JP2019091526A - パルスモニタ装置及びプラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】帯域幅を有するマイクロ波のパワーがパルス変調された場合に、処理容器へ投入されるマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタする。【解決手段】装置は、プラズマ処理装置に備わるマイクロ波出力装置によって発生されたマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタする。プラズマ処理装置は、チャンバ本体、マイクロ波出力装置、導波管、及び、チューナを備える。マイクロ波出力装置は、パワーがパルス変調された該マイクロ波を発生する。装置は、検波部及び取得部を備える。検波部は、導波管内のマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出する。取得部は、検波部により検出された測定値に基づいて、進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得する。【選択図】図2

Description

本開示は、パルスモニタ装置及びプラズマ処理装置に関する。
半導体デバイスといった電子デバイスの製造においてはプラズマ処理装置が利用される。プラズマ処理装置は、容量結合型のプラズマ処理装置、誘導結合型のプラズマ処理装置といった種々のタイプがある。近年、マイクロ波を用いてガスを励起させるタイプのプラズマ処理装置が用いられるようになってきている。
特許文献1は、マイクロ波を用いたプラズマ処理装置を開示する。このプラズマ処理装置は、帯域幅を有するマイクロ波を出力するマイクロ波出力装置を備える。この装置は、帯域幅を有するマイクロ波を出力することにより、プラズマの安定化を図ることができる。
特許文献2は、プラズマ励起用のマイクロ波をパルス変調する装置を開示する。この装置は、プラズマの不安定性を抑えて電子温度及びイオン温度を低下させることができる。
特開2012−109080号公報 特開平6−267900号公報
電子デバイスの製造分野において、被処理体へのダメージを一層低減させるために、マイクロ波の低パワー化が進んでいる。しかしながら、マイクロ波のパワーを小さくし過ぎるとプラズマが不安定となったり失火したりするおそれがある。つまり、低パワー化のアプローチには限界がある。別なアプローチとして、プラズマの電子温度をより低くすることが考えられる。
プラズマの安定化を図りつつ、電子温度を低温化するためには、特許文献1記載の装置のように、帯域幅を有するマイクロ波を採用しつつ、特許文献2に記載の装置のように、マイクロ波のパワーをパルス変調することが考えられる。このようなパルス変調をするにあたっては、マイクロ波出力装置から出力された進行波のパワーがパルス変調されていることを確認する必要がある。
本技術分野では、帯域幅を有するマイクロ波のパワーがパルス変調された場合に、処理容器へ投入されるマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタすることができるパルスモニタ装置及びプラズマ処理装置が求められている。
一態様においては、パルスモニタ装置が提供される。パルスモニタ装置は、プラズマ処理装置に備わるマイクロ波出力装置によって発生されたマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタする。プラズマ処理装置は、チャンバ本体、マイクロ波出力装置、導波管、及び、チューナを備える。マイクロ波出力装置は、制御器から指示された設定周波数及び設定帯域幅にそれぞれ応じた中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波であって、制御器から指示された設定パルス周波数、設定デューティ比、Highレベルの設定パワー及びLowレベルの設定パワーにそれぞれ応じたパルス周波数、デューティ比、Highレベル及びLowレベルとなるようにパワーがパルス変調された該マイクロ波を発生する。導波管は、マイクロ波出力装置とチャンバ本体とを接続する。チューナは、導波管に設けられる。パルスモニタ装置は、検波部及び取得部を備える。検波部は、導波管内のマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出する。取得部は、検波部により検出された測定値に基づいて、進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得する。
このパルスモニタ装置では、検波部によって導波管内のマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値が検出され、取得部によって進行波パワーの周波数及びデューティ比が取得される。このため、パルスモニタ装置は、帯域幅を有するマイクロ波のパワーがパルス変調された場合に、処理容器へ投入されるマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタすることができる。
一実施形態において、取得部は、検波部によって検出されたマイクロ波の進行波パワーのHighレベル及びLowレベルをそれぞれ判定するためのヒステリシス閾値を数式(1)で定義した場合、縦軸がヒステリシス比率であり横軸が移動平均時間である座標平面上の第1領域内に含まれるヒステリシス比率及び移動平均時間で、マイクロ波の進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得してもよい。第1領域は、ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が0.1μsとなる第1点、ヒステリシス比率が45%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第2点、ヒステリシス比率が40%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第3点、ヒステリシス比率が37%かつ移動平均時間が0.75μsとなる第4点、並びに、ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が0.6μsとなる第5点を、第1点、第2点、第3点、第4点、第5点、及び、第1点の順に線分で結んで得られる閉領域であってもよい。

ただし、HysHは、マイクロ波の進行波パワーのHighレベルを判定するための閾値、HysLは、マイクロ波の進行波パワーのLowレベルを判定するための閾値、Psetは、Highレベルの設定パワー、Hysは、ヒステリシス比率であり0%以上50%以下である。
このパルスモニタ装置では、ヒステリシス閾値を数式(1)で定義した場合、第1領域内に含まれるヒステリシス比率及び移動平均時間で、マイクロ波の進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得する。ヒステリシス比率及び移動平均時間が上記条件を満たす場合、このパルスモニタ装置は、設定パルス周波数に対する検出パルス周波数の誤差、及び、設定デューティ比に対する検出デューティ比の誤差をそれぞれ1%以下にすることができる。よって、このパルスモニタ装置は、処理容器へ投入されるマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比を精度良くモニタすることができる。
一実施形態においては、パルスモニタ装置は、第1領域に替えて第2領域を用いてもよい。第2領域は、ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が0.1μsとなる第1点、ヒステリシス比率が45%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第2点、ヒステリシス比率が40%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第3点、ヒステリシス比率が35%かつ移動平均時間が1.0μsとなる第6点、並びに、ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が1.0μsとなる第7点を、第1点、第2点、第3点、第6点、第7点、及び、第1点の順に線分で結んで得られる閉領域であってもよい。この場合、パルスモニタ装置は、設定パルス周波数に対する検出パルス周波数の誤差、及び、設定デューティ比に対する検出デューティ比の誤差をそれぞれ3%以下にすることができる。
一実施形態においては、Lowレベルの設定パワーは、0W以上400W以下であってもよい。つまり、設定されたパルスは、パルスON時以外は0WとなるON/OFFパルスであってもよいし、Lowレベルにおいてプラズマ励起がなされない程度のHigh/Lowパルスであってもよい。
一実施形態においては、検波部は、マイクロ波出力装置とチューナとの間の導波管内のマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出してもよい。この場合、パルスモニタ装置は、チューナの一次側におけるマイクロ波の進行パワーをモニタすることができる。
一実施形態においては、検波部は、チューナの検波信号に基づいてマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出してもよい。この場合、パルスモニタ装置は、チューナの検波信号を利用してマイクロ波の進行パワーをモニタすることができる。
一実施形態においては、検波部は、チューナとチャンバ本体との間の導波管内のマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出してもよい。この場合、パルスモニタ装置は、チューナの二次側におけるマイクロ波の進行パワーをモニタすることができる。
一実施形態においては、パルスモニタ装置は、前記検波部により検出されたパルス周波数又はデューティ比と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて警報を出力する警報部を有してもよい。この場合、パルスモニタ装置は、マイクロ波が設定通りに出力されていないことを検知することができる。
他態様においては、上述したパルスモニタ装置を備えるプラズマ処理装置が提供される。
本開示の種々の態様および実施形態によれば、帯域幅を有するマイクロ波のパワーがパルス変調された場合に、処理容器へ投入されるマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタすることができるパルスモニタ装置が提供される。
