JP2019092423A - 発酵乳生成方法及び発酵乳生成装置 - Google Patents

発酵乳生成方法及び発酵乳生成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液状の発酵乳を生成する方法を提供する。【解決手段】発酵乳生成装置で用いられ、原料乳と種菌とを加熱発酵させることにより、粘度が9〜1500mPa・sの範囲であり、且つ、pHが4.3〜4.9の範囲である発酵乳を生成する発酵乳生成方法であって、原料乳と種菌とを含む被加熱物の温度が第1の速度で上昇するように、被加熱物を加熱する予備加熱工程と、予備加熱工程の後、被加熱物の温度が第1の速度よりも緩やかな第2の速度で上昇し、28℃以上且つ33℃未満の範囲に達するように被加熱物を加熱する本加熱工程とを含み、予備加熱工程の時間と本加熱工程の時間との合計は7.5〜8.5時間であり、予備加熱工程の時間と本加熱工程の時間との配分は、予備加熱工程の時間が1に対して、本加熱工程の時間が4.3〜7.0の範囲であることを特徴とする。【選択図】図11

Description

本発明は、原料乳と乳酸菌とを加熱発酵させて発酵乳を生成する方法及び装置に関し、特に、滑らかな液状の発酵乳を生成する方法及び装置に関する。
ヨーグルトに代表される発酵乳は、生乳などの原料乳に乳酸菌を加えて加熱発酵させたものである。特許文献1は、発酵乳の製造方法を開示している。特許文献1に記載の製造方法は、原料乳に乳酸桿菌および乳酸球菌を添加して加熱発酵させる。発酵工程においては、従来の至適温度よりも高い温度である44〜55℃で発酵させる。これにより、冷蔵保存中における発酵乳の酸度の上昇を抑制し、風味の劣化を防止することができる。
再公表WO2011/083776号公報
ところで、ヨーグルトには、糊状のヨーグルト(食べるヨーグルト)、液状のヨーグルト(飲むヨーグルト)および凍結状のヨーグルト(フローズンヨーグルト)があるが、飲むヨーグルトは手軽に摂取が可能であり、その需要が高まっている。
飲むヨーグルトを生成するには、先ず、原料乳と乳酸菌とから食べるヨーグルトを生成し、その後、食べるヨーグルトを破砕する必要がある。すなわち、ヨーグルトを均質化して、口当たりを滑らかにする必要がある。しかし、単純にヨーグルトをスプーン等で混ぜるだけでは均質化をすることはできない。高粘度の部分(だま)が残らないようにするためには、撹拌や加圧を行う均質機等を用いる必要があり(特許文献1の段落0002および0022)、装置が大型化するという問題がある。装置の大型化は、特に家庭用のヨーグルトメーカにおいて問題となり得る。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑み、破砕の工程を追加することなく液状の発酵乳を生成することが可能な発酵乳生成方法及び発酵乳生成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る発酵乳生成方法は、発酵乳生成装置で用いられ、原料乳と種菌とを加熱発酵させることにより、粘度が9〜1500mPa・sの範囲であり、且つ、pHが4.3〜4.9の範囲である発酵乳を生成する発酵乳生成方法であって、前記原料乳と前記種菌とを含む被加熱物の温度が第1の速度で上昇するように、前記被加熱物を加熱する予備加熱工程と、前記予備加熱工程の後、前記被加熱物の温度が前記第1の速度よりも緩やかな第2の速度で上昇し、28℃以上且つ33℃未満の範囲に達するように前記被加熱物を加熱する本加熱工程とを含み、前記予備加熱工程の時間と前記本加熱工程の時間との合計は7.5〜8.5時間であり、前記予備加熱工程の時間と前記本加熱工程の時間との配分は、前記予備加熱工程の時間が1に対して、前記本加熱工程の時間が4.3〜7.0の範囲であることを特徴とする。
本発明に係る発酵乳生成装置は、原料乳と種菌とを加熱発酵させることにより、粘度が9〜1500mPa・sの範囲であり、且つ、pHが4.3〜4.9の範囲である発酵乳を生成する発酵乳生成装置であって、前記原料乳と前記種菌とを含む被加熱物の温度が第1の速度で上昇するように、前記被加熱物を加熱する予備加熱工程と、前記予備加熱工程の後、前記被加熱物の温度が前記第1の速度よりも緩やかな第2の速度で上昇し、28℃以上且つ33℃未満の範囲に達するように前記被加熱物を加熱する本加熱工程とを行う制御部を備え、前記予備加熱工程の時間と前記本加熱工程の時間との合計は7.5〜8.5時間であり、前記予備加熱工程の時間と前記本加熱工程の時間との配分は、前記予備加熱工程の時間が1に対して、前記本加熱工程の時間が4.3〜7.0の範囲であることを特徴とする。
上記の方法及び装置によれば、破砕の工程を追加することなく液状の発酵乳を生成することができる。
発酵乳生成装置の外観を示す図である。 発酵乳生成装置の構造を説明するための断面図である。 発酵乳生成装置の機能構成を示すブロック図である。 カゼインの凝固タイミングについて説明するための図である。 加熱発酵工程の温度上昇速度に応じた発酵乳の滑らかさを説明するための図である。 発酵乳生成方法のフローチャートである。 予備加熱のフローチャートであって、図8に続く。 予備加熱のフローチャートであって、図7から続く。 本加熱のフローチャートである。 本加熱の温度制御について説明するための図である。 実施形態に係る発酵乳生成方法の温度変化を説明するための図である。 実施形態に係る発酵乳生成方法で生成された発酵乳について説明するための図である。 (a)本加熱の変形例のフローチャートである。(b)本加熱の変形例で用いるテーブルである。 変形例における温度センサについて説明するための図である。
<概要>
