上側に配置される、
    建設機械のカーボディ。
  2. 請求項1に記載の建設機械のカーボディであって、
    前記上側ブラケットのうち、前記アームと上下方向に対向する部分の上下方向の厚さは、前記カーボディ上板の上下方向の厚さよりも厚い、
    建設機械のカーボディ。
  3. 請求項1または2に記載の建設機械のカーボディであって、
    前記上側ブラケットのうち、前記アームと上下方向に対向する部分の上下方向の厚さは、前記下側ブラケットのうち、前記アームと上下方向に対向する部分の上下方向の厚さよりも厚い、
    建設機械のカーボディ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の建設機械のカーボディであって、
    前記上側ブラケットは、前記カーボディ上板とは別体の部材であり、前記カーボディ上板の上面に固定される、
    建設機械のカーボディ。
  5. 請求項4に記載の建設機械のカーボディであって、
    前記上側ブラケットは、前記カーボディ上板の上面と平行に延び、前記カーボディ上板の上面に重なるように配置され、前記カーボディ上板の上面に固定される重なり部を備える、
    建設機械のカーボディ。
  6. 請求項4または5に記載の建設機械のカーボディであって、
    前記上側ブラケットのうち、前記カーボディ上板よりも前後方向外側の部分は、
    前記カーボディ上板の上面よりも上側に配置される本体材外側部と、
    前記本体材外側部と前記アームとの上下方向における間に配置され、前記カーボディ上板の前後方向外側の面から前後方向外側に延びる板継材と、
    を備える、
    建設機械のカーボディ。
  7. 請求項6に記載の建設機械のカーボディであって、
    前記カーボディ上板の前後方向外側端部と前記板継材とは、溶接により固定されている、
    建設機械のカーボディ。
  8. 請求項6または7に記載の建設機械のカーボディであって、
    前記本体材外側部は、前記重なり部と前後方向に連続して一体的に形成され、
    前記本体材外側部および前記重なり部は、本体材を構成し、
    上側から見たとき、前記板継材および前記カーボディ上板は、前記本体材の外周の全周にわたって、前記本体材の外周よりも外側に突出し、
    前記板継材および前記カーボディ上板のそれぞれの上面と、前記本体材の外周の全周とが、溶接により固定されている、
    建設機械のカーボディ。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の建設機械のカーボディであって、
    前記カーボディ上板は、
    前記ブラケットに対して前記アームが回転したときに前記アームが通る範囲を避けるように形成されるカーボディ上板凹部と、
    前記カーボディ上板凹部と横方向に隣り合い、前記カーボディ上板凹部よりも前後方向外側に突出するカーボディ上板突出部と、
    を備える、
    建設機械のカーボディ。
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