一実施形態に係るプラズマ処理装置の一例を示す図である。 マイクロ波出力装置の一例を示す図である。 波形発生器におけるマイクロ波の生成原理を説明する図である。 パワーがパルス変調されたマイクロ波の一例である。 パルス変調されたマイクロ波を検波器を介してアナログ出力した一例である。 増幅前のマイクロ波、同期信号、及び、変調及び増幅されたマイクロ波の対応関係を説明する図である。 移動平均の一例を説明する図である。 ヒステリシスのある閾値を用いた判定の一例を説明する図である。 パルスモニタ装置の他の例を示す図である。 パルスモニタ装置の他の例を示す図である。 パルス変調されたマイクロ波(設定パワー2500W)のパワー振幅と時間との関係を、移動平均時間ごとにシミュレーションした結果である。 パルス変調されたマイクロ波(設定パワー500W)のパワー振幅と時間との関係を、移動平均時間ごとにシミュレーションした結果である。 パルス変調されたマイクロ波(移動時間0.1μs)のパワー振幅と時間との関係を、デューティ比ごとにシミュレーションした結果である。 パルス変調されたマイクロ波(移動時間1.0μs)のパワー振幅と時間との関係を、デューティ比ごとにシミュレーションした結果である。 パルス変調されたマイクロ波(移動時間10.0μs)のパワー振幅と時間との関係を、デューティ比ごとにシミュレーションした結果である。 移動平均時間と周波数精度との関係を、ヒステリシス比率(0%〜20%)ごとにシミュレーションした結果である。 移動平均時間と周波数精度との関係を、ヒステリシス比率(30%〜50%)ごとにシミュレーションした結果である。 移動平均時間とデューティ比誤差との関係を、ヒステリシス比率(0%〜20%)ごとにシミュレーションした結果である。 移動平均時間とデューティ比誤差との関係を、ヒステリシス比率(30%〜50%)ごとにシミュレーションした結果である。 ヒステリシス比率、移動平均時間及び最大誤差の関係を、パルス周波数(1kHz、10kHz)ごとにシミュレーションした結果である。 ヒステリシス比率、移動平均時間及び最大誤差の関係を、パルス周波数(20kHz、40kHz)ごとにシミュレーションした結果である。 ヒステリシス比率、移動平均時間及び最大誤差の関係を、パルス周波数(50kH)でシミュレーションした結果である。 ヒステリシス比率と移動平均時間との関係を示すシミュレーション結果である。 ヒステリシス比率と移動平均時間との関係を示すシミュレーション結果において、第1領域及び第2領域を示す図である。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附す。
[第1実施形態]
[プラズマ処理装置]
図1は、一実施形態に係るプラズマ処理装置を示す図である。図1に示されるように、プラズマ処理装置1は、チャンバ本体12、及び、マイクロ波出力装置16を備える。プラズマ処理装置1は、ステージ14、アンテナ18、及び、誘電体窓20を更に備え得る。
チャンバ本体12は、その内部に処理空間Sを提供する。チャンバ本体12は、側壁12a及び底部12bを有する。側壁12aは、略筒形状に形成される。この側壁12aの中心軸線は、鉛直方向に延びる軸線Zに略一致する。底部12bは、側壁12aの下端側に設けられる。底部12bには、排気用の排気孔12hが設けられる。また、側壁12aの上端部は開口である。
側壁12aの上端部の上には誘電体窓20が設けられる。この誘電体窓20は、処理空間Sに対向する下面20aを有する。誘電体窓20は、側壁12aの上端部の開口を閉じている。この誘電体窓20と側壁12aの上端部との間にはOリング19が介在する。このOリング19により、チャンバ本体12がより確実に密閉される。
ステージ14は、処理空間S内に収容される。ステージ14は、鉛直方向において誘電体窓20と対面するように設けられる。また、ステージ14は、誘電体窓20と当該ステージ14との間に処理空間Sを挟むように設けられる。このステージ14は、その上に載置される被加工物WP(例えば、ウエハ)を支持するように構成される。
一実施形態において、ステージ14は、基台14a及び静電チャック14cを含む。基台14aは、略円盤形状を有しており、アルミニウムといった導電性の材料から形成されている。基台14aの中心軸線は、軸線Zに略一致する。この基台14aは、筒状支持部48によって支持される。筒状支持部48は、絶縁性の材料から形成されており、底部12bから垂直上方に延びる。筒状支持部48の外周には、導電性の筒状支持部50が設けられる。筒状支持部50は、筒状支持部48の外周に沿ってチャンバ本体12の底部12bから垂直上方に延びる。この筒状支持部50と側壁12aとの間には、環状の排気路51が形成される。
排気路51の上部には、バッフル板52が設けられる。バッフル板52は、環形状を有する。バッフル板52には、当該バッフル板52を板厚方向に貫通する複数の貫通孔が形成される。このバッフル板52の下方には上述した排気孔12hが設けられる。排気孔12hには、排気管54を介して排気装置56が接続される。排気装置56は、自動圧力制御弁(APC:Automatic Pressure Control valve)と、ターボ分子ポンプといった真空ポンプとを有する。この排気装置56により、処理空間Sを所望の真空度まで減圧することができる。
基台14aは、高周波電極を兼ねる。基台14aには、給電棒62及びマッチングユニット60を介して、高周波バイアス用の高周波電源58が電気的に接続される。高周波電源58は、被加工物WPに引き込むイオンのエネルギーを制御するのに適した一定の周波数、例えば、13.56MHzの高周波を、設定されたパワーで出力する。
さらに、高周波電源58は、パルス生成器を有し、高周波パワー(RFパワー)をパルス変調して基台14aに印加してもよい。この場合、高周波電源58は、HighレベルのパワーとLowレベルのパワーとが周期的に繰り返される高周波パワーとなるようにパルス変調する。高周波電源58は、パルス生成器により生成された同期信号PSS−Rに基づいてパルス調整する。同期信号PSS−Rは、高周波パワーの周期及びデューティ比を決定する信号である。パルス変調時の設定の一例として、パルス周波数は10Hz〜250kHzであり、パルスのデューティ比(パルス周期に対するHighレベルパワー時間の比)は10%〜90%である。
マッチングユニット60は、高周波電源58側のインピーダンスと、主に電極、プラズマ、チャンバ本体12といった負荷側のインピーダンスとの間で整合をとるための整合器を収容する。この整合器の中には自己バイアス生成用のブロッキングコンデンサが含まれる。マッチングユニット60は、高周波パワーがパルス変調される場合、同期信号PSS−Rに基づいて整合をとるように動作する。
基台14aの上面には、静電チャック14cが設けられる。静電チャック14cは、被加工物WPを静電吸着力で保持する。静電チャック14cは、電極14d、絶縁膜14e、及び、絶縁膜14fを含んでおり、概ね円盤形状である。静電チャック14cの中心軸線は軸線Zに略一致する。この静電チャック14cの電極14dは、導電膜によって構成されており、絶縁膜14eと絶縁膜14fとの間に設けられる。電極14dには、直流電源64がスイッチ66及び被覆線68を介して電気的に接続される。静電チャック14cは、直流電源64より印加される直流電圧により発生するクーロン力によって、被加工物WPを吸着保持することができる。また、基台14a上には、フォーカスリング14bが設けられる。フォーカスリング14bは、被加工物WP及び静電チャック14cを囲むように配置される。
基台14aの内部には、冷媒室14gが設けられる。冷媒室14gは、例えば、軸線Zを中心に延在するように形成される。この冷媒室14gには、チラーユニットからの冷媒が配管70を介して供給される。冷媒室14gに供給された冷媒は、配管72を介してチラーユニットに戻される。この冷媒の温度がチラーユニットによって制御されることにより、静電チャック14cの温度、ひいては被加工物WPの温度が制御される。
また、ステージ14には、ガス供給ライン74が形成される。このガス供給ライン74は、伝熱ガス、例えば、Heガスを、静電チャック14cの上面と被加工物WPの裏面との間に供給するために設けられる。
マイクロ波出力装置16は、チャンバ本体12内に供給される処理ガスを励起させるためのマイクロ波を出力する。マイクロ波出力装置16は、マイクロ波の周波数、パワー、及び、帯域幅を可変に調整するよう構成される。マイクロ波出力装置16は、例えば、マイクロ波の帯域幅を略0に設定することによって、単一周波数のマイクロ波を発生することができる。また、マイクロ波出力装置16は、その中に複数の周波数成分を有する帯域幅を有したマイクロ波を発生することができる。これら複数の周波数成分のパワーは同一のパワーであってもよく、帯域内の中央周波数成分のみが他の周波数成分のパワーよりも大きいパワーを有していてもよい。一例において、マイクロ波出力装置16は、マイクロ波のパワーを0W〜5000Wの範囲内で調整することができ、マイクロ波の周波数又は中央周波数を2400MHz〜2500MHzの範囲内で調整することでき、マイクロ波の帯域幅を0MHz〜100MHzの範囲で調整することができる。また、マイクロ波出力装置16は、帯域内におけるマイクロ波の複数の周波数成分の周波数のピッチ(キャリアピッチ)を0〜25kHzの範囲内で調整することができる。
マイクロ波出力装置16は、パルス生成器を有し、マイクロ波のパワーをパルス変調して出力してもよい。この場合、マイクロ波出力装置16は、HighレベルのパワーとLowレベルのパワーとが周期的に繰り返されるパワーとなるようにマイクロ波をパルス変調する。マイクロ波出力装置16は、パルス生成器により生成された同期信号PSS−Mに基づいてパルス調整する。同期信号PSS−Mは、マイクロ波パワーの周期及びデューティ比を決定する信号である。パルス変調時の設定の一例として、パルス周波数は1Hz〜50kHzであり、パルスのデューティ比(パルス周期に対するHighレベルパワー時間の比)は10%〜90%である。マイクロ波出力装置16は、高周波電源58により出力される、パルス変調させた高周波パワーと同期させるように、マイクロ波パワーをパルス変調してもよい。
プラズマ処理装置1は、導波管21、チューナ26、モード変換器27、及び、同軸導波管28を更に備える。マイクロ波出力装置16の出力部は、導波管21の一端に接続される。導波管21の他端は、モード変換器27に接続される。導波管21は、例えば、矩形導波管である。導波管21には、チューナ26が設けられる。チューナ26は、スタブ26a,26b,26cを有する。スタブ26a,26b,26cの各々は、導波管21の内部空間に対するその突出量を調整可能なように構成される。チューナ26は、基準位置に対するスタブ26a,26b,26cの各々の突出位置を調整することにより、マイクロ波出力装置16のインピーダンスと負荷、例えば、チャンバ本体12のインピーダンスとを整合させる。
モード変換器27は、導波管21からのマイクロ波のモードを変換して、モード変換後のマイクロ波を同軸導波管28に供給する。同軸導波管28は、外側導体28a及び内側導体28bを含む。外側導体28aは、略円筒形状を有しており、その中心軸線は軸線Zに略一致する。内側導体28bは、略円筒形状を有しており、外側導体28aの内側で延在する。内側導体28bの中心軸線は、軸線Zに略一致する。この同軸導波管28は、モード変換器27からのマイクロ波をアンテナ18に伝送する。
アンテナ18は、誘電体窓20の下面20aの反対側の面20b上に設けられる。アンテナ18は、スロット板30、誘電体板32、及び、冷却ジャケット34を含む。