一態態に係る発酵乳生成方法は、発酵乳生成装置で用いられ、原料乳と種菌とを加熱発酵させることにより、粘度が9〜1500mPa・sの範囲であり、且つ、pHが4.3〜4.9の範囲である発酵乳を生成する発酵乳生成方法であって、前記原料乳と前記種菌とを含む被加熱物の温度が第1の速度で上昇するように、前記被加熱物を加熱する予備加熱工程と、前記予備加熱工程の後、前記被加熱物の温度が前記第1の速度よりも緩やかな第2の速度で上昇し、28℃以上且つ33℃未満の範囲に達するように前記被加熱物を加熱する本加熱工程とを含み、前記予備加熱工程の時間と前記本加熱工程の時間との合計は7.5〜8.5時間であり、前記予備加熱工程の時間と前記本加熱工程の時間との配分は、前記予備加熱工程の時間が1に対して、前記本加熱工程の時間が4.3〜7.0の範囲であることを特徴とする。
このように、予備加熱工程および本加熱工程において適切な温度制御を行うことにより、破砕による均質化の工程を追加することなく、粘度が9〜1500mPa・sの範囲であり、且つ、pHの値が4.3〜4.9の範囲である発酵乳(飲むヨーグルト)を生成することが可能である。
なお、予備加熱工程および本加熱工程のトータル時間は、7.5時間以上且つ8.5時間以下としているが、好ましくは8.0時間である。
また、本加熱工程の最終的な狙い温度は、上記のように、28℃以上且つ33℃未満であるが、より好ましくは29℃以上31℃以未満であり、最も好ましくは30℃である。
また、発酵乳生成方法により生成される発酵乳のpHの値は、上記のように、4.3以上且つ4.9以下の範囲であるが、最も好ましい値は、4.6である。
別態様に係る発酵乳生成方法において、前記発酵乳生成装置は、前記被加熱物を収容する筐体と、前記筐体を介して前記被加熱物を加熱するヒータと、前記筐体を介して前記被加熱物の温度を測定するセンサとを備え、前記本加熱工程は、設定された加熱量で前記ヒータを駆動し、前記被加熱物が収容された前記筐体を加熱する第1工程と、前記ヒータの駆動を停止させる第2工程と、前記ヒータの駆動を停止してから前記被加熱物が収容された前記筐体の温度が予め定められた温度に低下するまでの時間を計測する第3工程と、計測された時間に応じて前記ヒータの加熱量を設定する第4工程と、前記第1工程から前記第4工程を繰り返して行う工程とを含むことを特徴とする。
ここで加熱量の一例は、加熱温度である。すなわち、発酵乳生成方法において、本加熱工程は、ヒータ103を駆動して、温度センサ104の温度が設定された第1温度に上昇するまで内筐体4を加熱する第1工程と、ヒータ103の駆動を停止する第2工程と、ヒータ103の駆動を停止してから、温度センサ104の温度が予め定められた第2温度に低下するまでの時間を測定する第3工程と、測定された時間に応じて、第1工程で用いる第1温度を設定する第4工程と、第1工程から第4工程を繰り返して行う工程とを含んでもよい。
このように、ヒータ103の駆動と停止とを繰り返して被加熱物(被加熱物を収容した内筐体4)を加熱することにより、急激な温度上昇を避けることができる。また、自然冷却に要する時間を用いて、加熱量、加熱温度のフィードバック制御を行うことにより、最終的な狙い温度である28℃以上且つ33℃未満を実現しやすくなる。これらのことから、室温の影響を受けにくくなり、発酵乳の仕上がりが安定する。
なお、生成方法は、第1工程や第3工程の途中で終了してもよい。
別態様に係る発酵乳生成方法において、前記第4工程は、前記第3工程で計測された時間が、予め定められた時間より長いか否かを判断し、長い場合に前記ヒータの加熱量を減らし、短い場合に前記ヒータの加熱量を増やすことを特徴とする。
これにより、急激な温度上昇を避け、最終的な狙い温度である28℃以上且つ33℃未満を実現しやすくなる。
別態様に係る発酵乳生成方法において、前記発酵乳製造装置は、時間が短いほど加熱量が多くなるように、複数の時間と加熱量とを対応付けて記載したテーブルを保持しており、前記第4工程は、前記テーブルに記載された複数の時間の中から前記第3工程で計測された時間に最も近い時間を選択し、選択された前記時間に対応付けられた加熱量を用いて、前記ヒータの加熱量を設定することを特徴とする。
これにより、急激な温度上昇を避け、最終的な狙い温度である28℃以上且つ33℃未満を実現しやすくなる。
別態様に係る発酵乳生成方法において、前記予備加熱工程は、前記ヒータの温度を56℃〜66℃の範囲に設定し、前記被加熱物が収容された前記筐体を加熱することを特徴とする。
被加熱物とヒータとの間には筐体が介在しており、ヒータの熱がダイレクトに被加熱物に伝わらない。そこで、予備加熱工程では、このように高い温度で加熱することにより、それ以降の本加熱工程における発酵が進みやすくなる。また、原料乳および種菌が冷蔵庫で冷やされている場合もあるので、このような高い温度で加熱することが望ましい。
別態様に係る発酵乳生成方法において、前記予備加熱工程は、前記筐体に収容された前記被加熱物の量に応じて予備加熱工程の時間を異ならせることを特徴とする。
これにより、被加熱物の量に応じて適切な温度制御を行うことができる。
別態様に係る発酵乳生成方法おいて、前記筐体は牛乳パックを収容することが可能であって、前記筐体に容量が1000mlの牛乳パックが収容された場合に、前記予備加熱の時間は1.5時間であり、前記本加熱の時間は、6.5時間であることを特徴とする。
別態様に係る発酵乳生成方法において、前記筐体は牛乳パックを収容することが可能であって、前記筐体に容量が500mlの牛乳パックが収容された場合に、前記予備加熱の時間は1.0時間であり、前記本加熱の時間は7.0時間であることを特徴とする。
このように、市販の牛乳パックをそのまま容器として使用することが可能であり、ユーザにとっては非常に利便性が高い。
一態態に係る発酵乳生成装置は、原料乳と種菌とを加熱発酵させることにより、粘度が9〜1500mPa・sの範囲であり、且つ、pHが4.3〜4.9の範囲である発酵乳を生成する発酵乳生成装置であって、前記原料乳と前記種菌とを含む被加熱物の温度が第1の速度で上昇するように、前記被加熱物を加熱する予備加熱工程と、前記予備加熱工程の後、前記被加熱物の温度が前記第1の速度よりも緩やかな第2の速度で上昇し、28℃以上且つ33℃未満の範囲に達するように前記被加熱物を加熱する本加熱工程とを行う制御部を備え、前記予備加熱工程の時間と前記本加熱工程の時間との合計は7.5〜8.5時間であり、前記予備加熱工程の時間と前記本加熱工程の時間との配分は、前記予備加熱工程の時間が1に対して、前記本加熱工程の時間が4.3〜7.0の範囲であることを特徴とする。
このように、予備加熱工程および本加熱工程において適切な温度制御を制御部が行うことにより、破砕による均質化の工程を追加することなく、粘度が9〜1500mPa・sの範囲であり、且つ、pHの値が4.3〜4.9の範囲である発酵乳(飲むヨーグルト)を生成することが可能である。
なお、予備加熱工程および本加熱工程のトータル時間は、7.5時間以上且つ8.5時間以下としているが、好ましくは8.0時間である。
また、本加熱工程の最終的な狙い温度は、上記のように、28℃以上且つ33℃未満であるが、より好ましくは29℃以上31℃以未満であり、最も好ましくは30℃である。
また、発酵乳生成方法により生成される発酵乳のpHの値は、上記のように、4.3以上且つ4.9以下の範囲であるが、最も好ましい値は、4.6である。
別態様に係る発酵乳生成装置において、前記発酵乳生成装置は、前記被加熱物を収容する筐体と、前記筐体を介して前記被加熱物を加熱するヒータと、前記筐体を介して前記被加熱物の温度を測定するセンサと、時間を測定するタイマとを備え、前記制御部は、前記本加熱工程において、設定された加熱量で前記ヒータを駆動する第1工程と、前記ヒータの駆動を停止させる第2工程と、前記ヒータの駆動を停止させてから前記被加熱物が収容された前記筐体の温度が予め定められた温度に低下するまでの時間を前記タイマに計測させる第3工程と、計測された時間に応じて前記ヒータの加熱量を設定する第4工程と、前記第1工程から前記第4工程を繰り返して行う工程とを行うことを特徴とする。
ここで加熱量の一例は、加熱温度である。すなわち、本加熱工程は、ヒータ103を駆動して、温度センサ104の温度が設定された第1温度に上昇するまで内筐体4を加熱する第1工程と、ヒータ103の駆動を停止する第2工程と、ヒータ103の駆動を停止してから、温度センサ104の温度が予め定められた第2温度に低下するまでの時間をタイマ105に測定させる第3工程と、測定された時間に応じて、第1工程で用いる第1温度を設定する第4工程と、第1工程から第4工程を繰り返して行う工程とを含んでもよい。
このように、ヒータ103の駆動と停止とを繰り返して被加熱物(被加熱物を収容した内筐体4)を加熱することにより、急激な温度上昇を避けることができる。また、自然冷却に要する時間を用いて、加熱量、加熱温度のフィードバック制御を行うことにより、最終的な狙い温度である28℃以上且つ33℃未満を実現しやすくなる。これらのことから、室温の影響を受けにくくなり、発酵乳の仕上がりが安定する。
なお、生成処理は、第1工程や第3工程の途中で終了してもよい。
<実施形態>
以下では、一態様に係る発酵乳生成方法の実施形態を説明する。
1.発酵乳生成装置の構成
本発明の一態様に係る発酵乳生成方法は、発酵乳生成装置で用いられる方法である。ここでは先ず、発酵乳生成装置1の構成について説明する。なお、ここで説明する発酵乳生成装置の一例は家庭用である。
図1は、発酵乳生成装置1の外観図である。同図に示すように、発酵乳生成装置1は、外筐体2、蓋体3および内筐体4から構成され、外筐体2には、各種の表示や操作を行うための操作パネル5を備えている。外筐体2および内筐体4は、樹脂材料で形成されている。蓋体3は、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、シリコン樹脂等の透明な樹脂材料、またはガラス材料で形成されている。操作パネル5は、複数のボタンから成る操作部106、液晶の表示部107、選択されているモード等を識別するためのLED(不図示)等を含む。
図2は、発酵乳生成装置1の断面図である。同図に示すように、内筐体4は、有底の筒状体であって、少なくとも原料乳および種菌を含む被加熱物を入れた容器を内部に収容することが可能である。内筐体4の側壁の外側(外筐体2側)には、被加熱物を加熱するためのヒータ103と、ヒータ103の温度管理をするための温度センサ104とを備えている。被加熱物を入れる容器は、筒状の樹脂製の容器、または、図2に記載されているように、紙製の牛乳パック10を用いることも可能である。
ここで、被加熱物とヒータ103および温度センサ104との間には、容器(樹脂製容器または牛乳パック10)、空気層および内筐体4が介在している。そのため、温度センサ104で検知される温度と被加熱物の実際の温度との間には乖離がある。そこで、加熱発酵のためのヒータ103の温度管理を工夫する必要がある。詳細は後述する。
図3は、発酵乳生成装置1の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、発酵乳生成装置1は、制御部101、記憶部102、ヒータ103、温度センサ104、タイマ105、操作部106および表示部107から構成される。
制御部101は、具体的にはCPUおよび作業用のRAMで構成され、記憶部102に記憶されているコンピュータプログラムや各種の設定データに基づき、発酵乳生成装置1の全体を制御する。例えば、制御部101は、温度センサ104により検出された温度およびタイマ105により計測された時間等を用いてヒータ103の駆動を制御し、発酵乳生成処理における被加熱物の温度管理を行う。また、制御部101は、操作部106が利用者から受け付けた操作に応じた処理を行ったり、設定温度やタイマ設定時間を表示部107に表示したりする。