スロット板30は、誘電体窓20の面20b上に設けられる。このスロット板30は、導電性を有する金属から形成されており、略円盤形状を有する。スロット板30の中心軸線は軸線Zに略一致する。スロット板30には、複数のスロット孔30aが形成される。複数のスロット孔30aは、一例においては、複数のスロット対を構成する。複数のスロット対の各々は、互いに交差する方向に延びる略長孔形状の二つのスロット孔30aを含む。複数のスロット対は、軸線Z周りの一以上の同心円に沿って配列される。また、スロット板30の中央部には、後述する導管36が通過可能な貫通孔30dが形成される。
誘電体板32は、スロット板30上に設けられる。誘電体板32は、石英といった誘電体材料から形成されており、略円盤形状である。この誘電体板32の中心軸線は軸線Zに略一致する。冷却ジャケット34は、誘電体板32上に設けられる。誘電体板32は、冷却ジャケット34とスロット板30との間に設けられる。
冷却ジャケット34の表面は、導電性を有する。冷却ジャケット34の内部には、流路34aが形成される。この流路34aには、冷媒が供給されるように構成される。冷却ジャケット34の上部表面には、外側導体28aの下端が電気的に接続される。また、内側導体28bの下端は、冷却ジャケット34及び誘電体板32の中央部分に形成された孔を通って、スロット板30に電気的に接続される。
同軸導波管28からのマイクロ波は、誘電体板32内を伝搬して、スロット板30の複数のスロット孔30aから誘電体窓20に供給される。誘電体窓20に供給されたマイクロ波は、処理空間Sに導入される。
同軸導波管28の内側導体28bの内孔には、導管36が通っている。また、上述したように、スロット板30の中央部には、導管36が通過可能な貫通孔30dが形成される。導管36は、内側導体28bの内孔を通って延在しており、ガス供給系38に接続される。
ガス供給系38は、被加工物WPを処理するための処理ガスを導管36に供給する。ガス供給系38は、ガス源38a、弁38b、及び、流量制御器38cを含み得る。ガス源38aは、処理ガスのガス源である。弁38bは、ガス源38aからの処理ガスの供給及び供給停止を切り替える。流量制御器38cは、例えば、マスフローコントローラであり、ガス源38aからの処理ガスの流量を調整する。
プラズマ処理装置1は、インジェクタ41を更に備え得る。インジェクタ41は、導管36からのガスを誘電体窓20に形成された貫通孔20hに供給する。誘電体窓20の貫通孔20hに供給されたガスは、処理空間Sに供給される。そして、誘電体窓20から処理空間Sに導入されるマイクロ波によって、当該処理ガスが励起される。これにより、処理空間S内でプラズマが生成され、当該プラズマからのイオン及び/又はラジカルといった活性種により、被加工物WPが処理される。
プラズマ処理装置1は、制御器100を更に備える。制御器100は、プラズマ処理装置1の各部を統括制御する。制御器100は、CPUといったプロセッサ、ユーザインタフェース、及び、記憶部を備え得る。
プロセッサは、記憶部に記憶されたプログラム及びプロセスレシピを実行することにより、マイクロ波出力装置16、ステージ14、ガス供給系38、排気装置56等の各部を統括制御する。
ユーザインタフェースは、工程管理者がプラズマ処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボード又はタッチパネル、プラズマ処理装置1の稼働状況等を可視化して表示するディスプレイ等を含んでいる。
記憶部には、プラズマ処理装置1で実行される各種処理をプロセッサの制御によって実現するための制御プログラム(ソフトウエア)、及び、処理条件データ等を含むプロセスレシピ等が保存される。プロセッサは、ユーザインタフェースからの指示等、必要に応じて、各種の制御プログラムを記憶部から呼び出して実行する。このようなプロセッサの制御下で、プラズマ処理装置1において所望の処理が実行される。
[マイクロ波出力装置16の構成例]
図2は、マイクロ波出力装置の一例を示す図である。図2に示されるように、マイクロ波出力装置16は、演算装置100aに接続されている。演算装置100aは、制御器100、波形発生器101、第1パルス生成器102、第2パルス生成器103、第3パルス生成器104、及び、第4パルス生成器105を有する。
波形発生器101は、マイクロ波の波形を発生する。波形発生器101は、制御器100により指定された設定周波数及び設定帯域幅にそれぞれ応じた中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波の波形を発生する。波形発生器101は、マイクロ波の波形をマイクロ波出力装置16へ出力する。
第1パルス生成器102は、マイクロ波出力装置16にてマイクロ波パワーをパルス変調する際に利用される同期信号を生成する。第1パルス生成器102は、制御器100によって設定された設定プロファイルにおけるマイクロ波パワーの設定パルス周波数及び設定デューティ比に基づいて、同期信号PSS−Mを生成する。第1パルス生成器102は、同期信号PSS−Mをマイクロ波出力装置16へ出力する。
第2パルス生成器103は、パワーがパルス変調されたマイクロ波をチューナ26にてインピーダンス整合する際に利用される同期信号を生成する。第2パルス生成器103は、第1パルス生成器102と同様に、制御器100によって設定された設定プロファイルにおけるマイクロ波パワーの設定パルス周波数及び設定デューティ比に基づいて、同期信号PSS−MTを生成する。同期信号PSS−MTは、同期信号PSS−Mと同一のパルス周波数及びデューティ比を有する。第2パルス生成器103は、同期信号PSS−MTをチューナ26へ出力する。
第3パルス生成器104は、高周波電源58にて高周波パワーをパルス変調する際に利用される同期信号を生成する。第3パルス生成器104は、制御器100によって設定された設定プロファイルにおける高周波パワーの設定パルス周波数及び設定デューティ比に基づいて、同期信号PSS−Rを生成する。第3パルス生成器104は、同期信号PSS−Rを高周波電源58へ出力する。
第4パルス生成器105は、パワーがパルス変調された高周波をマッチングユニット60にてインピーダンス整合する際に利用される同期信号を生成する。第4パルス生成器105は、第3パルス生成器104と同様に、制御器100によって設定された設定プロファイルにおける高周波パワーの設定パルス周波数及び設定デューティ比に基づいて、同期信号PSS−RMを生成する。同期信号PSS−RMは、同期信号PSS−Rと同一のパルス周波数及びデューティ比を有する。第4パルス生成器105は、同期信号PSS−RMをマッチングユニット60へ出力する。
第1パルス生成器102は、同期信号PSS−Rと同期した同期信号PSS−Mを生成してもよい。この場合、マイクロ波パワーのパルス変調と高周波パワーのパルス変調とを同期させることができるので、安定したプラズマ生成が可能となる。
マイクロ波出力装置16は、波形発生器101により発生されたマイクロ波の波形を、制御器100の設定に応じてパルス変調し、マイクロ波として出力する。マイクロ波出力装置16は、マイクロ波発生部16a、導波管16b、サーキュレータ16c、導波管16d、導波管16e、第1の方向性結合器16f、第2の方向性結合器16h、測定部16k(測定部の一例)、及び、ダミーロード16jを有する。
マイクロ波発生部16aは、制御器100から指示された設定パルス周波数、設定デューティ比、Highレベルの設定パワー及びLowレベルの設定パワーにそれぞれ応じたパルス周波数、デューティ比、Highレベル及びLowレベルとなるようにパワーがパルス変調された該マイクロ波を発生する。
マイクロ波発生部16aは、パワー制御部162、減衰器163、増幅器164、増幅器165、及び、モード変換器166を有する。
波形発生器101は、減衰器163に接続される。減衰器163は、一例として、印加電圧値によって減衰量(減衰率)を変更可能な機器である。減衰器163には、パワー制御部162が接続される。パワー制御部162は、印加電圧値を用いて減衰器163におけるマイクロ波の減衰率(減衰量)を制御する。パワー制御部162は、波形発生器101により出力されたマイクロ波が、制御器100により指示された設定パルス周波数、設定デューティ比、Highレベルの設定パワー及びLowレベルの設定パワーに応じたパワーを有するマイクロ波となるように、減衰器163におけるマイクロ波の減衰率(減衰量)を制御する。
パワー制御部162は、一例として、制御部162aを有する。制御部162aは、プロセッサであり得る。制御部162aは、制御器100から設定プロファイルを取得する。制御部162aは、第1パルス生成器102から同期信号PSS−Mを取得する。制御部162aは、同期信号PSS−M、及び、制御器100によって設定された設定プロファイルに基づいてマイクロ波の減衰率(減衰量)を決定する。
減衰器163の出力は、増幅器164及び増幅器165を介してモード変換器166に接続される。増幅器164及び増幅器165は、マイクロ波をそれぞれに所定の増幅率で増幅する。モード変換器166は、増幅器165から出力されるマイクロ波の伝搬モードをTEMからTE01に変換する。このモード変換器166におけるモード変換によって生成されたマイクロ波は、マイクロ波発生部16aの出力マイクロ波として出力される。
マイクロ波発生部16aの出力は導波管16bの一端に接続される。導波管16bの他端は、サーキュレータ16cの第1ポート261に接続される。サーキュレータ16cは、第1ポート261、第2ポート262A、及び、第3ポート263Aを有する。サーキュレータ16cは、第1ポート261に入力されたマイクロ波を第2ポート262Aから出力し、第2ポート262Aに入力したマイクロ波を第3ポート263Aから出力するように構成される。サーキュレータ16cの第2ポート262Aには導波管16dの一端が接続される。導波管16dの他端は、マイクロ波出力装置16の出力部16tである。
サーキュレータ16cの第3ポート263Aには、導波管16eの一端が接続される。導波管16eの他端はダミーロード16jに接続される。ダミーロード16jは、導波管16eを伝搬するマイクロ波を受けて、当該マイクロ波を吸収する。ダミーロード16jは、例えば、マイクロ波を熱に変換する。
第1の方向性結合器16fは、導波管16bの一端と他端との間に設けられる。第1の方向性結合器16fは、マイクロ波発生部16aから出力されて、出力部16tに伝搬するマイクロ波(即ち、進行波)の一部を分岐させて、当該進行波の一部を出力するように構成される。
第2の方向性結合器16hは、導波管16eの一端と他端との間に設けられる。第2の方向性結合器16hは、出力部16tに戻されたマイクロ波(即ち、反射波)について、サーキュレータ16cの第3ポート263Aに伝送された反射波の一部を分岐させて、当該反射波の一部を出力するように構成される。
測定部16kは、導波管内のマイクロ波を測定する機器である。測定部16kは、測定制御部167(取得部の一例)、第1検波部168(検波部の一例)及び第2検波部169を有する。
第1検波部168は、導波管内のマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出する。第1検波部168は、第1の方向性結合器16fから出力された進行波を入力する。第2検波部169は、導波管内のマイクロ波の反射波パワーに応じた測定値を検出する。第2検波部169は、第2の方向性結合器16hから出力された反射波を入力する。
測定制御部167は、第1検波部168により取得された進行波の一部に基づき、出力部16tにおける進行波のパワーのHighレベル及びLowレベルのそれぞれを示す第1のHigh測定値pf(H)及び第1のLow測定値pf(L)を決定する。測定制御部167は、第2検波部169により取得された反射波の一部に基づき、出力部16tにおける反射波のパワーのHighレベル及びLowレベルのそれぞれを示す第2のHigh測定値pr(H)及び第2のLow測定値pr(L)を決定する。
測定制御部167は、第1検波部168により検出された測定値に基づいて、進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得する。測定制御部167による進行波パワーの周波数及びデューティ比の取得方法については後述する。
測定部16kは、パワー制御部162に接続される。測定部16kは、測定値をパワー制御部162に出力する。パワー制御部162は、進行波と反射波との測定値の差、即ちロードパワー(実効パワー)が、制御器100によって指定される設定パワーに一致するように、減衰器163を制御する(パワーフィードバック制御)。
本実施形態に係るパルスモニタ装置10は、測定制御部167及び第1検波部168を備えて構成される。つまり、パルスモニタ装置10は、パワーフィードバック制御に用いられる方向性結合器の信号を分岐させてモニタしている。なお、パルスモニタ装置10は、パワーフィードバック制御の構成と兼用されることが必須ではなく、パワーフィードバック制御の構成とは別に追加されていてもよい。
チューナ26は、チューナ制御部260及びチューナ検波部264を有する。チューナ制御部260は、制御器100の信号及びチューナ検波部264の検出結果に基づいて、マイクロ波出力装置16側のインピーダンスとアンテナ18側のインピーダンスとを整合するようにスタブ26a、26b,26cの突出位置を調整する。チューナ検波部264は、一例として三探針検波器であり、3本のダイオード付きプローブを有する。チューナ制御部260は、図示しないドライバ回路及びアクチュエータにより、スタブ26a、26b,26cを動作させる。
チューナ制御部260は、第2パルス生成器103により生成されたマイクロ波パワー用の同期信号PSS−MTを取得する。チューナ制御部260は、同期信号を考慮して、スタブ26a、26b,26cを動作させる。高周波電源58は、第3パルス生成器104により生成された高周波パワー用の同期信号PSS−Rを取得する。高周波電源58は、同期信号PSS−Rに基づいて高周波パワーをパルス変調する。マッチングユニット60は、第4パルス生成器105により生成された高周波パワー用の同期信号PSS−MTを取得する。マッチングユニット60は、同期信号PSS−MTに基づいて、パルス変調された高周波パワーを整合する。
[波形発生器の詳細]
図3は、波形発生器におけるマイクロ波の生成原理を説明する図である。図3に示されるように、波形発生器101は、例えば、基準周波数と位相を同期させたマイクロ波を発振することが可能なPLL(Phase Locked Loop)発振器と、PLL発振器に接続されたIQデジタル変調器とを有する。波形発生器101は、PLL発振器において発振されるマイクロ波の周波数を制御器100により指定された設定周波数に設定する。そして、波形発生器101は、PLL発振器からのマイクロ波と、当該PLL発振器からのマイクロ波とは90°の位相差を有するマイクロ波とを、IQデジタル変調器を用いて変調する。これにより、波形発生器101は、帯域内において複数の周波数成分を有するマイクロ波、又は、単一周波数のマイクロ波を生成する。
波形発生器101は、例えば、N個の複素データシンボルに対する逆離散フーリエ変換を行って連続信号を生成することにより、複数の周波数成分を有するマイクロ波を生成することが可能である。この信号の生成方法は、ディジタルテレビ放送等で用いられるOFDMA(Orthogonal Frequency−Division Multiple Access)変調方式と同様の方法であり得る(例えば特許5320260号参照)。
一例では、波形発生器101は、予めデジタル化された符号の列で表された波形データを有する。波形発生器101は、波形データを量子化し、量子化したデータに対して逆フーリエ変換を適用することにより、IデータとQデータとを生成する。そして、波形発生器101は、Iデータ及びQデータの各々に、D/A(Digital/Analog)変換を適用して、二つのアナログ信号を得る。波形発生器101は、これらアナログ信号を、低周波成分のみを通過させるLPF(ローパスフィルタ)へ入力する。波形発生器101は、LPFから出力された二つのアナログ信号を、PLL発振器からのマイクロ波、PLL発振器からのマイクロ波とは90°の位相差を有するマイクロ波とそれぞれミキシングする。そして、波形発生器101は、ミキシングによって生成されたマイクロ波を合成する。これにより、波形発生器101は、一又は複数の周波数成分を有するマイクロ波を生成する。
[マイクロ波の一例]
マイクロ波発生部16aから出力されるマイクロ波パワーは、HighレベルのパワーとLowレベルのパワーとを繰り返すようにパルス状に変調された波形となる。図4は、パワーがパルス変調されたマイクロ波の一例である。図4に示されるように、マイクロ波は、制御器100から指示された設定周波数及び設定帯域幅にそれぞれ応じた中央周波数及び帯域幅を有し、制御器100から指示された設定パルス周波数、設定デューティ比、Highレベルの設定パワー及びLowレベルの設定パワーにそれぞれ応じたパルス周波数、デューティ比、Highレベルのパワー及びLowレベルのパワーを有する。Lowレベルのパワーは、Highレベルのパワーよりも低いパワーである。
Lowレベルのパワーは、プラズマ生成状態を維持するのに必要な最も低いレベルより低いパワーであってもよい。一例として、Lowレベルの設定パワーは、0W以上400W以下であってもよい。Lowレベルの設定パワーが0Wのとき、マイクロ波パワーは、ON/OFF制御となる。なお、Lowレベルの設定パワーが0Wのときは、ノイズレベルを考慮した値として設定されてもよい。つまり、ON/OFF制御は、0W及び設定パワーの正確な繰り返しのみならず、ノイズレベルも含み得る。Lowレベルの設定パワーが0Wを超えて400W以下のとき、マイクロ波パワーは、Lowレベルにおいてプラズマ励起がなされない程度のHigh/Low制御となる。以下では、Lowレベルの設定パワーが0Wである例を説明するが、実施形態はこれに限定されるものではない。
[マイクロ波の同期信号の一例]
図5は、パルス変調されたマイクロ波を検波器を介してアナログ出力した一例である。図5に示されるように、同期信号PSS−Mは、ON状態(High状態)とOFF状態(Low状態)とが交互に出現するパルス信号となる。同期信号PSS−Mのパルス周期PT1は、Highレベルとなるタイミングの間隔で定義する。HighレベルとLowレベルとの差分をΔとすると、High時間HTは、パルスの立ち上がり期間PUにおいて0.5Δとなるタイミングからパルスの立ち下がり期間PDにおいて0.5Δとなるタイミングまでの期間として定義する。パルス周期PT1に対するHigh時間HTの比がデューティ比である。第1パルス生成器102は、制御器100により指定されたパルス周波数(1/PT1)及びデューティ比(HT/PT1×100[%])に基づいて、図5に示されるような同期信号を生成する。
[マイクロ波パワーのパルス変調の一例]
図6は、増幅前のマイクロ波、同期信号、及び、変調及び増幅されたマイクロ波の対応関係を説明する図である。図6の信号(A)は、波形発生器101により生成された増幅前のマイクロ波の波形である。図6の信号(B)は、第1パルス生成器102により生成された同期信号PSS−Mの波形である。図6の信号(C)は、信号(A)及び信号(B)に基づいて変調され、かつ、増幅されたマイクロ波の波形である。それぞれの横軸は時間である。信号(A)は、パワー制御部162及び減衰器163によって、信号(B)に基づいて減衰される。例えば、信号(A)は、同期信号PSS−MのHigh時間HT以外において0Wに減衰される。減衰された信号は、増幅器164及び増幅器165によって増幅され、信号(C)となる。信号(C)は、ON状態のパワーが設定パワーPsetとなるように増幅される。信号(C)のON状態は、同期信号PSS−MのHigh時間HTと一致する。信号(C)のパルス周期は、同期信号PSS−Mのパルス周期PT1と一致する。つまり、マイクロ波のパワーのデューティ比(%)は、同期信号PSS−Mと一致する。
[測定制御部のデータサンプリングの一例]
測定制御部167は、パルス変調された進行波パワーを正確に測定するためにデータを平均化してもよい。図7は、移動平均の一例を説明する図である。図7において、aはサンプリング間隔[μs]、bは移動平均時間[μs]、cはサンプル数である。なお,サンプリング間隔は、0.1μs以下である。サンプル数cはb/aで表現される。測定制御部167は、時刻t=0のとき、Pf(1)〜Pf(c)までのc個のサンプルをサンプリング間隔aで取得し、平均化する。測定制御部167は、時刻t=1のとき、Pf(2)〜Pf(c+1)までのc個のサンプルをサンプリング間隔aで取得し、平均化する。測定制御部167は、時刻t=kのとき、Pf(k+1)〜Pf(c+k)までのc個のサンプルをサンプリング間隔aで取得し、平均化する。数式で表すと以下の通りである。

これにより、強弱を有するパワー波形が平均化される。なお、上記例では進行波の例を示したが、反射波も同一の手法で平均化することができる。
[測定制御部による進行波パワーのON/OFF判定の一例]
測定制御部167は、パルス変調された進行波パワーのON状態とOFF状態とを正確に判定するためにON状態を判定するための閾値と、OFF状態を判定するための閾値とにヒステリシスを設けてもよい。マイクロ波の進行波パワーのHighレベルを判定するための閾値をHysH、マイクロ波の進行波パワーのLowレベルを判定するための閾値をHysL、Highレベルの設定パワーをPset、ヒステリシス比率をHys(0%以上50%以下)とすると、ヒステリシスは、以下の数式(1)で表現される。

なお、上記は一例である。例えば、ヒステリシス閾値はPset/2に対して等間隔である必要はない。Highレベル閾値HysH及びLowレベル閾値HysLは、個別に設定されてもよい。Highレベル閾値HysHは、設定パワーPsetよりも大きくてもよい。
図8は、ヒステリシスのある閾値を用いた判定の一例を説明する図である。図8では、マイクロ波の進行波パワーと、ON/OFFの判定結果が示されている。図8に示されるように、0WとHighレベルの設定パワーPsetとの間に、Highレベル閾値HysH及びLowレベル閾値HysLが設定される。測定制御部167は、Highレベル閾値HysH及びLowレベル閾値HysLを用いて、マイクロ波の進行波パワーのON/OFFを判定する。