制御部101は、発酵乳生成処理では、例えば、原料乳と種菌とを含む被加熱物の温度が第1の速度で上昇するように、被加熱物を加熱する予備加熱工程と、予備加熱工程の後、被加熱物の温度が第1の速度よりも緩やかな第2の速度で上昇し、28℃以上且つ33℃未満の範囲に達するように被加熱物を加熱する本加熱工程とを行う。
記憶部102は、具体的にはROMまたはフラッシュメモリで構成され、本実施形態に係る発酵乳生成方法のコンピュータプログラムをはじめ、各種のコンピュータプログラムや設定データを記憶している。
ヒータ103は、制御部101の制御に基づき駆動し、内筐体4を介して被加熱物を加熱する。ヒータ103の温度は、例えば25℃〜80℃に設定可能である。温度センサ104は、内筐体4を介して被加熱物の温度を計測する。温度センサ104は、ヒータ103の設定可能温度25℃〜80℃と同程度の範囲を計測可能である。タイマ105は、時間を計測する。温度センサ104およびタイマ105は、それぞれ検出した温度および測定した時間を、制御部101へ通知する。
操作部106は利用者からの操作を受け付けるボタンを含み、利用者の操作を受け付けると、それを制御部101へ通知する。表示部107は、液晶表示装置を含み、設定温度やタイマ設定時間等を液晶表示装置に表示する。
2.発酵乳生成方法
(1)発酵乳生成方法を得るに至った経緯
上記に説明したように、液状の発酵乳を生成するためには、糊状の発酵乳を生成した後に、それを破砕して均質化する必要がある。しかしながら、破砕工程を追加すると装置の大型化が懸念されるため、発明者らは、破砕工程を追加せずに液状の発酵乳を生成する方法について検討した。
発酵乳は、原料となる生乳に乳酸菌(例えば、ブルガリア菌、サーモフィルス菌、アシドフィルス菌、ビフィズス菌、ガセリ菌、またはこれらの組み合わせ等)を添加して加熱することにより生成される。具体的には、乳酸菌が生乳に含まれる乳糖を分解して乳酸を生成し、この乳酸が生乳に含まれるたんぱく質であるカゼインを凝固させることにより、生乳から糊状の発酵乳が生成される。発明者らは、発酵乳の生成過程におけるカゼインの凝固タイミングに着目した。
図4は、牛乳から固形ヨーグルトが生成されるまでの経過時間と被加熱物のpHの値との関係を示す図である。牛乳のpHの値は6.8程度であるが、乳酸菌から生成される乳酸によって、徐々にpHの値が下がる。pHが5.0まで下がると、腐敗菌は増殖することができなくなり死滅する。一方で乳酸菌は増殖を続ける。pHの値が4.6になると牛乳のたんぱく質であるカゼインが凝固する。その後、pHの値が4.0付近になると乳酸菌は生育を停止し、被加熱物の発酵が終了する。
このような生成過程を鑑みると、カゼイン凝固のタイミングであるpH=4.6付近で発酵を終了すれば、固形ヨーグルトになる手前の飲むヨーグルトが生成されることになる。ここで、ヨーグルトの風味を損なわないためには、pHの値が4.3〜4.9程度が良く、また、ユーザに好まれる飲むヨーグルトは粘度が9〜1500mPa・sであることが分かった。
更に、実験の結果、図5に示すように、加熱発酵工程において、被加熱物の温度上昇速度が速い場合は、固形ヨーグルトになりやすく、温度上昇速度が遅い場合は、滑らかなヨーグルトになりやすいことが分かった。
以上のことから、粘度が9〜1500mPa・sの範囲であり、且つ、pHが4.3〜4.9の範囲である発酵乳を生成するために、発明者らは、適切な温度管理を行う以下の発酵乳生成方法を見出した。
(2)発酵乳生成方法の詳細説明
ここでは、図6〜図9に示すフローチャートを用いて、発酵乳生成方法及び発酵乳生成処理について詳細に説明する。なお、ここに示す発酵乳生成方法及び発酵乳生成処理は、発酵乳生成装置1がコンピュータプログラムに従い動作することにより実現される。換言すると、制御部101が、コンピュータプログラムに従い動作して、ヒータ103、温度センサ104やタイマ105を利用して、発酵乳生成処理を実行する。また、ここに示す発酵乳生成方法及び発酵乳生成処理を開始する前に、準備段階として、原料乳および種菌を含む被加熱物を内筐体4に収容する。このとき、被加熱物を入れる容器としては、樹脂製の容器を用いてもよいし、紙製の牛乳パックを用いてもよい。牛乳パックを用いる場合、容量が1000mlのものを用いてもよいし、容量が500mlのものを用いてもよい。さらに、牛乳パックを用いる場合、購入してきた牛乳パック入りの牛乳をそのまま内筐体4に収容させてもよい。
(2.1)発酵乳生成方法のフローチャート
図6は、発酵乳生成方法の全体を示すフローチャートである。発酵乳生成方法は、先ず、予備加熱を行い(ステップS1)、続いて、本加熱を行う(ステップS2)。つまり、制御部101は、先ず、予備加熱工程を行い(ステップS1)、続いて、本加熱工程を行う(ステップS2)。
(2.2)予備加熱のフローチャート
図7は、予備加熱の処理を示すフローチャートである。ここに示す処理は、図6のステップS1の詳細である。
発酵乳の原料である生乳および種菌として、市販されている牛乳およびヨーグルトが用いられることがある。通常、牛乳およびヨーグルトは冷蔵庫内において10℃以下の低温で保存されている。そのため、本実施形態における発酵乳生成方法は、本加熱を行う前に予備加熱を行い、発酵が開始される温度近傍まで被加熱物の温度を上げる。
先ず、ヒータ103の設定温度を、第一の昇温目標温度T1=65℃に設定し(ステップS101)、加熱を開始する(ステップS102)。このとき、図示していない計時手段を用いて、トータル加熱時間の計時を開始する。
被加熱物とヒータ103との間には、容器、空気層および内筐体4が介在しており、ヒータ103の熱がダイレクトに被加熱物に伝わらない。そこで、予備加熱では56℃〜66℃、好ましくは65℃程度の高温で被加熱物を加熱する。
温度センサ104が検出する温度Tを監視し、T=T1に達したか否かを判断する(ステップS103)。T=T1でない場合(ステップS103でN)、ステップS103に戻る。T=T1の場合(ステップS103でY)、タイマ105の値をt=0にセットし、加熱時間の計測を開始する(ステップS104)。
タイマ105による計時を継続しつつ(ステップS105)、加熱時間がt=t1に達したか否かを判断する(ステップS106)。t1は、予め設定された値であり、被加熱物の容量が概ね500mlである場合の加熱継続時間である。本実施形態では、具体的にt1=1620sである。
t=t1でない場合(ステップS106でN)、ステップS105に戻り、タイマ105による計時を継続する。t=t1の場合(ステップS106でY)、被加熱物の容量が概ね500mlであるか否か判断する(ステップS107)。
被加熱物の容量が500mlである場合(ステップS107でY)、ステップS110へ進む。被加熱物の容量が500mlでない場合(ステップS107でN)、タイマ105による計時を継続しつつ(ステップS108)、加熱時間がt=t2に達したか否かを判断する(ステップS109)。t2は、予め設定された値であり、被加熱物の容量が概ね1000mlである場合の加熱継続時間である。本実施形態では、具体的にt2=2400sである。
t=t2でない場合(ステップS109でN)、ステップS108に戻り、タイマ105による計時を継続する。t=t2の場合(ステップS109でY)、ステップS110へ進む。
第一の昇温目標温度T1の加熱が終了した後は、ヒータ103の設定温度を、第一の昇温目標温度T1よりも低い第二の昇温目標温度T2=40℃に設定し(ステップS110)、加熱を継続する(ステップS111)。
温度センサ104が検出する温度Tを監視し、T=T2に達したか否かを判断する(ステップS112)。T=T2でない場合(ステップS112でN)、ステップS112に戻る。T=T2の場合(ステップS112でY)、タイマ105の値をt=0にセットし、加熱時間の計測を開始する(ステップS113)。
タイマ105による計時を継続しつつ(ステップS114)、加熱時間がt=t3に達したか否かを判断する(ステップS115)。t3は、予め設定された値であり、被加熱物の容量が概ね500mlである場合の加熱継続時間である。本実施形態では、具体的にt3=1980sである。
t=t3でない場合(ステップS115でN)、ステップS114に戻り、タイマ105による計時を継続する。t=t3の場合(ステップS115でY)、被加熱物の容量が概ね500mlであるか否か判断する(ステップS116)。
被加熱物の容量が500mlである場合(ステップS116でY)、予備加熱を終了する。
被加熱物の容量が500mlでない場合(ステップS116でN)、タイマ105による計時を継続しつつ(ステップS117)、加熱時間がt=t4に達したか否かを判断する(ステップS118)。t4は、予め設定された値であり、被加熱物の容量が概ね1000mlである場合の加熱継続時間である。本実施形態では、具体的にt4=3000sである。t=t4でない場合(ステップS118でN)、ステップS117に戻り、タイマ105による計時を継続する。t=t4の場合(ステップS118でY)、予備加熱を終了する。
以上説明したように、予備加熱では2段階の昇温制御を行う。また、予備加熱では被加熱物の容量に応じた適切な加熱時間を制御している。予備加熱が終了すると、続いて本加熱を行う。
(2.3)本加熱のフローチャート
図9は、本加熱の処理を示すフローチャートである。ここに示す処理は、図6のステップS2の詳細である。
本加熱では、被加熱物の温度が緩やかに上昇し、最終的に、被加熱物の温度が28度以上且つ33℃未満に達することが好ましい。被加熱物の温度が28℃より低いと出来上がる発酵乳が水っぽくなり、33℃よりも高いと固形の発酵乳になってしまうからである。
そのために、先ず、ヒータ103の設定温度T3を予め定められた初期値である42℃に設定し(ステップS201)、加熱を開始する(ステップS202)。
温度センサ104が検出する温度Tを監視し、T=T3に達したか否かを判断する(ステップS203)。T=T3でない場合(ステップS203でN)、ステップS203に戻る。T=T3の場合(ステップS203でY)、ヒータ103による加熱を停止して、被加熱物を自然冷却する(ステップS204)。そして、タイマ105の値をt=0にセットし、時間の計測を開始する(ステップS205)。
続いて、温度センサ104が検出する温度Tを監視し、T=T4に達したか否かを判断する(ステップS206)。T4は、予め設定された値であり、本実施形態では、具体的にT4=38℃である。すなわち、タイマ105は、被加熱物の温度が38℃に自然冷却されるまでに要する時間を計測している。
T=T4でない場合(ステップS206でN)、ステップS206に戻る。T=T4の場合(ステップS206でY)、タイマ105が計測している時間tがt>600sを満たすか否か判断する(ステップS208)。t>600sの場合(ステップS208でY)、ヒータ103の設定温度T3の値を2℃下げる(ステップS209)。t≦600sの場合(ステップS208でN)、ヒータ103の設定温度T3を2℃上げる(ステップS210)。
ここで、トータル加熱時間が8.0時間に達したか否かを判断する(ステップS211)。トータル加熱時間が8.0時間に達していない場合(ステップS211でN)、ステップS202に戻り処理を継続する。トータル加熱時間が8.0時間に達した場合(ステップS211でY)、本加熱を終了する。