波形(A)では、Lowレベル閾値HysL以下の信号が、Lowレベル閾値HysL及びHighレベル閾値HysHを超えて立ち上がっている。この場合、測定制御部167は、Highレベル閾値HysH以上となったときに、信号がOFF状態からON状態へと切り替わった、と判定する。
波形(B)では、Highレベル閾値HysH以上の信号が、Highレベル閾値HysH以上の領域で減少及び増加している。この場合、測定制御部167は、ON状態が維持されている、と判定する。
波形(C)では、Highレベル閾値HysH以上の信号が、Highレベル閾値HysH以下及びLowレベル閾値HysL以上となるまで減少し、再び、Highレベル閾値HysH以上に増加している。この場合、測定制御部167は、ON状態が維持されている、と判定する。つまり、測定制御部167は、Highレベル閾値HysH以下となっても、ON状態であると判定する。
波形(D)では、Highレベル閾値HysH以上の信号が、Highレベル閾値HysH以下及びLowレベル閾値HysL以上となるまで減少し、その値で一定値となっている。この場合、測定制御部167は、ON状態が維持されている、と判定する。つまり、測定制御部167は、Highレベル閾値HysH以下となっても、ON状態であると判定する。
波形(E)では、Highレベル閾値HysH以上の信号が、Lowレベル閾値HysL以下となるまで減少し、その後、Lowレベル閾値HysL以上及びHighレベル閾値HysH以下となるように増加している。この場合、測定制御部167は、Lowレベル閾値HysL以下となったときに信号がON状態からOFF状態へと切り替わった、と判定する。そして、測定制御部167は、Lowレベル閾値HysL以上となっても、OFF状態であると判定する。
波形(F)では、Highレベル閾値HysH以上の信号が、Lowレベル閾値HysL以下に減少している。この場合、測定制御部167は、Lowレベル閾値HysL以下となったときに、信号がON状態からOFF状態へと切り替わった、と判定する。
波形(G)では、Lowレベル閾値HysL以下の信号が、Lowレベル閾値HysL以上とならずに減少及び増加している。この場合、測定制御部167は、OFF状態が維持されている、と判定する。
波形(H)では、Lowレベル閾値HysL以下の信号が、Lowレベル閾値HysL以上及びHighレベル閾値HysH以下となるまで増加し、再び、Lowレベル閾値HysL以下に減少している。この場合、測定制御部167は、ON状態が維持されている、と判定する。つまり、測定制御部167は、Lowレベル閾値HysL以上となっても、OFF状態であると判定する。
波形(I)では、Lowレベル閾値HysL以下の信号が、Lowレベル閾値HysL以上及びHighレベル閾値HysH以下となるまで増加し、その値で一定値となっている。この場合、測定制御部167は、OFF状態が維持されている、と判定する。つまり、測定制御部167は、Lowレベル閾値HysL以上となっても、OFF状態であると判定する。
波形(J)では、Lowレベル閾値HysL以下の信号が、Highレベル閾値HysH以上となるまで増加し、その後、Lowレベル閾値HysL以上及びHighレベル閾値HysH以下となるように減少している。この場合、測定制御部167は、Highレベル閾値HysH以上となったときに信号がOFF状態からON状態へと切り替わった、と判定する。そして、測定制御部167は、Highレベル閾値HysH以下となっても、ON状態であると判定する。
以上のように、測定制御部167は、ヒステリシス閾値処理として、信号が増加しながらHighレベル閾値HysH以上となったときのみ、信号がOFF状態からON状態へ切り替わったと判定する。測定制御部167は、ヒステリシス閾値処理として、信号が減少しながらLowレベル閾値HysL以下となったときのみ、信号がON状態からOFF状態へ切り替わったと判定する。
[測定制御部の設定の一例]
測定制御部167は、測定誤差が小さくなる範囲で測定するように設定されていてもよい。測定誤差は、周波数精度及びデューティ比誤差を含む。周波数精度は、設定パルス周波数に対する検出パルス周波数の誤差である。具体的な一例として、周波数精度は、以下の数式(2)で表現される。

ただし、数式(2)の右辺の計算値が100%以上となった場合は、周波数精度は100%とする。デューティ比誤差は、設定デューティ比に対する検出デューティ比の誤差である。具体的な一例として、デューティ比誤差は、以下の数式(3)で表現される。
測定制御部167は、周波数精度及びデューティ比誤差のうち大きい方を最大誤差として採用してもよい。
測定制御部167は、最大誤差が小さくなるように、例えば以下の範囲で動作するように設定される。測定制御部167は、第1検波部168によって検出されたマイクロ波の進行波パワーのHighレベル及びLowレベルをそれぞれ判定するためのヒステリシス閾値を数式(1)で定義した場合、縦軸がヒステリシス比率であり横軸が移動平均時間である座標平面上の第1領域R1内、又は、第2領域R2内に含まれるヒステリシス比率及び移動平均時間で、マイクロ波の進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得する。
図24は、ヒステリシス比率と移動平均時間との関係を示すシミュレーション結果において、第1領域R1及び第2領域R2を示す図である。図24の(A)は、縦軸が移動平均時間であり、横軸がヒステリシス比率Hysであり、最大誤差をパラメータとしたコンター図である。第1領域R1は、最大誤差が1%以下となる領域である。具体的には、第1領域R1は、ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が0.1μsとなる第1点P1、ヒステリシス比率が45%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第2点P2、ヒステリシス比率が40%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第3点P3、ヒステリシス比率が37%かつ移動平均時間が0.75μsとなる第4点P4、並びに、ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が0.6μsとなる第5点P5を、第1点P1、第2点P2、第3点P3、第4点P4、第5点P5、及び、第1点P1の順に線分で結んで得られる閉領域である。
図24の(B)は、縦軸が移動平均時間であり、横軸がヒステリシス比率Hysであり、最大誤差をパラメータとしたコンター図である。第2領域R2は、最大誤差が3%以下となる領域である。具体的には、第2領域R2は、ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が0.1μsとなる第1点P1、ヒステリシス比率が45%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第2点P2、ヒステリシス比率が40%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第3点P3、ヒステリシス比率が35%かつ移動平均時間が1.0μsとなる第6点P6、並びに、ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が1.0μsとなる第7点P7を、第1点P1、第2点P2、第3点P3、第6点P6、第7点P7、及び、第1点P1の順に線分で結んで得られる閉領域である。
[第1実施形態のまとめ]
パルスモニタ装置10では、第1検波部168によって導波管内のマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値が検出され、測定制御部167によって進行波パワーの周波数及びデューティ比が取得される。このため、パルスモニタ装置10は、帯域幅を有するマイクロ波のパワーがパルス変調された場合に、処理容器へ投入されるマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタすることができる。
パルスモニタ装置10では、ヒステリシス閾値を数式(1)で定義した場合、第1領域R1内、あるいは、第2領域R2内に含まれるヒステリシス比率及び移動平均時間で、マイクロ波の進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得する。これにより、パルスモニタ装置10は、設定パルス周波数に対する検出パルス周波数の誤差、及び、設定デューティ比に対する検出デューティ比の誤差をそれぞれ1%〜3%以下にすることができる。よって、パルスモニタ装置10は、処理容器へ投入されるマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比を精度良くモニタすることができる。
また、パルスモニタ装置10によれば、チューナ26の一次側におけるマイクロ波の進行パワーをモニタすることができる。また、パルスモニタ装置10を備えるプラズマ処理装置1は、パルスモニタ装置10と同一の効果を奏する。
[第2実施形態]
第2実施形態に係るパルスモニタ装置10Aは、第1実施形態に係るパルスモニタ装置10と比べて、チューナ26の制御部がパルスモニタ装置として機能する点が相違し、その他は同一である。以下では、パルスモニタ装置10Aとパルスモニタ装置10との相違点を中心に説明し、重複する説明は繰り返さない。
図9は、パルスモニタ装置の他の例を示す図である。図9に示されるように、測定部16kは、測定制御部167A及び第1検波部168Aを備える。測定制御部167A及び第1検波部168Aは、測定制御部167及び第1検波部168と比較して、パルスモニタ機能を有しない点で相違し、その他は同一である。
チューナ26は、チューナ制御部260A(取得部の一例)及びチューナ検波部264A(検波部の一例)を有する。チューナ制御部260A及びチューナ検波部264Aは、チューナ制御部260及びチューナ検波部264と比較して、パルスモニタ機能を有する点で相違し、その他は同一である。つまり、チューナ制御部260Aは、チューナ検波部264Aによって検出された検波信号を分岐して、マイクロ波の進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得する。このように、パルスモニタ装置10Aは、チューナ制御部260A及びチューナ検波部264Aを備えて構成される。なお、パルスモニタ装置10Aは、チューナ26と兼用されることが必須ではなく、チューナ26の構成とは別に追加されていてもよい。また、モニタの仕方、つまり、ヒステリシス比率、移動平均時間及びヒステリシス閾値については、第1実施形態と同一である。
上記以外のプラズマ処理装置1Aの構成は、プラズマ処理装置1と同一である。
[第2実施形態のまとめ]
パルスモニタ装置10Aによれば、処理容器へ投入されるマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタすることができる。パルスモニタ装置10Aによれば、処理容器へ投入されるマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比を精度良くモニタすることができる。パルスモニタ装置10Aによれば、チューナ26におけるマイクロ波の進行パワーをモニタすることができる。また、パルスモニタ装置10Aを備えるプラズマ処理装置1Aは、パルスモニタ装置10Aと同一の効果を奏する。
[第3実施形態]
第3実施形態に係るパルスモニタ装置10Bは、第1実施形態に係るパルスモニタ装置10と比べて、復調部80及び復調制御部81を備える点が相違し、その他は同一である。以下では、パルスモニタ装置10Bとパルスモニタ装置10との相違点を中心に説明し、重複する説明は繰り返さない。
図10は、パルスモニタ装置の他の例を示す図である。図10に示されるように、測定部16kは、測定制御部167A及び第1検波部168Aを備える。測定制御部167A及び第1検波部168Aは、測定制御部167及び第1検波部168と比較して、パルスモニタ機能を有しない点で相違し、その他は同一である。
プラズマ処理装置1Bは、復調部80(検波部の一例)及び復調制御部81(取得部の一例)を備える。復調部80は、例えば導波管21におけるチューナ26とアンテナ18(図1参照)との間に設けられる。復調部80は、導波管21内を進行する進行波のパワーである進行波パワー、及び、アンテナ18側からの反射波のパワーである反射波パワーを周波数ごとに取得する。
復調部80は、方向性結合器を有する。方向性結合器は、一例として、4つのポートを有する双方向性結合器である。方向性結合器は、マイクロ波発生部16aから出力されて、導波管21内に伝搬するマイクロ波(即ち、進行波)の一部を分岐させて、当該進行波の一部を出力するように構成されている。同様に、方向性結合器は、モード変換器から戻ってくるマイクロ波(即ち、反射波)の一部を分岐させて、当該反射波の一部を出力するように構成されている。
復調制御部81は、プロセッサ及びメモリを有する演算器である。復調制御部81は、方向性結合器から出力された進行波の一部に基づき、方向性結合器における進行波パワーを測定する。同様に、復調制御部81は、方向性結合器から出力された反射波の一部に基づき、方向性結合器における反射波パワーを測定する。
パルスモニタ装置10Bは、復調部80及び復調制御部81を備えて構成される。なお、パルスモニタ装置10Bは、復調部80及び復調制御部81と兼用されることが必須ではなく、復調部80及び復調制御部81の構成とは別に追加されていてもよい。また、モニタの仕方、つまり、ヒステリシス比率、移動平均時間及びヒステリシス閾値については、第1実施形態と同一である。
上記以外のプラズマ処理装置1Bの構成は、プラズマ処理装置1と同一である。
[第3実施形態のまとめ]
パルスモニタ装置10Bによれば、処理容器へ投入されるマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタすることができる。パルスモニタ装置10Aによれば、処理容器へ投入されるマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比を精度良くモニタすることができる。パルスモニタ装置10Bによれば、チューナ26の二次側におけるマイクロ波の進行パワーをモニタすることができる。また、パルスモニタ装置10Bを備えるプラズマ処理装置1Bは、パルスモニタ装置10Bと同一の効果を奏する。
以上、種々の実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。
上述した実施形態では、マイクロ波発生部16aと波形発生器101とが分離している例を説明したが、一つの装置として構成されていてもよい。また、演算装置100aが第1パルス生成器102〜第4パルス生成器105を備える例を説明したが、これに限定されない。例えば、パワー制御部162が第1パルス生成器102を備えてもよい。
プラズマ処理装置がマイクロ波の進行波パワーを利用するモードのみ用いる場合、測定部16kは反射波を測定する構成を備えていなくてもよい。
パルスモニタ装置10の測定制御部167、パルスモニタ装置10Aのチューナ制御部260A、及び、パルスモニタ装置10Bの復調制御部81は、警報機能を有していてもよい。以下では、測定制御部167を警報部の一例として説明する。測定制御部167は、第1検波部168により検出されたパルス周波数又はデューティ比に対して予め設定された閾値を参照することができる。閾値は、パルス周波数及びデューティ比のそれぞれ個別に設定されていてもよいし、何れか一方に設定されてもよい。閾値は、シミュレーション結果あるいは過去の測定結果に基づいて設定され得る。測定制御部167は、モニタ中のパルス周波数又はデューティ比と所定の閾値とを比較する。測定制御部167は、比較結果に基づいて警報を出力する。警報の種類は限定されない。例えば、モニタ画面に警報画面が表示されてもよいし、アラーム音が出力されてもよい。あるいは、異常である旨のログが記録装置に記憶されてもよいし、異常を検知した旨の信号がプラズマ処理装置の演算装置100aへ出力されてもよい。チューナ制御部260A及び復調制御部81は、上述した測定制御部167の警報機能と同一の機能を有してもよい。このような警報機能を有することで、パルスモニタ装置10,10A,10Bは、マイクロ波が設定通りに出力されていないことを検知することができる。なお、上述した警報機能は、装置側の制御器100が有してもよい。
パルスモニタ装置10,10A,10B又は制御器100が警報機能を有することで、パルス設定に対して不適切な処理のとき異常を検出することができる。このため、設定に対してウェハに対する処理が確実に実行されたことと、異常発生のままウェハ処理が実行されることを未然に防ぐことができる。
以下、本開示の効果を説明するシミュレーション結果を説明する。
[進行波パワーの波形と移動平均時間との関係]
帯域幅を有するマイクロ波のパワー、及び、帯域幅を有するマイクロ波のパワーがパルス変調された場合の波形をシミュレーションにより確認した。また、移動平均時間が波形に与える影響をシミュレーションにより検証した。シミュレーションの条件として、設定パワーPsetを2500W、帯域幅を10MHzとした。パルス変調の設定デューティ比は10%、設定パルス周波数は20kHzとした。パルス変調方式は、ON/OFF変調とした。移動平均時間は、0.1μs〜40μsとした。結果を図11に示す。
図11は、パルス変調されたマイクロ波(設定パワー2500W)のパワー振幅と時間との関係を、移動平均時間ごとにシミュレーションした結果である。図11のグラフ(A)は、帯域幅を有するマイクロ波の波形であって、パルス変調していない波形である。横軸は時間、縦軸は進行波パワーである。設定パワー2500Wの場合、進行波パワーは、0W〜8200Wの範囲で上下に振動していることが確認された。パワーの上限となっている8200Wは、測定制御部167の電子回路を構成するA/Dコンバータでの検出範囲となる。なお、上下する時間は10ns程度であった。
図11のグラフ(B)〜(E)は、グラフ(A)のマイクロ波をパルス変調した場合の波形である。グラフ(B)は移動平均時間が0.1μsのときの波形である。グラフ(C)は移動平均時間が1.0μsのときの波形である。グラフ(D)は移動平均時間が10.0μsのときの波形である。グラフ(E)は移動平均時間が40.0μsのときの波形である。グラフ(B)〜(E)に示されるように、パルスごとに上限及び下限の値が異なることがわかった。また、移動平均時間を長くすると、振動が平均化されてパルス形状がはっきりしてくることがわかった。また、移動平均時間を長くすると、OFF時間時の進行波パワーのなまりが一定になる傾向にあることが確認された。
同様に、設定パワー500Wの場合をシミュレーションした。シミュレーション条件は、設定パワー以外は同一である。結果を図12に示す。
図12は、パルス変調されたマイクロ波(設定パワー500W)のパワー振幅と時間との関係を、移動平均時間ごとにシミュレーションした結果である。図12のグラフ(A)は、帯域幅を有するマイクロ波の波形であって、パルス変調していない波形である。横軸は時間、縦軸は進行波パワーである。設定パワー500Wの場合、進行波パワーは、0W〜3000Wの範囲で上下に振動していることが確認された。上下する時間は10ns程度であった。
図12のグラフ(B)〜(E)は、グラフ(A)のマイクロ波をパルス変調した場合の波形である。グラフ(B)は移動平均時間が0.1μsのときの波形である。グラフ(C)は移動平均時間が1.0μsのときの波形である。グラフ(D)は移動平均時間が10.0μsのときの波形である。グラフ(E)は移動平均時間が40.0μsのときの波形である。グラフ(B)〜(E)に示されるように、設定パワー2500Wの場合と同様の傾向が確認された。つまり、移動平均時間を長くすると、振動が平均化されてパルス形状がはっきりしてくること、OFF時間時の進行波パワーのなまりが一定になる傾向にあることが確認された。
[進行波パワーの波形とデューティ比との関係]
デューティ比が波形に与える影響をシミュレーションにより検証した。シミュレーションの条件として、設定パワーPsetを2500W、帯域幅を10MHzとした。パルス変調の設定パルス周波数は20kHzとした。パルス変調方式は、ON/OFF変調とした。移動平均時間は、0.1μsとした。パルス変調の設定デューティ比を10%、50%、90%に設定し、波形を確認した。結果を図13に示す。
図13は、パルス変調されたマイクロ波(移動時間0.1μs)のパワー振幅と時間との関係を、デューティ比ごとにシミュレーションした結果である。図13のグラフ(A)はデューティ比10%の波形である。図13のグラフ(B)はデューティ比50%の波形である。図13のグラフ(C)はデューティ比90%の波形である。図13のグラフ(A)〜(C)に示されるように、デューティ比を大きくすると波形のOFF時の判定が困難になる傾向にあることが確認された。
同様に、移動時間1μsの場合をシミュレーションした。シミュレーション条件は、デューティ比以外は同一である。結果を図14に示す。
図14は、パルス変調されたマイクロ波(移動時間1.0μs)のパワー振幅と時間との関係を、デューティ比ごとにシミュレーションした結果である。図14のグラフ(A)はデューティ比10%の波形である。図14のグラフ(B)はデューティ比50%の波形である。図14のグラフ(C)はデューティ比90%の波形である。図14のグラフ(A)〜(C)に示されるように、パワーの強弱が未だ平均化されておらず、デューティ比が大きくすると波形のOFF時の判定が困難になる傾向にあることが確認された。
同様に、移動時間10.0μsの場合をシミュレーションした。シミュレーション条件は、デューティ比以外は同一である。結果を図15に示す。
図15は、パルス変調されたマイクロ波(移動時間10.0μs)のパワー振幅と時間との関係を、デューティ比ごとにシミュレーションした結果である。図15のグラフ(A)はデューティ比10%の波形である。図15のグラフ(B)はデューティ比50%の波形である。図15のグラフ(C)はデューティ比90%の波形である。図15のグラフ(A)〜(C)に示されるように、移動時間0.1μs及び1.0μsと比較して、パワーの強弱が改善されており、デューティ比10%、50%においてはパルス形状を確認することができた。しかし、デューティ比が大きくすると波形のOFF時の判定が困難になる傾向にあることが確認された。