なお、図7〜図9に示したフローチャートでは、温度に関する判断や時間に対する判断を行う際に、「=」そなわち、比較対象の温度と等しいか、比較対象の時間と等しいかの判断を行っている。この判断を、「>」すなわち、比較対象の温度より高いか、比較対象の時間より長いかの判断に適宜変更してもよい。
上記のように、本加熱では、ヒータ103のオンオフを切り替え、被加熱物の加熱と自然冷却とを繰り返し行う。自然冷却に要した時間が短い場合、被加熱物の温度が低く、加熱不足であると想定される。そこで、加熱量を増やすために、ヒータ103の設定温度を上げる。一方で、自然冷却に要した時間が長い場合、被加熱物の温度が高く、加熱過剰であると想定される。そこで、加熱量を減らすために、ヒータ103の設定温度を下げる。
図10に記載された具体例を用いて説明する。図10の横軸は加熱時間を示し、縦軸は温度センサ104により測定された温度を示している。
第1の温度制御301では、ヒータ103の設定温度は42℃であり、自然冷却に要した時間は420s(7分)である。そこで、第2の温度制御302では、ヒータ103の設定温度を2℃上げて44度にする。このとき自然冷却に要した時間は540s(9分)である。そこで、第3の温度制御303では、ヒータ103の設定温度を更に2℃上げて46℃にする。このとき自然冷却に要した時間は660s(11分)である。そこで、第4の温度制御304では、ヒータ103の設定温度を2℃下げて44℃にする。このとき自然冷却に要した時間は600s(10分)である。
このように、本加熱では、被加熱物の温度を緩やかに上昇させるために、自然冷却に要した時間が600s(10分)に達するか否かを判断しながら、ヒータ103の設定温度を変えていく。
3.考察
図11は、一例として1000mlの牛乳パックを用いて発酵乳を生成した場合の、温度センサ104により測定される温度(グラフA)と、実際の被加熱物の温度(グラフB)とを示している。
図11によると、1.5時間(90分間)の予備加熱により、被加熱物の温度は、概ね10℃から24℃まで上昇している。その後、6.5時間(390分)の本加熱により、被加熱物の温度は、概ね24℃から30℃まで上昇している。このように、予備加熱の温度上昇と比較して、本加熱の温度上昇は緩やかである。このように緩やかな温度上昇を経て、最終的に被加熱物の温度を30℃程度まで上昇させると、口当たりが滑らかな発酵乳が生成される。
図12は、本実施形態の発酵乳生成方法を用いて40回発酵乳を生成し、その都度生成された発酵乳のpHおよび粘度を測定して記録したものである。生成された発酵乳のpHおよび粘度にバラツキが見られるのは、室温、気温の違いや、使用した種菌に含まれる初期菌数の違い等に基づくものと思われる。このように、多少のばらつきはあるものの、本実施形態の発酵乳生成方法を用いると、発明者らが目標としていた、粘度が9〜1500mPa・sの範囲であり、且つ、pHが4.3〜4.9の範囲である発酵乳を、90パーセントの確率で生成できることがわかる。
4.その他の変形例
以下、本発明を上記の実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されないのは勿論である。以下のような場合も本発明に含まれる。
(1)上記の実施形態における本加熱は、被加熱物の温度を緩やかに上昇させるために、自然冷却に要した時間が600s(10分)に達するか否かを判断して、ヒータ103の設定温度を変えていた。しかし、本発明においてこの方法は必須ではない。本加熱の変形例を図13に示す。
図13(a)は、変形例に係るフローチャートの一部分である。具体的には、図9のステップS208、ステップS209およびステップS210の処理を、図13(a)に示す処理と入れ替えることができる。図13(b)は、変形例で用いるテーブル500を示す。テーブル500は、自然冷却に要した時間とヒータ103の設定温度の変化量ΔTとを対応付けて記載したテーブルである。例えば、自然冷却に要した時間が400sのときは、ヒータ103の設定温度を3.0℃上昇させることを意味する。
変形例では、ステップS201からステップS208までは図9と同様である。ステップS208でYの場合には、図13(a)に示すように、タイマ105が計測している時間tに対応するΔTをテーブル500から取得する(ステップS401)。そして、取得したΔTを用いて、ヒータ103の設定温度をT3+ΔTに設定しなおす(ステップS402)。その後、図9のステップ211に進み、処理を継続する。このように、本加熱は、テーブルを参照してヒータ103の設定温度を変更してもよい。
なお、図13(b)に示すテーブル500に記載されているΔTの値は一例であって、必ずしもこの値を用いる必要はなく、例えば、時間が600を基準にして、ΔTの値を−(設定温度を下げる)にしてもよい。被加熱物の温度が緩やかに上昇し、最終的に、被加熱物の温度が28度以上且つ33℃未満に達するように、自然冷却に要した時間が短いほどヒータ103の加熱量を増やし、または、自然冷却に要した時間が長いほどヒータ103の加熱量を減らすように値を設定すればよい。
(2)上記の実施形態における本加熱は、被加熱物の温度を緩やかに上昇させるために、自然冷却に要した時間が600s(10分)に達するか否かを判断して、ヒータ103の設定温度を変えていた。しかし、これに限定されない。例えば、自然冷却に要した時間が、580sに達していない場合に加熱温度(設定温度)を上げ、580s〜620sの範囲にある場合に加熱温度(設定温度)を維持し、620sに達した場合に加熱温度(設定温度)を下げるようにしてもよい。
(3)本加熱の温度制御において、自然冷却に要した時間が短い場合、加熱量を増やすために、ヒータ103の設定温度を上げる代わりに、加熱時間を延長してもよい。一方、自然冷却に要した時間が長い場合、加熱量を減らすために、ヒータ103の設定温度を下げる代わりに、加熱時間を短縮してもよい。この場合、トータルの加熱時間に与える影響が少ない範囲で行うことが望ましい。同様に、加熱量を調整するために、設定温度と加熱時間との両方を変化せてもよい。
(4)発酵乳生成装置1は、複数の温度センサを備えていてもよい。例えば、図14に示すように、内筐体4の高さ方向の中心よりも下側に温度センサa(601)を備え、内筐体4の高さ方向の中心よりも上側に温度センサb(602)を備えていてもよい。
この場合、発酵乳生成方法において、被加熱物の容量が500mlの場合は、温度センサa(601)を用いて被加熱物の温度を検出し、被加熱物の容量が1000mlの場合は、温度センサa(601)および温度センサb(602)の両方を用いて被加熱物の温度を検出し、検出された温度の平均値を算出してもよい。これにより、被加熱物の容量による検出温度のバラツキを抑制することができる。
(5)予備加熱では、被加熱物の量に応じて加熱時間を加減した。そこで、上記の実施形態に係る発酵乳生成方法に被加熱物の量を自動で検出する処理を追加してもよい。
被加熱物の量を検出する方法としては、牛乳パックの大きさ(高さ)をセンサで検知したり、牛乳パック表面に記載されている内容を文字認識で判別したり、計量機能を追加して任意の量を計量してもよい。この場合、発酵乳生成装置1に、牛乳パックの大きさ(高さ)を検出するためのセンサ、文字認識手段、計量手段をそれぞれ追加してもよい。
(6)上記の実施形態に係る発酵乳生成方法に、冷却処理を追加してもよい。すなわち、生成された発酵乳の鮮度を保持するために、本加熱が終了した後に、自動で保冷モードに移行してもよい。この場合、発酵乳生成装置1に、冷却ファンを追加してもよい。さらには、例えば、夏季または冬季等における外気温度の影響を少なくするために、室温を測定する温度計を別途備え、夏季であれば生成中に冷却ファンを駆動させるようにしてもよい。
(7)上記の実施形態に係る発酵乳生成方法に、ユーザへの報知、通知処理を追加してもよい。すなわち、本加熱が終了した後に、発酵乳の生成完了をユーザの携帯端末に通知してもよい。更に、ユーザの携帯端末から、保冷モードへ移行する指示を遠隔から受信してもよい。この場合、発酵乳生成装置1に無線通信手段を追加してもよい。これにより、ユーザが在宅していない時間帯に発酵乳が生成された場合であっても、生成された発酵乳の鮮度を保持することができる。
(8)上記の実施形態に係る発酵乳生成方法に、破砕の処理を追加してもよい。この場合は、発酵乳生成装置1の大型化を抑制するために、小型で実現可能な破砕手段を用いることが望ましい。例えば、撹拌手段が付いた専用容器を用い、本加熱終了の後、撹拌手段によって生成された発酵乳を撹拌し、破砕してもよい。また、内筐体4の側壁または底部に超音波振動子を設け、本加熱終了の後、超音波振動子により生成された発酵乳を破砕してもよい。これにより、さらに滑らかな口当たりの発酵乳を生成することができる。
(9)上記の実施形態に係る発酵乳生成方法の準備段階として、原料乳と種菌とを内筐体4にセットする必要があるが、このとき、原料乳の量を自動で計測し、計測された原料乳の量に応じて、必要な種菌の量を算出してもよい。さらに、算出した値を表示部107に表示することによりユーザに通知してもよい。また、種菌の投入量に応じて、更に必要な種菌の量を算出し、「種菌があと10グラム必要です。」のように、必要な種菌の量を表示部107に表示してもよいし、音声で通知してよい。
(10)上記の実施形態に係る発酵乳生成方法に、糊状の発酵乳(食べるヨーグルト)を生成する処理を追加してもよい。発酵乳生成装置1は、食べるヨーグルトを生成するためのコンピュータプログラムを記憶しており、ユーザの選択に応じて、食べるヨーグルトおよび飲むヨーグルト、それぞれを自動で生成可能としてもよい。
(11)上記の発酵乳生成装置1において、加熱する牛乳の量をユーザが設定可能であるとしてもよい。例えば、500mlまたは1000mlの何れかを選択してもよいし、任意の量を入力して設定してもよい。そして、上記の実施形態に係る発酵乳生成方法では、ユーザが設定した各容量に応じて発酵乳の自動生成を行うようにしてもよい。
(12)上記の実施形態では、粘度が9〜1500mPa・sの範囲であり、且つ、pHが4.3〜4.9の範囲である発酵乳を生成するようにしているが、例えば、固めの発酵乳や酸っぱい発酵乳等の上記範囲内の希望の発酵乳をユーザが希望できるようにしておき、加熱温度や加熱時間をユーザの希望に合わせて変更するようにしてもよい。
(13)上記の実施形態で説明した方法は、実際にはコンピュータプログラムによって実現されるが、このコンピュータプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものも本発明に含まれる。
(14)上記の実施形態の制御部101は温度センサ104を備え、温度センサ104が測定した温度に基づいて、ヒータ103を駆動させたり、停止させたりしている。
しかしながら、別の実施形態としての制御部は、生成処理開始前の原料乳と種菌とを含む被加熱物の温度を測定し、当該温度に対応したプログラムを、処理中の被加熱物の温度を測定することなく、実行するようにしてもよい。この場合、生成処理開始前の被加熱部の温度と、処理前の温度に対応した加熱・冷却スケジュールとを関連付けて予めテーブルとして記憶しておくことで実施できる。
さらに、別の実施形態としての発酵乳生成装置は、温度センサを備えず、生成処理開始前の被加熱部の温度をユーザからの入力により受け付け、当該温度に対応した加熱・冷却を行いようにしてもよい。この場合も、生成処理開始前の被加熱部の温度と、処理前の温度に対応した加熱・冷却スケジュールとを関連付けて予めテーブルとして記憶しておくことで実施できる。