[移動平均時間及びヒステリシス比率の最適な組み合わせ]
設定パワー及び設定デューティ比を変化させても、所定値以下の最大誤差を満たす移動平均時間及びヒステリシス比率の組み合わせが存在するか否かをシミュレーションにより検証した。
シミュレーション条件として、設定パワー及び設定デューティ比を複数用意した。設定パワーを500W〜2500W、設定デューティ比を10%〜90%とした。より具体的には、条件Aは、設定パワー2500Wかつ設定デューティ比10%、条件Bは、設定パワー1500Wかつ設定デューティ比10%、条件Cは、設定パワー500Wかつ設定デューティ比10%、条件Dは、設定パワー2500Wかつ設定デューティ比50%、条件Eは、設定パワー1500Wかつ設定デューティ比50%、条件Fは、設定パワー500Wかつ設定デューティ比50%、条件Gは、設定パワー2500Wかつ設定デューティ比90%、条件Hは、設定パワー1500Wかつ設定デューティ比90%、条件Iは、設定パワー500Wかつ設定デューティ比90%とした。条件A〜条件Iにおいて、帯域幅を10MHzとした。パルス変調の設定パルス周波数は20kHzとした。パルス変調方式は、ON/OFF変調とした。上記条件で、最大誤差を評価した。結果を図16〜図19に示す。図16、17は、周波数誤差に関するグラフであり、図18、19はデューティ比誤差に関するグラフである。
図16は、移動平均時間と周波数精度との関係を、ヒステリシス比率(0%〜20%)ごとにシミュレーションした結果である。横軸は移動平均時間、縦軸は周波数精度である。図16のグラフ(A)は、条件A〜条件Iについて、ヒステリシス比率0%における移動平均時間と周波数精度との関係を示している。条件A〜条件Iにおいて、移動平均時間が0.1〜5μsの範囲で周波数精度が高いことが確認された。図16のグラフ(B)は、条件A〜条件Iについて、ヒステリシス比率10%における移動平均時間と周波数精度との関係を示している。条件A〜条件Iにおいて、移動平均時間が0.1〜5μsの範囲で周波数精度が高いことが確認された。図16のグラフ(C)は、条件A〜条件Iについて、ヒステリシス比率20%における移動平均時間と周波数精度との関係を示している。条件A〜条件Iにおいて、移動平均時間が0.1〜5μsの範囲で周波数精度が高いことが確認された。
図17は、移動平均時間と周波数精度との関係を、ヒステリシス比率(30%〜50%)ごとにシミュレーションした結果である。横軸は移動平均時間、縦軸は周波数精度である。図17のグラフ(A)は、条件A〜条件Iについて、ヒステリシス比率30%における移動平均時間と周波数精度との関係を示している。条件A〜条件Iにおいて、移動平均時間が0.1〜5μsの範囲で周波数精度が高いことが確認された。図17のグラフ(B)は、条件A〜条件Iについて、ヒステリシス比率40%における移動平均時間と周波数精度との関係を示している。条件A〜条件Iにおいて、移動平均時間が0.1〜5μsの範囲で周波数精度が高いことが確認された。図17のグラフ(C)は、条件A〜条件Iについて、ヒステリシス比率50%における移動平均時間と周波数精度との関係を示している。条件A〜条件Iにおいて、移動平均時間が0.1〜5μsの範囲で周波数精度が高いことが確認された。
図18は、移動平均時間とデューティ比誤差との関係を、ヒステリシス比率(0%〜20%)ごとにシミュレーションした結果である。横軸は移動平均時間、縦軸はデューティ比誤差である。図18のグラフ(A)は、条件A〜条件Iについて、ヒステリシス比率0%における移動平均時間とデューティ比誤差との関係を示している。条件A〜条件Iにおいて、移動平均時間が0.1〜5μsの範囲でデューティ比誤差が低減していることが確認された。図18のグラフ(B)は、条件A〜条件Iについて、ヒステリシス比率10%における移動平均時間とデューティ比誤差との関係を示している。条件A〜条件Iにおいて、移動平均時間が0.1〜5μsの範囲でデューティ比誤差が低減していることが確認された。図18のグラフ(C)は、条件A〜条件Iについて、ヒステリシス比率20%における移動平均時間とデューティ比誤差との関係を示している。条件A〜条件Iにおいて、移動平均時間が0.1〜5μsの範囲でデューティ比誤差が低減していることが確認された。
図19は、移動平均時間とデューティ比誤差との関係を、ヒステリシス比率(30%〜50%)ごとにシミュレーションした結果である。横軸は移動平均時間、縦軸はデューティ比誤差である。図19のグラフ(A)は、条件A〜条件Iについて、ヒステリシス比率30%における移動平均時間とデューティ比誤差との関係を示している。条件A〜条件Iにおいて、移動平均時間が0.1〜5μsの範囲でデューティ比誤差が低減していることが確認された。図19のグラフ(B)は、条件A〜条件Iについて、ヒステリシス比率40%における移動平均時間とデューティ比誤差との関係を示している。条件A〜条件Iにおいて、移動平均時間が0.1〜5μsの範囲でデューティ比誤差が低減していることが確認された。図19のグラフ(C)は、条件A〜条件Iについて、ヒステリシス比率50%における移動平均時間とデューティ比誤差との関係を示している。条件A〜条件Iにおいて、移動平均時間が0.1〜5μsの範囲でデューティ比誤差が低減していることが確認された。
図16〜図19は、設定パルス周波数20kHzのシミュレーション結果である。設定パルス周波数を1kHz、10kHz、40kHz、50kHzにおいて、同一のシミュレーションを行った。そして、シミュレーション結果を用いて、横軸を移動平均時間、縦軸をヒステリシス比率とし、誤差をパラメータとしたコンター図に変換した。結果を図20〜図22に示す。
図20は、ヒステリシス比率、移動平均時間及び最大誤差の関係を、パルス周波数(1kHz、10kHz)ごとにシミュレーションした結果である。図20のグラフ(A)〜グラフ(C)は、設定パルス周波数が1kHzである。図20の(A)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、最大誤差をパラメータとしたコンター図である。図20のグラフ(B)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、周波数精度をパラメータとしたコンター図である。図20のグラフ(C)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、デューティ比誤差をパラメータとしたコンター図である。図20のグラフ(A)は、グラフ(B)及びグラフ(C)の最大をとることで導出される。パルス周波数1kHzにおいては、図20のグラフ(A)の色が濃い領域になるようにヒステリシス比率及び移動平均時間が設定されることで、最大誤差を少なくとも5%以下にすることができることがわかった。
図20のグラフ(D)〜グラフ(F)は、設定パルス周波数が10kHzである。図20の(D)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、最大誤差をパラメータとしたコンター図である。図20のグラフ(E)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、周波数精度をパラメータとしたコンター図である。図20のグラフ(F)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、デューティ比誤差をパラメータとしたコンター図である。図20のグラフ(D)は、グラフ(E)及びグラフ(F)の最大をとることで導出される。パルス周波数10kHzにおいては、図20のグラフ(D)の色が濃い領域になるようにヒステリシス比率及び移動平均時間が設定されることで、最大誤差を少なくとも5%以下にすることができることがわかった。
図21は、ヒステリシス比率、移動平均時間及び最大誤差の関係を、パルス周波数(20kHz、40kHz)ごとにシミュレーションした結果である。図21のグラフ(A)〜グラフ(C)は、設定パルス周波数が20kHzである。図21の(A)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、最大誤差をパラメータとしたコンター図である。図21のグラフ(B)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、周波数精度をパラメータとしたコンター図である。図21のグラフ(C)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、デューティ比誤差をパラメータとしたコンター図である。図21のグラフ(A)は、グラフ(B)及びグラフ(C)の最大をとることで導出される。パルス周波数20kHzにおいては、図21のグラフ(A)の色が濃い領域になるようにヒステリシス比率及び移動平均時間が設定されることで、最大誤差を少なくとも5%以下にすることができることがわかった。
図21のグラフ(D)〜グラフ(F)は、設定パルス周波数が40kHzである。図21の(D)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、最大誤差をパラメータとしたコンター図である。図21のグラフ(E)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、周波数精度をパラメータとしたコンター図である。図21のグラフ(F)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、デューティ比誤差をパラメータとしたコンター図である。図21のグラフ(D)は、グラフ(E)及びグラフ(F)の最大をとることで導出される。パルス周波数40kHzにおいては、図21のグラフ(D)の色が濃い領域になるようにヒステリシス比率及び移動平均時間が設定されることで、最大誤差を少なくとも5%以下にすることができることがわかった。
図22は、ヒステリシス比率、移動平均時間及び最大誤差の関係を、周波数(50kH)でシミュレーションした結果である。図22の(A)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、最大誤差をパラメータとしたコンター図である。図22のグラフ(B)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、周波数精度をパラメータとしたコンター図である。図22のグラフ(C)は、横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、デューティ比誤差をパラメータとしたコンター図である。図22のグラフ(A)は、グラフ(B)及びグラフ(C)の最大をとることで導出される。パルス周波数50kHzにおいては、図22のグラフ(A)の色が濃い領域になるようにヒステリシス比率及び移動平均時間が設定されることで、最大誤差を少なくとも5%以下にすることができることがわかった。
図20のグラフ(A)及びグラフ(D)、図21のグラフ(A)及びグラフ(D)、並びに、図22のグラフ(A)を重ねることで、設定パルス周波数1kHz〜50kHz、設定デューティ比10%〜90%、設定パワー500W〜2500Wの範囲において、最大誤差が小さくなる最適な移動平均時間及びヒステリシス比率の組み合わせを導出することができる。結果を図23に示す。
図23は、ヒステリシス比率と移動平均時間との関係を示すシミュレーション結果である。横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、最大誤差をパラメータとしたコンター図である。図22のグラフ(A)の色が濃い領域になるようにヒステリシス比率及び移動平均時間が設定されることで、設定パルス周波数1kHz〜50kHz、設定デューティ比10%〜90%、設定パワー500W〜2500Wの範囲において、最大誤差を少なくとも5%以下にすることができることが確認された。
図24は、図23の一部拡大図であり、ヒステリシス比率と移動平均時間との関係を示すシミュレーション結果において、第1領域及び第2領域を示す図である。横軸は移動平均時間、縦軸はヒステリシス比率であり、最大誤差をパラメータとしたコンター図である。図24のグラフ(A)は、最大誤差が1%以下となる第1領域R1を示している。第1領域は、第1領域R1は、ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が0.1μsとなる第1点P1、ヒステリシス比率が45%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第2点P2、ヒステリシス比率が40%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第3点P3、ヒステリシス比率が37%かつ移動平均時間が0.75μsとなる第4点P4、並びに、ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が0.6μsとなる第5点P5を、第1点P1、第2点P2、第3点P3、第4点P4、第5点P5、及び、第1点P1の順に線分で結んで得られる閉領域である。図24のグラフ(B)は、最大誤差が3%以下となる第2領域R2を示している。第2領域R2は、ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が0.1μsとなる第1点P1、ヒステリシス比率が45%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第2点P2、ヒステリシス比率が40%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第3点P3、ヒステリシス比率が35%かつ移動平均時間が1.0μsとなる第6点P6、並びに、ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が1.0μsとなる第7点P7を、第1点P1、第2点P2、第3点P3、第6点P6、第7点P7、及び、第1点P1の順に線分で結んで得られる閉領域である。
以上のように、シミュレーション結果によって、最大誤差が1%以下又は3%以下となる移動平均時間及びヒステリシス比率の組み合わせが示された。
1,1A,1B…プラズマ処理装置、12…チャンバ本体、16…マイクロ波出力装置、16a…マイクロ波発生部、16f…第1の方向性結合器、16h…第2の方向性結合器、16k…測定部、16t…出力部、18…アンテナ、20…誘電体窓、26…チューナ、27…モード変換器、28…同軸導波管、30…スロット板、32…誘電体板、34…冷却ジャケット、38…ガス供給系、58…高周波電源、60…マッチングユニット、100…制御器、101…波形発生器、102…第1パルス生成器、162…パワー制御部、163…減衰器、164…増幅器、165…増幅器、166…モード変換器。

Claims (9)

  1. プラズマ処理装置に備わるマイクロ波出力装置によって発生されたマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタするパルスモニタ装置であって、
    前記プラズマ処理装置は、
    チャンバ本体と、
    制御器から指示された設定周波数及び設定帯域幅にそれぞれ応じた中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波であって、制御器から指示された設定パルス周波数、設定デューティ比、Highレベルの設定パワー及びLowレベルの設定パワーにそれぞれ応じたパルス周波数、デューティ比、Highレベル及びLowレベルとなるようにパワーがパルス変調された該マイクロ波を発生する前記マイクロ波出力装置と、
    前記マイクロ波出力装置と前記チャンバ本体とを接続する導波管と、
    前記導波管に設けられたチューナと、
    を備え、
    前記パルスモニタ装置は、
    前記導波管内のマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出する検波部と、
    前記検波部により検出された前記測定値に基づいて、進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得する取得部と、
    を備える、パルスモニタ装置。
  2. 前記取得部は、
    前記検波部によって検出されたマイクロ波の進行波パワーのHighレベル及びLowレベルをそれぞれ判定するためのヒステリシス閾値を数式(1)で定義した場合、縦軸がヒステリシス比率であり横軸が移動平均時間である座標平面上の第1領域内に含まれるヒステリシス比率及び移動平均時間で、マイクロ波の進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得し、
    前記第1領域は、
    前記ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が0.1μsとなる第1点、前記ヒステリシス比率が45%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第2点、前記ヒステリシス比率が40%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第3点、前記ヒステリシス比率が37%かつ移動平均時間が0.75μsとなる第4点、並びに、前記ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が0.6μsとなる第5点を、前記第1点、前記第2点、前記第3点、前記第4点、前記第5点、及び、前記第1点の順に線分で結んで得られる閉領域である、
    請求項1に記載のパルスモニタ装置。

    ただし、HysHは、マイクロ波の進行波パワーのHighレベルを判定するための閾値、HysLは、マイクロ波の進行波パワーのLowレベルを判定するための閾値、Psetは、Highレベルの設定パワー、Hysは、前記ヒステリシス比率であり0%以上50%以下である。
  3. 前記取得部は、
    前記検波部によって検出されたマイクロ波の進行波パワーのHighレベル及びLowレベルをそれぞれ判定するためのヒステリシス閾値を数式(1)で定義した場合、縦軸がヒステリシス比率であり横軸が移動平均時間である座標平面上の第2領域内に含まれるヒステリシス比率及び移動平均時間で、マイクロ波の進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得し、
    前記第2領域は、
    前記ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が0.1μsとなる第1点、前記ヒステリシス比率が45%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第2点、前記ヒステリシス比率が40%かつ移動平均時間が0.5μsとなる第3点、前記ヒステリシス比率が35%かつ移動平均時間が1.0μsとなる第6点、並びに、前記ヒステリシス比率が50%かつ移動平均時間が1.0μsとなる第7点を、前記第1点、前記第2点、前記第3点、前記第6点、前記第7点、及び、前記第1点の順に線分で結んで得られる閉領域である、
    請求項1に記載のパルスモニタ装置。

    ただし、HysHは、マイクロ波の進行波パワーのHighレベルを判定するための閾値、HysLは、マイクロ波の進行波パワーのLowレベルを判定するための閾値、Psetは、Highレベルの設定パワー、Hysは、前記ヒステリシス比率であり0%以上50%以下である。
  4. 前記Lowレベルの設定パワーは、0W以上400W以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載のパルスモニタ装置。
  5. 前記検波部は、前記マイクロ波出力装置と前記チューナとの間の導波管内のマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出する、請求項1〜4の何れか一項に記載のパルスモニタ装置。
  6. 前記検波部は、前記チューナの検波信号に基づいてマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出する、請求項1〜4の何れか一項に記載のパルスモニタ装置。
  7. 前記検波部は、前記チューナと前記チャンバ本体との間の導波管内のマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出する、請求項1〜4の何れか一項に記載のパルスモニタ装置。
  8. 前記検波部により検出されたパルス周波数又はデューティ比と所定の閾値とを比較し、比較結果に基づいて警報を出力する警報部を有する、請求項1〜7の何れか一項に記載のパルスモニタ装置。
  9. チャンバ本体と、
    制御器から指示された設定周波数及び設定帯域幅にそれぞれ応じた中央周波数及び帯域幅を有するマイクロ波であって、制御器から指示された設定パルス周波数、設定デューティ比、Highレベルの設定パワー及びLowレベルの設定パワーにそれぞれ応じたパルス周波数、デューティ比、Highレベル及びLowレベルとなるようにパワーがパルス変調された該マイクロ波を発生するマイクロ波出力装置と、
    前記マイクロ波出力装置と前記チャンバ本体とを接続する導波管と、
    前記導波管に設けられたチューナと、
    前記マイクロ波出力装置によって発生されたマイクロ波のパルス周波数及びデューティ比をモニタするパルスモニタ装置と、
    を備え、
    前記パルスモニタ装置は、
    前記導波管内のマイクロ波の進行波パワーに応じた測定値を検出する検波部と、
    前記検波部により検出された前記測定値に基づいて、進行波パワーの周波数及びデューティ比を取得する取得部と、
    を有する、プラズマ処理装置。
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