(15)上記の実施形態に、(1)〜(14)の変形例を適宜組み合わせてもよい。

1 発酵乳生成装置
2 外筐体
3 蓋体
4 内筐体
5 操作パネル
101 制御部
102 記憶部
103 ヒータ
104 温度センサ
105 タイマ
106 操作部
107 表示部

Claims (10)

  1. 発酵乳生成装置で用いられ、原料乳と種菌とを加熱発酵させることにより、粘度が9〜1500mPa・sの範囲であり、且つ、pHが4.3〜4.9の範囲である発酵乳を生成する発酵乳生成方法であって、
    前記原料乳と前記種菌とを含む被加熱物の温度が第1の速度で上昇するように、前記被加熱物を加熱する予備加熱工程と、
    前記予備加熱工程の後、前記被加熱物の温度が前記第1の速度よりも緩やかな第2の速度で上昇し、28℃以上且つ33℃未満の範囲に達するように前記被加熱物を加熱する本加熱工程とを含み、
    前記予備加熱工程の時間と前記本加熱工程の時間との合計は7.5〜8.5時間であり、
    前記予備加熱工程の時間と前記本加熱工程の時間との配分は、前記予備加熱工程の時間が1に対して、前記本加熱工程の時間が4.3〜7.0の範囲である
    ことを特徴とする発酵乳生成方法。
  2. 前記発酵乳生成装置は、前記被加熱物を収容する筐体と、前記筐体を介して前記被加熱物を加熱するヒータと、前記筐体を介して前記被加熱物の温度を測定するセンサとを備え、
    前記本加熱工程は、
    設定された加熱量で前記ヒータを駆動し、前記被加熱物が収容された前記筐体を加熱する第1工程と、
    前記ヒータの駆動を停止させる第2工程と、
    前記ヒータの駆動を停止してから前記被加熱物が収容された前記筐体の温度が予め定められた温度に低下するまでの時間を計測する第3工程と、
    計測された時間に応じて前記ヒータの加熱量を設定する第4工程と、
    前記第1工程から前記第4工程を繰り返して行う工程とを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の発酵乳生成方法。
  3. 前記第4工程は、前記第3工程で計測された時間が、予め定められた時間より長いか否かを判断し、長い場合に前記ヒータの加熱量を減らし、短い場合に前記ヒータの加熱量を増やす
    ことを特徴とする請求項2に記載の発酵乳生成方法。
  4. 前記発酵乳製造装置は、時間が短いほど加熱量が多くなるように、複数の時間と加熱量とを対応付けて記載したテーブルを保持しており、
    前記第4工程は、前記テーブルに記載された複数の時間の中から前記第3工程で計測された時間に最も近い時間を選択し、選択された前記時間に対応付けられた加熱量を用いて、前記ヒータの加熱量を設定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の発酵乳生成方法。
  5. 前記予備加熱工程は、
    前記ヒータの温度を56℃〜66℃の範囲に設定し、前記被加熱物が収容された前記筐体を加熱する
    ことを特徴とする請求項2に記載の発酵乳生成方法。
  6. 前記予備加熱工程は、
    前記筐体に収容された前記被加熱物の量に応じて予備加熱工程の時間を異ならせる
    ことを特徴とする請求項1に記載の発酵乳生成方法。
  7. 前記筐体は牛乳パックを収容することが可能であって、前記筐体に容量が1000mlの牛乳パックが収容された場合に、前記予備加熱の時間は1.5時間であり、前記本加熱の時間は、6.5時間である
    ことを特徴とする請求項6に記載の発酵乳生成方法。
  8. 前記筐体は牛乳パックを収容することが可能であって、前記筐体に容量が500mlの牛乳パックが収容された場合に、前記予備加熱の時間は1.0時間であり、前記本加熱の時間は7.0時間である
    ことを特徴とする請求項6に記載の発酵乳生成方法。
  9. 原料乳と種菌とを加熱発酵させることにより、粘度が9〜1500mPa・sの範囲であり、且つ、pHが4.3〜4.9の範囲である発酵乳を生成する発酵乳生成装置であって、
    前記原料乳と前記種菌とを含む被加熱物の温度が第1の速度で上昇するように、前記被加熱物を加熱する予備加熱工程と、
    前記予備加熱工程の後、前記被加熱物の温度が前記第1の速度よりも緩やかな第2の速度で上昇し、28℃以上且つ33℃未満の範囲に達するように前記被加熱物を加熱する本加熱工程とを行う制御部を備え、
    前記予備加熱工程の時間と前記本加熱工程の時間との合計は7.5〜8.5時間であり、
    前記予備加熱工程の時間と前記本加熱工程の時間との配分は、前記予備加熱工程の時間が1に対して、前記本加熱工程の時間が4.3〜7.0の範囲である
    ことを特徴とする発酵乳生成装置。
  10. 前記発酵乳生成装置は、前記被加熱物を収容する筐体と、前記筐体を介して前記被加熱物を加熱するヒータと、前記筐体を介して前記被加熱物の温度を測定するセンサと、時間を測定するタイマとを備え、
    前記制御部は、前記本加熱工程において、
    設定された加熱量で前記ヒータを駆動する第1工程と、
    前記ヒータの駆動を停止させる第2工程と、
    前記ヒータの駆動を停止させてから前記被加熱物が収容された前記筐体の温度が予め定められた温度に低下するまでの時間を前記タイマに計測させる第3工程と、
    計測された時間に応じて前記ヒータの加熱量を設定する第4工程と、
    前記第1工程から前記第4工程を繰り返して行う工程とを行う
    ことを特徴とする請求項9に記載の発酵乳生成装置。
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